JP2005537425A - 特に内燃機関の燃料噴射装置のためのポンプ - Google Patents

Abstract

ポンプが、少なくとも１つのポンプエレメント（１４）を備えており、該ポンプエレメント（１４）が、ケーシング（１０）のシリンダ孔（２６）内で緊密に案内されるポンププランジャ（２４）を備えており、該ポンププランジャ（２４）が、シリンダ孔（２６）内でポンプ作業室（３０）を画設しており、該ポンププランジャ（２４）が、往復運動で駆動されるようになっている。ポンプ作業室（３０）が、該ポンプ作業室（３０）に向かって開く入口弁（３２）によって制御される、流入路（３４）との接続と、ポンプ作業室（３０）側から開く出口弁（３６）によって制御される、流出路（３８）との接続とを有している。入口弁（３２）が、弁座（４４）と協働する弁部材（４６）を備えており、該弁部材（４６）が、弁ばね（４８）によって、閉鎖方向で弁座（４４）に向かって負荷されている。流入路（３４）が、ケーシング部分（１０）内で、シリンダ孔（２６）に設けられたポンプ作業室（３０）に接続する、シリンダ孔（２６）よりも小さな直径を有する第１の袋孔（４２）の構成をした部分を備えており、シリンダ孔（２６）から第１の袋孔（４２）に向かう移行部に弁座（４４）が形成されており、第１の袋孔（４２）に、流入路（３４）の別の部分として第２の袋孔（５０）が通じている。

Description

本発明は、請求項１の上位概念に記載の形式の、特に内燃機関の燃料噴射装置のためのポンプから出発する。

背景技術
そのようなポンプは、ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９８４８０３５号明細書によって公知である。このポンプは、ケーシング部分のシリンダ孔内で緊密に案内されたポンププランジャを有する少なくとも１つのポンプエレメントを備えており、このポンププランジャはシリンダ孔において端面でポンプ作業室を画設する。この場合ポンププランジャは往復運動で駆動される。ポンプ作業室は、ポンプ作業室に向かって開く入口弁によって制御される、流入路との接続と、ポンプ作業室から離間する方向で開く出口弁によって制御される、流出路との接続とを有している。入口弁は弁座と協働する弁部材を備えており、この弁部材は弁ばねによって弁座に向かって負荷されている。流入路の、ポンプ作業室に通じる部分は、ケーシング部分の孔に挿入された個別的な構成部材によって形成されており、この構成部材に弁座が形成されている。ケーシング部分の孔は、閉鎖ねじで閉鎖されている。個々の部材が多数存在することに基づいて、公知のポンプの製作および組立は手間であり、また高価なものである。

発明の利点
これに対して請求項１の特徴部に記載の構成を有する本発明のポンプの利点によれば、個々の部材の数が低減されてるので、簡単で経済的に製作可能かつ組立可能である。

従属請求項には、本発明のポンプの有利な実施形態および改良形を記載した。

実施例の説明
次に本発明の実施例を図示し、詳しく説明する。

図１および図２には、たとえば車両の内燃機関の特に燃料噴射装置のために設けられたポンプを示した。ポンプによって２０００ｂａｒまでの高圧下の燃料がたとえば蓄圧器に搬送される。ポンプはケーシングを備えており、このケーシングはたとえばケーシング部分１０と、このケーシング部分と結合されたフランジ部分１１とを備えている。ケーシングには駆動軸１２が配置されており、この駆動軸１２によって、ケーシング内に配置された単数または複数のポンプエレメント１４が駆動される。有利には複数のポンプ１４が駆動軸１２の周に沿って分配されている。駆動軸１２は、ケーシング１０における支承箇所１６とフランジ部分１１における支承箇所１８とを介して軸線１３を中心に回動可能に支承されていて、かつ図示していない形式で内燃機関によって駆動される。駆動軸１２は偏心区分２０を備えており、この偏心区分２０にストロークリング２２が支承されている。ポンプエレメント１４はポンププランジャ２４を備えており、このポンププランジャ２４は、ケーシング部分１０の、駆動軸１２に対して少なくとも大体において半径方向で延びるシリンダ孔２６内で移動可能かつ緊密に案内されている。ポンププランジャ２４は、プランジャ脚部２５でストロークリング２２に支持されており、プランジャ脚部２５は、一方ではケーシング１０に、また他方ではプランジャ脚部２５に支持されたばね２８によって、接触状態でストロークリング２２に保持される。

シリンダ孔２６において、ポンププランジャ２４によってその端面でポンプ作業室３０が画設される。ポンプ作業室３０は、このポンプ作業室３０に向かって開放する入口弁３２によって、燃料流入路３４と接続可能であり、この燃料流入路３４には低圧が作用している。さらにポンプ作業室３０は、蓄圧器に向かって開放する出口弁３６によって、ケーシング部分１０内で延びる燃料流出路３８を介して蓄圧器と接続可能である。駆動軸１２が回転する際に、ポンププランジャ２４は偏心区分２０とストロークリング２２とを介してストローク運動で駆動される。ポンププランジャ２４が半径方向内向きに移動すると、ポンププランジャ２４は吸込行程を行い、この場合入口弁３２は開放されているので、燃料が燃料流入路３４を介してポンプ室３０に流入し、これに対して出口弁３６は閉鎖されている。ポンププランジャ２４が半径方向外向きに移動すると、ポンププランジャ２４は圧送行程を行い、この場合入口弁３２は閉鎖されており、ポンププランジャ２４によって圧縮された燃料が開放された出口弁３６を通って高圧下で燃料流出路３８を介して蓄圧器に到達する。

ケーシング部分１０において、シリンダ孔２６の、駆動軸１２とは半径方向反対側の端部領域に配置されたポンプ作業室３０に、燃料流入路３４の一部として第１の袋孔４２が続いている。第１の袋孔４２は、シリンダ孔２６と比べて小さな直径を有していて、かつ有利にはシリンダ孔２６に対して少なくともほぼ共軸的に延びている。第１の袋孔４２はケーシング部分１０内で終了している。シリンダ孔２６から第１の袋孔４２への移行部は、たとえば少なくとも大体において円錐形に形成されていて、かつ入口弁３２のための弁座４４を形成している。入口弁３２は弁部材４６を備えており、この弁部材４６は、たとえば球として形成されており、弁部材４６は、燃料流入路３４とポンプ作業室３０との接続を制御するために弁座４４と協働する。弁部材４６は、プレロード（予荷重）のかけられた弁ばね４８、たとえば圧縮コイルばねによって、弁座４４に向かって負荷される。弁ばね４８と弁部材４６との間に、ばね皿の構成をした支持エレメントを配置してもよい。弁ばね４８は、ケーシング部分１０に定置に支持するか、または図示したようにポンププランジャ２４の端面に支持することができる。

第１の袋孔４２に、燃料流入路３４の別の部分として、ケーシング部分１０に内設された第２の袋孔５０が通じており、この第２の袋孔５０もまたケーシング部分１０内で終了している。第２の袋孔５０は、第１の袋孔４２に対して傾斜付けして延びていて、有利には第１の袋孔４２に対して少なくとも大体において垂直に、かつ駆動軸１２の回転軸線１３に対して少なくとも大体において平行に延びている。第２の袋孔５０は、ケーシング部分１０の、フランジ部分１１に向いた側の端面５２から穿設されている。フランジ部分１１において、燃料流入路３４はフランジ部分１１の端面５４から出発して延びており、フランジ部分１１に流入管路のための接続部５６を設けることができ、この流入管路を介して、たとえば搬送ポンプによって燃料が燃料貯蔵容器から供給される。フランジ部分１１とケーシング部分１０との間の燃料通路３４の移行部にシールエレメント５８を嵌め入れることができる。互いに向かい合った、ケーシング部分１０の側面５２およびフランジ部分１１の側面５４は、たとえば駆動軸１２の回転軸線１３に対して少なくとも大体において垂直方向で延びていて、かつ扁平に形成することができる。ケーシング部分１０とフランジ部分１１とは、図示していない形式で、たとえば複数のねじで互いに結合されている。

ケーシング部分１０において燃料通路３４を形成する袋孔４２，５０は、簡単な形式でシリンダ孔２６もしくは側面５２からケーシング部分１０に穿設することができる。ケーシング部分１０は、燃料通路３４のために外面で開口を有していない。入口弁３２のために、追加的な構成部材として、弁部材４６、弁ばね４８、ならびに場合によってはこれらの弁部材と弁ばねとの間に配置された支持エレメントしか必要としない。複数のポンプエレメント１４のために共通の１つのケーシング部分１０を設けることができ、このケーシング部分１０に適当な数のシリンダ孔２６ならびに袋孔４２，５０が穿設されている。選択的に各ポンプエレメント１４のために個別的なケーシング部分１０を設けることができ、ケーシング部分１０にそれぞれ１つのシリンダ孔２６ならびに１つの袋孔４２，５０が穿設されている。ポンプエレメント１４のこれらのケーシング部分１０は適当な形式で互いに結合されている。

燃料流出路３８の一部として、シリンダ孔２６におけるポンプ作業室３０に孔６０が通じており、この孔６０は、シリンダ孔２６の長手軸線に対して少なくとも大体において垂直に延びている。孔６０には直径の異なる複数の段部が形成されており、この場合ポンプ作業室３０に通じる端部区分は小さな直径を有している。端部区分に、ポンプ作業室３０から離間する方向で、孔６０の中央区分が続いており、この場合端部区分と中央区分との間の移行部は、たとえばほぼ円錐形に形成することができ、かつ出口弁３６のための弁座６２を形成している。弁座６２と、出口弁３６の、たとえば球の構成をした弁部材６４とが、ポンプ作業室３０と燃料流出路３８との接続を制御するために協働する。孔６０の、中央区分に対して直径で拡張され、かつ雌ねじ山を備えた外側区分に、閉鎖ねじ６６がねじ込まれている。閉鎖ねじ６６と弁部材６４との間で、プレロードのかけられた、たとえば圧縮コイルばねの構成をした弁ばね６８が嵌め込まれており、この弁ばね６８によって弁部材６４は弁座６２に向かって負荷されている。

ポンプの縦断面図である。

図１において符号ＩＩで示したポンプの一部を示す拡大図である。

符号の説明

１０ ケーシング部分、 １１ フランジ部分、 １２ 駆動軸、 １３ 軸線、 １４ ポンプエレメント、 １６ 支承箇所、 １８ 支承箇所、 ２０ 偏心区分、 ２２ ストロークリング、 ２４ ポンププランジャ、 ２５ プランジャ脚部、 ２６ シリンダ孔、 ２８ ばね、 ３０ ポンプ作業室、 ３２ 入口弁、 ３４ 燃料流入路、 ３６ 出口弁、 ３８ 燃料流出路、 ４２ 袋孔、 ４４ 弁座、 ４６ 弁部材、 ４８ 弁ばね、 ５０ 袋孔、 ５２ 端面、 ５４ 端面、 ５６ 接続部、 ５８ シールエレメント、 ６０ 孔、 ６２ 弁座、 ６４ 弁部材、 ６６ 閉鎖ねじ、 ６８ 弁ばね

Claims (7)

1. 特に内燃機関の燃料噴射装置のためのポンプであって、少なくとも１つのポンプエレメント（１４）が設けられており、該ポンプエレメント（１４）が、ケーシング（１０）のシリンダ孔（２６）内で緊密に案内されるポンププランジャ（２４）を備えており、該ポンププランジャ（２４）が、シリンダ孔（２６）内でポンプ作業室（３０）を画設しており、該ポンププランジャ（２４）が、ストローク運動で駆動されるようになっており、ポンプ作業室（３０）が、該ポンプ作業室（３０）に向かって開く入口弁（３２）によって制御される、流入路（３４）との接続と、かつポンプ作業室（３０）側から開く出口弁（３６）によって制御される、流出路（３８）との接続とを有しており、入口弁（３２）が、弁座（４４）と協働する弁部材（４６）を備えており、該弁部材（４６）が、弁ばね（４８）によって、閉鎖方向で弁座（４４）に向かって負荷されている形式のものにおいて、
   流入路（３４）が、ケーシング部分（１０）において、シリンダ孔（２６）に設けられたポンプ作業室（３０）に接続する、シリンダ孔（２６）よりも小さな直径を有する第１の袋孔（４２）の構成をした部分を備えており、シリンダ孔（２６）から第１の袋孔（４２）に向かう移行部に弁座（４４）が形成されており、第１の袋孔（４２）に、流入路（３４）の別の部分として第２の袋孔（５０）が通じていることを特徴とする、ポンプ。
2. 第１の袋孔（４２）が、シリンダ孔（２６）に対して少なくとも大体において共軸的に延びている、請求項１記載のポンプ。
3. 第２の袋孔（５０）が、ケーシング部分（１０）内で第１の袋孔（４２）に対して傾斜付けして延びている、請求項１または２記載のポンプ。
4. 第２の袋孔（５０）が、第１の袋孔（４２）に対して少なくとも大体において垂直に延びている、請求項３記載のポンプ。
5. 第２の袋孔（５０）が、ケーシング部分（１０）の端面（５２）から延びており、該側面（５２）に、別のケーシング部分（１１）が接続している、請求項１から４までのいずれか１項記載のポンプ。
6. ケーシング部分（１０）内で、少なくとも１つのポンプエレメント（１４）を駆動するための駆動軸（１２）が、回動可能に支承されており、シリンダ孔（２６）および第１の袋孔（４２）が、駆動軸（１２）の回転軸線（１３）に対して少なくとも大体において半径方向で延びており、第２の袋孔（５０）が、駆動軸（１２）の回転軸線（１３）に対して少なくとも大体において平行に延びている、請求項１から５までのいずれか１項記載のポンプ。
7. それぞれ１つのポンプエレメント（１４）のために、個別的なケーシング部分（１０）が設けられており、該ケーシング部分（１０）に、ポンプエレメント（１４）のためのシリンダ孔（２６）、第１の袋孔（４２）、弁座（４４）および第２の袋孔（５０）が設けられている、請求項１から６までのいずれか１項記載のポンプ。

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