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JP4541372B2 - 空気式太陽集熱換気システム - Google Patents

空気式太陽集熱換気システム Download PDF

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JP4541372B2 JP2007054126A JP2007054126A JP4541372B2 JP 4541372 B2 JP4541372 B2 JP 4541372B2 JP 2007054126 A JP2007054126 A JP 2007054126A JP 2007054126 A JP2007054126 A JP 2007054126A JP 4541372 B2 JP4541372 B2 JP 4541372B2
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Description

本発明は、壁面・屋根面・庇・手摺りなどの建築部分に設置するものとして、主に換気・暖房が必要となる空間における空気式太陽集熱換気システムに関するものである。
わが国の建物の熱性能は、省エネという観点からはとても貧しいものである。夏の暑さを電力に支えられるエアコンでしのぎ、冬は寒いといって、石油をふんだんに燃やして暖房をしてきた結果、住宅や建築がエネルギー危機や二酸化炭素による地球温暖化の現象に与えた影響はとても大きなものである。
建物の熱損失に関しては、図27に示すように床面積120m程度の住宅において新省エネルギー基準では、339kcal/℃(l0.39kW/℃)の熱損失量に対して(1℃当り)屋根(8%)、外壁(27%)、床(14%)、窓(44%)、ドア(2%)、換気(15%)という割合での損失が想定される。これが、次世代基準では186kcal/℃(0.2kW/℃)の熱損失量となり、将来基準ではさらに熱損失量が低下することが予想されるが、その中で、換気における熱損失の低下はなかなか見込むことができない。
換気用空気に関して、通常の構造の建物においては、ドアの周囲とか壁や天井の継目などの隙間を通しての自然な漏れ込みによって、十分な換気空気を建物内に流入させるのが普通であるとされ、強風とか、換気扉とか、炉で燃料を燃焼させる空気のような多くの要因によって、建物の外から内への圧力降下が起きうる。それ故に、クラックや開口があればそれを通って外気が建物内に流入することになる。
しかし、近年、断熱材の使用により、高断熱、高気密の建物が出現すると、このような隙間が少ないので、積極的に換気を行う必要性が検討される。
ところで、改正された建築基準法では健康的な生活をするために必要な建物の換気(1時間に0.5回、[その建物の体積分(気積という)]の空気が2時間に1回外部の空気と入れ代わること)を行うことと定めている。前記換気を満足させるためには、機械的換気設備を設置して24時間換気を行う。そのためには計画的な換気と空気の流れを作ることになる。
現在の換気システムについての住宅取得者の不満を見ると、図28に示すように換気で冬に寒さを感じるという割合が非常に多い。このことは、換気空気の量がコントロールされず、また、秋、冬、および春の季節の間では、外気を室内温度まで加熱するための追加的熱量を必要とすることを示している。
この問題は典型的には、流入する空気を加熱するためのガスまたは空気のヒータを備えた加熱ファンを設置することで解決されるが、今、先進国がなすべきことは、生活のレベルを低下させることなく、生活の高度化を図りつつ、環境負荷を低減させる方法を生み出すことである。そこで、風およびその他気象条件だけではなく、外部環境条件に柔軟に対応する住居および建物を建設して室内暖房、冷房、換気、除湿、および給湯のための太陽エネルギー利用を最適化することが求められる。
建物の暖房のために太陽熱パネルが用いられる場合には、空気は建物内からこのパネルを経て再度建物内へと再循環させられる。太陽熱コレクタの効率は、それに入る空気の温度が周囲温度と同じであるときに最高となる。通常の冬期の条件下では、周囲温度は室内温度より低く、したがって冬期では、太陽熱コレクタを用いての再循環は大いに悪い効率レベルで行われることになる。
これに対して建物に入る空気を加熱するためのガスや電気のヒータのような消費的エネルギー源を用いることをせず、建物内からの空気を単に太陽熱コレクタを通して建物内に戻すのではなく、建物の南に面する壁に太陽熱コレクタを位置させ、このコレクタが、換気のための新鮮なメークアップ空気を先ずそのコレクタを通過させた後に建物内に流入させるようにする方法と装置が下記特許文献にある。
特許第2675385号(換気用空気を予熱する方法および装置)
この特許文献1は、図29、図30に示すように波形をなしていてその波形が実質上垂直方向にあり、外面において実質上垂直方向に規定され、外部に直接開放された複数のグルーブ3が形成されている日光吸収性の波形のコレクタパネル2を建物の南に面する壁1に取り付けるものである。
波形のコレクタパネル2は、黒色ペイントのような熱吸収性材料で被覆され、パネルと壁1との間に実質上垂直方向と規定される複数のチャンネル4が形成されている。波形のコレクタパネル2の上端部には、断面が四角形となっている空気集合プレナム5が設けられている。
空気集合プレナム5の中のチャンバーと連結したファンハウジング6があって、このファンハウジング6には、ファン7があるほか、建物内部から来る空気と空気集合プレナム5から来る加熱された空気と混合させるために電動ダンパ8がある。ファンハウジング6と連結した織物製の複数の開口を有しているエアダクトがある。
前記グルーブ3に沿って外気を上向きに流動させ、グルーブ3の中の空気をコレクタパネル2からの太陽熱と南に面する壁1を通して建物内部から放散する熱の組合せによって加熱し、グルーブ3からの加熱された空気をパネルの上端付近の空気集合プレナム5において取り出し、その加熱された空気をエアダクトにより建物内部に送出する。
前記特許文献1の方法と装置では、複数のグルーブ3は外部に直接開放されたものであり、風等の影響を受けると加熱された空気が分散してしまい空気集合プレナム5への集熱が困難となる。
また、この特許文献1では、グルーブ3だけからの空気を集める使い方と、グルーブ3を流れる空気とチャンネル4を流れる空気の両方を集める使い方が可能であるとされるが、チャンネル4では集熱面が、片側の空気入り口・一方向の空気流れ・もう片側の空気出口、という構成が決まっている。太陽熱を受けている集熱面では、空気入り口から入った空気を、流れ方向に沿って、空気を徐々に加温していく。そのために、利用温度に応じた集熱面の長さが必要となる。
一方、集熱通気層の高さをより小さくすることで、集熱性能が向上することは想像できるところであるが、通気層の高さを小さくするほどに通気抵抗が曲線的に大きくなり、ファンの動力や騒音が大きくなるため、現実的には採用しにくい考え方であった。
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、集熱/熱交換効率の向上を図ることができ、しかも、部材構成として小さい大きさ・自由な形状で、建築などに馴染みやすいデザイン性を応えられることができ、さらに、吸込空気を前面の空気に限定することがないのでホコリや雨などの吸込も防ぐことができ、また、循環システムなどに対応可能である空気式太陽集熱換気システムを提供することにある。
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、太陽放射を受ける側の板材料と反対側の板材料を間に、厚さが約15mm以下で、長さが数十cm〜数mで、断面積は内部流速≒5m/s以下とした極薄通気層を形成し、この通気層の左右の一端に空気吸込口を、他端に空気吹出口を、それぞれ太陽放射を受ける側と反対側に向けて形成した全体は幅のある横長形状の板状体を、空気式集熱部材として太陽放射を受ける受熱面全体に複数を上下方向に列設させて配置し、かつ、均等に空気を吸い込むように通気抵抗を調整し、前記空気吹出口はこの板状体列の太陽放射を受ける側と反対側に形成した上下方向の集合送気層に開口させ、さらに、この集合送気層と平行に各板状体の前記空気吸込口が連通する送気用連続空間を上下方向に形成し、送気用連続空間から空気を極薄通気層に吸い込み、極薄通気層を通過する間に受ける放射熱と対流あるいは伝導で熱交換し、集合送気層に空気を吹き出すことを要旨とするものである。
請求項1記載の本発明によれば、板状体を単位集熱部材とするものであり、この、板状体は極薄通気層で熱を吸い取るので、集熱/熱交換効率の向上を図ることができる。すなわち、薄い通気層とし、かつ、断面積は内部流速≒5m/s以下とすることにより、太陽放射を受ける板材料とこの通気層を流れる空気の接触効率を高め、熱交換性能が向上する。
さらに、温度差熱交換の場合は、流れ長さが短いほど、温度上昇率が大きいが、このような板状体による単位集熱部材は流れ長さが短いものを複数列設することで、より一層の熱交換性能の向上が得られる。極薄の通気層で得られる加熱空気を集合通気層に集合させて十分な暖かな空気を得ることができる。
また、裏面(太陽放射を受ける側と反対側の空間)から空気を薄い厚さの通気層に吸い込むことにより、吸込空気をダクト接続などで選択が可能となり循環システムが構成でき、さらに、集熱面の外表面にホコリや雨が詰まる心配が解消され、また、集合した吸い込み口部分にフィルタを着けるなどで浮遊粉塵や花粉対策を施すことができる。
請求項2記載の本発明は、太陽放射を受ける側に、太陽放射を透過する材料を密閉空気層とともに設けることを要旨とするものである。
請求項2記載の本発明によれば、太陽放射を受ける側に、太陽放射を透過する材料を空気層とともに設けることにより、風等の影響をより少なくし、この空気層での断熱も加えて高温の加熱空気を得ることができる。
特に、密閉空気層とすることでガラス下の空気層にホコリが溜まることが無くなり、そのホコリがガラス下のために掃除しにくいという不都合も防げる。また、空気層を密閉したので、ガラス下に外気を導入する場合のように、導入した外気によりガラス下の空気層および集熱板を冷却するために集熱性能の向上が阻害されることもない。
以上述べたように本発明の空気式太陽集熱換気システムは、極薄通気層をもつ集熱部材を、均等に空気を吸い込む空気抵抗に調整し、ある大きさ・形状の集熱面を構成することにより、集熱/熱交換性能の向上を図ることができ、また、集熱部材の部材構成として小さい大きさ・自由な形状で、建築などに馴染みやすいデザイン性を応えられることができるものである。さらに、吸込空気を前面の空気に限定することがないのでホコリや雨などの吸込も防ぐことができ、また、循環システムなどに対応可能である。
このようにして本発明は、化学物質汚染・結露・カビ・ダニなどを低減するために室内に十分な換気が可能であり、一方、寒い時期には、供給される外気の冷たさを緩和するのに太陽熱利用により地球温暖化防止・エネルギー不足問題などに答えることができる。
以下、図面について本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の空気式太陽集熱換気システムの第1実施形態を示す横断平面図で、図中10は、図2、図3にも示すように、太陽放射を受ける側の板材料である受熱板11と反対側の板材料である吸熱板12を間に距離が15mm以下(例えば8mm)の極薄通気層13を介在させて平行に配置した扁平パネル形状の板状体である。この板状体10は曲面形状とすることも可能である。また、図7に示すように受熱板11を凹凸のある波板成形板によるものとして受熱面積を増加させてもよい。
極薄通気層13は、薄い通気層とすることにより、受熱板と流れる空気の接触効率を高め、熱交換性能が向上するものであるが、およそ15mm以下、例えば8mm以下が好適である。(ただし、処理風量が大きく違えば、通気層高さも変わる。)
板状体10を構成する材料としては、熱伝導性が比較的よい材料であれば金属等特に限定は問わないが、受熱板11は集熱表面材料として黒色金属板、選択吸収膜板などが好適である。なお、受熱板11の集熱表面材料として、太陽電池を用いることも可能である。太陽電池が冷却できることは発電効率の低下防止になる。
板状体10は、図3、図7に示すように、全体は幅のある横長形状のものであり、左右の一端を空気吸込口14、他端を空気吹出口15とし、これら空気吸込口14および空気吹出口15は複数個を上下方向に列設(連列)する。これら各板状体10の空気吸込口14、空気吹出口15はともに太陽放射を受ける側と反対側すなわち、吸熱板12側に設けるものとする。
板状体10は、横の長さ900mm程度とするが、数十mm〜数m程度の範囲で製品バリエーションが可能である。上下高さは、120mm程度とするが、任意である。
また、板状体10は、太陽放射を受ける受熱面全体に、極薄通気層13の流れ方向に短い長さ(数cm〜1m程度)のものを複数並列させた配置とし、均等に空気を吸い込むように通気抵抗を調整する。
このように前記板状体10を横方向に並べ、極薄通気層13の通気抵抗でバランスを考慮して、面積あたり風量を同じ程度にすること、加えて、分割された集熱部材(板状体10)を均等に吸い込むように調整することにより、小さい(短い)熱交換(集熱)面で、利用できる温度が得られるものとなる。
前記極薄通気層13の断面積は、抵抗のバランスおよび後述の汎用ファン24の圧力(静圧)を考慮して内部流速≒5m/s以下として設定する。
図1に示す本実施形態は、板状体10は受熱面全体としての設置面または集熱ユニット裏板が建物の壁面17である場合であり、太陽放射を受ける側と反対側(壁面17との間)に、集合送気層18を上下方向に形成し、さらに、この集合送気層18と平行に各板状体10の前記空気吸込口14が送気ダクト41を介して連通する送気用連続空間40を上下方向に形成した。
なお、空気吸込口14と空気吹出口15の位置関係は、平行、円と中心点、多角形等多様なパターンがあり、図示のような空気吸込口14を下端、空気吹出口15を上端にする場合のほか、図4に示すように空気吸込口14を上下端に形成し、空気吹出口15を吸熱板12の中央に形成する場合、図5に示すように空気吹出口15を上下端に形成し、空気吸込口14を吸熱板12の中央に形成する場合、図6の(a)に示すように、空気吹出口15を吸熱板12に多数の小孔として形成する場合、(b)に示すように、空気吸込口14を吸熱板12に多数の小孔として形成する場合等である。
また、他の実施形態として、図8に示すように、太陽放射を受ける側に、ガラスなどの透明板による太陽放射を透過する材料19を空気層とともに設けるようにしてもよい。この場合該空気層は端部を閉塞した密閉空気層20として形成し、外部との空気の交流がないものとするのが望ましい。この密閉空気層20は空気断熱による断熱層ともなる。
さらに他の実施形態として、板状体10は、極薄通気層13の通気層厚さを固定するために、受熱板11と反対側の板材料である吸熱板12を間にアルミ等の伝熱性のよい材料を用いた熱伝導性スペーサ21を設けるようにしてもよい。
図10は本発明の空気式太陽集熱換気システムの設置例を示すものであるが、多数上下方向に並列した板状体10と集合送気層18と送気用連続空間40とで空気式太陽集熱部を形成し、この空気式太陽集熱部に対して、集合送気層18と室内の対象空間23と連通部に汎用ファン24を設置する。
このようにして、太陽放射を受ける位置に板状体10を複数上下方向および横方向にならべて設置し、この板状体10で太陽放射を受ける側の外気を空気吸込口14より吸い込み、薄い通気層である極薄通気層13で太陽熱を集熱し、各板状体10の空気吹出口15から吹き出した集熱空気を集合送気層18で集合して汎用ファン24により対象空間23に供給する。
本発明は、処理風量と極薄通気層13の通気抵抗と汎用ファン24のファン能力のバランスを取ることができる。
本発明は、薄い通気層とすることにより、受熱板と流れる空気の接触効率を高め、放射熱と対流あるいは伝導で熱交する熱交換性能を向上させるもので、本発明の効果を説明する概念図を図12、図13に示す。性能向上のポイントとしては、短い流れの長さで温度差熱交換をすることと、薄い通気層で熱交換することである。
図11は本発明の空気式太陽集熱換気システムの応用例を示すもので、汎用ファン24を逆流運転させ、空気の流れる順序が、対象空間23の空気、集合送気層18、太陽集熱部材である板状体10、そして、送気用連続空間40を介して排気され、外気側へと逆の流れパターンの運転モードをもつこととした。
このように、逆流モードをもつことで24時間換気に対応できる。また、夏の日中は、送気用連続空間40、集合送気層18、太陽集熱部材である板状体10を通過する空気でエアーカーテンを形成し、壁面に対する日射熱侵入防止になる。
さらに、他の応用例として、図14〜図17に示すように、集熱空気と接触して熱交換ができる位置に蓄放熱体25を設置するようにしてもよい。図14、図15は蓄放熱体25を板状体10とは別個の独立したものとした場合、図16、図17は板状体10と一体化した場合である。この蓄放熱体25には、たとえば、コンクリート・水・れんが・潜熱蓄熱材などが適用できる。
図14、図16は日中の蓄熱+温度調整運転を示すが、太陽放射を受けている日中は、集熱のピーク温度を蓄放熱体25に蓄熱(吸熱)することにより対象空間23に供給する空気温度が高くなりすぎることを押さえることができる。
そして、図15、図17は夜間の放熱+加温調整運転を示すが、太陽が沈んだ夜間に、日中に蓄放熱体25に蓄えた熱を放熱することにより、対象空間23に吹き出す空気温度が冷たい外気温度に近づいていくことを押さえることができる。
図18、図19は、太陽電池26により発電する電力を使いながら運転する場足を示したもので、太陽電池26により給電し、制御盤27等を介して自立運転できるユニットを構成すれば、商用電源が供給なくても、本ユニットのみ単独設置で、太陽集熱換気システムが実現できる。用途例としては、建築リフォームなどで後付けの場合や、別荘など無人建物、その他が想定できる。図18は太陽電池26をは板状体10とは独立して設ける場合、図19は板状体10に一体化して設ける場合である。
さらなる応用例として、図25に示すように、太陽光の代りに、輻射熱がでるストーブ28をもって、その輻射熱を板状体10の受熱板11で受け、反対側の吸熱板12で放射して、回収した輻射熱・対流熱を対象空間23に送り、または、ストーブ28の使用空間で循環するようにしてもよい。
本実施形態では、輻射熱を受ける側と反対側から吸い込むものであるから、ストーブの付近をマイナス圧にして、燃焼に支障を与える可能性がなく、また燃焼の臭気まで対象空間に送風する可能性がない。このように循環式熱回収(交換)システムを構成することにより、ストーブの燃焼に支障を与える、臭気を送風するなどの心配なくシステムを運転することができる。
図26は板状体10の外側にサンルーム29を形成した場合である。サンルーム29(温室)の内部で集熱加温した空気を対象空間23に送る。
この場合、サンルーム29の床下にも板状体10を横向きした集熱の床面を形成して、冬は床下空間吹き出し用ファン32を運転して集熱加温した空気をこの板状体10の床構造に流し集熱・押し込み換気ができる。
冬など寒い時期にサンルームに冷たい外気を導入して、板状体10で集熱加温した外気を対象空間23に送り換気する場合に、サンルーム29に導入した外気により集熱面近傍の空気温度および集熱表面温度を冷却するために、集熱性能の向上が小さくなってしまうことが懸念される。
本発明では、循環システムを構成することにより、サンルーム29内(集熱面近傍)の空気温度および集熱表面の温度が高くなり、集熱性能のさらなる向上が図れる。また、サンルーム29内に多量な植物など臭気が発生する場合は、その臭気を対象空間に送らないことができる。
以上の実施形態は、多数並列した板状体10と集合送気層18に組合せによる空気式太陽集熱部を建物の壁面17に設置する場合について説明したが、このように建物の壁面17に設置する場合も図20に示すように、外気吸込口44およびこれに連通する送気用連続空間40を壁面17の外表面に形成してなる場合と、図21に示すように、外気吸込口44およびこれに連通する送気用連続空間40を建築的な外壁通気層を利用して形成する場合などがある。
図22、図23は多数並列した板状体10と集合送気層18に組合せによる空気式太陽集熱部を建物の屋根に設置した場合である。
図22は空気式太陽集熱部を屋根45の外表面に設置する場合で、外気吸込口44およびこれに連通する送気用連続空間40を屋根面の外表面に形成してなる場合、図23は建築的な屋根通気層を利用して形成する場合である。
図24は多数並列した板状体10と集合送気層18に組合せによる空気式太陽集熱部を建物の庇に設置した場合である。
本発明の空気式太陽熱換気システムの第1実施形態を示す面模式図である。 本発明の空気式太陽熱換気システムで使用する板状体の面模式図である。 本発明の空気式太陽熱換気システムで使用する板状体の斜視図である。 本発明の空気式太陽熱換気システムで使用する板状体の第1変形例を示す説明図である。 本発明の空気式太陽熱換気システムで使用する板状体の第2変形例を示す説明図である。 本発明の空気式太陽熱換気システムで使用する板状体の第3、第4変形例を示す説明図である。 本発明の空気式太陽熱換気システムで使用する板状体の第5変形例を示す斜視図である。 本発明の空気式太陽熱換気システムの第2実施形態を示す面模式図である。 本発明の空気式太陽熱換気システムの第3実施形態を示す面模式図である。 本発明の空気式太陽熱換気システムの設置例を示す縦断面模式図である。 本発明の空気式太陽集熱換気システムの応用例を示す面模式図である。 本発明と従来集熱の比較で、短い流れの長さでの温度差熱交換を示すグラフである。 本発明と従来集熱の比較で、薄い通気層での温度差熱交換を示すグラフである。 本発明の空気式太陽集熱換気システムで、蓄放熱体との組合せの第1例を示す日中時の説明図である。 本発明の空気式太陽集熱換気システムで、蓄放熱体との組合せの第1例を示す夜間時の説明図である。 本発明の空気式太陽集熱換気システムで、蓄放熱体との組合せの第2例を示す日中時の説明図である。 本発明の空気式太陽集熱換気システムで、蓄放熱体との組合せの第2例を示す夜間時の説明図である。 本発明の空気式太陽集熱換気システムで、太陽電池駆動との併用を示す第1例の説明図である。 本発明の空気式太陽集熱換気システムで、太陽電池駆動との併用を示す第2例の説明図である。 本発明の空気式太陽集熱換気システムで、外壁に設置の第1例を示す面模式図である。 本発明の空気式太陽集熱換気システムで、外壁に設置の第2例を示す面模式図である。 本発明の空気式太陽集熱換気システムで、屋根に設置の第1例を示す面模式図である。 本発明の空気式太陽集熱換気システムで、屋根に設置の第2例を示す面模式図である。 本発明の空気式太陽集熱換気システムで、庇に設置の例を示す面模式図である。 本発明の空気式太陽集熱換気システムで、輻射熱がでるストーブとの組合せを示す説明図である。 本発明の空気式太陽熱利用加温換気システムで、サンルームとの組合せを示す説明図である。 建物の熱損失に関するグラフである。 換気システムについての住宅取得者の不満を示すグラフである。 従来例を示す斜視図である。 従来例を示す要部の平面図である。
1…壁 2…コレクタパネル
3…グルーブ 4…チャンネル
5…空気集合プレナム 6…ファンハウジング
7…ファン 8…電動ダンパ
9…エアダクト 10…板状体
11…受熱板 12…吸熱板
13…極薄通気層 14…空気吸込口
15…空気吹出口 16…接続代
17…壁面 18…集合送気層
19…太陽放射を透過する材料 20…空気層
21…スペーサ 22…シール材
23…対象空間 24…送風機
25…蓄放熱体 26…太陽電池
27…制御盤 28…ストーブ
29…サンルーム 32…床下空間吹き出し用ファン
40…送気用連続空間 41…送気ダクト
44…外気吸込口 45…屋根

Claims (2)

  1. 太陽放射を受ける側の板材料と反対側の板材料を間に、厚さが約15mm以下で、長さが数十cm〜数mで、断面積は内部流速≒5m/s以下とした極薄通気層を形成し、この通気層の左右の一端に空気吸込口を、他端に空気吹出口を、それぞれ太陽放射を受ける側と反対側に向けて形成した全体は幅のある横長形状の板状体を、空気式集熱部材として太陽放射を受ける受熱面全体に複数を上下方向に列設させて配置し、かつ、均等に空気を吸い込むように通気抵抗を調整し、
    前記空気吹出口はこの板状体列の太陽放射を受ける側と反対側に形成した上下方向の集合送気層に開口させ、
    さらに、この集合送気層と平行に各板状体の前記空気吸込口が連通する送気用連続空間を上下方向に形成し、
    送気用連続空間から空気を極薄通気層に吸い込み、極薄通気層を通過する間に受ける放射熱と対流あるいは伝導で熱交換し、集合送気層に空気を吹き出すことを特徴とする空気式太陽集熱換気システム。
  2. 太陽放射を受ける側に、太陽放射を透過する材料を密閉空気層とともに設ける請求項1記載の空気式太陽集熱換気システム。
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