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JP4439723B2 - 燃料ポンプ - Google Patents

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン等の動力で駆動される燃料ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からエンジン等の動力を利用して偏心カムを回転させ、その偏心カムの回転運動をピストンの往復運動に変換した燃料ポンプが特開平2000−282994号等に提供されている。ここで、従来既知の燃料ポンプを図6に示し、図6の要部断面図を図7に示す。燃料ポンプ10は、主なボディとして、エンジンのシリンダヘッドカバー12に固定されるボトムボディ14と、その上に取り付けられるトップボディ16と、その上に取り付けられるカバー18と、ボトムボディ14に対して往復移動可能なピストン20とを有する。図6において、上方から下方に向けてカバー18とトップボディ16とボトムボディ14の順に配置した状態で説明する。
【0003】
ピストン20の下方にはエンジンの動力によって回転するシャフト22と、そのシャフト22の先端に固定される偏心カム24とを備える。ピストン20とボトムボディ14との間にピストンスプリング26が備えられ、そのピストンスプリング26によってピストン20が常に偏心カム24に接触させられる。偏心カム24の回転によって、ピストン20がボトムボディ14に対して上下方向に往復移動する。
ピストン20には、ダイアフラム28を有するダイアフラムアッセンブリー30が連結されている。ダイアフラムアッセンブリー30は、ダイアフラム28と連結するロッド32を有し、そのロッド32の先端には軸方向に長穴34を形成した係合部材36が固定されている。ピストン20にはピン38が固定されており、そのピン38が係合部材36の長穴34に係合している。
【0004】
ボトムボディ14とトップボディ16との間にダイアフラム28を挟持し、トップボディ16とカバー18との間にガスケット等のシール部材40を挟持する。それらダイアフラム28とシール部材40を挟持した状態で、ボトムボディ14とトップボディ16とカバー18とを螺子42で固定する。ボトムボディ14とトップボディ16とで挟持されるダイアフラム28によって、ダイアフラム28位置よりトップボディ16側にポンプ室44が形成される。ボトムボディ14とダイアフラム28との間には、ダイアフラム28を常にポンプ室44側に付勢するためのダイアフラムスプリング46が備えられる。
【0005】
トップボディ16とシール部材40との間に、シール部材40の位置よりトップボディ16側に、互いに独立した吸入室48と吐出室50が形成される。トップボディ16には吸入室48とポンプ室44とを連絡する吸入連絡通路52が形成されており、その吸入連絡通路52は吸入弁54によって開閉される。トップボディ16には吐出室50とポンプ室44とを連絡する吐出連絡通路56が形成されており、その吐出連絡通路56は吐出弁58によって開閉される。
【0006】
この燃料ポンプ10は、シャフト22に固定された偏心カム24の回転によってピストン20が図6で上下方向に往復移動する。ピストン20並びにダイアフラム28が図6で下方へ移動することによって、吐出弁58が吐出連絡通路56を閉鎖すると共に吸入弁54が開かれて、吸入室48から吸入連絡通路52を経てポンプ室44に燃料が導入される。次に、ピストン20並びにダイアフラム28が図6で上方へ移動することによって、吸入弁54が吸入連絡通路52を閉鎖すると共に、吐出弁58が吐出連絡通路56を開いてポンプ室44から吐出室50へ燃料が移動する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ピストン20を偏心カム24に常に接触させるために、従来からピストンスプリング26の強さを強くして、ピストン20の偏心カム24への追随性を確保している。また、ピストンスプリング26は、ダイアフラム28を図6で下方側に移動させる吸入作用にも関係するため、そのダイアフラム28の下方への移動に抵抗するダイアフラムスプリング46に打ち勝つ強さが必要である。更に、ダイアフラム28の大きさが大きくなる程、ピストンスプリング26にはより強いばね力が必要となる。このように、ピストンスプリング26に必要とするばね力が強くなる程、ピストンスプリング26に高価な材料を用いなければならず、ピストンスプリング26のコストが高くなるという欠点があった。
【0008】
ピストンスプリング26の強さを弱くすると、ピストン20が偏心カム24に追随出来ない場合が発生し、その場合にはピストン20と偏心カム24との間に異音が発生する。これを防止するために、ピストンスプリング26の強さを強くすると、ピストン20に固定されたピン38とロッド32に固定された係合部材36との間の衝撃が大きくなり、その衝突の際の打音が大きくなり、衝突箇所におけるピン38やロッド32に固定されたダイアフラム28等の部材が破損するおそれがあった。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、ピストンスプリングに高価な材料を用いず、衝突の打音を小さくして、衝突箇所に関連する部材の破損のおそれを少なくした燃料ポンプを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の燃料ポンプは、ボトムボディとトップボディとの間とにダイアフラムを挟持し、偏心カムの回転によってピストンを往復移動させ、スプリングによって前記ピストンを前記偏心カムに常に接触するように付勢し、かつ前記スプリングによって前記ダイアフラムを前記偏心カム側に付勢する燃料ポンプにおいて、前記スプリングを、前記ピストンを前記偏心カムに接触するよう付勢するためのピストン追随用スプリングと、前記ダイアフラムを前記偏心カム側に付勢するためのダイアフラム引下げ用スプリングとから構成し、前記ダイアフラムと連結する第一係合部材と、前記ピストンに設けるものであって前記第一係合部材と係合する第二係合部材とを備え、前記第一係合部材と前記ダイアフラム引下げ用スプリングとの間に前記第一係合部材に対して移動自在なリング状のプレート部材を介在させるようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の燃料ポンプの一実施形態を示す断面図、図2は図1の要部断面図である。図1及び図2において、図6と同一符号は同一部材を示す。本発明の燃料ポンプ60では、従来用いていた1個のスプリングに代えて、ダイアフラム引下げ用スプリング62とピストン追随用スプリング64との2個のスプリングを用いるものである。本発明の燃料ポンプ60では、従来の燃料ポンプ10と同様に、ボトムボディ14や、トップボディ16や、ダイアフラム28や、ロッド32や、ポンプ室44や、吸入室48や、吐出室50を有するものである。図において、上方から下方に向けてトップボディ16とボトムボディ14とピストン70と偏心カム24の順に配置した状態で説明するが、上下の配置はこれに限るものではない。
【0012】
ロッド32の中心軸を同一中心軸として、ロッド32の外側にダイアフラム引下げ用スプリング62を備え、そのダイアフラム引下げ用スプリング62の外側にピストン追随用スプリング64を備える。ロッド32の先端には第一係合部材としてのピン66を固定し、そのロッド32の外側にピン66に接触するためのリング状のプレート部材68が備えられている。ダイアフラム引下げ用スプリング62は、一端をボトムボディ14に接触し他端をプレート部材68に接触させる。このダイアフラム引下げ用スプリング62によって、通常時にプレート部材68をピン66に接触させる。
【0013】
燃料ポンプ60に備えられるピストン70は、一端閉鎖の筒状となっており、その閉鎖端面72が偏心カム24に接触する。ピストン70において、閉鎖端面72の反対側の開口部は筒状の端面74となっており、その端面74にピストン追随用スプリング64の一端を接触させる。ピストン追随用スプリング64の他端はボトムボディ14に接触させることによって、ピストン70はピストン追随用スプリング64によって常に偏心カム24側に付勢される。
【0014】
ピストン70には、端面74より半径方向の内側でしかもその端面74より奥側に円周状の段部76が形成されている。その段部76にはリング状のプレート部材68が接触できるよう設定されている。即ち、リング状のプレート部材68は段部76に接触してその段部76の位置より閉鎖端面72側には移動できないように設定されている。ピストン70にはその上下移動方向と並行に第二係合部材としての溝78が形成され、その溝78内にロッド32に固定されたピン66が挿入されている。溝78は段部76の位置より閉鎖端面72側と端面74側とに伸びた状態に設けられている。
【0015】
以上のように構成された本発明の燃料ポンプ60は、ダイアフラム引下げ用スプリング62とピストン追随用スプリング64との2個のスプリングを有しており、一方のピストン追随用スプリング64はピストン70を下方側(偏心カム24側)に付勢し、他方のダイアフラム引下げ用スプリング62はプレート部材68とピン66とロッド32を介してダイアフラム28を下方側(偏心カム24側)に引下げる方向に付勢している。
【0016】
次に、本発明の燃料ポンプの動作について説明する。図1に示すように、ピストン70が偏心カム24側に最大に下降した状態では、ダイアフラム28が下降した状態となっている。この状態では、ダイアフラム引下げ用スプリング62はプレート部材68をピン66に接触させると共に、プレート部材68を段部76に接触させる。この状態では、ピン66は溝78の長さの中間よりやや下方に位置する。
【0017】
図1の状態から偏心カム24が回転すると、ピストン70が上昇し(図3)、ピストン追随用スプリング64とダイアフラム引下げ用スプリング62が圧縮される。この際、段部76に接触するプレート部材68がピストン70と共に上昇するが、ロッド32及びダイアフラム28が上昇しないで、プレート部材68とピン66とが離れる。ピストン70の上昇に伴って、ピン66は溝78の最下端に近づく。ピストン70の上昇に伴ってダイアフラムスプリング46は伸び方向に開放されるが、燃料の吐出抵抗がある為、ある程度の上昇時にはダイアフラム28は図1と同じく下降した位置を保つ。
【0018】
ピストン70が最上端付近まで上昇すると、圧縮されたダイアフラムスプリング46が伸び始め、そのダイアフラムスプリング46の反発力によってダイアフラム28が上昇させられる(図4)。ダイアフラム28とロッド32の上昇によって、ロッド32に固定されたピン66がプレート部材68に接触する。
【0019】
図4の状態から更に偏心カム24が回転すると、ピストン追随用スプリング64によってピストン70を下降させる。この下降の始めにおいては、ダイアフラムスプリング46と燃料の吸入抵抗によってダイアフラム28は上昇した状態(図5の状態)を保つ。即ち、ロッド32及びピン66も上昇した位置にあり、ピン66によってプレート部材68は段部76から離れた位置に保持される。
その後、ピストン70が最下端位置まで下降すると、ダイアフラム引下げ用スプリング62がプレート部材68とピン66を介してダイアフラムスプリング46と燃料の吸入抵抗に抗してダイアフラム28を下降させ、図1の状態になる。
【0020】
このように本発明では、ピストン70の下降時には、ピストン追随用スプリング64によってピストン70を下降させ、ダイアフラム引下げ用スプリング62によってダイアフラム28を引下げる。即ち、ピストン70の下降とダイアフラム28の引下げとを、別々のスプリングで行わせる。これによって、ピストン追随用スプリング64もダイアフラム引下げ用スプリング62も従来の1個のスプリングと比べて、ばね力を比較的弱いものにすることができる。
また、ダイアフラム引下げ用スプリング62を係合手段であるピン66に直接接触させないで、リング状のプレート部材68を介して間接的に接触させるので、ダイアフラム引下げ用スプリング62の力を均等にピン66に及ぼすことができる。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係わる燃料ポンプによれば、ピストンの下降とダイアフラムの引下げとを従来の1個のスプリングで行わせていたものを、ピストンの下降を行わせるスプリングと、ダイアフラムの引下げを行わせるスプリングとの2個のスプリングで行わせるようにしたものである。これによって、ピストンの下降時の負荷と、ダイアフラムの引下げ時の負荷とをそれぞれ別のスプリングに持たせることができるので、各スプリングに安価な材料のものを使用することができ、スプリングのコストを低減することができる。
また、ピストンの下降とダイアフラムの引下げとの関連を無くしたので、ピストンの偏心カムに対する追随性が良くなり、追随遅れによる異音の発生のおそれが無くなる。
更に、ダイアフラムの引下げはピストンの下降より遅れて行われるため、ゆっくりとした吸入行程となり、ダイアフラムやピン等の各部材の耐久性が向上する。その上、ゆっくりした燃料吸入のため、燃料の吐出量が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料ポンプの一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の要部断面図である。
【図3】図1の状態からピストンが上昇した状態を示す断面図である。
【図4】図3の状態からダイアフラムが上昇した状態を示す構成図である。
【図5】図4の状態からピストンが下降した状態を示す構成図である。
【図6】従来の燃料ポンプを示す断面図である。
【図7】図6の要部断面図である。
【符号の説明】
14 ボトムボディ
16 トップボディ
24 偏心カム
28 ダイアフラム
32 ロッド
46 ダイアフラムスプリング
60 燃料ポンプ
62 ダイアフラム引下げ用スプリング
64 ピストン追随用スプリング
66 ピン
68 プレート部材
70 ピストン
78 溝

Claims (1)

  1. ボトムボディとトップボディとの間とにダイアフラムを挟持し、偏心カムの回転によってピストンを往復移動させ、スプリングによって前記ピストンを前記偏心カムに常に接触するように付勢し、かつ前記スプリングによって前記ダイアフラムを前記偏心カム側に付勢する燃料ポンプにおいて、前記スプリングを、前記ピストンを前記偏心カムに接触するよう付勢するためのピストン追随用スプリングと、前記ダイアフラムを前記偏心カム側に付勢するためのダイアフラム引下げ用スプリングとから構成し、前記ダイアフラムと連結する第一係合部材と、前記ピストンに設けるものであって前記第一係合部材と係合する第二係合部材とを備え、前記第一係合部材と前記ダイアフラム引下げ用スプリングとの間に前記第一係合部材に対して移動自在なリング状のプレート部材を介在させることを特徴とする燃料ポンプ。
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