JP4572322B2 - 印刷制御方法、印刷制御装置、及びコンピュータープログラム - Google Patents
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Description
そして、上記印刷制御手段にて、印刷装置に対して上記ドット振分手段による変換後の出力階調データに対応した対象インクの複数種類のドットを印刷媒体上に形成させて印刷画像を印刷させる制御が行われる。すると、印刷制御対象の印刷装置で対象インクを使用したときに印刷媒体上に印刷される印刷画像は、同対象インクを使用したときに印刷媒体上に印刷される標準画像の色ずれが複数種類のドットのそれぞれについて補償される。
上記標準画像は、インク一種類で形成される画像でもよいし、インク二種類以上で形成される画像でもよい。ここで、標準画像を全体が一様な無地の画像とすると、より正確に測色データを得ることができるので、対象印刷装置について基準色に対する良好な色再現性を得ることができる。
上記標準の記録量を一種類にすると、より迅速にキャリブレーション作業を行うことが可能となる。
上記ドット形成量データは、情報テーブル形式のドット振分テーブル、変換式のパラメータ群、等とすることができる。また、同ドット形成量データは、入力階調データと各階調における複数種類のドットの形成量を同種類別に表す出力階調データとの対応関係を規定したデータとすることができ、入力階調データの全階調におけるドット形成量を規定したデータでもよいし、入力階調データの一部の階調におけるドット形成量を規定したデータでもよい。
上記標準画像の測色データには、標準画像と当該標準画像を印刷した印刷媒体との色の差異が表されたデータが含まれる。上記測色データの差異は、所定の色空間での色差、明度等の明るさの差、等とすることができる。
以上により、印刷装置に使用させるインクセットを変更する場合でも色変換手段が参照する色変換データを作り直す必要がなくなるので、対象印刷装置のキャリブレーション作業を迅速化させることが可能となる。また、複数のインクセットを交換して使用する場合でも色変換手段が参照する色変換データを複数記録しておく必要がなくなるので、記録させるデータの量を少なくさせることが可能となる。
上記色変換データは、情報テーブル形式の色変換テーブル、変換式のパラメータ群、等とすることができる。
以上により、複数のインクセットを交換して使用する場合でもドット形成量データを切り替えて参照するだけで共通の色変換データを利用することができるので、記録しておくデータの量を少なくさせることが可能となる。
ここで、ドット形成量の変化に対して最も差異の大きい単調指標量には、ドット形成量の変化に対して最も変化の大きい単調指標量が含まれる。
以上の構成でも、印刷装置に使用させるインクセットを変更する場合でも色変換データを作り直す必要がなくなるので、対象印刷装置のキャリブレーション作業を迅速化させることが可能となる。また、複数のインクセットを交換して使用する場合でも複数の色変換データを記録しておく必要がなくなるので、記録させるデータの量を少なくさせることが可能となる。
以上の装置で作成されたドット形成量データを参照して入力階調データを出力階調データに変換し、変換後の出力階調データを用いて印刷制御を行うことにより、印刷装置に使用させるインクセットを変更する場合でも色変換データを作り直す必要がなくなるので、対象印刷装置のキャリブレーション作業を迅速化させることが可能となる。また、複数のインクセットを交換して使用する場合でも複数の色変換データを記録しておく必要がなくなるので、記録させるデータの量を少なくさせることが可能となる。
(1)印刷システムおよびドット形成量データ作成装置の構成:
(2)ドット形成量データ作成方法および作成処理:
(3)ドット形成量データを用いた印刷制御処理:
(4)変形例:
図1は本発明の一実施形態である印刷制御装置U0の構成を模式的に示す図であり、図2は本実施形態において本発明の印刷制御装置およびドット形成量データ作成装置となるパーソナルコンピュータ(PC)10、印刷装置(印刷手段)となるカラー印刷可能なインクジェットプリンタ20、等から構成された印刷システムを示している。図3は、ドット形成量データ作成方法を模式的に示す図である。むろん、本発明に用いられるコンピュータは、PCに限定されない。
なお、ドット形成量データ作成装置を含む印刷システムの場合、HD14には、色修正プログラム、標準ドット形成量データ14e、標準インク使用量データ14f、各種閾値、等が記憶される。この場合、I/F17aにはカラー測色機40を接続しておく。この測色機40は、測色する対象に色検出部40aを向けることにより、CIE(1976)規格におけるLab表色系に基づく複数の色成分L,a,bを色成分量(色彩値)として取得可能であり、取得した色成分量L,a,bをPC10に対して出力可能である。ここで、CIE Lab色空間(所定の色空間)は、複数の色成分L,a,bを色成分量とするデバイスに依存しない均等色空間である。なお、Lは明度(明るさ)を表し、a,bは色相および彩度を表す色座標である。むろん、測色する色空間は、CIE XYZ色空間、CIE Luv色空間、RGB色空間、等であってもよい。
CRTI/F17bにはカラー画像データに基づいて当該データに対応する画像を表示するディスプレイ18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続され、プリンタI/F17eには例えばシリアルI/Fケーブルを介してプリンタ20が接続されている。
本プリンタ20では、CPU21、ROM22、RAM23、通信I/O24、コントロールIC25、ASIC26、I/F27、等がバス20aを介して接続され、CPU21がROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。
印刷ヘッドユニット29は、CMYRVKの6種類のインク毎に設けられた印刷ヘッド29a〜fとEEPROM31を備えている。このメモリ31には、例えば基準機体に対するインク吐出量の誤差を補償するために用いられるカラー調整ID(誤差情報)31a等を記録してもよい。プリンタに組み付けられた各印刷ヘッド29a〜fは対応する色のインクを吐出して印刷用紙上に付着させることが可能であり、プリンタ20はインクの種類毎に対応する印刷ヘッド29a〜fを用いて印刷用紙上にドットを形成して印刷画像を印刷する。
各カートリッジ28には、例えばRAMからなるメモリチップ28aがそれぞれ設けられており、各メモリチップ28aは電気的にコントロールIC25と接続されている。
図4に示すように、ノズルNzまでインクを導くインク通路25bに接する位置に設置されたピエゾ素子PEは、同素子の両端に設けられた電極間に電圧が印加されると伸張し、インク通路25bの一側壁を変形させる。すると、インク通路25bの収縮分に相当するインクがインク滴IpとなってノズルNzの先端から吐出され、印刷媒体に染み込むことによりドットが形成されて印刷が行われる。そして、印加電圧の駆動波形の電圧差が大きいほど、ドットは大きくなる。
本プリンタ20は、インク量(例えばインク滴の重量。インク滴の体積でもよい)が異なる大中小の3種類(二以上の種類)のドットを印刷媒体上に形成可能であり、色毎に同じ印刷ヘッドから異なる複数段階のインク量のインクを吐出し、当該複数段階のインク量に対応する大きさのドットを形成する。PCがプリンタに送信するラスタデータには3種類(複数種類)のドットの種類を識別するための識別情報が付加されており、プリンタは識別情報に対応する種類のドットを形成する。そして、ラスタ毎にドットの種類を表現するドットデータからなるラスタデータを入力すると、プリンタはラスタデータに対応してインク量の異なる複数種類のドットを印刷媒体上に形成する。
なお、本発明の印刷制御プログラムは、OS、APL、OSとAPL、のいずれにより構成してもよい。同プログラムを記録した媒体は、HD14以外にも、CD−ROM、FD16a、半導体メモリ、等でもよい。また、通信I/F17dをインターネット網に接続し、所定のサーバから本発明のプログラムをダウンロードして実行してもよい。
図3に示した本実施形態のドット形成量データ作成方法では、工程S1〜S4を順番に実施して、基準インクを使用したときに印刷媒体上に印刷される標準のドット形成量の標準画像に対する印刷制御を行う対象の対象インクを使用したときに印刷媒体上に印刷される同標準のドット形成量の標準画像の色ずれを複数種類のドットのそれぞれについて補償させるように、基準ドット振分テーブルから派生ドット振分テーブルを作成する。
ドット形成量は、0(ドット記録率0%)〜255(ドット記録率100%)の階調値で各ドットを記録しない状態から単位面積当たりのデューティ制限(インク量制限)の上限までドットを記録する状態を指定している。グラフの各曲線には、ドットの大きさを付している。ドット形成量はドット記録率と比例しており、ドット形成量を最大階調値255で除算するとドット記録率となる。実際には、3種類のドットについて各ドット形成量でのパッチを表現する画像データを作成し、ハーフトーン処理とラスタライズ処理を行ってラスタデータを作成してプリンタに対して出力し、所定の印刷媒体上に印刷された各パッチの測色結果を取得してドット形成量と明度とを対応させることにより、グラフを作成することができる。ここで、作業者は、PC10に明度Lを測定可能な測色器を接続しておき、測色器の検出部を各パッチに順次押し当てて測色させることにより、PC10に測色結果を取得させることができる。
上記処理は、最大ドットを除いた小中ドットのそれぞれについて、最大ドットの相関データに最も合致するパラメータX1c,X2cを決定する。得られたパラメータXcは最大ドットを代替する他のドットの形成量を表しているので、最大ドット1個を他のドットXc個で代替すればドットのインク量の差異を補償した代替を行うことができる。
中ドットの場合、パラメータX2で除して中ドットの明度変化を最大ドットの明度変化に合致させたとき、同じ明度値における除算前後のドット形成量の比率がa2・X2:a2(a1<a2<255)となる。
次に入力階調値G1〜G2において小ドット振り分け後の最大ドット(二重線で図示)の形成量を中ドットの形成量で代替する。中ドットの代替比をa2・X2:a2と決定したものとすると、図の二重線の傾きG2/(G2−G1)のX2倍の傾きを有する直線を中ドットの形成量とする。そこで、中ドットでは入力階調値G1〜G2について傾きX2・G2/(G2−G1)の直線とし、入力階調値G2〜255については傾き−X2・G2/(255−G2)の直線とする。
なお、小ドットと大ドットとを混在させて形成させるようにしてもよい。また、各ドット種類のグラフにおけるピークの高さやドットを形成する範囲等は様々な態様が考えられる。さらに、グラフの一部あるいは全部を曲線とすることもできる。
その後、CMYRVKの全色について基準ドット振分テーブルを作成したか否かを判断し(S130)、条件不成立時にはS105〜S130を繰り返し、条件成立時にはフローを終了する。作成した基準ドット振分テーブルは、例えばドット振分テーブル14bとしてHD14に記憶しておく。
印刷媒体としては、安定したインクの発色を得て高精度の色補償を行う観点からはフォト用紙等の光沢紙が好ましいが、キャリブレーション作業にかかるコストを低減させる観点からは光沢紙よりも光沢の弱い普通紙が好ましい。以下、標準画像を印刷する場合に同様のことが言える。
ここで、各色成分量L,a,bは、JIS Z8105にも規定されたCIE(1976)Lab色空間を定義するL量、a量、b量としている。むろん、L量、a量、b量を一次式等で換算して全て同じ所定階調数(例えば256階調)の階調値としてもよい。当該各階調値も複数の色成分量であり、色空間の複数の色成分量を全て同じ階調数の階調値とすることにより対象プリンタについて基準色に対する色再現性がより確実に得られる。
WE={(LP−LM)2+(aP−aM)2+(bP−bM)2}1/2 …(1)
なる演算式により算出することができる。本実施形態では、キャリブレーション作業を容易にさせるためLab色空間の各色成分量L,a,bをそのまま測色データから得られる複数の指標量の一部としているとともに、キャリブレーション対象のプリンタの色再現性を良好にさせるため色差WEも複数の指標量の一部としている。むろん、(a2+b2)1/2、(L2+a2+b2)1/2など、複数の色成分量のうち二以上の組み合わせから得られる数量も、測色データから得られる指標量とすることもできる。
むろん、L量、a量、b量とともに色差WEを一次式等で換算して全て同じ所定階調数(例えば256階調)の階調値としてもよい。当該各階調値も複数の指標量であり、複数の指標量を全て同じ階調数の階調値とすることにより対象プリンタについて基準色に対する色再現性がより確実に得られる。
次に、特定した単調指標量と複数の指標量選択用パッチP1を印刷させたドット形成量とに基づいて、単調指標量の中からドット形成量の変化に対して最も差異の大きい選択指標量を派生ドット振分テーブルの作成用の指標量として特定し、特定した選択指標量を表すデータ13dを一時的にRAMに記憶する(S225)。
例えば、単調指標量を特定する色およびドット種類において、指標量の種類を表すパラメータjを1〜4の整数とし、ドット記録率Riの指標量選択用パッチを測色したときの各指標量をSj(i)とし、ドット記録率の各段階を表すパラメータiを1〜n−1の整数として、全てのiについて、
Sj(i+1)>Sj(i) …(2)
が成立するときにパラメータjの指標量はドット形成量に対して単調増加である。また、全てのiについて、
Sj(i+1)<Sj(i) …(3)
が成立するときにパラメータjの指標量はドット形成量に対して単調減少である。そこで、上記不等式(2)または(3)が成立する指標量を単調指標量として特定すればよい。
ここで、ドット形成量の変化に対して最も差異の大きい指標量には、ドット形成量の変化に対して最も変化の大きい指標量が含まれる。例えば、選択指標量を特定する色およびドット種類において、互いに異なるドット記録率をR11、R12、ドット記録率R11の指標量選択用パッチを測色したときの指標量L,a,b,WEをそれぞれL1,a1,b1,WE1、ドット記録率R12(R12>R11とする)の指標量選択用パッチを測色したときの指標量L,a,b,WEをそれぞれL2,a2,b2,WE2とする。記録率R11,R12の両指標量選択用パッチについての指標量の差異としてΔL=|L2−L1|、Δa=|a2−a1|、Δb=|b2−b1|、ΔWE=|WE2−WE1|を算出すると、ΔL,Δa,Δb,ΔWEは、記録率R11,R12の両指標量選択用パッチについての指標量の違いが大きくなるほど大きくなる値となる。そこで、ΔL,Δa,Δb,ΔWEの中から最大の算出値に対応する指標量を選択指標量として特定することができる。なお、変化させたドット記録率の中から最小のドット記録率と最大のドット記録率とを記録率R11,R12にすると、対象プリンタについて基準色に対する良好な色再現性が得られる。
ここで、指標量選択用パッチP1をそのまま基準パッチP2として利用することができるため、S230を省略可能である。
また、測色機40を用いて対象インクを使用して印刷された各色補償用パッチP3をLab色空間で測色し、PC10では、パッチP3毎に、測色データを取得し、選択指標量を表すデータ13dに従って、工程S1で選択された選択指標量を測色データに基づいて取得する(S245)。ここで得られる測色データおよび選択指標量が、対象インクを使用したときに印刷媒体上に印刷される同標準のドット形成量の標準画像を所定の色空間で測色して得られる測色データである。選択指標量が色差WEである場合には、基準パッチP2が印刷された印刷媒体の測色データLM,aM,bMも取得し、各基準パッチ自体の測色データLP,aP,bPとから上記式(1)に従って色差WEを算出する。
以上により、印刷媒体上に印刷された標準画像を測色したときの選択指標量(測色データ)を取得することができる。
そして、同じ第一指標量S11〜S19となる両インクの入力階調値どうし、すなわち、GR11とGR21,…,GR19とGR29を対応させて対応関係データD11を生成する。同対応関係データは、基準インクの入力階調値と対象インクの入力階調値との、測色データを基準とした対応関係が表された情報テーブルである。
入力階調値の全階調について出力階調値を修正したら、派生ドット振分テーブルT2,T3としてHD14に記憶する(S280)。作成されたテーブルT2,T3は、基準インクの使用量が表された入力階調データと、各階調における対象インクのドット形成量がドットの種類毎に表された出力階調データと、の対応関係を規定したデータとされる。ここで、両パッチの測色データを基準として基準インクの入力階調値と対象インクの入力階調値とを対応付けた対応関係データに基づいて派生ドット振分テーブルを作成しているので、派生ドット振分テーブルは基準パッチの基準測色データに対する色補償用パッチの測色データの差異を補償するように(少なくさせるように)対応関係が規定されたデータとされる。言い換えると、派生ドット振分テーブルは、基準インクを使用したときに印刷媒体上に印刷される標準のドット形成量の基準パッチP2に対する対象インクを使用したときに同じ種類の印刷媒体上に印刷される同標準のドット形成量の色補償用パッチP3の色ずれを複数種類のドットのそれぞれについて補償させるように入力階調データと出力階調データとの対応関係を規定したデータとされる。
そして、CMYRVKの全色について派生ドット振分テーブルを作成したか否かを判断し(S285)、条件不成立時にはS205〜S285を繰り返し、条件成立時にはフローを終了する。
また、客観的に評価可能な測色データから派生ドット振分テーブルの対応関係が規定されるので、派生ドット振分テーブルは正確に基準インクと対象インクとの色の違いを少なくさせるデータとされている。従って、正確にインクの違いによる色ずれが少なくされた印刷画像が得られる。
さらに、派生ドット振分テーブルの入出力階調データの対応関係は、基準インクのドット形成量の変化に対して最も差異の大きい指標量のみの差異が少なくなるように規定されているので、対象プリンタのキャリブレーション作業が迅速化される。
なお、基準プリンタを使用してドット振分テーブルを作成して印刷制御対象の対象プリンタ(対象印刷装置)に使用させるので、ドット振分テーブルを作成する手間が少なくて済む。むろん、このような効果は得られないものの、実際に印刷制御を行う対象プリンタを使用してドット振分テーブルを作成してもよい。この場合、プリンタ間の機体差による画像の色ずれを少なくさせるドット振分テーブルを作成することができる。
図16は、上述したドット振分テーブル作成処理により作成されたドット振分テーブルを用いてプリンタに対する印刷制御を行う印刷制御処理を示すフローチャートである。本処理を行うPC10は印刷制御装置を構成し、S310が色変換手段、S315がドット振分手段、S320〜S330が印刷制御手段に対応している。以下、図1も参照して説明する。
まず、PC10は、多数(所定数)の画素別とされて複数の要素色に対応した階調データから構成された画像データDA1を入力し、画像をRGB毎の複数の画素で階調表現した広域RGB色空間内のRGBデータDA2に変換する(S305)。その際、データを部分的に読み込んでもよいし、データの受け渡しに利用されるバッファ領域を表すポインタの受け渡しだけでもよい。画像データDA1は、画像をドットマトリクス状である多数の画素で階調表現したデータであり、sRGB色空間で定義されるRGBから構成された画像データや、YUV表色系におけるYUVから構成された画像データ、等がある。画像データの各成分も様々な階調数とされているので、sRGBやYUV表色系等の定義に従って、画像データを広域RGB色空間内のRGB各256階調のRGBデータに変換する。同RGBデータは、複数の要素色RGBで画像を表現した印刷データである。
基準インクと対象インクとが異なる場合、派生ドット振分テーブルT2,T3が用いられる。当該テーブルは、基準インクを使用したときに印刷媒体上に印刷される標準のドット形成量の基準パッチに対する対象インクを使用したときに印刷媒体上に印刷される同標準のドット形成量の色補償用パッチの色ずれを複数種類のドットのそれぞれについて補償させるように(少なくさせるように)入出力階調データの対応関係が入力階調データの各階調において規定されている。従って、派生ドット振分テーブルを参照して変換されたドット種類毎のドット量データは、基準インクにより印刷媒体上に印刷される印刷画像に対する対象インクにより同じ種類の印刷媒体上に印刷される印刷画像の色ずれを補償させるデータとされる。
なお、対象インクが基準インクである場合、基準ドット振分テーブルT1が用いられる。この基準ドット振分テーブルは、基準インクのインク使用量が表された入力階調データと、同基準インクのドット形成量がドット種類毎に表された出力階調データと、の対応関係が入力階調データの各階調において規定されている。従って、基準ドット振分テーブルを参照して変換されたドット種類毎のドット量データは、基準インクにより印刷媒体上に印刷される印刷画像を高画質にさせるデータとされている。
上記S320〜S330により、対象プリンタに対して、ドット量データDA4を構成する画素毎に、ドット量データDA4の各画素の出力階調データに対応した対象インクの複数種類のドットを印刷媒体上に形成させて印刷させる制御を行うことができる。なお、ハーフトーン処理を実行可能なプリンタであれば多階調のドット量データをプリンタに送出し、当該ドット量データに基づく印刷を実行させるようにすることができる。
また、客観的に評価可能な測色データから派生ドット振分テーブルの対応関係が規定されるので、正確にインクの違いによる色ずれが少なくされた印刷画像が得られる。
さらに、派生ドット振分テーブルの入出力階調データの対応関係は、単調変化となる単調指標量のみに基づいて基準パッチの単調指標量と色補償用パッチの単調指標量との差異が少なくなるように規定されているので、対象プリンタの色再現性を良好となる。
ところで、本発明を実施する際に使用可能なコンピュータと周辺装置は、様々な構成が可能である。例えば、印刷装置は、コンピュータと一体化されたものでもよい。単色画像のみ印刷する印刷装置でもよい。上述したフローについては、一部または全部を印刷装置あるいは専用の画像処理装置で実行してもよい。
上記色変換LUTの代わりに、第一要素色毎の階調データと、印刷装置で使用される基準インクの使用量が第二要素色毎に表された階調データと、の対応関係を規定した色変換用の変換式を用いるとともに、当該変換式に使用する複数のパラメータを色変換パラメータ情報テーブルとしてHD等に記録しておいてもよい。
上記ドット振分テーブルの代わりに、印刷装置で使用されるインク使用量を表す入力階調データと複数種類のドットの形成量を同種類毎に表す出力階調データに変換する変換式を用いるとともに、当該変換式に使用する複数のパラメータをドット振分パラメータ情報テーブルとしてHD等に記録しておいてもよい。
なお、上述したように、対象印刷装置毎にドット振分テーブルを作成すると、上記IDを用いることなく印刷装置間の各ドットのインク量の誤差による印刷画像の色ずれもインクの違いによる色ずれとともに補償することができる点で、好ましい。
処理を開始すると、PC10は、プリンタ20からインク組合せ情報を取得済みであるか否かを判断する(S405)。条件成立の場合、プリンタからインク組合せ情報を取得する必要がないと判断してS305に進む。なお、PC10に接続したプリンタを変更した場合、当該プリンタに対応するインク組合せ情報が無いと判断してS410に進む。
条件不成立の場合、インク組合せ情報の入手要求を作成してプリンタ20に送信する(S410)。すると、プリンタ20は同入手要求を受信し、メモリ31からインク組合せ情報を読み出してPCに対して送信する。そこで、PCでは、インク組合せ情報を取得し、HD14に記憶して(S415)、S305に進む。このように、インク組合せ情報がプリンタと一体となっているので、本印刷システムのユーザはインクセットを交換したりプリンタを変更したりしても別途インク組合せ情報を入力する必要がない。従って、本印刷制御装置は便利である。
以上により、複数のインクセットを交換して使用する場合でもドット振分テーブルを切り替えて参照するだけで共通の色変換LUTを利用することができるので、記録しておくデータの量が少なくて済む。
むろん、基準インクの組み合わせとは異なる対象インクの組み合わせを交換することなく使用する際には、当該対象インクの組み合わせに対応する派生ドット振分テーブルのみをHDに記憶しておいて、当該テーブルを参照しながら上記印刷制御処理を行う構成とすればよい。
以上の構成でも、プリンタに使用させるインクセットを変更する場合でも色変換LUTを作り直す必要がなくなるので、対象プリンタのキャリブレーション作業を迅速化させることが可能となる。また、複数のインクセットを切り替えて使用する場合でも複数の色変換LUTを記憶させておく必要がなくなるので、記憶させるデータの量を少なくさせることが可能となる。
Claims (3)
- 印刷装置を制御する方法であって、
RGBデータを受け付ける工程と、
前記RGBデータを、基準とする基準インクの使用量である入力階調値に変換する工程と、
ドット振分テーブルを参照して、前記入力階調値をサイズの異なる複数のドットの形成量である出力階調値に変換する工程と、
前記出力階調値を用いて印刷部を制御する工程と、
を有し、
前記サイズの異なる複数のドットは、第1ドットと、前記1ドットのサイズよりも小さいサイズである第2ドットと、前記2ドットのサイズよりも小さいサイズである第3ドットとから成り、
前記ドット振分テーブルは、前記基準インクを用いて印刷する場合に使用される基準ドット振分テーブルと前記基準インクとは異なる対象インクを用いて印刷する場合に使用される派生ドット振分テーブルとから成り、
前記基準ドット振分テーブルは、以下(A)〜(E)の工程により作成されたテーブルであり、
前記派生ドット振分テーブルは、以下(F)〜(M)の工程により作成されたテーブルである、
ことを特徴とする印刷制御方法。
(A)前記基準インクを用いて、前記サイズの異なる複数のドット別にドットの形成量と明度との相関関係を算出する工程
(B)前記第1ドットの相関関係に前記第3ドットの相関関係を最も合致させるために前記第3ドットの形成量を除する値であるパラメータX1(X1>1)を算出する工程
(C)前記第1ドットの相関関係に前記第2ドットの相関関係を最も合致させるために前記第2ドットの形成量を除する値であるパラメータX2(X2>1)を算出する工程
(D)前記第1ドットのみについて、前記入力階調値を横軸としドットの形成量を縦軸とした場合の前記入力階調値とドットの形成量との相関データを算出する工程
(E)入力階調値を横軸としドットの形成量を縦軸とした場合、
前記第3ドットの形成量が、入力階調値が0からG1(G1は前記第3ドットの形成量を最大にする予め決められた値)において傾きX1で変化し、G1からG2(G2はG1よりも大きく、第2ドットの形成量を最大にする予め決められた値)において傾き−X1×G1/(G2−G1)で変化し、
第2ドットの形成量が、入力階調値がG1からG2において傾きX2×G2/(G2−G1)で変化し、G2から入力階調値の最大値において傾き−X2×G2/(最大値−G2)で変化し、
前記第1ドットの形成量が、入力階調値が0からG1において0であり、G2から最大値において傾き(前記最大値)/(前記最大値−G2)で変化する関係を前記基準ドット振分テーブルとして得る工程、
(F)前記基準インクを用いて複数の記録率で前記サイズの異なる複数のドット別に印刷された指標量選択用パッチを測色することにより取得されたLab値及び色差WEから、ドットの形成量の変化に対して単調変化する単調指標量を複数特定する工程
(G)前記複数の単調指標量と、前記指標量選択パッチを印刷させたドットの形成量とに基づいて、前記複数の単調指標量の中からドットの形成量の変化に対して最も差異の大きい単調指標量を表す選択指標量を特定する工程
(H)前記指標量選択用パッチ、及び前記対象インクを用いて複数の記録率で前記異なる複数種類のドット別に印刷された色補償用パッチから前記選択指標量の値を取得する工程
(I)前記選択指標量の値を用いて前記基準インクの入力階調値と前記対象インクの入力階調値とを対応させて対応関係データを生成する工程
(J)前記基準ドット振分テーブルを参照して、前記サイズの異なる複数のドット別に前記基準インクの入力階調値をドットの形成量に変換する工程
(K)前記基準ドット振分テーブルを参照して、前記サイズの異なる複数のドット別に前記対象インクの入力階調値をドットの形成量に変換する工程
(L)前記異なるサイズの複数のドット別に前記基準インクのドットの形成量と前記対象インクのドットの形成量の比を算出する工程
(M)前記基準ドット振分テーブルのドットの形成量に対し前記比を乗算したドットの形成量を派生ドット振分テーブルとして得る工程 - 印刷装置を制御する装置であって、
RGBデータを受け付ける手段と、
前記RGBデータを、基準とする基準インクの使用量である入力階調値に変換する手段と、
ドット振分テーブルを参照して、前記入力階調値をサイズの異なる複数のドットの形成量である出力階調値に変換する手段と、
前記出力階調値を用いて印刷部を制御する手段と、
を有し、
前記サイズの異なる複数のドットは、第1ドットと、前記1ドットのサイズよりも小さいサイズである第2ドットと、前記2ドットのサイズよりも小さいサイズである第3ドットとから成り、
前記ドット振分テーブルは、前記基準インクを用いて印刷する場合に使用される基準ドット振分テーブルと前記基準インクとは異なる対象インクを用いて印刷する場合に使用される派生ドット振分テーブルとから成り、
前記基準ドット振分テーブルは、以下(A)〜(E)の工程により作成されたテーブルであり、
前記派生ドット振分テーブルは、以下(F)〜(M)の工程により作成されたテーブルである、
ことを特徴とする印刷制御装置。
(A)前記基準インクを用いて、前記サイズの異なる複数のドット別にドットの形成量と明度との相関関係を算出する工程
(B)前記第1ドットの相関関係に前記第3ドットの相関関係を最も合致させるために前記第3ドットの形成量を除する値であるパラメータX1(X1>1)を算出する工程
(C)前記第1ドットの相関関係に前記第2ドットの相関関係を最も合致させるために前記第2ドットの形成量を除する値であるパラメータX2(X2>1)を算出する工程
(D)前記第1ドットのみについて、前記入力階調値を横軸としドットの形成量を縦軸とした場合の前記入力階調値とドットの形成量との相関データを算出する工程
(E)入力階調値を横軸としドットの形成量を縦軸とした場合、
前記第3ドットの形成量が、入力階調値が0からG1(G1は前記第3ドットの形成量を最大にする予め決められた値)において傾きX1で変化し、G1からG2(G2はG1よりも大きく、第2ドットの形成量を最大にする予め決められた値)において傾き−X1×G1/(G2−G1)で変化し、
第2ドットの形成量が、入力階調値がG1からG2において傾きX2×G2/(G2−G1)で変化し、G2から入力階調値の最大値において傾き−X2×G2/(最大値−G2)で変化し、
前記第1ドットの形成量が、入力階調値が0からG1において0であり、G2から最大値において傾き(前記最大値)/(前記最大値−G2)で変化する関係を前記基準ドット振分テーブルとして得る工程、
(F)前記基準インクを用いて複数の記録率で前記サイズの異なる複数のドット別に印刷された指標量選択用パッチを測色することにより取得されたLab値及び色差WEから、ドットの形成量の変化に対して単調変化する単調指標量を複数特定する工程
(G)前記複数の単調指標量と、前記指標量選択パッチを印刷させたドットの形成量とに基づいて、前記複数の単調指標量の中からドットの形成量の変化に対して最も差異の大きい単調指標量を表す選択指標量を特定する工程
(H)前記指標量選択用パッチ、及び前記対象インクを用いて複数の記録率で前記異なる複数種類のドット別に印刷された色補償用パッチから前記選択指標量の値を取得する工程
(I)前記選択指標量の値を用いて前記基準インクの入力階調値と前記対象インクの入力階調値とを対応させて対応関係データを生成する工程
(J)前記基準ドット振分テーブルを参照して、前記サイズの異なる複数のドット別に前記基準インクの入力階調値をドットの形成量に変換する工程
(K)前記基準ドット振分テーブルを参照して、前記サイズの異なる複数のドット別に前記対象インクの入力階調値をドットの形成量に変換する工程
(L)前記異なるサイズの複数のドット別に前記基準インクのドットの形成量と前記対象インクのドットの形成量の比を算出する工程
(M)前記基準ドット振分テーブルのドットの形成量に対し前記比を乗算したドットの形成量を派生ドット振分テーブルとして得る工程
- 印刷装置を制御するためのコンピュータープログラムであって、
RGBデータを受け付ける工程と、
前記RGBデータを、基準とする基準インクの使用量である入力階調値に変換する工程と、
ドット振分テーブルを参照して、前記入力階調値をサイズの異なる複数のドットの形成量である出力階調値に変換する工程と、
前記出力階調値を用いて印刷部を制御する工程と、
をコンピューターに実行させ、
前記サイズの異なる複数のドットは、第1ドットと、前記1ドットのサイズよりも小さいサイズである第2ドットと、前記2ドットのサイズよりも小さいサイズである第3ドットとから成り、
前記ドット振分テーブルは、前記基準インクを用いて印刷する場合に使用される基準ドット振分テーブルと前記基準インクとは異なる対象インクを用いて印刷する場合に使用される派生ドット振分テーブルとから成り、
前記基準ドット振分テーブルは、以下(A)〜(E)の工程により作成されたテーブルであり、
前記派生ドット振分テーブルは、以下(F)〜(M)の工程により作成されたテーブルである、
ことを特徴とするコンピュータープログラム。
(A)前記基準インクを用いて、前記サイズの異なる複数のドット別にドットの形成量と明度との相関関係を算出する工程
(B)前記第1ドットの相関関係に前記第3ドットの相関関係を最も合致させるために前記第3ドットの形成量を除する値であるパラメータX1(X1>1)を算出する工程
(C)前記第1ドットの相関関係に前記第2ドットの相関関係を最も合致させるために前記第2ドットの形成量を除する値であるパラメータX2(X2>1)を算出する工程
(D)前記第1ドットのみについて、前記入力階調値を横軸としドットの形成量を縦軸とした場合の前記入力階調値とドットの形成量との相関データを算出する工程
(E)入力階調値を横軸としドットの形成量を縦軸とした場合、
前記第3ドットの形成量が、入力階調値が0からG1(G1は前記第3ドットの形成量を最大にする予め決められた値)において傾きX1で変化し、G1からG2(G2はG1よりも大きく、第2ドットの形成量を最大にする予め決められた値)において傾き−X1×G1/(G2−G1)で変化し、
第2ドットの形成量が、入力階調値がG1からG2において傾きX2×G2/(G2−G1)で変化し、G2から入力階調値の最大値において傾き−X2×G2/(最大値−G2)で変化し、
前記第1ドットの形成量が、入力階調値が0からG1において0であり、G2から最大値において傾き(前記最大値)/(前記最大値−G2)で変化する関係を前記基準ドット振分テーブルとして得る工程、
(F)前記基準インクを用いて複数の記録率で前記サイズの異なる複数のドット別に印刷された指標量選択用パッチを測色することにより取得されたLab値及び色差WEから、ドットの形成量の変化に対して単調変化する単調指標量を複数特定する工程
(G)前記複数の単調指標量と、前記指標量選択パッチを印刷させたドットの形成量とに基づいて、前記複数の単調指標量の中からドットの形成量の変化に対して最も差異の大きい単調指標量を表す選択指標量を特定する工程
(H)前記指標量選択用パッチ、及び前記対象インクを用いて複数の記録率で前記異なる複数種類のドット別に印刷された色補償用パッチから前記選択指標量の値を取得する工程
(I)前記選択指標量の値を用いて前記基準インクの入力階調値と前記対象インクの入力階調値とを対応させて対応関係データを生成する工程
(J)前記基準ドット振分テーブルを参照して、前記サイズの異なる複数のドット別に前記基準インクの入力階調値をドットの形成量に変換する工程
(K)前記基準ドット振分テーブルを参照して、前記サイズの異なる複数のドット別に前記対象インクの入力階調値をドットの形成量に変換する工程
(L)前記異なるサイズの複数のドット別に前記基準インクのドットの形成量と前記対象インクのドットの形成量の比を算出する工程
(M)前記基準ドット振分テーブルのドットの形成量に対し前記比を乗算したドットの形成量を派生ドット振分テーブルとして得る工程
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