JP4517291B2 - 自動車のフロントサスペンション装置 - Google Patents
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に関する。
ここで、特許文献1には、ストラット式のサスペンション装置において、車体上下方向に軸線が延びるように設けられた弾性ブッシュをトランスバースリンクの車体後方側の車体側連結部に設けたサスペンション装置が開示されている。このストラット式のサスペンション装置においては、一般的に、緩衝装置の下端はホイールサポート(車輪支持部材)に取り付けられる。
このように構成された本発明によるダブルウィッシュボーン式サスペンション装置においては、アッパアームと、A型のロアアームと、このロアアームの車体後方側の連結部に中心軸線が車体上下方向に延びるように設けられた弾性ブッシュとを有するので、優れた車両運動性能及び良好な乗り心地を得ることが出来る。さらに、ロアアームの後方アーム部が制動時に緩衝装置の反力により車体上方に変位するように構成されているので、フロントサスペンションのアンチダイブジオメトリが悪化することを防止することが出来る。
即ち、アンチダイブジオメトリでは、ロアアームが側面視で後方に上がるように傾けられており、このような傾きが制動時の緩衝装置の反力により減少することを防止することが出来る。その結果、本発明によるフロントサスペンション装置では、アンチダイブジオメトリが悪化せず、さらに、アンチダイブジオメトリによるアンチダイブの作用をさらに効果的に得ることも出来る。
このように構成された本発明によるダブルウィッシュボーン式サスペンション装置においては、アッパアームと、A型のロアアームと、このロアアームの車体後方側の連結部に中心軸線が車体上下方向に延びるように設けられた弾性ブッシュとを有するので、優れた車両運動性能及び良好な乗り心地を得ることが出来る。さらに、ロアアームの後方アーム部が制動時に緩衝装置の反力により車体上方に変位するように構成されているので、フロントサスペンションのアンチダイブジオメトリが悪化することを防止することが出来る。
即ち、アンチダイブジオメトリでは、ロアアームが側面視で後方に上がるように傾けられており、このような傾きが制動時の緩衝装置の反力により減少することを防止することが出来る。その結果、本発明によるフロントサスペンション装置では、アンチダイブジオメトリが悪化せず、さらに、アンチダイブジオメトリによるアンチダイブの作用をさらに効果的に得ることも出来る。さらに、緩衝装置の下端部が、ロアアームの車体前方側の連結部とホイールサポートとの連結部とを結ぶ軸線の車体前方側でロアアームに取り付けられているので、より確実に、制動時に緩衝装置の下向きの反力によってロアアームを車体前方に向けて傾けるようなモーメント力をロアアームに与えて、その後方アーム部を車体上方に変位させることが出来る。その結果、フロントサスペンションのアンチダイブジオメトリが悪化することを防止することが出来る。
このように構成された本発明によるダブルウィッシュボーン式サスペンション装置においては、アッパアームと、A型のロアアームと、このロアアームの車体後方側の連結部に中心軸線が車体上下方向に延びるように設けられた弾性ブッシュとを有するので、優れた車両運動性能及び良好な乗り心地を得ることが出来る。さらに、ロアアームの後方アーム部が制動時に緩衝装置の反力により車体上方に変位するように構成されているので、フロントサスペンションのアンチダイブジオメトリが悪化することを防止することが出来る。
即ち、アンチダイブジオメトリでは、ロアアームが側面視で後方に上がるように傾けられており、このような傾きが制動時の緩衝装置の反力により減少することを防止することが出来る。その結果、本発明によるフロントサスペンション装置では、アンチダイブジオメトリが悪化せず、さらに、アンチダイブジオメトリによるアンチダイブの作用をさらに効果的に得ることも出来る。さらに、緩衝装置の下端部が、ロアアームの車体前方側の連結部とホイールサポートとの連結部とを結ぶ軸線の車体上方側でロアアームに取り付けられ且つ緩衝装置の軸線が上方から下方に向かってロアアームの車体前方側の連結部とホイールサポートとの連結部とを結ぶ軸線に対して斜め前方に傾斜して延びるので、より確実に、制動時に緩衝装置の下向きの反力によってロアアームを車体前方に向けて傾けるようなモーメント力をロアアームに与えて、その後方アーム部を車体上方に変位させることが出来る。その結果、フロントサスペンションのアンチダイブジオメトリが悪化することを防止することが出来る。
このように構成された本発明においては、弾性ブッシュに設けられた2つのすぐり部を結んだ線が、平面視で車体前後方向に対して車幅方向外方に斜め後方に傾斜して延びると共に緩衝装置の軸線が上方から下方に向かって車幅方向外方に向けて斜め下方に延びので、前置き式のステアリングギアユニットを有するフロントサスペンションにおいて、前輪の制動時のトーアウトを抑制して、制動時の車両の挙動を安定させることが出来る。ここで、タイロッドが車幅方向外方に斜め前方に延びてホイールサポートの車体前方端部に連結される場合、ホイールサポートの車体前方端部は、制動時に車輪に加わる制動力とタイロッドが延びる角度に起因して車幅方向外方に斜め後方に変位し、トーアウトが生じ易くなる。しかし、本発明によれば、上述した緩衝装置の配置により、ロアアームに制動時に車幅方向外方に向く力が加わり、さらに、このような力が加わると、上述した2つのすぐり部の配置により、弾性ブッシュが車幅方向外方に斜め後方の方向に変形して、後方アーム部が車幅方向外方に斜め後方に変位する。従って、ホイールサポートの車体前方端部が斜め後方変位しても、ホイールサポートのロアアーム連結部も車幅方向外方に斜め後方に変位することになり、前輪の制動時のトーアウトを抑制することが出来る。このように、本発明によれば、上述した制動時におけるアンチダイブジオメトリの悪化を防止しつつトーアウトをも抑制して、制動時の車両の挙動が安定した優れた車両運動性能を得ることが出来る。
先ず、図1により、本実施形態によるフロントサスペンション装置を説明する。図1は、本発明の実施形態による自動車のフロントサスペンション装置を示す斜視図である。
本発明の実施形態によるフロントサスペンション装置1は、車体(図示せず)に固定されたサスペンションクロスメンバ2に取り付けられている。このサスペンションクロスメンバ2は、車幅方向に延びると共にその両側から車体後方に向かって延びるコ字状の前側部材2a、この前側部材2aの車幅方向両側にそれぞれ固定された上方に延びる上方部材2b、及び、前側部材2aの後方で車幅方向に延び、その両端部が前側部材2aに固定された後側部材2cで構成されている。
先ず、各アーム4、6の構成及びその車体とホイールサポートとの連結の構成を説明する。図2及び図3に示すように、アッパアーム4は、前方アーム部4a及び後方アーム部4bを有するA型アームであり、2箇所の取付部20、22で、サスペンションクロスメンバ2の上方部材2bに取り付けられている。これらの連結部20、22では、各アーム部4a、4bの車幅方向内方端部4c、4dが、円筒状の弾性ブッシュ24を介して車体側に取り付けられている。これらの弾性ブッシュ24は、車体前後方向に中心軸線を有するように設けられている。
図2乃至図4に示すように、ロアアーム6には、緩衝装置10の下端部10bが連結される緩衝装置連結部6fが形成されている。また、図2及び図4に示すように、緩衝装置連結部6fは、平面視で、ロアアーム6の前方アーム部6aの車体への連結部26と、ホイールサポート8への連結部6eとを結んだ軸線Aに対して車体前方側に位置するように形成されている。このように形成された緩衝装置連結部6fにより、緩衝装置10の下端部は、軸線Aより車体前方側で、ロアアーム6に連結されるようになっている。
また、図3に示すように、緩衝装置10の軸線Bは、正面視で、上方から下方に向けて車幅方向外方に向けて斜め下方に延びている。
図4に示すように、ロアアーム6の車幅方向内方端部6dは、車体上下方向に中心軸線を有するように円筒状に形成され、その内方に車体上下方向に中心軸線を有するように弾性ブッシュ25が圧入されている。この弾性ブッシュ25の内周部の表面には、金属製の内筒部32が接着されており、この内筒部32が、車体側、即ち、サスペンションクロスメンバ2に固定されている。
これらのすぐり部34のうち、第1のすぐり部34aは、平面視で、弾性ブッシュ25の車体前後方向軸線C(或いは中心軸線を通り車体前後方向に延びる中立面)より車幅方向内方側、且つ、弾性ブッシュ25の車幅方向軸線D(或いは中心軸線を通る車幅方向に延びる中立面)より車体前方側の領域25aに形成されている。本実施形態では、軸線Cは、ロアアーム6の車体前方側の連結部26と車体後方側の連結部28とを結ぶ軸線と一致する。
図5は、フロントサスペンションのアンチダイブジオメトリを説明すると共に緩衝装置の反力によるロアアームの変位を説明するためのサスペンション装置を車幅方向側方から見た概念図である。
先ず、本実施形態では、図2及び図3に示すように、緩衝装置連結部6fは、平面視で、ロアアーム6の前方アーム部6aの車体への連結部26と、ホイールサポート8への連結部6eとを結んだ軸線Aに対して車体前方側に位置するように形成され、緩衝装置10の下端部は、軸線Aより車体前方側でロアアーム6に連結されるようになっている。このような構成により、ロワアーム6の後方アーム部6bが、制動時に、車体上方に変位するようにすることが出来る。
このような従来の構成では、特に制動時において、ホイールサポートを介して連結部106eに加わる車輪からの上向きの力と、緩衝装置の取り付け位置106fに加わる緩衝装置の下向きの反力とにより、図中M2で示すようなモーメント力が発生し、後方アーム部106bは、車体下方に変位してしまい、上述したようにアンチダイブジオメトリに悪影響を与えることがあった。
また、緩衝装置10の下端部が軸線Aより車体上方側でロアアーム6に連結され、且つ、緩衝装置10の上端部から下端部に向かって軸線Bがロアアーム6の上述した軸線Aに対して斜め前方に傾斜して延びるので、同様に、緩衝装置10の軸線Bを、その上端部10aから下端部(6f)に向かってロアアーム6の軸線Aに対し車体前方側に延びるようにすることが出来る。さらに、軸線Bが、軸線Aに対しその車体上方側を横切り、且つ、軸線Aに対しその車体前方側を横切るようにすることが出来る。
従って、ダブルウィッシュボーン式サスペンション装置を、このような軸線Aと軸線Bとの相対関係が得られるように構成すれば、上述した作用、即ち、ロアアーム6に、図4中M1で示すようなモーメント力を発生させて、ロワアーム6の後方アーム部6bを車体上方に変位させることが出来る。
本実施形態では、緩衝装置10を、その軸線Bが上方から下方に向けて車幅方向外方に向けて斜め下方に延びるように配置すると共に、連結部28の弾性ブッシュ25にすぐり部34を設けることにより、前輪16の制動時のトーアウトを抑制することが出来る。
さらに、弾性ブッシュ25は、上述した制動力Fによるロアアーム6の車体後方側への変位の力を受けて、車体後方に向けて変形しようとする。
従って、ロアアーム6の車体後方側の端部6dは、図4中Eに示すような車幅方向外方の斜め後方の方向に変位することになる。
その結果、図6(b)に示すような方向に端部6dが変位し、そのような変位に伴い、ロアアーム6のホイールサポート8への連結部6eは、車体前後方向の車体後方に変位すると共に車幅方向外方にも変位する。従って、ホイールサポート8は、図6(b)中仮想線で示すように変位するので、前輪16の制動時のトーアウトを抑制することが出来るのである。
2 サスペンションクロスメンバ
4 アッパアーム
6 ロアアーム
6a、6b 前方アーム部、後方アーム部
6c、6d 車幅方向内方端部
6e ホイールサポート8への連結部
6f 緩衝装置連結部
8 ホイールサポート
10 緩衝装置
16 前輪
20 アッパアームの車体への車体前方側の連結部
22 アッパアームの車体への車体後方側の連結部
24 弾性ブッシュ
25 軸線が上下方向に延びる弾性ブッシュ
26 ロアアームの車体への車体前方側の連結部(前方アーム部の車体への連結部)
28 ロアアームの車体への車体後方側の連結部(後方アーム部の車体への連結部)
34 すぐり部
A ロアアームの前方アーム部の車体への連結部とホイールサポートへの連結部とを結んだ軸線
B 緩衝装置の軸線
Claims (4)
- ダブルウィッシュボーン式の自動車のフロントサスペンション装置であって、
アッパアームと、
車体に2箇所において連結されたA型のロアアームであって、上記車体との車体前方側の連結部からほぼ車幅方向に延びる前方アーム部及び上記車体との車体後方側の連結部から車幅方向外方に斜め前方に延びる後方アーム部を有するA型のロアアームと、
上記ロアアームの車体後方側の連結部に中心軸線が車体上下方向に延びるように設けられた弾性ブッシュと、
上記アッパアーム及び上記ロアアームに連結され車輪を回転自在に支持するホイールサポートと、
上記車体に上端部が連結されると共に上記ロアアームに下端部が連結された緩衝装置と、を有し、
上記ロアアームの後方アーム部が制動時に上記緩衝装置の反力により車体上方に変位するように構成され、
上記緩衝装置の軸線が上方から下方に向かって上記ロアアームの車体前方側の連結部と上記ホイールサポートとの連結部とを結ぶ軸線の車体前方側に延びるように構成されていることを特徴とする自動車のフロントサスペンション装置。 - ダブルウィッシュボーン式の自動車のフロントサスペンション装置であって、
アッパアームと、
車体に2箇所において連結されたA型のロアアームであって、上記車体との車体前方側の連結部からほぼ車幅方向に延びる前方アーム部及び上記車体との車体後方側の連結部から車幅方向外方に斜め前方に延びる後方アーム部を有するA型のロアアームと、
上記ロアアームの車体後方側の連結部に中心軸線が車体上下方向に延びるように設けられた弾性ブッシュと、
上記アッパアーム及び上記ロアアームに連結され車輪を回転自在に支持するホイールサポートと、
上記車体に上端部が連結されると共に上記ロアアームに下端部が連結された緩衝装置と、を有し、
上記ロアアームの後方アーム部が制動時に上記緩衝装置の反力により車体上方に変位するように構成され、
上記緩衝装置は、その下端部が上記ロアアームの車体前方側の連結部と上記ホイールサポートとの連結部とを結ぶ軸線の車体前方側で上記ロアアームに取り付けられていることを特徴とする自動車のフロントサスペンション装置。 - ダブルウィッシュボーン式の自動車のフロントサスペンション装置であって、
アッパアームと、
車体に2箇所において連結されたA型のロアアームであって、上記車体との車体前方側の連結部からほぼ車幅方向に延びる前方アーム部及び上記車体との車体後方側の連結部から車幅方向外方に斜め前方に延びる後方アーム部を有するA型のロアアームと、
上記ロアアームの車体後方側の連結部に中心軸線が車体上下方向に延びるように設けられた弾性ブッシュと、
上記アッパアーム及び上記ロアアームに連結され車輪を回転自在に支持するホイールサポートと、
上記車体に上端部が連結されると共に上記ロアアームに下端部が連結された緩衝装置と、を有し、
上記ロアアームの後方アーム部が制動時に上記緩衝装置の反力により車体上方に変位するように構成され、
上記緩衝装置は、その下端部が上記ロアアームの車体前方側の連結部と上記ホイールサポートとの連結部とを結ぶ軸線の車体上方側で上記ロアアームに取り付けられ且つ上記緩衝装置の軸線が上方から下方に向かって上記ロアアームの車体前方側の連結部と上記ホイールサポートとの連結部とを結ぶ軸線に対して斜め前方に傾斜して延びるように配置されていることを特徴とする自動車のフロントサスペンション装置。 - さらに、上記車体の上記アッパアーム及び上記ロアアームより車体前方の位置に固定されたステアリングギアユニットと、このステアリングギアユニットから車幅方向外方に斜め前方に延び上記ステアリングギアユニットと上記ホイールサポートの車体前方端部とを連結するタイロッドと、を有し、
上記弾性ブッシュは、その外周部に沿って延びると共に互いに対向する2つのすぐり部を有し、これらのすぐり部は、平面視で、それらを結んだ線が車体前後方向に対して車幅方向外方に斜め後方に傾斜して延びるように配置され、
上記緩衝装置は、その軸線が上方から下方に向かって車幅方向外方に向けて斜め下方に延びるように配置されている請求項1乃至3のいずれか1項記載の自動車のフロントサスペンション装置。
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