JP4518544B2 - 水蒸気圧縮冷凍機の運転制御装置 - Google Patents
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Description
従来、水蒸気圧縮冷凍機を冷熱源として氷蓄熱システムは、特開2002−257385特許公開公報に開示された図6に示すような構成であった。これについて説明すれば、1は水蒸気圧縮冷凍機であって、蒸発器1a、圧縮機1b及び凝縮器1cを備えている。該蒸発器1aは氷蓄熱槽2から循環水3を導くと共に前記圧縮機1bの運転によって、低圧に保持しつつ当該循環水3の一部を蒸発させる。該圧縮機1bは当該蒸発器1aから導入された水蒸気を所定の条件で加圧する。前記凝縮器1cは、前記圧縮機1bで加圧されかつ高温になった水蒸気を導入し、これを外部に設置した冷却塔4から導いた冷却水5で冷却し、凝縮する。
ここに於いて、前記氷蓄熱槽2、前記水蒸気圧縮冷凍機1の蒸発器1a、氷スラリーポンプ6及びこれらを結ぶ連絡管には補給水として水道水が満されている。
冷却塔4は、前記水蒸気圧縮機冷凍機1の付帯設備であり補給水を導入し、前記凝縮器1cから導かれた冷却水5を冷却水ポンプ1dで流送し、一部を大気に蒸発させると共に、一部をブロー水として排出し、該補給水を冷却水5に加えて、前記凝縮器1cに導入する。また、前記冷却塔4は前記凝縮器1cに於いて水蒸気を凝縮することで温度上昇した冷却水の熱を、前記冷却水の蒸発に伴う気化熱によって、大気に排出する機能を有する。
2は氷蓄熱槽であり、前記蒸発器1aから氷スラリーポンプ6を介して取出された低温氷スラリーを貯留する。該氷蓄熱槽2では後記する冷熱用熱交換器7から氷融解水2aを導き、低温の氷スラリーの氷融解作用が行なわれ、氷と融解水すなわち冷水が混在することになる。当該冷水は解氷水ポンプ2bで冷熱用熱交換器7に圧送される。該冷熱用熱交換器7はいわゆる熱取出しサイクルとして冷房負荷(開示せず)等に冷水ポンプ7aで冷水を循環流送する。
ところで水蒸気圧縮冷凍機1は、蒸発器1aが熱交換器を介さない水を冷媒とした冷凍機である。すなわち、水蒸気圧縮冷凍機1の冷媒である水は蒸発器1a内と配管を介して負荷側と直接に繋がっており、氷蓄熱槽2内の水を含めた全てが冷媒といえる。この水蒸気圧縮冷凍機1を始動して、所望の定格運転の状態にするためには、蒸発器1aに導入される冷水温度がある程度低下するまで時間を要するが、従来では蒸発器1aはもとより氷蓄熱槽2や配管内の水全体の温度を下げるまで、蒸発器1aと氷蓄熱槽2との間で水の循環を繰り返すしかなかった。
従って、本発明は、上記の問題を解消するためになされたものであって、水蒸気圧縮冷凍機1を冷熱源とした氷蓄熱システムに関し、冷凍機始動から製氷運転(定格運転)までの立ち上がり時間を短縮し、立ち上がり時の蒸発器1a内飛散水の抑制とエネルギーロスの削減を目的とする。
すなわち、蒸発器内に水滴飛散防止用デミスタ及び攪拌機を備えたので冷水の蒸発等により冷水や製氷水の水滴が圧縮機側に飛散することを防止でき、併せて氷同士の結氷を防止する効果がある。また返り管に制御弁を配設し水位レベル計で水蒸気圧縮冷凍機の蒸発器内に貯留された氷スラリー液の水液位を検出すると共にこの検出信号によって、該制御弁の弁開度をコントロールし、該氷スラリー液の液位を制御でき、返り管内を流送する冷水温度を検出する冷水温度計の計測値で弁の開度をコントロールできるという効果がある。スラリーポンプから流送した氷スラリー液の全んどをバイパス管に接続したバイパス制御弁を経由して返り管から蒸発器に流送すると共に氷蓄熱槽に流送することがなく、常に該蒸発器内の氷スラリー液又は冷水を低温度に持続でき、水蒸気圧縮冷凍機の運転立上げを速やかに動作させるという効果がある。そしてバイパス制御弁が全開時すなわち冷水温度計の温度が高い値を示す場合に、必要に応じ冷水ポンプを運転することにより制御弁を絞り全バイパスを行ない、氷蓄熱槽へ流入及び流出する冷水流量のバランスの崩れを補完できるという効果がある。
先ず、本システムに別途備えている真空ポンプ(図示せず)を始動し、例えば、飽和蒸気温度約24(℃)、真空圧3.0(KPa)で真空システム(図示せず)を始動する。そして、スラリーポンプ14を始動し、流量計14aからの計測値で氷スラリー液8dの流量値を算出し、インバータ14bを作動させて定流量制御を行なう。一方、水位レベル計17aで蒸発器8dに貯留する氷スラリー液8dの水液位を検出し、この検出信号により制御弁17の弁開度をコントロールし、水液位制御を開始する。
さらに、上記冷水温度計19aによる計測値、つまり、当該冷水温度が例えば、6(℃)以下になったとき上記水蒸気圧縮冷凍機8は定常運転領域の例えば、回転数を70(Hz)まで回転上昇させる。
尚、当該バイパス制御弁19がON−OFF制御の場合は、返り管16内を流送する冷水の冷水温度が設定値、すなわち、5(℃)以下のときは上記バイパス制御弁19を閉じる。
尚、グラフ内の特性線は水蒸気圧縮冷凍機始動からの運転時間(min)に対する各冷水温度(℃)を示すものであって、
aはバイパス制御を行わない場合の冷水出口温度特性線
bはバイパス制御を行った場合の冷水出口温度特性線
cはバイパス制御を行った場合の混合後の冷水入口温度特性線
dはバイパス制御を行った場合の混合前の冷水入口温度特性線
である。
18Aないし18Dはそれぞれバイパス管であり、上記往き管12の経路と上記返り管16の経路との間に接続又は配管されている。19Aないし19Dはそれぞれバイパス制御弁であり、上記バイパス管18Aないし18Dの経路に対応してそれぞれ配設されている。そして、上記バイパス制御弁19Aないし19Dは、上記返り管16内を流送する冷水温度を検出する冷水温度計19aの計測値で弁の開閉がコントロールされる。該冷水温度計19aのセンサー部は、上記返り管16に挿置され、上記氷蓄熱槽13から送出された冷水と、上記バイパス管18Aないし18Dから流送された氷スラリー液8dとが混流されてなる上記返り管16内の冷水の温度を計測している。
尤もバイパス管18Aないし18D及びバイパス制御弁19Aないし19Dが増加した分、本システムは複雑化し、施工費用等が上昇する隘路がある。
また、本発明に係る水蒸気圧縮冷凍機の運転制御装置の動作等も図1に示すものと略同一であり、その説明を省略する。
また、本発明に係る水蒸気圧縮冷凍機の運転制御装置の実施例2の動作等も図1に示すものと略同一であり、その説明を省略する。
19は、バイパス制御弁であり、上記往き管12の経路と上記返り管16の経路との間に接続されたバイパス管18に介装されている。21は冷水ポンプであり該バイパス制御弁19に隣接して並列に配置してあって、往き管12の経路と返り管16の経路との間に接続されたバイパス管に並列に配置したバイパス流路22間に接続されている。23は、二方弁でなる制御弁であり、バイパス制御弁19を接続したバイパス管18と合流する手前であって、上記返り管16の経路に介装されかつ冷水温度計19aにより上記バイパス制御弁19と同様に弁の開度が制御される。
8a 水蒸気圧縮冷凍機の蒸発器
8b 水蒸気圧縮冷凍機の凝縮器
8c 水蒸気圧縮冷凍機の圧縮機
8d 氷スラリー液又は冷水
9 水滴飛散防止用デミスタ
10 攪拌機
11 圧縮機のブレード
12 往き管
13 氷蓄熱槽
13a 氷蓄熱槽冷水温度計
14 スラリーポンプ
14a 流量計
14b インバータ
15 氷スラリー温度計
16 返り管
17 制御弁
18 バイパス管
18A バイパス管
18B バイパス管
18C バイパス管
18D バイパス管
19 バイパス制御弁
19a 冷水温度計
19A バイパス制御弁
19B バイパス制御弁
19C バイパス制御弁
19D バイパス制御弁
20 熱交換器手段
20a 熱交換器手段の一次側配管
20b 熱交換器手段の二次側配管
20c 制御弁
20d 制御弁
20e 制御弁
20f 制御弁
21 冷水ポンプ
22 バイパス流路
23 制御弁
Claims (1)
- 水滴飛散防止用デミスタ及び攪拌機を配備した蒸発器、凝縮器及び圧縮機でなる水蒸気圧縮冷凍機と、前記蒸発器で生成された氷スラリー液を氷蓄熱槽に流送する往き管と、前記氷蓄熱槽からの冷水を前記蒸発器に流送する返り管と、前記往き管に配設されたスラリーポンプを始動し、前記返り管に配設されかつ水位レベル計で蒸発器内の氷スラリー液の水位を検出し弁開度を制御する制御弁と、前記往き管に配設されかつ氷スラリー液の温度及び流量を計測する氷スラリー温度計及び流量計と、前記往き管と前記返り管との間に接続されたバイパス管に介装しかつ前記返り管に配設された冷水温度計の計測値で弁開度を制御するバイパス制御弁と、前記返り管に配設されかつ前記冷水温度計の計測値で弁開度を制御する制御弁と、前記バイパス管に並列に配置したバイパス流路に接続されかつ前記氷蓄熱槽へ流入・流出する冷水を制御する冷水ポンプとを有したことを特徴とする水蒸気圧縮冷凍機の運転制御装置。
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