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JP4517335B2 - シミュレーション装置及びその方法 - Google Patents

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JP4517335B2 JP2004048151A JP2004048151A JP4517335B2 JP 4517335 B2 JP4517335 B2 JP 4517335B2 JP 2004048151 A JP2004048151 A JP 2004048151A JP 2004048151 A JP2004048151 A JP 2004048151A JP 4517335 B2 JP4517335 B2 JP 4517335B2
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Description

本発明は、企画車両の運転手の視界をシミュレーションする技術に関する。
従来から、車両特性の評価を目的として評価者に車両搭乗状態を疑似体験させるシミュレーション装置が存在する(特許文献1参照)。
特開平07−271289号公報
しかし、従来のシミュレーション装置では、評価者が注視すべき位置を示す画像を表示していなかった。したがって、視認性の評価を行うユーザは、ただ漫然と映像を見てしまい、運転手と同じ状態で仮想道路に注目することが困難で、視認性の評価精度が低かった。
これに対し、本出願人は、特願2002−330015号において、シミュレーション用の画面内に固定的に注視点位置表示画像を表示することによって、企画車両の視認性などについての評価を実現した。
しかし、ここに記載された技術では、運転者の注視点が速く、かつ、大きく動く場合に対応できなかった。即ち、注視点を画面内に固定し、運転者の視界画像を動かす場合には、その移動速度や移動量が所定の限界を超えると、評価者に不快感を与える可能性があった。
一方、運転中、運転者がその視線を速くかつ大きく移動させるシチュエーションは、例えば交差点での右折直前などにおいて現実的に存在し、そのようなシチュエーションにおける、企画車両の視認性等の評価を行なう必要性があった。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、より高い精度で企画車両の視認性を評価できるシミュレーション技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、
企画した仮想車両を、3次元仮想空間内の仮想道路上で走行させることで、前記仮想車両の運転手の視界を表示装置の画面上にシミュレーション表示するシミュレーション装置であって、
前記仮想道路走行時に運転手が注視する位置を表わす注視点データを記憶する記憶手段と、
前記注視点データに基づく位置に注視点位置表示画像を表示しつつ、前記仮想車両の運転手の視界を表わす映像を表示する表示手段と、
を有し、
前記表示手段は、画面上に注視点位置表示画像を固定しつつ前記映像を表示する第1のモードと、画面上で注視点位置表示画像を移動させつつ前記映像を表示する第2のモードとで、前記映像を表示可能であることを特徴とする。
前記表示手段は、前記第1のモードにおいては、前記注視点位置表示画像を画面上に固定しつつ、画面内で運転手の視界画像をスクロールさせ、前記第2のモードにおいては、画面内で運転手の視界画像を固定しつつ前記注視点位置表示画像を動かすことを特徴とする。
前記仮想道路は、実在道路をモデルに生成した3次元データであって、
前記注視点データは、前記実在道路を所定の車両で走行した際に計測した運転手の頭部回転データと眼球位置データとを組合せて生成した、前記仮想車両の運転者からの視線位置を表わすデータであることを特徴とする。
前記表示手段は、前記第2のモードにおいて、前記注視点データが示す波形を平滑化したデータに応じた位置に注視点位置表示画像を表示することを特徴とする。
前記表示手段は、前記平滑化の程度を変更可能であることを特徴とする。
前記表示手段は、前記第2のモードにおいて、前記注視点位置表示画像を、軌跡を残しつつ表示するか、軌跡を残さずに表示するかを選択可能であることを特徴とする。
前記表示手段は、前記運転手の視点位置に基づいて注視点位置表示画像の表示位置を補正することを特徴とする。
前記表示手段は、第1のモードによる前記映像と、第2のモードによる前記映像とを、同時に並列表示可能であることを特徴とする。
前記記憶手段は、仮想車両のタイプごとに注視点データを備えることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
企画した仮想車両を、予め設定した3次元仮想空間内の仮想道路上で走行させることで、前記仮想車両の運転手の視界を表示装置の画面上にシミュレーション表示するために、コンピュータが実行するシミュレーション方法であって、
前記コンピュータが、メモリから、前記仮想車両の運転手が走行中に注視する位置を表わす注視点データを読出す工程と、
前記コンピュータが、前記注視点データに基づく位置に注視点位置表示画像を前記表示装置に表示しつつ、前記仮想車両の運転手の視界を表わす映像を前記表示装置に表示する表示工程と、
を含み、
前記表示工程は、前記コンピュータが、画面上に注視点位置表示画像を固定しつつ前記映像を前記表示装置に表示する第1のモードと、前記コンピュータが、画面上で注視点位置表示画像が移動するように前記映像を前記表示装置に表示する第2のモードとで、前記映像を表示可能であることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、
企画した仮想車両の運転手の視界をシミュレーションするために、
コンピュータに、
メモリから、前記仮想車両の運転手が走行中に注視する位置を表わす注視点データを読出す工程と、
前記注視点データに基づく位置に注視点位置表示画像を表示しつつ、前記仮想車両の運転手の視界を表わす映像を表示する表示工程と、
を実行させるシミュレーションプログラムであって、
前記表示工程は、画面上に注視点位置表示画像を固定しつつ前記映像を表示する第1のモードと、画面上で注視点位置表示画像が移動するように前記映像を表示する第2のモードとで、前記映像を表示可能であることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る記憶媒体は、上記シミュレーションプログラムを格納したことを特徴とする。
本発明によれば、仮想車両の運転手が注視する位置を表わす注視点データを記憶しておき、注視点データに基づき、画面上に注視点位置表示画像を固定しつつ仮想車両の運転手の視界を表わす映像を表示する第1のモードと、画面上で注視点位置表示画像を移動させつつその映像を表示する第2のモードとで、シミュレーション映像を表示可能である。このように、異なる表示モードでシミュレーションを行なえば、企画中の車両における視認性評価を適切に行なうことができる。
詳細には、評価者の正面に置かれた平面の画面、言い換えれば、左右、上下の幅が有限の平面画面で企画車両における運転手の視認性を評価させるためには、評価者が評価するために注視する位置を固定し、走行状況に合わせて評価してもらえるように画面内で背景を動かさざるを得ない。そこで、評価者が評価するために注視してもらいたい位置、すなわち、ドライバが注視すべき位置(注視している位置)を注視点位置表示画像として画面の略中央に固定して表示し、背景画像を動かすことにより、通常走行時での視認性の評価を行なっていた。しかし、注視点位置表示画像を固定したままで、運転手が運転中に車室内で歩行者や二輪車、信号、標識などを確認するために、頭や目を動かして行なう安全確認行動を考慮した評価を行わせようとそれを再現すると、背景画像の動きが大きくかつ速く、また、常に安定しないものとなるため、評価者に不快感を与えるとともに正しく評価させることができなかった。そこで、運転手の安全確認行動を重視した視認性の評価を行なうため、画面内で注視点を移動する表示モードを設けた。
つまり、注視点位置表示画像を固定する第1のモードでは、安全確認行動を特に意識しない通常走行時での視認性の評価を的確に行なうことができ、注視点位置表示画像を移動する第2のモードでは、運転手が安全確認行動をとる場合の視認性の評価を不快感なく行なうことができる。第2のモードで映像を表示すれば、例えば、交差点での右折直前など、運転手が車両を低速走行或いは停止させて、交差点内の歩行者の動きなどを細かく確認する場合の視認性の評価を非常に容易に行なうことができる。
そして、本発明はこれらの2つのモードでシミュレーション映像を表示できるので、通常走行時と、安全確認重視時の両方の状況において、視認性を総合的に評価することができる。例えば、仮想車両のAピラーによってどの程度必要な視界が妨げられるか、Aピラーをどの程度邪魔に感じるかなどを、あらゆる状況を想定しつつ評価できる。
また、第1モードでは、画面内で注視点位置表示画像を固定しつつ、運転手の視界画像をスクロールさせ、第2モードでは、画面内で運転手の視界画像を固定しつつ注視点位置表示画像を動かすので、全く異なる表示態様において、企画車両の評価を行なうことができる。
また、仮想道路は、実在道路をモデルに生成した3次元データであって、注視点データは、実在道路を所定の車両で走行した際に計測した運転手の頭部回転データと眼球位置データとを組合せて生成されたものであるから、現実の運転手とほぼ同じ注視行動をシミュレーションすることができる。
第2のモードにおいて、注視点データが示す波形を平滑化したデータに応じた位置に注視点位置表示画像を表示し、さらにその平滑化の程度を変更可能なので、評価者が注視点位置表示画像を目で追うのに適した速度で注視点位置表示画像を動かすことができる。
第2のモードにおいて、注視点位置表示画像を、軌跡を残しつつ表示するか、軌跡を残さずに表示するかを選択可能なので、評価者が見やすい表示態様で注視点位置表示画像を表示することができる。
運転手の視点位置に基づいて注視点位置表示画像の表示位置を補正するので、運転手の視点位置に応じた注視行動をシミュレーションすることができる。
第1のモードによる映像と、第2のモードによる映像とを、同時に並列表示可能なので、同時にそれらのモードによる評価を行なうことができる。
仮想車両のタイプごとに注視点データを記憶しておけば、ロードスターやワゴンなどの車両タイプに応じた位置に注視点位置表示画像を表示することが可能となる。
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、本明細書において、外形モデル、居住空間モデル、構造モデルとは、それぞれ車両の外観、シート及び乗員の状態、骨組み構造を表す複数の点の座標データ及びそれぞれの点の相関関係によって表現されるオブジェクトである。また、諸元値とは、車両形状を決定する寸法をいい、例えば、全高、全幅、全長などが含まれる。また、車型とは、スポーツ、セダン、トラックなどの車両のタイプをいう。
(全体のシステム構成)
まず、本実施形態としての企画支援システムの全体構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る企画支援システム100の構成を例示する図である。図1の企画支援システム100は、ネットワーク接続された企画支援装置としてのコンピュータ1とデータベースサーバ2とを含む。コンピュータ1は、CPU11、ROM(Read Only Memory)13、RAM(Random Access Memory)14、HD(Hard Disk)15、入出力インタフェース(I/O)16、画像処理部18及び通信部19をその本体に備え、それぞれは、バス12によって互いに接続されている。また、本体外部には入力デバイス20及びディスプレイ17が設けられており、それぞれ入出力インタフェース16及び画像処理部18に接続されている。
これらのうち、CPU11はコンピュータ1全体を制御する演算・制御用のプロセッサである。ROM13は、CPU11で実行するブートプログラムや固定値等を格納する不揮発性メモリである。RAM14は、データやプログラムを一時的に記憶するための揮発性メモリである。HD15は、コンピュータ1で実行するOS及び各種のプログラムモジュールを格納した記憶手段としての記憶媒体である。入出力インタフェース16は、コンピュータ本体と入力デバイス20との間でデータを入出力するためのインタフェースである。
入力デバイス20は、命令やデータを入力するキーボードやマウスなどのデバイスであり、ディスプレイ17は、CPU11からの制御指令に基づき画像処理部18で演算処理された文字や画像データを出力する液晶ディスプレイやCRTなどのデバイスである。画像処理部18は、このディスプレイ17に表示するための画像データを演算処理するユニットである。通信部19は、無線又は有線の通信回線を介してデータベースサーバ2との間でデータを送受信するためのユニットである。
詳しく説明すると、RAM14は、車両企画支援処理に際しCPU11で実行するプログラムを一時的に格納するためのプログラム実行領域14a、ユーザから入力された車両の諸元値データを一時的に記憶しておく諸元値記憶領域14b、企画車両に関する各種モデルを記憶する各種モデル記憶領域14c、表示画像を一時的に記憶する表示画像記憶領域14d、及び、シミュレーション設定を記憶するシミュレーション設定記憶領域14eを備える。
また、HD15には、新型車両の企画を支援するためのプログラムモジュールが格納されている。具体的には、車両の諸元値データをまとめた設計テーブル801を生成するための設計テーブル作成モジュール15a、設計テーブルを参照して基準モデルを構築する基準モデル構築モジュール15b、設計テーブルを参照して外形モデルを構築する外形モデル構築モジュール15c、設計テーブルを参照して構造モデルを構築する構造モデル構築モジュール15d、設計テーブルを参照してインテリアモデルを構築するインテリアモデル構築モジュール15e、企画車両に含まれる部品を3次元データで表した部品モデルを生成する部品モデル構築モジュール15f、構築された基準モデル、外形モデル、構造モデル、インテリアモデルなどの組合せを登録する企画車両モデル登録モジュール15g、各種モデルを表示するモデル表示モジュール15h、及び、生成した企画車両モデルの走行時における運転者の視界をシミュレーションするシミュレーションモジュール15iが企画支援プログラムとして格納されている。
また、HD15には更に、設計テーブル作成モジュール15aによって生成された設計テーブルファイル(以下単に設計テーブルと称する)15jと、各種モデル構築モジュール15b〜15fによって構築された各種モデルファイル(以下単に各種モデルと称する)15kと、シミュレーションモジュール15iにおいて生成されたシミュレーション画像ファイル15mと、が格納されている。
なお、設計テーブル作成モジュール15aは、完全にオリジナルのプログラムモジュールでなくても、例えば、オペレーティングシステム上で動作する表計算ソフトの一部の機能を利用したモジュールでもよい。また、各種モデル構築モジュール15b〜15f、モデル表示モジュール15h、及びシミュレーションモジュール15iは、3次元CADソフトの一部の機能を利用したモジュールでもよい。この場合、各種モデル15kは、3次元CADソフトが、設計テーブル15jから値を抽出して所定の計算を行うことによって構築される。
また、設計テーブル作成モジュール15a、基準モデル構築モジュール15b、外形モデル構築モジュール15c、構造モデル構築モジュール15d、インテリアモデル構築モジュール15e、部品モデル構築モジュール15f、企画車両モデル登録モジュール15g、モデル表示モジュール15h、及び、シミュレーションモジュール15iをまとめて1つの企画支援アプリケーションとしてパッケージングしても良い。
コンピュータ1は不揮発性の大容量記憶媒体としてHD15を備えるが、本発明はこれに限定されるものではない。HDに代わる他の記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などが挙げられる。つまり、CD−ROMなどの記憶媒体に企画支援プログラムが格納されており、その記憶媒体に対応したドライブを用いて企画支援プログラムを読み出し実行することにより、企画支援処理が実現されてもかまわない。
(データ構成及びモデルの構築処理)
図2は、コンピュータ1とデータベースサーバ2に含まれるデータを示す図である。データベースサーバ2は、図2に示すように、乗員・シート・車輪データベース2aと、外形データベース2bと、構造データベース2cと、インテリアデータベース2dと、汎用部品データベース2eと、完成車両データベース2fと、仮想空間データベース2gとを含む。
これらのうち、乗員・シート・車輪データベース2aは、国内外の規格に準じた乗員サイズ(大人や子供の標準規格)により定義された乗員の形状を3次元データで表した乗員ベースモデル及びシートベースモデル並びに車輪ベースモデルを蓄積し、管理している。
外形データベース2bは、車両の典型的な外部形状を3次元データで表現した外形ベースモデルを、車型毎に分類分けして蓄積し、管理している。外形ベースモデルは、ハッチバック、ミニバン、セダン、スポーツ、オープン、トラックといった車型毎に、外形的な特徴のない、最も一般的な形状の3次元データで表現される。なお、外形ベースモデルは、ドアやボンネットやリヤハッチとして属性が付加された複数の面データを含んでおり、それぞれの面の表示/非表示を選択可能である。
構造データベース2cは、車両の典型的な骨組みを3次元データで表現した構造ベースモデルを、同じく車型毎に分類分けして蓄積し、管理している。インテリアデータベース2dは、車内に設けられる各種の典型的なインテリアを3次元データで表現したインテリアベースモデルを蓄積し、管理している。汎用部品データベース2eは、ドアミラーやハンドルやリアスポイラー等の汎用部品の画像を蓄積し、管理している。ここで管理されている画像は、3次元画像に限らず、2次元画像をも含んでいる。完成車両データベース2fは、完成した企画車両モデル1fの他、実在の車両を参考のため3次元データで表現したベンチマーク車両モデルなどを蓄積し、管理している。仮想空間データベース2gは、企画車両モデル1fを仮想的に走行させる仮想空間を表す3次元仮想空間データを蓄積し管理している。仮想空間データベース2gは、例えば箱根ルートや富士スピードウェイルートやいろは坂ルートなど、実在する道路をモデルに生成された複数種類の3次元仮想空間データを含んでおり、それぞれの仮想空間データは、仮想建築物、仮想道路、仮想車両、及び仮想歩行者などをオブジェクトとして有している。また、仮想空間データベース2gは、それぞれの仮想空間データに対応して、その仮想空間を車両が走行した場合に、運転者が注視する位置を表わす注視点データを格納している。注視点データは、時間経過に伴う注視点の位置の変化を示すデータである。この注視点データは、注視点の位置として、画面中央または車両進行方向からの振れ角をパラメータとしてもっていることが望ましい。また、この注視点データは、車両タイプごとに用意されていることが望ましい。図には、注視点データから、注視点の位置変化の水平方向成分を抽出したグラフが示されている。このグラフは、画面中央または車両進行方向からの水平方向の振れ角を縦軸にしており、経過時間を横軸にしている。このグラフの詳しい性質については、図9を用いて後述する。
コンピュータ1は、ユーザの入力に基づき、設計テーブル作成モジュール15aを実行し、図3のような入力画面を表示して、シート数、シート位置、全長、全高、全幅などの基本的な諸元値の入力を促す。図3において(a)は、諸元値の入力テーブルであり、(b)(c)は、入力テーブルで入力する諸元値の対応部位を示すための、車両前方視画像及び側面視画像である。「…」部分に数値を入力することができる。この図で入力可能な諸元値は、ホイールベース1101、全幅1102、全高1103、フロントオーバハング1105、リアオーバハング1106、カウルポイントCWの水平位置1107、カウルポイントCWの垂直位置1108、フロントガラス傾斜1109である。なお、入力する諸元値はこれに限定されるものではなく、他の様々な諸元値を入力するため、図3に類似する複数の画面が用意されている。そして、入力された諸元値に基づいて、設計テーブル15jを作成する。すなわち、設計テーブル15jには、乗員の着座位置情報など、企画車両に関する各種諸元値が含まれる。
コンピュータ1は、ユーザの入力に基づき、基準モデル構築モジュール15bを実行する。基準モデル構築モジュール15bは、設計テーブル15jにおいて設定された諸元値に基づいて、車両の居住空間を表現する基準モデル1aを構築する。この基準モデル1aは、乗員の乗車姿勢を示すラインデータを含む。このラインデータは、乗員の頭頂位置を示すヘッドポイントと、尻位置を示すヒップポイントと、膝位置を示すニーポイントと、かかと位置を示すヒールポイントとを結ぶ線分を含む。乗員・シート・車輪データベース2aから乗員の姿勢を立体的に表した乗員ベースモデルを読出し、このラインデータに沿って変形することにより乗員モデルを基準モデル1aに含めることもできる。
また、基準モデル1aは、ハンドル位置を示す点データ、運転者の視点位置を示す点データ及び運転者の前方視界及び後方視界を示すラインデータを含む。更に、基準モデル構築モジュール15bは、乗員・シート・車輪データベース2aから読出したシートベースモデルを、設計テーブル15jにおいて設定されたヒップポイントのデータなどに基づいて変形・配置し、シートモデルとして基準モデル1aの一部とすることができる。
コンピュータ1は、ユーザの入力に基づき、外形モデル構築モジュール15cを実行する。外形モデル構築モジュール15cは、外形データベース2bから外形ベースモデルを読出し、設計テーブル15jにおいて設定された諸元値に基づいて変形して外形モデル1bを構築する。すなわち、コンピュータ1は、設計テーブル15jに設定された、車型(ハッチバック、ミニバン、セダン、スポーツ、オープン、トラックのいずれか)に基づいて外形データベース2bから外形ベースモデルを読出す。そして、設計テーブル15jに格納された各種諸元(全長、全幅、全高、ホイールベース、フロント及びリアオーバハング)を用いて、外形ベースモデルに含まれる所定の外形パラメータ(バンパー先端位置の座標やルーフトップの座標など)を変更して、諸元に沿った大まかな外形モデル1bを構築する。逆にいうと、それらの諸元値に応じて自動変形可能な3次元外形ベースモデルをデータベースに用意しておく。
更に、コンピュータ1は、外形モデル1bを、入力デバイス20からの入力に応じて、局所的に変形することができる。外形ベースモデルは、互いに相関関係を有する複数の制御点の3次元データに基づいて構成されており、外形モデルを画像表示した状態で入力デバイス20によりその制御点の移動を指示すると、外形モデルが局所的に変形される。具体的には、外形ベースモデルは制御点として、入力される諸元値によってその位置が定義される定義点と、車両の形状が不自然なものとならないようにそのような定義点に追従して移動する追従点とを有する。そして、諸元値によって大まかに形状が決められた外形モデルを画像表示した状態で、その画像上に表示された追従点をポインティングデバイスを用いて自由に移動可能として企画車両の外形形状を微調整する。
また、コンピュータ1は、ユーザの入力に基づき、構造モデル構築モジュール15dを実行する。構造モデル構築モジュール15dは、構造データベース2cから構造ベースモデルを読出し、設計テーブル15jにおいて設定された諸元値に基づいて変形して構造モデル1cを構築する。更に同様に、コンピュータ1は、ユーザの入力に基づき、インテリアモデル構築モジュール15eを実行して、インテリアデータベース2dからインテリアベースモデルを読出し、設計テーブル15jにおいて設定された諸元値に基づいて変形してインテリアモデル1dを構築する。インテリアモデルとしては、フロントピラーのトリム、センターピラーのトリム、リアピラーのトリム、ドアトリム、インストルメントパネル、ルーフトリムなどを含む。更に、ハンドルを持つ乗員の腕のみのモデルをインテリアモデルとして含んでも良い。また、設計テーブルでこれらのインテリアパーツのそれぞれについて色を設定する構成でも良い。
このように構築された基準モデル1a、外形モデル1b、構造モデル1c、インテリアモデル1dは、モデル表示モジュール15hを用いて、図4(a)、図4(b)、図4(c)、図4(d)に示すように、それぞれ単独に表示することもできるし、図4(e)に示すように全て組み合わせて表示することもできる。また、指定したモデルのみを組み合わせて表示することも可能である。
そして、組合せ表示により各モデルの干渉の有無を確認する。すなわち、乗員のヘッドクリアランスや運転手の視界確保などが不十分であることを視覚的に検証し、この検証結果に基づいて各モデルを変更する。外形モデルや構造モデルによって設定される車室空間に対して、基準モデルによって決定された乗員の着座位置、着座姿勢に無理がある場合には、着座位置をずらしたり、着座姿勢を変えたり、ルーフ位置を上げたり、といった調整を行う。このようにすれば、外形モデルを居住空間モデルとを独立に構築でき、内部空間の制約に縛られることなく、自由な発想で効果的に外形の設定を行うことができる。また逆に、外形形状に囚われずに自由な発想で居住空間の企画立案を行うことができる。
外形モデル1bは、ドアミラーなどの付属品等を全く含まない、非常にプレーンな外形を表すデータである。従って、単に、基準モデル1a、外形モデル1b、構造モデル1cを組合わせただけの企画車両モデルのみを表示した場合には、実際の車両を見慣れたユーザに、どこか物足りない印象を与えてしまい、評価が正確に行えない場合がある。そこで、本システム100では、実際の車両に近い印象を与えるため、ドアミラーを付加して表示したり、或は、インテリアモデルに含まれるありきたりのハンドルを、他の特徴的なハンドルに替えて表示したりする機能を有する。
具体的には、モデル表示モジュール15hで企画車両モデル1fの投影画像を表示する場合に、ユーザの入力に応じて、汎用部品データベース2eから読出した部品画像を重ねて表示する。すなわち、ユーザは汎用部品データベース2eから企画車両に付加したい汎用部品を選択し、簡易的に企画車両モデル1fに取付けることができる。これにより、様々な部品の付属した車両を容易に視覚化することができ、企画車両の表示に際し実際の車両の近い印象を与えることができる。このような部品画像データが用意される汎用部品としては、ドア、ワイパー、カーナビゲーションシステムの操作パネル、メーター、オーディオシステムの操作パネル、ハンドル、またはミラーなどが挙げられる。
一方、外形ベースモデル2bや構造ベースモデル2cは、あらゆる企画車両のベースになるものであるため、特徴のない一般的な形状のデータとなっている。従って、全く斬新なデザインの車両を企画しようとする場合には、その変形だけでは対応しれない場合が想定できる。そこで、本システム100では、全く新しいデザインの部品モデルを別個に作成可能とし、外形モデルや構造モデルを部分的に非表示にして、新規に作成した部品モデルを結合して表示できる機能を有する。
具体的には、データベースサーバ2から読出したベースモデルの変形では対応しきれない場合に、部品モデル作成モジュール15fを実行して新規作成部品モデル1eを作成し、企画車両モデル1fに組込むことができる。
このように、企画車両に含まれうる部品を3次元データで表した部品モデルを新たに生成し、外形ベースモデル及び乗員ベースモデルを、諸元値データに応じてそれぞれ変形して生成したモデルに結合することによって、既存の概念を越えた全く新しいコンセプトの車両を3次元空間に表現することが可能となる。
(企画車両モデル登録)
以上のように、各モデル構築モジュール15b〜15fによって構築された基準モデル1a、外形モデル1b、構造モデル1c、インテリアモデル1d及び部品モデル1eは、各種モデルファイル15kとしてそれぞれHD15に格納される。ただし、1つの車両の企画において構築される各モデルは、それぞれ1つずつに限られるものではなく、同じ企画について複数の基準モデル1a、外形モデルb、構造モデル1c、インテリアモデル1d及び部品モデル1eを構築することが望ましい。
HD15に、少なくとも複数の基準モデル1aと複数の外形モデル1bとを記憶すれば、企画車両モデル登録モジュール15gは、ユーザの入力指示に応じ、HD15に格納された複数の基準モデル1aと複数の外形モデル1bとを任意に組み合わせて企画車両モデル1fとして登録する。
1つの基準モデル1aに対してそれぞれ異なる外形モデル1bを結合した複数の企画車両モデルとを表示したり、1つの外形モデル1bに対して異なる基準モデル1aを結合した複数の企画車両モデルとを表示したりすることで、外形が同じで車内の居住空間が異なる企画車両モデルや、居住空間の構成が同じで外形のみ異なる企画車両モデルを容易に生成でき、それらの企画車両モデルを比較して、最適な車両を企画することができる。
(企画検証処理)
図5は、上記のような各モジュールを用いた企画検証処理の全体的な流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS1401において、上述したように設計テーブル15jを作成する。次に、ステップS1402〜S1405において、設計テーブルに入力されたデータを用いて、基準モデル1a、外形モデル1b、構造モデル1c、インテリアモデル1dを構築する。また、ベースモデルの変形では対応できない場合には、ステップS1406において、新規な部品モデルを作成する。
そして、ステップS1407において、各モデルを組合せ、重畳表示する。その際、ステップS1408において、汎用部品を付加して表示しても良い。重畳表示の結果、乗員と外形との干渉などが無いことが確認できれば、ステップS1409からステップS1410に進み、全モデルを組み合わせた企画車両モデルを生成し、保存する。
ステップS1407で重畳表示した結果、問題がある場合には、ステップS1409からステップS1401に戻り、設計テーブル15jを変更するか、或いは、表示画面上で変形を加えることによって、各モデルを修正する。
ステップS1410において企画車両モデルが生成されると、次にステップS1411に進んで、シミュレーションモジュール15iを起動し、シミュレーション条件を設定する。すなわち、走行条件として、走行ルート、日照方向、天候、走行スピード、旋回スピードなどを設定し、更に、図6に示す画面において「注視点固定モード」ボタン601と「注視点可動モード」ボタン602と「グラフモード」ボタン603の何れが選択されたかに応じて、評価モードとして、注視点固定モードと注視点可動モードとグラフモードの何れかを選択する。走行ルートとしては、上述したような箱根ルートや富士スピードウェイルートやいろは坂ルートなどが選択可能に表示される。
次に、ステップS1412において、設定されたシミュレーション条件に合わせて、データベースサーバから読出した風景データと企画車両モデルの3次元データとを組合せる。そして、企画車両モデルの運転手の視点から見えるシミュレーション映像をディスプレイに表示し、複数の評価者により視認性、圧迫感などの評価を行う。この際、HD15に格納された注視点データnを用いて、シミュレーション映像に注視点位置表示画像を埋め込む。ステップS1411でグラフモードが選択されている場合には、注視点データを示すグラフが表示される。
シミュレーションの結果、視認性や圧迫感に問題がなければ、企画書の作成、デザイン開発に進む。何らかの問題があれば、ステップS1413からステップS1401に戻って設計テーブルを修正したり、或いは、インテリアモデルのみを表示画面上で修正したりする。また、他の走行条件で再評価を行う場合には、ステップS1411に戻って、条件を変更し再度シミュレーション表示を行う。
(シミュレーション表示処理)
次に図5のステップS1412に示すシミュレーション表示処理についてより詳しく説明する。
ステップS1412では、シミュレーションの対象となる企画車両モデル1fを完成車両データベース2fから読出し、更に、ステップS1411で選択された走行ルートに基づいて、仮想空間データベース2gから仮想空間データと、それに対応する注視点データを読出す。企画車両モデル1fにおいては、運転者の視点位置が定義されており、注視点データに基づいてその視点位置からの視線方向を決定し、その方向における視界画像を表示する。この視界画像には、インテリアモデル1dを構成するピラー、ハンドル、メータフード、運転者の腕なども含まれる。
即ち、シミュレーションモジュール15iが、企画した仮想車両である企画車両モデルを、予め仮想空間データベース2gに記憶された3次元仮想空間内の仮想道路上で走行させ、その運転手の視界をディスプレイ17の画面上にシミュレーション表示する。このシミュレーション表示画面の例を図7(a)に示す。図7(a)に示すように、シミュレーション表示画面中においては、注視点データに基づく位置に、評価者に注視を促すための注視点位置表示画像701を表示しつつ、仮想車両の運転手の視界を表わす映像702を表示する。これは、視認性の評価を行う評価者に対して、ただ漫然と映像を見るのではなく、運転手と同様に道路に注目することを促すためのものである。これにより、より精度の高い視認性の評価を行うことができる。
また、シミュレーションモジュール15iは、ステップS1411での設定に基づいて、画面上に注視点位置表示画像を固定しつつ映像を表示する注視点固定モードと、画面上で注視点位置表示画像を移動させつつ映像を表示する注視点可動モードのいずれかで、映像を表示する。シミュレーションモジュール15iは、注視点固定モードにおいては、図7(a)に示すように、注視点位置表示画像701を画面のほぼ中央に固定しつつ、画面内で運転手の視界画像702をスクロールさせる。一方、注視点可動モードにおいては、図7(b)に示すように画面内で運転手の視界画像702を固定しつつ注視点位置表示画像701を動かす。シミュレーションモジュール15iは、注視点可動モードにおいて、注視点位置表示画像を、図7(b)のように軌跡(残像を含む)703を残しつつ表示するか、図7(c)のように軌跡を残さずに表示するかを選択可能である。この選択は、ステップS1411での設定に応じて行なっても良いし、シミュレーション表示中の所定の操作に応じて行なっても良い。なお、シミュレーションモジュール15iは、設定された運転手の視点位置に基づいて注視点位置表示画像の表示位置を補正する。更に、注視点固定モードによる映像と、注視点可動モードによる映像とを、同時に並列表示することも可能である。
また、ここでは注視点位置表示画像701として四角い点を表示しているが、これに限定するものではなく、動画像上で識別可能であれば、図8(a)に示すように2本の直線701a、701bの交点で示しても良い。
なお、注視点可動モードでは、運転者の安全確認時の細かい注視点の動きを考慮に入れて、画面内で注視点位置表示画像を動かす。言い換えれば、このモードでは、車両が停止しており、フロントウィンドウやサイドウィンドウ越しに見える仮想空間を示す背景画像が全く変化しない状態でも、注視点位置表示画像の位置のみが移動する。ただし、注視点可動モード時には、背景画像や車両画像が全く変化しないわけではなく、注視点データに基づく注視点位置が画面に表示された背景画像の外に出る場合には、図8(b)に示すように、注視点位置表示画像が移動する方向に運転者の視線が移動し、背景画像がスクロールする。
次に、注視点データについて、図9を用いて説明する。図9に示すように、注視点データ903は、仮想道路のモデルとなった実在道路を所定の車両で走行した際に計測した運転手の頭部回転データ901と眼球位置データ902とを組合せて生成した、仮想車両の運転者からの視線位置を表わすデータである。ここでは説明を簡易に行なうため、注視点位置の水平方向成分のみに着目した足し合わせの様子を示しているが、注視点データが、注視点位置の垂直方向成分をも有していることは言うまでもない。このように、注視点データを頭部回転データと眼球位置データのとの組合せによって生成したので、現実の運転手とほぼ同じ注視行動をシミュレーションすることができる。
ステップS1411で、グラフモード603が選択されると、時間経過に伴う注視点の位置の変化を示す903のようなグラフが表示される。このように、映像表示モードとは別に、グラフモードを実現すれば、企画車両の視認性に対する構築精度を簡単に高めることができる。
グラフ903は、縦軸を水平方向の振れ角とし、横軸を経過時間としており、グラフ903中には、仮想車両のピラー位置904を表示できる。これにより、仮想車両のピラーと運転手の注視点との干渉状態を表すことができる。すなわちグラフモードは、ピラー干渉状態表示モードと言い換えることができる。つまり、グラフモードでは、時間経過に伴う注視点の位置の変化を示すグラフを注視点データに基づいて表示し、そのグラフ中に、企画車両のピラー位置を表示するので、グラフを見るだけで、企画車両のピラーが運転者の視線を遮る頻度や時間を容易に把握することができる。企画車両のピラーの幅や位置をどのように変更すれば、運転者の視認性が向上するかを感覚的につかむことができる。また、グラフモードにおいて、入力デバイス20によってグラフ中の一点が指示されると、指示されたグラフ中の点に対応するタイミングでの映像を注視点可動モードで表示する。これにより、グラフによって、運転者の視線が企画車両のピラーと干渉しているか否かを確認した上で、実際の映像をシミュレーション表示することができ、より容易にかつ的確に企画車両の視認性の評価を行なうことができる。
また、グラフモードでは、縦軸を水平方向の振れ角(図9では、例として画面中央からの角度)とし、横軸を経過時間とするグラフで注視点の動きやピラー位置を表現したので、運転者の一般的な視線の動きである、水平方向の視線動作を効果的に表現することができる。
また、グラフモードでは、注視点データに基づいて、仮想車両のピラーと運転手の注視点との干渉時間または干渉回数を算出することにより、より明確な指標として、企画車両のピラーの視認性に関する評価を行なうことができる。
また更に、注視点データを表わすグラフ903の波形を平滑化することも可能であり、平滑化の程度を変更することも可能である。注視点固定モードや注視点可動モードでは、波形を平滑化した注視点データに基づいて、注視点位置表示画像を表示することも可能である。例えば、図7(b)に示す映像に対して、注視点データの波形を平滑化すると、注視点位置表示画像が画面上で動く速度が遅くなり、例えば、図8(c)に示すような映像となる。図8(c)では、図7(d)に比べて注視点位置表示画像の軌跡703の曲折が少なくなっていることから、注視点位置表示画像701の揺動が抑えられていることが分かる。この平滑化により、評価者が注視点位置表示画像を目で追うのに適した速度で注視点位置表示画像を動かすことができる。なお、平滑化処理とは、時系列データから揺動を取り除く処理であり、既知の如何なる方法を用いても良く、例えば、フリーハンド法や、移動平均法や、最小2乗法による曲線の当てはめなどの方法を用いることができる。
以上に説明したようなシミュレーション表示において視認性に問題があれば、インテリアモデルに含まれるピラーの太さや構造などを変更して視認性を改善する。
(評価システム)
以上のように、図5に示すフローチャートの処理によって生成されたシミュレーション画像15mは、例えば、図10に示す評価システムにおいて表示され、複数の評価者が企画車両の視認性を評価するために用いられる。
図10(a)に示す評価システムでは、ネットワーク接続された複数の評価用端末1501のそれぞれにシミュレーション画像15mを表示し、それぞれの端末1501で入力されたマークやコメントやコメントの対象となる静止画像などをオペレータ用の端末1502に集約する。
また、図10(b)に示す評価システムでは、プロジェクタ1503を用いてスクリーン1504にシミュレーション画像15mを表示し、複数の評価者がその画像を同時に見ながら評価用パッド1505にてコメントを入力する。そして入力されたコメントをその入力タイミングの情報と共にオペレータ用端末1506に集約する。
このように、企画車両の3次元モデルを構築し、仮想的に道路上を移動させて、その企画車両モデルの運転手の視点からみた映像をシミュレーション表示すれば、企画者は、試作車を作成することなく、運転手の視認性や圧迫感などの居住性やデザイン性を視覚的に評価することができる。これにより、車両の企画立案に必要な時間及びコストを、大幅に削減することができる。
(他の実施形態)
本発明は、システム或いは装置に対し、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを、直接或いは遠隔から供給することによっても達成される。プログラムを直接供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。プログラムを遠隔から供給する方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてウェブサーバにアクセスし、本発明に係るプログラム、もしくはその圧縮ファイルを、クライアントコンピュータに内蔵されたハードディスク等の記録媒体にダウンロードする方法がある。このとき、本発明のプログラムを構成する複数のファイルを、複数のサーバからダウンロードした後、クライアントコンピュータ内で結合する場合もある。このような場合には、これらの複数のファイルそれぞれも、複数のサーバのそれぞれも、更には、クライアントコンピュータに最終的に格納されたプログラムも、本発明を実施したものとなる。
本発明の実施形態に係る企画支援システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態のデータベース及びコンピュータに格納されるデータを示す図である。 本発明の実施形態に係る諸元値の入力画面例を示す図である。 本発明の実施形態に係る企画車両モデルの表示画像例を示す図である。 本発明の実施形態に係る車両企画処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るシミュレーション条件の設定画像例を示す図である。 本発明の実施形態に係るシミュレーション画像例を示す図である。 本発明の実施形態に係るシミュレーション画像例を示す図である。 本発明の実施形態に係る注視点データについて説明する図である。 本発明の実施形態に係る企画車両モデルの評価システムの例を示す図である。

Claims (12)

  1. 企画した仮想車両を、3次元仮想空間内の仮想道路上で走行させることで、前記仮想車両の運転手の視界を表示装置の画面上にシミュレーション表示するシミュレーション装置であって、
    前記仮想道路走行時に運転手が注視する位置を表わす注視点データを記憶する記憶手段と、
    前記注視点データに基づく位置に注視点位置表示画像を表示しつつ、前記仮想車両の運転手の視界を表わす映像を表示する表示手段と、
    を有し、
    前記表示手段は、画面上に注視点位置表示画像を固定しつつ前記映像を表示する第1のモードと、画面上で注視点位置表示画像を移動させつつ前記映像を表示する第2のモードとで、前記映像を表示可能であることを特徴とするシミュレーション装置。
  2. 前記表示手段は、前記第1のモードにおいては、前記注視点位置表示画像を画面上に固定しつつ、画面内で運転手の視界画像をスクロールさせ、前記第2のモードにおいては、画面内で運転手の視界画像を固定しつつ前記注視点位置表示画像を動かすことを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション装置。
  3. 前記仮想道路は、実在道路をモデルに生成した3次元データであって、
    前記注視点データは、前記実在道路を所定の車両で走行した際に計測した運転手の頭部回転データと眼球位置データとを組合せて生成した、前記仮想車両の運転者からの視線位置を表わすデータであることを特徴とする請求項1または2に記載のシミュレーション装置。
  4. 前記表示手段は、前記第2のモードにおいて、前記注視点データが示す波形を平滑化したデータに応じた位置に注視点位置表示画像を表示することを特徴とする請求項1、2または3に記載のシミュレーション装置。
  5. 前記表示手段は、前記平滑化の程度を変更可能であることを特徴とする請求項4に記載のシミュレーション装置。
  6. 前記表示手段は、前記第2のモードにおいて、前記注視点位置表示画像を、軌跡を残しつつ表示するか、軌跡を残さずに表示するかを選択可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシミュレーション装置。
  7. 前記表示手段は、前記運転手の視点位置に基づいて注視点位置表示画像の表示位置を補正することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のシミュレーション装置。
  8. 前記表示手段は、第1のモードによる前記映像と、第2のモードによる前記映像とを、同時に並列表示可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のシミュレーション装置。
  9. 前記記憶手段は、仮想車両のタイプごとに注視点データを備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のシミュレーション装置。
  10. 企画した仮想車両を、予め設定した3次元仮想空間内の仮想道路上で走行させることで、前記仮想車両の運転手の視界を表示装置の画面上にシミュレーション表示するために、コンピュータが実行するシミュレーション方法であって、
    前記コンピュータが、メモリから、前記仮想車両の運転手が走行中に注視する位置を表わす注視点データを読出す工程と、
    前記コンピュータが、前記注視点データに基づく位置に注視点位置表示画像を前記表示装置に表示しつつ、前記仮想車両の運転手の視界を表わす映像を前記表示装置に表示する表示工程と、
    を含み、
    前記表示工程は、前記コンピュータが、画面上に注視点位置表示画像を固定しつつ前記映像を前記表示装置に表示する第1のモードと、前記コンピュータが、画面上で注視点位置表示画像が移動するように前記映像を前記表示装置に表示する第2のモードとで、前記映像を表示可能であることを特徴とするシミュレーション方法。
  11. 企画した仮想車両の運転手の視界をシミュレーションするために、
    コンピュータに、
    メモリから、前記仮想車両の運転手が走行中に注視する位置を表わす注視点データを読出す工程と、
    前記注視点データに基づく位置に注視点位置表示画像を表示しつつ、前記仮想車両の運転手の視界を表わす映像を表示する表示工程と、
    を実行させるシミュレーションプログラムであって、
    前記表示工程は、画面上に注視点位置表示画像を固定しつつ前記映像を表示する第1のモードと、画面上で注視点位置表示画像が移動するように前記映像を表示する第2のモードとで、前記映像を表示可能であることを特徴とするシミュレーションプログラム。
  12. 請求項11に記載のシミュレーションプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体。
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