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JP4596859B2 - モールディングのエンドキャップ取付構造 - Google Patents

モールディングのエンドキャップ取付構造 Download PDF

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Description

本発明は、自動車のドアウエスト部に装着されるドアアウトサイドモールディングに代表されるようなモールディングのエンドキャップ取付構造に関し、特に長尺な押出成形品として成形されるモールディング本体の長手方向の端面を閉塞もしくは閉蓋するべく別のエンドキャップを取り付ける構造に関するものである。
この種のモールディングのエンドキャップ取付構造として例えば特許文献1,2に記載のものが提案されている。
これらの特許文献1,2に記載の技術では、長尺なモールディング本体の端末にエンドキャップ(エンドピース)を挿入固定するにあたり、モールディング本体側に予め舌片状の係止片を予め形成しておく一方、エンドキャップの蓋体と一体に形成されていてモールディング本体側に挿入されることになる延出部には溝部を形成しておき、モールディング本体とエンドキャップとの相対位置決めを行ったならば上記係止爪を折り曲げて(いわゆるかしめ加工を施して)溝部に係止させることでエンドキャップの位置決め固定と抜け止めを施し、もってエンドキャップの蓋体をモールディング本体の端面に密着させるようになっている。
特に特許文献2に記載の技術では、上記係止片を受容する溝部の一側壁を予め傾斜面とすることで両者の相対位置決めを容易に行うことができ、接着剤の併用を廃止することができるとされている。
特許第3412490号公報(図1,2) 特許第3371702号公報(図1,4)
しかしながら、特許文献1,2に代表されるような従来の技術では、エンドキャップの固定のための手段としては係止片を折り曲げてエンドキャップ側の溝部に受容させるのがその全てであることから、モールディング本体の端面に対するエンドキャップの蓋体の密着力が不足して、なおもそのモールディング本体の端面とエンドキャップの蓋体との間に隙間が生じる可能性があり、見栄えの向上の上で改善の余地を残している。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、従来と同様にモールディング本体側の係止片とエンドキャップ側の溝部との係合による相対位置決め方式を前提としながらも、より積極的にモールディング本体側へのエンドキャップの引き込み力を作用させることにより、エンドキャップの蓋体の隙間の発生を確実に防止できるようにした構造を提供するものである。
請求項1に記載の発明は、断面形状が略U字状をなす長尺なモールディング本体の端末にエンドキャップを挿入固定して、そのモールディング本体の端面を閉蓋するようにしたモールディングのエンドキャップ取付構造を前提としていて、上記エンドキャップはモールディング本体の端末においてその内部に挿入される延長脚部とこれと一体の蓋体とを備えている。
その上で、上記モールディング本体のうち長手方向において延長脚部とオーバーラップする位置にはその延長脚部を位置決め固定するための折り曲げ可能な係止爪を、上記延長脚部のうち係止爪に対応する位置には位置決め当接面をそれぞれ形成するとともに、上記係止爪のうちモールディング本体の反端末側の端面をモールディング本体の軸直角平面に対して傾斜している傾斜面として形成し、さらに、上記係止爪を折り曲げる前の段階で、その係止爪の根元部とそれに対応する位置決め当接面とがモールディング本体の長手方向で互いにオーバーラップするように設定してあり、上記係止爪を折り曲げてモールディング本体でエンドキャップの延長脚部を抱持したときには、その係止爪の傾斜面と位置決め当接面との当接をもってモールディング本体に対するエンドキャップの引き込み力が作用して、以降は当該係止爪の傾斜面と位置決め当接面とが常時圧接し、且つエンドキャップの蓋体がモールディング本体の端面に常時圧接するようになっていることを特徴とする。
より具体的には、請求項2に記載のように、上記エンドキャップの延長脚部には自動車のドアに対するモールディングの係止部となるクリップを一体に形成してあり、上記傾斜面を含む折り曲げ可能な係止爪およびその係止爪に対応する位置決め当接面を上記モールディング本体の長手方向でクリップとオーバーラップする位置に形成してあるものとする。
したがって、請求項1,2に記載の発明では、係止爪を折り曲げる過程はもちろんのこと、係止爪を折り曲げた後においても係止爪と位置決め当接面とが傾斜面をもって当接しているので、係止爪を折り曲げた以降はモールディング本体に対するエンドキャップの引き込み力が常時作用するようになる。その結果として、エンドキャップの蓋体がモールディング本体の端面に常時圧接することになり、モールディング本体の端面とエンドキャップの蓋体との間に隙間が発生する余地はなくなる。
ここで、係止爪の折り曲げによる固定をより確実なものとする上では、請求項3に記載のように、上記モールディング本体の長手方向に沿って傾斜面を含む一対の係止爪を形成するとともに、上記延長脚部のうち各係止爪に対応する位置にそれぞれ位置決め当接面を形成し、上記モールディング本体の反端末側の一方の係止爪とそれに対応する位置決め当接面を上記モールディング本体の長手方向でクリップとオーバーラップする位置に形成してあることが望ましい。
また、モールディング本体とエンドキャップの相対位置決めを容易に行うためには、請求項4に記載のように、上記位置決め当接面は、折り曲げた係止爪を受容する位置決め溝の一部として形成されていることが望ましい。
なお、本発明が適用されるモールディングとしては特定のものに限定されるものではないが、代表的なものとしては、請求項5に記載のように自動車のドアウエスト部に装着されるドアアウトサイドモールディングを挙げることができる。
請求項1,2に記載の発明によれば、係止爪を折り曲げた以降はモールディング本体の端面にエンドキャップの蓋体が常時圧接することになるので、両者の間に隙間が発生することがなく、見栄えが大幅に向上する。
また、請求項3に記載の発明によれば、係止爪と位置決め当接面を一対ずつ形成したことにより、その係止爪の折り曲げによる固定力が一段と向上するとともに、モールディング本体に対するエンドキャップの回転を抑制する上でも有効なものとなる。
請求項4に記載の発明によれば、係止爪に当接することになる位置決め当接面を、係止爪を受容する位置決め溝の一部として形成したことにより、上記係止爪と位置決め当接面との相対位置決めを一段と簡単に行える利点がある。
図2以下の図面は本発明に係るエンドキャップ取付構造のより具体的な実施の形態を示す図であり、図1に示すように自動車のフロントドア1およびリアドア2のウエスト部の車室外側に装着されるドアアウトサイドモールディング(以下、単に「モールディング」という)3の端末部の例を示している。なお、フロントドア用モールディング3の前側の端末部は多くの場合にコーナーピース4内に差し込まれることになるので、上記構造が適用される部位は、フロントドア用モールディング3の後側の端末部とリアドア用モールディング3の前後の端末部である。
図2は上記モールディング3の端末部の分解図であって、断面形状が略U字状に形成されたモールディング本体5と、このモールディング本体5の端末部に挿入されることになるエンドキャップ6とを備えている。
モールディング本体5は、図3に示すように例えばステンレス製の芯材7の周りに表皮層8を押出成形するとともに、ドアアウタパネル9側のドアウエストフランジ部10を挟持することになる保持リップ11,12や、ドアガラスGと摺接することになる上下二段のシールリップ13を同時押出成形法によって一体に形成したもので、各シールリップ13のガラス摺接面には植毛14を施してある。
そして、モールディング本体5の端末部は多くの場合にドアサッシュにおける縦辺部の根元部と交差して同縦片部に対する固定部位となることから、図2に示すように略U字状断面のおよそ半分を保持リップ11,12やシールリップ13とともに切除して切欠部15としてある。さらに、この切欠部15の端縁の長手方向に沿って台形状もしくは山形状の一対の係止爪16,17を突出形成してある。要は各係止爪16,17のうちモールディング本体5の反端末寄りの端面を傾斜面とすることを目的として、各係止爪16,17を台形状もしくは山形状のものとして形成してある。
一方、上記切欠部15に挿入されることになるエンドキャップ6は例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)等のいわゆるエンジニアリングブラスチックにて形成されているもので、図2のほか図4に示すようにモールディング本体5の断面形状よりも一回り大きなプレート状の蓋体18と一体に変形バー状の延長脚部19を形成してある。この延長脚部19は、後述するようにモールディング本体5の切欠部15に挿入されて両者の固定連結部として機能して、蓋体18にてモールディング本体5の端末の斜状の端面5aを閉塞もしくは閉蓋するべくその端面に蓋体18を密着させた状態を保持することになる。同時に、上記延長脚部19はモールディング本体5と連結された以降はドアアウタパネルやドアサッシュに対する係止部としても機能することから、延長脚部18の先端側には板ばね状の補助クリップ20のほか、係止片21を有するクリップ22を一体に形成してある(図8,9参照)。
そして、モールディング本体5の切欠部15にエンドキャップ6を挿入して両者をオーバーラップさせた場合に、先に述べた切欠部15側の係止爪16,17と合致する位置にはそれぞれに位置決め溝23,24を切欠形成してある。
ここで、モールディング本体5の切欠部15にエンドキャップ6の延長脚部19を挿入してモールディング本体5の端末における斜状の端面5aに蓋体18を密着させたと仮定した場合の分解図を図5に、切欠部15に実際にエンドキャップキャップ6を挿入した場合の拡大図を図6にそれぞれ示す。
図5,6から明らかなように、それぞれの係止爪16,17の根元部での幅寸法W11,W12は対応する位置決め溝23,24の溝幅寸法W1,W2よりも小さく設定されていて、なお且つ各係止爪16,17は対応する位置決め溝23,24に対しモールディング本体5の反端末寄りにオフセットしていて、さらに各位置決め溝23,24におけるモールディング本体5の反端末寄りの側面23a,24aとそれに対応する係止爪16,17とをモールディング本体5の長手方向において所定量β(例えば1mm程度)だけオーバーラップさせてある。
なお、上記各位置決め溝23,24におけるモールディング本体5の反端末寄りの側面23a,24aは、後述するように係止爪16,17と傾斜面当接することになる位置決め当接面として機能する。
すなわち、図7のほか図8,9の状態のように、各係止爪16,17と対応する位置決め溝23,24とを合致させた上で各係止爪16,17を内側に折り曲げた場合には、各係止爪16,17の根元部とそれに対応する位置決め溝23,24の一方の側面23a,24aとが傾斜面当接をもって強く当接するように設定してある。
したがって、このように構成されたエンドキャップキャップの取付構造によれば、モールディング本体5の切欠部15に対し端末側よりエンドキャップ6を挿入して、同端末の斜状の端面5aにエンドキャップ6側の蓋体18を当接させるとともに、各係止爪16,17と位置決め溝23,24とを合致させる。その状態で、図6,7のほか図8,9に示すように、各係止爪16,17を内側に向けて例えば45度程度折り曲げていわゆるかしめ加工を施し、該当する位置決め溝23,24に受容させると、図7〜9に示すように係止爪16,17の曲げによる挟持力をもってエンドキャップ6の延長脚部19がモールディング本体5の切欠部15内に抱持され、結果として両者が強固に結合される。
この場合において、図5,6に示すように各位置決め溝23,24の一方の側面23a,24aと折り曲げ前の各係止爪16,17の根元部とが所定量βだけ相互にオーバーラップするように予め設定してあるため(図6では、オーバーラップ領域にハッチングを施してある)、各係止爪16,17の折り曲げ途中から係止爪16,17の一方の端面と位置決め溝23,24側の一方の側面23a,24aとが傾斜面接触となって強く当たるようになり、その結果としてモールディング本体5に対してその反端末方向にエンドキャップ6を引き込む力が作用するようになる。なお、図6〜9では、符号16,17が折り曲げ前の係止爪を、符号16A,17Aが折り曲げ後の係止爪をそれぞれ示している。
これは、上記のような各係止爪16,17の折り曲げ途中から折り曲げ後においてもモールディング本体5側にエンドキャップ6を引き込む力が常時作用していることにほかならず、結果的にはエンドキャップ6の蓋体18がモールディング本体5の端末の端面5aに当接した以降は、上記引き込み力に基づいてその蓋体18を端面5aに対し常時圧接させる力が作用していることにほかならない。
そのため、モールディング本体5の端面5aとエンドキャップ6の蓋体18との間に隙間が発生することがなく、しかもその状態を長期にわたって維持できることになる。
自動車のフロントドアおよびリアドアの側面説明図。 本発明のより具体的な実施の形態を示す図で、図1に示すドアアウトサイドモールディングの端末部の分解説明図。 図2のA−A線に沿う拡大断面図。 (A)は図2のエンドキャップの詳細を示す拡大斜視図、(B)は同図(A)を裏側から見た斜視図。 図2の詳細を示す図で、モールディング本体にエンドキャップを正しく挿入したと仮定した場合の相対位置関係を示す分解説明図。 図5のモールディング本体とエンドキャップとを重ね合わせた場合の要部拡大説明図。 図6の斜視図。 図6のB−B線に沿う断面図。 図6のC−C線に沿う断面図。
符号の説明
3…ドアアウトサイドモールディング
5…モールディング本体
5a…端面
6…エンドキャップ
15…切欠部
16,17…折り曲げ前の係止爪
18…蓋体
16A,17A…折り曲げ後の係止爪
19…延長脚部
23,24…位置決め溝
23a,24a…一方の側面(位置決め当接面)
β…オーバーラップ量

Claims (5)

  1. 断面形状が略U字状をなす長尺なモールディング本体の端末にエンドキャップを挿入固定して、そのモールディング本体の端面を閉蓋するようにしたモールディングのエンドキャップ取付構造であって、
    上記エンドキャップはモールディング本体の端末においてその内部に挿入される延長脚部とこれと一体の蓋体とを備えていて、
    上記モールディング本体のうち長手方向において延長脚部とオーバーラップする位置にはその延長脚部を位置決め固定するための折り曲げ可能な係止爪を、上記延長脚部のうち係止爪に対応する位置には位置決め当接面をそれぞれ形成するとともに、
    上記係止爪のうちモールディング本体の反端末側の端面をモールディング本体の軸直角平面に対して傾斜している傾斜面として形成し、
    さらに、上記係止爪を折り曲げる前の段階で、その係止爪の根元部とそれに対応する位置決め当接面とがモールディング本体の長手方向で互いにオーバーラップするように設定してあり、
    上記係止爪を折り曲げてモールディング本体でエンドキャップの延長脚部を抱持したときには、その係止爪の傾斜面と位置決め当接面との当接をもってモールディング本体に対するエンドキャップの引き込み力が作用して、以降は当該係止爪の傾斜面と位置決め当接面とが常時圧接し、且つエンドキャップの蓋体がモールディング本体の端面に常時圧接するようになっていることを特徴とするモールディングのエンドキャップ取付構造。
  2. 上記エンドキャップの延長脚部には自動車のドアに対するモールディングの係止部となるクリップを一体に形成してあり、
    上記傾斜面を含む折り曲げ可能な係止爪およびその係止爪に対応する位置決め当接面を上記モールディング本体の長手方向でクリップとオーバーラップする位置に形成してあることを特徴とする請求項1に記載のモールディングのエンドキャップ取付構造。
  3. 上記モールディング本体の長手方向に沿って傾斜面を含む一対の係止爪を形成するとともに、上記延長脚部のうち各係止爪に対応する位置にそれぞれ位置決め当接面を形成し、
    上記モールディング本体の反端末側の一方の係止爪とそれに対応する位置決め当接面を上記モールディング本体の長手方向でクリップとオーバーラップする位置に形成してあることを特徴とする請求項2に記載のモールディングのエンドキャップ取付構造。
  4. 上記位置決め当接面は、折り曲げた係止爪を受容する位置決め溝の一部として形成されていることを特徴とする請求項3に記載のモールディングのエンドキャップ取付構造。
  5. 上記モールディングは自動車のドアウエスト部に装着されるドアアウトサイドモールディングであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のモールディングのエンドキャップ取付構造。
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