JP4580512B2 - Icカード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICカードおよび携帯電話端末およびそれらを利用したマルチポイントアップシステムに関する。
【0002】
【従来技術】
購買金額や利用回数等に応じて顧客に得点を与えるポイントによる顧客固定化手法は広く行われている。しかし各店(各小売り事業者)毎の個別のポイントシステムであるため、顧客は複数のポイントカードを携帯し利用する店に応じて使い分ける必要がある。複数の店(小売り事業者)が共通のポイントシステムを採用して多数の店で1つのポイントカードが使える場合や、クレジットカード会社の行うポイントシステムの場合には、複数の店で共通のポイント加算方式をとることになるが、その場合には、店毎に異なるポイント加算方式をとることは普通できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
共通のポイントシステムを用いるが、ポイント加算方式に関して各店に一定の自由度を許す方式が望まれている。例えば、ある店では千円につき10ポイントを与えるのに対し、他の店では百円毎に1ポイントずつ与えたい場合がある。また、スポーツや音楽興行のチケット販売の場合には、チケット購入時点ではなく当日会場に入場した時点でポイントを付与したいという場合がある。
【0004】
また、顧客の購買意欲を引き出すために、年齢や性別など顧客の属性に応じてポイント加算ルールを変えたり、購入する商品に応じてポイント加算ルールを変えたり、これらのポイント加算ルールの設定変更を店毎に、あるいはまた期間限定で行うことができるような、顧客の多様な嗜好やニーズ、店側の販促企画等に対応できる柔軟できめ細かな運用が可能なポイントシステムが望まれている。
【0005】
さらに近年、インターネットやモバイルデータ通信などの通信インフラストラクチャの発達が目覚しい。このような通信インフラストラクチャの発達を効果的に利用した利便性の高いポイントシステムの実現も望まれている。
【0006】
本発明は以上のような問題点を考慮してなされたものであり、複数の店で複数のポイント加算ルールを設定可能なポイントカードとして用いることができるICカードを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、店舗における商品の購入金額に応じて付与されるポイントをデータメモリに蓄積するポイントカードとして用い、かつ、少なくともカード所有者の識別情報と、カードの正当性を証明する情報と、が前記データメモリに記憶されているICカードであって、前記ICカードのデータメモリに、利用者が前記ICカードを提示して商品を購入する際、リーダーライター装置より購入金額等を示す取り引き内容情報と、ポイント加算ルールを識別するポイント加算情報を受取り、前記取り引き内容情報に基づき、前記ポイント加算情報で指定されたポイント加算ルールに従って累積ポイントを計算するポイント合算集計手段として動作する実行形式プログラムがインストールされており、前記ポイント加算情報は、取引き内容情報の金額データに基づいて、ポイント加算情報で指定されたポイント加算ルールにしたがって今回の加算ポイントを計算し、これを、データメモリに記録されている累積ポイントに即座に加えて新しい累積ポイントとする即座のポイント加算処理を行うか、受け取った取引き内容情報とポイント加算情報を、データメモリの適当な領域に一時記録する保留のポイント加算処理を行うか、受け取った取引き内容情報に含まれている内容を手がかりにデータメモリを検索し、前記保留のポイント加算処理を行った時に一時記録した取引き内容情報とポイント加算情報を読み出し、これらの情報に基づいて新しい累積ポイントを得る入場のポイント加算処理を行うかのいずれかを指定する制御フラグ部分を含み、前記ポイント合算集計手段は、前記ICカードがリーダーライター装置から取引き内容情報、前記ポイント加算情報を受信した際に、前記ポイント加算情報が前記即座のポイント加算処理を行うことを要求するものである時は、その場で前記取り引き内容情報に基づき、前記ポイント加算情報で指定されたポイント加算ルールに従って今回の加算ポイントを計算し、これを、データメモリに記録されている累積ポイントとし、前記ポイント加算情報が前記保留のポイント加算処理を行うことを要求するものである時は、前記ポイント加算情報と取り引き内容情報を該ICカードのデータメモリに一旦記録し、保留処理が終わったことを前記リーダーライター装置に通知する処理を行い、前記ポイント加算情報が前記入場のポイント加算処理を行うことを要求するものである時は、受取った取引き内容情報に対応する該ICカードのデータメモリに記憶されていた取引き内容情報とポイント加算情報に基づいて累積ポイントを計算することを要旨とする。
【0026】
RW装置20は、実際には様々な形態のICカード対応の端末装置であることが考えられる。ICカードリードライトインターフェースを備え、ICカードとの間のコマンドプロトコルを解釈実行する処理手段(通常はソフトウエアで実現される)を備えた店舗のPOS端末やデスクトップコンピュータ、携帯型コンピュータ等である。
【0027】
まず本発明の第1の実施形態に係るポイントアップシステム1について説明する。図8は、第1の実施形態の全体を説明するブロック図である。まず、ポイントアプリケーション登録前のICカード10は、店舗のRW装置21により、ポイント合算集計手段18として動作する実行形式プログラムをデータメモリ15にインストールされる。同時に利用者(カード所有者)の識別情報と、カードの正当性を証明する情報もデータメモリ15に記録される。図8の店舗RW装置21aは、そのような登録に必要な機能を備えたRW装置21であることを表している。このようにして必要なプログラムとデータを登録されたICカードはICポイントカード11となる。
【0028】
図3は、店舗RW装置21とICポイントカード11のデータのやり取りと処理の流れを説明するフローチャートである。次に、図3にしたがってポイント合算集計手段18の処理動作を説明する。
【0029】
RW装置21にICポイントカード11が挿入されると、まずRW装置21はカードの有効性をチェックするコマンドを発行する(S10)。ICポイントカード11はこのコマンドを受けて、カード所有者の識別情報などカードに記録されている正当性を証明するデータを返答する(S20)。次に、RW装置21はポイントアプリケーションを行うことを指示するコマンドを発行する(S12)。ICポイントカード11は、このコマンドを受付けて、ポイント合算集計手段18を実行するために必要な初期化等を行う(S22)。次にRW装置21は、カード所有者がその店で購入した商品、金額にしたがって、取引き内容情報、ポイント加算情報を作成してICポイントカード11に送信する(S14)。
【0030】
ここで、取引き内容情報とは、購入金額と内容を含む。内容とはポイントアップシステムが必要とする購入した物を特定する情報である。また、ポイント加算情報とは、制御フラグと加算ルール識別情報を含む。制御フラグとは、ポイント加算を即座に行う場合(加算)、時間差を設けたポイント加算を行う場合(保留)、保留した情報に基づきポイント加算する場合(入場)のいずれかを指定する。加算ルール識別情報とは、ポイント加算ルールを識別する情報である。例えば千円毎に10ポイント加算するのか、100円毎に1ポイントずつ加算するのかなどの加算方法を指定する。店(事業者)ごとに、どのようなポイント加算ルールを用いるかを決めておく。
【0031】
ICポイントカード11は、取引き内容情報、ポイント加算情報を受取り、制御フラグにしたがって、必要な処理を行う。すなわち、制御フラグが「加算」であった場合は即座にポイント加算処理を行う。取引き内容情報の金額データに基づいて、ポイント加算情報で指定された加算ルールにしたがって今回の加算ポイントを計算し、これを、データメモリ15に記録されている累積ポイント値に加えて新しい累積ポイントとする(S26)。
【0032】
制御フラグが「保留」であった場合は、受付けた取引き内容情報とポイント加算情報を、データメモリ15の適当な領域に一時記録する(S29)。
【0033】
制御フラグが「入場」であった場合は、受付けた取引き内容情報に含まれている内容を手がかりにデータメモリ15を検索し、保留時に一時記憶した取引き内容情報とポイント加算情報を読み出し、これらの情報に基づいて新しい累積ポイント値を得る(S28)。尚、「入場」の時にICポイントカード11に送付される取引き内容情報の中には有効な金額データは含まれていない。保留した取引き内容を特定するのに必要な情報だけがICポイントカード11に通知される。
【0034】
制御フラグが「加算」または「入場」であった場合は、累積ポイントが更新されたので、処理が終ったことを伝えるため、更新前後の累積ポイントをRW装置21に通知する。制御フラグが「保留」の場合は、保留処理が終ったことをRW装置21に通知する。このとき現在の累積ポイント値を送ってもよい。RW装置21は、これらの通知を受けて、オペレータの確認このためにこれを表示部に表示して(S16)、カード11を排出する(S18)。
【0035】
以上説明した、ステップS24、S26、S28、S29の各処理がポイント合算集計手段18の行う動作である。
【0036】
図8に戻る。以上説明したようなポイント合算集計手段18を搭載したICポイントカード11を用いれば、店で何かを購入して即座にポイント加算する、時間差を設けてポイント加算させるため、必要な情報を一時記憶させておく、保留した情報に基づいてポイント加算を実行する、といったポイントアップシステム1が実現される。図8はそのようなポイントアップシステムの流れを示している。ICポイントカード11の所有者は、店舗での商品購入、チケット購入、イベント会場への入場を繰り返し、ポイントが一定の点数貯まったら店舗のRW装置21e(ポイントクリア機能を備えたRW端末21)で一定数のポイントを商品券やその他の特典と交換することができる。
【0037】
以上説明したポイントシステム1において、制御フラグに「加算+保留」の意味のフラグを加えて、購入時にポイント加算処理を行った後、取引き内容情報とポイント加算情報をデータメモリ15に記憶し、後に、このカードが「入場」の制御フラグを受ける時にもポイント加算を行うように実現することもできる。ポイント合算集計手段18をそのように構成すればよい。
【0038】
このように、ポイントアップシステム1では、ICポイントカード11に搭載するポイント合算集計手段18の機能次第でいろいろなポイント加算ルールを実施させることが可能である。ポイント加算する時に顧客のある属性の値により加算点数を変えるようにプログラムしておくこともできる。したがって必要に応じて店舗RW装置21aや店舗RW装置21eにて、ICポイントカード11に新しいポイント合算集計手段18をインストールしたり、カード所有者の属性記録を変更させることにより、ポイント加算ルールを変更することが可能である。例えば、店舗RW装置21eにてポイントクリアするときに、ICポイントカード11内の顧客の特定の属性情報を変更させて、それ以後は、優良顧客としてさらに優遇されたポイント加算ルールを適用させる、などが可能である。
【0039】
また、店舗RW装置21が発生させる取引き情報の中に、販促キャンペーン対象商品など、ある特定の商品が購入されたかどうかを明確に区別できる値を含ませることにより、キャンペーン対象商品を購入した場合はポイント加算を2倍にするなどのポイント加算ルールを実施させることも可能である。例えば店舗RW装置21が、取引き情報の内容データとして購入商品のJANコードを含んだデータを与えることでこのようなポイントシステムが実現できる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施形態に係るポイントアップシステム2を説明する。
図9は、第2の実施形態の全体の運用の流れを説明するブロック図である。まず、ポイントアプリケーション登録前のICカード10は、店舗のICカードリードライト装置(以下店舗RW装置)22aにより、ポイント管理手段19として動作する実行形式プログラムをデータメモリ15にインストールされる。同時に利用者(カード所有者)の識別情報と、カードの正当性を証明する情報もデータメモリ15に記録される。図9の店舗RW装置22aは、そのような登録に必要な機能を備えたRW装置22であることを表している。このようにして必要なプログラムとデータを登録されたICカードはICポイントカード12となる。第1の実施形態では、ICポイントカード11がポイント合算集計手段18を搭載することにより、ICカード内部でポイント加算処理を行っていたが、これに対して、第2の実施形態では、ICポイントカード12は、ポイント値(複数のポイントシステムに応じた複数のポイント値)を適切に管理するだけであり、ポイント加算処理自体は店舗RW装置22の側で行われる。
【0041】
図4から図7の各図は、店舗RW装置22とICポイントカード12のデータのやり取りと処理の流れを説明するフローチャートである。以下にこれらの図にしたがって、本発明の第2の実施形態に係るポイントアップシステム2の働きを説明する。
【0042】
RW装置22にICポイントカード12が挿入されると、まずRW装置22はカードの有効性をチェックするコマンドを発行する(S40)。ICポイントカード12はこのコマンドを受けて、正当性を証明するデータを返答する(S60)。次に、RW装置22はポイントアプリケーションを行うことを指示するコマンドを発行する(S42)。ここまでの動作は、図3の対応する処理ステップと同じである。ICポイントカード12は、このコマンドを受付けて、ポイント管理手段19を実行するために必要な初期化等を行う(S62)。次にRW装置22は、カード所有者がその店で購入した商品、金額にしたがって、制御フラグ、取引き内容情報、ポイントシステム識別番号を作成してICポイントカード12に送信する(S44)。
【0043】
ここで、取引き内容情報は、ポイントアップシステム1(実施形態1)の場合と同じく、購入金額と内容を含む情報である。制御フラグは、ポイント加算を即座に行う場合(加算)、時間差を設けたポイント加算を行う場合(保留)、保留した情報に基づきポイント加算する場合(入場)のいずれかを指定するフラグであり、これも実施形態1の場合と同じ意味のフラグである。ポイントシステム識別番号は、現在RW装置22を使っている店が扱うポイントシステムを特定する識別番号である。ICポイントカード12は、複数のポイントシステムに対応した複数のポイント値を1つのカードで管理する。
【0044】
ICポイントカード12は、制御フラグ、取引き内容情報、ポイントシステム識別番号を受取る(S64)。制御フラグが「加算」の場合は、図5に示すように、即座にポイントシステム識別番号で指定された累積ポイント値を現在のポイント値としてRW装置22に送出する(S66)。RW装置22は、顧客の購入した金額や購入内容から加算ポイント値を計算し、ポイント値に加える(S48)。そして新しいポイント値をICポイントカード12に送付する(S50)。
ICポイントカード12は、新しいポイント値を受け、元のポイント値の記憶領域に上書きする(S68)。そして、ポイント更新処理が終了したことをRW装置22に知らせて(S70)、一連の処理が終る(S52)。尚、「加算」の場合には、ステップS44で、ICポイントカード12に送られる情報のうち、取引き内容情報は必要無いので、無効なデータとするか省略してよい。
【0045】
制御フラグが「保留」の場合は、図6に示すように、受付けた取引き内容情報とポイントシステム識別番号をデータメモリ15の適当な領域に一時記憶する(S67)。そして、終了通知をRW装置22に返し(S69)、一連の処理が終る(S52)。
【0046】
制御フラグが「入場」であった場合は、図7に示すように、ポイントシステム識別番号で指定された累積ポイント値と、受付けた取引き内容に合致する一時記憶した情報から、購入金額など必要なデータをRW装置22に送付する(S65)。RW装置はそれらのデータを受け(S47)、加算ポイントを計算し(S49)、新しい累積ポイント値をICポイントカード12に送付する(S50)。
ICポイントカード12は、新しいポイント値を受け、元のポイント値の記憶領域に上書きする(S68)。そして、ポイント更新処理が終了したことをRW装置22に知らせて(S70)、一連の処理が終る(S52)。尚、「入場」の時にICポイントカード12に送付される取引き内容情報の中には有効な金額データは含まれていない。保留した取引き内容を特定するのに必要な情報だけがICポイントカード12に通知される。
【0047】
RW装置22は、ステップS52の後、カード12を排出して(S18)一連の処理を終了する。以上説明した、ステップS64〜S70の処理がポイント管理手段19の行う動作である。
【0048】
図9に戻る。以上説明したようなポイント管理手段19を搭載したICポイントカード12を用いれば、店で何かを購入して即座にポイント加算する、時間差を設けてポイント加算させるため必要な情報を一時記憶させておく、保留した情報に基づいてポイント加算を実行する、といったポイントアップシステム1と同様な特徴をもつポイントアップシステム2が実現される。図9はそのようなポイントアップシステムの流れを示している。ICポイントカード12の所有者は、店舗での商品購入、チケット購入、イベント会場への入場を繰り返し、ポイントが一定の点数貯まったら店舗のRW装置22e(ポイントクリア機能を備えたRW端末22)で一定数のポイントを商品券やその他の特典と交換することができる。
【0049】
ポイントアップシステム1とポイントアップシステム2の比較を行う。ポイントアップシステム1では、ポイント合算集計処理はICカード内部で行うので、RW装置21のポイントアップ支援処理機能は単純なものでよい。ICカード内部のポイントアップ合算集計手段18の機能次第で、多様できめ細かなポイントアップシステムを実現できる。ただし、カード作成後にポイント加算ルールの変更を行いたい場合は何らかの方法でカード11のプログラムまたはデータの書換えが必要である。一方、ポイントアップシステム2では、1回限りの販促キャンペーンのため期間限定でポイント加算ルールを変更する場合などは、店舗RW装置22のソフトウエアを変更するだけで済み、顧客のカードに何ら変更を施す必要が無い。これは小規模な店の場合には都合がよい。また、ICポイントカード12では、複数のポイント値を、それぞれのポイントシステムで管理するので、店毎に、ポイント還元レート(1ポイントに必要な標準購入金額)を自由に設定できる。
【0050】
また、ICポイントカード12では、店舗RW装置22のソフトウエア次第でいろいろなポイント加算ルールを実施させることが可能である。ポイントアップシステム1と同様に、制御フラグに「加算+保留」の意味のフラグを加えて、購入時にポイント加算し、さらに、このカードが「入場」の制御フラグを受ける時にもポイント加算を行うように実現することもできる。店舗RW装置22と、ICポイントカード12のポイント管理手段をそのように構成すればよい。あるいは、ICポイントカード12に所有者識別番号のほかに、年齢性別などカード所有者の属性を入れておき、カードの有効性チェック時にこれらの属性データもRW装置22が入手するようにしておけば、店舗RW装置22のソフトウエア次第でカード所有者の属性に応じてポイント加算ルールを変えることが可能である。
【0051】
次に本発明の第3の実施形態に係るポイントアップシステム3について説明する。図10は、ポイントアップシステム3の概要図である。ポイントアップシステム3は、ICポイントカード11または12を搭載した携帯電話端末90によりネットワーク上での商品の購入にも対応させたポイントアップシステムである。実際に携帯電話端末90に搭載するのは通常のICカードよりも小さいサイズのICカード(以下ミニICカードと記す)11eまたは12eである。11eまたは12eは、アダプタカードに取付けることにより通常のICカードサイズのICポイントカード11または12となるものである。
【0052】
ミニICカード、および、ミニICカードを通常のICカードサイズとして利用するためのアダプタカードは既存技術であり、例えば特開平10−143570号公報に、外観図とともに詳しい記載がなされている。あるいはミニICカードとしてSIM(Subscriber Identify Module)カードと称するカードを用いてもよい。
【0053】
携帯電話からインターネットにアクセスすることができるモバイル通信サービスは商用サービスとしてすっかり定着してきた。携帯電話サービス会社は、携帯電話のデータ回線網100とインターネット200との間にゲートウエイ110を設置し、ここで、インターネットと携帯電話データ回線網のプロトコル変換を行うことで上記サービスを提供している。このサービスを利用することにより、携帯電話ユーザーは携帯電話からインターネット上のWebサイトにアクセスして、様々な情報を得ることができる。携帯電話に搭載されている機能によっては、インターネット上での商品の購入、さらには電子決済も可能になるのである。
【0054】
図11はポイントアップシステム3で用いる携帯電話端末90を説明する図である。携帯電話端末90はミニICカードアダプタを備え、インターネットに接続してWebブラウザの動作をエミュレーションするWeb端末手段913、利用者を認証するための利用者認証手段910、ポイント表示手段912を備える。さらに、ICポイントカードとして11eを用いる場合には携帯電話端末にRW端末装置21に相当する機能を実現させるためポイントアップ支援手段911を搭載する。あるいは、ICポイントカードとして12eを用いる場合には携帯電話端末にRW端末装置22に相当する機能を実現させるためポイントアップ実行手段914を搭載する。
【0055】
次に、ICポイントカード11eまたは12eを接続した携帯電話端末により、インターネット上の店舗で商品を購入する時の処理の流れを図12のフローチャートによって説明する。以下図12では、スポーツ観戦や音楽興行のチケットを購入する場合を想定して説明する。
【0056】
まず、利用者は携帯電話端末90に記憶されたURLを発信することにより、店舗のセンターサーバー201にアクセスする。センターサーバー201は様々なイベント情報を案内する(S200)。利用者は望みの情報を検索して(S100)、チケット購入申込みを行う(S103)。このような操作は、Web端末手段913により、携帯電話端末のボタン操作がコンピュータのキー操作、マウスの操作を代行することにより可能である。センターサーバ201は購入申込みのメッセージを受けると、カードの有効性を示す証明情報(カードの登録情報)を送るよう要求する(S203)。
【0057】
上記要求を携帯電話端末90が受けると、認証支援手段910の働きにより、ICポイントカードの正当性をチェックするコマンドメッセージ(カードRW装置21または22がステップS10で発行したコマンドと同じ)をミニICカード11eまたは12eに対して発行し、このコマンドに対するレスポンスデータを、所定の方式で暗号化(スクランブル)するなどして携帯電話のデータ通信プロトコルに載せて通信センターサーバー201に転送する(S106)。カード登録情報とは、カード作成時にカード発行者(店、複数の店の集合体など)が記録した情報で、カード所有者の識別番号や個人情報(氏名、住所、電話番号等)である。センターサーバー201側はこれらの情報を受け、復号化して、カードの有効性および登録カード所有者の確認を行う(S206)。この処理は、カードRW装置21または22がステップS10で行う処理と同じである。
【0058】
ステップS206で、カードが有効であると判断がされればセンターサーバー201は、次に、申込み者がカードに登録された本人かどうかを確認するためにパスワード等の本人認証情報を要求する(S209)。利用者は携帯電話端末上で暗証番号等を入力し、認証支援手段910がこれを暗号化(スクランブル)するなどして、センターサーバー201に送付する(S109)。この後、ポイントアップ支援手段911またはポイント実行手段914が起動されその働きによりICポイントカードに対してポイントアプリケーションを行うことを指示するコマンドを発行する(S110)。センターサーバー201は、受付けたパスワードを復号化し、何らかの方法でパスワードの確認を行う。例えば、先に入手したカードの登録情報に顧客のパスワードが記録されているのであれば、それと照合する。または、顧客の暗証番号等が記録されている顧客データベースと照合する、等である。本人であることが確認されれば、センターサーバー201は、チケットの取引き情報を携帯電話端末に送信する(S215)。携帯電話端末はチケットの取引き情報を受信する(S115)。
【0059】
ICポイントカード11を使用したポイントアップシステムの場合は、ポイントアップ支援手段911の働きにより、受信した取引き情報をステップS14と同様にICポイントカード11に転送し、カード11の処理結果をステップS16と同様に受取る(S118)。ICポイントカード11では、ステップS24〜S29の処理を行い、制御フラグに従いカード11の内容を適切に更新する。
【0060】
ICポイントカード12を使用したポイントアップシステムの場合は、ポイントアップ実行手段914の働きにより、受信した取引き情報に基づいて、ICポイントカード12に送るべき制御フラグ、取引き内容情報、ポイントシステム識別番号のデータを用意し、ICポイントカード12に転送する。その後、制御フラグに従い、ポイントアップ実行手段914とICポイントカード12は、ポイントアップシステム2(実施形態2)の場合と同様、図5、図6および図7のいずれかの処理を行う(S119)。ここではポイントアップ実行手段914が、RW装置22になり代わってポイント加算処理(S48、S49)など必要な処理を行うわけである。
【0061】
以上の説明は、カードは店が発行したものという想定で述べた。尚、カードが単なるポイントカードではなくクレジットカードやデビットカードの場合で電子決済を利用する場合にも、本発明のポイントアップシステム3は対応できる。その場合には、図12のS203からS218の各ステップは、採用する電子決済サービス技術に準拠する必要がある。特にステップS206は、カードに対して信用供与するかどうかの判断を行う意味合いの処理ステップとなり、決済代行機関に対してネットワーク上で問合せを行う処理ステップを伴うことも考えられる。いずれにしてもそれはセンターサーバー側のみに関わることであり、携帯電話端末90に必要な装置構成、機能は変わらない。ただし、採用する電子決済サービス技術が提供するクライアント側のソフトウエアである携帯電話端末用の電子財布プログラムの一部が、ここで述べた認証支援手段910に対応することになろう。
【0062】
また、最後のステップS218は、電子決済で無い場合、店は購入者に対して請求書を発行し、振込用紙等を同封して郵送するが、電子決済の場合は、店は決済代行機関(クレジット会社や銀行)に代金請求を行うことになる。
【0063】
尚、ICカードアダプタとWebブラウザを備えたコンピュータ80に、このコンピュータ上で動作する、認証支援手段910、ポイントアップ支援手段911またはポイントアップ実行手段914、ポイント表示手段912を搭載すれば例えば顧客の自宅で顧客所有のコンピュータからインターネットを介して、センターサーバー201にアクセスして商品を購入しICカード11または12にポイントアップさせることも可能である。
【0064】
アプリケーションプログラム実行環境の一つであるJavaを搭載した携帯電話端末であれば、ネットワークを通じてJavaで作成されたプログラム(アプレット)をダウンロードすることにより様々な機能を携帯電話端末上に載せることができる。例えば、Javaアプレットとして作成されたポイントアップ加算手段914、ポイント表示手段912をネットワークを通じてダウンロードすることにより、ICポイントカード12を用いたポイントアップシステムへの参加登録がネットワークを通じて可能となる。また、ポイントアップ加算手段914を必要に応じてダウンロードさせることにより、期間限定の販促キャンペーンに応じたポイント加算ルールに対応させることも可能である。
【0065】
図13は、ポイントアップシステム3の実施形態のバリエーションを説明する図である。11fはミニICポイントカード11eに合算手段更新手段181を加えたカードである。携帯電話端末91はプログラム実行環境Javaを搭載した携帯電話端末で、利用者認証手段910、ポイントアップ支援手段911、ポイント表示手段912、Web端末手段913の他に、第2のダウンロード手段915が搭載されている。第2のダウンロード手段915は、ネットワークを通じてダウンロードしたICポイントカード11に搭載すべきプログラムデータを、ICポイントカード11に転送するために備えられたものである。第2のダウンロード手段915は合算手段更新手段181と連携して動作して、プログラムデータをICポイントカード11に転送する。合算手段更新手段181は、受取ったプログラムデータが以後、従来のポイント合算集計手段を実行するプログラムの代わりに動作するように適切な設定を行う。
【0066】
このような構成の携帯電話端末91とミニICポイントカード11fを用いれば、ICポイントカード11を用いたポイントアップシステムへの参加登録がネットワークを通じて可能となる。また、携帯電話端末91により必要に応じて新しいプログラムデータをダウンロードさせることにより、これをミニICポイントカード11fにインストールさせて、販促キャンペーンに応じたポイント加算ルールに対応させることが可能である。
【0067】
尚、ICカードアダプタとWebブラウザを備え、認証支援手段910、ポイントアップ支援手段911またはポイントアップ実行手段914、ポイント表示手段912を搭載たコンピュータ80が、さらにJavaプログラム実行環境、第2のダウンロード手段915を搭載していれば、インターネットを介して、センターサーバー201にアクセスしてこれらの手段を実現するプログラム(Javaアプレット)をダウンロードすることができるので、例えば顧客の自宅で顧客所有のコンピュータ上で、新しいポイントシステムへの登録や、ポイントルールの変更などを行うことも可能である。
【0068】
図14は、ポイント表示手段912のみを搭載した携帯電話端末92である。
ポイント表示手段912は、ミニICポイントカード11e、11fまたは12eを挿入した時、または既に挿入されている状態で、ボタン902により定義された番号を指定した時に、RW装置21または22がカードに記録されているポイント値を読み出す時に発行するコマンドメッセージと同じコマンドメッセージを発行し、その結果を携帯電話のディスプレイ901に表示するものである。ICカードまたは磁気カードをポイントカードとして使用する場合、ポイント数が簡単に確認できないという欠点があるが、携帯電話端末92はそのような不便さを解消する。
【0069】
【発明の効果】
以上3つの実施形態によって詳しく説明してきたように、本発明によるICポイントカードおよびこれを用いたポイントアップシステムによれば、顧客の購買意欲を引き出すために、年齢や性別など顧客の属性に応じてポイント加算ルールを変えたり、購入する商品に応じてポイント加算ルールを変えたり、時間差を設けたポイント加算を行うなど、これらのポイント加算ルールの設定変更を店毎に、あるいはまた期間限定で行うことができるような、顧客の多様な嗜好やニーズ、店側の販促企画等に対応できる柔軟できめ細かな運用が可能なポイントシステムを提供することが可能である。
【0070】
また、ポイントシステムへの参加登録や商品購入に伴うポイント加算を携帯電話端末からネットワークを通じて行うことができるポイントアップシステムを提供することが可能となる。このような近年のモバイル通信インフラストラクチャの発達を効果的に利用した利便性の高いポイントシステムは、顧客の新しいニーズにきめ細かく対応できるので、顧客固定化効果が大いに期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ICカード構成図である。
【図2】ICカード処理フロー図である。
【図3】ICカードとカードリーダーライター装置の動作フロー図。
【図4】ICカードとカードリーダーライター装置の動作フロー図。
【図5】ICカードとカードリーダーライター装置の動作フロー図。
【図6】ICカードとカードリーダーライター装置の動作フロー図。
【図7】ICカードとカードリーダーライター装置の動作フロー図。
【図8】ポイントアップシステム1の概要図である。
【図9】ポイントアップシステム2の概要図である。
【図10】ポイントアップシステム3の概要図である。
【図11】携帯電話端末の構成図である。
【図12】携帯電話端末とセンターサーバーの動作フロー図である。
【図13】携帯電話端末の構成図である。
【図14】携帯電話端末の構成図である。
【符号の説明】
10 ICカード
11 ポイントアップシステム1用ICポイントカード
12 ポイントアップシステム2用ICポイントカード
18 ポイント合算集計手段
181 合算手段更新手段
19 ポイント管理手段
20 カードリーダーライター装置
21 カードリーダーライター装置
22 カードリーダーライター装置
80 コンピュータ
90 携帯電話端末
91 携帯電話端末
92 携帯電話端末
100 携帯電話データ回線網
110 携帯電話データ回線網とインターネット間のゲートウエイ
111 携帯電話基地局
200 インターネット
201 センターサーバー
910 認証支援手段
911 ポイントアップ支援手段
912 ポイント表示手段
913 Web端末手段
914 ポイントアップ加算手段
915 第2のダウンロード手段
Claims (1)
- 店舗における商品の購入金額に応じて付与されるポイントをデータメモリに蓄積するポイントカードとして用い、かつ、少なくともカード所有者の識別情報と、カードの正当性を証明する情報と、が前記データメモリに記憶されているICカードであって、
前記ICカードのデータメモリに、利用者が前記ICカードを提示して商品を購入する際、リーダーライター装置より購入金額等を示す取り引き内容情報と、ポイント加算ルールを識別するポイント加算情報を受取り、前記取り引き内容情報に基づき、前記ポイント加算情報で指定されたポイント加算ルールに従って累積ポイントを計算するポイント合算集計手段として動作する実行形式プログラムがインストールされており、
前記ポイント加算情報は、取引き内容情報の金額データに基づいて、ポイント加算情報で指定されたポイント加算ルールにしたがって今回の加算ポイントを計算し、これを、データメモリに記録されている累積ポイントに即座に加えて新しい累積ポイントとする即座のポイント加算処理を行うか、受け取った取引き内容情報とポイント加算情報を、データメモリの適当な領域に一時記録する保留のポイント加算処理を行うか、受け取った取引き内容情報に含まれている内容を手がかりにデータメモリを検索し、前記保留のポイント加算処理を行った時に一時記録した取引き内容情報とポイント加算情報を読み出し、これらの情報に基づいて新しい累積ポイントを得る入場のポイント加算処理を行うかのいずれかを指定する制御フラグ部分を含み、
前記ポイント合算集計手段は、前記ICカードがリーダーライター装置から取引き内容情報、前記ポイント加算情報を受信した際に、前記ポイント加算情報が前記即座のポイント加算処理を行うことを要求するものである時は、その場で前記取り引き内容情報に基づき、前記ポイント加算情報で指定されたポイント加算ルールに従って今回の加算ポイントを計算し、これを、データメモリに記録されている累積ポイントとし、前記ポイント加算情報が前記保留のポイント加算処理を行うことを要求するものである時は、前記ポイント加算情報と取り引き内容情報を該ICカードのデータメモリに一旦記録し、保留処理が終わったことを前記リーダーライター装置に通知する処理を行い、前記ポイント加算情報が前記入場のポイント加算処理を行うことを要求するものである時は、受取った取引き内容情報に対応する該ICカードのデータメモリに記憶されていた取引き内容情報とポイント加算情報に基づいて累積ポイントを計算することを特徴とするICカード。
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