JP4578753B2 - エレベータ装置 - Google Patents
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Description
この発明は、巻上機を設置するための専用の機械室を持たず、昇降路内に巻上機が配置されている機械室レスタイプのエレベータ装置に関するものである。
背景技術
従来、例えば特開平8−208152号公報には、1本又はそれ以上のガイドレールの上端部にマシンベースが固定され、そのマシンベース上に巻上機が設置されているエレベータが示されている。しかし、このような構造では、巻上機の振れ止め(倒れ止め)を昇降路の壁部と巻上機との間に設ける必要があり、構造が複雑になり高価なものとなってしまう。
また、ガイドレールの中間部に巻上機を取り付け、巻上機の上方へ延びるガイドレールの部分で振れ止めを支持する方法も考えられるが、巻上機をガイドレールの中間部に取り付けるためには、リーマボルトやノックピンなどを設けるための特別な加工をガイドレールに施す必要があり、コストが高くなってしまう。
発明の開示
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡単な構造でガイドレールにより巻上機を支持することができ、コストを低減させることができるエレベータ装置を得ることを目的とする。
この発明によるエレベータ装置は、昇降路、この昇降路内に設置された複数本のガイドレール、これらのガイドレールに案内されて昇降路内を昇降されるかご及び釣合重り、かご及び釣合重りを昇降路内に吊り下げる主ロープ、及び少なくとも1本のガイドレールの頂部から吊り下げられてガイドレールにより支持され、ロープを介してかご及び釣合重りを昇降させる巻上機を備えたものである。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す斜視図である。図において、昇降路1内には、一対のかごガイドレール2及び一対の重りガイドレール3が設置されている。かご4は、かごガイドレール2に案内されて昇降路1内を昇降される。釣合重り5は、重りガイドレール3に案内されて昇降路1内を昇降される。
かご4及び釣合重り5は、主ロープ6により昇降路1内に吊り下げられている。かご4の下部には、主ロープ6が巻き掛けられる一対のかご吊り車7が設けられている。釣合重り5の上部には、主ロープ6が巻き掛けられる重り吊り車8が設けられている。
主ロープ6の一端部は、かごガイドレール2のうちの1本の上端部に固定されたかご側ロープ止め部材9に固定されている。主ロープ6の他端部は、重りガイドレール3間に架設された重り側ロープ止め部材10に固定されている。
一対の重りガイドレール3の頂部間には、マシンベース11が架設されている。マシンベース11には、かご4及び釣合重り5を昇降させる巻上機12が吊り下げられて支持されている。巻上機12には、一対の振れ止め13が固定されている。これらの振れ止め13は、重りガイドレール3に係合して巻上機12の水平方向への振れ(揺れ)を防止する。
図2は図1の要部を示す正面図、図3は図2のIII−III線に沿う断面図、図4は図2のIV−IV線に沿う断面図である。図において、一対の重りガイドレール3の頂部には、それぞれ取付金14が固定されている。取付金14は、重りガイドレール3の上端面に当接する水平な当接部14aを有している。また、取付金14は、レール端部に予め設けられたレール継ぎ用の孔を利用して複数組のボルト・ナット15により重りガイドレール3に固定されている。
マシンベース11は、一対の当接部14a上に固定されている。巻上機12は、マシンベース11にボルト止めされた一対の巻上機吊下部材16を有している。一対の振れ止め13は、一対の巻上機吊下部材16にそれぞれ固定されている。
図5は図2の振れ止め13を示す平面図、図6は図5の振れ止め13を示す側面図、図7は図5の振れ止め13を示す正面図である。振れ止め13は、金属製のフレーム13aと、このフレーム13aに貼り付けられ重りガイドレール3に当接される弾性体13bとを有している。
このようなエレベータ装置では、巻上機12が重りガイドレール3の頂部から吊り下げられているため、簡単な構造で巻上機12を支持することができ、コストを低減させることができる。また、重りガイドレール3に係合する振れ止め13を用いているため、据付が容易であり、かつ昇降路1の壁部に対して振れ止めを固定する場合に比べて、構造をさらに簡単にすることができる。
さらに、マシンベース11を介して巻上機12が吊り下げられているため、重りガイドレール3の間隔の変化をマシンベース11で吸収することができ、巻上機12を共通化することができる。
さらにまた、マシンベース11を重りガイドレール3に固定するための取付金14は、レール端部に予め設けられたレール継ぎ用の孔を利用して重りガイドレール3に固定されているため、重りガイドレール3に対してリーマボルトやノックピンなどを設けるための特別な加工を新たに施す必要がなく、コストを低減することができる。
実施の形態2.
次に、図8はこの発明の実施の形態2によるエレベータ装置の要部を示す正面図、図9は図8のIX−IX線に沿う断面図、図10は図8のX−X線に沿う断面図である。
実施の形態1では、マシンベース11を介して巻上機12を重りガイドレール3の頂部から吊り下げた。これに対し、実施の形態2では、巻上機12に設けられた接続部12aが複数本のボルト17により取付金14の当接部14aに固定されている。接続部12aは、巻上機12の上端部から水平に突出されている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
このようなエレベータ装置では、マシンベースを用いず、巻上機12の接続部12aが取付金14に直接固定されているため、部品点数を少なくして構造を簡単にできるとともに、据付作業を簡単にすることができる。
実施の形態3.
なお、実施の形態1では、重りガイドレール3に係合する振れ止め13を巻上機12に固定したが、比較的小形の巻上機12を使用する場合など、巻上機12に振れが生じにくい場合には、例えば図11ないし図13に示すように、振れ止めを省略してもよい。
実施の形態4.
また、例えば図14ないし図16に示すように、実施の形態2と同様の構造で、振れ止めを省略してもよい。
実施の形態5.
次に、図17はこの発明の実施の形態5によるエレベータ装置の要部を示す正面図、図18は図17のXVIII−XVIII線に沿う断面図、図19は図17のXIX−XIX線に沿う断面図である。
この実施の形態5では、取付金14とマシンベース11との間に弾性部材21が介在されている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
このようなエレベータ装置では、巻上機12の振動が重りガイドレール3に伝わるのを弾性部材21により防止することができる。
実施の形態6.
次に、図20はこの発明の実施の形態6によるエレベータ装置の要部を示す正面図、図21は図20のXXI−XXI線に沿う断面図、図22は図20のXXII−XXII線に沿う断面図である。
この実施の形態6では、巻上機12の接続部12aと取付金14との間に弾性部材21が介在されている。他の構成は、実施の形態2と同様である。
このようなエレベータ装置では、巻上機12の振動が重りガイドレール3に伝わるのを弾性部材21により防止することができる。
実施の形態7.
なお、実施の形態5では、重りガイドレール3に係合する振れ止め13を巻上機12に固定したが、比較的小形の巻上機12を使用する場合など、巻上機12に振れが生じにくい場合には、例えば図23ないし図25に示すように、振れ止めを省略してもよい。
実施の形態8.
また、例えば図26ないし図28に示すように、実施の形態6と同様の構造で、振れ止めを省略してもよい。
さらに、実施の形態1〜8では、重りガイドレール3により巻上機12を支持したが、レイアウトによっては、かごガイドレール2により巻上機12を支持したり、かごガイドレール2と重りガイドレール3とにより巻上機12を支持したりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す斜視図、
図2は図1の要部を示す正面図、
図3は図2のIII−III線に沿う断面図、
図4は図2のIV−IV線に沿う断面図、
図5は図2の振れ止めを示す平面図、
図6は図5の振れ止めを示す側面図、
図7は図5の振れ止めを示す正面図、
図8はこの発明の実施の形態2によるエレベータ装置の要部を示す正面図、
図9は図8のIX−IX線に沿う断面図、
図10は図8のX−X線に沿う断面図、
図11はこの発明の実施の形態3によるエレベータ装置の要部を示す正面図、
図12は図11のXII−XII線に沿う断面図、
図13は図11のXIII−XIII線に沿う断面図、
図14はこの発明の実施の形態4によるエレベータ装置の要部を示す正面図、
図15は図14のXV−XV線に沿う断面図、
図16は図14のXVI−XVI線に沿う断面図、
図17はこの発明の実施の形態5によるエレベータ装置の要部を示す正面図、
図18は図17のXVIII−XVIII線に沿う断面図、
図19は図17のXIX−XIX線に沿う断面図、
図20はこの発明の実施の形態6によるエレベータ装置の要部を示す正面図、
図21は図20のXXI−XXI線に沿う断面図、
図22は図20のXXII−XXII線に沿う断面図、
図23はこの発明の実施の形態7によるエレベータ装置の要部を示す正面図、
図24は図23のXXIV−XXIV線に沿う断面図、
図25は図23のXXV−XXV線に沿う断面図、
図26はこの発明の実施の形態8によるエレベータ装置の要部を示す正面図、
図27は図26のXXVII−XXVII線に沿う断面図、
図28は図26のXXVIII−XXVIII線に沿う断面図である。
Claims (5)
- 昇降路、
この昇降路内に設置された複数本のガイドレール、
これらのガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降されるかご及び釣合重り、
上記かご及び上記釣合重りを上記昇降路内に吊り下げる主ロープ、及び
少なくとも1本の上記ガイドレールの頂部から吊り下げられて上記ガイドレールにより支持され、上記ロープを介して上記かご及び上記釣合重りを昇降させる巻上機
を備え、
上記ガイドレールの頂部間には、マシンベースが架設されており、
上記巻上機は、上記マシンベースの下部に吊り下げられており、
上記巻上機の下部には、上記ガイドレールに係合して上記巻上機の振れを防止する振れ止めが取り付けられているエレベータ装置。 - 昇降路、
この昇降路内に設置された複数本のガイドレール、
これらのガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降されるかご及び釣合重り、
上記かご及び上記釣合重りを上記昇降路内に吊り下げる主ロープ、及び
少なくとも1本の上記ガイドレールの頂部から吊り下げられて上記ガイドレールにより支持され、上記ロープを介して上記かご及び上記釣合重りを昇降させる巻上機
を備え、
上記巻上機には、その上端部から水平に突出された一対の接続部が設けられており、
上記接続部が上記ガイドレールの頂部に固定されており、
上記巻上機の下部には、上記ガイドレールに係合して上記巻上機の振れを防止する振れ止めが取り付けられているエレベータ装置。 - 上記振れ止めは、上記巻上機に固定されるフレームと、このフレームに設けられ上記ガイドレールに当接される弾性体とを有している請求項1又は2に記載のエレベータ装置。
- レール継ぎ用の既設の孔を利用して上記ガイドレールの頂部に固定されている取付金をさらに備え、上記取付金を介して上記巻上機が上記ガイドレールの頂部から吊り下げられている請求項1又は2に記載のエレベータ装置。
- 上記巻上機と上記取付金との間には、上記巻上機の振動が上記ガイドレールに伝わるのを防止する弾性部材が介在されている請求項4記載のエレベータ装置。
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