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JP4587842B2 - 通信用半導体集積回路 - Google Patents

通信用半導体集積回路 Download PDF

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JP4587842B2 JP2005052288A JP2005052288A JP4587842B2 JP 4587842 B2 JP4587842 B2 JP 4587842B2 JP 2005052288 A JP2005052288 A JP 2005052288A JP 2005052288 A JP2005052288 A JP 2005052288A JP 4587842 B2 JP4587842 B2 JP 4587842B2
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Description

本発明は、送信用ベースバンド信号で搬送波信号を変調する変調回路を内蔵した通信用半導体集積回路さらには変調回路のDCオフセットをキャンセルする技術に関し、例えば位相成分のみ変調するモードと位相成分および振幅成分を変調するモードを有する携帯電話機のような無線通信装置に搭載される通信用半導体集積回路に適用して有効な技術に関する。
携帯電話機のような無線通信システムにおいては、受信信号や送信用ベースバンド信号に高周波の局部発振信号(搬送波信号)をミキサで合成して周波数のダウンコンバートやアップコンバートを行なったり、送信信号の変調や受信信号の復調を行なったりする通信用半導体集積回路(以下、高周波ICと称する)が用いられている。
また、近年のGSM(Global System for Mobile Communication)方式等の無線通信システムにおいては、搬送波の位相成分を変調するGMSK(Gaussian filtered Minimum Shift keying)変調モードの他に、搬送波の位相成分と振幅成分を変調する3π/8rotating8−PSK(Phase Shift Keying)変調モードを有するEDGE(Enhanced Data Rates for GMS Evolution)と呼ばれるモードを備え、変調モードを切り替えて通信を行なえるようにしたシステムが実用化されつつある。EDGEモードは位相変調の他に振幅変調を行なうため、位相変調のみのGMSKモードよりも高速のデータ通信が可能である。
また、近年、GSM方式による信号の他に、多重化方式としてスペクトル拡散方式を用い変調方式としてQPSK(Quadrature PSK)を用いるWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式による信号を扱えるデュアルバンド方式の携帯電話機に対する要求がある。
特開平11−205401号
本発明者らは、GSM方式による信号を扱う機能を有する携帯電話機用の通信用半導体集積回路の低コスト化のため、定電流を流すためPNP型バイポーラトランジスタ(Bipolar transistor )を用いていた変調回路からPNP型バイポーラトランジスタをなくし、NPN型バイポーラトランジスタとMOSFET(Metal oxide semiconductor field effect transistor)とで構成された変調回路を内蔵した通信用半導体集積回路について検討を行なった。
その結果、PNP型バイポーラトランジスタを使用しない変調回路にあっては、変調回路の有するDCオフセットによって送信信号に搬送波の周波数成分がのってしまうキャリアリークと呼ばれる特性劣化が顕著に現われてしまい、歩留まりが低下するという課題があることを見出した。
以下、変調回路のDCオフセットによるキャリアリークについて説明する。
図3は、本発明者らが検討したNPN型バイポーラトランジスタおよびMOSFET[トランジスタ]のみからなる変調回路の入力部の回路を示す。この入力回路は、入力信号としてのI信号(基本波に対する同相成分)またはQ信号(基本波に対する直交成分)を増幅しつつ次段のミキサ(Mixer)に適したレベルの信号に変換するためのもので、I信号側を示す。Q信号側も同回路である。(A)は定電流用トランジスタQ3,Q4としてPMOS型バイポーラトランジスタを使用したもの、(B)はPNP型バイポーラトランジスタを使用したものである。
このうち図3(A)の回路はP型MOSFETのしきい値電圧Vthのばらつきによって、また図3(B)の回路はPNP型バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧Vbeのばらつきによって、次段のミキサの入力にオフセット電圧が発生するが、現状の半導体製造プロセスではVthのばらつきの方がVbeのばらつきよりも大きい。そのため、ミキサの入力オフセット電圧が大きくなってミキサの他の入力である搬送波(キャリア信号)の周波数成分が出力に現われるキャリアリークが、図4(A),(B)のように、図3(A)の回路を使用した方が図3(B)の回路を使用する場合よりも多くなることが明らかになった。
図4(A),(B)のうち(A)は図3(A)の回路を使用した場合の周波数スペクトラムを、また図4(B)は図3(B)の回路を使用した場合の周波数スペクトラムを示す。図4(A),(B)において、中央の最もピークの高いのが希望波であり、左隣のピークが搬送波である。図4(A)と(B)を比較すると、(A)の方が(B)よりも希望波から例えば64kHz離れた搬送波の成分が大きいことが分かる。
ここで、搬送波の成分は希望波に対するノイズ成分となり、希望波信号レベルと搬送波信号レベルの差であるキャリアリーク量は仕様の−31dBc以下でないと、図3(A)の回路を使用した場合には位相確度等の送信特性劣化を生じることが明らかになった。
この発明は、上記のような背景の下になされたもので、その目的とするところは、安価でばらつきの大きい部品等を使用して変調回路を構成してもキャリアリーク特性を悪化させることのない歩留まりの高い通信用半導体集積回路(高周波IC)を提供することにある。
なお、変調回路のDCオフセットをキャンセルする技術としては、例えば特許文献1に記載されている発明があるが、特許文献1の発明ではベースバンド回路から変調回路に対して所定の信号を与えながらキャリブレーションを行なうのに対し、本発明の高周波ICはIC内部でキャリブレーションを行なうことができるようにしたもので、キャリブレーションの仕方が異なっており、本発明は特許文献1の発明から容易に想到し得る発明ではない。
この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添附図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、ギルバートセルと呼ばれる差動型回路からなるミキサの前段に差動増幅回路とレベルシフト回路からなる入力回路が設けられ送信I,Q信号(送信用ベースバンド信号)と搬送波信号を合成し変調する変調回路を備えた通信用半導体集積回路(高周波IC)において、上記入力回路のDCオフセットをキャンセルするキャリブレーション回路を設けるようにしたものである。また、上記入力回路のDCオフセットキャンセルは、送信開始直前に行うようにする。
上記した手段によれば、入力回路のDCオフセットをキャンセルすることができるため、後段のミキサ回路においてキャリアリークが発生するのを回避し、送信特性の劣化を防止することができるようになる。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本発明に従うと、安価でばらつきの大きい部品等を使用して変調回路を構成してもキャリアリーク特性を悪化させることのない歩留まりの高い通信用半導体集積回路(高周波IC)を実現することができる。
次に、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は、本発明を適用した通信用半導体集積回路装置(高周波IC)とそれを用いた無線通信システムの一例を示す。
図1に示されているように、システムは信号電波の送受信用アンテナ400、送受信切り替え用のスイッチ410、受信信号から不要波を除去するSAWフィルタなどからなる高周波フィルタ420a〜420d、送信信号を増幅する高周波電力増幅回路(パワーモジュール)430、受信信号を復調したり送信信号を変調したりする高周波IC200、送信すべき音声信号やデータ信号を基本波に対し同相成分のI信号および直交成分のQ信号に変換したり復調された受信I,Q信号を音声信号やデータ信号に変換するなどのベースバンド処理を行なったり高周波IC200を制御する信号を送ったりするベースバンド回路300などで構成される。特に制限されるものでないが、高周波IC200とベースバンド回路300は、各々別個の半導体チップ上に半導体集積回路として構成される。
高周波IC200は、大きく分けると、受信系回路RXCと、送信系回路TXCと、それ以外の制御回路やクロック生成回路など送受信系に共通の回路からなる制御系回路CTCとで構成される。本発明の対象となる変調回路233a,233bは送信系回路TXCに設けられ、搬送波信号としての中間周波数の信号とベースバンド回路300から供給されるI,Q信号とを合成して直交変調を行なう。
高周波IC200の詳しい説明は後にして、まず変調回路233a,233bとそのキャリブレーション回路231について説明する。図2には、変調回路233a,233bとそのキャリブレーション回路231の具体的な回路例が示されている。I信号側の変調回路233aとQ信号側の変調回路233bは同一の構成であるので、一方のみ示し他方は省略してある。
この実施例の変調回路は、入力I,/I信号(またはQ,/Q信号)を増幅する初段増幅回路(プリアンプ)AMP0と、増幅された信号のDCレベルをシフトするレベルシフト回路DLSと、ギルバートセルと呼ばれる差動型回路からなるミキサ回路MIXを備えている。プリアンプAMP0とDCレベルシフト回路DLSは、図3(A)に示されているような回路で構成されている。/IはIと180°位相が異なる信号、また/QはQと180°位相が異なる信号である。
すなわち、プリアンプAMP0は、入力差動MOSFET Q1,Q2と、Q1,Q2のソース端子と電源電圧端子Vccとの間にそれぞれ直列形態に接続された定電流用MOSFET Q3,Q4と、Q1,Q2のソース端子間に接続された抵抗R0と、Q1,Q2のドレイン端子と接地点GNDとの間に接続された抵抗R1,R2とから構成され、入力I,/I信号(またはQ,/Q信号)の電位差を増幅した信号をQ1,Q2のドレイン端子から出力する。
また、レベルシフト回路DLSは、電源電圧端子Vccと接地点GNDとの間に直列形態に接続されたMOSFET Q5およびNPN型バイポーラトランジスタQ7,Q9と、同じく電源電圧端子Vccと接地点GNDとの間に直列形態に接続されたMOSトランジスタQ6およびNPN型バイポーラトランジスタQ8,Q10とからなる。そして、Q7とQ9の接続ノードとQ8とQ10の接続ノードがそれぞれ前段のプリアンプAMP0の入力差動MOSFET Q1,Q2のドレイン端子に接続されている。トランジスタQ7,Q8はベースとコレクタが結合されたいわゆるダイオード接続とされ、トランジスタQ5,Q6およびQ9,Q10はゲートまたはベースに所定の電圧が印加されて定電流源として動作し、前段のプリアンプAMP0の出力をバイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧Vbe分だけ上にシフトした信号をQ7,Q8のコレクタから出力する。
ミキサ回路MIXは、図2に示されているように、互いにエミッタ端子同士が抵抗Re1,Re2を介して接続されそれぞれのベース端子に、前記DCレベルシフト回路DLSによりシフトされたIin信号と/Iin信号(Qin信号と/Qin信号)が入力された下段差動トランジスタ対Q11,Q12と、これらのトランジスタQ11,Q12のコレクタ端子にそれぞれ共通エミッタが接続されベース端子に中間周波数の信号φIF1,/φIF1(φIF2,/φIF2)が入力された2組の上段差動トランジスタ対Q21,Q22およびQ23,Q24と、下段差動トランジスタ対Q11,Q12のエミッタ端子と接地点との間に接続された定電流用トランジスタQ13,Q14およびそのエミッタ抵抗Re3,Re4とからなり、Q21とQ23のコレクタ同士とQ22とQ24のコレクタ同士がそれぞれ結合されて、コレクタ抵抗Rc1,Rc2を介して電源電圧Vccに接続されている。
図2のミキサ回路MIXは、下段差動部への入力信号であるIin,/Iin信号と上段差動部への入力信号である中間周波数の信号φIF1,/φIF1とを掛け算してそれらの信号の周波数和と周波数差に相当する信号成分を含む信号を、トランジスタQ21とQ23の共通コレクタと、Q22とQ24の共通コレクタとから差動信号として出力する。
図示しないQ信号側のミキサ回路は、Qin,/Qin信号とφIF2,/φIF2信号の周波数和と周波数差に相当する信号成分を含む信号を差動信号として出力する。φIF1,/φIF1とφIF2,/φIF2は互いに位相が90°ずれた直交信号であり、局部発振回路262からの高周波の発振信号φRFをIF分周回路264で分周し、分周移相回路232でさらに分周および位相シフトすることで生成された80MHzのような周波数の信号が用いられる。
さらに、この実施例の変調回路には、上記分周移相回路232からの中間周波数の信号φIF1,/φIF1(φIF2,/φIF2)が入力されるパス上に切替えスイッチS21,S22が設けられ、信号φIF1,/φIF1(φIF2,/φIF2)の代わりに直流電圧VL,VHを上段差動トランジスタQ21,Q22,Q23,Q24のベースに印加することができるように構成されている。直流電圧VLとVHは、それぞれQ21とQ24をオフ、Q22とQ23をオンできる電圧が選択され、上段差動対のうち一方のトランジスタQ22,Q23に大きな電流が流されて下段差動トランジスタ対Q11,Q12の入力信号を増幅できるようにされる。
また、下段差動トランジスタ対Q11,Q12のエミッタ間にはゲイン切り替え用の抵抗Re0とオン・オフスイッチS23,S24が直列に接続されているとともに、定電流用トランジスタQ13,Q14のベース端子には、図示しないバイアス生成回路からのバイアス電圧Vbiasまたは接地電位を選択的に印加する切替えスイッチS25が設けられている。
また、上記のような構成を有するギルバートセル型ミキサ回路MIXの前段に設けられている初段増幅回路(プリアンプ)AMP0の入力側には、入力I,/I信号(またはQ,/Q信号)を入力させるスイッチS26,S27とI,Q信号の代わりに所定の直流電圧Vmcalを入力させるスイッチS28,S29が設けられている。直流電圧Vmcalには、通常のI,/I信号入力時と同レベルの例えば、0.625Vのような電圧が選択される。
キャリブレーション回路231は、上記ミキサ回路MIXの差動出力の電位差を検出するコンパレータCMPと、上記スイッチS21〜S29等を制御してキャリブレーションを実行する制御ロジックCTLと、複数の定電流源I1〜I6およびこれらの定電流源I1〜I6の電流を選択的に合成するスイッチS11〜S16からなるDAコンバータDACと、該DAコンバータDACの出力電流をレベルシフト回路DLSの差動出力のいずれから引き抜くか選択する切替えスイッチS10などから構成される。定電流源I1〜I6は、I1の電流が最も大きく、I2はI1の1/2、I3はI2の1/2……のように、2のn乗の重み付けがされている。
制御ロジックCTLには、DAコンバータDACの入力値に相当する7ビットの制御コードを保持するレジスタREGが設けられ、このレジスタREGの各ビットの値はコンパレータCMPの出力に応じて順次設定される。このレジスタREGに設定された制御コードによって、DAC内の定電流源I1〜I6と直列のスイッチS11〜S16および切替えスイッチS10がオン・オフ制御される。具体的には、レジスタREGの制御コードのビット"B0"によって切替えスイッチS10が制御され、ビット"B1"〜"B6"によってDAC内のイッチS11〜S16が制御される。制御ロジックCTLは、図1の制御ロジック260と別個に構成されていても良いし一体に構成されていても良い。
次に、実施例の変調回路のキャリブレーション動作を、図5を用いて説明する。なお、このキャリブレーションは、ベースバンド回路300から制御ロジックCTL(260)へ送信モードの開始を指示する所定のコマンドが与えられ、制御ロジックCTLがこのコマンドを解読することによって順次生成される制御信号によってシーケンシャルに実行される。本実施例ではこのコマンドを"Word3"と称する。
変調回路のキャリブレーションが開始されると、まず制御ロジックCTLは制御信号IQSW_ONをロウレベルに保持してスイッチS26,S27をオフ状態にしてI,/I信号およびQ,/Q信号の入力を禁止した状態で、制御信号IQMOD_ONを立ち上げてI側の変調回路233aとQ側の変調回路233bを活性化させる。また、制御信号MCAL_ONによってコンパレータCMPを活性化させるとともにスイッチS28,S29をオン状態にして同一の直流電圧VmcalをプリアンプAMP0の差動入力端子に印加させてプリアンプ以降の回路が持つオフセットが出力に現われるようにする(図5タイミングt7)。
続いて、I側のキャリブレーション制御信号ICAL_ONを立ち上げて、スイッチS21,S22を切り替えて中間周波数の信号φIF1,/φIF1の代わりに直流電圧VL,VHをミキサ回路MIXの上段差動トランジスタに入力させる。これとともに、スイッチS23,S24をオン状態にして下段差動トランジスタのエミッタ端子間に抵抗Re0を接続させる。これにより、ミキサ回路MIXのゲインが高くされる。また、I側のミキサ回路MIXのスイッチS25は定電流用トランジスタQ13,Q14のベースにバイアス電圧Vbiasが印加される状態にし、Q側のミキサ回路MIXのスイッチS25は定電流用トランジスタQ13,Q14のベースに接地電位GNDが印加される状態にする(図5タイミングt71)。これにより、Q側のミキサ回路MIXは非活性化され、コンパレータCMPにはI側の変調回路233aのオフセットに応じた出力のみが入力されるようになる。
その後、制御ロジックCTLは、コンパレータCMPの出力を参照してDAコンバータDACのスイッチS10〜S16の状態を決定して行く。具体的には、まずレジスタREGの制御コードビットB0〜B6を"0"にしてスイッチS11〜S16をすべてオフしDAコンバータDACの電流がレベルシフト回路DLSから流されないようにする。また、スイッチS10は/Iin信号側に接続した状態で、コンパレータCMPの出力を判定する。
ここで、コンパレータCMPの出力がハイレベルであったとすると、その場合にはレベルシフト回路DLSの差動出力Iin、/IinのうちIin信号の電位の方が高いということであるので、スイッチS10に対応したレジスタREGの制御ビットB0を"1"に設定してスイッチS10を逆のIin信号側に切り替える。次に、DACの電流源I1〜I6のうち最も電流の大きなI1と直列のスイッチS11に対応したレジスタREGの制御ビットB1を"1"に設定してスイッチS11をオン状態にさせる。これによって、DCレベルシフト回路DLSの差動出力のうちI信号の出力電位が下げられるようになる。
この状態で、再びコンパレータCMPの出力を判定する。ここで、コンパレータCMPの出力がハイレベルであったとすると、DCレベルシフト回路DLSのI信号の電位の方がまだ高いということであるので、制御ビットB0と同様に、制御ビットB1は"1"、スイッチS11はオンの状態を保持する。
次の時間で、DACの電流源I1〜I6のうち2番目に大きな電流源I2と直列のスイッチS12に対応したレジスタREGの制御ビットB2を"1"に設定してスイッチS12をオン状態にさせる。これによって、DCレベルシフト回路DLSの差動出力のうちI信号側の出力電位がさらに下げられるようになる。
2回目の判定でコンパレータCMPの出力がロウレベルであったすると、この場合にはDCレベルシフト回路DLSのIin信号の電位の方が低くなったということであるので、レジスタREGの制御ビットB2を"0"に戻しS12をオフ状態にして、そのまま制御ビットB2の状態を保持する。
以後、同様にレジスタREGの制御ビットB3〜B6を順次"1"にしてスイッチS13〜S16を順次オンさせる。コンパレータCMPの出力がハイレベルの時は制御ビットを"1"のまま保持し、ロウレベルの時は制御ビットを"0"にしてそのまま保持する。このような動作により、レジスタREGのすべての制御ビットB0〜B6の状態が設定され、DACの電流源I1〜I6のうちオンしているスイッチの合計分だけIin信号の電位が/Iin信号の電位に近づき、Iin信号と/Iin信号の電位差であるオフセット電圧が小さくなる。
図5のタイミングt71の段階で/Iin信号側の電位が高い場合には、制御ビットB0は"0"に保持され、以後同様に/Iin信号側電位がIin信号電位に近づく方向のキャリブレーションが行われ、オフセット電圧が小さくする。
制御ビットB6の設定が終了した時点で制御信号ICAL_ONを立ち下げてI側の変調回路のキャリブレーションが終了する(図5タイミングt72)。なお、最後の設定状態は、後段のミキサ回路MIXの入力DCオフセットが最も小さな状態となるので、レジスタREGの状態は次にキャリブレーションを行なうまでそのまま保持される。
次に、Q側のキャリブレーション制御信号QCAL_ONを立ち上げて、Q側のミキサ回路MIXの上段に直流電圧VL,VHを印加するとともにQ側のミキサ回路MIXのスイッチS25を定電流用トランジスタQ13,Q14のベースにバイアス電圧Vbiasが印加される状態にする(図5タイミングt73)。そして、上記I側と同様な手順でQ側の変調回路のキャリブレーションを実行し、Q側のDAコンバータに対応したレジスタREGの各ビットを設定して制御信号QCAL_ONを立ち下げてQ側の変調回路のキャリブレーションを終了する(図5タイミングt74)。
その後、このとき同時に制御信号MCAL_ONを立ち下げてスイッチS28,S29をオフ状態にして、I,Qの変調回路233a,233bに直流電圧Vmcalが入力されないようにする。それから、所定時間経過後に、制御信号IQSWを立ち上げることによってスイッチS26,S27をオン状態にしてI,/I信号およびQ,/Q信号がそれぞれのプリアンプAMP0に入力可能な状態にする(図5タイミングt75)。そして、さらに所定時間が経過すると、ベースバンド回路からI,/I信号(またはQ,/Q信号)がプリアンプAMP0に入力され、送信が開始されるようになる(図5タイミングt76)。送信が開始されてもDAコンバータDACは動作状態にされており、これによりプリアンプAMP0等の入力回路の有するDCオフセットの影響を受けない変調が可能となる。
図7はキャリブレーション動作時における、I信号側のミキサ回路MIXの出力電圧(MOD_OUT)の推移例を示す。実線C1がI信号側、破線C2が/I信号側の電圧を示し、横軸(サイクル)の0〜1までが前述の動作説明における制御ビットB0の設定、1〜2までがB1、2〜3までがB2、以後順次サイクル7までB6までの設定を行う。サイクル0が図5のタイミングt71、サイクル7がt72のタイミングに相当し、サイクル7以後はオフセット電圧の最小レベルが保持される。
図8には、このようなキャリブレーションを行なった後の変調回路のキャリアリーク特性とキャリブレーションを行なう前の変調回路のキャリアリーク特性を示す。
図8において、Aはキャリブレーション後のキャリアリーク特性、Bはキャリブレーション前のキャリアリーク特性である。図8より、キャリブレーション前はDCオフセット7.5mV以上でキャリアリークが−31dBcを超えてしまうが、キャリブレーション後はキャリアリークが−40dBc以下に抑えられ、送信特性劣化を招く−31dBcを超えないことが分かる。
次に、実施例の高周波ICにおける上記キャリブレーション動作を含むモード制御全体の流れを、図6のタイミングチャートを用いて説明する。
システムの電源が投入されると、高周波IC200に対して電源の供給が開始される。また、電源の立上がり後にベースバンドIC300から高周波ICに対して例えば 内部のリセットを指令するコマンド"Word4"が供給される。すると、制御回路260によって高周波IC内部のレジスタなどの回路がリセット状態にされ、高周波ICはアイドルモード(コマンド待ちのスリープ状態)に入る(図6タイミングt1)。
このアイドルモード"Idle"中に、ベースバンドICからVCOのキャリブレーションを指示する所定のビットもしくはコードを含むコマンド"Word7"が供給されると、高周波IC内のRFVCOとTXVCOのキャリブレーション処理(周波数の測定と記憶)が行なわれる(図6タイミングt2)。
その後、ベースバンドICは 測定開始コマンド"Word7"の送信後、適当な時間が経過すると初期設定を指令する"Word5" "Word6"を送って来る(図6タイミングt3)。TXVCOの周波数測定が終了すると、終了が制御回路に通知されるように構成されており、制御回路は測定終了後に高周波IC内部を送受信動作のために初期設定する。
この初期設定が終了すると、ベースバンドICから高周波ICに対して、使用チャネルの周波数情報を含むコマンド"Word1"が供給され、制御回路はVCOを起動するウォームアップモード"Warm up"に入る(図6タイミングt4)。このコマンド"Word1"には送信または受信を指示するビットも含まれており、そのビットに応じて受信の時は、RFVCOを再キャリブレーションした後、ベースバンドからの周波数情報に基づいてRFVCO(262)の使用バンドの選択動作を行なう。そして、RFVCOを発振動作させ、RFシンセサイザ263をロック状態にさせる。
その後、ベースバンドICから受信動作を指令するコマンド"Word2"が送られて来ると、受信モード"Rx"に入り、受信系回路RXCを動作させて受信信号の増幅、復調を行なわせる(図6タイミングt5)。
次に、受信モード"Rx"が終了するとベースバンドIC300から周波数情報を含むコマンド"Word1"が高周波IC200に供給され、再び制御回路260はVCOを起動するウォームアップモード"Warm up"に入る(図6タイミングt6)。このコマンド内の送信または受信を指示するビットが送信を示しているときは、RFVCOとTXVCOを再キャリブレーションした後、ベースバンドICからの周波数情報に基づいてRFVCOとTXVCOの使用バンドの選択動作を行なう。そして、バンド決定後にRFシンセサイザ263をロック状態にさせる。
その後、ベースバンドIC300から高周波IC200に対して送信モードの開始を指令するコマンド"Word3"が送られ、"Word3"を受信すると、制御回路260は送信モードに入り、本実施例のキャリブレーション回路231による変調回路233a,233bのキャリブレーションなど送信の準備をし、送信ループTxPLLをロック状態にさせてから送信信号の変調、増幅を行なわせる(図6タイミングt7)。なお、上記受信モード"Rx"および送信モード"Tx"は、それぞれタイムスロットと呼ばれる時間単位(例えば577μ秒)で実行される。
以上説明したように、前記実施例の高周波ICにおける変調回路233a,233bのキャリブレーションは、極めて短い時間内に終了することができるため、GSMの送信動作を遅らせたり、送信に支障をきたしたりすることなく実行することができる。
最後に、図1の高周波IC200のより詳細な説明を行なう。この実施例の高周波IC200は、GSM850とGSM900、DCS1800、PCS1900の4つの周波数帯の信号の変復調が可能に構成されている。また、これに応じて、受信側には、それぞれの周波数帯に応じたフィルタ420a、420b、420c,420dが設けられている。
受信系回路RXCは、PCS、DCS、GSMの各周波数帯の受信信号をそれぞれ増幅するロウノイズアンプ210a,210b,210c,210dと、後述の高周波発振回路(RFVCO)261で生成された局部発振信号φRFを分周し互いに90°位相がずれた直交信号を生成する分周移相回路211と、ロウノイズアンプ210a,210b,210c,210dで増幅された受信信号に分周移相回路211で生成された直交信号をミキシングすることで復調およびダウンコンバートを行なうミキサ212a,212bと、復調されたI,Q信号をそれぞれ増幅してベースバンド回路300へ出力する高利得増幅部220A,220Bと、高利得増幅部220A,220B内のアンプのゲインを制御したり入力DCオフセットをキャンセルするためのゲイン制御&キャリブレーション回路213などからなる。本実施例の受信系回路RXCは、受信信号を直接ベースバンドの周波数帯の信号にダウンコンバートするダイレクトコンバージョン方式を採用している。
制御系回路CTCには、チップ全体を制御する制御回路(コントロールロジック)260と、基準となる発振信号φref を生成する基準発振回路(DCXO)261、周波数変換用の高周波発振信号φRFを生成する局部発振回路としての高周波発振回路(RFVCO)262、該高周波発振回路(RFVCO)262と共にPLL回路を構成するRFシンセサイザ263、RFVCO262により生成された発振信号φRF を分周して送信信号の変調および第1段階のアップコンバージョンに必要な中間周波数の信号φIFを生成する分周回路264、発振信号φRF を分周して送信用PLL回路のフィードバック信号の周波数変換に必要な信号を生成する分周回路265,266やモード切替えスイッチSW1,SW2などが設けられている。
制御回路260には、ベースバンド回路300から同期用のクロック信号CLKと、データ信号SDATAと、制御信号としてのロードイネーブル信号LENとが供給されており、制御回路260は、ロードイネーブル信号LENが有効レベルにアサートされると、ベースバンド回路300から伝送されてくるデータ信号SDATAをクロック信号CLKに同期して順次取り込んで、データ信号SDATAに含まれるコマンドに応じてチップ内部の制御信号を生成する。特に制限されるものでないが、データ信号SDATAはシリアルで伝送される。
送信系回路TXCは、RFVCO262により生成された発振信号φRF を分周回路264で分周して生成した例えば160MHzのような中間周波数の信号φIFをさらに2分周しかつ互いに90°位相がずれた直交信号を生成する分周移相回路232、生成された直交信号をベースバンド回路300から供給されるI信号とQ信号により変調をかける変調回路233a,233b、変調された信号を合成する加算器234と、所定の周波数の送信信号φTXを発生する送信用発振回路(TXVCO)240、送信用発振回路(TXVCO)240から出力される送信信号φTXをカプラ280a,280b等で抽出しアッテネータATTで減衰したフィードバック信号と前記高周波発振回路(RFVCO)262で生成された高周波発振信号φRFを分周した信号φRF’とをミキシングすることでそれらの周波数差に相当する周波数の信号を生成するダウンコンバートミキサ235、該ミキサ235の出力と前記加算器234で合成された信号TXIFとを比較して位相差を検出する位相比較器236、該位相検出器236の出力に応じた電圧を生成するループフィルタ237、送信用発振回路(TXVCO)240の出力を分周してGSMの送信信号とする分周回路238、送信出力用バッファ回路239a,239bなどから構成されている。
この実施例の送信系回路は、送信I,Q信号を中間周波数の搬送波で直交変調するとともに、TXVCO240の出力側からの帰還信号をRFVCO262の高周波発振信号φRFを分周した 信号φRF’とミキシングすることで周波数差に相当する中間周波数の信号にダウンコンバートした後、該信号と上記直交変調後の信号とを位相比較して位相差に応じてTXVCO240を制御するオフセットPLL方式を採用している。また、ダウンコンバートミキサ235の出力は、GMSK変調のGSMモードと8PSK変調のEDGEモードとで異なるパスを通して位相比較器236へ供給される。
そして、そのパスを切り替えるためにスイッチSW3,SW4が設けられている。GSMモードのときの信号パスには、バッファBFF1とロウパスフィルタSLPF1とバッファBFF2とが設けられている。また、EDGEモードのときの信号パスには、可変利得アンプMVGAとロウパスフィルタMLPF2とリミッタLIM2とロウパスフィルタLPF3とが設けられている。また、ダウンコンバートミキサ235の出力をGMSK変調のGSMモードと8PSK変調のEDGEモードとで異なるパスを通して位相比較器236へ供給するのに応じて、ミキサ233a,233bで直交変調され加算器234で合成された中間周波数の送信信号を位相比較器236へ供給するパスを切り替えるスイッチSW5が設けられ、EDGEモードのときは送信信号がリミッタLIM1とロウパスフィルタLPF4を通して位相比較器236へ供給される。
さらに、この実施例の送信系回路TXCにおいては、EDGEモードの際の振幅制御のために前記ダウンコンバートミキサ235の出力とミキサ233a,233bで直交変調され加算器234で合成された送信信号とを比較して振幅差を検出する振幅比較回路244、該振幅比較回路244の出力を帯域制限するループフィルタ245、帯域制限された信号を増幅する可変利得アンプ(IVGA)246、増幅された振幅制御ループの電圧を電流に変換する電圧−電流変換回路247、レベル変換回路248、電流を電圧に変換するフィルタ249などからなる振幅制御ループが設けられており、位相変調と並行して振幅変調を行なえるように構成されている。
次に、DCオフセットのキャリブレーション回路を有する変調回路を使用したWCDMA方式の無線通信が可能なシステムを構成する高周波ICの送信系回路の構成例を、図9を用いて説明する。
この実施例の送信系回路は、送信用の局部発振信号φTXLOを生成する発振器267、生成された発振信号φTXLOを分周する分周器268、発振信号φTXLOまたは分周器268で分周された信号を分周し互いに90°位相がずれた直交信号を生成する分周移相器232、分周移相された信号をバッファリングするバッファBFF、ベースバンド回路から入力されるI,Q信号を増幅する増幅器230a,230b、高調波を除去するロウパスフィルタLPFa,LPFb、分周移相器232からの信号と入力I,Q信号を合成して直交変調とアップコンバートを同時に行なう変調器233a,233b、該変調器233a,233b内のDCオフセットをキャンセルするキャリブレーション回路231、変調後の信号をベースバンド回路から供給される出力レベル指示信号Vctlに応じて増幅するリニア可変増幅器RFVGAa,RFVGAb,RFVGAcなどから構成されている。
変調器233a,233bは、ベースバンドの周波数帯のI,Q信号を直接送信周波数の信号に変換可能なダイレクトアップコンバージョン方式の変調回路として構成されている。また、この実施例の送信系回路は、1920〜1980MHz帯(band1)、1850〜1910MHz帯 (band2)、824〜849MHz帯 (band5)を扱えるトリプルバンドの送信系回路として構成されている。
そのため、局部発振信号φTXLOを生成する発振器267は、各バンドに応じて3840〜3960MHz、3700〜3820MHz、3296〜3396MHzの発振信号φTXLOを生成する。そして、低周波のband5のときは分周器268をバイパスさせるスイッチSWはオフしてφTXLOを4分周して変調器233a,233bへ供給し、高周波のband1及びband 2のときは分周器268をスイッチSWはオンしてφTXLOをバイパスさせ、2分周して変調器233a,233bへ供給するように制御される。
図10(A)には、GSM方式の信号送信の際の変調器233a,233bのキャリブレーションのタイミングが示されている。また、図10(B)には、図9の送信系回路におけるWCDMA方式の信号送信の際の変調器233a,233bのキャリブレーションのタイミングが示されている。図10(A)において、"Rx"は受信スロット、"Tx"は送信スロットである。周知のように、GSM方式はTDMA方式であり、送信と受信は時分割で別々に行なわれる。一方、WCDMA方式の無線通信では送信と受信が並行して行なわれる。そのため、図10(B)のように、送信開始前に1回だけキャリブレーションが実行される。
GSM方式の際には、前述したように、例えば送信開始を指令するコマンドに基づいてキャリブレーションを行なうように回路を構成することが考えられるが、その場合には、図10(A)に示すように、各送信スロット"Tx"の直前にキャリブレーションが実行される。
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものでない。例えば図9に破線で示すように温度検出回路270を設けておいて、1度キャリブレーションを行なったなら、それ以降はベースバンド回路から送信開始コマンドを受けかつ温度が所定以上になった場合にのみキャリブレーションを行なうようにすることも可能である。また、制御ロジック260内にキャリブレーション実行フラグもしくはカウンタを設けておいて、送信開始コマンド1回おきあるいは所定回数ごとにキャリブレーションを行なうように構成しても良い。
また、図1の実施例では、直交変調用のミキサ233a,233bで送信I,Q信号と合成される中間周波数の信号φIFを、RFVCO262により生成された発振信号φRFからIF用分周器264で分周して生成するようにしているが、中間周波数の信号φIFを発生するVCOとシンセサイザとからなるPLL回路を別途設けて生成するようにしても良い。
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野である携帯電話機のような無線通信システムに用いられる高周波ICにおける送信用変調回路に適用したものについて説明したが、それに限定されず、無線LAN用の高周波ICその他、受信信号や送信信号の周波数変換や変復調を行なう回路に適用することができる。
本発明を適用した通信用半導体集積回路(高周波IC)とそれを用いた通信システムの一例を示すブロック図である。 実施例の高周波ICにおける変調回路とキャリブレーション回路の構成例を示すブロック図である。 図3(A)は実施例の変調回路に用いられるミキサの前段のプリアンプとDCレベルシフト回路の具体例を示す回路図、また図3(B)は本発明者らが本発明に先立って検討したプリアンプとDCレベルシフト回路の例を示す回路図である。 図4(A)は図3(A)の回路を用いたDCオフセット電圧の大きい変調回路のキャリアリーク特性を示す特性図、図4(B)は図3(B)の回路を用いたDCオフセット電圧の小さい変調回路のキャリアリーク特性を示す特性図である。 実施例の変調回路のキャリブレーション動作を示すタイミングチャートである。 実施例の高周波ICにおけるモード制御およびRX−PLL、TX−PLL回路のキャリブレーション並びに変調回路のキャリブレーションの手順を示すタイミングチャートである。 実施例の変調回路のキャリブレーション動作時におけるDCオフセットの変化の一例を示す説明図である。 実施例のキャリブレーション回路を適用する前と適用した後のDCオフセット電圧とキャリアリークとの関係を示すグラフである。 DCオフセットのキャリブレーション回路を有する実施例の変調回路を使用したWCDMA方式の無線通信が可能なシステムを構成する高周波ICの送信系回路の構成例を示すブロック図である。 図10(A)はGSM方式におけるキャリブレーションのタイミングを示すタイミングチャート、図10(B)は図9の高周波ICのWCDMA方式時におけるキャリブレーションのタイミングを示すタイミングチャートである。
符号の説明
200 高周波IC
210 ロウノイズアンプ
212 復調&ダウンコンバート用ミキサ
213 受信回路のゲイン制御&キャリブレーション回路
264 IF用分周回路
231 DCオフセットキャリブレーション回路
233 変調&アップコンバート用ミキサ
235 オフセットミキサ
240 送信用発振回路(TXVCO)
260 制御回路
261 基準発振回路
262 局部発振回路(RFVCO)
263 シンセサイザ
300 ベースバンド回路
400 送受信用アンテナ
410 送受信切り替え用のスイッチ
420 フィルタ
430 高周波電力増幅回路

Claims (9)

  1. 送信用ベースバンド信号と搬送波信号とを合成して送信信号を形成するミキサを有する変調回路と、
    該変調回路において前記送信用ベースバンド信号が供給される前記ミキサの差動入力の両入力端子を等電位に制御するとともに前記ミキサの前記差動入力に前記搬送波信号が入力されないように前記搬送波信号の入力を遮断した状態で前記送信信号が形成される前記ミキサの差動増幅出力の電位差をコンパレータによって検出して、該コンパレータの検出結果に基づいて前記ミキサの前記差動入力の電位を変化させることにより、前記差動増幅出力の前記電位差を減少させるキャリブレーション回路とを備えること特徴とする通信用半導体集積回路。
  2. 前記キャリブレーション回路による前記電位差の検出および前記電位差の減少が、外部から供給される所定のコマンドに応答して実行されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の通信用半導体集積回路。
  3. 時間的に連続した複数のタイムスロットからなるフレームを単位として送信を行ない、前記キャリブレーション回路による前記電位差の検出および前記電位差の減少は、前記フレーム内の送信用タイムスロットの送信準備期間に実行されるように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通信用半導体集積回路。
  4. 前記キャリブレーション回路による前記電位差の検出を前記送信タイムスロットの送信準備期間の前半で行ない、送信準備期間の後半で検出結果に基づく前記電位差の減少を行なうように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の通信用半導体集積回路。
  5. 前記フレームに複数の送信用タイムスロットが含まれる場合に、前記キャリブレーション回路による前記電位差の検出および前記電位差の減少が、前記複数の送信用タイムスロットのそれぞれの送信準備期間ごとに実行されるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の通信用半導体集積回路。
  6. 受信信号と搬送波信号とを合成して受信用ベースバンド信号を形成するミキサを有する復調回路をさらに有し、前記変調回路と前記復調回路が同時に動作して送信処理と受信処理を並行して実行可能に構成され、送受信処理の前に前記キャリブレーション回路による前記電位差の検出および前記電位差の減少を1度だけ実行するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の通信用半導体集積回路。
  7. 前記変調回路は、前記送信ベースバンド信号としての差動入力信号を増幅する初段増幅回路と、該初段増幅回路により増幅された増幅信号のDCレベルをシフトするDCレベルシフト回路と、該DCレベルシフト回路によってシフトされた信号と前記搬送波信号とを合成して前記送信信号を形成する前記ミキサとから構成され、前記初段増幅回路はMOSトランジスタとNPNバイポーラトランジスタとにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の通信用半導体集積回路。
  8. 前記変調回路の前記ミキサは、1つの下段差動トランジスタ対と、第1の電源電圧端子と第2の電源電圧端子との間に前記下段差動トランジスタ対の各トランジスタと直列形態をなすように接続された2つの上段差動トランジスタ対とからなり、前記下段差動トランジスタ対の入力端子に前記送信用ベースバンド信号が入力され、前記2つの上段差動トランジスタ対の入力端子に互いに位相が90°ずれた搬送波信号が入力可能に構成され、前記キャリブレーション回路による前記電位差の検出の際に、前記搬送波信号の前記入力が遮断され前記2つの上段差動トランジスタ対の一方のトランジスタの入力端子に第1の直流電圧が印加され、他方のトランジスタの入力端子に前記第1の直流電圧よりも高い第2の直流電圧が印加されるように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の通信用半導体集積回路。
  9. 前記変調回路の前記ミキサは、ゲイン切り替え可能に構成され、前記キャリブレーション回路による前記電位差の検出の際は、前記送信用ベースバンド信号と前記搬送波信号とが入力されて変調を行なう際よりもゲインが高く設定されることを特徴とする請求項8に記載の通信用半導体集積回路。
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