JP4503915B2 - 水素吸蔵合金及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素吸蔵合金、特に高容量で水素吸蔵放出時の平衡圧の平坦性が高いニッケル水素二次電池負極活物質等に利用可能な水素吸蔵合金及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素吸蔵合金は、安全かつ容易にエネルギー源としての水素を貯蔵できる合金であり、様々な分野で研究開発が進められ、実用化に至っている技術も多い。特に、二次電池の分野においてはカドミウムが問題視されているニッカド電池に代わる高容量の電池としてニッケル水素二次電池が開発され実用化されている。この電池は負極活物質としてAB5系水素吸蔵合金とAB2系の水素吸蔵合金が用いられている。
しかし、前者の水素吸蔵合金では理論容量が370mAh/gであり、今後益々強くなる高容量化の要望には応えられなくなってきている。後者の水素吸蔵合金では理論容量は高いが、合金表面に安定な酸化膜を作る等の理由でその容量を十分に使用することができず、加えて、活性化に時間を要し、高率充放電特性が不十分等の今後解決すべき課題が多すぎる。
これらの問題を克服し、AB5系の使い易さとAB2系の高容量を備えた新しい活物質として、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)及び希土類元素を主要構成元素とする水素吸蔵合金やその製造方法、該合金を活物質として用いた電池が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかし、これらMgを含む合金は、Mgとその他の元素との物性の違いから、均一な組成の合金を製造することが困難である。例えば、Mgの比重が1.74に対し、Ni及びLaの比重はそれぞれ8.9、6.15であり、また、Mgの融点が650℃であるのに対し、Ni及びLaの融点はそれぞれ1453℃、920℃であるので、一般的な金型鋳造法では均一組成の合金製造が困難である。このような金型鋳造法により得られるMgを含む水素吸蔵合金は、PCTカーブにおけるプラトー部が存在せず、二次電池の活物質として使用する圧力範囲では容量が小さいという問題がある。
そこで、組織を均質化するために得られた合金を、熱処理を行うことも知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかし、該熱処理は、得られた合金の組織が比較的大きいため、高温で長時間行う必要がある上、熱処理による容量の向上が小さい。
溶湯急冷法による合金の組織は、金型鋳造法で製造した合金に比較して微細となるため、熱処理前の合金では金型鋳造法による合金に比べて容量は大きくなるが、熱処理後の合金では金型鋳造法による合金に比して容量が若干小さくなる。これは、溶湯急冷法で調製した合金の組織が微細で、マクロ的には均質度合いが金型鋳造法の合金と比べて高くなるが、ミクロ的には金型鋳造法で調製した合金組織が微細化したにすぎず、熱処理を行った合金とミクロ的な組織の均質化に差が生じるためであると考えられる。
溶湯急冷法で調製した合金を熱処理した場合、H/Mにおける最終的な容量は増加するが、PCTカーブが2段以上のプラトー部を示すため、二次電池における実質的な容量はそれほど大きくならない。
【0003】
【特許文献1】
特開平11-162459号公報
【特許文献2】
特開2000-265229号公報
【特許文献3】
特許3247933号明細書
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、Mgを含む系の水素吸蔵合金であって、二次電池における実質的な容量を向上させることが可能な二次電池負極活物質に利用できる水素吸蔵合金を提供することにある。
本発明の別の目的は、Mgを含む系の水素吸蔵合金であって、PCTカーブにおける多段プラトーがなく、二次電池における実質的な容量を向上させることが可能な二次電池負極活物質に利用できる水素吸蔵合金を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、Mgを含む系の水素吸蔵合金であって、二次電池における充放電がし易く、且つ実質的な容量を向上させることが可能な二次電池負極活物質に利用できる水素吸蔵合金を提供することにある。
本発明の他の目的は、Mgを含む系の水素吸蔵合金であって、PCTカーブにおける多段プラトーがなく、二次電池における充放電がし易い水素吸蔵合金を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、二次電池における実質的な容量を向上させることが可能なMgを含む系の水素吸蔵合金を効率的に、且つ工業的にも有用に製造することができる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、式(1)で示される組成を有し、液体急冷法を用いて製造された結晶質の合金であって、該合金の40℃で測定したPCTカーブにおいて、以下の(a)〜(d)の全ての性質を充足することを特徴とする水素吸蔵合金提供される。
(a)0.5MPaにおけるH/Mが1.00以上であること、(b)H/M=0.4〜0.5におけるPCTカーブの傾きPfが0.7以下であること、(c)H/M=0.3〜0.9において2段以上のプラトー部を示さないこと、(d)H/M=0.5における平衡圧が0.06MPa以下であること。
Ln1-XMgXNiyMZ (1)
(式中、LnはY、Scを含むLaからLuまでの希土類金属元素からなる群より選択される少なくとも1種、MはCo、Mn、Al、Fe、V、Cr、Nb、Ga、Zn、Sn、Cu、Si、P、Bからなる群より選択される少なくとも1種を示す。0.1≦x≦0.5、2.5≦y≦3.5、0≦z≦0.5、3.0≦y+z≦3.5である)
また本発明によれば、前記式(1)で示される組成を構成する金属元素又は母合金を原料とし、該原料を加熱溶解し、液体急冷法により冷却固化して表面温度700℃以上の合金鋳塊を得た後、該合金鋳塊を100℃以下に冷却して合金を製造する方法において、冷却固化した表面温度700℃以上の合金鋳塊を100℃以下に冷却する前に、500〜1000℃から選ばれる1つ以上の温度域で1〜10分間保持する熱保持工程を行うことを特徴とする前記水素吸蔵合金の製造方法が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明を更に詳細に説明する。
本発明の水素吸蔵合金は、前記式(1)で示される組成を有する。
式(1)において、LnはY、Scを含むLaからLuまでの希土類金属元素からなる群より選択される少なくとも1種を示す。これら希土類元素は、求められる容量、平衡圧等の特性に応じて適宜選択することができ、AB5系で用いられる、主にLaからNdまでの混合元素からなるミッシュメタルの組成も含まれる。但し、Ln中に含まれるLa量が少なすぎると平衡圧が上昇したり、水素吸蔵量が減少する恐れがあるので、Ln中のLa量は、通常50〜100モル%、好ましくは70〜100モル%である。
式(1)中のxは、水素吸蔵合金中のLaサイトを置換するMgの量で0.1≦x≦0.5、好ましくは0.2≦x≦0.4、更に好ましくは0.25≦x≦0.35である。xが0.1未満ではMgの添加効果が低く、0.5を超えると水素の吸放出特性が低下する。
【0007】
式(1)においてMは、Co、Mn、Al、Fe、V、Cf、Nb、Ga、Zn、Sn、Cu、Si、P及びBからなる群より選択される少なくとも1種の元素で、選択する元素の種類と添加量により、水素吸蔵合金の水素吸放出特性を向上させることができる。例えば、Coは水素吸放出時のプラトーの平坦性を向上させることができる。添加元素Mの添加量zは0≦z≦0.5である。添加量が0.5を超えるといずれの元素を選択しても特性の向上を見込めないか、特性の低下が見られる。
【0008】
式(1)中のyはNi量を示し、y+zは3.0≦x≦3.5である。y+zが3.0未満では、水素の放出が困難になり実質的な容量が低下する。y+zが3.5を超えると水素の吸蔵量が低下すると共に、プラトーの平坦性が悪くなり多段プラトーの発現が生じる恐れがある。
【0009】
本発明の水素吸蔵合金の組成は、前記式(1)を充足すれば特に限定されないが、例えば、La0.70Mg0.30Ni3.30、La0.70Mg0.30Ni3.15、La0.70Mg0.30Ni3.00、La0.70Mg0.30Ni3.50、La0.70Mg0.30Ni2.80Co0.50、La0.70Mg0.30Ni3.00Co0.30、La0.70Mg0.30Ni3.20Co0.10、La0.70Mg0.30Ni3.00Co0.20Al0.10Mn0.10、La0.70Mg0.25Ni2.80Co0.50、La0.70Mg0.35Ni2.80Co0.50等が挙げられる。
【0010】
本発明の水素吸蔵合金は、前記組成を有すると共に、液体急冷法を用いて製造された結晶質の合金であって、以下に示す該合金の40℃で測定したPCTカーブにおける(a)〜(d)の全ての性質を充足する。
【0011】
(a)40℃で測定したPCTカーブにおいて、0.5MPaにおけるH/Mが1.00以上、好ましくは1.05以上である。
(b)40℃で測定したPCTカーブにおいて、H/M=0.4〜0.5におけるPCTカーブの傾きPf(プラトーの傾き)が0.7以下である。
(c)40℃で測定したPCTカーブにおいて、H/M=0.3〜0.9に実質的な2段以上のプラトー部を示さない。
(d)40℃で測定したPCTカーブにおいて、H/M=0.5における平衡圧は0.06MPa以下、好ましくは0.05MPa以下である。
【0012】
前記(a)の圧力におけるH/Mは、水素吸蔵合金を活物質とした電池の容量を示す指標となる。該(a)におけるH/Mが1.00未満では高容量が得られない。
前記(b)におけるPfが0.7を超えると一定圧力における充放電容量が低下する。このPfは、水素吸蔵合金を活物質とした電池の充放電のし易さを示すとともに合金組織の均質性をも示す指標となる。この傾きPfは、Pf=1n(PH/PL)で求められる。式中PHはH/M=0.6における平衡圧であり、PLは、H/M=0.4における平衡圧である。この値が0に近ければプラトーは平坦であることを示し、0より大きければ傾きが存在することを示す。
前記(c)における2段以上の多段プラトーは、合金組織の不均一性に起因する場合が多く、その段差にもよるが、電池にした際の充放電特性に悪影響を及ぼし、プラトー圧によっては電池そのものの容量も低下する。
前記(d)における平衡圧は、水素吸蔵合金を活物質とした電池の充放電のし易さを示す指標となり、この平衡圧が高すぎると充電しづらいものとなり、特に急速充電特性が低下する。この平衡圧が必要以上に低い場合は、放電特性、特に高率放電特性に悪影響が生じる恐れがあるのでその下限値は、好ましくは0.02MPa、特に好ましくは0.025MPaである。
【0013】
本発明の水素吸蔵合金は、前述のとおり、液体急冷法を用いて製造された結晶質合金である。ここで、液体急冷法は特に限定されず、公知の液体急冷法等が挙げられるが、好ましくは、タンディッシュを用いたストリップキャスト法が好ましい。また、前記結晶質合金とは、全体がアモルファス状態である合金を除く意であり、結晶を有するものであれば良い。このような結晶の存在は、X線回折法等により容易に確認することができる。
【0014】
本発明の水素吸蔵合金は、例えば、前記式(1)で示される組成を構成する金属元素又は母合金を原料とし、該原料を加熱溶解し、液体急冷法により冷却固化して表面温度700℃以上の合金鋳塊を得た後、該合金鋳塊を100℃以下に冷却して合金を製造する際に、該合金鋳塊を100℃以下に冷却する前に特定の熱保持工程を行う本発明の製造方法等により得ることができる。
本発明の製造方法において原料の加熱溶解は、坩堝等の溶融炉を用いてアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で高周波溶解等によって行うことができる。溶融条件は公知の条件に基づいて合金組成等に応じて適宜選択することができる。
【0015】
本発明の製造方法において、加熱溶解した合金溶融物から液体急冷法により表面温度700℃以上、好ましくは800℃以上の合金鋳塊を得るには、例えば、合金溶融物を薄帯状又は薄片状に冷却固化することによって行うことができる。合金溶融物の薄帯又は薄片化は、例えば、双ロール、単ロール等のロール冷却固化装置、回転円盤等を用いたディスク冷却固化装置、その他公知の冷却固化装置を用いて実施できる。また、各冷却固化装置には、厚さが均一な合金鋳片を得るために、合金溶融物の流れを制御できるタンディッシュ等を設けることができる。特に単ロール法が好ましい。
冷却固化条件は、目的の水素吸蔵合金に応じて公知の条件等を勘案して適宜選択することができる。冷却速度は、通常、1000〜10000℃/秒程度、好ましくは1000〜5000℃/秒、特に好ましくは1000〜3000℃/秒である。
【0016】
本発明の製造方法では、前記合金鋳塊の表面温度を100℃以下、好ましくは400℃以下に冷却する前に、該合金鋳塊を所定温度範囲において所定時間保持する熱保持工程を行って、該合金鋳塊の合金結晶を所望大きさに均一化する。合金鋳塊の表面温度が100℃以下に降温した後に合金結晶の制御を行う場合、該制御に要するエネルギーのロスが大きくなる。従って、熱保持工程は、得られた合金鋳塊の表面温度が好ましくは400℃以下、特に好ましくは500℃以下に降温する前に行う。合金結晶の制御は、通常、合金鋳塊が特定の高温状態で保持される時間が長ければ結晶が大きくなり、その時間が短ければ小さくなる。また、その温度や時間は合金組成によっても異なる。
【0017】
本発明の製造方法において前記熱保持工程は、500〜1000℃、好ましくは500〜800℃の範囲から選択される1つ以上の温度域で1〜10分間保持する工程である。このような所定温度範囲で所定時間保持する熱保持工程は従来行われておらず、通常は、常温程度までの冷却が行われた後に熱処理が行われる場合があるに過ぎない。一旦常温まで冷却した合金鋳塊を特定温度まで昇温する従来の熱処理では、温度及び時間によって昇温し易い部分の熱処理が過度に進行してしまう。この傾向は、本発明における熱保持工程を行った後の冷却過程においても同様であるため、熱保持工程後は速やかに常温近傍まで冷却することが好ましい。従って、本発明の製造方法においては、合金鋳塊を100℃以下、通常常温程度まで冷却した後に、従来法における前記400℃以上の熱処理工程を行わないことが好ましい。
【0018】
本発明の製造方法では、前記熱保持工程の後、合金鋳塊を100℃以下、好ましくは室温程度まで冷却、好ましくは強制冷却することにより所望の水素吸蔵合金を得ることができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明の水素吸蔵合金は、特定の組成を有し、且つ特定のPCTカーブを示す物性を有するので、二次電池における実質的な容量を向上させることが可能な、また、PCTカーブにおける多段プラトーがない、充放電がし易い等の各性質を有する二次電池負極活物質に利用できるMgを含む系の水素吸蔵合金を提供することができる。また、本発明の製造方法では、特定の熱保持工程を行うので、本発明の水素吸蔵合金を、効率的に、且つ工業的にも有用に、従来の熱処理工程を行わないで製造することができる。
【0020】
【実施例】
以下に実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例 1
出発原料として、株式会社三徳製のランタンメタルと、純度99.9%のMgとをを表1に示す組成になるよう配合し、アルゴンガス雰囲気中高周波溶解し、冷却速度2000〜5000℃/秒の条件下、単ロール鋳造装置を用いて鋳造し、常温まで冷却させる前に700℃で5分間保持し、その後速やかに常温近傍まで冷却した。得られた合金をレスカ製のPCT装置にて40℃での水素吸蔵放出特性として、H/M=0.5におけるPCT平衡圧、0.5MPaにおけるPCT吸蔵量としてのH/M値、H/M0.4〜0.5におけるPf値、並びにH/M=0.3〜0.9における実質的な2段以上のプラトー部の有無を測定した。結果を表2に示す。
続いて、得られた合金粉末10gと、導電剤として銅粉1gと、FEP粉未(4弗化エチレン6弗化プロピレン共重合体)0.3gとを混合し、直径20mmのペレット電極を調製した。この電極を6規定のKOH溶液に浸漬し、酸化水銀参照電極を用いて電池を構成した。この電池の10サイクル後の電池容量をポテンショガルバノスタット(北斗電工社製)により測定した。結果を表2に示す。
【0021】
実施例 2 〜 10 、比較例 1 〜 3
原料組成を表1に示すとおり代えた以外は、実施例1と全く同様に処理して水素吸蔵合金を製造した。得られた合金について、実施例1と同様にPCT及び電極特性を測定した。結果を表2に示す。
【0022】
比較例 4
原料組成を表1に示すとおり代えた以外は、実施例1と全く同様に鋳造を行った後、常温まで冷却させる前に400℃で5分間保持し、その後速やかに常湿近傍まで冷却して合金を得た。得られた合金について、実施例1と同様にPCT及び電極特性を測定した。結果を表2に示す。
【0023】
比較例 5
原料組成を表1に示すとおり代えた以外は、実施例1と全く同様に鋳造を行った後、常温まで冷却させる前に700℃で20分間保持し、その後速やかに常湿近傍まで冷却して合金を得た。得られた合金について、実施例1と同様にPCT及び電極特性を測定した。結果を表2に示す。
【0024】
比較例 6
原料組成を表1に示すとおり代えた以外は、実施例1と全く同様に鋳造を行った。常温まで冷却させる前に700℃で5分間保持し、その後速やかに常温近傍まで冷却して合金を得た。得られた合金を更に、アルゴン雰囲気中で950℃、6時間熱処理を行った。得られた合金について、実施例1と同様にPCT及び電極特性を測定した。結果を表2に示す。
【0025】
比較例 7
原料組成を表1に示すとおり代えた以外は、実施例1と全く同様に鋳造を行い、常温まで熱保持領域を持たせずに急冷して合金を得た。得られた合金を、アルゴン雰囲気中で950℃、6時間熱処理を行った。得られた合金について、実施例1と同様にPCT及び電極特性を測定した。結果を表2に示す。
【0026】
比較例 8
原料組成を表1に示すとおり代えた以外は、実施例1と全く同様に鋳造を行い、常温まで熱保持領域を持たせずに急冷して合金を得た。得られた合金について、実施例1と同様にPCT及び電極特性を測定した。結果を表2に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
Claims (4)
- 式(1)で示される組成を有し、液体急冷法を用いて製造された結晶質の合金であって、該合金の40℃で測定したPCTカーブにおいて、以下の(a)〜(d)の全ての性質を充足することを特徴とする水素吸蔵合金。
(a)0.5MPaにおけるH/Mが1.00以上であること、(b)H/M=0.4〜0.5におけるPCTカーブの傾きPfが0.7以下であること、(c)H/M=0.3〜0.9において2段以上のプラトー部を示さないこと、(d)H/M=0.5における平衡圧が0.06MPa以下であること。
Ln1-XMgXNiyMZ (1)
(式中、LnはY、Scを含むLaからLuまでの希土類金属元素からなる群より選択される少なくとも1種、MはCo、Mn、Al、Fe、V、Cr、Nb、Ga、Zn、Sn、Cu、Si、P、Bからなる群より選択される少なくとも1種を示す。0.1≦x≦0.5、2.5≦y≦3.5、0≦z≦0.5、3.0≦y+z≦3.5である) - 前記液体急冷法が、タンディッシュを用いたストリップキャスト法であることを特徴とする請求項1記載の水素吸蔵合金。
- 式(1)で示される組成を構成する金属元素又は母合金を原料とし、該原料を加熱溶解し、液体急冷法により冷却固化して表面温度700℃以上の合金鋳塊を得た後、該合金鋳塊を100℃以下に冷却して合金を製造する方法において、
冷却固化した表面温度700℃以上の合金鋳塊を100℃以下に冷却する前に、500〜1000℃から選ばれる1つ以上の温度域で1〜10分間保持する熱保持工程を行うことを特徴とする請求項1記載の水素吸蔵合金の製造方法。 - 前記合金鋳塊を100℃以下に冷却した後、400℃以上の熱処理を行わないことを特徴とする請求項3記載の製造方法。
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