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JP4547221B2 - 無線基地局装置 - Google Patents

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Description

この発明は、移動通信システムにおいて使用される無線基地局装置に係わり、特に基地局本体の無線通信機能部を無線ユニットとして独立させて遠隔地に配置し、この無線ユニットと基地局本体ユニットとの間を例えば光伝送路を介して接続して信号伝送を行うようにした無線基地局装置に関する。
従来、無線基地局装置は、有線伝送路機能部、制御機能部、信号処理機能部、変復調及び周波数変換機能部および送受信増幅機能部などを備え、これらが一体化されて構成されていた。しかし、移動通信システムを構築するにあたり初期投資や運用費用を低減するために、RRH:Remote Radio Headと呼称されるシステムが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
RRHは、無線基地局装置の変復調及び周波数変換機能部及び送受信増幅機能部を含む無線通信機能部を無線ユニットとして独立させてトンネル内や地下街等の遠隔地に配設し、この無線ユニットと基地局本体ユニットとの間を光ファイバ等の有線伝送路を使用して接続したものである。
図5は、上記RRHシステムの一例を示す構成図である。このRRHシステムは、基地局本体ユニット(BTS:Base Transceiver Station)11′,12′,13′、無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)21〜29、親局装置5、および子局装置6を備えている。各BTS11′〜13′は、直交変調されたIQ信号の送受信に対応するIQ信号インタフェースを1つずつ備え、それぞれ光ケーブルC11〜C13を介して親局装置5に接続されている。RRU21〜29もまたIQ信号インタフェースをそれぞれ備えており、光ケーブルC21〜C29を介してそれぞれ子局装置6と接続されている。親局装置5と子局装置6との間は光ケーブルC56により接続され、これにより、BTS11′〜13′とRRU21〜29と間の通信が可能となる。
ここで、上記無線通信システムの動作を図6を参照して説明する。BTS11′〜13′は、4キャリア3セクタ(4C3S)の12波分の時分割多重されたIQ信号の送受信をそれぞれ行うものとする。よって、親局装置5と接続された光ケーブルC11〜C13では、データD10のようにIQ信号がそれぞれ送受信される。親局装置5と子局装置6とを接続する光ケーブルC56では、データD10のように36波分のIQ信号が時分割多重されて送受信される。また、子局装置6とRRU21〜29との間をそれぞれ接続する光ケーブルC21〜C29では、データD20のように4波分のIQ信号が時分割多重されて送受信される。
特開2004−180220号公報
ところが、上記従来提案されている無線基地局装置では、親局装置5および子局装置6において、IQ信号の多重分離機能をシステム構成に合わせてそれぞれ備える必要がある。つまり、BTS11′〜13′からRRU21〜29への通信において、親局装置5では、BTS11′〜13′から受信した各12波分のIQ信号を36波分に多重して子局装置6に送信する。また子局装置6では、親局装置5から受信した36波分に多重されたIQ信号を4波分にそれぞれ分離してRRU21〜29に送信する。反対に、RRU21〜29からBTS11′〜13′への通信においては、子局装置6では、RRU21〜29から受信した各4波分のIQ信号を36波分に多重し、親局装置5において、36波分に多重されたIQ信号を各12波分にそれぞれ分離してBTS11′〜13′に送信する必要がある。また、移動通信システムの通信トラフィックは、場所によって大きく異なるため、低トラフィック地域に大規模なRRHシステムの導入は初期投資としての負担が大きい。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、システム構築における初期投資の負担を軽減し、システム容量の増減に合わせて低コストで柔軟に対応することを可能とする無線基地局装置を提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明の無線基地局装置は、移動局との間の接続及び通信に係わる処理を行うベースバンド処理機能部を備える基地局本体ユニットと、この基地局本体ユニットに対し伝送路を介して接続され、上記ベースバンド処理機能部の制御の下で移動局との間で無線信号の送受信を行う無線通信機能部を備える複数の無線ユニットとを備える。そして、上記基地局本体ユニットは、上記複数の無線ユニットの各々に対応する複数の通信インタフェース機能部を備え、これらの通信インタフェース機能部により上記複数の無線ユニットとの間で互いに独立して信号の送受を行うように構成したものである。
したがってこの発明によれば、システムに対応するために多重分離を行うための専用の親局装置および子局装置を設ける必要が無く、例えば、市販のWDM装置を用いて安価にシステム容量を増加することが可能である。また、基地局本体ユニットにセクタ数の通信インタフェースを設けたことで、無線ユニットと直接接続することが可能である。このため、システム構築における初期投資の負担を軽減することが可能となる。
要するにこの発明によれば、システム構築における初期投資の負担を軽減することができ、これによりシステム容量の増減に合わせて低コストで柔軟に対応することが可能な無線基地局装置を提供することができる。
図1は、この発明に係わる無線基地局装置を備える無線基地局システムの一実施形態を示す構成図である。このシステムは、複数の無線基地局装置を統合したもので、各無線基地局装置はそれぞれ1台の基地局本体ユニット(BTS)11〜13と、複数の無線ユニット(RRU)21〜29とを備えている。RRU21〜29はそれぞれ、セクタと呼ばれる無線エリアに対応して配設される。BTS11〜13と無線ユニット(RRU)21〜29との間は、光波長多重伝送(WDM:Wavelength Division Multiplexing)装置31,32を介して接続される。
BTS11〜13は、有線伝送路機能部、制御機能部及び信号処理機能部等を含むベースバンド処理部を備える。RRU21〜29は、アンテナ4、変復調及び周波数変換機能部、および送受信増幅器などを含む無線通信機能部を備え、図示しない移動局との間で無線通信を行う。WDM装置31,32は波長多重・分離を行う光伝送装置であり、市販のWDM装置を用いることも可能である。この実施形態では、9波長の多重・分離が可能なものとする。
また、BTS11〜13はそれぞれ、各セクタに対応する3つのIQ信号インタフェースを備える。BTS11〜13とWDM装置31との間の接続には有線伝送路が用いられ、例えば光レベルで通信可能な光ファイバで構成される。BTS11〜13はそれぞれ、上記IQ信号インタフェースにより光ケーブルC11a,C11b,C11c、C12a,C12b,C12c及びC13a,C13b,C13cを介してWDM装置31と接続される。WDM装置31とWDM装置32との間は、光ケーブルC33により接続され波長多重伝送を行う。
一方、RRU21〜29はそれぞれ一つのIQ信号インタフェースを備える。そして、このIQ信号インタフェースをWDM装置32と例えば光ファイバなどで構成される光ケーブルC21〜29を介してそれぞれ接続される。このような接続構成により、BTS11〜13とRRU21〜29との間のIQ信号の送受信がWDM装置31,32を介して行なわれる。
以上のように構成されるRRHシステムの情報伝送における動作について図2を用いて説明する。なお、BTS11〜13とRRU21〜29との間における情報伝送は、4キャリア3セクタ(4C3S)で行われるものとする。
まず、BTS11〜13からRRU21〜29に対してIQ信号を送信する動作について説明する。BTS11〜13は、各セクタに対応したIQ信号インタフェースを介してデータD1に示す4波分のIQ信号をWDM装置31に対してそれぞれ送信する。WDM装置31は、BTS11〜13から送信された各セクタに対応した4波分のIQ信号を受信し、予め各BTSの各セクタに対応付けられている波長λ1〜λ9を用いて、データD3のように光ケーブルC33を介してWDM装置32へ送信する。WDM装置32は、各セクタに対応した波長λ1〜λ9をもとに、各セクタに対応したデータD2に示す4波の信号に分離し、各RRU21〜29へ送信する。かくして、RRU21〜29においてBTS11〜13により送信された各セクタに対応したIQ信号を受信することができる。
続いて、BTS11〜13がRRU21〜29から送信されたIQ信号を受信する動作を説明する。RRU21〜29は、各セクタに対応したIQ信号インタフェースを介してデータD2に示す4波分のIQ信号をそれぞれWDM装置32へ送信する。WDM装置32では、各RRU21〜29の各セクタに対応する4波の信号を受信して、予め各BTS11〜13の各セクタに対応付けられている波長λ1〜λ9を用いてデータD3に示すように波長多重を行い、光ファイバを用いてWDM装置31に向け送信する。WDM装置31は、各セクタに対応した波長λ1〜λ9をもとに、各セクタに対応したデータD1に示す4波の信号に分離し、各BTS11〜13に対して送信する。かくして、BTS11〜13においてRRU21〜29により送信された各セクタに対応したIQ信号を受信することが可能となる。
次に、上記述べた無線基地局装置を使用した、通信トラフィックに応じたRRHシステムの構成について説明する。図3に低トラフィック時におけるRRHシステムの構成例を示す。このシステムは、BTS11とRRU21,22とを備え、BTS11とRRU21,22との間が光ケーブルC112a,C112bを介してそれぞれ接続されている。このように、BTS11に各セクタに対応するIQ信号インタフェースが設けられたことにより、RRU21,22とそれぞれ直接接続することが可能となる。このため、多重分離機能を持つ、親局装置および子局装置などを配置する必要が無く、低トラフィックエリアでは、最小構成で安価なシステムを提供することが可能となる。
図4は高トラフィック時におけるRRHシステム構成例を示す。このシステムは、BTS11とRRU21,22との間に、WDM装置31,32をそれぞれ追加する。そして、BTS11とWDM装置31との間を光ケーブルC11a,C11bを介してそれぞれ接続し、WDM装置31とWDM装置32との間を光ケーブルC33を介して接続し、さらにWDM装置32とRRU21,22との間を光ケーブルC21,C22を介してそれぞれ接続して構成される。このように構成すると、各装置の構成を変更することなく、さらにBTSおよびRRUを追加することが可能になり、通信トラフィックの状態に対応して、システム容量をフレキシブルに増減することができる。
以上述べたように上記実施形態では、各BTS11〜13にそれぞれ、各セクタに対応して、つまりRRU21〜23,24〜26,27〜29に対応してIQ信号インタフェースを設け、これらのIQ信号インタフェースを使用してBTS11〜13が各RRU21〜23,24〜26,27〜29との間で1対1の関係で信号を伝送するように構成している。
したがって、システムの運用形態が低トラフィックな場合は、図3に示すようにBTS11とRRU21,22との間を光ケーブルC112a,C112bを用いて直接接続してIQ信号の伝送を行うことが可能となる。一方、システムの運用形態が高トラフィックな場合には、図4に示すようにBTS11とRRU21,22との間にWDM装置31,32を配置し、これらのWDM装置31,32間を光ケーブルC33を介して接続する。そして、BTS11とRRU21,22との間で伝送するIQ信号を、WDM装置31,32において波長多重して伝送する。このようにすることにより、高トラフィックのシステムにおいても効率良くIQ信号の伝送が可能となる。
このため、従来技術のようにシステム構成に対応するために多重分離を行うための専用の親局装置5及び子局装置6を設ける必要がなくなり、無線基地局システムにおける開発コストの低減につながる。また、図3に示したように、低トラフィック地域では、BTS11とRRU21,22とをそれぞれ直接接続してIQ信号の送受信が行えるため、初期投資や運用費の負担を軽減することが可能となる。
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記の実施形態では、4キャリア3セクタの無線基地局システムを例に挙げたが、装置の機能構成、接続形態や台数については、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
また、前記実施形態ではBTSとRRUとの間を接続する伝送路として光ケーブルを使用した場合を例にとって説明したが、電気信号を伝送するメタリックケーブルを使用してもよく、またマイクロ波等の無線回線を使用することも可能である。ただし、この無線回線を使用する場合には、RRUと移動局との間の無線通信に悪影響を及ぼさないようにする配慮が必要である。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
この発明に係わる無線基地局装置を備える無線基地局システムの一実施形態を示す構成図。 図1に示した無線基地局システムにおける情報伝送の動作を示す図。 図1に示した無線基地局装置を使用した低トラフィック時におけるシステムの概略構成図。 図1に示した無線基地局装置を使用した高トラフィック時におけるシステムの概略構成図。 従来技術による無線基地局装置を備える無線基地局システムの一例を示す構成図。 図5に示した無線基地局システムにおける情報伝送の動作を示す図。
符号の説明
11〜13…BTS、21〜29…RRU、31,32…WDM装置、4…アンテナ、C11a〜C11b,C12a〜C12b,C13a〜C13b,C21〜C29,C33,C112a,C112b…光ケーブル、D1〜D3…データ。

Claims (1)

  1. 移動局との間の接続及び通信に係わる処理を行うベースバンド処理機能部を備える基地局本体ユニットと、
    前記基地局本体ユニットに対し伝送路を介して接続され、前記ベースバンド処理機能部の制御の下で前記移動局との間で無線信号の送受信を行う無線通信機能部を備える複数の無線ユニットとを具備する無線基地局装置において、
    前記基地局本体ユニットは、前記複数の無線ユニットの各々に対応する複数の通信インタフェース機能部を備え、これらの通信インタフェース機能部により前記複数の無線ユニットに対応する信号毎に第1光波長多重伝送装置に出力し、
    当該第1の光波長多重伝送装置は、前記信号毎に対応付けられた波長に変換して波長多重し、前記光伝送路を介して第2の光波長多重伝送装置に出力し、
    当該第2の光波長多重伝送装置は、前記光伝送路を介して入力された信号を前記複数の無線ユニットに対応する信号毎に対応付けられた波長をもとに信号を分離して出力し、
    前記無線ユニットは、前記第2の光波長多重伝送装置から入力された信号をもとに前記移動局に無線信号を出力することを特徴とする無線基地局装置。
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