JP4549008B2 - 水素ドープシリカ粉及びそれを用いたシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボ - Google Patents
水素ドープシリカ粉及びそれを用いたシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボ Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、シリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造に使用するシリカ粉、その製造方法、及びシリカ粉を用いた石英ガラスルツボ、その製造方法に関し、さらに詳しくは、高温、減圧下での単結晶引上げ時に泡膨張のないルツボを形成できるシリカ粉、その製造方法、及び該シリカ粉を用いて作成した石英ガラスルツボ、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコン単結晶の製造には、いわゆるチョクラルスキー法(CZ法)と呼ばれる方法が広く採用されている。このCZ法は、石英ガラスで製造したルツボ内でシリコン多結晶を溶融し、このシリコン融液にシリコン単結晶の種結晶を浸漬し、ルツボを回転させながら種結晶を徐々に引上げ、シリコン単結晶を種結晶を核として成長させる方法である。前記CZ法で製造される単結晶は、高純度であるとともにシリコンウェーハを歩留よく製造できることが必要で、その製造に使用される石英ガラスルツボとしては泡を含まない内層と泡を含み不透明な外層からなる二重構造の石英ガラスルツボが用いられる。そして、この石英ガラスルツボは、ゾルゲル法で得られた高純度の合成シリカ粉や合成クリストバライト粉、或は高純度化された天然シリカ粉を原料とし、それらを回転型に供給し、型内面に沿って粉体層を形成し内側からアークで加熱溶融して粉体層を石英ガラスルツボ状にしたのち、アークを停止して型の回転を継続しつつ室温まで冷却する、いわゆるアーク回転溶融法で製造されるのが一般的である。前記二重構造の石英ガラスルツボの内層は泡のない透明層であるが、それを用いて減圧、高温下でシリコン単結晶を引き上げると泡が発生し、それが膨張してルツボ内表面が剥離し、剥離した石英片が引上げ中の単結晶に付着し、その部分から転移が起こり高品質のシリコン単結晶を製造できない欠点があった。
【0003】
そこで、上記欠点を解決する石英ガラスルツボとして、ルツボ基体の溶融の際の加熱条件や透明層の形成に使用するシリカ粉を選択してシリコン単結晶引上げ後のルツボ内面1mm以下の泡膨張を抑制する石英ガラスルツボが特開2000−44386号で、また、石英ガラスルツボの内層形成工程の少なくとも一部の期間に、水蒸気をルツボ基体内に導入して製造した石英ガラスルツボが特開2001−348240号で、それぞれ提案されている。しかし、前者の石英ガラスルツボは加熱条件やシリカ粉が特定化され、全ての種類のルツボに適応できない欠点があった。また、後者の場合にはルツボ全体のOH基濃度が上昇し石英ガラスの粘度が低下し易いという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
こうした現状に鑑み、本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、水素分子を特定の範囲でドープしたシリカ粉を、石英ガラスルツボの少なくとも内表面層を形成する原料粉として使用することで、シリカ粉や加熱条件を特定化する必要がなく全ての種類のルツボの製造に適応でき、しかもOH基濃度の増大による石英ガラスの粘度の低下もなくルツボ内表面の泡膨張が抑制でき、石英ガラス片の剥離によるシリコン単結晶の有転移が起きず、高歩留でシリコン単結晶が引上げられる石英ガラスルツボが得られることを見出して、本発明を完成したものである。すなわち
【0005】
本発明は、石英ガラス片の剥離によるシリコン単結晶の有転移がなく、高歩留でシリコン単結晶を引上げできる石英ガラスルツボの内表面層を形成する水素ドープシリカ粉を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、上記シリカ粉を用いて内表面層を形成したシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボを提供することを目的とする。
【0007】
さらに、本発明は、上記シリカ粉及びそれを用いた石英ガラスルツボの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、上述のとおりシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの少なくとも内表面層を形成するシリカ粉、その製造方法及びそれを用いた石英ガラスルツボ、その製造方法に係る。
【0009】
すなわち、本発明の第1の発明は、シリカ粉を0.1MPa〜10MPaの水素圧下、300℃〜800℃の温度で加熱処理し、水素濃度を5×1017〜3×1019molecules/cm3 としたことを特徴とする水素ドープシリカ粉に係る。
【0010】
第2の発明は、0.1MPa以上〜10MPa以下の水素圧下、300℃〜800℃の温度で加熱処理して得た水素ドープシリカ粉と水素未ドープ石英粉を2:1〜1:500の重量比で混合し平均水素濃度を5×1017〜3×1019molecules/cm3 としたことを特徴とする水素ドープシリカ粉に係る。
【0011】
第3の発明は、水素未ドープ石英粉が結晶質石英粉であることを特徴とする請求項2記載の水素ドープシリカ粉に係る。
【0012】
第4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1記載の水素ドープシリカ粉を用いて半透明石英ガラスルツボ基体の内表面から少なくとも0.5mmに透明石英ガラス層を形成したことを特徴とするシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボに係る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】
本発明の第1の発明は上記のとおりの水素ドープシリカ粉であるが、該シリカ粉としては、結晶質又は非晶質の天然シリカ粉、或はゾルゲル法、水熱合成法、酸水素火炎合成法などで得られた結晶質又は非晶質の合成シリカ粉が挙げられる。これらのシリカ粉は単独でもまた混合物としても用いることができる。本発明の水素ドープシリカ粉は、シリカ粉に水素分子をドープし、その水素濃度が5×10 17 〜3×10 19 molecules/cm3の水素ドープシリカ粉である。シリカ粉を2種以上混合して使用する場合には、水素ドープシリカ粉に2:1〜1:500の重量比で水素未ドープ粉を混合し、平均水素濃度を5×10 17 〜3×10 19 molecules/cm3とするのがよい。特に結晶質のシリカ粉は、非晶質のシリカ粉に比べて水素ドープの効率が悪いことから、水素ドープ非晶質シリカ粉と混合して用いるのがよい。前記水素ドープシリカ粉を用いて石英ガラスルツボの内表面から少なくとも0.5mmに及ぶ層を透明石英ガラス層に形成することで、高温、減圧下でのシリコン単結晶の引上げにおいても内表面に泡膨張が起こることがない。その結果、泡膨張による石英片の剥離に起因する単結晶の有転移がなくシリコン単結晶は歩留よく製造できる。前記泡膨張は、本発明者らの研究によれば、シリカ粉自体に含まれる、又は内表面層の形成時に溶融雰囲気から取り込まれるガラス構造とは結びつきの弱いフリーの酸素によることがわかっている。そして、シリカ粉中の水素濃度を上記範囲にすることで、ドープした水素分子がフリーな酸素と反応してOH基とし、それがガラス内に固定されて泡膨張が抑制される。その際、若干OH基濃度は増加するが粘度に影響を及ぼすような値ではない。水素濃度が1×1017molecules/cm3未満では水素分子とフリーな酸素との反応が十分に行われず効果がなく、水素濃度が5×1019molecules/cm3を超えると水素分子がガラス構造中の酸素とまで反応し、OH基濃度が高くなり、水が形成され、それに起因する泡膨張が発生する。また、水素ドープシリカ粉で形成された透明石英ガラス層が0.5mm未満では泡膨張の抑制効果が少なく好ましくない。
【0016】
上記水素濃度は、公知のガス放出法で測定されるが、その具体例を照明学会誌第74巻第9号平成2年第27〜32頁に示す。
【0017】
本発明の水素ドープシリカ粉は、原料のシリカ粉を300℃〜800℃の温度で、かつ水素ガス圧を0.1MPa〜10MPaとする雰囲気中で加熱処理することで製造される。使用する水素ガスは純粋な水素ガスでも、また不活性ガスとの混合ガスでもよい。不活性ガスとしては、水素及びシリカガラスと非反応性のガスであれば使用できるが、経済性などから、窒素ガス、ヘリウムガスなどが挙げられる。そして、前記不活性ガスを含む場合、前記水素ガス圧は水素ガス分圧を意味する。また、加熱処理に使用する加熱炉としては、水素ドープの効率の点から加圧処理炉(オートクレーブ炉)が好ましい。前記加熱温度が300℃未満では、十分な水素分子のドープがみられず、泡膨張の抑制効果が期待できず、800℃を超えると、SiO2構造の酸素までOH基化されて好ましくない。また、水素ガス圧が0.05MPa未満では水素ドープ量が少なく泡膨張の抑制効果が期待できず、10MPaを超えると過剰な水素がドープされ、ルツボを作成した際にガラス構造の酸素までOH基化され、水による泡膨張が起こり好ましくない。
【0018】
上記製造方法で得られた水素ドープシリカ粉は、次いでシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの原料として使用されるが、石英ガラスルツボの製造方法としては、公知の製造方法が使用できる。特に図1に示すアーク溶融法による製造方法が好ましい。該アーク溶融法では、図1にみるようにシリカ粉を回転モールド1内に投入し、遠心力でルツボ形状に成形したのち、アーク電極6による加熱で溶融し半透明石英ガラスルツボ基体5に形成し、このルツボ基体5の形成中又は形成後の加熱雰囲気内に水素ドープシリカ粉4を粉体供給手段7から供給し、ルツボ基体5内面側に透明石英ガラス層10を設けて製造される。前記水素ドープシリカ粉4として混合粉を使用する場合には、予めVミキサー等で混合して得た混合粉を使用しても、或は、ルツボ製造装置に2つの粉供給手段を設け、加熱雰囲気にシリカ粉を供給する際に、所望の平均水素濃度となるように、それぞれの粉供給手段から水素ドープシリカ粉と未ドープシリカ粉を供給してもよい。
【0019】
【実施例】
実施例1
(水素ドープ石英粉の製造)
ゾルゲル法で得られた高純度の合成シリカ粉(粒度100〜350μm)をオートクレーブ炉に入れ、炉内の水素ガス圧を2MPaとし、炉内温度を600℃とし10時間加熱処理した。得られたシリカ粉中の水素濃度は8×1018molecules/cm3であった。
【0020】
(石英ガラスルツボの製造)
図1に示す装置を用い、回転モールド1内に純化処理された高純度の天然シリカ粉を投入し、遠心力により石英ガラスルツボ形状に形成し、その内にアーク電極6を挿入し、開口部9をリング状の蓋体8で覆い、アーク電極6によりキャビティー3内を高温ガス雰囲気とし、溶融ガラス化し、冷却して半透明石英ガラスルツボ基体5を作成した。次いでモールド1を回転させながらアーク電極6で半透明石英ガラスルツボ基体5内を高温雰囲気にしたのち、上記に得た水素ドープ石英粉4を少量づつ供給し、半透明石英ガラスルツボ基体5内表面に融合一体化して約2mmの透明石英ガラス層10を形成した。得られた石英ガラスルツボの直径は22インチであった。
【0021】
(シリカ単結晶の引上げ)
前記石英ガラスルツボにシリコン多結晶を入れCZ法でシリコン単結晶を引き上げた。約90時間の操業で良好なシリコン単結晶が引き上げられた。使用後の石英ガラスルツボの透明石英ガラス層を目視で観察したところ、内面近傍には泡膨張が観察されなかった。該石英ガラスの湾曲(r)部を厚さ3.0mmにカットしその断面形状を顕微鏡で観察したところ図2の通りであった。
【0022】
実施例2
実施例1の水素ドープシリカ粉の製造において、水素分圧を0.1MPa、加熱温度を400℃、処理時間を40時間とした以外実施例1と同様にして水素ドープシリカ粉を製造した。得られた石英粉中の水素濃度は6×1017molecules/cm3であった。
【0023】
上記水素ドープシリカ粉を用いて実施例1と同様にして直径22インチの石英ガラスルツボを作成し、シリコン単結晶を引き上げた。約90時間の操業の後、石英ガラスルツボの透明石英ガラス層を目視で観察したところ、内面近傍には泡膨張が観察されなかった。
【0024】
実施例3
実施例1において、透明石英ガラス層を形成するシリカ粉を、水素分圧10MPa、300℃で40時間加熱処理して得た合成シリカ粉(水素濃度8×1019molecules/cm3)と水素未ドープ天然シリカ粉とを約1:400重量比で混合したシリカ粉(平均水素濃度2×1017molecules/cm3)とした以外、実施例1と同様にして直径22インチの石英ガラスルツボを作成し、シリコン単結晶を引き上げた。約90時間の操業の後、石英ガラスルツボの透明石英ガラス層を目視で観察したところ、内面近傍には泡膨張が観察されなかった。
【0025】
比較例1
石英ガラス粉として水素未ドープ合成シリカ粉を用いて、実施例1と同様にして22インチの石英ガラスルツボを作成し、シリコン単結晶を引き上げた。約60時間の操業経過後、単結晶に乱れが生じ、引上げを中止した。使用後石英ガラスルツボの透明石英ガラス層を目視で観察したところ、内面近傍に無数の泡膨張が観察された。該石英ガラスの湾曲(r)部を厚さ3.0mmにカットしその断面形状を顕微鏡で観察したところ図3の通りであった。
【0026】
比較例2
実施例1のシリカ粉の処理を、水素圧0.1MPa、加熱温度1000℃で10時間処理した以外実施例1と同様な処理を行った。得られたシリカ粉中の水素濃度は5×1016molecules/cm3であった。このシリカ粉を用いて、実施例1と同様にして22インチの石英ガラスルツボを作成し、シリコン単結晶を引き上げたところ、約70時間の経過後、単結晶に乱れが生じ、引上げを中止した。使用後石英ガラスルツボの透明石英ガラス層を目視で観察したところ、内面近傍に無数の泡膨張が観察された。該石英ガラスの湾曲(r)部を厚さ3.0mmにカットしその断面形状を顕微鏡で観察したところ図4の通りであった。
【0027】
比較例3
実施例3の水素ドープシリカ粉単独を使用し、実施例1と同様にして直径22インチの石英ガラスルツボを作成し、シリコン単結晶を引き上げた。約30時間の経過後、単結晶に乱れが生じ、引上げを中止した。使用後石英ガラスルツボの透明石英ガラス層を目視で観察したところ、内面近傍に巨大な無数の泡膨張が観察された。該石英ガラスの湾曲(r)部を厚さ3.0mmにカットしその断面形状を顕微鏡で観察したところ図5の通りであった。
【0028】
【発明の効果】
本発明の水素ドープシリカ粉を用いてシリコン単結晶用石英ガラスルツボの少なくとも内表面層を形成し、シリコン単結晶を引き上げても、ルツボ内表面に泡膨張の発生がなく、石英ガラス片の剥離が起こることがない。その結果、前記石英ガラス片剥離によるシリコン単結晶の有転移が起こらず、高品質のシリコン単結晶が歩留よく製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の石英ガラスルツボを製造する装置の概略断面図である。
【図2】本発明の石英ガラスルツボを用いてシリコン単結晶を引き上げた後の石英ガラスルツボの切片断面の顕微鏡写真である。
【図3】水素未ドープシリカ粉で内表面層を形成した石英ガラスルツボを用いてシリコン単結晶を引き上げた後の石英ガラスルツボ切片断面の顕微鏡写真である。
【図4】水素圧を0.1MPa、加熱温度を1000℃で10時間処理して得たシリカ粉を用いて内表面層を形成した石英ガラスルツボを用いてシリコン単結晶を引き上げた後の石英ガラスルツボ切片断面の顕微鏡写真である。
【図5】本発明の範囲外の水素ドープシリカ粉を用いて内表面層を形成した石英ガラスルツボを用いてシリコン単結晶を引き上げた後の石英ガラスルツボ切片断面の顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 回転モールド
2 回転機構
3 キャビティー
4 水素ドープシリカ粉
5 石英ガラスルツボ基体
6 アーク電極
7 粉体供給手段
8 蓋体
9 開口
10 透明石英ガラス層
11 アーク電源
Claims (4)
- シリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造に使用するシリカ粉であって、0.1MPa以上〜10MPa以下の水素圧下、300℃〜800℃の温度で加熱処理し、水素濃度を5×10 17 〜3×10 19 molecules/cm 3 としたことを特徴とする水素ドープシリカ粉。
- シリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造に使用するシリカ粉であって、0.1MPa以上〜10MPa以下の水素圧下、300℃〜800℃の温度で加熱処理して得た水素ドープシリカ粉と水素未ドープ石英粉を2:1〜1:500の重量比で混合し平均水素濃度を5×1017〜3×1019molecules/cm3 としたことを特徴とする水素ドープシリカ粉。
- 水素未ドープ石英粉が結晶質石英粉であることを特徴とする請求項2記載の水素ドープシリカ粉。
- 請求項1ないし3のいずれか1記載の水素ドープシリカ粉を用いて半透明石英ガラスルツボ基体の内表面から少なくとも0.5mmに透明石英ガラス層を形成したことを特徴とするシリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボ。
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