JP4579509B2 - 香料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はpH1〜5の毛髪化粧料に配合した場合でも、酸臭に対するマスキング効果が高く、高温での長期保存安定性も良好なで、かつ毛髪化粧料が充填されたボトルからの香り立ちが良く、毛髪化粧料の使用時に香り立ちが良く、さらに使用後の残香性に優れた香料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の毛髪化粧料は、通常、pHが中性領域にあり、酸はほとんど配合されていないため、基剤による酸臭の問題は発生しなかった。また毛髪化粧料に配合される香料も酸性領域における安定性は問題にされなかった。
【0003】
近年、消費者のニーズの変更に伴い、機能付与のために毛髪化粧料を酸性領域にする開発が行われている。酸性毛髪化粧料は独特の酸臭が生じる。そのため、このような酸性の毛髪化粧料の基剤の臭いに対するマスキングが必要になった。
【0004】
一方、酸性の毛髪化粧料は、低いpHであるために、従来の毛髪化粧料に配合された香料をそのまま配合すると、臭いのバランスが崩れ、異臭が発生するという問題が生じていた。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−143453号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、酸性の毛髪化粧料独特の臭いをマスキングでき、かつ長期安定性にも優れた香料組成物を提供し、さらに、毛髪化粧料が充填されたボトルからの香り立ちが良く、毛髪化粧料の使用時に香り立ちが良く、さらに使用後の残香性に優れた香料組成物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、種々検討したところ、一定量のムスク類と特定の化学構造を有する成分とを組み合せると、酸性の毛髪化粧料独特の臭いをマスキングでき、かつ長期安定性にも優れた香料組成物が得られることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B)、又は(A)及び(C)、又は(A)、(B)及び(C)を含有し、pH1〜5の毛髪化粧料に配合される香料組成物を提供するものである。
(A)ムスク類 0.1〜70質量%、
(B)下記(i)〜(v)から選ばれる化合物の1種以上 0.001〜80質量%
(i)式(1)
【0009】
R1−COOR2 (1)
【0010】
(式中、R1は炭素数2〜14の炭化水素基であって、炭素−炭素結合の間に酸素原子又は窒素原子が挿入されていてもよい直鎖、分岐鎖又は環状の基を示し;R2は炭素数1〜15の炭化水素基であって、炭素−炭素結合の間に酸素原子又は窒素原子が挿入されていてもよい直鎖、分岐鎖又は環状の基を示す)
で表される化合物、
(ii)式(2)
【0011】
R3−COOR4 (2)
【0012】
(式中、R3は水素原子又はメチル基を示し;R4は式(2)中のエステル基のエーテル結合のα−炭素又はβ−炭素が分岐鎖を有する炭化水素基又は環状炭化水素基を示す)
で表される化合物、
(iii)総炭素数5〜14のラクトン類、
(iv)環状又は鎖状骨格を有する総炭素数5〜14のケトン化合物、
(v)総炭素数5〜14のアルデヒド類、
(C)総炭素数5〜15の炭化水素 0.01〜90質量%。
また、本発明は、上記香料組成物を含有するpH1〜5の毛髪化粧料を提供するものである。
【0013】
一方、pH1〜5の酸性の毛髪化粧料における香料組成物においては、基剤に由来する酸臭をマスキングし、長期の保存安定性が良好なことは基本事項として重要である。更に消費者が毛髪化粧料を快く使用でき、かつ商品の魅力を高めるためには、次の3つの場面の香りが良好であることが重要である。
1.店頭でのブランドの重要な選択要因の一つとなる、ボトル口での香りが良好なこと。
2.毛髪化粧料の使用時に良好な香りがすること。
3.使用後の毛髪に残った香りが適度な強さで、良好なこと。
【0014】
本発明は、次の成分(E)、(F)及び(G)から選ばれる少なくとも2種以上を含有し、前記成分(E)の含有量は、香料組成物中の10質量%〜70質量%であり、前記成分(F)の含有量は、香料組成物中の5質量%〜60質量%であり、前記成分(G)の含有量は香料組成物中の10質量%〜60質量%であるpH1〜5の毛髪料用香料組成物である。
【0015】
(E)α−アミルシンナミックアルデハイド、アセトフェノン、デカナール、ウンデカナール、ウンデセナール、ドデカナール、2−メチルウンデカナール、オクタナール、ノナナール、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、フェノキシ酢酸アリル、アニスアルデハイド、酢酸アニシル、アニシルアセトン、ボルネオール、3−(p-tert-ブチルフェニル)−プロパナール(Quest社商品名:ブージョナール)、7−メチル−3,5−ジヒドロ−2H−ベンゾジオキセピン−3−オン(Pfizer社商品名:カロン)、酢酸シンナミル、シス4−デセナール、シスジャスモン、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、ドデカンニトリル(IFF商品名:クロナール)、2−メチル−3−(イソプロピルフェニル)−プロパナール(シクラメンアルデヒド)、ジヒドロジャスモン、メチルジヒドロジャスモネート、ジヒドロミルセノール、トリシクロデシリデン−4−ブタナール(Quest社商品名:デュピカール)、エチル 2-シクロヘキシルプロピオネート(花王社商品名:ポアレネート)、エチル 2,6,6−トリメチル−1,3−シクロヘキサジエン−1−カルボキシレート(Quest社商品名:エチルサフラネート)、イソ吉草酸エチル、エチルリナロール、エチルバニリン、オイゲノール、6−エチリデンオクタヒドロ−5,8−メタノ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン(Firmenich社商品名:フロレックス)、エチル トリシクロデカン-2-イル カルボキシレート (花王社商品名:フルテート)、フラネオール、エチル−3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル)−3−メチルグリシデート(Firmenich社商品名:グリコメル)、2−メチル−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−プロパナール(IFF社商品名:ヘリオナール)、シス−3−ヘキセニルメチルカーボネート(IFF社商品名:リファローム)、2−メチル−3−(4−tert−ブチルフェニル)−プロパナール(Givaudan社商品名:リリアール)、4(3)−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド(IFF社商品名:リラール)、メチルアンスラニレート、メチル β−ナフチルケトン、4(3)−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド(IFF社商品名:マイラックアルデヒド)、2−(2−(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イル)プロピル)シクロペンタノン(Givaudan社商品名:ネクタリル)、ヌートカトン、フェニルアセトアルデハイド、2−シクロヘキシルプロパナール(花王社商品名:ポレナールII)、8−メトキシトリシクロデカンー4−カルボキシアルデハイド(Firmenich社商品名:センテナール)、チモール、トランス2−デセナール、トランス2−ヘキサナール、酢酸トリシクロデセニル、プロピオン酸トリシクロデセニル、1−アセチル−2,6,10−トリメチルシクロドデカ−2,5,9−トリエン(IFF社商品名:トリモフィクス)、バニリン
【0016】
(F)1−オクテン−3−イルアセテート、2,5−デカジエナール、2,4−オクタジエナール、2,6−ノナジエナール、2−メチル−4−プロピオネート1,3−オキサチアン、2−メチル酪酸2−メチルブチル、イソ吉草酸2−メチルブチル、枯草酸2−メチルブチル、アセチルセドレン[エタノン,1−(2,3,4,7,8,8a−ヘキサハイドロ−3,6,8,8−テトラメチル−1H−3a,7−メタノアズレン−5−イル)−]、α−ダマスコン、ヘキサノール、ヘキサナール、ヘプタナール、アリルヨノン、ヘプタン酸アリル、ヘキサン酸アリル、α−ピネン、α−ターピネン、β−ダマスコン、ベンズアルデハイド、ベンジルアセテート、プロピオン酸ベンジル、カンファー、2−メチル−3−(パラ−メトキシフェニル)−プロピルアルデハイド(IFF社商品名:カントキサール)、セドレン、3−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルバルデハイド(Quest社商品名:クリサンタール)、シンナミックアルコール、シス3−ヘキセノール、プロピオン酸シス3−ヘキセニル、シスジャスモン、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルニトリル、リモネンのチオール付加体又は置換体(例としてProdasynth社商品名:コープスパンプルムス)、シクロペンチリデン酢酸メチル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、1−(2,6,6−トリメチルー1,3−シクロヘキサジエンー1−イル)−2−ブテンー1−オン(Firmenich社商品名:ダマセノン)、1−(2,6,6−トリメチル−3−シクロヘキセンー1ーイル)−2−ブテンー1−オン(IFF商品名:デルタダマスコン)、ジヒドロジャスモン、エチルマルトール、トリメチルヘキサン酸エチル、2−メチル酪酸エチル、酪酸エチル、ヘプタン酸エチル、ヘキサン酸エチル、ノナン酸エチル、オクタン酸エチル、プロピオン酸エチル、枯草酸エチル、フェンチョン、p-エチルー2,2−ジメチルヒドロシンナムアルデヒド (IFF社商品名:フローラロゾン)、エチル 2−tert−ブチルシクロヘキシルカーボネート (花王社商品名:フロラマット)、2−sec−ブチルシクロヘキサノン(Givaudan社商品名:フレスコメンテ)、エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−アセテート、ゲラニオール、ゲラニルニトリル、3−メチル−5−プロプ−2−シクロヘキセン−1−オン(Dragoco社商品名:グラベノン)、ヘキシルシンナミックアルデハイド、ヘプチルシクロペンタノン、イロン、サリチル酸イソブチル、1−(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテン−1−オン(Dragoco社商品名:イソダマスコン)、L−カルボン、3,7−ジメチル−2(3),6−ノナジエンニトリル(Givaudan社商品名:レモニル)、リモネン、L−メントール、メントン、マルトール、3−メチル−5−フェニルペンタナール(Quest社商品名:メフラナール)、ジヒドロジャスモン酸メチル、安息香酸メチル、酪酸メチル、ゲラニル酸メチル、オクタン酸メチル、サリチル酸メチル、吉草酸メチル、酪酸ブチル、酢酸ヘキシル、ヘキシルシクロペンタノン、吉草酸アミル、酪酸アミル、プロピオン酸アミル、オルトメトキシシンナミックアルデハイド、酢酸o−tert−ブチルシクロヘキシル、パラアミルシクロヘキサノン、パラサイメン、フェニルエチルアルコール、プロピオン酸フェニルエチル、フェニルヘキサノール、酢酸フェニルプロピル、4−メチルトリシクロ[6.2.1.0 2,7 ]ウンデカン−5−オン(Firmenich社商品名:プリカトン)、p−メンタン−8−チオール−3−オン、酢酸p−tert−ブチルシクロヘキシル、酢酸スチラリル、ターピネオール、テルピノーレン、プロピオン酸ターピニル、トランス2−ヘキサナール、酢酸トランス2−ヘキセニル、トリメチルヘキサナール、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニルカルボキシアルデヒド(IFF社商品名:トリプラール)、2,2,5−トリメチル−5−ペンチルシクロペンタノン(Firmenich社商品名:ベルートン)、4−シクロヘキシル−4−メチル−2−ペンタノン(Quest社商品名:ベチバートン)
【0017】
(G)アンスラニル酸アリル、1−(2−tert−ブチルシクロヘキシロキシ)−2−ブタノール(花王商品名:アンバーコアー)、7−シクロヘキサデセノライド(アンブレットライド)、(3α,6,6,9α―テトラメチルドデカハイドロナフト〔2,1−b〕フラン(花王社商品名:アンブロキサン)、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール(IFF商品名:バクダノール、Givaudan社商品名:バンガロール)、ベンゾフェノン、ベンジルアルコール、カリオフィレン、6,7−ジヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4(5H)−インダノン(IFF社商品名:カシュメラン)、4−アセチルー6−tert−ブチルー1,1−ジメチルインダン(IFF社商品名:セレストリド)、アンスラニル酸シス3−ヘキセニル、サリチル酸シス4−ヘキセニル、クマリン、シクロペンタデカノン、ダイナスコン、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール(Givaudan社商品名:エバノール)、サリチル酸エチル、酢酸オイゲノール、ゲラニルシクロペンタノン、オキサシクロヘキサデセンー2−オン(Firmenich社商品名:ハバノライド)、ヘリオトロピン、へリオトロピルアセトン、ヘキサデカノライド、α−ヨノン、β−ヨノン、7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7−テトラメチルナフタレン(IFF社商品名:イソ・イー・スーパー)、アンスラニル酸イソブチル、酢酸イソオイゲノール、δ−デカラクトン、メチルヨノンアルファ、メチルヨノンガンマ、3−メチルシクロペンタデセノン(Firmenich社商品名:ムセノン)、3−メチルシクロペンタデカノン(ムスコン)、エチレンドデカンジオエート (高砂香料工業社商品名:ムスクCー14)、ムスクケトン、11−オキサ−16−ヘキサデカノライド(Quest社商品名:ムスク R1)、5−シクロヘキサデセン−1−オン(曽田香料社商品名:ムスクTM2)、アンスラニル酸ブチル、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸アミル、10−オキサ−16−ヘキサデカノライド (高砂香料工業社商品名:オキサライド)、4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルー1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロシクロペンタベンゾピラン(花王社商品名:パールライド)、6−アセチル−1,1,2,4,4,7−ヘキサテトラリン(PFW社商品名:トナリド)、シス8−シクロヘキサデセノライド (Synarom社商品名:セントライド]、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−ペンタン−2−オール (Givaudan社商品名:サンダロール)、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール(花王社商品名:サンダルマイソルコア)、4−(パラハイドロキシフェニル)−2−ブタノン(高砂香料工業社商品名:ラズベリーケトン)、3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール(Firmenich社商品名:ポリサントール)、2−シクロヘキシリデン−2−フェニルアセトニトリル(Givaudan社商品名:ペオニル)、シクロペンタデカノライド(曽田香料社商品名:ペンタライド)。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明香料組成物に用いられる成分(A)のムスク類としては、合成ムスクが挙げられる。具体的にはムスコン、ジベトン、シクロペンタデカノン、5−シクロヘキサデセン−1−オン、シクロペンタデカノリド、アンブレトリド、12−ケトシクロペンタデカノリド、シクロヘキサデカノリド、7−シクロヘキサデカノリド、12−オキサ−16−ヘキサデカノリド、11−オキサ−16−ヘキサデカノリド、10−オキサ−16−ヘキサデカノリド、エチレンブラシレート、3−メチルシクロペンタデセノン(ムセノン、NF)、シクロペンタデセノリド(pentalide)、エチレンドデカンジオエート、ムスクケトン、6−アセチルヘキサメチルインダン(ファントリド;Polaks Frutal商品名)、4−アセチルジメチル−t−ブチルインダン(セレストリド;IFF商品名)、5−アセチルテトラメチルイソプロピルインダン(トラセオライド;Quest商品名)、6−アセチルヘキサテトラリン(トナリド;Polaks Frutal商品名)、テトラメチル−6−エチル−7−アセチル−テトラヒドロナフタレン(ベルサリド;Givaudan-Roure商品名)、ホルミルエチルテトラメチルテトラリン、アセチルジメチルテトラヒドロベンズインダノン(ビタライド;高砂香料工業(株)商品名)、ヘキサメチルヘキサヒドロシクロペンタベンゾピラン(ガラクソリド;IFF商品名)、3−メチルシクロペンタデセノン(ムセノン;Firmenich)等が挙げられる。これらの合成ムスクのうち、ムスコン、アンブレトリド、エチレンブラシレート、ムスクケトン、3−メチルシクロペンタデセノン(ムセノン、NF)、シクロペンタデセノリド(pentalide)、ヘキサメチルヘキサヒドロシクロペンタベンゾピラン(ガラクソリド;IFF商品名)、3−メチルシクロペンタデセノン(ムセノン;Firmenich)が特に好ましい。
【0019】
ムスク類の含有量は、酸臭のマスキングに充分な量と他の素材との香りの調和を図り、香りに柔らかさを出す観点から、香料組成物中0.1〜70質量%、さらに1〜50質量%、特に2〜40質量%が好ましい。
【0020】
本発明に用いられる成分(B)は、前記(i)〜(v)から選ばれる化合物の1種以上であるが、2種以上の化合物を組み合せるのが特に好ましい。
【0021】
成分(B)(i)式(1)中、R1及びR2で示される基としては、直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水素基及び炭素−炭素結合の間に酸素原子又は窒素原子が挿入された直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水素基を有する基が挙げられる。ここで、炭化水素基には飽和及び不飽和のものが含まれ、環状炭化水素には、飽和、不飽和及び芳香族の環状炭化水素基が含まれる。また、炭素−炭素結合の間に挿入される原子としては、酸素原子、窒素原子が挙げられるが、酸素原子が好ましい。酸素原子を含む好ましい結合形態は鎖状エーテル及び環状エーテルを含むエーテル結合である。このうちR1は炭素数2〜14のものであり、R2は炭素数1〜15のものである。
【0022】
R1及びR2の好ましい例としては、アルキル基、アルケニル基、環状炭化水素基、環状炭化水素基−アルキル基、環状炭化水素基−アルケニル基、芳香族炭化水素基、芳香族炭化水素−アルキル基、芳香族炭化水素−アルケニル基、モノ又はテルペン系基が挙げられる。
【0023】
式(1)の化合物の例としては、テルペン系エステル類、脂肪族エステル類、芳香族エステル類が挙げられる。式(1)のテルペン系エステル類の例としては、プロピオン酸シトロネリル、プロピオン酸ゲラニル、プロピオン酸リナリル、プロピオン酸テルピニル、プロピオン酸ロジニル、プロピオン酸ネリル、プロピオン酸カルビル、プロピオン酸メンチル、プロピオン酸ボルニル、プロピオン酸イソボルニル、酪酸リナリル、酪酸ゲラニル、酪酸シトロネリル、酪酸ロジニル、酪酸ネリル、酪酸テルペニル、酪酸サンタリル、イソ酪酸シトロネリル、イソ酪酸ゲラニル、イソ酪酸リナリル、イソ酪酸ロジニル、イソ酪酸ネリル、イソ酪酸テルピニル、イソ吉草酸リナリル、イソ吉草酸シトロネリル、イソ吉草酸ゲラニル、イソ吉草酸メンチル、イソ吉草酸テルピニル、ヘキサン酸リナリル、ヘキサン酸シトロネリル、ヘキサン酸ゲラニル、オクタン酸リナリル、チグリン酸シトロネリル、安息香酸ゲラニル、安息香酸リナリル、フェニル酢酸ゲラニル、フェニル酢酸シトロネリル、フェニル酢酸ロジニル、フェニル酢酸メンチル、桂皮酸リナリル、チグリン酸ゲラニル、ゲラン酸メチル、ゲラン酸エチル、シクロゲラン酸メチル、シクロゲラン酸エチル、シュウ酸エチルシトロネリル等が挙げられる。
【0024】
式(1)の脂肪族エステル類としてはプロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸アリル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸シス−3−ヘキセニル、プロピオン酸トランス−2−ヘキセニル、プロピオン酸デセニル、プロピオン酸トリシクロデセニル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸アリル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、酪酸アミル、酪酸イソアミル、酪酸ヘキシル、酪酸ヘプチル、酪酸シス−3−ヘキセニル、酪酸トランス−2−ヘキセニル、酪酸オクチル、プロピレングリコールジブチレート、酪酸シクロヘキシル、酪酸テトラヒドロフルフリル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、イソ酪酸イソプロピル、イソ酪酸ブチル、イソ酪酸イソブチル、イソ酪酸イソアミル、イソ酪酸ヘキシル、イソ酪酸シス−3−ヘキセニル、イソ酪酸2,4−ヘキサジエニル、イソ酪酸1,3−ジメチル−3−ブテニル、イソ酪酸オクチル、イソ酪酸トリシクロデセニル、2−メチル酪酸メチル、2−メチル酪酸エチル、2−メチル酪酸2−メチルブチル、2−メチル酪酸ヘキシル、2−メチル酪酸シス−3−ヘキセニル、2−エチル酪酸アリル、3−ヒドロキシ酪酸エチル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、吉草酸ブチル、吉草酸イソブチル、吉草酸アミル、吉草酸シス−3−ヘキセニル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸プロピル、イソ吉草酸イソプロピル、イソ吉草酸アリル、イソ吉草酸ブチル、イソ吉草酸イソブチル、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸2−メチルブチル、イソ吉草酸ヘキシル、イソ吉草酸ヘプチル、エチル トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-2-イル カルボキシレート(フルテート;KAO)、エチル 2-シクロヘキシルプロピオネート(ポアレネート;KAO)等が挙げられる。好ましくは、プロピオン酸ブチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、酪酸アミル、酪酸イソアミル、酪酸シス−3−ヘキセニル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸ブチル、イソ酪酸イソブチル、2−メチル酪酸エチル、2−メチル酪酸2−メチルブチル、吉草酸エチル、吉草酸ブチル、吉草酸イソブチル、吉草酸アミル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸ブチル、イソ吉草酸イソブチル、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸2−メチルブチル、エチル トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-2-イル カルボキシレート(フルテート;KAO)、エチル 2-シクロヘキシルプロピオネート(ポアレネート;KAO)である。
【0025】
式(1)の芳香族エステル類としては、ベンジルアセト酢酸エチル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸スチラリル、プロピオン酸アニシル、プロピオン酸フェニルエチル、プロピオン酸シンナミル、プロピオン酸フェニルプロピル、プロピオン酸ジメチルベンジルカルビニル、プロピオン酸フェノキシエチル、プロピレングリコールジプロピオネート、3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸エチル、フランプロピオン酸イソブチル、酪酸ベンジル、酪酸シンナミル、酪酸フェニルエチル、酪酸ジメチルベンジルカルビニル、イソ酪酸ベンジル、イソ酪酸p−クレジル、イソ酪酸シンナミル、イソ酪酸フェニルエチル、イソ酪酸フェノキシエチル、イソ酪酸フェニルプロピル、イソ酪酸スチラリル、イソ酪酸ジメチルベンジルカルビニル、イソ酪酸ジメチルフェニルエチルカルビニル、イソ酪酸デカヒドロ−β−ナフチル、2−メチル酪酸ベンジル、2−メチル酪酸フェニルエチル、吉草酸ベンジル、吉草酸フェニルエチル、吉草酸フルフリル、イソ吉草酸ベンジル、イソ吉草酸シンナミル、イソ吉草酸フェニルエチル、イソ吉草酸フェニルプロピル、ヘキサン酸ベンジル、オクタン酸ベンジル、オクタン酸フェニルエチル、オクタン酸p−クレジル、ノナン酸フェニルエチル、ドデカン酸ベンジル(ラウリン酸ベンジル)、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸イソプロピル、安息香酸アリル、安息香酸イソブチル、安息香酸イソアミル、安息香酸プレニル、安息香酸ヘキシル、安息香酸シス−3−ヘキセニル、安息香酸ベンジル、安息香酸フェニルエチル、o−メトキシ安息香酸エチル、ジヒドロキシジメチル安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、フェニル酢酸プロピル、フェニル酢酸イソプロピル、フェニル酢酸ブチル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸ヘキシル、フェニル酢酸シス−3−ヘキセニル、フェニル酢酸ベンジル、フェニル酢酸フェニルエチル、フェニル酢酸p−クレジル、フェニル酢酸オイゲニル、フェニル酢酸イソオイゲニル、桂皮酸メチル、桂皮酸エチル、桂皮酸プロピル、桂皮酸イソプロピル、桂皮酸アリル、桂皮酸イソブチル、桂皮酸イソアミル、桂皮酸ベンジル、桂皮酸シンナミル、桂皮酸フェニルエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸ブチル、サリチル酸イソブチル、サリチル酸アミル、サリチル酸イソアミル、サリチル酸アリル、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シス−3−ヘキセニル、サリチル酸シクロヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸フェニルエチル、サリチル酸p−クレジル、フェノキシ酢酸アリル、フェニルプロピオン酸エチル、チグリン酸ベンジル、チグリン酸フェニルエチル、チグリン酸シンナミル、アンゲリカ酸ベンジル、アンゲリカ酸フェニルエチル、アンゲリカ酸シンナミル、アンゲリカ酸フェニル等が挙げられる。
【0026】
好ましくは、イソ吉草酸ベンジル、イソ吉草酸シンナミル、イソ吉草酸フェニルエチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸イソプロピル、安息香酸アリル、安息香酸イソブチル、安息香酸イソアミル、安息香酸プレニル、安息香酸ヘキシル、安息香酸シス−3−ヘキセニル、安息香酸ベンジル、安息香酸フェニルエチル、桂皮酸メチル、桂皮酸エチル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸アミル、サリチル酸イソアミル、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シス−3−ヘキセニルである。
成分(B)(i)の含有量は香料組成物中0.001〜80質量%、好ましくは1〜80質量%、特に好ましくは、1.5〜60質量%である。
【0027】
成分(B)(ii)式(2)中、R4で示される、エステル基のエーテル結合のα−炭素又はβ−炭素が分岐鎖を有する炭化水素基又は環状炭化水素としては、次の式(2a)又は(2b)で示される基が挙げられる。
【0028】
【化1】
【0029】
(式中、R5は水素原子又は、炭素数1〜14のアルキルもしくは、アルケニル基を示すか、あるいはR6もしくはR7の炭素原子との間に不飽和結合を形成し、R6及びR7はそれぞれ炭素数1〜14のアルキル又はアルケニル基を示すか、R5とR6が一緒になって炭素数4〜8の飽和又は不飽和の環状炭化水素基(ここで環状炭化水素はアルキル又はアルケニル基が置換していてもよい)を形成する。
)
【0030】
式(2)の化合物の例としては、ギ酸又は酢酸のテルペン系エステル類、ギ酸又は酢酸の脂肪族エステル類及びギ酸又は酢酸の芳香族エステル類が挙げられる。式(2)のギ酸又は酢酸のテルペン系エステル類としては、ギ酸リナリル、ギ酸シトロネリル、ギ酸ゲラニル、ギ酸ネリル、ギ酸ロジニル、ギ酸テルピニル、ギ酸セドリル、ギ酸カリオフィレン、酢酸オシメニル、酢酸シトロネリル、酢酸ラバンジュリル、酢酸イソジヒドロラバンジュリル、酢酸ネロリドール、酢酸ゲラニル、酢酸リナリル、酢酸ミルセニル、酢酸ジヒドロミルセニル、酢酸ロジニル、酢酸ネリル、酢酸テトラヒドロムゴール、酢酸エチルリナリル、酢酸カルビル、酢酸ジヒドロカルビル、酢酸ジヒドロクミニル、酢酸テルピニル、酢酸ジヒドロターピニル、酢酸イソプレゴール、酢酸メンチル、酢酸ジヒドロテルペニル(酢酸メンタニル)、酢酸シトリル、酢酸ミルテニル、酢酸ノピル、酢酸フェンキル、酢酸n−ボルニル、酢酸イソボルニル、酢酸グアイル、酢酸セドリル、酢酸ベンベリル、カリオフィレンアセテート、酢酸サンタリル、酢酸ベチベリル、酢酸グアヤック等が挙げられる。好ましくは、酢酸リナリルである。
【0031】
ギ酸又は酢酸の脂肪族エステル類としては、アファルマート(IFF商品名)、ギ酸オキシオクタリン、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸3−オクチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸p−t−ブチルシクロヘキシル、酢酸2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニルメチル、酢酸α,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチル(ロザムスク;IFF商品名)、酢酸o−t−ブチルシクロヘキシル、酢酸l−エチルシクロヘキシル、酢酸トリシクロデセニル、酢酸2,4−ジメチル−シクロヘキセン−1−メタニル(フロラレート;IFF商品名)、酢酸デカヒドロ−β−ナフチル、1−アセトキシ−2−sec−ブチル−1−ビニルシクロヘキサン、酢酸トリシクロデシル、酢酸テトラヒドロフルフリル、酢酸3−ペンチルテトラヒドロピラニル(ジャスマール;IFF商品名)、酢酸5−メチル−3−ブチルテトラヒドロピラニル(ジャスメリア;IFF商品名)、アセト酢酸エチル、2−ヘキシルアセト酢酸エチル、シクロペンチリデン酢酸メチル、シクロヘキシル酢酸アリル、シクロヘキセニル酢酸イソプロピル、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテート等が挙げられる。好ましくは、酢酸トリシクロデセニル、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテートである。
【0032】
ギ酸又は酢酸の芳香族エステル類としては、ギ酸ベンジル、酢酸メチルフェニルカルビニル、酢酸スチラリル、酢酸p−メチルベンジル、酢酸アニシル、酢酸ピペロニル、アセチルバニリン、ローズフェノン、酢酸ヒドラトロピル、酢酸2,4−ジメチルベンジル、酢酸クミニル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸ヘリオトロピル、酢酸オイゲノール、酢酸イソオイゲノール、フェニルグリコールジアセテート、酢酸ジメチルフェニルカルビニル、酢酸フェニルエチルメチルエチルカルビニル、ベチコールアセテート、酢酸α−アミルシンナミル、酢酸デカヒドロ−β−ナフチル、酢酸フルフリル等が挙げられる。
【0033】
成分(B)(ii)の含有量は、香料組成物中0.001〜80質量%、好ましくは1〜80質量%、特に好ましくは1.5〜60質量%である。
【0034】
成分(B)(iii)ラクトン類としては、総炭素数5〜14のラクトン類、例えば式(3)
【0035】
【化2】
【0036】
(式中、R8は炭素数4〜13の炭化水素基を示す)
で表される化合物が挙げられる。
式(3)中、R8で示される炭化水素基としては、直鎖又は分岐鎖の炭化水素であって、一部に環状炭化水素基が含まれていてもよい。具体的には、直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、アルケニレン基が挙げられ、芳香環を含んでいてもよい。
【0037】
式(3)の化合物の例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アンゲリカラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、3−メチル−4−オクタノライド(ウイスキーラクトン)、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ドデカラクトン、γ−ジャスモラクトン(7−デセノラクトン)、δ−ヘキサラクトン、4,6,6(4,4,6)−トリメチルテトラヒドロピラン−2−オン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、2H−1−ベンゾピラン−2−オン、δ−デカラクトン、δ−2−デセノラクトン、δ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトン、δ−トリデカラクトン、δ−テトラデカラクトン、ラクトスカトン、ε−デカラクトン、ε−ドデカラクトン、シクロヘキシルラクトン、ジャスミンラクトン、シスジャスモンラクトン、メチルγ−デカラクトン、テトラヒドロ−6−(3−ペンテニル)−2H−ピラン−2−オン、(E)−デカ−8−エン−5−オリド(ジャスモラリトン;Firmenich商品名)、テトラヒドロ−6−(3−ヘキセニル)−2H−ピラン−2−オン、(Z)−ウンデカ−8−エン−5−オリド(ジャスモラクトン;Bedoukian商品名)、メンタラクトン、メチルジヒドロシャスモネート等が挙げられる。好ましくは、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ドデカラクトン、γ−ジャスモラクトン(7−デセノラクトン)、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、2H―1−ベンゾピラン-2-オン、δ−デカラクトン、δ−2−デセノラクトン、δ−ウンデカラクトンが挙げられる。
【0038】
成分(B)(iii)の含有量は、香料組成物中0.001〜80質量%、好ましくは0.001〜60質量%、特に好ましくは0.002〜40質量%である。
【0039】
成分(B)(iv)環状又は鎖状骨格を有する総炭素数5〜14のケトン化合物としては、テルペン系ケトン類、脂肪族鎖状ケトン類、脂肪族環状ケトン類が挙げられる。
【0040】
テルペン系ケトン類としては、カンファー、カルボン、ジヒドロカルボン、プレゴン、メントン、ピペリテノン、ジオスフェノール、フェンコン、ベルベノン、ゲラニルアセトン、ファルネシルアセトン、アセチルセドレン(セドリルメチルケトン)、オキソセドラン(セドラノン、セドレノン)、アセチルカリオフィレン、イソロンギホラノン(イソロンギホランケトン)、ヌートカトン、ヨノン、プソイドヨノン、メチルヨノン、アリルヨノン、イロン、ダマスコン、ダマセノン、イソダマスコン、1−(3,3−ジメチル−6(1)−シクロヘキセン−1−イル)−ペンタ−4−エン−1−オン(ダイナスコン)、トリメチルシクロヘキセニルブテノン(イリトン;IFF商品名)等が挙げられる。好ましくは、ヨノン、ダマスコン、ダマセノン、イソダマスコン、1−(3,3−ジメチル−6(1)−シクロヘキセン−1−イル)−ペンタ−4−エン−1−オン(ダイナスコン)である。
【0041】
脂肪族鎖状ケトン類としては、アセトイン、ジアセチル、メチルアミルケトン、エチルアミルケトン、2−ペンタノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、2−ウンデカノン、メチルイソプロピルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メチルヘプテノン、エチルイソアミルケトン、2−トリデカノン、メシチルオキサイド、ブチリデンアセトン、メチルヘプタジエノン、ジメチルオクテノン、メチレンテトラメチルヘプタノン(コアボン;IFF商品名)、5−ヒドロキシ−4−オクタノン(ブチロイン)、3−ヒドロキシメチル−2−ノナノン、2,3−ペンタンジオン、2,3−ヘキサンジオン、3,4−ヘキサンジオン、2,3−ヘプタンジオン、アセチルイソバレリル、2−ブチル−1,4−ジオキサスピロ[4.4]ノナン(ジャスモン;Henkel商品名)、2,2,5,5−テトラメチル−4−イソプロピル−1,3−ジオキサン等が挙げられる。
【0042】
脂肪族環状ケトン類としては、アミルシクロペンタノン、アミルシクロペンテノン、2−シクロペンチルシクロペンタノン、ヘキシルシクロペンタノン、ブチルシクロペンタノン、マルトール、エチルマルトール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフラノン、4,5−ジメチル−3−ヒドロキシ−5H−フラン−2−オン(シュガーラクトン;曽田香料(株)商品名)、o−t−ブチルシクロヘキサノン、p−t−ブチルシクロヘキサノン、ヘプチルシクロペンタノン、ジヒドロジャスモン、シス−ジャスモン、イソジャスモン、2,2,5−トリメチル−5−ペンチルシクロペンタノン、3−メチル−5−(2,3,3−トリメチル−3−シクロペンテニル)−3−ペンテン−2−オン(サンデックス;Givaudan-Roure商品名)、シクロテン、3,5−ジメチル−1,2−シクロペンタジオン、3,4−ジメチル−1,2−シクロペンタジオン、3,3−ジメチルシクロヘキシルメチルケトン、1−アセチル−3,3−ジメチル−1−シクロヘキセン、2−sec−ブチルシクロヘキサノン、3−メチル−5−プロピル−2−シクロヘキセノン、クリプトン、p−t−ペンチルシクロヘキサノン、2,3,5−トリメチル−4−シクロヘキセニル−1−メチルケトン(メチルシクロシトロン;IFF商品名)、p−メンテン−6−イルプロパノン(ネロン;Givaudan-Roure商品名)、4−シクロヘキシル−4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキセニルシクロヘキサノン、2,4−ジ−t−ブチルシクロヘキサノン(シクロウッド;高砂香料工業(株)商品名)、3−メチル−4−(2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−オン(メチルイリトン;IFF商品名)、アリルヨノン、2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキサン1,4−ジオン、2−アセチル−3,3−ジメチルノルボルナン、6−エチリデンオクタヒドロ−5,8−メタノ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン(フロレックス;IFF商品名)、4−メチルトリシクロ[6.2.1.0 2,7 ]ウンデカン−5−オン(プリカトン;Firmenich商品名)、6,7−ジヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4(5H)−インダノン(カシュメラン;IFF商品名)、4(5)−アセチル−7,7,9−トリメチルビシクロ[4.3.0]−1−ノネン(アトリノン;Henkel商品名)、アセチルイソプロピルメチルビシクロオクテン、エトキシビニルテトラメチルシクロヘキサノン、ジヒドロペンタメチルインダノン、7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7−ナフタレン(イソ・イー・スーパー;IFF商品名)、2,6,7−トリメチル−1−アセチル−2,5,9−シクロドデカトリエン(トリモフィクス;IFF商品名)、アセチルセドレン[エタノン,1−(2,3,4,7,8,8a−ヘキサハイドロ−3,6,8,8−テトラメチル−1H−3a,7−メタノアズレン−5−イル)−]等が挙げられる。
好ましくは、7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7−ナフタレン(イソ・イー・スーパー;IFF商品名)である。
【0043】
成分(B)(iv)の含有量は、香料組成物中0.001〜80質量%、好ましくは、0.01〜50質量%、特に好ましくは、0.1〜30質量%である。
【0044】
成分(B)(v)アルデヒド類としては、総炭素数5〜14のアルデヒド類、例えば次の式(4)
【0045】
R9−CHO (4)
【0046】
(式中、R9は炭素数4〜13の炭化水素基であって、炭素−炭素結合の間に酸素原子又は窒素原子が挿入されていてもよい直鎖、分岐鎖又は環状の基を示す)で表される化合物が挙げられる。
【0047】
R9で示される基としては、直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水素基及び炭素−炭素結合の間に酸素原子又は窒素原子が挿入された直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水素基を有する基が挙げられる。ここで、炭化水素基には飽和及び不飽和のものが含まれ、環状炭化水素には、飽和、不飽和及び芳香族の環状炭化水素基が含まれる。また、炭素−炭素結合の間に挿入される原子としては、酸素原子、窒素原子が挙げられるが、酸素原子が好ましい。酸素原子を含む好ましい結合形態は鎖状エーテル及び環状エーテルを含むエーテル結合である。
【0048】
R9の好ましい例としては、アルキル基、アルケニル基、環状炭化水素基、環状炭化水素基−アルキル基、環状炭化水素基−アルケニル基、芳香族炭化水素基、芳香族炭化水素−アルキル基、芳香族炭化水素−アルケニル基、モノ又はテルペン系基で挙げられる。
【0049】
成分(B)(v)アルデヒド類の例としては、ウンデセナール、ヘプタナール、オクタナール、ウンデカナール、ドデカナール、2−メチルウンデカナール、シトラール、ゲラニアール、ネラール、シトロネラール、3,7−ジメチルオクタナール(テトラヒドロシトラール)、ヒドロキシシトロネラール、メトキシシトロネラーヒル、α−メチレンシトロネラール(ベルガマル;IFF商品名)、ペリラアルデヒド、メトキシジヒドロシトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、ゲラニルオキシアセトアルデヒド、ミルテナール、カリオフィレンアルデヒド、3−エトキシ−4−ハイドロキシ−ベンズアルデヒド、4−ハイドロキシ−3−メトキシベンズアルデハイド等が挙げられる。好ましくは、ウンデセナール、ヘプタナール、オクタナール、ウンデカナール、ドデカナール、2−メチルウンデカナールである。
【0050】
成分(B)(v)の含有量は、香料組成物中0.001〜80質量%、好ましくは0.01〜70質量%、特に好ましくは0.1〜50質量%である。
【0051】
これらの成分(B)は、1種又は2種以上を用いてもよい。また、成分(B)の含有量は、香り立ち、嗜好性の向上の観点から、香料組成物中0.001〜80質量%が好ましい。
【0052】
成分(C)総炭素数5〜15の炭化水素としては、テルペン系炭化水素類、例えばα−ピネン、β−ピネン、カンフェン、ミルセン、ジヒドロミルセン、リモネン、ジペンテン、テルピネン、テルピノーレン、カレン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレン、p−サイメン、β−カリオフィレン、β−ファルネセン、ビザボレン、セドレン、カジネン、バレンセン、ツヨプセン、グアイエン、ロンギホレン等が挙げられる。好ましくは、α−ピネン、β−ピネン、リモネンである。
【0053】
これら成分(C)は、1種以上を用いてもよいが2種以上を用いるのが好ましい。成分(C)の香料組成物中の含有量は、用いる成分の種類、組み合せによって異なるが、酸臭マスキングに充分な量と他の素材とのバランス、さらに、香り立ち、嗜好性の向上の点から、0.001〜90質量%、さらに0.01〜70質量%、特に0.1〜40質量%が好ましい。
【0054】
本発明香料組成物には、前記成分以外に成分(D)硫黄含有化合物を含有させるのが、香り立ちの良さを引き立て、フレッシュ感を向上させ、香りの質感を明瞭にする点から好ましい。当該硫黄化合物としては、チオール化合物、スルフィド化合物、ジスルフィド化合物、チオアルデヒド化合物、環状チオエーテル化合物等の有機硫黄化合物が挙げられる。具体例としては、プロピルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、2−メチル−3−ブタンチオール、アリルメルカプタン、イソアミルメルカプタン、チオゲラニオール、リモネンチオール、8−メルカプトメントン(スルフォックス)、フェニルメルカプタン、o−チオクレゾール、2−エチルチオフェノール、2−ナフチルメルカプタン、フルフリルメルカプタン、2−メチル−3−フランチオール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、メチルプロピルジスルフィド、メチルプロピルトリスルフィド、プロピルジスルフィド、ジプロピルトリスルフィド、ジアリルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、ジブチルスルフィド、メチオノール、3−メチルチオ−1−ヘキサノール、メチオナール、メントスリフィド、ジチオスピロラクトン、フルフリルメチルスルフィド、2−メチル−5−メチルチオフラン、メチルフリルジスルフィド、フルフリルジスルフィド、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、3−チオフェンカルボキシアルデヒド、5−メチル−2−チオフェンカルボキシアルデヒド、テトラヒドロチオフェン−3−オン、トリチオアセトン、2−メチル−4−プロピル−1,3−オキサチアン、チオグリコール酸、エチルチオ酢酸メチル、メチルチオ酢酸エチル、2−メチルメルカプトプロピオン酸、パイナップルメルカプタン、3−メチルチオプロピオン酸エチル、チオ酢酸エチル、チオ酢酸フルフリル、チオプロピオン酸フルフリル、チオ酪酸メチル、メチルメタンチオスルフォネート、イソチオシアン酸アリル、イソチアン酸ベンジル、チアルジン、2−メチル−4−プロピル−1,3−オキサチアン、p−メンタン−8−チオール−3−オン、p−メンテン−8−チオール、β−メチルチオプロピオン酸メチル等が挙げられる。
【0055】
当該硫黄化合物の香料組成物中の含有量は、酸臭マスキングに充分な量と他の素材とのバランスの点から0.00001〜1質量%、さらに0.0001〜0.5質量%、特に0.0002〜0.4質量%が好ましい。
【0056】
さらに本発明の香料組成物には、1−(2−t−ブチルシクロヘキシルオキシ)−2−ブタノール、ドデカハイドロ−3α,6,6,9α−テトラメチル−ナフト[2.1−b]フラン、2−エトキシナフタレン、2−メトキシナフタレン、1H−3a,7−メタノアズレン,オクタハイドロ−6−メトキシ−3,6,8,8−テトラメチル−[3R−(3α,3aβ,6β,7β,8aα)]、2−オキシビシクロ[2.2.2]オクタン,1,3,3−トリメチル、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエンニトリル、4,4a,5,9b−テトラハイドロインデノ[1,2d]−1,3−ジオキシン、テトラハイドロ−4−メチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−2H−ピラン、シクロヘキサノール、3−(5,5,6−トリメチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−シクロヘキサノール、2−トリデセンニトリル、2−メトキシ−4−アリルフェノール、3−メチル−5−フェニル−1−ペンタノール、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オールを含有させることができる。香りに特徴付ける観点から、これらの含有量は、香料組成物中0.001〜50質量%が好ましい。
この他、本発明の香料組成物には、アルコール類、多価アルコール類、エーテル類を含有させることができる。
【0057】
さらに、本発明は、酸性毛髪化粧料系、特に酸性シャンプーにおいて安定な香料素材を含むものであり、かつ、泡での香り立ち、瓶口での香り立ち、残香性の良い香料を含むものである。成分(E)に含まれる香料素材は泡での香り立ちがよいことを主たる特徴とするものであり、成分(F)に含まれる香料素材は、瓶口での香り立ちがよいことを主たる特徴とするものであり、成分(G)に含まれる香料素材は、残香性の良いことを主たる特徴とするものである。成分(E)、(F)、(G)から任意に選択される香料を組み合わせることによって、泡での香り立ち、瓶口での香り立ち、残香性の良い香料というバランスのよくて優れた香料組成物が得られる。
【0058】
本発明の香料組成物が配合された毛髪化粧料の使用時に香り立ちをよくするという観点から香料組成物における成分(E)の含有量は、10質量%〜70質量%であり、好ましくは10質量%〜60質量%であり、15質量%〜60質量%が特に好ましい。瓶口の香りを良くするという観点から、(F)の含有量は、5質量%〜60質量%であり、好ましくは5質量%〜55質量%であり、10質量%〜50質量%が特に好ましい。(G)の含有量は残香における香りを良くするという観点から、10質量%〜70質量%であり、好ましくは10〜60質量%であり、10質量%〜50質量%が特に好ましい。
【0059】
本発明においては、前記の香料組成物を含有する毛髪化粧料とすることができる。本発明の香料組成物は、高温条件下における長期安定性に優れるとともに、酸性の毛髪化粧料特有の臭いをマスキングするので、酸性毛髪化粧料、好ましくはpH1〜5、より好ましくはpH2〜4(特に3〜4)の毛髪化粧料用の香料組成物として有用である。当該pH1〜5の本発明の毛髪化粧料としては、pH1〜5の毛髪洗浄料、リンス、トリートメント、コンディショナー、ヘアパック、ヘアクリーム、スタイリング剤、ヘアトニック、育毛剤、ヘアコロン等が挙げられ、ヘアマニキュア、ヘアダイ、パーマ剤を除いたものである。このうち、シャンプー、コンディショニングシャンプーなどの毛髪洗浄料、ヘアリンス等の洗い流して使用するものが好ましい。なお、pH1〜5(25℃)の毛髪化粧料とは、毛髪化粧料の原液を水で20倍希釈した場合のpHが1〜5である毛髪化粧料である。
【0060】
pH1〜5の毛髪化粧料は、pHを1〜5に調整する以外は、通常の毛髪化粧料と同様の組成にすればよい。従って、洗浄成分である界面活性剤の他、必要に応じて油剤、コンディショニング剤、保湿剤、増粘剤、粘度調整剤、乳濁剤、色素、安定化剤、紫外線吸収剤、防腐剤、pH調整剤等が配合される。ここで界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等が挙げられ、特に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩の硫酸系アニオン界面活性剤;スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、高級脂肪酸塩、アルカンスルホン酸塩等のスルホン酸系(sulfonates)及びカルボン酸系(carboxylates)のものが挙げられる。
【0061】
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド類等が挙げられる。このうち、アルキルグリコシド類、ポリオキシアルキレン(C8〜C20)脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミドが好ましい。脂肪酸アルカノールアミドとしては、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアシル基を有するものが好ましい。また、脂肪酸アルカノールアミドとしては、モノアルカノールアミド、ジアルカノールアミドのいずれでもよく、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を有するものが好ましく、例えばオレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド等が挙げられる。
【0062】
両性界面活性剤としては、ベタイン系界面活性剤等が挙げられる。このうち、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン等のベタイン系界面活性剤がより好ましく、脂肪酸アミドプロピルベタインが特に好ましい。脂肪酸アミドプロピルベタインは、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアシル基を有するものが好ましく、特にラウリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等が好ましい。
【0063】
当該界面活性剤は毛髪化粧料中に1〜50質量%、さらに8〜30質量%、特に10〜22質量%含有するのが好ましい。
カチオン界面活性剤としては、モノ長鎖アルキル四級アンモニウム塩が好ましく、具体的には、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アラキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられ、特に塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムが好ましい。また、カチオン界面活性剤は、三級アミンと後述の有機酸を配合することにより形成されるものであってもよい。
【0064】
油分としては、高級アルコール、ラノリン類、流動パラフィン、高級脂肪酸、エステル油、シリコーン類が挙げられる。ここでシリコーン類としては、例えば以下に示すものが挙げられる。
【0065】
(1)ジメチルポリシロキサン
例えば下記一般式で表されるものが挙げられる。
【0066】
(Me)3Si-[(Me)2SiO]d-Si(Me)3
〔式中、Meはメチル基を示し、dは3〜20000の数を示す。〕
【0067】
(2)アミノ変性シリコーン
各種のアミノ変性シリコーンが使用できるが、特に平均分子量が約3000〜100000の、アモジメチコーン(Amodimethicone)の名称でCTFA辞典(米国,Cosmetic Ingredient Dictionary)第3版中に記載されているものが好ましい。このアミノ変性シリコーンは水性乳濁液として用いるのが好ましく、市販品としては、SM8704C(東レ・シリコーン社製)、DC929(ダウ・コーニング社製)等が挙げられる。
【0068】
(3)その他のシリコーン類
上記以外に、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
当該油分は、毛髪化粧料中に0.05〜10質量%、さらに0.1〜5質量%、特に0.3〜2質量%含有するのが好ましい。
【0069】
コンディショニング剤としては、カチオン性ポリマーが好ましい。カチオン性ポリマーとしては、例えばカチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル四級アンモニウム塩のホモポリマー、ジアリル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、四級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合物、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体(米国サンドス社製カルタレチン)、特開昭53−139734号公報、特開昭60−36407号公報に記載されているカチオン性ポリマー等が挙げられ、特にカチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム誘導体が好ましい。当該コンディショニング剤は、毛髪化粧料中に0.05〜5質量%、さらに0.1〜3質量%、特に0.3〜1質量%含有するのが好ましい。
【0070】
本発明の毛髪化粧料には、ツヤやまとまりといった毛髪の仕上がり感の向上のため、更に有機酸を配合することができる。有機酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ポリカルボン酸等のカルボン酸、アルキルリン酸等が挙げられ、このうちカルボン酸、特にジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸が好ましい。ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等が挙げられ、ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、オキシ酪酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。なかでもα−ヒドロキシカルボン酸、特に乳酸、リンゴ酸が好ましい。
【0071】
有機酸は2種以上を併用してもよく、またその含有量は、本発明の毛髪化粧料中の0.05〜10質量%が好ましく、更には0.1〜5質量%、特に0.5〜1質量%が好ましい。
【0072】
本発明の毛髪化粧料には、感触及び洗髪後のツヤ感の向上のため、更に芳香族アルコールを含有させてもよい。芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール等が挙げられ、特にベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノールが好ましい。
【0073】
芳香族アルコールは2種以上を併用してもよく、またその含有量は、本発明の毛髪化粧料中の0.01〜20質量%が好ましく、更には0.1〜10質量%、特に0.5〜5質量%が好ましい。
本発明のpH1〜5の毛髪化粧料は、pHを1〜5に調整する以外は通常の毛髪化粧料と同様にして製造できる。
【0074】
【実施例】
実施例中、%は質量%を、部は質量部を示す。
実施例A コンディショニングシャンプー
表1の組成の未賦香コンディショニングシャンプー(pH3.7)を調製し、これに表2、表3記載の香料組成物1〜12を0.5質量%賦香し、コンディショニングシャンプーとした。それぞれの試料を50ml広口企画瓶PS−06(透明ガラス製)に20gずつはかり、50℃の保管庫に入れた。1カ月後にそのシャンプーの液面から香る香りを専門パネラー2名により以下の評価を行い、その評価の平均値を記載した。評価は酸臭のマスキング効果、安定性等を香りの拡散性、漂い方等を勘案して総合的な評価である。
評価基準として、
5:非常に優れている
4:優れている
3:製品として満足できるレベル
2:やや悪い
1:悪い
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
結果を表4に示す。
【0079】
【表4】
【0080】
表4に示したとおり、表1のコンディションニングシャンプー組成物に、比較例1〜4の香料組成物で賦香した場合と本発明の実施例1〜8の香料組成物で賦香した場合と比較したところ、本発明品が経時的変化及びパフォーマンス(酸臭マスキング効果)において、顕著な効果が認められた。
例えば、実施例2の場合、本発明の香料組成物4を含んでいるため、50℃1ヶ月経過後の経時的変化が調製後1日の場合と同様「4」(優れている)であり、優れた高温における安定性を示している。また、実施例5の場合は、本発明の香料組成物7を含んでいるため、50℃1ヶ月経過後の経時的変化が、調製後1日の「5」から「4.5」であり、優れた高温における安定性を示している。
【0081】
上記組成物(pH3.7)に、前記香料組成物7を0.5質量%になるように添加した透明シャンプーは、酸臭がなく、香りが長期間維持されていた。
【0082】
上記組成物(pH3.7)に前記香料組成物7を0.5質量%になるように添加したシャンプーは、酸臭がなく、香りが長期間維持されていた。
【0083】
上記組成物(pH3.3)に前記香料組成物7を0.5質量%になるように添加したコンディショナーは、酸臭がなく、香りが長期間維持されていた。
【0084】
実施例E
それぞれの香料に対して、以下に示す評価方法、評価基準に従って評価を行った。
<評価方法と評価基準>
a.泡での香り立ち
(1)評価方法
1.各香料0.5gをシャンプー基剤99.5g(0.5質量%)に賦香する。
2.翌日、調整したシャンプー基剤0.5gを100ccの容器にはかり採り水を加えて10gとし、5%水溶液を得る。
3.これを市販の電動泡立て器を用いて1分間泡立てる。
4.泡から香ってくる香りを下記のような基準に沿って評価する。
(2)評価基準
5:香り立ちは非常に良く、基剤臭(酸臭)を完全にマスキングしている。
4:香り立ちが良く、基剤臭(酸臭)を良くマスキングしている。
3:香り立ちは良いが、基剤臭(酸臭)のマスキングがやや不充分である。
2:香りは立つが、基剤臭(酸臭)がする
1:香り立ちが悪く、基剤臭(酸臭)がする。
【0085】
b.ビン口での香り立ち
(1)評価方法
1.各香料0.5gをシャンプー基剤99.5g(0.5質量%)に賦香する。
2.容量50gのガラス瓶(広口規格瓶PS-06・透明ガラス製)に上記で調整したシャンプーを20gずつ入れて蓋をする。
3.翌日、蓋を取り、立ち上ってくる香りを評価する。
(2)評価基準
5:香り立ちは非常に良く、基剤臭(酸臭)を完全にマスキングしている。
4:香り立ちが良く、基剤臭(酸臭)を良くマスキングしている。
3:香り立ちは良いが、基剤臭(酸臭)のマスキングがやや不充分である。
2:香りは立つが、基剤臭(酸臭)がする
1:香り立ちが悪く、基剤臭(酸臭)がする。
【0086】
c.残香性
(1)評価方法
1. 各香料0.5gをシャンプー基剤99.5g(0.5質量%)に賦香する。
2.翌日、調整済みの賦香サンプル2.5gをかもじに塗布する。
3.洗浄1分、すすぎ(流水)1分を行いタオルで軽く乾燥する。
4.自然乾燥させ、1日後の香りを評価する。
(2)評価基準
5:香りが非常に良く残る。基剤臭のマスキングが充分である。
4:香りが良く残り、基剤臭のマスキングが充分である。
3:香りが残るが、基剤臭のマスキングがやや不充分である。
2:香りが非常に弱くしか残らず、基剤臭のマスキングが不充分
1:香りが全く残らない。
【0087】
d.香りの経時変化(安定性)
(1)評価方法
酸性シャンプー基剤に香料組成物を配合し、0℃と、50℃の恒温槽に1ヶ月間保存し、1ヶ月後に各サンプルを室温に戻した後、0℃のサンプルの香りを標準として50℃のサンプルの香りを以下の基準で評価。パネル3〜6名で評価し、平均値を0.5刻みで表示した。
(2)評価基準
5:標準品(0℃)に比べて、香りの質、強さともにほぼ同じである。
4:標準品に比べて、香りの質、強さともにやや変化しているが、商品の香りとして良好である。
3:標準品に比べて、香りの質、強さが変化しているが、商品の香りとしてほぼ問題ない。
2:標準品に比べて、香りに質、強さが明らかに変化している。
1:標準品に比べて、香りの質、強さが顕著に変化している。
【0088】
<評価結果>
上記の評価結果より、安定性が良好、かつ泡での香り立ち、瓶口での香り立ち、残香のいずれかの項目で良好な結果であった素材を表5〜8に示す。
【0089】
【表5】
【0090】
【表6】
【0091】
【表7】
【0092】
【表8】
【0093】
実施例F:酸性シャンプー用香料組成物の処方を示す。
【0094】
【表9】
【0095】
表9に示した香料13〜19を表1の酸性シャンプー基剤に0.5%賦香し、評価した結果を表10に示す。
【0096】
【表10】
【0097】
<結果>
3種の全てを組み合わせた実施例9は全ての場面において香りよく、基剤の酸臭もマスキングされており、製品としても非常に優れた香りを有しているという結果であった。成分(E)、(F)、(G)より2種類を含む実施例10〜12はマスキングやバランスが全ての場面において香りよく、基剤の酸臭もマスキングされており、製品としても優れた香りを有しているという結果であった。これに対し、成分(E)、(F)、(G)のいずれかのみの比較例3〜5では各場面での香りのバランスがあまり良くなく、総合的に判断しても製品の香りとして不十分であった。
【0098】
<香りの総合評価>
実施例F,Gの評価項目の「香りの総合評価」の基準を示す。
「香りの総合評価」は、泡における香り立ち、瓶口での香り立ち、残香の3つの評価項目を総合的に勘案した評価したものであり、評価基準は以下のようになる。
5:全ての場面においてバランスの良い香りが非常によく立ち、基剤臭も完全にマスキングしている。
4:全ての場面においてバランスの良い香りが非常によく立ち、基剤臭も良くマスキングしている。
3:全ての場面においてバランスの良い香りが非常によく立ち、基剤臭もほぼマスキングしている。
2:いずれかの場面において香り立ちが悪く、基剤臭のマスキングが不充分である。
1:全ての場面において香り立ちが悪く、基剤臭のマスキングが不充分である。
【0099】
実施例G:酸性シャンプー用香料組成物の処方を示す。
【0100】
【表11】
【0101】
表11に示した香料20〜26を表1の酸性シャンプー基剤に0.5%賦香し、評価した結果を表12に示す。
【0102】
【表12】
【0103】
<結果>
3種の全てを組み合わせた実施例13は全ての場面において香りよく、基剤の酸臭もマスキングされており、製品としても非常に優れた香りを有しているという結果であった。成分(E)、(F)、(G)より2種類を含む実施例14〜16はマスキングやバランスが全ての場面において香りよく、基剤の酸臭もマスキングされており、製品としても優れた香りを有しているという結果であった。これに対し、成分(E)、(F)、(G)のいずれかのみの比較例6〜8では各場面での香りのバランスがあまり良くなく、総合的に判断しても製品の香りとして不十分であった。
【0104】
【発明の効果】
本発明香料組成物は、pH1〜5の毛髪化粧料特有の臭いのマスキング効果に優れ、かつ高温条件下の長期安定性にも優れているので、これを配合した酸性毛髪化粧料は長期間良好な香りが維持される。
成分(E)〜(G)を香料組成物にバランス良く配合することにより、pH1〜5の毛髪化粧料においても安定して良い香りを保持でき、かつ毛髪化粧料の使用時に香り立ちが良く、さらに使用後の残香性に優れ、加えて、毛髪化粧料が充填された状態(ボトル口)での香り立ちもよいpH1〜5の毛髪化粧料用香料組成物を得ることができる。
Claims (2)
- 次の成分(I)〜(IV)を含有し、pHが2〜5である毛髪洗浄剤。
(I)アニオン性界面活性剤 8〜50質量%
(II)リンゴ酸及び乳酸から選ばれるα−ヒドロキシカルボン酸 0.05〜10質量%
(III)次の成分(A)、(B)及び(C)を含有する香料組成物
(A)ムスク類 2〜40質量%、
(B)下記(i)〜(v)から選ばれる化合物の1種以上 合計0.002〜80質量%
(i)プロピオン酸トリシクロデセニル、2−メチル酪酸エチル、エチル トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−イル カルボキシレート(フルテート)、イソ吉草酸ベンジル、イソ吉草酸シンナミル、イソ吉草酸フェニルエチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸イソプロピル、安息香酸アリル、安息香酸イソブチル、安息香酸イソアミル、安息香酸プレニル、安息香酸ヘキシル、安息香酸シス−3−ヘキセニル、安息香酸ベンジル、安息香酸フェニルエチル、桂皮酸メチル、桂皮酸エチル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸アミル、サリチル酸イソアミル及びサリチル酸ヘキシルから選ばれるエステル類 1.5〜60質量%
(ii)酢酸トリシクロデセニル及びo−t−ブチルシクロヘキシルアセテートから選ばれるエステル類 1.5〜60質量%
(iii)γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ドデカラクトン、γ−ジャスモラクトン(7−デセノラクトン)、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−2−デセノラクトン及びδ−ウンデカラクトンから選ばれるラクトン類 0.002〜40質量%
(iv)ヨノン、γ−メチルヨノン、ダマスコン、イソダマスコン、1−(3,3−ジメチル−6(1)−シクロヘキセン−1−イル)−ペンタ−4−エン−1−オン(ダイナスコン)及び7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7−ナフタレン(イソ・イー・スーパー)から選ばれるケトン化合物 0.1〜30質量%
(v)ウンデセナール、ヘプタナール、オクタナール、ウンデカナール、ドデカナール、2-メチルウンデカナール、デカナール、α−メチル−1,3−ベンゾオキソール−5−プロパナール及びα−メチル−4−(1−メチルエチル)−ベンゼンプロパナールから選ばれるアルデヒド類 0.1〜50質量%
(C)総炭素数5〜15の炭化水素 0.1〜40質量%
(IV)ベンジルアルコール及びベンジルオキシエタノールから選ばれる芳香族アルコール 0.1〜20質量% - 香料組成物が、さらに成分(D)硫黄含有化合物を0.00001〜1質量%含有するものである請求項1記載の毛髪洗浄剤。
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---|---|---|---|
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