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JP4424726B2 - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

本発明は、着色材を含有するインクを用いて記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関し、特に、複数の吐出口を高密度に集積配列して構成されるインクジェット記録ヘッドを用いる記録方法に関するものである。
複写装置や、ワードプロセッサ、コンピュータ等の情報処理機器、さらには通信機器の発展に伴い、それらの機器のデジタル画像を記録する手段としてインクジェット方式を採用したインクジェット記録装置が近年多く普及している。インクジェット記録装置においては、記録ヘッドとして、インクを吐出するための吐出口およびこれにインクを供給する液路からなる記録素子(ノズル)を高密度に複数集積配列したものを用いており、この記録ヘッドから記録液であるインクを飛翔液滴として吐出し、紙等の記録媒体にこれを着弾させることによって記録を行う。よって、非接触方式であるために低騒音であるという利点を有している。また、記録素子の高密度化によって高解像な記録が比較的簡易に実現でき、さらに普通紙等の低価格な記録媒体に対しても現像や定着などの特別な処理を要すことなく高品位な画像を得ることが可能である。特に、オンデマンド型のインクジェット記録装置は、カラー化が容易で、しかも装置自体の小型化、簡略化が可能なことから、将来の需要についても有望視されている。
ところで、このようなインクジェット記録装置は、シリアル型のものとライン型のものとに大きく分けることが出来る。シリアル型の記録装置では、記録媒体の搬送方向に配列された複数の記録素子を具備する記録ヘッドを、記録媒体の搬送方向とは交差する方向に移動走査させながら記録を行う記録主走査と、上記記録主走査によって記録された領域に対応する所定量の幅だけ記録媒体を搬送する副走査とを、交互に繰り返しながら順次画像を形成していく。よって、シリアル型のインクジェット記録装置は、比較的小型で低価格に実現できることが特徴である。
これに対し、ライン型の記録装置では、記録する画像の幅以上に記録素子が配列された長尺な記録ヘッド(ライン型長尺記録ヘッド)を用い、記録素子の配列方向と交差した方向に記録媒体を相対的に1度だけ移動搬送させることによって画像を形成する。よって、ライン型の記録装置では、記録走査を何度も行うシリアル型記録装置に比べ、格段に速いスピードで画像を形成することができる。インクジェット記録装置においては、高画質化とともに更なる高速化が要求されてきており、同時に記録ヘッドにおいてはノズルの集積配列化の技術が進められて来ているので、このようなライン型長尺記録ヘッドを搭載した記録装置への期待も大きい。
しかしながら、高密度な画像を高速に記録可能なインクジェット記録装置においては、新たな問題も生じている。
ライン型の記録装置、またはシリアル型であっても高速で記録する場合のように、1度の或いは少数回の記録走査で記録媒体に画像を形成するシステムにおいては、記録媒体は各記録ヘッドから吐出される所定量のインクを比較的短時間に吸収し定着させることが望まれる。しかし、記録媒体の種類によっては所定量のインクを所定時間内に完全に吸収することが出来ないものもある。瞬時に吸収しきれないインクが記録媒体上に存在すると、隣接する位置に記録されたインク滴同士が互いに接触して合体し、記録媒体の表面で両者の引き合いや混色が起こって画質を劣化させることがある。
このような問題に対し、加熱乾燥手段のような定着器を具備することも考えられる。しかし、これではかえって大掛かりで高価格な装置になってしまい、低価格に提供できることが特徴のインクジェット記録装置においては、あまり現実的な手段とはいえない。また、記録に用いるインクの量を低減させることによってインクの定着を早める方法もあるが、この場合には、濃度や記録密度の低い画像しか得られないという新たな問題が生じてしまう。
以下に、インクの吸収速度が遅い場合に現れる様々な画像問題、およびこれを解決するための方法例をいくつか説明する。(特許文献1および特許文献2参照。)
例えば特許文献1では、シリアル型のインクジェット記録装置における、記録走査ごとに現れるつなぎスジを防止するための記録方法が開示されている。インクの吸収速度が遅い場合、各記録走査で記録ヘッドの端部領域で記録されたインクは、前回の記録走査で記録されたインクと接触することによって記録位置に影響をうけ、各記録走査の境界部につなぎスジと呼ばれる白スジあるいは黒スジが目立ってしまう場合がある。特許文献1においては、境界部における記録タイミングを他の領域と異ならせることにより、上記つなぎスジの問題を解決したものである。
また、特許文献2では、特に文字やグラフを形成するベタ画像に対し、にじみの無くコントラストの高い画像を得るための工夫が開示されている。インクの吸収速度が遅い場合、文字やグラフのようにインクが局所的に集中して記録される画像では、輪郭部から非記録領域へインクがあふれ出し、境界があいまいでにじんだ画像になってしまうことがある。この問題に対し、特許文献2では100%で記録されるベタ領域を抽出し、これを境界画素と骨格画素に分類して、骨格画素には相対的に多くのインクを記録する技術が開示されている。これによれば、骨格画素によってベタ領域全体の濃度を上げつつ、これを取り囲む輪郭画素においては骨格画素からのインクのあふれを吸収するので、更に外側の非記録領域に必要以上のインクがあふれ出すことが無く、コントラストの強いエッジの明確な画像を得ることが出来るのである。
特開平6−40046号公報 特開2000−118007号公報 米国特許第4,723,129号明細書 米国特許第4,740,796号明細書 米国特許第4,463,359号明細書 米国特許第4,345,262号明細書 米国特許第4,313,124号明細書 米国特許第4,558,333号明細書 米国特許第4,459,600号明細書 特開昭59−123670号公報 特開昭59−138461号公報 特許第3,427,026号公報
ところで、近年のように、より高階調で高解像な画像を記録しようとする場合、オリジナルの画像信号を記録装置が記録できるような2値の信号値に変換するまでの画像処理は、重要でかつ複雑な役割を果たすようになってくる。画像処理においては、記録媒体でのインク着弾状態を考慮して、所望の濃度を表現することを目的とした画像データの処理を行っている。よって、記録媒体でのインクの挙動は、ある程度予測できるほどに安定していることが好ましい。逆に、記録媒体でのインクの挙動が安定しているほど、所望の濃度が表現しやすいので、画像処理の信頼性も高まるのである。
しかしながら、上述したように、インク吸収の遅い記録媒体に記録した場合には、隣接するドットの有無や着弾時間差の関係、またドットの着弾位置の微妙なずれによって、隣接したドット同士が合体して形成される大きなドットの形状が大きく左右される。よって、同一の画像信号に従って記録した場合でも、記録媒体上でのドットの形状が安定せず、再現性の低い階調しか得られないという問題が生じていた。さらに、ドット同士の合体は、濃度の非連続性を有するアーティファクトを発生させる恐れもある。すなわち、滑らかなグラデーション画像を記録しようとした場合にも、ある階調において局所的な濃度の高低が現れてストリーキングとなり、視覚的には白スジあるいは黒スジといったラインアーティファクトを発生して画質を劣化させるのである。
今後、インクジェット記録装置に求められることは、更なる高画質化に加え、高速化、低コスト化を同時に実現することである。そのために上記のような画像処理に係る問題を解決し、確実で安定した階調や色再現を実現することが最も重要な課題の1つと言える。しかしながら、上記で開示した特許文献を含め、従来の技術においてはそれぞれ着目された問題、即ちインク吸収の遅い場合に起きるつなぎスジや文字品位また、ベタ記録で形成されるオブジェクトに関する問題を解決することは可能であったが、その他の問題に対して積極的に解決できるものではなかった。すなわち、記録媒体のインク吸収速度に係らず、確実で安定した階調や色再現を実現可能な記録方法は、未だ提案されていなかったのである。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものでありその目的とするところは、網点による面積階調方式を適用するインクジェット記録装置において、複数のドット同士が記録媒体上で無秩序に引き込み合うことに起因する濃度再現性の劣化を低減し、安定した階調および色再現性を得ることとする。
そのために本発明では、ドットを記録可能な記録ヘッド記録媒体との相対移動中に前記記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置において、網点画像データに従って網点画像を形成する場合、1回の前記相対移動において、前記網点画像の輪郭を構成する輪郭ドットの全てを形成した後に前記網点画像の輪郭部の内側に位置する内部ドットの全てを形成することを特徴とする。
また、ドットを形成可能な記録ヘッドと記録媒体との相対移動中に前記記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置であって、多値の画像データの階調値に応じて、前記多値の画像データを誤差拡散法あるいは網点法により2値化する2値化手段と、前記2値化手段によって2値化された画像データに従って前記記録ヘッドを駆動し、前記記録媒体にドットを形成するための形成手段とを備え、前記形成手段は、前記網点法により2値化された画像データに従って網点画像を形成する場合、1回の前記相対移動において、前記網点画像の輪郭部を構成する輪郭ドットの全てを形成した後に前記網点画像の輪郭部の内側に位置する内部ドットの全てを形成することを特徴とする。
また、ドットを形成可能な記録ヘッドと記録媒体との相対移動中に前記記録媒体に画像を形成するインクジェット記録方法において、網点画像データに従って網点画像を形成する場合、1回の前記相対移動において、前記網点画像の輪郭部を構成する輪郭ドットの全てを形成した後に前記網点画像の輪郭部の内側に位置する内部ドットの全てを形成することを特徴とする。
さらに、ドットを形成可能な記録ヘッドと記録媒体との相対移動中に前記記録媒体に画像を形成するインクジェット記録方法であって、多値の画像データの階調値に応じて、前記多値の画像データを誤差拡散法あるいは網点法により2値化する2値化工程と、前記2値化工程において2値化された画像データに従って前記記録媒体にドットを記録する形成工程とを有し、前記形成工程では、前記網点法により2値化された画像データに従って網点画像を形成する場合、1回の前記相対移動において、前記網点画像の輪郭部を構成する輪郭ドットの全てを形成した後に前記網点画像の内側に位置する内部ドットの全てを形成することを特徴とする。
本発明によれば、網点輪郭部のドットを先行して記録することによって良好な輪郭が形成され、その輪郭部ドットが完全に吸収されていない状態のときに後続の網点内部ドットを記録するようにしているので、網点全体の形状および濃度が安定したものとなり、濃度および色再現において信頼性の高い画像処理を行うことが出来る。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に適用可能なシリアル型のインクジェット記録装置の概略を説明するための正面図である。キャリッジ20には複数のインクジェット方式の記録ヘッド21が搭載されており、21−1乃至21−4は、それぞれブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)のインクを吐出するための記録ヘッドである。各記録ヘッド21には、インクを吐出するためのインク吐出口が複数配列されている。複数の記録ヘッド21−1乃至21−4、及びこれらに着脱可能で、かつインクを供給する為のインクタンク22−1乃至22−4により、インクカートリッジが一体的に構成されている。
記録ヘッド21への制御信号などは、フレキシブルケーブル23を介して送られる。普通紙や高品位専用紙、OHPシート、光沢紙、光沢フィルム、ハガキ等の記録媒体24は、不図示の搬送ローラを経て排紙ローラ25に挟持され、搬送モータ26の駆動に伴い矢印の方向(副走査方向)に送られる。キャリッジ20は、キャリッジモータ30の駆動により、駆動ベルト29を介して主走査方向に往復運動可能となっており、ガイドシャフト27およびリニアエンコーダ28によって移動経路が案内支持されている。
記録ヘッド21のインク吐出口の更に内部(液路)には、インクを吐出するための熱エネルギを発生する発熱素子(電気熱変換体)が設けられている。発熱素子は、リニアエンコーダ28の読みとりタイミングおよび記録信号に基づいて駆動する。これによって、記録ヘッドの各吐出口からインクが飛翔され、記録媒体24に着弾されることによって順次画像が形成されて行く。
記録領域外に設定されたキャリッジ20のホームポジションには、回復ユニット32が設置されており、各記録ヘッド21に対応する複数のキャップ部31が備えられている。記録を行わないときには、キャリッジ20はホームポジションに移動され、キャップ部31の各キャップ31−1乃至31−4が、それぞれ対応する記録ヘッド21のインク吐出口面を密閉する。これによって、吐出口からのインク溶剤の蒸発や塵埃などの異物の付着を抑制し、吐出口におけるインクの固着や目詰まりを防止する。さらに、キャップ部31は、インク吐出口から離れた状態でインク滴を受けることによって、記録頻度の低いインク吐出口の吐出不良や目詰まりを解消するいわゆる空吐出に利用されたり、また、キャップした状態で不図示のポンプを作動させることによって吐出口からインクを吸引し、吐出不良を起こした吐出口の回復に利用されたりもする。
33はインク受け部である。記録ヘッド21−1乃至21−4は、記録走査直前にインク受け部33の上部を通過する際に、これをめがけて予備の吐出を行う。更に、キャップ部31に隣接した位置には不図示のブレードや拭き部材などが配置されており、記録ヘッド21の吐出口面をクリーニングすることができる。
図2は、記録ヘッド21の構造の一部を説明するための構成図である。図2において、記録ヘッド151は、主にヒータボード153と、ヒータボード153の上にかぶせられる天板154とから概略構成されている。ヒータボード153には、インクを加熱するための電気熱変換体である複数のヒータ152が形成されており、一方、天板154には、複数の吐出口155、および吐出口155に連通するトンネル状の液路156が形成されている。図示されてはいないが、各液路156は、その後方において1つのインク液室に共通に接続されており、さらにインク液室はインク供給口を介してインクタンクに接続されている。インクタンクに貯蔵されているインクは、インク供給口を介してインク液室に供給され、その後各液路の毛細管力によって吐出口近傍まで供給される。ヒータボード153と天板154とは、各液路156と各ヒータ152が1対1で対応される様に位置合わせされて組み立てられる。図2においては、4つのヒータ152しか示していないが、実際には更に多くのヒータ152および液路156によって多数の記録素子が形成されている。
図2の様に組み立てられた状態で、ヒータ152に所定の駆動パルスを供給すると、ヒータ152上のインクに膜沸騰が起こり、気泡が発生する。そして、この気泡の体積膨張により、インクが吐出口155から押し出されて吐出される構成となっている。但し、本発明に適用可能なインクジェット記録方式は、図1及び図2に示したような発熱素子(ヒータ)を使用した方式に限られるものではなく、例えば、インク滴を連続噴射し粒子化するコンティニュアス型の場合には荷電制御型、発散制御型等、また、必要に応じてインク滴を吐出するオンデマンド型の場合には、ピエゾ振動素子の機械的振動によりオリフィスからインク滴を吐出する圧力制御方式等でも適用可能である。
図3は本発明に適用可能なインクジェット記録装置における制御系の構成を説明するためのブロック図である。図3において、111は画像入力部であり、スキャナやデジタルカメラ等の画像入力機器からの多値画像データや、パーソナルコンピュータのハードディスク等に保存されている多値画像データなどを記録装置本体に入力する役割を果たす。112は操作部であり、各種パラメータの設定および記録開始などを指示する各種キーを備えている。113はCPUであり、記憶媒体114に格納された制御プログラム114bに従って、記録装置全体の制御を行う。制御プログラム114bには、エラー処理プログラムのように、エラー時に本記録装置を動作させるためのプログラムなども格納されている。114aは各種データを記憶する記憶媒体であり、着弾位置情報、記録媒体の主に種類に関する情報、インクに関する情報、温度・湿度などの環境に関する情報などが格納されている。なお、記憶媒体114としては、ROM、FD、CD−ROM、HD、メモリカード、光磁気ディスクなどを用いることができる。115はRAMであり、記憶媒体114の中の各種テーブルを一時保存したり、テーブルの内容を変更して、この内容を参照しながら画像処理を進めたりすることが出来る。また、記憶媒体114中の各種プログラムのワークエリア、エラー処理時の一時待避エリア及び画像処理時のワークエリアとしても用いることが出来る。
116は画像データ処理部である。本実施形態の画像データ処理部116は、入力された多値の画像データをより低レベルの画像データに量子化したり、さらに量子化した階調値“K”に対応して、最終的な2値信号となる吐出パターンを作成したりすることが出来る。また、本発明特有の処理として、2値化された記録データを、異なる記録素子や、異なる記録走査に分配する役割も果たす。
117は画像出力を行う画像記録部であり、画像データ処理部116で作成された吐出パターンに基づいてインクを吐出し、記録媒体にドットを形成する。118は本記録装置内のアドレス信号、データ、制御信号などの各種データを伝送するバスラインである。
図4は、本実施形態のCPU113が画像データ処理部116に行わせるデータ処理の各工程を簡単に説明するためのフローチャートである。本実施形態の記録装置において、画像入力部111には256段階の階調を表現可能な8bitの多値データが入力されるとする。CPU113はこの多値データを画像処理部116に転送し、256段階の階調を64段階で表現可能な値に量子化する(ステップS41)。ここで行う量子化については、多値誤差拡散法を適用することとするが、例えば平均濃度保存法、ディザマトリックス法等、別の任意の中間調処理方法を適用することも可能である。上記量子化処理が終了後、画像処理部116においては、全ての記録画素にドットを記録するか否かを決定するための2値のデータにまで、更に上記画像データを展開する。このとき、まずステップS41で量子化された値Kが24以下であるか否かを判断する(ステップS42)。
ステップS42にて、K≦24の場合、ステップS43に進み、その画素の濃度Kを8エリア×8エリアの領域で網点にて表現するものとする。
図5は、値Kに対応する、2値化後のドットパターン例を示したものである。図において、各格子は、1つのドットによって記録・非記録が決定されるべき1つのエリアを示しており、各エリアは1200dpi(ドット/インチ;参考値)の密度で構成されている。1つの画素は、8エリア×8エリアで構成されるマトリクス内のドットの記録・非記録によって、濃度値Kが表現される。図5において、黒く塗りつぶした部分はドットを記録するエリア、白い部分はドットを記録しないエリアをそれぞれ示している。例えば、K=1の場合、8エリア×8エリア内の中心部にある1つのエリアのみにドットが記録される。また、K=4の場合は、K=1の場合に記録したエリアに接触する4つのエリアにドットが記録される。このように、本実施形態においては、ドット集中型階調法(以後網点方式と称す)に従った2値化処理によって、K≦24までの階調表現を行うものとする。
更に、ステップS45に進み、網点構成エリアの分配処理が行われる。この処理によって、それぞれのエリアに記録されるドットが、どのノズルでどのタイミングで記録されるかが決定される。網点構成エリアの分配処理については後に詳細に説明する。
一方、ステップS42でK>24と判断された場合、ステップS44へ進み、通常の誤差拡散法によって、Kに対する更なる2値化処理を行う。
ステップ45またはステップS44によって画像データが完全に2値化され、どのノズルでどのタイミングで記録されるかが決定されると、データは画像記録部117へ転送され、所定の記録ヘッドを用いた画像の記録が行われる(ステップS46)。
以上説明したように本実施形態においては、量子化後のKの値によってその後の2値化方法を異ならせている。但し、この方法は本発明および本実施形態を限定するものではない。例えば、高階調においてもK≦24と同様に網点によって2値化処理を行うものであってもよい。さらに網点は周期的に配列してあってもよく、また非周期的に配列するスクリーニング方法であっても構わない(特許文献12参照。)。
本実施形態においては、階調の低い領域から中間調にかけて特に本発明の効果が得られる一方で、階調の高い領域では、本発明が改善しようとするドットのにじみに起因する階調や色再現性のばらつきが殆ど認められなくなるので、このような構成を採用したのである。
次に、本発明の最も特徴的な部分となる上記網点内の先行着弾エリアと、後続着弾エリアへの分配処理について説明する。
図6は記録される網点領域のエリアおよび記録順を説明するための図である。ここでは、K=24の場合を例に説明する。K=24の場合、ドットを記録するエリアは図5(d)のようになる。本実施形態においては、図5(d)で示した全エリアを、図6(a)の輪郭部を構成するエリアと、図6(b)の網点内部を構成するエリアに分割し、それぞれを異なるタイミングで記録する。図6(c)は、図6(a)で示したエリアに、真円のドットを全くにじみの起こらない状態で記録した図、図6(d)は、図6(b)で示したエリアに真円のドットを全くにじみの起こらない上程で記録した図をそれぞれ示している。
このように、ドット同士の引き込み合いがまったく起こらなければ、あるいは、全てのドットが十分に時間間隔をおいて記録されれば、図6(c)または(d)に近い着弾状態を得ることが出来る。しかしながら一般には、ほぼ同時に着弾したドット同士は、その表面張力により互いに引き合って合体するので、図6(b)のエリアに同時に記録を行った場合には、図6(f)のように、大きなひとつの円形ドットが形成される。また、図6(a)で示すようにほぼ円形につながるエリアに同時にドットを記録した場合にも、図6(e)のように、滑らかな円が形成される。以上のような現象は、例えば光沢紙のように、特にインクの吸収速度が遅い記録媒体を適用した場合に顕著であるといえる。ただし、一般には、隣接する位置に記録されるドット同士の着弾時間差がおよそ100msec以内であれば、両者は互いに引き合うことが出来ると考えられている。
図7は、記録媒体に対するドットの記録順を説明するためのイメージ図である。図によれば時間Tの経過とともに、網点輪郭部のドットが先行して記録され、続いて網点内部のドットが記録されている。このようにドットの記録順を制御することにより、本発明では、全24エリアに記録された後の、記録媒体上に形成される大きな合体ドットの形状を良好に保つことが出来るのである。
先行ドットとして記録される網点輪郭部のドットは、隣接するドット同士がほぼ同時に記録されることにより、それぞれの微小な着弾位置ずれに大きな影響を受けず、図6(e)のように、ほぼ安定した位置に安定した形状の円を形成することが出来る。また、後続ドットとして記録される網点内部のドットは、未だ吸収しきれずに記録媒体表面に残っている先行ドットに引き付けられやすいので、結果として図8のように、輪郭の整った滑らかな円ドットを形成することが出来る。
図9および図10は、図6で説明した本実施形態に対する比較例として、本実施形態のように輪郭部と内部を分離する方法でなく、記録エリア全体を一様に2分割し、それぞれ異なるタイミングでドットを記録した場合の例を模式的に示している。図において、図9(a)および(b)は、先行ドットおよび後続ドットを記録する各エリアを示しており、図9(c)および(d)は、図6(c)および(d)と同様に、仮に真円ドットが紙面上に記録された場合の画像を示している。さらに図10は、図9(a)のエリアに先行ドットを記録した直後に、図9(b)のエリアに後続ドットを記録した際に得られる大ドットの形状を、図8と比較して示したものである。
本比較例によれば、図9(c)で示す先行ドットは、互いに隣接した位置に記録されるわけではないので、それぞれの着弾位置のばらつきが補正されず、歪んだ形のドットが形成される。また、後続ドットにおいても、整った輪郭の円に引き寄せられるのではなく、着弾位置にばらつきのある先行ドットの上に記録されるので、結果として、図10に示すような歪んだ形状の大ドットが形成されてしまうのである。
図11(a)および(b)は、連続する6つの画素に、K=24の網点画像を形成した場合の大ドットの状態を、本実施形態と比較例について示した図である。図によれば、図11(a)で示した本実施形態のほうが、網点輪郭部に記録される先行ドットが互いに接することによって、それぞれの着弾位置が補正され、ほぼ滑らかな円が輪郭としてまず形成されている。従って、後続ドットが記録された後も、8×8のエリア内での大ドットの形状が崩れることがなく、比較例に対して、より小さいドットが形成されるのである。よって、図11(b)に比べて、残存している白紙部分も多い。このように、8×8内のドットの数がある程度多い階調領域では、形成される大ドットの面積が、小さく且つ白紙の領域を適度に多く残存させている状態のほうが、次に付け加えられるドットによる濃度の向上性が確保されやすい。よって、階調性の点からも本実施形態は、比較例に比べて優れていると言えるのである。
本実施形態によれは、このようなインクの引き寄せ合いを意図的に利用することにより、記録媒体のどの位置に記録される網点画像においても、ドット形状のばらつきが少なく、整った形状のドットを安定して形成することが可能となる。よって、信号値Kに対して得られる画像濃度も、同種類の記録媒体において安定した値を得ることが出来るので、信頼性の高い画像処理が行え、所望の濃度および色彩を再現性のある状態で得ることが可能となるのである。
なお、本実施形態において、「網点の輪郭部」および「網点の内部」は、図6(a)および(b)で示したように網点の輪郭のエリア」および「輪郭部内側エリア」という意味である。
以下に、本実施形態を実現するための記録ヘッドの形態として、いくつかの実施例を説明する。
図12は、本実施形態のインクジェット記録装置に適用可能な記録ヘッド10の吐出口の配列状態を示した図である。図において、11〜14は、複数の吐出口がそれぞれ600dpiの密度でY方向に配列した吐出口列を示している。各吐出口からは、平均2.5plのインク液滴が吐出されるものとする。吐出口列11と吐出口列12は、Y方向に半ピッチずれた状態で配列しており、X方向に移動しながらインクの吐出を行うことによって、Y方向に1200dpiの記録密度で画像を形成することが可能となっている。また、吐出口列13および14の関係も、吐出口列11と12の関係と同様であり、11〜14のすべての吐出口列は同色のインクを吐出する構成となっている。吐出口列11と13、および吐出口列12と14は、互いに2mm離れた距離に配置しており、吐出口11および12が後続ドットを、吐出口13および14が先行ドットをそれぞれ記録する構成となっている。さらに、記録ヘッド10が所定の速度でX方向に移動走査しながら、各吐出口より所定の周波数でインクが吐出されることにより、記録媒体では、100msec以内の時間差で、先行ドットと後続ドットが記録ヘッド10の同一の記録走査で記録されるように各パラメータが調整されている。
なお、例えば本実施例の変形例として、ノズル列11〜14の全てがY方向に互いに1/4ピッチずつずれた配置とし、記録媒体にはY方向に2400dpiの画像が形成されるような構成としてもよい。この場合、例えば高い解像度が求められる高画質モードでは、マルチパス記録を併用することにより2400dpiの記録解像度で記録を行うようにし、一方、より速い速度が求められる高速モードでは、吐出口列11および12が後続ドットを、吐出口13および14が先行ドットをそれぞれ1回の記録走査で記録するようにしてもよい。この際、先行ドットで記録したドット群と後続ドットで記録したドット群は相対的に10μmほどずれた位置関係となるが、1つのエリアに対するインク滴の量が十分大きく、同時に記録されたドット同士の引き寄せ合いが正常に行われれば、本発明の効果を得ることは出来る。
ところで、本発明をより効果的に実施するためには、先行ドットが記録媒体に完全に吸収される前に後続ドットを着弾させること、言い換えれば、先行ドットが記録媒体表面にて液状で存在している間に後続ドットを先行ドットに接触させることが、重要な条件のひとつである。すなわち、網点内部ドットが輪郭部のドットに引き寄せられ、輪郭が整った円形の大ドットを形成するための条件である。そして、その着弾時間差が、一般には100msec程度であることは既に述べた。しかし、たとえ、上記吸収時間を超えた時点で後続ドットを記録しても、本発明の効果が失われるものではない。例えばマルチパス記録や、往復記録のように、100msecを遥かに越えた時間差を有する2つの記録走査によって、先行ドットと後続ドットが記録されるような場合であっても、程度の差こそあれ本発明の効果は得られるのである。
また、各記録走査の間に記録ヘッド幅の半量の紙搬送を行う2パスのマルチパス記録において、先行する第1の記録走査で図6(a)に示した網点輪郭部のドットを記録し、後続する第2の記録走査で図6(b)に示した網点内部のドットを記録しても、本発明の効果を得ることが出来る。本発明者らは、図9(a)および(b)のように分割したドットを2回の記録走査で記録した場合と、図6(a)および(b)のように分割したドットを2回の記録走査で記録した場合とで、その出力画像を比較したところ、後者のほうが鮮鋭感のあるより良好な画像が得られていることを確認することが出来た。
さらに、各記録走査の間に記録ヘッド幅の1/4量の紙搬送を行う4パスのマルチパス記録においても、網点輪郭部のドットを先行の記録走査で、後続の記録走査で網点内部側を記録することにより、さらに良好な画質を得ることが確認できた。
上記、マルチパス記録や往復記録においては、もともと記録するドットを各記録走査で分割しているので、記録媒体上でインクを乾かしながら少しずつ記録することが出来る。よって、1回の記録走査で全てのドットを記録する場合に比べて、にじみや、本発明が解決しようとしているドットの無秩序な引き込みや網点の広がりなどの問題は起こりにくいと言える。しかし、このような記録方法は、記録走査数が多い分、スループットが低下してしまうという欠点もある。この点からも、本発明および本実施例の効果は、マルチパス記録や往復記録でも得られるものではあるが、より少ない記録走査で記録する場合、特に1回の記録走査で高速に記録する場合に、更に発揮されるものと言える。
図13は、本実施例で適用するライン型の記録ヘッドの構成を説明するための図である。本実施例ではライン型の記録装置とするので、図1で示したシリアル型とは異なり、固定されたままの記録ヘッド120に対し、記録媒体が所定の速度でX方向に搬送する構成となっている。図13においては、図12で示した記録ヘッドと同様の構成のものを複数個(ここでは121から126の6個分)図の様に配列させており、これによって、先行ドットおよび後続ドットともに、Y方向に1200dpiの記録密度で記録媒体の幅分のドットが記録可能となっている。更に、このようにして構成された1色分の記録ヘッド127を、X方向に4色分配列させることにより、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローの4色によるフルカラー画像を形成することが可能となっている。
以下に、本実施例の効果を確認するために実際に行った検証条件および結果を報告する。記録ヘッド120において、インク滴は、2.5±0.5plで吐出するように調整した。インクとしては、市販のBJF900(キヤノン株式会社製)用の4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)を用い、記録媒体としては、インクジェット専用フォト光沢紙(プロフォトペーパー、PR101:キヤノン株式会社製)を用意した。また、記録ヘッドの駆動周波数は16kHzとし、1200×1200dpiの記録解像度で全画素にK=24の画像を記録した。適用する記録媒体およびインクの成分において、ブリスト法によって求められるインクの吸収時間は、10ml/mあたり14msecであったので、本実施例で用いる記録ヘッドによって記録を行った場合、先行ドットと後続ドットは100msecよりも十分短い時間内で記録を行う。
これにより、先行ドットが吸収される前に後続ドットが接触するように両者を着弾させることができ、先行ドットと後続ドットが合体して、図11(a)で示したようなドットが形成されることが観察された。すなわち、網点により被覆されない白紙部分を好適に残存させることが出来、良好な階調表現を得ることが可能となったのである。
図14は、本実施形態のインクジェット記録装置に適用可能な記録ヘッドにおいて、ある一色を吐出するための吐出口の配列状態を示した図である。図において、131〜134は、複数の吐出口がそれぞれ600dpiの密度でY方向に配列した吐出口列を示している。131および132の各吐出口からは、平均0.8plのインク液滴が吐出され、133および134からは、平均2.5plのインク液滴が吐出されるものとする。吐出口列131と吐出口列132は、Y方向に半ピッチずれた状態で配列しており、X方向に移動しながらインクの吐出を行うことによって、記録媒体にはY方向に1200dpiの画像を形成することが可能となっている。また、吐出口列133および134の関係も、吐出口列131と132の関係と同様になっている。更に、吐出口列131と133、および吐出口列132と134は、互いに2mm離れた距離に配置しており、吐出口131および132が後続ドットとなる小ドットを、吐出口133および144が先行ドットとなる大ドットをそれぞれ記録する構成となっている。
図15は、本実施例で適用する4色のインクを吐出するための記録ヘッド140を示している。図において、131〜134および141〜144は、図14で説明した吐出口配列を示し、ここでは、131〜134がシアンインクを、141〜144がマゼンタインクをそれぞれ吐出する構成となっている。また、145〜148は実施例1の図12で説明した吐出口配列と同様であるが、本実施例においては、145および146が2.5plのイエローインクを、147および148が2.5plのブラックインクをそれぞれ吐出する構成となっている。さらに、記録ヘッド140が所定の速度でX方向に移動走査しながら、各吐出口より所定の周波数でインクを吐出することにより、記録媒体では、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの順でインクが打ち込まれ、シアンおよびマゼンタの先行ドットおよび後続ドットについては、100msec以内の時間差で、同一の記録走査で記録されるようになっている。
本実施例のように、網点の輪郭部をより小さな先行ドットによってまず記録し、その後網点の内部をより大きな後続ドットによって記録することは、網点の濃度を保ちつつも、その輪郭形状をより微細に制御することが出来る。すなわち、画像処理においては、更に好ましい状態で階調性を制御することができるのである。
本実施例においても実施例1と同様に、十分短い着弾時間差で先行ドットと後続ドットを記録することがより効果的ではあるが、やはり実施例1と同じように、往復記録によってあるいはマルチパスによって、先行ドットがほぼ定着した後に後続ドットを記録したとしても、本発明の効果を得ることは出来る。この場合、同時にマルチパスによる効果によって更に良好な画質を得ることもできる。
以上説明したように、本実施例によれば、特に階調性を重視したいシアンおよびマゼンタに対して、上述したような先行ドットおよび後続ドットに分割した制御を行うことにより、濃度特性および色再現性に優れた画像を得ることが可能となる。無論、イエローやブラックに対してこのような構成を採ることも有効である。
図16は、本実施例で適用するライン型の記録ヘッド150の構成を説明するための図である。本実施例では、固定されたままの記録ヘッド150に対し、記録媒体が所定の速度でX方向に搬送される構成となっている。図16においては、図14で示した記録ヘッドと同様の構成のものを複数個(ここでは151から156の6個分)図の様に配列させており、これによって、大ドットおよび小ドットともに、Y方向に1200dpiの記録密度で記録媒体の幅分のドットが記録可能となっている。更に、このようにして構成された1色分の記録ヘッド157を、X方向に4色分配列させることにより、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローの4色によるフルカラーの画像を形成することが可能となっている。
本実施例によれば、実施例2と同様に、高速記録が可能なライン型のインクジェット記録装置によって、先行ドットと後続ドットを極短い時間差で記録する効果を得ることが出来る。また、実施例3と同様に、小ドットにより網点輪郭部を先行して記録した後に、大ドットにより網点内部を記録することにより、網点の形状を良好に保ち、更に好適な状態で階調性を制御することも可能となるのである。
なお、実施例3および4において、より小さなドットによって網点の輪郭部を形成する方法を述べたが、例えば、先行ドットと後続ドットは、同色でありながら濃度の異なる2種類のインクによって記録されるように構成してもよい。また、後続ドットはより濃度の高く、且つ小さなドットによって記録される構成にしてもよい。この場合、網点の輪郭部の形状をより高精細でかつ明確に形成することが期待できる。
このように、本発明は、色毎に複数の濃度や大きさのドットを記録するインクジェット記録装置に対しても適用可能である。いずれの場合も、適用する記録ヘッドの構成、インクの種類、記録媒体の種類、記録速度などに応じて、網点を形成するための記録エリアを、輪郭部と網点内部とに適切に分類して記録することが出来れば、本発明の効果は得られるものである。
さらに、上記実施形態においては、64階調のうち、K=0〜24までを網点による擬似中間調処理を行い、K=25〜64に関しては誤差拡散法を適用する内容で説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。逆に、低濃度部は誤差拡散法による擬似中間調処理を行い、高濃度部は網点による擬似中間調処理を行った後に本発明の処理を施したとしても、本発明の効果は十分確認できるものである。この場合、低濃度部におけるドットの粒状感は低減されつつ、高濃度部においては白紙部分が効率的に残存される分、階調性がより好ましい状態となる。
以上の実施例では、図2を用いて説明したように、熱エネルギを利用して飛翔的液滴を形成し、記録を行うインクジェット記録方式を適用した。本発明の効果は、この構成によってのみ得られるものではないが、上記方式は、比較的簡易でかつ低コストで実現できるという点で、非常に有効な記録方式と言える。その代表的な構成や原理については、例えば、特許文献3あるいは特許文献4に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一体一で対応した液体(インク)内の気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、特許文献5や特許文献6に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の特許文献7に記載されている条件を採用すると、更に優れた記録を行うことが出来る。記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する特許文献8や特許文献9を用いた構成も本発明に含まれるものである。
加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特許文献10や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特許文献11に基いた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録を確実に効率よく行うことができるようになるからである。
加えて、シリアル型の記録装置であっても、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
また、本発明の記録装置の構成として、記録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げることができる。
本発明は、紙や布、革、不織布、OHP用紙等、さらには金属などの記録媒体にインクを付着して記録を行うインクジェット記録機器すべてに適用可能である。具体的な適用機器としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の事務機器や工業用生産機器等に利用することができる。
本実施形態に適用可能なシリアル型のインクジェット記録装置の概略を説明するための正面図である。 記録ヘッドの構造の一部を説明するための構成図である。 本発明に適用可能なインクジェット記録装置における制御系の構成を説明するためのブロック図である。 本発明の実施形態で適用するCPUが行うデータ処理の各工程を説明するためのフローチャートである。 (a)〜(d)は、階調値に対応する、2値化後のドットパターン例を示した図である。 (a)〜(f)は、記録される網点領域のエリアおよび記録順を説明するための図である。 記録媒体に対するドットの記録順を説明するためのイメージ図である。 本発明の記録方法によって得られる網点の中心に寄せ集まった大ドットの様子を示した図である。 本発明の実施形態に対する比較例を説明するための模式図である。 本発明の実施形態に対する比較例を説明するための模式図である。 (a)および(b)は、網点を連続して形成した場合の記録状態を、本実施形態と比較例について示した図である。 本発明の実施例1に適用可能な記録ヘッドの吐出口の配列状態を示した図である。 本発明の実施例2に適用可能な記録ヘッドの吐出口の配列状態を示した図である。 本発明の実施例3に適用可能な記録ヘッドの吐出口の配列状態を示した図である。 本発明の実施例3に適用可能な記録ヘッドの吐出口の配列状態を示した図である。 本発明の実施例4に適用可能な記録ヘッドの吐出口の配列状態を示した図である。
符号の説明
10 記録ヘッド
11〜14 吐出口列
20 キャリッジ
21 記録ヘッド
22 インクタンク
23 フレキシブルケーブル
24 記録媒体
25 排紙ローラ
26 搬送モータ
27 ガイドシャフト
28 リニアエンコーダ
29 駆動ベルト
30 キャリッジモータ
31 キャップ部
32 回復ユニット
33 インク受け部
111 画像入力部
112 操作部
113 CPU
114 記憶媒体
115 RAM
116 画像処理部
117 画像記録部
121〜127 記録ヘッド
131〜134 吐出口列
140 記録ヘッド
141〜148 吐出口列
151〜157 記録ヘッド

Claims (8)

  1. ドットを記録可能な記録ヘッド記録媒体との相対移動中に前記記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置において、
    網点画像データに従って網点画像を形成する場合、1回の前記相対移動において、前記網点画像の輪郭を構成する輪郭ドットの全てを形成した後に前記網点画像の輪郭部の内側に位置する内部ドットの全てを形成することを特徴とするインクジェット記録装置
  2. 前記記録ヘッドには、前記ドットを形成するための複数のドット形成素子列が前記相対移動の方向に配列されており、
    前記輪郭ドットを形成するためのドット形成素子列と、前記内部ドットを形成するためのドット形成素子列とは異なることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置
  3. ドットを形成可能な記録ヘッドと記録媒体との相対移動中に前記記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置であって、
    多値の画像データの階調値に応じて、前記多値の画像データを誤差拡散法あるいは網点法により2値化する2値化手段と、
    前記2値化手段によって2値化された画像データに従って前記記録ヘッドを駆動し、前記記録媒体にドットを形成するための形成手段とを備え、
    前記形成手段は、前記網点法により2値化された画像データに従って網点画像を形成する場合、1回の前記相対移動において、前記網点画像の輪郭部を構成する輪郭ドットの全てを形成した後に前記網点画像の輪郭部の内側に位置する内部ドットの全てを形成することを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 前記2値化手段は、前記多値の画像データの階調値が所定値以下の場合には、前記多値の画像データを前記網点法により2値化し、前記多値の画像データの階調値が所定値を超える場合には、前記多値の画像データを前記誤差拡散法により2値化することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記2値化手段は、前記多値の画像データの階調値が所定値以下の場合には、前記多値の画像データを前記誤差拡散法により2値化し、前記多値の画像データの階調値が所定値を超える場合には、前記多値の画像データを前記網点法により2値化することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記内部ドットは、前記輪郭ドットよりも大きことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット記録装置
  7. ドットを形成可能な記録ヘッド記録媒体との相対移動中に前記記録媒体に画像を形成するインクジェット記録方法において、
    網点画像データに従って網点画像を形成する場合、1回の前記相対移動において、前記網点画像の輪郭を構成する輪郭ドットの全てを形成した後に前記網点画像の輪郭部の内側に位置する内部ドットの全てを形成することを特徴とするインクジェット記録方法
  8. ドットを形成可能な記録ヘッドと記録媒体との相対移動中に前記記録媒体に画像を形成するインクジェット記録方法であって、
    多値の画像データの階調値に応じて、前記多値の画像データを誤差拡散法あるいは網点法により2値化する2値化工程と、
    前記2値化工程において2値化された画像データに従って前記記録媒体にドットを記録する形成工程とを有し、
    前記形成工程では、前記網点法により2値化された画像データに従って網点画像を形成する場合、1回の前記相対移動において、前記網点画像の輪郭部を構成する輪郭ドットの全てを形成した後に前記網点画像の内側に位置する内部ドットの全てを形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
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