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JP4572858B2 - シフトバイワイヤ式レンジ切換え装置 - Google Patents

シフトバイワイヤ式レンジ切換え装置 Download PDF

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JP4572858B2 JP2006095607A JP2006095607A JP4572858B2 JP 4572858 B2 JP4572858 B2 JP 4572858B2 JP 2006095607 A JP2006095607 A JP 2006095607A JP 2006095607 A JP2006095607 A JP 2006095607A JP 4572858 B2 JP4572858 B2 JP 4572858B2
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Description

本発明は、シフトバイワイヤ式レンジ切換え装置、特に駆動軸をディテント機構のレンジ谷に確実に引込むことができるシフトバイワイヤ式レンジ切換え装置に関するものである。
従来、特許文献1に記載されているように、シフトバイワイヤ式自動変速機のレンジ切換え装置が知られている。このレンジ切換え装置は、ドライバにより変速レンジが選択されるレンジ選択手段と、レンジ選択手段からの入力信号に基づく制御信号により制御されるモータと、モータの回転をレンジ切換え手段に伝達する伝達手段と、レンジ切換え手段の位置を検出する位置検出手段とを備えている。
この種のレンジ切換え装置においては、レンジ選択手段で選択された変速レンジに対応した位置に切換えられたレンジ切換え手段を、切換え位置に位置決め保持するために、ディテント機構が用いられ、ディテント機構は、ディテントレバーおよびディテントスプリングによって付勢された係合部材からなり、ディテントレバーにはレンジ切換え手段の4つの切換え位置(P位置、R位置、N位置、D位置)に対応してレンジ溝が設けられ、これらレンジ溝に係合部材が係合して切換え手段の切換え位置を保持するようにしている。
位置検出手段は一般にポテンショメータ等で構成され、マニュアルシャフトの回転角を検出するようになっている。そして、マニュアルシャフトの回転によって変速レンジがP位置、D位置等に変化した場合には、ポテンショメータ等の出力によって検出できるようになっているが、ポテンショメータ等を用いたものにおいては、組付ガタ等によってポテンショメータのN点とマニュアルシャフトのN点がずれる恐れがあり、しかも、ポテンショメータ自体の精度バラツキによって変速位置が設計値より微妙にずれる恐れがある。
このために、特許文献2に記載されているように、各変速位置とポテンショメータの出力値との関係を学習手段によって学習させ、この学習機能によって、組付ガタ等を吸収するとともに、ポテンショメータ自体の精度バラツキに係わらず、正確な変速を行えるようにしたものも提案されている。
特開2005−69295号公報 特開2002−48230号公報
しかしながら、上記した特許文献2に記載のものにおいては、各変速位置の学習を行うのは、シフト実行時のみとなるため、シフト後の温度ドリフト等によるセンサ特性の変化には対応できない問題がある。さらには、シフト動作によって、マニュアルシャフトがディテント機構の凹部に確実に引き込まれたとしても、振動等による影響によって、マニュアルシャフトがディテント機構の凹部からずれる恐れがあり、このようなズレが発生すると、意図しないシフト位置への切換わりや、あるいはまた、次のシフト実行時のモータの起動角度が本来の角度と異なることになる。このために、モータの起動から制動開始までの時間が長くなったり、短くなったり変動することになり、シフト切換え精度が低下する恐れがある。
本発明は、上記した従来の問題を解消するためになされたもので、駆動軸をディテント機構のレンジ谷に確実に引込むことができるシフトバイワイヤ式レンジ切換え装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の変速レンジを選択可能なレンジ選択手段からの電気信号に基づいてモータを駆動し、該モータの回転を、伝動機構を介してレンジ切換え手段に連動する駆動軸に伝達すると共に、該駆動軸をディテント機構により位置決めしてなる、レンジ切換え装置において、 前記レンジ切換え手段の切換え位置を検出する位置検出手段を有し、前記ディテント機構は、前記変速レンジに対応した複数のレンジ谷が形成されたディテントレバーおよび前記レンジ谷に係合する係合部材を有し、前記レンジ選択手段からの電気信号に基づいて前記モータを駆動し、停止させた後、該モータの停止から所定時間経過後に、前記切換え位置に基づいて前記ディテントレバーの前記レンジ谷に前記係合部材が引込まれているか否かを判定する引込み判定手段を有し、
前記引込み判定手段の判定結果に基づいて、前記モータに、前記係合部材に作用する付勢力から生じるトルクよりも小さいトルクを出力させて、前記モータを正転もしくは逆転させる引込み実行手段を有することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記引込み判定手段は、前記モータを正転もしくは逆転させた前と後の前記切換え位置を比較して前記レンジ谷に前記係合部材が引込まれているか否かの判断を行うことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2において、前記引込み実行手段は、切換え位置が変化しなくなるまで前記モータを正転もしくは逆転させることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記谷位置引込み手段の実行前と実行後の前記切換え位置に基づいて前記切換え位置を学習する学習機能を有することを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記学習機能は、前記谷位置引込み手段の実行前と実行後の前記切換え位置の差が所定値以下のとき、前記谷位置引込み手段の実行前の前記切換え位置を前記谷位置引込み手段の実行後の切換え位置に基づいて更新し、前記モータは、更新された前記切換え位置に基づいて駆動されることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記学習機能は、前記谷位置引込み手段の実行された前記切換え位置のみを更新することを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項5において、前記学習機能は、前記谷位置引込み手段の実行された前記切換え位置に基づいて前記谷位置引込み手段の実行されていない前記切換え位置も更新することを特徴とするものである。
請求項1に係る発明によれば、モータの停止から所定時間経過後に、切換え位置に基づいてディテントレバーのレンジ谷に係合部材が引込まれているか否かを判定する引込み判定手段と、引込み判定手段の判定結果に基づいてモータを正転もしくは逆転させる引込み実行手段を有するので、駆動軸がディテント機構のレンジ谷に引込まれているか否かの判断を的確に行い得、レンジ谷に引込まれていない場合に、レンジ谷への引込みを確実に行うことができる。
しかも、モータは、正転方向および逆転方向に所定の時間だけ、係合部材に作用する付勢力から生じるトルクよりも小さいトルクによって正転もしくは逆転されるようになっているので、係合部材をディテントレバーのレンジ谷に引込む方向にのみ確実に作動させることができる。
請求項2に係る発明によれば、モータを正転もしくは逆転させた前と後の切換え位置を比較し、レンジ谷に係合部材が引込まれているか否かの判断を行うようになっているので、位置検出手段の位置信号の変化によって、レンジ谷に引込まれているか否かを簡単かつ確実に判断することができる。
請求項3に係る発明によれば、切換え位置が変化しなくなるまでモータを正転もしくは逆転させるようにしたので、ディテントレバーのレンジ谷への係合部材の係合を確実に行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、谷位置引込み手段の実行前と実行後の切換え位置に基づいて切換え位置を学習する学習機能を有しているので、位置検出手段の精度特性や経時的変化に係わらず、正確なレンジ切換えを行うことができる。
請求項5に係る発明によれば、谷位置引込み手段の実行前と実行後の切換え位置の差が所定値以下のとき、谷位置引込み手段の実行前の切換え位置を谷位置引込み手段の実行後の切換え位置に基づいて更新するので、位置検出手段の故障時等に誤った学習を防止することができる。
請求項6に係る発明によれば、谷位置引込み手段の実行された切換え位置のみを更新するようにしたので、温度ドリフトなどにより、位置検出手段における各レンジの谷位置間の相対関係が変化するセンサの場合、他レンジの谷位置におけるセンサ学習値に影響を与えることなく、正確なレンジ切換えを行うことができる。
請求項7に係る発明によれば、谷位置引込み手段の実行された切換え位置に基づいて谷位置引込み手段の実行されていない切換え位置も更新するようにしたので、位置検出手段における各レンジの谷位置間の相対関係が変化しないセンサの場合、他レンジにおいて谷位置引込み判定を実行することなく、正確なレンジ切換えを行うことができる。


以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はシフトバイワイヤ式レンジ切換え装置10の概要を示すもので、図2はシフトバイワイヤ式レンジ切換え装置10の制御ブロックを示すものである。図1および図2において、シフトバイワイヤ式レンジ切換え装置10は、レンジ選択手段としてのシフトレバー11、車速センサ12、コントロールユニット13、モータ14、伝動機構としての動力伝達手段15、レンジ切換え手段としてのマニュアルバルブ16および位置検出手段としてのポジションセンサ17等から構成されている。
シフトレバー11には、車両の駐車を要求するPレンジ(パーキングレンジ)、後退走行を要求するRレンジ(リバースレンジ)、停止を要求するNレンジ(ニュートラルレンジ)および前進走行を要求するDレンジ(ドライブレンジ)を表わす文字(P、R、N、D)が表示されている。ドライバがシフトレバー11を操作することによって、1つの要求レンジが選択され、選択された要求レンジに応じたシフト信号S1が後述する構成のコントロールユニット13に入力される。なお、本実施の形態においては、レンジ選択手段としてシフトレバー11を用いたが、ドライバによって選択された要求レンジに対応するシフト信号S1を発生させることができるものであれば、例えば、セレクタスイッチ、シフトボタン、音声入力装置等であってもよい。
車速センサ12は車両の車速を検出し、検出された車速信号V1がコントロールユニット13に入力される。また、コントロールユニット13にはポジションセンサ17からの位置信号P1が入力される。コントロールユニット13はシフト信号S1、車速信号V1および位置信号P1に基づいて、モータ14の回転方向や回転開始・停止のタイミングを制御する制御信号C1をモータ14に出力する。
モータ14は、ケーシング18の外側に取付けられ、その出力軸はケーシング18内に突入されている。モータ14には直流モータが用いられ、コントロールユニット13から出力される制御信号C1により駆動制御される。
動力伝達手段15は、減速機構20、ボールねじ機構21、アーム23、駆動軸としてのマニュアルシャフト24およびディテント機構25を有し、マニュアルシャフト24はケーシング18に回転可能に支持されている。減速機構20は、モータ14の出力軸に固定された小径の平歯車20aと、平歯車20aと噛合する大径の平歯車20bとからなり、大径の平歯車20bはボールねじ機構21のボールねじ軸26に固定されている。ボールねじ軸26にはボールねじ機構21のボールナット27が螺合され、ボールナット27はアーム23によって回転を規制されている。これにより、モータ14の回転は、減速機構20により減速されてボールねじ軸26に伝えられ、このボールねじ軸26の回転は、ボールねじ機構21によってボールナット27の軸方向運動に変換される。
ボールナット27には、マニュアルシャフト24に一体的に嵌合されたアーム23の二股部が係合され、アーム23はボールナット27の軸方向運動によりマニュアルシャフト24を中心にしてマニュアルシャフト24と一体的に揺動される。
これら減速機構20、ボールねじ機構21およびアーム23はケーシング18内に収納されている。また、マニュアルシャフト24は一端側がケーシング18内に収納され、他端側がケーシング18から突出している。なお、本実施の形態においては、平歯車20a、20bからなる減速機構20により、モータ14の回転を減速しているが、これの代わりに、例えば、プラネタリギヤやウォームギヤなどを用いてもよい。
レンジ切換え手段としてのマニュアルバルブ16は、バルブボディ30内に配設され、軸方向(矢印A、B方向)に移動可能に嵌合されている。より詳細には、マニュアルバルブ16は、Pレンジに対応するP位置、Rレンジに対応するR位置、Nレンジに対応するN位置およびDレンジに対応するD位置に移動できるようになっており、このマニュアルバルブ16が軸方向に移動することにより、自動変速機の油圧回路内に形成された油路の切換えが行われることで、レンジ選択手段であるシフトレバー11によって選択された所定の要求レンジになるように設定される。マニュアルバルブ16の基端側にはL字型に屈曲されたフック部16aが設けられ、このフック部16aが後述するディテント機構25のディテントレバー31の一部に連結され、ディテントレバー31の回動によってマニュアルバルブ16を軸方向移動するようになっている。
ポジションセンサ17はケーシング18内に収納され、ポジションセンサ17にはマニュアルシャフト24の一端が連結されている。このポジションセンサ17はレンジ切換え手段であるマニュアルバルブ16の位置を検出する、すなわち、自動変速機の変速レンジの状態を検出するレンジ状態検出手段である。ポジションセンサ17としては、例えばポテンショメータを用いることができ、ポテンショメータよりマニュアルシャフト24の回転角度に応じた電圧が出力される。従って、ポテンショメータより出力される電圧レベルによってレンジ位置(P位置、R位置、N位置、D位置)を所定幅のゾーンとして検出することができる。また、手動でレンジ切換えが可能なリリース棒35が、その一端をケーシング18から突出して設けられている。
ディテント機構25は、ディテントレバー31、ディテントスプリング32および係合ローラ33からなっている。ディテントレバー31は板状をなし、下部には矩形状の係合穴37が形成されている。係合穴37には、マニュアルシャフト24の他端が嵌合されている。これにより、ディテントレバー31は、マニュアルシャフト24を回動中心として、マニュアルシャフト24と一体的に矢印C、D方向に回動できる。また、ディテントレバー31の右側下部には、アーム部38が形成され、アーム部38にマニュアルバルブ16の基端側に係合される係合穴39が形成されている。
ディテントレバー31の上部には、図3に示すように、4個の切換え領域として、同図の右から順に凹状のレンジ溝a、c、e、gが設けられている。そして、これらレンジ溝a、c、e、gの間には凸部すなわち凸状の山部b、d、fが形成されている。各レンジ溝a、c、e、gのレンジ谷であるレンジ谷位置a1、c1、e1、g1がマニュアルバルブ16のP位置、R位置、N位置、D位置にそれぞれ対応している。
ディテントスプリング32は、図1に示すように、細長い板状の部材によって形成されており、後端が自動変速機の油圧制御装置のバルブボディ30に固定されている。また、ディテントスプリング32の先端は二股に分かれており、この二股の間に係合ローラ33が回転可能に支持されている。ディテントスプリング32は全体が板ばねとして作用し、その付勢力によって係合ローラ33をディテントレバー31のレンジ谷位置a1、c1、e1、g1に押圧し、ディテントレバー31を精度よく位置決め保持するようになっている。図3は、ディテント機構25の係合ローラ33が右端のレンジ谷位置a1に係合している状態、すなわち、自動変速機がPレンジにある状態を示している。
以上のように構成されたシフトバイワイヤ式レンジ切換え装置10は、ドライバによるシフトレバー11の選択操作に基づくシフト信号S1がコントロールユニット13に入力されると、コントロールユニット13はシフト信号S1に基づいて、モータ制御出力信号C1をモータ14に出力し、レンジ切換え装置10を制御するようになっている。
具体的には、図2の制御ブロック図に示すように、コントロールユニット13は、シフト信号S1が入力され、入力されたシフト信号S1に応じて目標角度A0を設定する目標角度設定部41と、ポジションセンサ17の位置信号(電圧信号)P1が入力され、位置信号P1をそれに応じた現在角度A1に変換する電圧−角度変換部42と、目標角度設定部41および電圧−角度変換部42よりそれぞれ信号が入力され、目標角度A0と現在角度A1との角度差を演算してシフト要求の有無を判断する制御部43と、制御部43からの角度差信号に応じた電圧(電流)信号をモータ制御出力信号C1として出力するモータ駆動部44とによって構成されている。
レンジ切換え装置10のレンジ切換え動作について、PレンジからRレンジへの切換えを例に図3に基づいて説明する。Pレンジにおいては、ディテント機構25の係合ローラ33は、レンジ溝a内のレンジ谷位置a1に係合保持されている。ドライバによりシフトレバー11がPレンジからRレンジに切換えられると、これに対応したシフト信号S1がコントロールユニット13に入力される。コントロールユニット13はシフト信号S1に基づく要求レンジ位置とポジションセンサ17にて検出される現在のレンジ位置との偏差に応じた制御信号C1をモータ14に出力する。
これにより、モータ14が所定の駆動方向に駆動され、モータ14の出力軸の回転運動が、減速機構20によって減速されるとともに、ボールねじ機構21によってボールナット27の軸方向運動に変換され、アーム23が駆動軸であるマニュアルシャフト24を中心にマニュアルシャフト24と一体的に回転される。かかるマニュアルシャフト24、すなわち駆動軸の回転により、ディテントレバー31が図1および図3の矢印C方向に回転されるとともに、マニュアルバルブ16が矢印B方向に移動される。
そして、コントロールユニット13は、ポジションセンサ17の出力電圧がRレンジ位置の手前の凸部(山部)bに対応する値になったとき、モータ14の回転を停止する。モータ14の回転が停止されると、ディテントレバー31は、ディテントスプリング32の弾性力に基づく係合ローラ33の付勢力により回転される。こうして、係合ローラ33は、所定のレンジ谷位置c1に係合保持され、P位置にあったマニュアルバルブ16は、R位置に切換えられる。その他のレンジ切換え動作についても同様である。
ところが、このようなレンジ切換えにおいて、マニュアルシャフト24の角度を検出するポジションセンサ17の出力に誤差があると、本来の狙いの角度からモータ14の制動を開始することができず、確実なレンジ切換えが行えない恐れが発生する。
そこで、本発明は、モータ14の停止中に、すなわち、マニュアルシャフト24の回転が停止されている状態で、モータ14を後述するように、正逆転させることにより、係合ローラ33をディテントレバー31のレンジ谷位置a1、c1、e1、g1に確実に引込むことができるようにしたものである。
以下、モータ14の駆動方法を具体的に説明する。モータ14の駆動は、図4に示すように、マニュアルシャフト24の回転が停止されている状態で、P→D方向およびD→P方向に所定時間Toff毎に交互に、所定の極短い時間Tonだけ、所定の大きさの駆動力To、−Toを与えるように制御する。ここで、出力on時間(Ton)は、上記出力を連続的に与え、その後モータ14をOFFした場合に、係合ローラ33がディテントレバー31のレンジ谷位置に引き込まれた後に、ディテントレバー31等のイナーシャにより、オーバシュートすることがないような極短い時間に設定され、また、出力off時間(Toff)は、ディテントレバー31がレンジ谷位置以外の角度で停止している状態から、マニュアルシャフト24の回転を確実に発生させることができる時間に設定されている。
一方、モータ14に付与する駆動力To、−Toは、ディテントレバー31がディテントスプリング32にて付勢された係合ローラ33によってレンジ谷位置で位置決めされている状態においては、モータ14が駆動されてもマニュアルシャフト24が微小回転する程度のトルクである。この場合、モータ14が駆動されてマニュアルシャフト24が微小回転するとは、モータ14が発生するトルクによりマニュアルシャフト24が回動したとしても、ディテントスプリング32にて付勢された係合ローラ33がディテントレバー31に形成されたレンジ谷と異なるレンジ谷に切り換わらない程度(凸部すなわち山部を超えない程度)に回転することを意味している。そして、モータ14を駆動してもマニュアルシャフト24が回転しない程度のトルクの設定は次のとおりに設定されている。すなわち、レンジ谷位置においてディテントスプリング32によって与えられた係合ローラ33に付勢された付勢力から生じたトルクが、ディテントレバー31、マニュアルシャフト24とレンジ切換え装置10を介してモータ14の出力軸に伝達され、この伝達されたトルクよりも小さなトルクまたは略同等のトルクをモータ14が発生させるように設定されている。
これにより、例えば、図5に示すように、ディテントレバー31がレンジ谷位置c1以外の角度で停止され、P→D方向に対して遊びGがある場合には、モータ14をD→P方向に駆動してもディテントレバー31が回転されることがないが、モータ14をP→D方向に駆動するとディテントレバー31が遊びG分だけ矢印D方向に回転され、これによって係合ローラ33がディテントレバー31のレンジ谷位置c1に引き込まれ、係合ローラ33がディテントレバー31のレンジ谷位置c1に引き込まれた後はディテントレバー31は回転されなくなる。
図6は、シフトバイワイヤ式レンジ切換え装置10の処理を実行するためのフローチャートである。車両のイグニッションスイッチがONにされると、コントロールユニット3に電源が供給され、図6に示すプログラムが実行される。当該プログラムは、まず、ステップS100においてイグニッションスイッチON(IG−ON)時初期化処理用サブルーチンが実行される。ステップS200においてはシフトバイワイヤ(SBW)制御処理用サブルーチンがイグニッションスイッチがONの間継続される。そしてイグニッションスイッチがOFFされるとステップS300におけるイグニッションスイッチOFF(IG−OFF)時処理用サブルーチンが実行される。
次に、各サブルーチンについて説明する。図7は、IG−ON時初期化処理用サブルーチンS100の車両側のECUにおける初期化処理を示し、図8は、自動変速機側のシフトコントロールユニット(SCU)における初期化処理を示す。図7に示す車両側における初期化処理が開始されると、ステップS111において、アクセサリ(ACC)がONされ、アクセサリに電源が供給される。次いでステップS112において、イグニッションスイッチをONした車両キーのIDが当該車両に予め設定されている車両側IDと一致するか否かがチェックされる。一致する場合(YES)にはステップS113に進み、ステップS113においてIDフラグがONされる。不一致の場合(N0)には、不正にイグニッションスイッチがONされたものと判断してステップS114に進み、ステップS104においてIDフラグがOFFされる。ステップS115ではシフトコントロールユニット(SCU)にIDフラグを送信し、車両側における初期化処理が終了する。
一方、図8に示すSCU側における初期化処理が開始されると、ステップS121において、上記したステップS115で車両側より送信されたIDフラグを受信し、続いてステップS122において、IDフラグがONされているか否かが判断される。IDフラグがONされている場合(YES)には、ステップS123に進んで、車両側からエンジン回転数を受信し、次いでステップS124において、受信したエンジン回転数が所定値より大きいか否かが判断される。エンジン回転数が所定値より大きい場合(YES)にはステップS125に進み、ステップS125においてシフト許可フラグをONする。次いで、ステップS126において、自動変速機のコントロールユニット(TCU)にシフト許可フラグを送信するとともに、ステップS127において、シフトバイワイヤ制御フラグをONし、SCU側における初期化処理が終了する。
これに対して、上記したステップS122における判断結果がNO(IDフラグがOFF)の場合、あるいは、ステップS124における判断結果がNO(エンジン回転数が所定値未満)の場合にはエンジンがかかっていないと判断するため、ステップS128に進み、ステップS128でシフト許可フラグをOFFするとともに、ステップS129において、シフトバイワイヤ制御フラグをOFFする。この場合、シフトバイワイヤの制御を実行しないことをTCU側に連絡してもよい。このようにしてSCU側における初期化処理を終了する。
そして、ステップS125においてシフト許可フラグがONされて、通常のSBW制御が実行されたときをフローチャートに基づいて説明する。図9は、SBW制御処理用サブルーチンS200のシフト要求判定処理を示し、図10および図11は、同じくレンジ切換え指令設定処理および実レンジ位置切換え制御処理を示す。SBW制御が実行されると図9に示すシフト要求判定処理が開始される。まず、ステップS211において、シフト要求の有無、すなわち、シフトレバー11が操作されてレンジ切換えが行われたか否かが判定される。レンジ切換えが行われていない(シフト要求がない)場合には、シフトレバー11からのレンジ信号S1と、ポジションセンサ17によって検出された実レンジが同じとなるので、レンジ信号S1と実レンジとを比較することで判断できる。シフト要求がない場合(YES)にはステップS212に進み、ステップS212においてレンジ切換え要求フラグをOFFし、シフト要求があった場合(NO)にはステップS213に進み、ステップS213においてレンジ切換え要求フラグをONし、シフト要求判定処理が終了する。
シフト要求判定処理が終了すると、図10に示すレンジ切換え指令設定処理が開始される。まず、ステップS221において、レンジ切換え要求フラグがONされているか否かがチェックされ、ONされている場合(YES)にはステップS222に進み、ステップS222においてシフトレバー11からのレンジ信号S1をシフト指令に設定し、レンジ切換え要求フラグがONされていない場合(NO)には、シフト指令を変更することなく、レンジ切換え指令設定処理が終了する。ここでのシフト指令は、レンジ切換え装置10のモータ14への指令となる。
レンジ切換え指令設定処理が終了すると、図11に示す実レンジ位置切換え制御処理が開始される。ステップS231において、上記したステップS222で設定されたシフト指令と実レンジとが異なるか否かが判断される。シフト指令と実レンジとが等しい場合(NO)には、レンジ切換えが不要であるので、後述する谷位置引込み処理を行うステップS240にジャンプされた後、実レンジ位置切換え制御処理を終了する。
ステップS231において、シフト指令と実レンジとが異なる場合(YES)にはステップS232に進み、実レンジ切換え中でないか否かがチェックされる。なお、実レンジ切換え中でないか否かは、すなわち、シフトレバー11により選択された変速レンジに対応するレンジ切換え位置にマニュアルバルブを切換えているか否かが実行されているか否かの判断は、モータ14が駆動中か否か、すなわちコントロールユニット13からモータ14に制御信号C1が出力されているか否かで判断される。
実レンジ切換え中でない場合(YES)には、実レンジの切換えを開始するために、ステップS233に進み、実レンジ切換え中である場合(NO)には、ステップS236に進む。ステップS233においては、引き込み完了フラグをOFFし、次いでステップS234において、シフト指令に基づいてモータ14のブレーキポイント(BP)を設定する。ブレーキポイント(BP)は、ディテントレバー31の凸部(山部)b、d、fの位置(角度)のうち、シフト指令に対応した位置(角度)となる。続いてステップS235において、シフト指令に従って、制御信号C1がモータ14に出力され、モータ14が駆動される。
これにより、モータ14の出力軸の回転運動が、減速機構20によって減速されるとともに、ボールねじ機構21によってボールナット27の軸方向運動に変換され、アーム23を介してマニュアルシャフト24およびディテントレバー31が、図1および図3の矢印C方向に回転され、切換え手段としてのマニュアルバルブ16が移動される。マニュアルシャフト24の回転角度はポジションセンサ17によって検出される。
ステップS236においては、ポジションセンサ17にて検出されたセンサ角度が予め定められたブレーキポイント(BP)の角度に一致したか否か、すなわち、モータ14がブレーキポイント(BP)に達したか否かが判断される。具体的には、ポジションセンサ8の出力電圧がディテントレバー20の凸部(山部)b、d、fのうちのシフト指令に対応した角度に相当する値になったか否かが判断される。モータ14がブレーキポイント(BP)に達した場合(YES)にはステップS237に進み、ステップS237においてモータ14の駆動を停止し、マニュアルシャフト24の回動を停止する。これによって、マニュアルシャフト24はディテントレバー31の所定のレンジ谷位置に係合ローラ33が係合する角度位置に位置決めされるようになる。その後、上記したステップS240(谷位置引込み処理)に移行する。
なお、ステップS240(谷位置引込み処理)に移行した後、実レンジ位置切換え制御処理が終了するが、実レンジ位置切換え制御処理が短時間毎に実行されることにより、ブレーキポイント(BP)に達するまでモータ14の駆動が継続されることになる。
このような結果、ディテントスプリング32による弾性力によって係合ローラ33がディテントレバー31の所定の谷位置に係合され、マニュアルバルブ16が要求された所定の切換え位置に切換えられ、自動変速機の実レンジをシフト指令に応じたレンジに切換えできるようになる。
図12は、谷位置引込み処理を示すもので、谷位置引込み処理が開始されると、ステップS250において後述する図13に示す引込み判定処理が実行され、続くステップS241において、引込み完了フラグがOFFで、かつフェールフラグがOFFか否かがチェックされ、引込み完了フラグおよびフェールフラグが共にOFFの場合(YES)にはステップS260に進み、ステップS260において後述する図14に示す引込み実行処理が実行される。しかるに、ステップS241における判断結果がNOの場合、すなわち、引込み完了フラグおよびフェールフラグの少なくとも一方がONの場合には、ステップS260における引込み実行処理が実行されることなく、谷位置引込み処理が終了され、シフトバイワイヤ制御プログラムに戻される。
図13に示す引込み判定処理が開始されると、ステップS251において、引込み完了フラグがOFFであるか否かがチェックされ、OFFでない場合(NO)にはステップS252に進み、引込み完了フラグがOFFの場合(YES)には、引込み判定処理を行う必要がないものとして、引込み判定処理が終了される。ステップS252においては、シフト完了後所定時間(t1)が経過したか否かが判断され、シフト完了後所定時間が経過していない場合(NO)には、次のステップS253において、センサ角度が該当するレンジ谷値から所定以上のズレがあるか否かが判断され、所定以上のズレがない場合(NO)には、さらに次のステップS254において、前回の引込み判定実行から所定時間(t2)以上経過しているか否かが判断され、所定時間以上経過していない場合(NO)には、引込み判定処理を行う条件が整っていないため、引込み判定処理が終了される。
これに対して、上記したステップS252〜S254におけるいずれかの判別結果がYESの場合には、ステップS255に進んで引込み完了フラグをOFFし、後述する引込み実行処理を行うための準備を整え、その状態で、引込み判定処理が終了する。
上記した図13に示す引込み判定処理により、請求項における引込み判定手段を構成しており、当該引込み判定手段と後述する引込み実行手段とによって、請求項における谷位置引込み手段を構成するようになっている。
図14に示す引込み実行処理が開始されると、ステップS261において、モータ作動カウンタを0にセットする。モータ作動カウンタは、モータ14を同一方向に回転させた回数をカウントするものであり、後述するように所定のカウント数以上であればフェールと判断するようになっている。次いでステップS262において、谷確定カウンタが0にセットされる。谷確定カウンタは、モータ14を引込み判定のために駆動した際に、ポジションセンサ17の出力(センサ角度)の変化がない状態が連続で発生した回数をカウントするとともに、モータ駆動方向を切換えるために用いるものである。続いて、ステップS280において後述する図15に示す駆動方向判定処理が実行され、ステップS263に進む。
ステップS263においては、ポジションセンサ17にて検出された現在のセンサ角度(以下、これを現在角度という)が上記した引込み判定処理を実行する前の角度(以下、これを判定実行前角度という)としてセットされ、次いでステップS264において、ステップS280の駆動方向判定処理によって設定された駆動方向フラグの内容に基づいて、モータ14がTon時間だけ所定の回転方向、例えばP→D方向(または、D→P方向)に駆動される。次いでステップS265において、モータ14がToff時間だけ待機された後、ステップS266において、判定実行前角度と現在角度の差が所定値以下であるか否かが判断される。所定値以下の場合(YES)の場合にはステップS267に進み、所定値以上の場合(NO)の場合にはステップS270に進む。
ステップS267においては谷確定カウンタをアップし、次いでステップS268において、谷確定カウンタの内容が設定値、例えば2以上になったか否かが判断され、設定値(2)以上になっていない場合(NO)にはステップS269に進んで、駆動方向フラグを反転した後、上記したステップS263に戻り、ステップS263以降を実行し、モータ14を前記と反対の回転方向、例えばD→P方向(または、P→D方向)にTon時間だけ駆動するように制御する。
そして、上記したステップS268において、谷確定カウンタの内容が設定値(2)以上になって、その判定結果がYESになると、ステップS274に進んで、引込み完了フラグをONするとともに、ステップS275においてフェールフラグをOFFする。次いで、ステップS290において、後述する図16に示す谷位置学習処理を実行し、引込み実行処理を終了する。
ところが、上記したステップS270に移行した場合には、ステップS270においてモータ作動カウンタをアップし、次いでステップS271において、モータ作動カウンタの内容が所定回数以上になったか否かを判断し、モータ作動カウンタの内容が所定回数以上になった場合(YES)にはステップS272に進み、所定回数になっていない場合(NO)には上記したステップS262に戻り、ステップS262以降を実行する。ステップS272においては、モータ作動カウンタの内容が所定回数に達したことで何らかの異常が発生したことが予測されるため、フェールフラグをONしてフェールと判断し、次いでステップS273において、過去に学習されたレンジ谷学習値(以下、これを当該レンジ谷学習値という)として各レンジにおいて予め設定された設計値を登録し、引込み実行処理を終了する。
上記した図14に示す引込み実行処理により、請求項における引込み実行手段を構成しており、当該引込み実行手段と上記した引込み判定手段により、請求項における谷位置引込み手段を構成している。
なお、上記した駆動方向判定処理280は、モータ14の駆動方向を判定するものであり、例えば、後述するように学習されるレンジ谷学習値に応じてモータ14の駆動方向を定めることができる。すなわち、図15に示すように、駆動方向判定処理が開始されると、ステップS281において、現在角度と当該レンジ谷学習値が等しいか否かが判断され、等しい場合(YES)、すなわち、係合ローラ33がディテントレバー31の所定の谷位置に係合保持されている場合には、谷位置引込み処理が不要であると判断して、谷位置引込み処理を終了する。
しかしながら、係合ローラ33がディテントレバー31の所定の谷位置から所定角度以上の角度ずれ(ΔA)が生じており、現在角度が当該レンジ谷学習値と等しくないと判断された場合(NO)には、次いでステップS282において、現在角度が当該レンジ谷学習値に対しP側にあるか否かが判断され、P側にある場合(YES)にはステップS283に進んで、ステップS283において駆動方向フラグをP→D方向にセットし、P側にない場合、すなわち、D側にある場合(NO)にはステップS284に進んで、ステップS284において駆動方向フラグをD→P方向にセットし、谷位置引込み処理を終了する。
このように、モータ14の最初の駆動方向を、当該レンジ谷学習値に対して現在角度のずれ方向に応じて設定することにより、モータ14の最初の駆動によって、係合ローラ33がディテントレバー31の所定の谷位置に係合する方向に制御することができ、谷位置引込み処理のためのモータ14の駆動回数を少なくすることが可能となる。しかるに、当該レンジ谷学習値に対する現在角度のずれ方向に係わらず、モータ14をまず正転方向にTon時間だけ駆動し、Toff時間経過後、逆転方向にTon時間だけ駆動するように設定することもできる。
図16に示す谷位置学習処理が開始されると、ステップS291において、現在角度が当該レンジに対応した所定範囲内にあるか否かが判断され、所定範囲内にある場合(YES)には、ステップS292に進んで現在角度を当該レンジ谷学習値として登録し、谷位置学習処理を終了する。これに対して、ステップS291における判断結果がNOの場合(所定範囲内にない)には、ステップS293に進んで当該レンジ谷学習値として予め定められた設計値をセットし、谷位置学習処理を終了する。
図17は、IG−OFF時処理用サブルーチンS300の車両側のECUにおける終了処理を示し、図18は、自動変速機側のシフトコントロールユニット(SCU)における終了処理を示す。図17に示す車両側における終了処理が開始されると、ステップS311において、イグニッションスイッチがOFFされたか否かがチェックされ、OFFされた場合(YES)にはステップS312に進んで、イグニッションフラグ(IGフラグ)がOFFされ、次いでステップS313においてシフトコントロールユニット(SCU)にIGフラグの内容を送信し、車両側における終了処理を終了する。これに対して、ステップS311における判断結果がNOの場合(OFFされていない)には、ステップS314に進んで、イグニッションフラグ(IGフラグ)がONされ、その後、ステップS313に移行される
一方、図18に示すSCU側における終了処理が開始されると、ステップS321において、上記したステップS313で送信されたIGフラグの内容を受信し、続いてステップS322において、IGフラグがOFFで、かつ実レンジがPレンジであるか否かが判断される。IGフラグがOFFで、かつ実レンジがPレンジの場合(YES)には、ステップS323に進んで、SBW制御フラグをOFFにセットし、ステップS322の判断結果がNOの場合(IGフラグがOFFで、かつ実レンジがPレンジでない)場合には、ステップS323に進んで、車両側にPレンジに切換える旨の要求信号を送信し、SCU側における終了処理を終了する。
次に、シフトバイワイヤ式レンジ切換え装置10における谷位置引込み処理の具体例を図19のタイムチャートに基づいて説明する。なお、同図には、引込み完了フラグのON、OFF状態、ポジションセンサ17の位置信号、モータ14の駆動トルクを併図している。
図19において、時刻T0ではシフトレバー11のPレンジが選択されており、車両は駐車中であるとする。
時刻T1において、ドライバによってシフトレバー11が、例えばPレンジからRレンジに切換えられると、Rレンジに応じたレンジ信号S1がコントロールユニット13に入力され、要求レンジ(Rレンジ)と実レンジ(Pレンジ)との不一致、すなわち、目標角度設定部41にて設定された目標角度A0と、電圧−角度変換部42にて変換された現在角度A1との差によって、シフト要求があったことが認識され、モータ14が回転駆動される。
モータ14の回転運動は、減速機構20によって減速されるとともに、ボールねじ機構21によってボールナット27の軸方向運動に変換され、アーム23を介してマニュアルシャフト24およびディテントレバー31が、図1および図3の矢印C方向に回転される。マニュアルシャフト24の回転角度はポジションセンサ17によって検出され、このポジションセンサ17からのセンサ信号に基づいてマニュアルシャフト24が設定されたブレーキポイントBPに到達する角度位置まで回転される(時刻T2)と、モータ14が停止される。これにより、時刻T3において、係合ローラ33がディテントレバー31のRレンジに対応したレンジ谷位置c1に係合され、レンジ切換え手段としてのマニュアルバルブ16がRレンジ位置に位置決めされる。このようにして、実レンジがPレンジからRレンジに切換えられ、実レンジ位置への切換え制御が終了する。
実レンジ位置切換え制御の終了後、所定時間t1が経過して時刻T4になると、谷位置引込み処理が開始され、図4に示すように、モータ14が極短いTon時間だけ正転方向(または逆転方向)に駆動され、所定時間Toff経過後、今度はモータ14が極短いTon時間だけ逆転方向(または正転方向)に駆動され、その後、時刻T5において、引込み完了フラグがONされる。
このようなモータ14の正逆転駆動による引込み処理によって、仮に上記した実レンジ位置切換え制御において、係合ローラ32がディテントレバー31のRレンジに対応したレンジ谷位置c1に正確に係合保持されていない場合でも、係合ローラ33をディテントレバー31のRレンジに対応したレンジ谷位置c1に確実に位置決めできるようになる。
すなわち、例えば、マニュアルシャフト24の角度を検出するポジションセンサ17の出力の誤差等に起因して、図20に示すように、モータ14の駆動開始位置Taにバラツキを生じ、その結果、モータ14のブレーキポイント(BP)の設定が適切に行われず、ブレーキポイント(BP)が本来のTa1からTa2にずれてしまうことが起こる。そのために、狙いの実レンジへの切換えに角度ずれΔAが生ずることになるが、モータ14の停止中に、モータ14の正逆転による谷位置引込み処理を行うことにより、係合ローラ33がディテントレバー31の所定のレンジ谷位置c1に引込まれていない場合でも、係合ローラ33をディテントレバー31のレンジ谷位置c1に確実に引込むことができるようになる。
すなわち、例えば、上記した実レンジ位置切換え制御において、係合ローラ33がディテントレバー31のRレンジに対応したレンジ谷位置c1に、対して、図5の実線で示すように、角度ずれΔAが生じた状態で実レンジ位置への切換え制御が終了したと仮定すると、モータ14をP→D方向あるいはD→P方向に所定の極短い時間Tonだけ所定時間Toff毎に、所定の大きさの駆動力To、−Toを交互に与えるように制御すると、モータ14をP→D方向(正転方向)に駆動させた場合には、モータ14の駆動力の制限によって、ディテントレバー31をディテントスプリング32による係合ローラ33の弾性力に抗して回転させることはできないが、モータ14をD→P方向(逆転方向)に駆動させた場合には、係合ローラ33とディテントレバー31のレンジ谷位置c1とのギャップ分だけ、ディテントレバー31がD→P方向に回転され、このディテントレバー31の回転に伴って、係合ローラ33がディテントレバー31のレンジ谷位置c1に確実に引込まれる。なお、係合ローラ33がディテントレバー31のレンジ谷位置c1に引込まれた後は、上記したモータ14の駆動力の制限によってそれ以上ディテントレバー31が回転されることはない。
このようにして、実レンジ位置切換え制御の終了後に、谷位置引込み処理を実行することにより、係合ローラ33はディテントレバー31のRレンジのレンジ谷位置c1に確実に引込まれ、次の実レンジ位置切換え制御において、ブレーキポイント(BP)の設定が適切に行われなくなる事態を確実に回避できるようになる。
かかる谷位置引込み処理におけるモータ14の正逆転は、理論上は少なくとも1回でよいが、ステップS266等で示すように、ポジションセンサ17の変動がなくなるまで行うようにすれば、より確実な実レンジの切換えが行えるようになる。
また、ステップS282に示すように、予めポジションセンサ17にて検出された現在角度の方向がP側か、あるいはD側かを判定して、モータ14の駆動方向を定めるようにすれば、モータ14の少なくとも1回の正転もしくは逆転だけでも、実レンジへの切換えを行えるようになる。
再び、図19のタイムチャートにおいて、時刻T6が経過して、例えば、温度ドリフト等によって、実レンジ位置が変更されていないにも係わらず、ポジションセンサ17のセンサ信号が所定値以上(ΔA)ずれたことが確認された場合(ステップS253参照)には、引込み完了フラグがOFFされ、これに基づいて、フェールフラグがOFFされている条件で、再び引込み実行処理が実行される。
この場合には、係合ローラ33に対するディテントレバー31のレンジ谷位置がずれているわけではないので、引込み実行処理が行われても係合ローラ33とディテントレバー31の相対位置関係は不変であり、ポジションセンサ17のセンサ信号が新たなレンジ谷位置として更新されるだけである。レンジ谷位置の更新が完了する(時刻T7)と、引込み完了フラグが再びONされる。
さらに、同じ実レンジ、特にDレンジの状態が長く続くような場合には、振動等によって係合ローラ33に対するディテントレバー31の谷位置がずれることが予想されるため、例えば、同じレンジ状態での使用が所定時間t2(数10分)継続された場合(時刻T8)、すなわち、前回の引込み判定の実行から所定時間以上経過した場合(ステップS254参照)にも、引込み完了フラグがOFFされ、上記したと同様な引込み実行処理が実行される。
上記した説明から明らかなように、上記した実施の形態によれば、モータ14の停止から所定時間経過後に、モータ14を正転もしくは逆転してレンジ谷に係合部材(係合ローラ)33を引込む谷位置引込み手段を備えているので、駆動軸(マニュアルシャフト)24をディテント機構25のレンジ谷に引込んだ位置に確実に保持することができ、シフトバイワイヤ式レンジ切換え装置10におけるレンジ切換えの信頼性を向上することができる。
上記した実施の形態によれば、 請求項2に係る発明によれば、モータ停止時の切換え位置とモータ停止後の切換え位置が異なるとき、モータ14を少なくとも正転もしくは逆転してレンジ谷に係合部材(係合ローラ)33を引込む谷位置引込み手段を備えているので、モータ14の停止時にレンジ選択手段からの切換え位置と異なる切換え位置が検出された際に、振動等によりレンジ切換え後にレンジ谷からの変化が発生しても、レンジ谷への引込みを確実に行うことができ、シフトバイワイヤ式レンジ切換え装置10におけるレンジ切換えの信頼性を向上することができる。
上記した実施の形態によれば、谷位置引込み手段は、ディテントレバー31のレンジ谷に係合部材(係合ローラ)33が引込まれているか否かを判定する引込み判定手段と、引込み判定手段の判定結果に基づいてモータ14を正転もしくは逆転してディテントレバー31のレンジ谷に係合部材(係合ローラ)33を引込む引込み実行手段からなっているので、駆動軸(マニュアルシャフト)24がディテント機構25のレンジ谷に引込まれているか否かの判断を的確に行い得、レンジ谷に引込まれていない場合に、レンジ谷への引込みを確実に行うことができる。
上記した実施の形態によれば、谷位置引込み手段は、切換え位置に基づいてディテントレバー31のレンジ谷に係合部材(係合ローラ)33が引込まれているか否かを判定する引込み判定手段と、引込み判定手段の判定結果に基づいてモータ14を正転または逆転させてレンジ谷に係合部材(係合ローラ)33を引込む引込み実行手段からなっているので、駆動軸(マニュアルシャフト)24がディテント機構25のレンジ谷に引込まれているか否かの判断を的確に行い得、レンジ谷に引込まれていない場合に、レンジ谷への引込みを確実に行うことができる。
上記した実施の形態によれば、モータ14を正転もしくは逆転させた前と後の切換え位置を比較し、レンジ谷に係合部材(係合ローラ)33が引込まれているか否かの判断を行うようになっているので、位置検出手段(ポジションセンサ)17の位置信号の変化によって、レンジ谷に引込まれているか否かを簡単かつ確実に判断することができる。
上記した実施の形態によれば、モータ14は、正転方向および逆転方向に所定の時間だけ、係合部材(係合ローラ)33の付勢力から受けるトルクより小さな駆動力によって正転もしくは逆転されるようになっているので、ディテントレバー31を係合部材(係合ローラ)33がレンジ谷に係合する方向にのみ確実に作動させることができる。
上記した実施の形態によれば、切換え位置が変化しなくなるまでモータ14を正転もしくは逆転させるようにしたので、ディテントレバー31のレンジ谷への係合部材(係合ローラ)33の係合を確実に行うことができる。
上記した実施の形態によれば、レンジ選択により選択される前と後の変速レンジに基づいて、モータ14の正転もしくは逆転を設定してモータ14の駆動方向を決定する駆動方向判定処理により決定されたモータ駆動方向に基づいてモータ14を正転もしくは逆転させた後に、駆動方向判定処理によって決定されたモータ駆動方向と異なるモータ駆動方向にモータ14を駆動するようにしたので、モータ停止時の切換え位置に関わらず、迅速にレンジ谷への引込みを行うことができる。
上記した実施の形態によれば、谷位置引込み手段の実行前と実行後の切換え位置に基づいて切換え位置を学習する学習機能を有しているので、位置検出手段(ポジションセンサ)17の精度特性や経時的変化に係わらず、正確なレンジ切換えを行うことができる。
図21は、谷位置学習処理の別の実施の形態を示すものである。同図において、ステップS301では、当該レンジ谷学習値と現在センサ角度との差分を算出し、次いでステップS302において、各レンジ谷(Pレンジ〜Dレンジ)の仮学習値として、現在(過去)の学習値に上記した差分を加算した値を一旦登録する。続いて、ステップS303において、Pレンジの仮学習値が所定範囲内か否かをチェックする。所定範囲内である場合(YES)には、次いでステップS304において、Rレンジの仮学習値が所定範囲内か否かをチェックする。所定範囲内である場合(YES)には、次いでステップS305において、Nレンジの仮学習値が所定範囲内か否かをチェックする。所定範囲内である場合(YES)には、さらにステップS306において、Dレンジの仮学習値が所定範囲内か否かをチェックする。所定範囲内である場合(YES)には、ステップS307に進んで、前記ステップS302で学習した仮学習値を、各レンジ谷の新たな学習値として登録し、谷位置学習処理を終了する。
ところが、上記したステップS303〜S306の1つでも、各レンジの仮学習値が所定範囲内にないと判断された場合(NO)には、ステップS308に進み、ステップS308において、各レンジ谷の学習値として予め設定されている設計値をセットし、谷位置学習処理を終了する。
このように、図21に示す別の実施の形態においては、当該レンジ谷学習値と現在センサ角度との差分に現在の学習値を加算した値を、各レンジにおける仮学習値として一旦登録した後に、それらの仮学習値が各レンジにおいて所定範囲内か否かを見て、全てのレンジにおいて所定範囲内にある場合にのみ、仮学習値を新たな学習値として登録するようにしたものである。
図22は、谷位置学習処理のさらに別の実施の形態を示すもので、同図において、ステップS311およびS312では、図21に示した上記実施の形態と同様に、当該レンジ谷学習値と現在センサ角度との差分を算出するとともに、各レンジ(Pレンジ〜Dレンジ)における谷の仮学習値として、現在(過去)の学習値に上記した差分を加算した値を一旦登録し、次いでステップS313において、各レンジ谷の仮学習値が所定範囲内にあるかを確認する。そして、ステップS314において、所定範囲内にあるレンジについてのみ学習値を仮学習値で更新し、ステップS315では、所定範囲外にあるレンジについては、そのレンジに対応する設計値とステップS314で更新した学習値との位置関係に基づいて学習値を補正するようにしたものである。
上記した別の実施の形態によれば、谷位置引込み手段の実行前と実行後の切換え位置の差が所定値以下のとき、谷位置引込み手段の実行前の切換え位置を谷位置引込み手段の実行後の切換え位置に基づいて更新するので、位置検出手段(ポジションセンサ)17の故障時等に誤った学習を防止することができる。
また、上記した別の実施の形態によれば、谷位置引込み手段の実行された切換え位置のみを更新するようにしたので、温度ドリフトなどにより、位置検出手段(ポジションセンサ)17における各レンジの谷位置間の相対関係が変化するセンサの場合、他レンジの谷位置におけるセンサ学習値に影響を与えることなく、正確なレンジ切換えを行うことができる。
上記した実施の形態においては、レンジ谷学習値と現在センサ角度との差分に現在の学習値を加算した値を、各レンジにおける仮学習値として一旦登録した後に、それらの仮学習値が各レンジにおいて所定範囲内か否かを見て、所定範囲内にあるレンジのみ仮学習値を学習値として登録するようにしたが、1つのレンジにおけるレンジ谷学習値と現在センサ角度との差分が、他のレンジにおいても同様に生ずるとの推定の基に、谷位置引込み手段の実行された切換え位置に基づいて谷位置引込み手段の実行されていない切換え位置も一括更新するようにしてもよい。これによれば、位置検出手段(ポジションセンサ)17における各レンジの谷位置間の相対関係が変化しないセンサの場合、他レンジにおいて谷位置引込み判定を実施することなく、正確なレンジ切換えを行うことができる。
なお、図13の引込み判定処理を示すフローチャート、あるいは図14の引込み実行処理を示すフローチャート等は、本発明の単なる一例を示すもので、これに限定されるものではなく、各処理が有する機能を逸脱しない範囲で種々の態様を採り得るものである。
また、上記した実施の形態においては、ディテントレバー31のレンジ溝に、ディテントスプリング32の先端に回転支持した係合ローラ33を係合させるようにしたが、レンジ溝に係合するものは必ずしも係合ローラでなくてもよく、例えば、ディテントスプリング32の先端に低摩擦材からなる係合部材を一体に設けるようにしてもよい。
また、上記した実施の形態においては、現在角度がレンジ谷学習値に対してP側にあるか否かに応じて、モータ14の駆動方向を決定するとともに、引込み判定の実行前角度と現在角度との差が所定値以下になるまで、モータ14の正逆転動作を継続することにより、ディテントレバー31のレンジ谷に係合ローラ33が確実に係合したことを確認する例について述べたが、現在角度がレンジ谷学習値に対してP側にあるか否かに係わらず、単にモータ14を図4で示したように、正転方向および逆転方向に1回ずつ駆動するだけでも、ディテントレバー31のレンジ谷に係合ローラ33を係合させることができるものである。
斯様に、上記した実施の形態で述べた具体的構成は、本発明の一例を示したものにすぎず、本発明はこのような具体的構成に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の態様を採り得ることは勿論である。
本発明の実施の形態を示すシフトバイワイヤ式レンジ切換え装置の概要図である。 シフトバイワイヤ式レンジ切換え装置の制御ブロックを示す図である。 ディテントレバーを示す図である。 モータの駆動形態の一例を示す図である。 ディテントレバーと係合部材(係合ローラ)との係合状態を示す図である。 シフトバイワイヤ式レンジ切換え装置のプログラムを示すフローチャートである。 図6におけるIG−ON時初期化処理の車両側の初期化処理を示すフローチャートである。 図6におけるIG−ON時初期化処理のSCU側の初期化処理を示すフローチャートである。 図6におけるSBW制御処理のシフト要求判定処理を示すフローチャートである。 図6におけるSBW制御処理のレンジ切換え指令設定処理を示すフローチャートである。 図6におけるSBW制御処理の実レンジ位置切換え制御処理を示すフローチャートである。 図11における谷位置引込み処理を示すフローチャートである。 図12における引込み判定処理を示すフローチャートである。 図12における引込み実行処理を示すフローチャートである。 図14における駆動方向判定処理を示すフローチャートである。 図14における谷位置学習処理の一例を示すフローチャートである。 図6におけるIG−OFF時処理の車両側の終了処理を示すフローチャートである。 図6におけるIG−OFF時処理のSCU側の終了処理を示すフローチャートである。 シフトバイワイヤ式レンジ切換え装置のタイムチャートを示す図である。 レンジ谷位置のズレを説明する説明図である。 図16に示した谷位置学習処理の別の実施の形態を示すフローチャートである。 図16に示した谷位置学習処理のさらに別の実施の形態を示すフローチャートである。
符号の説明
10・・・レンジ切換え装置、11・・・シフトレバー、12・・・車速センサ、13・・・コントロールユニット、14・・・モータ、15・・・伝動機構(動力伝達手段)、16・・・レンジ切換え手段(マニュアルバルブ)、17・・・位置検出手段(ポジションセンサ)、20・・・減速機構、21・・・ボールねじ機構、24・・・駆動軸(マニュアルシャフト)、25・・・ディテント機構、31・・・ディテントレバー、32・・・ディテントスプリング、33・・・係合部材(係合ローラ)、a、c、e、g・・・レンジ溝、b、d、f・・・凸部(山部)、a1、c1、e1、g1・・・レンジ谷(レンジ谷位置)。

Claims (7)

  1. 複数の変速レンジを選択可能なレンジ選択手段からの電気信号に基づいてモータを駆動し、該モータの回転を、伝動機構を介してレンジ切換え手段に連動する駆動軸に伝達すると共に、該駆動軸をディテント機構により位置決めしてなる、レンジ切換え装置において、
    前記レンジ切換え手段の切換え位置を検出する位置検出手段を有し、
    前記ディテント機構は、前記変速レンジに対応した複数のレンジ谷が形成されたディテントレバーおよび前記レンジ谷に係合する係合部材を有し、
    前記レンジ選択手段からの電気信号に基づいて前記モータを駆動し、停止させた後、該モータの停止から所定時間経過後に、前記切換え位置に基づいて前記ディテントレバーの前記レンジ谷に前記係合部材が引込まれているか否かを判定する引込み判定手段を有し、
    前記引込み判定手段の判定結果に基づいて、前記モータに、前記係合部材に作用する付勢力から生じるトルクよりも小さいトルクを出力させて、前記モータを正転もしくは逆転させる引込み実行手段を有する、
    ことを特徴とするシフトバイワイヤ式レンジ切換え装置。
  2. 請求項1において、前記引込み判定手段は、前記モータを正転もしくは逆転させた前と後の前記切換え位置を比較して前記レンジ谷に前記係合部材が引込まれているか否かの判断を行うことを特徴とするシフトバイワイヤ式レンジ切換え装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記引込み実行手段は、切換え位置が変化しなくなるまで前記モータを正転もしくは逆転させることを特徴とするシフトバイワイヤ式レンジ切換え装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記谷位置引込み手段の実行前と実行後の前記切換え位置に基づいて前記切換え位置を学習する学習機能を有することを特徴とするシフトバイワイヤ式レンジ切換え装置。
  5. 請求項4において、前記学習機能は、前記谷位置引込み手段の実行前と実行後の前記切換え位置の差が所定値以下のとき、前記谷位置引込み手段の実行前の前記切換え位置を前記谷位置引込み手段の実行後の切換え位置に基づいて更新し、前記モータは、更新された前記切換え位置に基づいて駆動されることを特徴とするシフトバイワイヤ式レンジ切換え装置。
  6. 請求項5において、前記学習機能は、前記谷位置引込み手段の実行された前記切換え位置のみを更新することを特徴とするシフトバイワイヤ式レンジ切換え装置。
  7. 請求項5において、前記学習機能は、前記谷位置引込み手段の実行された前記切換え位置に基づいて前記谷位置引込み手段の実行されていない前記切換え位置も更新することを特徴とするシフトバイワイヤ式レンジ切換え装置。
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