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JP4579557B2 - 記録装置及びその制御方法、プログラム - Google Patents

記録装置及びその制御方法、プログラム Download PDF

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Description

本発明はインクジェット記録ヘッドと記録媒体とを相対移動させて前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置に関するものである。
シリアル型のインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置では、インクジェットヘッドを主走査方向に走査させ、画像データから得られるヘッド駆動信号に基づいて、ヘッドの走査に同期してヘッドを吐出駆動することにより各ノズルからインクを吐出させて、記録紙などの記録媒体上に画像を形成している。
このようなインクジェット記録装置に用いられるインクジェットヘッドについて説明する。インクジェットプリンタの記録方式としては、インク滴を吐出するための吐出エネルギーを与える吐出エネルギー発生素子として電気熱変換素子(ヒータ)を利用する方式と、圧電素子(ピエゾ)を利用する方式がある。
両者とも吐出エネルギー発生素子に電気信号を与えることによりインク吐出が可能であるが、前者の方法は吐出エネルギー発生素子であるヒータの配置を行うスペースが少なくて済む利点があり、インクジェットヘッドの構成も単純かつ小型化が可能であり、さらに高密度化も比較的容易であるという利点を持つ。一方、短所としてはヒータが発生する熱がヘッド内で蓄熱する点が挙げられる。
従って、高いデューティで連続して記録を行うとヘッドの温度昇温により吐出インク液滴の体積が増加し、インクのリフィルが間に合わなくなり、よれやショボ等の吐出不良を発生させる問題があった。
これを解決するために、記録ヘッドの温度情報を所定のタイミングで取得し、その取得した温度が所定温度以上の場合に記録ヘッドの駆動周波数を低下させる方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開2002−36514号公報
しかしながら、上記の方法では所定タイミング以後の記録ヘッドの温度上昇量が推定できなかったために、所定タイミング以後に記録される最大の温度上昇分を見積もった値を閾値温度として設定していた。この場合、閾値温度は温度上昇を考慮した分だけ低めに設定されるが、実際の温度上昇は所定タイミング以後の記録デューティに依存するため、仮に所定タイミング以後の記録デューティが低く、想定されるレベルの温度上昇が発生しないような場合であっても駆動周波数が低下されてしまうので、記録速度の低下を最小限に抑えることが困難であった。
このように、従来は連続記録時の温度上昇による吐出不良を抑制しつつ、スループットの低下を最小限に抑えることが困難であった。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたものであり、電気熱変換素子を備える記録ヘッドをキャリッジに搭載し、前記キャリッジを記録媒体上で走査させながら複数色のインクを吐出して前記記録媒体に画像を記録可能なインクジェット記録装置であって、
前記記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段と、
前記記録ヘッドの主走査方向への1回分の走査における前記記録媒体の領域を複数に分割することで得られる分割領域毎に、前記複数色のインクの色毎のドット数をカウントするドットカウント手段と、
前記ヘッド温度検出手段により検出された記録ヘッドの温度の情報に対応する前記複数色のインクの色毎に設定された閾値と、前記ドットカウント手段によってカウントされた前記色毎のカウント値とを比較する比較手段と、
前記比較手段における比較の結果に基づいて、前記主走査方向の走査において前記記録ヘッドを駆動する駆動周波数及び前記キャリッジの移動速度を決定する決定手段とを備え、
前記決定手段は、前記複数の分割領域の中に、前記閾値より大きいカウント値を有する領域が存在する場合、該領域が存在しない場合よりも前記駆動周波数及び前記キャリッジの移動速度を低減することを特徴とする。
本発明によれば、連続記録時の温度上昇による吐出不良を低減しつつ、スループットの低下を最小限に抑えることできる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係わるインクジェット記録装置を示す上面図である。図1において、2は紙搬送系ユニットを含む装置本体を示し、1はキャリッジを示し、6個の記録ヘッド5を搭載して移動し、これにより、記録ヘッド5の記録媒体に対する走査が可能となる。なお、記録ヘッド5は、ヘッド温度を検出するための温度センサを備えている。
キャリジ1は、ガイド軸11によりこれに沿って移動可能に案内支持されており、また、ベルト13を介して伝達される駆動力によって往復移動できるものである。使用インクとしては、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の他に、更に粒状間の低減を目的とした淡シアン(LC)、淡マゼンタ(LM)を加えた計6色が採用されている。
なお、図1の場合では6色のインクを使用する場合を記載しているが、本発明に適用可能なインクジェット記録装置は少なくとも1色以上のインクを使用する装置で有ればよく、例えばモノクロ記録装置である場合には、ブラック(K)1色のみ使用しても良いし、カラー記録装置としてシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色を使用することもできる。
30Aおよび30Bは、キャップを備えて各記録ヘッド5の不図示のポンプを駆動源として吸引動作を行ない、また、各記録ヘッド5の吐出口面のワイピング動作を行うための図示しないワイピング機構を含み、更に、記録ヘッドの不使用時に記録ヘッドを保護する回復機構を示す。31は各記録ヘッド5の予備吐出動作によって吐出されるインクを受容する予備吐出インク受容箱を示す。
以上の装置構成において、キャリッジ1は、ホスト装置から記録データを受け取ると、図示しない紙搬送ユニットによって送られる記録媒体に記録すべく、ガイド軸11に沿った方向(主走査方向)に移動するように制御され、これにより、各記録ヘッド5の走査が行なわれ記録媒体に1バンド分の画像などが記録される。そして、記録媒体はキャリッジ1と直行する方向(副走査方向)に1バンド分、紙搬送ユニットによって搬送される。キャリッジ1の移動経路に沿ってそのキャリッジの移動位置を検出するためのエンコーダフィルム12が配設されており、キャリッジ1に搭載されたエンコーダセンサがこれを検出する信号に基づいてキャリッジの位置を知ることができる。また、このエンコーダの位置検出に基づいてキャリッジ1のホームポジション(本実施形態では、回復機構に対向する位置)への移動が制御される。
それぞれの記録ヘッド5には、上記の副走査方向に1200dpi(ドット/インチ)の密度で、1280個の吐出口が配列されており、各吐出口に連通したインク液路内には、インクを局所的に加熱して膜沸騰を起こさせ、その圧力によってインクを吐出させるための電気熱変換体が設けられている。
図2は、図1に示したインクジェット記録装置における制御系の構成を示すブロック図である。
プリントエンジン220は、ROM227に記録されたプログラムに従って、MPU(Micro Processor Unit)221により制御される。RAM228はMPU221の作業領域や一時データ保存領域として利用される。MPU221は、ASIC222を介して、キャリッジ駆動系223、搬送駆動系224、回復駆動系225、およびヘッド駆動系226の制御を行う。また、MPU221はASIC222から読み書き可能なプリントバッファ229、マスクバッファ230への読み書きが可能な構成になっている。
プリントバッファ229は、記録ヘッド5へ転送可能な形式に変換された画像データを一時保管する。マスクバッファ230は、記録ヘッド5に転送する際にプリントバッファ229から転送されるデータに必要に応じてAND(論理積)処理される所定のマスクパターンを一時的に保持する。なお、パス数の異なるマルチパス記録のための複数組のマスクパターンはROM227内に用意され、実際の記録時に該当するマスクパターンがROM227から読み出されてマスクバッファ230に格納される。マスクバッファ229とのAND処理は、1パス記録のように必要のない場合には行われない構成としている。
次に、図2を参照して、記録動作について説明する。
ホスト装置200からインクジェット記録装置200内のプリントエンジン220の受信バッファ250に画像データが送られることにより記録動作が開始される。プリントエンジン220は、ホスト装置200から受信した画像データを解析し、記録データ、記録品位、マージン情報等の記録に必要な情報を生成する。このとき、記録データ、記録品位、メディア、マージン情報等は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)222を介してMPU(Micro Processor Unit)221で処理され、RAM228に保持される。この情報は必要に応じて後に参照され、処理の切り分けに利用される。さらに、マスクバッファ230へのマスクパターンの書き込みを行う。
記録データはHV(縦横)変換処理を行うことで記録ヘッド5に転送可能な状態としてプリントバッファ229に書き込まれる。プリントバッファ229に保持されたデータが、実際のバンドデータの記録が可能な量まで溜まった段階で、MPU221はASIC222を介して、搬送駆動系224により記録媒体の搬送を行い、キャリッジ駆動系223によりキャリッジ1を移動させる。また、回復駆動系225により回復系を駆動して記録動作前に必要な回復動作を行う。さらにASIC222に対して、画像の出力位置等の設定を行い、キャリッジ1を駆動して、記録動作を開始する。キャリッジ1が移動して、ASIC222に設定した記録開始位置に到達すると、吐出タイミングに合わせて画像データが順次プリントバッファ229から読み出される。
また、同時にマスクバッファ230から対応するマスクパターンが読み出される。読み出された画像データとマスクデータはAND処理される。画像データがインデックス形式の場合、インデックス展開前の解像度でAND処理される。従って、インデックス展開後のマトリクス単位で記録のオン・オフが行われることになる。AND処理されたデータは、ASIC222を介してリアルタイムにインデックス展開されながら2値のデータが記録ヘッド5に転送される。ヘッド駆動系226の制御により、転送されたデータに従って記録ヘッド5が駆動され吐出が行われる。ホスト装置200からの画像受信からここまでの処理を繰り返すことで記録動作が実現される。
図3は、ホスト装置200及びプリンタ本体240内部におけるデータ処理について説明した図である。
ホスト装置200ではプリンタドライバー250を介して600×600dpiのRGB(レッド,グリーン,ブルー)形式の多値データ(ここでは、各8ビット)を生成する。次に、プリンタにマッチした色空間にするためにRGBからR'G'B'への色変換処理500を行う。次に、プリンタで用いるインク色数に合わせるためにR'G'B'の8ビットデータから600×600dpiのK,LC,LM,C,M,Yの多値データ(ここでは、各8ビット)への色分解処理510を行う。色変換処理500及び色分解処理510では、予め決められた色変換用のルックアップテーブルを用いて色変換を行う。
続いて、K,LC,LM,C,M,Yの8ビット(255階調)データから各色4ビット(5階調)への量子化処理520を行う。量子化処理520としては、公知の誤差拡散法或いはディザ法で行うものとする。量子化されたK,LC,LM,C,M,Yの4ビット(5階調)データに記録品位、メディア、マージン情報等の記録に必要な情報を付加した後、プリンタ本体240に転送する。プリンタ本体では、受信した各色4ビットデータに必要であればマスク処理及びインデックス展開処理530を行いながら記録が行われる。
図4は、インデックス展開を説明する図である。一般に、インデックス展開はRGB多値データでの処理の負荷を低減し、かつ階調性を向上させることで速度と画質の両立を図る目的で実施される。本実施形態においては、プリンタ本体240が600dpiの4ビット(5階調)で表される画素単位のデータを1200dpiの1ビット(2階調)データにインデックス展開する。従って、展開するマトリクスサイズは2(横)×2(縦)となる。図に示すように5階調分の4ビットデータ("0000"、"0001"、"0010"、"0011"、"0100")には予め展開するパターン(800,801,803,804)が設定されているため、各画素は0〜4ドットのいずれかで記録されることになる。これらの設定パターンは、記録装置本体内のROMに予め保持しておくか、或いは、記録データとともにホスト装置からダウンロードしても良い。プリンタドライバー250からは上記5階調のデータが送られ、本体では600dpiの4ビットデータを上記設定した各階調レベルのパターンに基づいて画素単位で展開され、1200dpiの1ビット(2階調)データが生成される。この1ビット(2階調)データに基づいて記録ヘッドからインクを吐出することにより、形成すべき画像に対応したドットが記録媒体上の記録領域に配置されることになる。
次に、本実施形態における駆動周波数及びキャリッジ速度の切り換え処理について図5及び図13を参照して説明する。 図5は、第1の実施形態を説明する全体フローチャート図である。図13は、本実施形態における駆動周波数及びキャリッジ速度の切り換え処理にかかるインクジェットプリンタ200の機能構成を示すブロック図である。
図13において、1301はヘッド温度検出部で、記録ヘッド5に取付けられた温度センサの出力を基にヘッドの温度を検出して検出信号を出力している。即ち、本実施の形態に係るヘッド温度検出部1301は、温度検出のための温度センサと、その温度センサから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路を内蔵しており、ヘッド温度に応じたデジタル信号を出力している。
1302は、ドットカウント部であり、記録媒体上の領域を所定単位で複数に分割することで得られる分割領域毎に、この分割領域に形成されるドット数をカウントする。ここでは、記録ヘッドの幅に対応した1バンド内を所定単位で区画した領域(640画素×640画素の領域)を分割領域と定め、このサイズの分割領域毎に各色のドットカウントを行う。ここで、画素とは、図4で説明した画素を示しており、各画素は2×2のマトリクスで構成されている。
1303は判定部で、ヘッド温度検出部1301で検出されたヘッド温度と、ドットカウント部において分割領域毎のカウント値とに基づいて、図5を参照して後述する、最大ドット数と閾値ドット数との比較判定を行う。
1304は、駆動周波数決定部で、判定部の判定結果にもとづいて、記録ヘッド5の駆動周波数及びキャリッジ速度を決定する。決定された駆動周波数はヘッド駆動系226へ、キャリッジ速度はキャリッジ駆動系223へそれぞれ通知され、記録制御がなされる。
次に、図13の各ブロックにおいて実行される処理を図5のフローチャートを参照して説明する。ここで、本実施形態においては、記録ヘッド5の走査方向の記録解像度を1200dpi、キャリッジ速度を16.7inch/sec、記録ヘッド5の駆動周波数を1200×16.7=20KHzを基本とする。
まず、ドットカウント部1302において、記録ヘッド5で記録する1バンドに対応する領域を所定のモニタサイズ(ここでは、640×640画素)単位で区画することで得られる分割領域毎にドットカウントが行われる。このドットカウントは各色独立に行われる(S101)。なお、この分割領域はドットカウントを行う単位であるため、以下では、分割領域のことを「ドットカウント領域」とも称する。
カウントされたドット数は、判定部1303へ通知され、判定部1303において1バンド内の分割領域それぞれでカウントされたドット数の内、最大ドット数に対応した値が各色それぞれで算出される(S102)。一方のヘッド温度検出部1301において、各色記録ヘッドのヘッド温度が取得される(S103)。取得されたヘッド温度の情報は、判定部1303へ通知され、判定部1303では、各色のヘッド温度から各色の閾値ドット数を算出する(S104)。さらに、判定部1303では、各色それぞれに対応した最大ドット数と各色それぞれに対応した閾値ドット数とが比較され、いずれか1色でも最大ドット数が閾値ドット数を越えているか否かが判定される(S105)。
閾値ドット数を越えている場合には、その旨を示すフラグ情報(例えばフラグ値“1”)が判定部1303から駆動周波数決定部1304へ通知され、駆動周波数決定部1304では、記録ヘッド5の駆動周波数を14.4KHz、キャリッジ速度を12inch/secに変更する。つまり、駆動周波数及びキャリッジ速度を低下させる(S107)。一方、閾値ドット数を超えていない場合には、その旨を示すフラグ情報(例えばフラグ値“0”)が判定部1303から駆動周波数決定部1304へ通知され、駆動周波数決定部1304では、予め定められた駆動周波数及びキャリッジ速度を維持する(S106)。
駆動周波数決定部1304において決定された駆動周波数及びキャリッジ速度により、記録が行われる(S108)。
上記処理を毎スキャン繰り返し行うことで、記録ヘッド5が比較的高温になっていても吐出不良の発生しない程度の記録デューティであれば、記録ヘッド5の駆動周波数及びキャリッジ速度を低下させること無く記録を継続できる。逆に、吐出不良が発生する可能性が高いと判断される記録デューティの場合には駆動周波数及びキャリッジ速度を低下させて記録することで吐出不良による画像弊害を抑制できる。従って、連続記録時の温度上昇による吐出不良を低減しつつ、スループットの低下を最小限に抑えることが可能となる。
次に、図5のS101及びS102における1バンド分のデータをドットカウントする構成について図6を参照して説明する。図6は、記録ヘッド5で記録する1バンド分のデータのドットカウント方法を模式的に表した図である。記録媒体100上の領域は、1度のスキャンで記録すべき領域(縦640画素)、即ち1バンド単位の領域に分割される。更に、1バンドの領域は640×640画素の単位で区分(101、102、103、・・・)される。そして、このようにして区分された領域がドットカウント領域となり、各ドットカウント領域ごとにドットカウントを行う。なお、1バンドの副走査方向における幅(1バンドの高さ)は、記録ヘッドのノズル配列方向の幅と一致している。
次のバンドも同様に640×640画素の単位で区分(201、・・・)し、各ドットカウント領域のドットカウントを行う。1スキャン記録前に各色独立に1バンド内の各ドットカウント領域のドットカウントが行われる。
次に、図5のS104における、閾値ドット数の算出手法について図7を参照して説明する。図7は、ヘッド温度に対して設定する閾値ドット数を表した図である。ヘッド温度20℃までは、640×640画素で構成されるドットカウント毎にカウントされる最大ドット数1638400を閾値ドット数とする。なお、各画素は図4で説明したように2×2のマトリクスで構成され、各画素には0〜4ドットが配置される。つまり、各画素には最大で4ドットが配置されることになる。従って、640×640画素で構成されるドットカウント領域における最大ドット数は、640×640×4=1638400となる。
本実施形態においては、図4で説明したインデックス形式の記録データをドットカウントするものとし、インデックス値0000〜0100に対してそれぞれ0〜4ドットをカウントできるように構成するものとする。ヘッド温度20℃から60℃までは1次の関数で閾値を設定する。
Y=−40960×X+2457600(ここで、Yは閾値ドット数、Xはヘッド温度)
本実施形態においては、閾値ドット数を1次の関数で設定したが1次元のLUTや関数による演算によって設定できるようにしても良い。
次に、図5のS105における、閾値ドット数とドットカウント値の最大値との比較について図8を参照して説明する。図8は、閾値ドット数とドットカウント値の比較を模式的に表した図である。
図8において、各色の1バンド内のドットカウント領域1000〜1005においてそれぞれ最もドット数の大きい領域(1006〜1011)を検出する。
ここでは、K,LC,Cの最大ドット数(1006〜1008)をそれぞれ1400000ドット、LM,M,Yの最大ドット数(1009〜1011)をそれぞれ200000ドットと仮定する。スキャン直前の各色のヘッド温度1018〜1023を取得する。各ヘッド温度1018〜1023に対する閾値ドット数を上記関数から算出する。
ここでは、Kヘッド温度1018、LCヘッド温度1019、Cヘッド温度1020を30℃とし、LMヘッド温度、Mヘッド温度、Yヘッド温度を40℃と仮定する。K,LC,Cの閾値ドット数(1012〜1014)は、−40960×30+2457600=1228800となる。一方、LM,M,Yの閾値ドット数(1015〜1017)は、−40960×40+2457600=819200となる。
各色の最大ドット数と閾値ドット数を比較するとK,LC,Cについては、最大ドット数1400000が閾値ドット数1228800を越えている。一方、LM,M,Yについては最大ドット数200000は閾値ドット数819200を越えていない。すなわち、閾値ドット数を越えている色が存在するため、記録ヘッド5の駆動周波数を14.4KHzに下げて記録を行うことになる。
以上、説明したようにスキャン開始前にヘッド温度と当該スキャンで記録するデューティから、記録ヘッドの駆動周波数及びキャリッジ速度を切り換えることによって、連続記録時の温度上昇による吐出不良を低減しつつ、スループットの低下を最小限に抑えることが可能となる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、閾値ドット数の算出に際してインク色を区別していなかったが、本実施形態では、インク色別にヘッド温度に対する閾値ドット数を異ならせる場合について説明する。
各色インクの記録ヘッド5からの吐出特性は、溶剤組成や色材の違いによって異なることがある。すなわち、正常に吐出可能なヘッド温度限界が異なる場合がある。
そこで、本実施形態では、インク色に応じた閾値ドット数を設定することでスループットの低下をさらに少なくすることを目的とする。なお、全体シーケンス、ドットカウント方法、閾値ドット数と最大ドット数の比較については、本実施形態でも第1の実施形態と同様の処理を行うものとする。
図9は、本実施形態のヘッド温度に対して設定する各色の閾値ドット数を表した図である。K,LC,Cについては比較的温度の高い状態でも吐出不良は起こしにくく、LM,M,Yは比較的温度の高い状態で吐出不良を起こし易いと仮定している。そこで、K,LC,Cについては図7に記載した場合と同様に、ヘッド温度20℃まではドットカウント領域でカウントされる最大ドット数640×640×4ドット=1638400を閾値ドット数とする。20℃から60℃までは1次の関数で閾値を設定する。
Y=−40960×X+2457600(ここで、Yは閾値ドット数、Xはヘッド温度)
本実施形態においては、閾値ドット数を1次の関数で設定したが1次元のLUTや関数による演算によって設定できるようにしても良い。
一方、LM,M,Yについてはヘッド温度20℃までは、1310720を閾値ドット数とする。すなわち、高いデューティの画像は常温でも記録ヘッド5の駆動周波数やキャリッジ速度を低くしておく。20℃から50℃までは以下の1次の関数で閾値を設定する。
Y=−43691×X+2184550(ここで、Yは閾値ドット数、Xはヘッド温度)
このようにインク色別に異なる閾値ドット数を設定することで、吐出不良を起こしやすい状況を想定して吐出不良を未然に抑制しつつ、スループットの低下を更に効率的に抑えることが可能となる。
[第3の実施形態]
第1及び第2の実施形態では、バンド内の各ドットカウント領域のドットカウント値の最大値が閾値ドットを越えるか否かにより駆動周波数等を切り換えていたが、本実施形態においては、バンド内の各ドットカウント領域のドットカウント値が所定の閾値ドットを越える回数に応じて駆動周波数を複数の段階に切り換える方法について説明する。なお、全体シーケンス、ドットカウント方法、ヘッド温度に対する閾値ドット数の設定は、本実施形態においても第1の実施形態と同様の処理を行うものとする。
図10は、閾値ドット数を越えた回数に対して駆動周波数及びキャリッジ速度をどのように設定するかを表した図である。上述の第1の実施形態及び第2の実施形態では、最大ドット数と閾値ドット数とを比較して、駆動周波数を2段階に切り換えるため高デューティ領域がどの程度連続しているかを判別できない。
従って、記録ヘッド5の吐出不良を抑制するためには、閾値ドット数を比較的低めに設定することが要求される。これに対して閾値ドット数を比較的高め(例えば、983040)に設定し、閾値ドット数を越える回数をカウントし、駆動周波数を複数段階に細かく設定することで吐出不良を抑制しつつ、スループットの低下を最低限に抑えることが可能である。
図11は、各色のドットカウントと閾値ドット数の比較を表した図である。各色について1バンド内の各ドットカウント領域のドット数と閾値ドット数とを比較し、閾値を超えた回数をカウントする。最も閾値ドット数を越えた回数の大きかった色の回数と図10のグラフから駆動周波数を20KHz、18KHz、16KHz、14KHzの4種類のいずれかから選択し記録を行う。
このように閾値ドット数を越えた回数から駆動周波数及びキャリッジ速度を切り換えることでスループットの低下を最小限に抑えることが可能となる。
[第4の実施形態]
上記の第1乃至第3の実施形態では、1パス記録を本発明に適用した場合について説明したが、本実施形態においては、マルチパス記録に本発明を適用した場合について説明する。なお、また、全体シーケンス、ドットカウント方法、閾値ドット数と最大ドット数の比較については第1乃至第3の実施形態と同様の処理を行うものとする。本実施形態においては1バンドを2回に分割して記録(2パス記録)するものとする。
図12は、2パス記録に本発明を適応する方法を説明した図である。記録ヘッド1050は、画像領域1053を記録するのに第1スキャンと第2スキャンの2回のスキャンで画像を形成する。このとき第1スキャンと第2スキャンの記録データは相互に補完関係にある間引きマスクをかけて記録する。従って、1回のスキャンで記録される記録デューティは1パスに対して約半分となる。
そこで、間引きマスクをかける前の記録データに対し、各領域(ドットカウント領域1051)別にカウントしたドット数に0.5の係数を乗じた値をドット数とする。閾値ドット数は1パス記録と同じ値を用いれば記録ヘッドとしては吐出不良を抑制することが可能となる。
また、記録データに間引きマスクをかけた後のデータをドットカウントする場合には、前記係数を乗ずることなく閾値ドット数との比較を行っても良い。記録装置の構成に応じて適切な方法をとることが望ましい。
なお、本明細書において、「記録」(又は「プリント」)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚しうるように顕在化したものであるか否かを問わず、記録媒体上に液体を付与することによって広く画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も言うものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられている紙のみならず、広く布、プラスチックフィルム、金属板等、記録ヘッドによって吐出されるインクを受容可能なものも言うものとする。
さらに「インク」とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって画像、模様、パターン等の形成、または記録媒体の加工に供されうる液体を言うものとする。
なお、以上の実施形態において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
[その他の実施形態]
本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明の実施形態に対応するインクジェット記録装置の構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態に対応するインクジェット記録装置200の制御系の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に対応するデータ処理の流れを説明するための図である。 本発明の実施形態に対応するのインデックス展開を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に対応する、駆動周波数及びキャリッジ速度の切り換え処理の一例に対応するフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に対応する、記録ヘッド5で記録する1バンド分のデータのドットカウント方法を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に対応する、ヘッド温度と閾値ドット数との関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態に対応する、閾値ドット数とドットカウント値との比較を模式的に表した図である。 本発明の第2の実施形態に対応する、ヘッド温度と各色の閾値ドット数との関係を示す図である。 本発明の第3の実施形態に対応する、閾値ドット数を越えた回数と駆動周波数及びキャリッジ速度との関係を表した図である。 本発明の第3の実施形態に対応する、各色のドットカウントと閾値ドット数の比較を表した図である。 本発明の第4の実施形態に対応する、2パス記録に本発明を適用した場合を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に対応するインクジェットプリンタの機能構成の一例を表した図である。

Claims (6)

  1. 電気熱変換素子を備える記録ヘッドをキャリッジに搭載し、前記キャリッジを記録媒体上で走査させながら複数色のインクを吐出して前記記録媒体に画像を記録可能なインクジェット記録装置であって、
    前記記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段と、
    前記記録ヘッドの主走査方向への1回分の走査における前記記録媒体の領域を複数に分割することで得られる分割領域毎に、前記複数色のインクの色毎のドット数をカウントするドットカウント手段と、
    前記ヘッド温度検出手段により検出された記録ヘッドの温度の情報に対応する前記複数色のインクの色毎に設定された閾値と、前記ドットカウント手段によってカウントされた前記色毎のカウント値とを比較する比較手段と、
    前記比較手段における比較の結果に基づいて、前記主走査方向の走査において前記記録ヘッドを駆動する駆動周波数及び前記キャリッジの移動速度を決定する決定手段とを備え、
    前記決定手段は、前記複数の分割領域の中に、前記閾値より大きいカウント値を有する領域が存在する場合、該領域が存在しない場合よりも前記駆動周波数及び前記キャリッジの移動速度を低減することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 電気熱変換素子を備える記録ヘッドをキャリッジに搭載し、前記キャリッジを記録媒体上で走査させながら複数色のインクを吐出して前記記録媒体に画像を記録可能なインクジェット記録装置であって、
    前記記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段と、
    前記記録ヘッドの主走査方向の1回分の走査における前記記録媒体の領域を複数に分割することで得られる分割領域毎に、前記複数色のインクの色毎のドット数をカウントするドットカウント手段と、
    前記ヘッド温度検出手段により検出された記録ヘッドの温度の情報に対応する前記複数色のインクの色毎に設定された閾値と、前記ドットカウント手段によってカウントされた前記色毎のカウント値とを比較する比較手段と、
    前記比較手段における比較の結果に基づいて、前記主走査方向の走査において前記記録ヘッドを駆動する駆動周波数及び前記キャリッジの移動速度を決定する決定手段とを備え、
    前記決定手段は、前記複数の分割領域の中に、前記閾値より大きいカウント値を有する領域の数が所定の数以上存在する場合、該領域の数が前記所定の数より少ない場合よりも前記駆動周波数及び前記キャリッジの移動速度を低減する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 電気熱変換素子を備える記録ヘッドをキャリッジに搭載し、前記キャリッジを記録媒体上で走査させながら複数色のインクを吐出して前記記録媒体に画像を記録可能なインクジェット記録装置の制御方法であって、
    前記記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出工程と、
    前記記録ヘッドの主走査方向への1回分の走査における前記記録媒体の領域を複数に分割することで得られる分割領域毎に、前記複数色のインクの色毎のドット数をカウントするドットカウント工程と、
    前記ヘッド温度検出工程において検出された記録ヘッドの温度の情報に対応する前記複数色のインクの色毎に設定された閾値と、前記ドットカウント工程によってカウントされた前記色毎のカウント値とを比較する比較工程と、
    前記比較工程における比較の結果に基づいて、前記主走査方向の走査において前記記録ヘッドを駆動する駆動周波数及び前記キャリッジの移動速度を決定する決定工程とを備え、
    前記決定工程では、前記複数の分割領域の中に、前記閾値より大きいカウント値を有する領域が存在する場合、該領域が存在しない場合よりも前記駆動周波数及び前記キャリッジの移動速度が低減される
    ことを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  4. 電気熱変換素子を備える記録ヘッドをキャリッジに搭載し、前記キャリッジを記録媒体上で走査させながら複数色のインクを吐出して前記記録媒体に画像を記録可能なインクジェット記録装置の制御方法であって、
    前記記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出工程と、
    前記記録ヘッドの主走査方向の1回分の走査における前記記録媒体の領域を複数に分割することで得られる分割領域毎に、前記複数色のインクの色毎のドット数をカウントするドットカウント工程と、
    前記ヘッド温度検出工程において検出された記録ヘッドの温度の情報に対応する前記複数色のインクの色毎に設定された閾値と、前記ドットカウント工程においてカウントされた前記色毎のカウント値とを比較する比較工程と、
    前記比較工程における比較の結果に基づいて、前記主走査方向の走査において前記記録ヘッドを駆動する駆動周波数及び前記キャリッジの移動速度を決定する決定工程とを備え、
    前記決定工程では、前記複数の分割領域の中に、前記閾値より大きいカウント値を有する領域の数が所定の数以上存在する場合、該領域の数が前記所定の数より少ない場合よりも前記駆動周波数及び前記キャリッジの移動速度が低減される
    ことを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  5. コンピュータに、電気熱変換素子を備える記録ヘッドを用いて複数色のインクを吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置を制御するための制御方法を実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記方法は、
    前記記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出工程と、
    前記記録ヘッドの主走査方向への1回分の走査における前記記録媒体の領域を複数に分割することで得られる分割領域毎に、前記複数色のインクの色毎のドット数をカウントするドットカウント工程と、
    前記ヘッド温度検出工程において検出された記録ヘッドの温度の情報に対応する前記複数色のインクの色毎に設定された閾値と、前記ドットカウント工程によってカウントされた前記色毎のカウント値とを比較する比較工程と、
    前記比較工程における比較の結果に基づいて、前記主走査方向の走査において前記記録ヘッドを駆動する駆動周波数及び前記キャリッジの移動速度を決定する決定工程とを備え
    前記決定工程では、前記複数の分割領域の中に、前記閾値より大きいカウント値を有する領域が存在する場合、該領域が存在しない場合よりも前記駆動周波数及び前記キャリッジの移動速度が低減されることを特徴とする。
  6. コンピュータに、電気熱変換素子を備える記録ヘッドを用いて複数色のインクを吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置を制御するための制御方法を実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記方法は、
    前記記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出工程と、
    前記記録ヘッドの主走査方向の1回分の走査における前記記録媒体の領域を複数に分割することで得られる分割領域毎に、前記複数色のインクの色毎のドット数をカウントするドットカウント工程と、
    前記ヘッド温度検出工程において検出された記録ヘッドの温度の情報に対応する前記複数色のインクの色毎に設定された閾値と、前記ドットカウント工程においてカウントされた前記色毎のカウント値とを比較する比較工程と、
    前記比較工程における比較の結果に基づいて、前記主走査方向の走査において前記記録ヘッドを駆動する駆動周波数及び前記キャリッジの移動速度を決定する決定工程とを備え、
    前記決定工程では、前記複数の分割領域の中に、前記閾値より大きいカウント値を有する領域の数が所定の数以上存在する場合、該領域の数が前記所定の数より少ない場合よりも前記駆動周波数及び前記キャリッジの移動速度が低減されることを特徴とする。
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