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JP4503809B2 - 半導体記憶装置 - Google Patents

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JP4503809B2
JP4503809B2 JP2000333719A JP2000333719A JP4503809B2 JP 4503809 B2 JP4503809 B2 JP 4503809B2 JP 2000333719 A JP2000333719 A JP 2000333719A JP 2000333719 A JP2000333719 A JP 2000333719A JP 4503809 B2 JP4503809 B2 JP 4503809B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体記憶装置に関し、特にロウデコーダ内の転送トランジスタの配置に係り、NAND型フラッシュメモリ等の不揮発性メモリに使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来の半導体記憶装置について説明するためのもので、NAND型フラッシュメモリにおけるロウデコーダとメモリセルアレイの一部を抽出して示している。ロウアドレス、あるいはロウアドレスのプリデコード信号A0,A1,…,Amは、デコード部1に供給されてデコードされ、このデコード部1によりメモリセルアレイ中の1つのNANDセルブロック4が選択される。上記デコード部1から出力されるデコード信号は、ブースター部2に供給される。このブースター部2は、選択されたブロック4内にのみ、ワード線のアドレスに対応したワード線駆動信号CG0〜CGi及び選択ゲート駆動信号SG1,SG2を供給するために、転送トランジスタ3のゲート5を制御している。ブロック4が選択状態の時、ブースター部2はデコード部1から出力されるデコード信号により、転送トランジスタ3のゲート5に所定の電圧を印加してオン状態にし、ブロック4が非選択状態の時は、転送トランジスタ3のゲート5を接地レベルとしてオフ状態にする。
【0003】
NAND型メモリにおける1つのNANDセル4aは、ゲートが選択ゲート線SGS,SGDに接続された2つの選択トランジスタS1,S2と、これら選択トランジスタS1,S2間に電流通路が直列接続され、ゲートがそれぞれワード線WL0〜WLiに接続されたメモリセルMC0〜MCiとから構成されている。上記選択トランジスタS1の電流通路の一端は、ソース線CELSRCに接続され、上記選択トランジスタS2の電流通路の一端は、ビット線BL0〜BLjに接続される。
【0004】
そして、ロウアドレス、あるいはロウアドレスのプリデコード信号A0,A1,…,AmによりNANDセルブロック4が選択され、更にNANDセル4a内のワード線のアドレスが選択されると、個々のメモリセルMC0〜MCiにアクセスすることができる。
【0005】
図8は、上記NAND型フラッシュメモリの書き込み時における各信号の波形図を示している。また、図9(a),(b)はそれぞれ、上記NANDセル4aの断面構成と、書き込み時のNANDセル4a内のバイアス条件を示しており、(a)図は“0”の書き込み(Program)時、(b)図は“1”の書き込み時である。図9(a),(b)では、メモリセル12が選択セルとなっており、ワード線WL2が選択ワード線(WL)となる。その他のメモリセルは全て非選択セルとなるが、図8におけるワード線WL1とWL3は隣接非選択ワード線(WL)、その他が非選択ワード線(WL)となる。また、この図8に示す書き込み方式においては、書き込みを行う前は、NAND内セル4aは消去状態(メモリセルのしきい値電圧が負)となっている。
【0006】
メモリセルにデータ書き込む場合には、まず、ビット線BLに書き込みデータを転送する。NAND型フラッシュメモリでは、1本のワード線で選択されるメモリセルに対し、一括に書き込み動作を行うことにより、書き込み速度を高速化しており、同時に書き込む単位、例えば512バイト分のデータラッチを有している。これらのデータラッチから、“1”書き込みセルには、ビット線にVddが転送され、“0”書き込みのセルにはビット線に0Vが転送される。また、書き込みを行うワード線を有する選択ブロックにおいては、ロウデコーダ用駆動電圧VRDECが印加されると、転送トランジスタ3のゲート5にもこのロウデコーダ用駆動電圧VRDEC以上の電圧、例えば22Vが印加される。
【0007】
これにより、選択NANDセルにおいては、選択トランジスタ15のゲートにVddが印加され、NANDセル4a内のチャネルがビット線BLからプリチャージされる。
【0008】
次に、非選択ワード線に10V程度のVPASS電位を印加する。
【0009】
図9(a)に示すように、“0”書き込みでは、選択メモリセル12から選択トランジスタ15までのメモリセル13,14,…は、しきい値電圧が負であるため導通しており、チャネル電位は0Vに保持される。一方、図9(b)に示すように、“1”書き込みでは、選択トランジスタ15は、ビット線BLがVdd、ゲートがVdd、NANDセル側のソースが「Vdd−Vt」に充電されてカットオフしているため、NANDセル内のチャネル電位は、非選択ワード線の電位の上昇に伴い、容量カップリングにより昇圧される。従って、チャネル電位Vch1及びVch3は、非選択ワード線の電位VPASSに応じた電位に持ち上げられる。この際、チャネル電位Vch2は、ワード線WL1,WL2,WL3が0Vであるため、それらによる電位の変化はないが、チャネル電位Vch1とVch3の上昇に伴い、メモリセル11と13のしきい値落ち電圧程度に充電されている。
【0010】
次に、選択ワード線WL2に、20V程度の書き込み電圧VPGMを印加する。
【0011】
図9(a)の“0”書き込みセルにおいては、メモリセル12のチャネルとビット線BLが0Vで導通した状態を保持するため、ワード線WL2とチャネル間に20Vの電位差がつき、浮遊ゲートにチャネルから電子が注入されて、しきい値電圧が高くなり書き込みが行われる。図9(b)の“1”書き込みセルにおいては、メモリセル12のチャネル電位がメモリセル11と13の負のしきい値落ちの電位に充電されたフローティングの状態から、ワード線WL2の昇圧により、より高い電位のフローティング状態に変化する。ワード線WL2の電位変化に伴って、メモリセル12のチャネル電位も高くなるため、チャネルから浮遊ゲートへの電子の注入はほとんど行われず、書き込み前の状態を保持する。
【0012】
このようにして、“0”書き込みと“1”書き込み(非書き込み)が行われる。よって、ロウデコーダは、これらのワード線電圧を選択的に転送する必要がある。
【0013】
ここで、従来のロウデコーダにおける転送トランジスタ3部のレイアウトイメージを図10に示す。図面及び説明を簡略化するため、ここでは、転送トランジスタ3が8個の場合について示している。
【0014】
Yt,Yd間の距離は、NANDセル4aのサイズによって決まるサイズであり、図10では転送トランジスタ3を2段積みにして配置している。各転送トランジスタ3は、p型基板上に形成されたNMOSトランジスタとなっており、ソース・ドレイン領域は書き込み電圧及び消去電圧の印加に対して充分な耐圧を持つ構造になっている。
【0015】
上記図10に示したような転送トランジスタ3の配置において、前述の書き込み方式でのバイアス状態を図11に示す。図11においては、ワード線WL3が選択ワード線となっている。隣接非選択ワード線は、ワード線WL2とWL4である。
【0016】
この時、ワード線駆動信号CG2とCG3が供給される転送トランジスタ間との距離X1は、ソース・ドレイン領域間に20V、ゲートに20V以上の電圧が印加されたフィールドトランジスタにおいて、所定のリーク電流以下の条件を満たす大きさとしなければならない。また、ワード線駆動信号CG3とCG4が供給される転送トランジスタ間の距離Y1は、p型基板上の素子分離領域を挟んだ、n型拡散層領域間に20Vが印加されたときに、所定のリーク電流以下の条件を満たす大きさとしなければならない。上記距離X1については、転送トランジスタ3のゲート5がp型素子分離領域上でフィールドトランジスタのゲートとなっているが、ゲート5を各転送トランジスタ3間で分離して描いても良く、その場合は、Y1の条件に近づく。
【0017】
この場合、距離YBが大きく、距離Y1を充分離した上で図11のような配置ができる場合は良いが、距離X1が大きい場合には、ロウデコーダの横幅が大きくなる。また、メモリセルの微細化により、距離YBが著しく小さくなると、図11のような2段積では描けなくなり、転送トランジスタ3を横並びにする数が増えて、ロウデコーダの横幅が顕著に大きくなる可能性がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来の半導体記憶装置では、メモリセルの制御ゲートに書き込み電圧や消去電圧を印加するロウデコーダ内の転送トランジスタには、書き込み、消去電圧に対して充分な耐圧を有するサイズの大きなものが必要となる。また、大きな素子分離領域も必要になり、この結果ロウデコーダのパターン占有面積が大きくなるという問題があった。
【0019】
この発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、転送トランジスタを適切な配置にすることによって、転送トランジスタ間の距離を無駄に広げる必要がなくなり、ロウデコーダのパターン占有面積を小さくできる半導体記憶装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明の一態様に係る半導体記憶装置は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリセルが配列されたメモリセルアレイと、前記メモリセルアレイにおける複数のワード線を有するブロックを選択する選択手段と、前記ブロック内の複数のワード線への印加電圧が入力される複数のワード線駆動信号線と、前記ワード線駆動信号線とメモリセル内ワード線との間に接続され、前記選択手段の出力により制御される複数の転送トランジスタが行及び列に配置され、前記メモリセルアレイから少なくとも1つのメモリセルの行を選択するように構成されたワード線選択回路とを具備し、書き込み動作において、第1の電圧と、第1の電圧より高い第2の電圧と、第2の電圧より高い第3の電圧が、選択されたブロック内の複数のワード線に対して同時に印加される状態を有し、前記ワード線選択回路は、前記第1の電圧が印加される第1の転送トランジスタと、前記第2の電圧が印加される第2の転送トランジスタと、前記第3の電圧が印加される第3の転送トランジスタを有し、前記第3の転送トランジスタと前記第1の転送トランジスタが隣接することがないように、特定の転送トランジスタに接続されたワード線と、それと隣接する転送トランジスタに接続されたワード線のアドレスが連続しないように前記第1乃至第3の転送トランジスタが上下左右に配置されており、前記ブロック内の複数の転送トランジスタにおける、転送トランジスタのワード線側端子が向き合って配置される側の第1の素子分離領域幅は、転送トランジスタのワード線駆動信号線側端子と他の転送トランジスタのワード線側端子が向き合って配置される側の第2の素子分離領域幅よりも小さい
【0021】
上記半導体記憶装置において、隣接して配置される転送トランジスタに接続されるワード線のアドレスが2以上離れている。
【0023】
上記半導体記憶装置において、前記第1の電圧は隣接非選択ワード線に印加する電圧であり、前記第3の電圧は選択ワード線に印加する書き込み電圧であり、前記第2の電圧は非選択ワード線に印加する中間電圧である。
【0024】
上記半導体記憶装置において、前記ブロック内の複数の転送トランジスタのワード線側端子からそれぞれのワード線への引き出し配線は、メモリセルアレイ中のワード線と同じ並びとなるように引き出される。
【0025】
上記半導体記憶装置において、前記ブロック内の複数の転送トランジスタのワード線側端子からそれぞれのワード線への引き出し配線は、ワード線を形成する配線より1つ上層の金属配線である。
【0026】
上記半導体記憶装置において、前記メモリセルアレイのロウアドレス、あるいはロウアドレスのプリデコード信号をデコードするデコード部と、上記デコード部から出力されるデコード信号が供給されるブースター部とを更に具備し、前記転送トランジスタは上記ブースター部の出力信号でオン/オフ制御され、メモリセルアレイ中の選択されたブロックに選択信号を供給する。
【0027】
上記半導体記憶装置において、前記メモリセルアレイは、複数のブロックに分割され、前記ブロックの各々は、各々のゲートが前記転送トランジスタの電流通路の一端に接続された第1,第2の選択トランジスタと、前記第1,第2の選択トランジスタ間に電流通路が直列接続され、ゲートが前記転送トランジスタの電流通路の一端にそれぞれ接続されたメモリセルとを備える。
【0028】
上記のような構成によれば、ロウデコーダの同一ブロック内の転送トランジスタ間に印加される電位差を小さくすることができ、素子分離領域を小さくすることができる。この結果、ロウデコーダのパターン占有面積を小さくできる。
【0029】
同一ブロック内の転送トランジスタ間に印加される電位差を小さくするには、隣接して配置される2つの転送トランジスタのワード線のアドレスが2個以上離れていれば良い。
【0030】
転送トランジスタ間に印加される電位差が小さいところは素子分離領域を小さくし、電位差が大きいところは素子分離領域を大きくすることにより、無駄に素子分離領域を大きくすることなく、最適なロウデコーダのサイズにすることができる。
【0031】
また、上記のような構成によれば、ロウデコーダの同一ブロック内の転送トランジスタが3段積み以上の配置となった場合に、転送トランジスタ間に印加される電位差が小さいところは素子分離領域を小さくし、電位差が大きいところは素子分離領域を大きくすることにより、無駄に素子分離領域を大きくすることなく、最適なロウデコーダのサイズにすることができる。しかも、転送トランジスタのワード線側端子とワード線駆動信号端子が向き合う素子分離領域において大きな電位差が生ずる場合があり、この素子分離領域を大きくすることは避けられないが、それ以外の部分においては、転送トランジスタの素子分離領域に印加される電位差を小さくするようにアドレスを割り付けることによって、最適なロウデコーダのサイズにできる。
【0032】
引き出し配線の並びと、メモリセルアレイ中のワード線の並びを同じにすることにより、ルールが最も厳しいワード線と引き出し配線の接続を容易にすることができる。
【0033】
引き出し配線を、ワード線を形成する配線より1つ上層の金属配線のみでレイアウトすることにより、金属配線のつなぎ替えをなくし、ワード線への不要なプロセスダメージを軽減することができる。
【0034】
上記のような構成によれば、転送トランジスタのワード線側端子から、ワード線に至るまでの引き出し配線を、ワード線を形成する配線より1つ上層の金属配線のみでレイアウトするので、金属配線のつなぎ替えをなくすことができ、ワード線、すなわち不揮発性メモリの制御ゲートへの不要なプロセスダメージを軽減することができる。
【0035】
メモリセルアレイとしては、第1,第2の選択トランジスタと、前記第1,第2の選択トランジスタ間に電流通路が直列接続され、ゲートが前記転送トランジスタの電流通路の一端にそれぞれ接続されたメモリセルとを備える構造が適用できる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、この発明の第1の実施の形態に係る半導体記憶装置について説明するためのもので、本実施の形態における転送トランジスタの配置を示すパターン平面図である。図1では、図10に示した従来の配置例に対して、転送トランジスタ3のワード線のアドレスに対する割付を変更しており、上下左右の転送トランジスタ3におけるワード線のアドレスを連続しない割付にすることによって、図2に示すように20Vの大きな電位差がかかる場所をなくしている。
【0037】
すなわち、図2の転送トランジスタの下段の並びを、CG1(WL1),CG3(WL3),CG0(WL0),CG2(WL2)とすることで、X方向の転送トランジスタ間で、どのワード線が選択された場合にも、10Vの電位差で済むようにしている。また、上段の並びをCG5(WL5),CG7(WL7),CG4(WL4),CG6(WL6)とすることにより、同様にそれらのX方向の転送トランジスタ間の電位差が10Vに抑えられるとともに、Y方向のトランジスタ間においても、Y2,Y3部位に示すように10Vの電位差で抑えるようにしている。
【0038】
従って、図8及び図9(a),(b)に示したような書き込み方式を行う場合において、ロウデコーダにおける転送トランジスタ周りのサイズ、例えば素子分離領域の幅を10V以上の耐圧を持つように設計すれば良く、従来に比して狭くすることができる。
【0039】
なお、転送トランジスタ3のワード線のアドレスの割付は、図1及び図2は一例であり、上下、左右の転送トランジスタ3のアドレスが連続しなければ、異なる割り付け方でも構わない。
【0040】
特に、実際のレイアウトにおいては、各転送トランジスタ3のワード線側端子からワード線に引き出す配線のルールにより、図1のような割り付けができない場合があるので、配線の通し方を考えてアドレス割り付けを適宜最適化することになる。
【0041】
図1は、転送トランジスタ3の各ワード線側端子から、タングステン配線により、メモリセル側へ配線が引き出されるパターンをイメージしたものである。図1に示すように、ワード線のアドレスと同一の並びになるようにタングステン配線で引き出された先でメモリセルアレイ中のワード線を形成するポリシリコン配線あるいはポリサイド配線に接続される。メモリセルアレイ中のワード線ピッチは、最もルールが微細化されているため、転送ゲートからの引き出し配線とワード線の配線との接続を容易にするためには、並びを一致させる必要がある。また、この引き出し配線は、メモリセルの制御ゲートであるワード線配線層(この場合、ポリシリコン配線あるいはポリサイド配線)にできるだけ近い金属配線層のみでワード線に引き出すことが望ましい。なぜなら、他の金属配線へのつなぎ替えが増えると、不揮発性メモリの制御ゲートであるワード線がフローティングのまま、ヴィアコンタクトプロセスを経過することになり、メモリセルへ不要なプロセスダメージを与える可能性があるからである。よって、複数の転送トランジスタからワード線への引き出し配線が交差することなく、例えば図1に示すような引き出し方法で、前述のアドレス割り付けを実現するのが望ましい。
【0042】
上述したように、転送トランジスタを適切な配置にすることによって、転送トランジスタ間の距離を無駄に広げる必要がなくなり、ロウデコーダのパターン占有面積を小さくできる。
【0043】
[第2の実施の形態]
図3は、この発明の第2の実施の形態に係る半導体記憶装置について説明するためのもので、16個のメモリセルが直列接続されたNANDセルに対する転送トランジスタの配置例を示している。図3の配置から明らかなように、図1及び図2と同様にアドレスの割り付けが上下左右で連続していない。しかも、この第2の実施の形態では、上下、左右だけでなく、上下の斜め方向も含めてワード線のアドレスが連続しないアドレスの割り付けとなっている。
【0044】
従って、本第2の実施の形態によれば、16個のメモリセルが直列接続されたNANDセルであっても転送トランジスタを適切な配置にでき、転送トランジスタ間の距離を無駄に広げる必要がなくなり、ロウデコーダのパターン占有面積を小さくできる。
【0045】
[第3の実施の形態]
図4は、この発明の第3の実施の形態に係る半導体記憶装置について説明するためのもので、1つのNANDセルに対応する転送トランジスタが3段に積まれる場合の配置例を示している。NAND型メモリセルは、前述のように直列に接続されるメモリセルと2つの選択トランジスタにより構成されており、2つの選択トランジスタが1つのメモリセルに対するオーバーヘッドとなっている。よって、セルアレイを小さくするには、選択トランジスタが含まれる割合をメモリセル8個に1個、メモリセル16個に1個と減らすことが1つの有効な手段となる。
【0046】
しかし、メモリセルの直列接続数が増えた場合には、距離YBも大きくなるので、Y方向に積む転送トランジスタの数を増やして、ロウデコーダのX方向の幅を小さくすることが必要となる。この場合、図1乃至図3と異なり、転送トランジスタのCG0,CG1,CGi端子と、他の転送トランジスタのワード線側端子が向き合う部位ができる。
【0047】
図1乃至図3では、上段と下段で転送トランジスタのワード線側端子が向き合い、YtとYdでは折り返しパターンとなっていた。
【0048】
この場合、図5に示す非選択ブロックの消去状態において、中段のCG0,CG1〜CGi端子は0V、上段のワード線側端子は20Vというバイアス状態が存在する。
【0049】
なぜなら、消去時には、選択ブロックのワード線を0Vにするため、CG0,CG1〜CGiには、全て0Vが印加される。非選択ブロックにおいては、転送トランジスタ3のゲート5が接地されているため、ワード線側ノードはフローティングになる。消去時のバイアス状態は、セルpウェルに20Vが印加され、選択ブロックにおいては、全ワード線が0Vになり、メモリセルの制御ゲートとセルpウェル間に20Vが印加されることにより、浮遊ゲートから電子が放出される(図6(a)参照)。
【0050】
なお、図6(a)は消去時、図6(b)は書き込み時の動作を模式的に示す断面図であり、510は制御ゲート(ワード線)、511は浮遊ゲート、512はソース・ドレイン領域、513はセルpウェルである。また、図6(c)は書き込み前と書き込み後のメモリセルのしきい値分布を示している。
【0051】
一方、非選択ブロックにおいては、ワード線がフローティングになるため、セルpウェルに20Vが印加されると、容量カップリングによりフローティングのワード線電位が同時に持ち上がるため、メモリセルの制御ゲートとセルpウェル間に消去に充分な電位差がつかず、消去されない。
【0052】
従って、図5の非選択ブロックにおいては、中段と上段との間で、転送トランジスタ間に20V近い電位差が生ずる。このような場合には、この距離Y4は大きくする必要があるので、下段と中段の間の素子分離領域の距離Y2またはY3よりY4を大きくする。逆に距離Y4とY2またはY3の素子分離領域を個別に最適化したサイズにすることによって、転送トランジスタ領域のサイズを小さくすることができる。
【0053】
以上第1乃至第3の実施の形態を用いてこの発明の説明を行ったが、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば各実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、転送トランジスタを適切な配置にすることによって、転送トランジスタ間の距離を無駄に広げる必要がなくなり、ロウデコーダのパターン占有面積を小さくできる半導体記憶装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る半導体記憶装置について説明するためのもので、本実施の形態における転送トランジスタの配置を示すパターン平面図。
【図2】図1に示した転送トランジスタの配置における転送トランジスタ間の電位差について説明するためのパターン平面図。
【図3】この発明の第2の実施の形態に係る半導体記憶装置について説明するためのもので、16個のメモリセルが直列接続されたNANDセルに対する転送トランジスタの配置例を示すパターン平面図。
【図4】この発明の第3の実施の形態に係る半導体記憶装置について説明するためのもので、1つのNANDセルに対応する転送トランジスタが3段に積まれる場合の例を示すパターン平面図。
【図5】図4に示した転送トランジスタの配置における非選択ブロックの消去動作時の状態において、転送トランジスタ間の電位差について説明するためのパターン平面図。
【図6】消去時と書き込み時の動作を模式的に示すための図。
【図7】従来の半導体記憶装置について説明するためのもので、NAND型フラッシュメモリにおけるロウデコーダとメモリセルアレイの一部を抽出して示す回路図。
【図8】NAND型フラッシュメモリの書き込み時における各信号の波形図。
【図9】NANDセルの断面構成と、書き込み時のNANDセル内のバイアス条件を示す図。
【図10】転送トランジスタを2段積みにして配置した場合のパターン平面図。
【図11】図10に示した書き込み方式でのバイアス状態を示すパターン平面図。
【符号の説明】
1…デコード部、
2…ブースター部、
3…転送トランジスタ、
4…NANDセルブロック、
4a…NANDセル、
5…転送トランジスタのゲート、
A0,A1,…,Am…ロウアドレス、あるいはロウアドレスのプリデコード信号、
S1,S2,16,15…選択トランジスタ、
SGS,SGD…選択ゲート線、
SG1,SG2…選択ゲート駆動信号、
CG0〜CGi…ワード線駆動信号、
WL0〜WLi…ワード線、
BL0〜BLj…ビット線、
CELSRC…ソース線、
MC0〜MCi,10〜15…メモリセル、
VRDEC…ロウデコーダ用駆動電圧。

Claims (9)

  1. 電気的に書き換え可能な不揮発性メモリセルが配列されたメモリセルアレイと、
    前記メモリセルアレイにおける複数のワード線を有するブロックを選択する選択手段と、
    前記ブロック内の複数のワード線への印加電圧が入力される複数のワード線駆動信号線と、
    前記ワード線駆動信号線とメモリセル内ワード線との間に接続され、前記選択手段の出力により制御される複数の転送トランジスタが行及び列に配置され、前記メモリセルアレイから少なくとも1つのメモリセルの行を選択するように構成されたワード線選択回路とを具備し、
    書き込み動作において、第1の電圧と、第1の電圧より高い第2の電圧と、第2の電圧より高い第3の電圧が、選択されたブロック内の複数のワード線に対して同時に印加される状態を有し、
    前記ワード線選択回路は、前記第1の電圧が印加される第1の転送トランジスタと、前記第2の電圧が印加される第2の転送トランジスタと、前記第3の電圧が印加される第3の転送トランジスタを有し、
    前記第3の転送トランジスタと前記第1の転送トランジスタが隣接することがないように、特定の転送トランジスタに接続されたワード線と、それと隣接する転送トランジスタに接続されたワード線のアドレスが連続しないように前記第1乃至第3の転送トランジスタが上下左右に配置されており、
    前記ブロック内の複数の転送トランジスタにおける、転送トランジスタのワード線側端子が向き合って配置される側の第1の素子分離領域幅は、転送トランジスタのワード線駆動信号線側端子と他の転送トランジスタのワード線側端子が向き合って配置される側の第2の素子分離領域幅よりも小さいことを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 隣接して配置される転送トランジスタに接続されるワード線のアドレスが2以上離れていることを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
  3. 前記第1の電圧は隣接非選択ワード線に印加する電圧であり、前記第3の電圧は選択ワード線に印加する書き込み電圧であり、前記第2の電圧は非選択ワード線に印加する中間電圧であることを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
  4. 前記ブロック内の複数の転送トランジスタのワード線側端子からそれぞれのワード線への引き出し配線は、メモリセルアレイ中のワード線と同じ並びとなるように引き出されることを特徴とする請求項1乃至いずれか1つの項に記載の半導体記憶装置。
  5. 前記ブロック内の複数の転送トランジスタのワード線側端子からそれぞれのワード線への引き出し配線は、ワード線を形成する配線より1つ上層の金属配線であることを特徴とする請求項1乃至いずれか1つの項に記載の半導体記憶装置。
  6. 前記メモリセルアレイのロウアドレス、あるいはロウアドレスのプリデコード信号をデコードするデコード部と、上記デコード部から出力されるデコード信号が供給されるブースター部とを更に具備し、前記転送トランジスタは上記ブースター部の出力信号でオン/オフ制御され、メモリセルアレイ中の選択されたブロックに選択信号を供給することを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
  7. 前記メモリセルアレイは、複数のブロックに分割され、前記ブロックの各々は、各々のゲートが前記転送トランジスタの電流通路の一端に接続された第1,第2の選択トランジスタと、前記第1,第2の選択トランジスタ間に電流通路が直列接続され、ゲートが前記転送トランジスタの電流通路の一端にそれぞれ接続されたメモリセルとを備えることを特徴とする請求項に記載の半導体記憶装置。
  8. 前記第1乃至第3の転送トランジスタから、メモリセルに接続された第1乃至第3のワード線に引き出される第1乃至第3の配線はそれぞれ、前記第1乃至第3のワード線より1つ上層の金属配線のみが使用されることを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
  9. 電気的に書き換え可能な不揮発性メモリセルが配列されたメモリセルアレイと、
    前記メモリセルアレイにおける複数のワード線を有するブロックを選択する選択手段と、
    前記ブロック内の複数のワード線への印加電圧が入力される複数のワード線駆動信号線と、
    前記ワード線駆動信号線とメモリセル内ワード線との間に接続され、前記選択手段の出力により制御される複数の転送トランジスタが行及び列に配置され、前記転送トランジスタのワード線側端子が向き合って配置される側の第1の素子分離領域幅が、前記転送トランジスタのワード線駆動信号線側端子と他の転送トランジスタのワード線側端子とが向き合って配置される側の第2の素子分離領域幅よりも小さく、前記メモリセルアレイから少なくとも1つのメモリセルの行を選択するように構成されたワード線選択回路とを具備し、
    書き込み動作において、第1の電圧と、第1の電圧より高い第2の電圧と、第2の電圧より高い第3の電圧が、選択されたブロック内の複数のワード線に対して同時に印加される状態を有し、
    前記ワード線選択回路は、前記第1の電圧が印加される第1の転送トランジスタと、前記第2の電圧が印加される第2の転送トランジスタと、前記第3の電圧が印加される第3の転送トランジスタを有し、
    前記第3の転送トランジスタと前記第1の転送トランジスタが隣接することがないように、特定の転送トランジスタに接続されたワード線と、それと隣接する転送トランジスタに接続されたワード線のアドレスが連続しないように前記第1乃至第3の転送トランジスタが上下左右に配置されており、
    前記第1乃至第3の転送トランジスタから、メモリセルに接続された第1乃至第3のワード線に引き出される第1乃至第3の配線にはそれぞれ、前記第1乃至第3のワード線より1つ上層の金属配線のみが使用される
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
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