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JP4427852B2 - 滑り支承装置 - Google Patents

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JP4427852B2
JP4427852B2 JP35629999A JP35629999A JP4427852B2 JP 4427852 B2 JP4427852 B2 JP 4427852B2 JP 35629999 A JP35629999 A JP 35629999A JP 35629999 A JP35629999 A JP 35629999A JP 4427852 B2 JP4427852 B2 JP 4427852B2
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smooth plate
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重信 鈴木
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Bridgestone Corp
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Publication date
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は滑り支承装置に係り、特にカバーを有した滑り支承装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物や機械設備等を免震構造とするために、平滑板上に滑り支承部材を摺動自在に配設した滑り支承装置が普及しつつある。この滑り支承部材としては、金属板などの硬質板とゴム等の軟質板との積層体の下面にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の低摩擦材層を設けたものが多く用いられている。平滑板としては、通常の場合ステンレス板が用いられている。
【0003】
このような滑り支承装置においては、地震等の振動時にはPTFE材を装着した積層体が、相手材であるステンレス板上を滑り、地震等の振動力が吸収される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
滑り支承装置の振動吸収(減衰)は滑り支承部材と平滑板との間の摩擦によって生じるのであるが、この摩擦力は、摩擦係数と荷重との積であるから、滑り支承部材に加えられる荷重によって変化する。
【0005】
このため、従来の滑り支承装置にあっては減衰が荷重の影響を受けて安定した減衰性能を発揮できないことがあった。
【0006】
本発明は、荷重の大小に全く又は殆ど影響されることなく安定した減衰性能を得ることができる滑り支承装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)の滑り支承装置は、平滑板と、該平滑板上に摺動自在に配置された滑り支承部材とを有する滑り支承装置において、該滑り支承部材として、平滑板との摩擦係数が小である第1の滑り支承部材と、平滑板との摩擦係数が大である第2の滑り支承部材とが配置され、被支承部材の荷重は、第1の滑り支承部材に対しては直接的に加えられ、第2の滑り支承部材に対してはバネ又はゴムよりなる弾性体を介して加えられる滑り支承装置であって、該第1の滑り支承部材は、該第2の滑り支承部材を跨ぐように配置されており、この跨いだ部分と該第2の滑り支承部材との間に該弾性体が介在されており、無負荷時には、該第1の支承部材は該平滑板から距離dだけ離隔し、該第2の支承部材は該平滑板に接しており、該支承装置に上方から荷重が加えられると、該第1の支承部材も該平滑板に接し、該第2の支承部材には該弾性体の弾性係数kに変位dを乗じた荷重が加えられることを特徴とするものである。
【0008】
かかる滑り支承装置にあっては、被支承部材の荷重は、直接的に第1の滑り支承部材に加えられ、弾性体を介して第2の滑り支承部材に加えられる。載荷時においては、第1の滑り支承部材が平滑板に当接している限り、被支承部材と平滑板との間隔は一定であるから、弾性体の変位量は常に一定であり、弾性体を介して第2の支承部材に加えられる荷重も一定である。従って、減衰は殆ど第2の支承部材と平滑板との間の摩擦によって定まるようになり、減衰特性が荷重の大小にかかわらず概ね一定のものとなる。
【0010】
本発明(請求項4)の滑り支承装置は、平滑板と、該平滑板上に摺動自在に配置された滑り支承部材とを有する滑り支承装置において、該滑り支承部材として、平滑板との摩擦係数が小である第1の滑り支承部材と、平滑板との摩擦係数が大である第2の滑り支承部材とが配置され、該第1の滑り支承部材及び第2の滑り支承部材の上方に受承板が配置され、該第1の滑り支承部材と該受承板との間に第1のバネが介在し、該第2の滑り支承部材と該受承板との間に、該第1のバネよりも弾性係数が小である第2のバネが介在しており、該第1の滑り支承部材から第1のロッドが上方に突設され、該第1のロッドは該第1のバネを挿通して該受承板に設けられた第1の孔に挿入されており、該第2の滑り支承部材から第2のロッドが上方に突設され、該第2のロッドは該第2のバネを挿通して該受承板に設けられた第2の孔に挿入されていることを特徴とするものである。
【0011】
かかる滑り支承装置において、載荷時にあっては第1の滑り支承部材に対しては弾性係数の大きな第1のバネを介して荷重が加えられ、第2の滑り支承部材に対しては弾性係数の小さな第2のバネを示して荷重が加えられる。この第1のバネの弾性係数を第2のバネの弾性係数よりも極端に(例えば請求項5のように10倍以上に)大きくしておくと、荷重の大小にかかわらず平滑板と被支承部材との間隔はあまり変化せず、第2のバネを介して第2の滑り支承部材に加えられる荷重もあまり変化しないものとなる。この結果、第2の滑り支承部材によって発生する摩擦力も荷重の大小にかかわらずさほど変化せず、概ね一定のものとなる。
【0012】
この場合も、滑り支承装置の減衰は主として第2の滑り支承部材の摩擦力によってもたらされるものであるところから、荷重の大小にかかわらず滑り支承装置の減衰特性は概ね一定となる。
【0013】
なお、この請求項4の滑り支承装置において、第1の弾性体の弾性係数を実質的に無限大とした場合、請求項1の滑り支承装置に相当したものとなる。
【0014】
本発明では、第1の滑り支承部材の摩擦係数は第1の滑り支承部材の摩擦係数の2倍以上であることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は本発明の実施の形態に係る滑り支承装置を示す断面図であり、(a)図は無負荷時、(b)図は載荷時を示す。
【0018】
この実施の形態にあっては、コンクリート製等の基礎底盤上に例えばステンレス製の平滑板3が固定設置されている。この平滑板3上に第1及び第2の滑り支承部材1,2が摺動自在に配置されている。第1の滑り支承部材1の底面には摩擦係数が小さい第1の摩擦板1aが設けられ、第2の滑り支承部材2の底面には摩擦係数が大きい第2の摩擦板2aが設けられている。
【0019】
第1の滑り支承部材1は第2の滑り支承部材2を跨ぐように配置され、この跨いだ部分と第2の滑り支承部材2との間に弾性体(この実施の形態ではコイルバネ)4が介在されている。
【0020】
なお、第1の滑り支承部材は第2の滑り支承部材を跨ぐコ字形であってもよいが、底面の中央に凹穴(この凹穴内に第2の支承部材が収容される。)を有した形状のものなどであってもよい。摩擦板の面積にもよるが、第2の摩擦板2aの摩擦係数は第1の摩擦板1aの摩擦係数の例えば2〜10倍程度とされる。
【0021】
このように構成された滑り支承装置にあっては、図1(a)の通り、無負荷時には第1の支承部材1は平滑板3から距離dだけ離隔している。第2の支承部材2は平滑板3に接している。荷重Pが加えられると、図1(b)の通り第1の支承部材1も平滑板3に接し、第2の支承部材2には弾性体4の弾性係数kに変位dを乗じた荷重Pc(図示略)が加えられる。
【0022】
第1の支承部材1が平滑板3に接している限りは、dが一定であるから、載荷荷重Pの大小に関わらず、第2の支承部材2に加えられる荷重Pcは一定である。
【0023】
従って、この第2の支承部材2はその摩擦係数と荷重Pcとの積よりなる一定の摩擦力(減衰)F2を発生する。
【0024】
第1の支承部材1は、その摩擦係数と荷重Pとの積よりなる摩擦力F1を発生する。この摩擦力F1は荷重Pの大小に比例することになるが、第1の支承部材1の摩擦係数を第2の支承部材2の摩擦係数よりも著しく小さくしておくことにより、合計の摩擦力F=F1+F2は常にほぼF2に等しい一定のものとなる。
【0025】
従って、この図1の滑り支承装置は常にほぼ一定の減衰特性を示すことになる。
【0026】
図2は別の実施の形態に係る滑り支承装置の断面図である。
【0027】
この実施の形態では、共通の受承板10と平滑板3との間に第1の滑り支承部材6及び第2の滑り支承部材7が配置され、支承部材6と受承板10との間に弾性体8が介在され、支承部材7と受承板10との間に弾性体9が介在されている。弾性体8,9は、この実施の形態ではコイルバネよりなる。
【0028】
第2の支承部材の底面の摩擦板7aの摩擦係数は第1の支承部材の底面の摩擦板6aの摩擦係数の例えば2〜10倍程度とされている。弾性体8の弾性係数k1は弾性体1の弾性係数k2の10〜100倍程度とされている。
【0029】
なお、弾性体8,9の座屈を防ぐために、支承部材6,7から上方に突設されたロッド12が受承板10の孔11に挿入されている。
【0030】
このように構成された滑り支承装置に荷重Pが加えられた場合、受承板10は若干下降するが、弾性体8の弾性係数k1が大きいのでこの変位量はきわめて小さく、弾性体9を介して滑り支承部材7に加えられる荷重は殆ど変化しない。そして、この滑り支承装置が発生する摩擦力(減衰)はその大半が支承部材7の摩擦板7aと平滑板3との摩擦によって生じるものであるから、支承部材7に加えられる荷重が略Pの大小に関らず略一定である。結果、この減衰もPの大小に関らず略一定となる。
【0031】
なお、上記実施の形態は本発明の一例であり、支承部材の数や形状は図示のものに限定されないことは明らかである。
【0032】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、荷重の大小に全く又は殆ど影響されることなく安定した減衰性能を得ることができる滑り支承装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る滑り支承装置の断面図である。
【図2】別の実施の形態に係る滑り支承装置の断面図である。
【符号の説明】
1,6 第1の滑り支承部材
2,7 第2の滑り支承部材
3 平滑板
4,8,9 弾性体
1a,2a,6a,7a 摩擦板

Claims (6)

  1. 平滑板と、該平滑板上に摺動自在に配置された滑り支承部材とを有する滑り支承装置において、
    該滑り支承部材として、平滑板との摩擦係数が小である第1の滑り支承部材と、平滑板との摩擦係数が大である第2の滑り支承部材とが配置され、
    被支承部材の荷重は、第1の滑り支承部材に対しては直接的に加えられ、第2の滑り支承部材に対してはバネ又はゴムよりなる弾性体を介して加えられる滑り支承装置であって、
    該第1の滑り支承部材は、該第2の滑り支承部材を跨ぐように配置されており、この跨いだ部分と該第2の滑り支承部材との間に該弾性体が介在されており、
    無負荷時には、該第1の支承部材は該平滑板から距離dだけ離隔し、該第2の支承部材は該平滑板に接しており、
    該支承装置に上方から荷重が加えられると、該第1の支承部材も該平滑板に接し、該第2の支承部材には該弾性体の弾性係数kに変位dを乗じた荷重が加えられることを特徴とする滑り支承装置。
  2. 請求項1において、前記第1の滑り支承部材は、前記第2の滑り支承部材を跨いで該第2の滑り支承部材の両側に配置されるコ字形であることを特徴とする滑り支承装置。
  3. 請求項1において、前記第1の滑り支承部材は、前記第2の支承部材が収容される凹穴を底面に有した形状であることを特徴とする滑り支承装置。
  4. 平滑板と、該平滑板上に摺動自在に配置された滑り支承部材とを有する滑り支承装置において、
    該滑り支承部材として、平滑板との摩擦係数が小である第1の滑り支承部材と、平滑板との摩擦係数が大である第2の滑り支承部材とが配置され、
    該第1の滑り支承部材及び第2の滑り支承部材の上方に受承板が配置され、
    該第1の滑り支承部材と該受承板との間に第1のバネが介在し、該第2の滑り支承部材と該受承板との間に、該第1のバネよりも弾性係数が小である第2のバネが介在しており、
    該第1の滑り支承部材から第1のロッドが上方に突設され、該第1のロッドは該第1のバネを挿通して該受承板に設けられた第1の孔に挿入されており、
    該第2の滑り支承部材から第2のロッドが上方に突設され、該第2のロッドは該第2のバネを挿通して該受承板に設けられた第2の孔に挿入されていることを特徴とする滑り支承装置。
  5. 請求項4において、第1の弾性体の弾性係数は第2の弾性体の弾性係数の10倍以上であることを特徴とする滑り支承装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、第2の滑り支承部材の摩擦係数は第1の滑り支承部材の摩擦係数の2倍以上であることを特徴とする滑り支承装置。
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