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JP4510500B2 - アゾ置換インドール化合物及びアゾ金属キレート化合物、並びに光記録媒体 - Google Patents

アゾ置換インドール化合物及びアゾ金属キレート化合物、並びに光記録媒体 Download PDF

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JP4510500B2 JP2004120552A JP2004120552A JP4510500B2 JP 4510500 B2 JP4510500 B2 JP 4510500B2 JP 2004120552 A JP2004120552 A JP 2004120552A JP 2004120552 A JP2004120552 A JP 2004120552A JP 4510500 B2 JP4510500 B2 JP 4510500B2
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Description

本発明は、新規なアゾ置換インドール化合物及びアゾ金属キレート化合物、並びに高速書き込みに対応した追記型DVDディスクシステムに好適な光記録媒体(以下、「光情報記録媒体」、「情報記録媒体」と称することもある)に関する。
現在、大容量光ディスクとしてDVD+RやDVD−Rが商品化されている。今後、これらDVD系の光ディスクについても、CD−Rのように高速書き込み可能なものが市場から要求されるようになると考えられ、高速書き込み可能な記録材料についての研究開発が進められている。
例えば、シアニン色素は、高屈折率を有しており、信号特性についても満足できる特性が得られるが、耐光性が極めて悪く、単独では実用に耐えられない。このため、光安定化剤を併用することが検討されているが、光安定化能及び信号特性を両立するものは未だ得られていない。
また、アゾ金属キレート色素は、高い信頼性(例えば、耐光性及び保存安定性)は得られるが、屈折率が若干低く、高速書き込みに対しも満足できる信号特性は得られていない。
このような状況の中で、シアニン色素とアゾ金属キレート色素の利点を組み合わせたアゾ金属キレートアニオン化合物とシアニン色素カチオン化合物とからなる塩形成色素が提案されている(特許文献1〜5参照)。
これらの技術では、アゾ金属キレートをアニオン化させる構造が必要となるが、従来技術ではアゾ構造のいずれか一方が芳香族環であるため、充分に高い吸収係数が得られず、このため、充分な光学特性(高屈折率)が得られず、高速書き込みに対応できないという問題がある。
したがってDVD系の光ディスクにおいて、高速書き込みが可能であり、耐光性及び保存信頼性が高く、優れた光学特性を有する記録材料は未だ提供されておらず、その速やかな開発が望まれているのが現状である。
国際公開第98029257号パンフレット 特開2000−168237号公報 特開2000−190641号公報 特開2000−190642号公報 特開2000−198273号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、光学特性及び熱分解挙動に優れ、かつ高い信頼性(耐光性及び保存安定性)を有する新規なアゾ置換インドール化合物及びアゾ金属キレート化合物、並びにこれら化合物を記録材料として用いた、高速書き込みに対応できる追記型DVDディスクシステムに好適な光記録媒体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、特定のヘテロ環構造を有するアゾ金属キレート化合物を含有する記録層を有する光記録媒体が、高速書き込みに対応した追記型DVDディスクシステムに適用可能なことを知見した。また、特定のヘテロ環構造を有するアゾ金属キレートアニオン化合物とシアニン色素カチオン化合物とからなる塩形成色素を主成分とする記録層を有する光記録媒体が、従来の類似色素では得られない光学特性(高屈折率)を実現し得、発振波長670nm以下の半導体レーザを用いる次世代大容量光ディスクシステムに適用可能であり、信号品質に優れ、かつ高い信頼性(耐光性及び保存安定性)を有することを知見した。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 下記構造式(A−3−Ni)、構造式(A−3−Co)、及び構造式(A−15−Ni)のいずれかで表されることを特徴とするアゾ金属キレート化合物である。
Figure 0004510500
Figure 0004510500
Figure 0004510500
> 基板と、該基板上に少なくとも記録層を設けてなり、該記録層が前記<>に記載のアゾ金属キレート化合物を含有してなることを特徴とする光記録媒体である。
> 記録層材料の熱重量分析における主減量過程での温度に対する減量の傾きが2%/℃以上である前記<>に記載の光記録媒体である。
> 記録層材料の熱重量分析における主減量過程での総減量が30%以上であり、かつ減量開始温度が350℃以下である前記<>から<>のいずれかに記載の光記録媒体である。
> 基板と、該基板上に少なくとも記録層を設けてなり、該記録層が、前記<1>に記載のアゾ金属キレート化合物と、下記構造式(4)で表されるシアニン色素カチオン化合物とからなる塩形成色素を含有することを特徴とする光記録媒体である。
Figure 0004510500
ただし、前記構造式(4)中、環A及び環Bは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、隣接する炭素と窒素原子とが一緒になって形成される複素環を表す。11及びR12は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換又は未置換のアルキル基を表す。mは、0〜3の整数を表す。
> アゾ金属キレート化合物における金属及び金属酸化物のいずれかの価数が3価である前記<>に記載の光記録媒体である。
> 環A及び環Bが、インドレニン環、チアゾリン環、及びオキサゾリン環のいずれかである前記<>から<>のいずれかに記載の光記録媒体である。
> シアニン色素カチオン化合物が、インドレニン系トリメチンシアニン色素である前記<>に記載の光記録媒体である。
> 記録再生波長±10nmの波長領域の光に対する記録層単層の屈折率nが1.5≦n≦3.0であり、かつ消衰係数kが0.02≦k≦0.2である前記<>から<>のいずれかに記載の光記録媒体である。
10> 記録再生波長が630〜690nmである前記<>に記載の光記録媒体である。
11> 基板におけるトラックピッチが0.7〜0.8μmであり、かつ案内溝幅が半値幅で0.18〜0.40μmである前記<>から<10>のいずれかに記載の光記録媒体である。
本発明のアゾ金属キレート化合物は、上記構造式(1)で表されるアゾ置換インドール化合物と金属原子とのキレートである上記構造式(3)で表される。その結果、良好な光学特性と高い耐光性を両立し得、この化合物を記録材料として用いた光記録媒体は、保存性に優れ、かつ高反射率、高変調度、及び低ジッタの記録再生信号特性が得られる。
本発明の光記録媒体は、基板と、該基板上に少なくとも記録層を有してなり、第一形態では、前記記録層が、本発明の前記構造式(3)で表されるアゾ金属キレート化合物を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。その結果、保存性に優れ、かつ高反射率、高変調度、及び低ジッタの記録再生信号特性を実現できる。
また、第二形態では、上記構造式(1−1)で表されるアゾ置換インドール化合物と金属、金属酸化物及びこれらの塩から選択されるいずれかとからなるアゾ金属キレートアニオン化合物と、上記構造式(4)で表されるシアニン色素カチオン化合物とからなる塩形成色素を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。その結果、高反射率、高変調度、及び低ジッタの記録再生信号特性が実現できる。
本発明によれば、従来における諸問題を解決でき、光学特性及び熱分解挙動に優れ、かつ高い信頼性(耐光性及び保存安定性)を有する新規なアゾ置換インドール化合物及びアゾ金属キレート化合物、並びにこれら化合物を記録材料として用いた、高速書き込みに対応した追記型DVDディスクシステムに好適な光記録媒体を提供することができる。
(アゾ置換インドール化合物)
本発明のアゾ置換インドール化合物は、下記構造式(1)で表される。
Figure 0004510500
ただし、前記構造式(1)中、R〜Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルスルホニル基、及びアリールスルホニル基のいずれかを表し、RとRのいずれか一方はシアノ基を表し、これらは更に置換基で置換されていてもよく、RとR、RとRは連結して環を形成していてもよい。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、等が挙げられる。
前記アルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の一級アルキル基;イソブチル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−プロピル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、1−イソプロピルペンチル基、1−イソプロピル−2−メチルブチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルヘキシル基、1−イソブチル−3−メチルブチル基等の二級アルキル基;ネオペンチル基、tert−ブチル基、tert−ヘキシル基、tert−アミル基、tert−オクチル基等の三級アルキル基;シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基、アダマンタン基、等のシクロアルキル基、などが挙げられ、これら一級及び二級アルキル基は、更に置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未置換の複素環残基等によって置換されていてもよく、また、酸素、硫黄、窒素等の原子を介して前記アルキル基で置換されていてもよい。
前記酸素を介して置換されているアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、フェノキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、ピペリジノ基、ピロリジノ基、モルホリノ基、等が挙げられる。前記硫黄を介して置換されているアルキル基としては、例えば、メチルチオエチル基、エチルチオエチル基、エチルチオプロピル基、フェニルチオエチル基、等が挙げられる。前記窒素を介して置換されているアルキル基としては、例えば、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、等が挙げられる。前記複素環残基としては、例えば、インドリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基、ピロリル基、等が挙げられる。
前記アリール基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、等が挙げられ、該アリール基は更に置換基で置換されていてもよい。
前記アルキルオキシ基としては、酸素原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基としては前述の具体例等が挙げられ、該アルキルオキシ基は更に置換基で置換されていてもよい。
前記アリールオキシ基としては、酸素原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基としては前述の具体例等が挙げられ、該アリールオキシ基は更に置換基で置換されていてもよい。
前記アルキルアミノ基としては、窒素原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基としては前述の具体例等が挙げられ、該アルキルアミノ基は更に置換基で置換されていてもよい。
前記アリールアミノ基としては、窒素原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基としては前述の具体例等が挙げられ、該アリールアミノ基は更に置換基で置換されていてもよい。
前記アルキルカルボニルアミノ基としては、カルボニルアミノ基の炭素原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基としては前述の具体例等が挙げられ、該アルキルカルボニルアミノ基は更に置換基で置換されていてもよい。
前記アリールカルボニルアミノ基としては、カルボニルアミノ基の炭素原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基としては前述の具体例等が挙げられ、該アリールカルボニルアミノ基は更に置換基で置換されていてもよい。
前記アルキルカルバモイル基としては、カルバモイル基の窒素原子に直接それぞれ独立して水素原子、置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基としては前述の具体例等が挙げられ、該アルキルカルバモイル基は更に置換基で置換されていてもよい。
前記アリールカルバモイル基としては、カルバモイル基の窒素原子に直接それぞれ独立して水素原子、置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基としては前述の具体例等が挙げられ、該アリールカルバモイル基は更に置換基で置換されていてもよい。
前記アルキルスルホニルアミノ基としては、硫黄原子に直接置換もしくは未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基としては前述の具体例等が挙げられ、該アルキルスルホニルアミノ基は更に置換基で置換されていてもよい。
前記アリールスルホニルアミノ基としては、硫黄原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基としては前述の具体例等が挙げられ、該アリールスルホニルアミノ基は更に置換基で置換されていてもよい。
前記アルキルカルボニル基としては、カルボニル基の炭素原子に直接置換もしくは未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基としては前述の具体例等が挙げられ、該アルキルカルボニル基は更に置換基で置換されていてもよい。
前記アリールカルボニル基としては、カルボニル基の炭素原子に直接置換もしくは未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基としては前述の具体例等が挙げられ、該アリールカルボニル基は更に置換基で置換されていてもよい。
前記アルキルスルホニル基としては、スルホニル基の硫黄原子に直接置換もしくは未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基としては前述の具体例等が挙げられ、該アルキルスルホニル基は更に置換基で置換されていてもよい。
前記アリールスルホニル基としては、スルホニル基の硫黄原子に直接置換もしくは未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基としては前述の具体例等が挙げられ、該アリールスルホニル基は更に置換基で置換されていてもよい。
前記構造式(1)におけるRとしては、DVDシステムに適合した光学特性(吸収波長、光学定数)を示す点で下記構造式(2)で表されるものが好ましい。
Figure 0004510500
ただし、前記構造式(2)中、R及びR10は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、及びアリール基のいずれかを表し、これらは更に置換基により置換されていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。
なお、前記アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、複素環及び炭化水素環等は、置換基を有することができるが、この場合の置換基には、慣用の置換基、例えば、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、置換又は非置換のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、置換又は非置換のアミノ基等が挙げられる。ハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基におけるアルキル部分としては、前記と同様なものが挙げられる。
前記構造式(1)で表されるアゾ置換インドール化合物の具体例を以下に示す。
Figure 0004510500
ただし、Xは、置換又は未置換のアルキル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etはエチル基を表し、Xは、置換又は未置換のアルキル基を表す。
Figure 0004510500
Figure 0004510500
ただし、Prは、プロピル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、置換又は未置換のアルキル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
Figure 0004510500
Figure 0004510500
ただし、Meはメチル基、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Meは、メチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Meは、メチル基を表す。
Figure 0004510500
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
次に、本発明のアゾ置換インドール化合物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、塩酸、硫酸、酢酸、りん酸等の酸にアミノ基を有するピラゾール環類を加熱溶解し、氷浴にて急冷する。その後、適当な温度にて亜硝酸を作用させジアゾ化する。次に、4位に置換若しくは未置換のアミノ基を有するインドール類とカップリングすることで目的のアゾ置換インドール化合物を合成することができる。
(アゾ金属キレート化合物)
本発明のアゾ金属キレート化合物は、下記構造式(3)で表される。
Figure 0004510500
ただし、前記構造式(3)中、R〜Rは、上記と同じ意味を表す。Mは、金属原子を表す。nは、2〜3の整数を表す。
また、本発明のアゾ金属キレート化合物は、前記構造式(1)で表されるアゾ置換インドール化合物と金属原子を含有する金属塩とを反応させることにより得られる。
前記金属原子としては、2価の金属原子が好適であり、該金属原子としては、例えば、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、等が挙げられ、これらの中でも、耐光性、屈折率等の光学特性が優れている点からニッケル、銅が特に好ましい。
前記アゾ金属キレート化合物の合成は、例えば、アルコール、ジメチルフォルムアミド(DMF)、グリセリン等の溶剤中に、前記構造式(1)で表されるアゾ置換インドール化合物と、前記金属原子を含有する金属塩等を加え、更に必要に応じて、水酸化ナトリウム溶液、アンモニア水等のアルカリ成分を加えたり、室温〜溶剤の沸点の温度に加温することにより行うことができる。
前記アゾ金属キレート化合物は、高線速記録に対応できる物理特性を有しており、各種分野において好適に使用することができるが、追記型光記録媒体における記録材料等として好適に使用することができ、以下の本発明の追記型DVD用の記録材料として好適に使用できる。
(光記録媒体)
本発明の光記録媒体は、基板と、該基板上に少なくとも記録層を設けてなり、反射層、保護層、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
本発明の光記録媒体は、第一形態では、前記記録層が、本発明の前記構造式(3)で表されるアゾ金属キレート化合物を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記第一形態における記録層材料の熱的に必要な条件としては、熱重量分析(Thermogravimetric Analysis;TG)における主減量過程での重量減量が、温度に対して急であることが好ましい。これは、主減量過程により記録層材料は分解し、膜厚の減少と光学定数の変化を起こし、光学的な意味での記録部が形成されるからである。したがって、主減量過程の重量減量が温度に対して穏やかな場合には、広い温度範囲にわたって形成されてしまうため、高密度の記録部を形成させる場合は極めて不利となる。同様な理由により重量減量の過程が複数存在する記録層材料を用いた場合も高密度対応には不利である。
本発明では、いくつかの重量減量過程のうちで、減量率が最大のものを主減量過程と称する。前記重量減量の傾きは下記のようにして求めることができる。
図1に示すように、重量m0の記録層材料を窒素雰囲気下中で、10℃/minで昇温させる。この昇温に従って記録層材料の重量は微量ずつ減少し、重量減量線(ほぼ直線a−b)を示す。ある温度に達すると記録層材料は急激な重量減少を起こし、ほぼ直線c−dに沿った重量の減量を起こす。これが主減量過程である。さらに温度を上げ続けると質量の急激な減量は終了し、ほぼ直線e−fに沿った重量減少を起こす。
図1中、直線a−bと直線c−dとの交点における温度をT1(℃)、初期重量m0に対する残存重量減量率をm1(%)、直線c−dと直線e−fとの交点における温度をT2(℃)、初期質量m0に対する残存重量減量率をm2(%)とする。急激な減量開始温度はT1、急激な減量終了温度はT2となり、急激な重量減少を発現するときの重量減量の傾きは、次式、(m1−m2)(%)/(T2−T1)(℃)で示される値であり、初期重量に対する重量減量率は(m1−m2)(%)で表される。
ここで、図1中、「TG%」とは、被測定記録層材料の重量減量率を表す。昇温前の記録層材料の質量m0を100%と表し、計測器に物質がない状態を0%とする。
上記定義に基づくと光記録媒体に用いる記録材料としては、主減量過程における重量減量の傾きが2%/℃以上が好ましい。前記重量減量の傾きが2%/℃未満であると、記録部の広がりが大きくなり、短い記録部を形成することが困難となることがある。
また、主減量過程における重量減少率は、30%以上が好ましい。前記重量減少率が30%未満であると、良好な記録変調度、記録感度が得られないことがある。更に、熱的特性に必要な条件は、減量開始温度T1が一定の温度範囲にあることが好ましい。具体的には、前記減量開始温度は350℃以下が好ましく、200〜350℃がより好ましい。前記減量開始温度が350℃を超えると、記録レーザ光のパワーが高くなり実用的でなくなることがあり、200℃未満であると、再生劣化を起こすなど記録安定性が悪化することがある。
本発明の光記録媒体は、第二形態では、前記記録層が、下記構造式(1−1)で表されるアゾ置換インドール化合物と金属、金属酸化物及びこれらの塩から選択されるいずれかとからなるアゾ金属キレートアニオン化合物と、下記構造式(4)で表されるシアニン色素カチオン化合物とからなる塩形成色素を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
Figure 0004510500
ただし、前記構造式(1−1)中、R〜Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルスルホニル基、及びアリールスルホニル基のいずれかを表し、RとRのいずれか一方はシアノ基を表し、これらは更に置換基で置換されていてもよく、RとR、RとRは連結して環を形成していてもよい。
Figure 0004510500
ただし、前記構造式(4)中、環A及び環Bは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、隣接する炭素と窒素原子とが一緒になって形成される複素環を表し、該複素環は更に置換基で置換されていてもよく、他の環と縮合していてもよい。R11及びR12は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換又は未置換のアルキル基を表す。mは、0〜3の整数を表す。
前記環A及び環Bは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、隣接する炭素と窒素原子とが一緒になって形成される複素環を表し、該複素環としては、3員環、5員環、6員環、などが挙げられ、これらの中でも複素5員環が好ましい。該複素5員環としては、例えば、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、オキサトリアゾール、チアトリアゾール、などが挙げられ、これらは更に置換基で置換されていてもよく、これらは縮合環を有していてもよい。
11及びR12は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換又は未置換の炭素数1〜10のアルキル基を表し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、などが挙げられる。
前記構造式(1−1)における金属又は金属酸化物は、価数が3価のものが好ましい。該3価の金属又は金属酸化物としては、例えば、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネニウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、酸化バナジウム、酸化チタン、等が挙げられる。
前記構造式(1−1)で示されるアゾ置換インドール化合物は、2価若しくは3価の金属、金属酸化物、又はそれらの塩と容易に作用してアゾ金属キレートアニオン化合物を生成する。ここで、安定なアゾ金属キレートアニオン化合物を生成するには、金属又は金属酸化物の価数が3価であるものを用いることが重要である。アゾ置換インドール化合物と3価金属等とが、2:1の比(モル比)により構成されるアゾ金属キレートアニオン化合物は安定に単離でき、種々のシアニン色素と容易に塩交換をして本発明の塩形成色素からなる記録材料を生成することができる。
この場合、前記塩形成色素における前記アゾ金属キレートアニオン化合物と、前記シアニン色素カチオン化合物との混合比(モル比)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記アゾ金属キレートアニオン化合物:前記シアニン色素カチオン化合物=1:0.5〜5が好ましい。
前記アゾ金属キレートアニオン化合物と前記シアニン色素カチオン化合物からなる塩形成色素とすることで、シアニン色素の弱点である耐光性が著しく向上し、光学特性、耐光性及び溶解性の点で優れた記録材料となる。また、記録材料をDVDに用いる場合、記録材料の光安定性、記録波長での記録感度、塗布溶媒への溶解性を検討したところ、アゾ金属キレートアニオン化合物の金属種としてはコバルトが最も耐光性がよく好適であり、インドレニン環、チアゾリン環、又はオキサゾリン環で構成されるシアニン色素カチオン化合物が記録感度が高い点で特に好ましい。
これらの中でも、インドレニン環で構成されるインドレニン系トリメチンシアニン色素が耐光性が優れている点から最も好ましい。
前記構造式(3)で表されるシアニン色素カチオン化合物の具体例を以下に示す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Meは、メチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Buは、ブチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Prは、プロピル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、i−Prは、イソプロピル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Meは、メチル基、Buは、ブチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Meは、メチル基、i−Prは、イソプロピル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Buは、ブチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Meは、メチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Prは、プロピル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、i−Prは、イソプロピル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Meは、メチル基、Buは、ブチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Meは、メチル基、i−Prは、イソプロピル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Etは、エチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Buは、ブチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Meは、メチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、i−Prは、イソプロピル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Prは、プロピル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Meは、メチル基、Buは、ブチル基を表す。
Figure 0004510500
ただし、Meは、メチル基、i−Prは、イソプロピル基を表す。
次に、光記録媒体における記録層の光学特性に必要な条件としては、記録再生波長である630〜690nmに対して短波長側に大きな吸収帯を有し、かつ記録再生波長が該吸収帯の長波長端近傍にあることが好ましい。これは、記録再生波長である630〜690nmで大きな屈折率と消衰係数を有することを意味する。
具体的には、記録再生波長近傍の長波長近傍の波長域光に対する記録層単層の屈折率nが1.5〜3.0であり、消衰係数kが0.02〜0.2の範囲が好ましい。前記屈折率nが1.5未満であると、十分な光学的変化が得られにくいため、記録変調度が低くなることがあり、3.0を超えると波長依存性が高くなり過ぎるため、記録再生波長領域であってもエラーとなってしまうことがある。また、前記消衰係数kが0.02未満であると記録感度が悪くなることがあり、0.2を超えると50%以上の反射率を得ることが困難となることがある。
本発明の光記録媒体は、その記録再生波長は630〜690nmが好ましく、高速書き換えが可能であり、優れた記録特性有し、特に大容量のDVD+R、及びDVD−Rのいずれかに好適に用いられる。
次に、本発明の光記録媒体の構成について図面を参照して説明する。
図2は、本発明の光記録媒体に適用し得る層構成例を示す概略断面図であり、これは追記型光ディスクの例である。図2(A)は、基板1/記録層2からなる追記型光ディスクを示す。図2(B)は、基板1/下引き層3/記録層2からなる追記型光ディスクを示す。図2(C)は、基板1/下引き層3/記録層2/保護層4からなる追記型光ディスクを示す。図2(D)は、ハードコート層5/基板1/下引き層3/記録層2/保護層4からなる追記型光ディスクを示す。
図3は、本発明の光記録媒体に適用し得る追記型光記録媒体(CD−R型)の層構成例を示す概略断面図であり、これは追記型光ディスクの例である。図3(A)は、基板1/記録層2/反射層6/保護層4からなるCD−Rを示す。図3(B)は、基板1/下引き層3/記録層2/反射層6/保護層4からなるCD−Rを示す。図3(C)は、ハードコート層5/基板1/下引き層3/記録層2/反射層6/保護層4からなるCD−Rを示す。
なお、図2若しくは図3を2枚貼合わせたいわゆるエアーサンドイッチ、又は密着貼合わせ構造としてもよい。
図4は、本発明の光記録媒体に適用し得る追記型光記録媒体(DVD±R)の層構成例を示す概略断面図である。図4(A)は、基板1/記録層2/反射層6/保護層4からなるDVD±Rを示す。図4(B)は、基板1/記録層2/反射層6/保護層4/接着層8/保護基板7からなるDVD±Rを示す。図4(C)は、ハードコート層5/基板1/下引き層3/記録層2/反射層6/保護層4/接着層8/保護基板7からなるDVD±Rを示す。
本発明の光記録媒体を追記型DVDメディアとして適用する場合の光記録媒体の構成としては、第1の基板と第2の基板(以下、第1基板、第2基板と称することがある)とを記録層を介して接着剤で張り合わせた構造を基本構造とする。記録層は反射率を高めるため記録層と反射層との積層である必要がある。記録層と基板間は下引き層、又は保護層を介して層成してもよく、機能向上のためそれらを積層化した構成でもよい。最も通常に用いられるのは、第1基板/記録層(有機色素層)/反射層/保護層/接着層/第2基板の構造である。
−基板−
前記基板としては、基板側より記録及び再生の少なくともいずれかを行う場合には使用レーザ光に対して透明でなければならず、記録層側から記録及び再生の少なくともいずれかを行う場合には、基板は透明である必要はない。従って、本発明において、基板2枚をサンドイッチ状で用いる場合は、例えば、一方の基板(第2の基板)のみが透明であれば、他方の基板(第1の基板)の透明、不透明は問わない。
前記基板材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等のプラスチックス、ガラス、セラミックス、金属、等を用いることができる。
なお、基板を1層しか用いない場合はその基板表面に、また基板2枚をサンドイッチ状で用いる場合は第1基板の表面に、トラッキング用の案内溝や案内ピット、更にアドレス信号等のプレフォーマットが形成されていることが好ましい。
前記基板は、円盤状であり、通常、深さ1000〜2500Å(100〜250nm)の案内溝を有している。前記溝深さが1000Å(100nm)以上であると、充分なトラッキング信号や良好な記録再生特性を得やすくなり、2500Å(250nm)以下であると全面に渡り均一性に優れた転写性が得られるので好ましい。また、溝幅は、半値幅で0.18〜0.40μmが好ましい。前記半値幅が0.18μm以上であると、十分なトラッキングエラー信号強度を得やすいので好ましい。一方、0.40μm以下であると、記録したときに記録部が横に広がりにくいので好ましい。
また、トラックピッチは、通常、0.7〜1.0μmが好ましく、高容量化の用途では0.7〜0.8μmが好ましい。
−記録層−
前記記録層はレーザ光の照射により何らかの光学的変化を生じさせ、その変化により情報を記録できるものであって、この記録層中には本発明の前記色素が含有されていることが必要で、該記録層の形成にあたっては、本発明の第一形態に係る有機色素(前記構造式(3)で表されるアゾ金属キレート化合物)及び第二形態に係る有機色素(前記構造式(1−1)で表されるアゾ金属キレートアニオン化合物と前記構造式(4)で表されるシアニン色素カチオン化合物)から選択される少なくとも1種を用いることができる。前記記録層には、光学特性、記録感度、及び信号特性等の向上を目的として他の有機色素、金属、又は金属化合物と、混合或いは積層化してもよい。
前記他の有機色素としては、例えば、ポリメチン色素、ナフタロシアニン系染料、フタロシアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料、ピリリウム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン(インダンスレン)系染料、キサンテン系染料、トリフェニルメタン系染料、アズレン系染料、テトレヒドロコリン系染料、フェナンスレン系染料、トリフェノチアジン系染料、金属キレート化合物、等が挙げられ、これらの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせても構わない。
また、前記染料中に金属、又は金属化合物を添加することもできる。該金属又は金属化合物としては、例えば、In、Te、Bi、Se、Sb、Ge、Sn、Al、Be、TeO、SnO、As、Cd等を分散混合、或いは積層の形態で用いることもできる。
また、前記色素中に高分子材料を配合させることもできる。該高分子材料としては、例えば、アイオノマー樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子化合物、シリコーン、液状ゴム等の種々の材料、又はシランカップリング剤等を分散混合して用いてもよいし、あるいは特性改良の目的で安定剤(例えば、遷移金属錯体)、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を一緒に用いることもできる。
前記記録層の形成は、蒸着法、スパッタリング法、CVD法又は溶液塗布法等の通常の手段によって行うことができる。前記塗布法を用いる場合には、前記色素等を有機溶剤等に溶解してスプレー法、ローラーコーティング法、ディッピング法、スピンコーティング等の慣用のコーティング法によって行うことができる。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族類;メトキシエタノール、エトキシエタノール等のセロソルブ類;ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類、等が挙げられる。
前記記録層の膜厚は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、100Å(10nm)〜10μmが好ましく、200Å(20nm)〜2000Å(200nm)がより好ましい。
−下引き層−
前記下引き層は、(1)接着性の向上、(2)水又はガス等のバリア、(3)記録層の保存安定性の向上、(4)反射率の向上、(5)溶剤からの基板や記録層の保護、及び(6)案内溝・案内ピット・プレフォーマット等の形成等を目的として使用される。
前記(1)の目的としては、高分子材料、例えば、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴム等の種々の高分子物質、及びシランカップリング剤等を用いることができる。前記(2)及び(3)の目的としては、前記高分子材料以外に無機化合物、例えば、SiO、MgF、SiO、TiO、ZnO、TiN、SiN等、更に金属、又は半金属、例えば、Zn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Al等を用いることができる。また、前記(4)の目的に対しては、金属、例えば、Al、Ag等や、金属光沢を有する有機薄膜、例えば、メチン染料、キサンテン系染料等を用いることができる。前記(5)及び(6)の目的としては、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
前記下引き層の膜厚は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.01〜30μmが好ましく、0.05〜10μmがより好ましい。
−反射層−
前記反射層の材料としては、単体で高反射率の得られる腐食されにくい金属、半金属等が挙げられ、例えば、Au、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Sn等が挙げられるが、反射率、生産性の点からAu、Ag、Alが最も好ましく、これらの金属、半金属は単独で使用しても良く、2種の合金としてもよい。
前記反射層は、各種気相成長法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
前記反射層の膜厚は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、50〜5000Å(5〜500nm)が好ましく、100〜3000Å(10〜300nm)がより好ましい。
−保護層、及び基板表面ハードコート層−
前記保護層、又は基板表面ハードコート層は、(1)記録層(反射吸収層)の傷、ホコリ、汚れ等からの保護、(2)記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、(3)反射率の向上等を目的として使用される。これらの目的に対しては、前記中間層に示した材料を用いることができる。また、無機材料としては、例えば、SiO、SiO等も用いることができる。有機材料としては、例えば、ポリメチルアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性樹脂、熱溶融性樹脂、紫外線硬化樹脂も用いることができる。前記材料のうち保護層、又は基板表面ハードコート層に最も好ましい例としては生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。
前記保護層又は基板表面ハードコート層の膜厚は0.01〜30μmが好ましく、0.05〜10μmがより好ましい。
本発明においては、前記下引き層、前記保護層、及び前記基板表面ハードコート層には記録層の場合と同様に、目的に応じて更に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
−保護基板−
前記保護基板は、この保護基板側からレーザ光を照射する場合には、使用レーザ光に対し透明でなくてはならず、単なる保護板として用いる場合には、透明性は問わない。前記保護基板として使用可能な基板材料は前記の基板材料と全く同様であり、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等のプラスチックス、ガラス、セラミックス、金属等を用いることができる。
−接着剤、接着層−
前記接着剤としては、2枚の光記録媒体を接着できる材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、生産性を考えると、紫外線硬化型接着剤又はホットメルト型接着剤が好ましい。
本発明の光記録媒体の記録再生方法は、前記本発明の光記録媒体に対し、630〜690nmの発振波長を有するレーザ光を照射することにより情報の記録及び再生の少なくともいずれかを行うものである。
具体的には、光記録媒体を所定の線速度、又は、所定の定角速度にて回転させながら、基板側から対物レンズを介して半導体レーザ(例えば、630〜690nmの発振波長)などの記録用の光を照射する。この照射光により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、例えば、ピットが生成してその光学特性を変えることにより情報が記録される。上記のように記録された情報の再生は、光記録媒体を所定の定線速度で回転させながらレーザ光を基板側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−アゾ置換インドール化合物(A−3)の合成−
2−アミノ−3,4−ジシアノピラゾール1.33gを塩酸酸性水溶液(3倍モル比)中で、0℃において1.1倍モル比の亜硝酸水溶液を滴下し、ジアゾ化を行った。過剰の亜硝酸をアミド硫酸にて分解しジアゾ液を調製した。次に、4−ジエチルアミノインドール1.88gをエタノール中に溶解し、前記ジアゾ液を加えて反応させた。反応終了後、析出した粗結晶を濾取し、エタノールから再結晶して下記構造式で表されるアゾ置換インドール化合物(A−3)を合成した。
得られたアゾ置換インドール化合物(A−3)のIRスペクトルの結果を図5に示す。また、クロロホルム溶液の吸収スペクトルを図6に示す。元素分析の結果を表1に示す。
Figure 0004510500
Figure 0004510500
(実施例2)
実施例1において、4−ジエチルアミノインドール1.88gの変わりに4−ジブチルアミノインドール2.44gを用いた以外は、実施例1と同様にして、下記構造式で表されるアゾ置換インドール化合物(A−7)を合成した。得られたアゾ置換インドール化合物(A−7)の元素分析の結果を表2に示す。
Figure 0004510500
Figure 0004510500
(実施例3)
実施例1において、4−ジエチルアミノインドール1.88gの変わりに下記構造式Aで表されるアミノインドール化合物2.00gを用いた以外は、実施例1と同様にして、下記構造式で表されるアゾ置換インドール化合物(A−15)を合成した。得られたアゾ置換インドール化合物(A−15)の元素分析の結果を表3に示す。
Figure 0004510500
Figure 0004510500
Figure 0004510500
(実施例4)
実施例1において、4−ジエチルアミノインドール1.88gの変わりに下記構造式Bで表されるアミノインドール化合物2.15gを用いた以外は、実施例1と同様にして、下記構造式で表されるアゾ置換インドール化合物(A−18)を合成した。得られたアゾ置換インドール化合物(A−18)の元素分析の結果を表4に示す。
Figure 0004510500
Figure 0004510500
Figure 0004510500
(実施例5)
−アゾ金属キレート化合物の合成−
前記アゾ置換インドール化合物(A−3)1.33g、及び酢酸ニッケル(II)四水和物0.40gをジメチルフォルムアミド(DMF)に懸濁した。この懸濁液を100℃に昇温し、1時間攪拌した。反応溶液を水に排出し、析出した粗製物をメチルエチルケトン(MEK)から再結晶し、アゾ金属キレート化合物(A−3−Ni)を1.37g得た。
得られたアゾ金属キレート化合物(A−3−Ni)のIRスペクトルの結果を図7に示す。また、クロロホルム溶液の吸収スペクトルを図8に示す。元素分析の結果を表5に示す。
Figure 0004510500
(実施例6)
−アゾ金属キレート化合物の合成−
前記アゾ置換インドール化合物(A−3)1.33g、及び酢酸銅(II)一水和物0.41gをジメチルフォルムアミド(DMF)に懸濁した。この懸濁液を100℃に昇温し、1時間攪拌した。反応溶液を水に排出し、析出した粗製物をメチルエチルケトン(MEK)から再結晶し、アゾ金属キレート化合物(A−3−Cu)を1.22g得た。得られたアゾ金属キレート化合物(A−3−Cu)の元素分析の結果を表6に示す。
Figure 0004510500
(実施例7)
−アゾ金属キレート化合物の合成−
実施例5において、アゾ置換インドール化合物(A−3)の代わりにアゾ置換インドール化合物(A−7)を用いた以外は、実施例5と同様にして、アゾ金属キレート化合物(A−7−Ni)を合成した。得られたアゾ金属キレート化合物(A−7−Ni)の元素分析の結果を表7に示す。
Figure 0004510500
(実施例8)
−アゾ金属キレート化合物の合成−
実施例5において、アゾ置換インドール化合物(A−3)の代わりにアゾ置換インドール化合物(A−15)を用いた以外は、実施例5と同様にして、アゾ金属キレート化合物(A−15−Ni)を合成した。得られたアゾ金属キレート化合物(A−15−Ni)の元素分析の結果を表8に示す。
Figure 0004510500
(実施例9)
−アゾ金属キレート化合物の合成−
実施例5において、アゾ置換インドール化合物(A−3)の代わりにアゾ置換インドール化合物(A−18)を用いた以外は、実施例5と同様にして、アゾ金属キレート化合物(A−18−Ni)を合成した。得られたアゾ金属キレート化合物(A−18−Ni)の元素分析の結果を表9に示す。
Figure 0004510500
(実施例10)
−塩形成色素の合成−
前記アゾ置換インドール化合物(A−3)1.00g(3.01mmol)をエタノール100mlに懸濁した。この懸濁液に5N−NaOH水溶液1.20ml(6.02mmol)を加えた後、Co(NH・Cl 0.61g(1.51mmol)を加え、80℃にて10時間反応させた。反応液を濃縮後、水100mlを加え、弱酸になるまで塩酸水溶液を加え、析出した沈殿物を濾過し、乾燥した。
次に、乾燥した沈殿物をジメチルフォルムアミド(DMF)30mlに溶解した後、シアニン色素カチオン化合物(C−26)のヨウ化物を1.82g(3.01mmol)加え、150℃にて2時間反応させた。反応液を水300mlに注ぎ、析出した物質を濾別した。析出物質は乾燥後、シリカゲルクロマトグラフ法/展開溶媒トルエン−メタノール(5:1)により精製し、アゾ金属キレートアニオン化合物(A−3−Co)とシアニン色素カチオン化合物(C−26)とからなる塩形成色素を合成した。得られた塩形成色素の元素分析の結果を表10に示す。
Figure 0004510500
(実施例11)
−塩形成色素の合成−
実施例10において、Co(NH・Cl 0.61g(1.51mmol)を酸化バナジウム(IV)アセチルアセトナート0.40g(1.51mmol)に変えた以外は、実施例10と同様にして、アゾ金属キレートアニオン化合物(A−3−VO)とシアニン色素カチオン化合物(C−26)とからなる塩形成色素を合成した。得られた塩形成色素の元素分析の結果を表11に示す。
Figure 0004510500
(実施例12)
−塩形成色素の合成−
実施例10において、シアニン色素カチオン化合物(C−26)のヨウ化物を1.82g(3.01mmol)をシアニン色素カチオン化合物(C−1)のヨウ化物1.75g(3.01mmol)に変えた以外は、実施例10と同様にして、アゾ金属キレートアニオン化合物(A−3−Co)とシアニン色素カチオン化合物(C−1)とから塩形成色素を合成した。得られた塩形成色素の元素分析の結果を表12に示す。
Figure 0004510500
(実施例13)
−塩形成色素の合成−
実施例10において、アゾ置換インドール化合物(A−3)1.00g(3.01mmol)をアゾ置換インドール化合物(A−7)1.17g(3.01mmol)に変えた以外は、実施例10と同様にして、アゾ金属キレートアニオン化合物(A−7−Co)とシアニン色素カチオン化合物(C−26)とからなる塩形成色素を合成した。得られた塩形成色素の元素分析の結果を表13に示す。
Figure 0004510500
(実施例14)
前記アゾ金属キレート化合物(A−3−Ni)をトリフルオロアルコールに溶解し、石英基板上にスピンコート法により厚さ約670Åに成膜した。
得られたアゾ金属キレート化合物(A−3−Ni)の薄膜の吸収スペクトルを図9に示す。
(実施例15)
前記アゾ金属キレート化合物(A−3−Cu)をトリフルオロアルコールに溶解し、石英基板上にスピンコート法により厚さ約670Åに成膜した。
(実施例16)
前記アゾ金属キレート化合物(A−15−Ni)をトリフルオロアルコールに溶解し、石英基板上にスピンコート法により厚さ約670Åに成膜した。
(実施例17)
アゾ金属キレートアニオン化合物(A−3−Co)とシアニン色素カチオン化合物(C−26)とからなる塩形成色素をトリフルオロアルコールに溶解し、石英基板上にスピンコート法により厚さ約670Åに成膜した。
ここで、図10(a)には、アゾ金属キレート化合物(A−3−Co)の吸収スペクトルを示す。図10(b)には、シアニン色素カチオン化合物(C−26)のヨウ素化合物薄膜の吸収スペクトルを示す。図10(c)には、アゾ金属キレートアニオン化合物(A−3−Co)とシアニン色素カチオン化合物(C−26)のヨウ素化合物とからなる塩形成色素の薄膜の吸収スペクトルを示す。
(実施例18)
アゾ金属キレートアニオン化合物(A−3−Co)とシアニン色素カチオン化合物(C−1)とからなる塩形成色素をトリフルオロアルコールに溶解し、石英基板上にスピンコート法により厚さ約670Åに成膜した。
(比較例1)
アゾ金属キレートアニオン化合物(A−3−Co)のアンモニウム塩をトリフルオロアルコールに溶解し、石英基板上にスピンコート法により厚さ約670Åに成膜した。
(比較例2)
シアニン色素カチオン化合物(C−26)のヨウ素化物をトリフルオロアルコールに溶解し、石英基板上にスピンコート法により厚さ約670Åに成膜した。
(比較例3)
下記構造式で表される芳香族アゾ金属キレートアニオン(III)とシアニン色素カチオン化合物(C−26)とからなる塩形成色素をトリフルオロアルコールに溶解し、石英基板上にスピンコート法により厚さ約670Åに成膜した。
Figure 0004510500
<薄膜の光学定数及び耐光性評価>
得られた各薄膜について、分光エリプソメトリ法により波長660nmでの光学定数(屈折率n、減衰係数k)を測定した。結果を表14に示す。
Figure 0004510500
表14の結果から、本発明のアゾ金属キレート化合物は、波長640nm〜660nmの波長域で高い屈折率nと適宜な消衰係数kを有することが認められる。
本発明のアゾ金属キレートアニオン化合物とシアニン色素カチオン化合物とからなる塩形成色素は、アゾ金属キレート化合物単独(比較例1)、及び従来技術である芳香族アゾキレート色素とシアニン色素との塩形成色素(比較例3)に比べて、高い屈折率が得られることが認められる。
<耐光試験>
各薄膜について、耐光性試験器(5万Luxのキセノン(Xe)光)を20時間連続照射し、その後の劣化定数を測定した。結果を表15に示す。
Figure 0004510500
表15の結果から、本発明のアゾ金属キレート化合物、及びアゾ金属キレートアニオン化合物とシアニン色素カチオン化合物とからなる塩形成色素は、シアニン色素カチオン化合物単独のもの(比較例2)に比べて、高い耐光性を有することが認められる。
(実施例19)
−光記録媒体の作製−
厚さ0.6mm、深さ1750Å(175nm)、半値幅0.32μm、トラックピッチ0.74μmの案内溝を形成したポリカーボネート樹脂製基板を作製した。
基板上にアゾ金属キレート化合物(A−3−Ni)の2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液をスピナー塗布し、厚さ900Å(90nm)の記録層を形成した。記録層上にスパッタ法により銀を厚さが1200Å(120nm)となるように反射層を成膜した。反射層上にアクリル系フォトポリマーにて厚さが7μmの保護層を設けた後、厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂製平面基板をアクリル系フォトポリマーにて接着し、光記録媒体を作製した。
(実施例20)
−光記録媒体の作製−
実施例19において、アゾ金属キレート化合物(A−3−Ni)をアゾ金属キレート化合物(A−15−Ni)に変えた以外は、実施例19と同様にして、光記録媒体を作製した。
(実施例21)
−光記録媒体の作製−
実施例19において、アゾ金属キレート化合物(A−3−Ni)をアゾ金属キレートアニオン化合物(A−3−Co)とシアニン色素カチオン化合物(C−26)とからなる塩形成色素に変えた以外は、実施例19と同様にして、光記録媒体を作製した。
(実施例22)
−光記録媒体の作製−
実施例19において、アゾ金属キレート化合物(A−3−Ni)をアゾ金属キレートアニオン化合物(A−3−Co)とシアニン色素カチオン化合物(C−1)とからなる塩形成色素に変えた以外は、実施例19と同様にして、光記録媒体を作製した。
(比較例4)
−光記録媒体の作製−
実施例19において、アゾ金属キレート化合物(A−3−Ni)をシアニン色素カチオン化合物(C−26)のヨウ素化物に変えた以外は、実施例19と同様にして、光記録媒体を作製した。
(比較例5)
−光記録媒体の作製−
実施例19において、アゾ金属キレート化合物(A−3−Ni)を下記構造式で表される芳香族アゾ金属キレートアニオン(III)とシアニン色素カチオン化合物(C−26)とからなる塩形成色素に変えた以外は、実施例19と同様にして、光記録媒体を作製した。
Figure 0004510500
<記録特性評価>
作製した各光記録媒体について、光ディスク評価装置(パルステック社製、DDU−1000)を用いて、発振波長658nm、ビーム径1.0μmの半導体レーザ光を用い、トラッキングしながらEFM信号(線速3.5m/sec.)を記録し、発振波長658nmの半導体レーザの連続光(再生パワー0.7mW)で再生し、再生波形を観察して、反射率、変調度、及びジッタを測定した。
<保存テスト条件>
各光記録媒体について、60℃−相対湿度90%の環境下で600時間保存し、その後の反射率、変調度、及びジッタを上記同様に測定した。
Figure 0004510500
表16の結果から、本発明のアゾ金属キレート化合物は、良好な光学特性と高い耐光性を両立し、これを記録材料として用いた光記録媒体は、保存性に優れ、かつ高反射率、高変調度、及び低ジッタの記録再生信号特性が得られる。
本発明のアゾ金属キレートアニオン化合物とシアニン色素カチオン化合物とからなる塩形成色素は、従来の芳香族アゾ金属キレートアニオン化合物とシアニン色素カチオン化合物とからなる塩形成色素に比べて、光学特性に優れ、該塩形成色素を記録材料として用いた光記録媒体は、高反射率、高変調度、及び低ジッタの記録再生信号特性が得られることが認められる。
本発明のアゾ金属キレート化合物は、良好な光学特性と高い耐光性を両立し得、各種光記録媒体の記録材料として幅広く用いることができる。
本発明の光記録媒体は、優れた記録特性を有し、高速書き換えが可能であり、DVD+R、DVD−Rなどに幅広く用いることができる。
図1は、アゾ金属キレート化合物の主減量過程、及び重量減量率を求める方法を説明する図である。 図2の(A)〜(D)は、通常の追記型光記録媒体の層構成の一例を表す図である。 図3(A)〜(C)は、CD−R用の光記録媒体の層構成の一例を表す図である。 図4(A)〜(C)は、DVD±R用の光記録媒体の層構成の一例を表す図である。 図5は、アゾ置換インドール化合物(A−3)のIRスペクトル図である。 図6は、アゾ置換インドール化合物(A−3)の溶液の吸収スペクトル図である。 図7は、アゾ金属キレート化合物(A−3−Ni)のIRスペクトル図である。 図8は、アゾ金属キレート化合物(A−3−Ni)溶液の吸収スペクトル図である。 図9は、アゾ金属キレート化合物(A−3−Ni)の薄膜の吸収スペクトル図である。 図10(a)は、アゾ金属キレート化合物(A−3−Co)の薄膜の吸収スペクトル図である。図10(b)は、シアニン色素カチオン化合物(C−26)のヨウ素化合物の薄膜の吸収スペクトル図である。図10(c)は、アゾ金属キレートアニオン化合物(A−3−Co)とシアニン色素カチオン化合物(C−26)のヨウ素化合物とからなる塩形成色素の薄膜の吸収スペクトル図である。
符号の説明
1 基板
2 記録層
3 下引き層
4 保護層
5 ハードコート層
6 反射層
7 保護基板
8 接着層

Claims (11)

  1. 下記構造式(A−3−Ni)、構造式(A−3−Co)、及び構造式(A−15−Ni)のいずれかで表されることを特徴とするアゾ金属キレート化合物。
    Figure 0004510500
    Figure 0004510500
    Figure 0004510500
  2. 基板と、該基板上に少なくとも記録層を設けてなり、該記録層が請求項1に記載のアゾ金属キレート化合物を含有してなることを特徴とする光記録媒体。
  3. 記録層材料の熱重量分析における主減量過程での温度に対する減量の傾きが2%/℃以上である請求項2に記載の光記録媒体。
  4. 記録層材料の熱重量分析における主減量過程での総減量が30%以上であり、かつ減量開始温度が350℃以下である請求項2から3のいずれかに記載の光記録媒体。
  5. 基板と、該基板上に少なくとも記録層を設けてなり、該記録層が、請求項1に記載のアゾ金属キレート化合物と、下記構造式(4)で表されるシアニン色素カチオン化合物とからなる塩形成色素を含有することを特徴とする光記録媒体。
    Figure 0004510500
    ただし、前記構造式(4)中、環A及び環Bは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、隣接する炭素と窒素原子とが一緒になって形成される複素環を表す。R 11 及びR 12 は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換又は未置換のアルキル基を表す。mは、0〜3の整数を表す。
  6. アゾ金属キレート化合物における金属及び金属酸化物のいずれかの価数が3価である請求項5に記載の光記録媒体。
  7. 環A及び環Bが、インドレニン環、チアゾリン環、及びオキサゾリン環のいずれかである請求項5から6のいずれかに記載の光記録媒体。
  8. シアニン色素カチオン化合物が、インドレニン系トリメチンシアニン色素である請求項7に記載の光記録媒体。
  9. 記録再生波長±10nmの波長領域の光に対する記録層単層の屈折率nが1.5≦n≦3.0であり、かつ消衰係数kが0.02≦k≦0.2である請求項2から8のいずれかに記載の光記録媒体。
  10. 記録再生波長が630〜690nmである請求項9に記載の光記録媒体。
  11. 基板におけるトラックピッチが0.7〜0.8μmであり、かつ案内溝幅が半値幅で0.18〜0.40μmである請求項2から10のいずれかに記載の光記録媒体。
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