JP4426155B2 - 加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リフロー炉、硬化炉などとして用いられる加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のリフロー炉などの加熱装置では、装置立上げ時に炉内に設けられた複数のヒータに一斉に最大電力を供給するか、特許第2885047号公報に示されるように、装置立上げ時間を事前に実験によって測定しておき、ヒータの温度上昇とともに各ヒータの消費電流が減少し、一定値以下となるような時間を制御部に記憶させておき、その時間間隔をもって各ヒータを時間的に順に立上げるようにするヒータ立上げ方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記加熱装置のうち、複数のヒータに一斉に最大電力を供給する加熱装置を生産設備として用いた場合は、装置立上げ時の消費電流が工場電力設備の制限を上回り、電力障害を起こすおそれがある。
【0004】
また、各ヒータを予め実験で求めた時間毎に順に立上げるようにする場合においては、各ヒータの立上げ時間を事前に実験によって求めておく手間がかかるとともに、ヒータの設定温度によってその立上げ時間が変化するため、予め制御部に記憶された時間間隔はある程度の余裕を見込まねばならず、複数の温度条件に対しては立上げ時間を短くすることができない。
【0005】
また、ヒータの消費電流の合計を監視していないため、条件設定次第では、始めに立上げられるヒータの立上げが完了せず、その消費電流が未だ大きい状態で次のヒータに電力供給をはじめるおそれがあり、これによって電力障害を発生させる危険性がある。
【0006】
さらに、加熱装置の合計消費電流を抑えるため、個々のヒータ容量を減少させると、装置立上げ時の総電流は減少するものの、温度制御速度が低下し、装置立上げ後の温度調節運転時すなわち生産運転時に炉内に搬入された基板を加熱する場合の炉内温度の低下を回復するのに長い時間を要するようになり、生産性が悪化したり、温度制御性が低下してしまうなどの問題がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、装置立上げ時の過度の消費電流による電力障害を防止し、複数のヒータを一定時間毎に順に立上げる場合の適正な立上げ時間の設定困難性を解決し、装置立上げ後の温度調節運転時の炉内温度の低下回復性能を確保する加熱装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、炉体と、炉体内でワークを搬送するコンベアに沿ってコンベアより下方に位置してワークを加熱する複数のヒータおよびコンベアより上方に位置してワークを加熱する複数のヒータと、コンベアより下方および上方に位置する複数のヒータへの供給電力を制御するコントローラとを具備し、コントローラは、装置立上げ時に複数のヒータのうちコンベアより下方に位置するヒータに対し必要とする電力を供給するとともに、コンベアより上方に位置するヒータの少なくとも一つへ供給される電力を制限して複数のヒータへの供給電力の合計が予め決められた上限値を超えないように制御し、温度の上昇にともなって温度を切換パラメータとして、コンベアより下方に位置するヒータへの供給電力を減少させるように制御するとともにコンベアより上方に位置するヒータにその減少分の電力を供給するようにした加熱装置であり、コントローラが炉体内の各ヒータの合計消費電力を一定値以下に制御しながらも、コンベアより下方に位置するヒータでの消費電力減少分をコンベアより上方に位置するヒータに有効利用することで、装置立上げ時の最大消費電流を上限値以下に抑えながらも、短時間で装置を立上げることができ、これにより、過度の消費電流による電力障害を防止でき、電源設備を大容量に変更しなくても良いので、設備費を減ずることができる。特に、温度上昇にともなってコンベアより下方に位置するヒータへの供給電力を減少させるように制御するとともに、その減少分の電力をコンベアより上方に位置するヒータに供給することで、結果として、電力の合計が一定の上限値を超えないように個々のヒータが順に立ち上がって行くので、複数のヒータを予め設定された一定時間毎に順に立上げる場合のような適正な立上げ時間を設定する困難性を解決できる。すなわち、装置立上げ時間を予め装置に記憶させておく必要がないため、その決定のための実験も不要で、さらに設定温度の変更や装置状態の変化に対しても最適な立上げ制御をできる。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の加熱装置におけるコントローラが、装置立上げ後の温度調節運転時において、複数のヒータへの供給電力の合計が予め決められた上限値を超えないように各ヒータへの供給電力を個別に制御するものであり、装置立上げ後も各ヒータへの供給電力の合計を上限値を超えないように個別に制御することで、装置立上げ後においても電力障害を防止できるとともに、必要なヒータに電力を供給して、炉体内温度の低下を素早く回復できる。
【0010】
請求項3に記載された発明は、請求項2記載の加熱装置におけるコントローラが、ヒータをパルス制御するものであり、装置立上げ後の温度調節運転時において、同時に通電するヒータの数を、上限電流を最大消費電流で除した数にヒータ総数を乗じて求められた数の少数部分を切り捨てた数に制限する演算機能を有するものであり、このようなコントローラの演算機能により、パルス制御時の同時通電のヒータ数を制限することで、温度低下の大きなヒータには十分な電流を供給することが可能となり、大きな温度低下に対しても素早い温度回復が可能となる。すなわち、装置立上げ後の装置通常運転状態において、基板通過などにより特に激しく温度低下を起こした部分のヒータに対しては、ヒータ出力いっぱいの電流を供給できるので、大きな負荷変動に対してもその回復が早く、小出力のヒータを使って加熱装置を構成することで最大消費電流を減じたり、全ヒータに対して同じ割合の電流制限を行って最大消費電流を減じたりした場合のように、ヒータの温度制御性が悪化することを防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図1および図2を参照しながら説明する。
【0012】
図1(a)は、加熱装置としてのリフロー炉、すなわち、リフローはんだ付け用の加熱炉の一例を示し、炉体11内に、ソルダペーストを介し電子部品を搭載したプリント配線基板(以下、この電子部品搭載基板を「ワークW」という)を搬送するコンベア12が配設されている。
【0013】
このコンベア12に沿って、炉体11内のコンベア12より下方に位置するプリヒータ13およびリフローヒータ14(以下、これらのヒータを「下方のヒータ13,14」という)と、上方に位置するプリヒータ15およびリフローヒータ16(以下、これらのヒータを「上方のヒータ15,16」という)とが、それぞれ配列されている。
【0014】
プリヒータ13,15は、ワークWを徐々に昇温させるように予加熱し、リフローヒータ14,16は、ワークWに塗布されたソルダペーストをリフロー(溶融)できる温度まで加熱する。
【0015】
下方のヒータ13,14および上方のヒータ15,16には、ファン17,18がそれぞれ対向して設置され、これらの下方のヒータ13,14およびファン17により、また、上方のヒータ15,16およびファン18により、それぞれ熱風発生手段が構成されている。
【0016】
これらの熱風発生手段により発生した熱風は、リフローはんだ付け運転を開始するに当って、炉体11内の雰囲気温度を立上げ、リフローはんだ付け運転中は、炉体11内の雰囲気温度を所定のプリヒート温度またはリフロー温度に保つ働きがある。
【0017】
下方のヒータ13,14および上方のヒータ15,16は、これらのヒータ13〜16の合計消費電力を一定値以下にするように各ヒータ13〜16への供給電力を制御するコントローラ19に接続されている。
【0018】
コントローラ19が各ヒータ13〜16を制御する制御方式としては、パルス幅変調方式(以下、この方式を「PWM方式」という)、スイッチング周波数変調方式(PFM方式)、瞬時値制御方式または位相制御方式などを採用する。
【0019】
図2に示されるように、コントローラ19は、電源21から複数のヒータ13〜16に供給される電力を上記のような制御方式で制御することにより各ヒータ13〜16の温度あるいは各ヒータ周辺の雰囲気温度を個別に制御するヒータ制御部22を有する。
【0020】
さらに、コントローラ19は、このヒータ制御部22に対して、各ヒータ13〜16の温度あるいはヒータ周辺の雰囲気温度をそれぞれ設定する温度設定部23と、各ヒータ13〜16へ供給される電力あるいは電流を直接あるいは間接的に検出する検出部としての電流検出部24と、この電流検出部24で検出された各ヒータ13〜16へ供給される電流の合計が予め定められた一定値以上とならないように演算して、温度調節のためにヒータ13〜16へ供給される電流の合計を一定値内に制限して再配分するような指令をヒータ制御部22に対して出力する合計電流監視部25とが、それぞれ接続されている。
【0021】
電流検出部24は、各ヒータ13〜16へ供給される電流値を直接検出しても良いが、ヒータ制御部22がPWM方式を採る場合は、ヒータ制御部22のヒータオンデューティ比(=オン時間/スイッチング周期)や、その他の制御値から各ヒータ13〜16へ供給される電流を算出することもできる。
【0022】
また、ヒータ制御部22には、合計電流監視部25によって最大消費電流の条件を満たせなくなるような異常を感知したときに警報を発する警報部26が接続されている。
【0023】
さらに、炉体11内の各プリヒータ13〜16の表面または各プリヒータ13〜16により加熱される雰囲気中には、ヒータ温度または炉体内雰囲気温度を測定するための熱電対などの温度センサ27,28,29,30がそれぞれ配設されており、これらの温度センサ27〜30はヒータ制御部22に接続され、各温度センサ27〜30にて検出された温度情報は、ヒータ制御部22に取込まれる。
【0024】
図1(b)に実線で示されるように、コントローラ19は、装置立上げ時に複数のヒータ13〜16のうち、先ず下方のヒータ13,14へ電力を供給し、このときに、上方のヒータ15,16へ供給される電力を制限して、合計消費電力が予め決められた上限値すなわちシーケンシャル立上げ最大電力(i2)を超えないように制御し、また、温度の上昇にともなって電力の制限されていない下方のヒータ13,14への供給電力を減少させるように制御するので、電力の制限されている上方のヒータ15,16にその減少分の電力を供給する制御機能を有している。
【0025】
図1(b)において、点線は、下方のヒータ13,14および上方のヒータ15,16を同時に通電する従来のシンクロ立上げ方式での消費電力および炉体内雰囲気温度の経時変化を示し、炉体内雰囲気温度が設定温度まで上昇するシンクロ立上げ完了時間(Т1)は短いが、シンクロ立上げ最大電力(i1)が高いため、工場電力設備の制限を上回る電力障害を発生するおそれがある。
【0026】
一方、図1(b)において、実線は、最初に下方のヒータ13,14を通電して、これらのヒータ13,14の加熱による温度上昇にともなって消費電力が減少するように制御されるので、シンクロ立上げ完了時間(Т1)から上方のヒータ15,16にほぼ減少分の電力を供給する本発明に係るシーケンシャル立上げ方式での消費電力および炉体内雰囲気温度の経時変化を示す。
【0027】
このシーケンシャル立上げ方式では、炉体内雰囲気温度が設定温度まで上昇するシーケンシャル立上げ完了時間(Т2)は、シンクロ立上げ完了時間(Т1)より長いが、全ヒータ13〜16を小電力で立上げる場合より短時間で立上げることができるとともに、シーケンシャル立上げ最大電力(i2)が低いため、工場電力設備の制限内に収まり、電力障害を確実に防止できる。
【0028】
次に、図示された実施の形態の作用効果を説明する。
【0029】
加熱装置の装置立上げ時には、加熱装置に設けられた全てのヒータ13〜16のうち、予め決められた順番で、与えられた合計消費電力(以下、電圧は一定として、電力を「電流」という場合もある)の上限値を超えない範囲で、すなわち上限電流を超えない範囲で、1個あるいは全部でない複数個、例えばコンベア12より下方に位置するヒータ13,14に対し必要とする電力を供給する。
【0030】
このとき、電流の合計は、合計電流監視部25によって常に監視されており、異常が発生した場合には、下方のヒータ13,14への電力供給を停止し、工場電力設備の制限を上回る電力障害を防止する。
【0031】
下方のヒータ13,14の温度が上昇し、設定された目標温度に近付くにともない、ヒータ制御部22は、はじめに立上げを開始した1個あるいは複数個の下方のヒータ13,14へ供給する電流を減少させるように制御する。
【0032】
そして、設定温度への到達を切換パラメータとして、下方に位置するヒータ13,14への通電に加えて、別の1個あるいは複数個、例えばコンベア12より上方に位置するヒータ15,16にも、全体の合計消費電流がその上限値を超えない範囲で、減少分の電流を供給し始める。
【0033】
また、合計消費電流の上限値にある程度余裕を持たせておき、はじめに立上げを開始した下方のヒータ13,14が設定温度に達したことを検知して、次の上方のヒータ15,16を立上げ始めるように制御しても良い。
【0034】
このとき、下方のヒータ13,14の設定温度への到達は、電流検出部24および合計電流監視部25にてヒータ電流を直接監視して、その電流値が減少したことを検出して判断すると良い。
【0035】
さらに、温度センサ27,28から温度情報を取得したヒータ制御部22において設定温度への到達を直接検出して、下方のヒータ13,14の設定温度への到達を判断しても良い。
【0036】
または、ヒータ制御部22がPWM方式を採る場合のオンデューティ比を監視し、その減少を検出して、下方のヒータ13,14の設定温度への到達を判断しても良い。
【0037】
このように、温度を切換パラメータとして、複数のヒータを順次立上げる制御を繰り返すことにより、消費電流を一定値以下に保ったまま、加熱装置を立上げることができる。
【0038】
次に、全ヒータ13〜16の立上げを終え、各ヒータ13〜16の温度あるいはその周辺の雰囲気温度が、温度設定部23からヒータ制御部22に設定された設定値に到達した後の、すなわち装置立上げ後の温度調節運転時においても、電流検出部24および合計電流監視部25は電流を監視し、外部からの基板投入などによって炉内温度が低下し、その温度低下部分のヒータに大きな電流を流す場合も、全ヒータ13〜16に供給される合計消費電流が予め決められた上限値すなわち上限電流を超えないように、各ヒータ13〜16への電流を個別に調整する。
【0039】
このとき、合計電流監視部25とヒータ制御部22が別々の動作をすると、ヒータ13〜16の温度調節が正常に動作しなくなってしまうため、これらの合計電流監視部25およびヒータ制御部22は、ヒータ13〜16の制御について協調した動作をする。
【0040】
すなわち、装置立上げ後は、各ヒータ13〜16への電力配分を変えることなく、生産運転中の炉内温度安定に必要十分な電力のみをヒータ13〜16に供給する。
【0041】
また、ヒータ13〜16に通電される電流をパルス制御する電流PWM方式を用いて温度調節する場合は、各ヒータ13〜16のオンデューティ比の上限を制限しても、ある瞬間に全ヒータ13〜16がオンすることがあり得るため、瞬間的にはヒータ駆動電流の合計が上限電流を上回るおそれがある。
【0042】
このため、本発明に用いるヒータ制御部22では、装置立上げ後の温度調節運転時において、同時に通電するヒータの数を、上限電流を各ヒータ13〜16が能力的に最大に消費し得る合計の最大消費電流で除した数にヒータ総数を乗じて求められた数の小数部分を切り捨てた数に制限する演算機能を有する。
【0043】
このようにすれば、温度低下の大きなヒータには十分な電流を供給することが可能となり、大きな温度低下に対しても素早い温度回復が可能となる。
【0044】
生産運転中の炉内温度維持のために、もしも最大消費電流の条件を満たせなくなるような状況が生じた場合は、ヒータ制御部22は、警報部26を通じて、ヒータ過負荷あるいは過電流の要求というような警報を発し、作業者に異常を知らせる。
【0045】
次に、図3は、実際に測定したデータであり、点線が、全ヒータ13〜16を同時に通電する従来のシンクロ立上げ方式での消費電流および消費電力の経時変化を示し、また、実線が、最初に下方のヒータ13,14を通電して、温度センサ27,28により検出された検出温度が設定温度に達した時点で、上方のヒータ15,16にも通電を開始する本発明に係るシーケンシャル立上げ方式での消費電流および消費電力の経時変化を示し、このシーケンシャル立上げ方式では、下方のヒータ13,14での消費電流および消費電力が所定値まで減少した時点で、上方のヒータ15,16にほぼ減少分の電流および電力を供給する制御状態が示されている。
【0046】
すなわち、図3において、通電開始から27分までは、下方のヒータ13,14を通電し、これらのヒータ13,14の消費電流、消費電力が所定値まで減少した時点で、上方のヒータ15,16にほぼ減少分の電流、電力を供給することで、全ヒータ13〜16を小電流、小電力で立上げる場合よりも、装置立上げ完了時間が短くなる。
【0047】
以上のように、装置立上げ時の最大消費電流を上限値以下に抑えながらも、短時間で装置を立上げることができ、これにより、工場電力設備の制限を上回る電力障害を防止でき、電源設備を大容量に変更しなくても良いので、設備費を減ずることができる。
【0048】
また、装置立上げ時間を予め装置に記憶させておく必要がないため、その決定のための実験も不要で、さらに設定温度の変更や装置状態の変化に対しても最適な立上げ制御を行うことができる。
【0049】
また、この構成では、装置立上げ後の装置通常運転状態において、基板通過などにより特に激しく温度低下を起こした部分のヒータに対しては、ヒータ出力いっぱいの電流を個別に供給するので、大きな負荷の変動に対してもその回復が早く、小出力のヒータを使って加熱装置を構成することで最大消費電流を減じたり、全ヒータに対して同じ割合の電流制限を行って最大消費電流を減じたりした場合のように、ヒータの温度制御性が悪化することがない。
【0050】
なお、本発明の加熱装置は、以上のようなリフロー炉だけでなく、例えば熱硬化性樹脂などを硬化させるための硬化炉にも適用できる。
【0051】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、コントローラが炉体内の各ヒータの合計消費電力を一定値以下に制御しながらも、コンベアより下方に位置するヒータでの消費電力減少分をコンベアより上方に位置するヒータに有効利用することで、装置立上げ時の最大消費電流を上限値以下に抑えながらも、短時間で装置を立上げることができ、これにより、過度の消費電流による電力障害を防止でき、電源設備を大容量に変更しなくても良いので、設備費を減ずることができる。特に、温度上昇にともなってコンベアより下方に位置するヒータへの供給電力を減少させるように制御するとともに、その減少分の電力をコンベアより上方に位置するヒータに供給することで、結果として、電力の合計が一定の上限値を超えないように個々のヒータが順に立ち上がって行くので、複数のヒータを予め設定された一定時間毎に順に立上げる場合のような適正な立上げ時間を設定する困難性を解決できる。すなわち、装置立上げ時間を予め装置に記憶させておく必要がないため、その決定のための実験も不要で、さらに設定温度の変更や装置状態の変化に対しても最適な立上げ制御をできる。
【0052】
請求項2記載の発明によれば、装置立上げ後も各ヒータへの供給電力の合計を上限値を超えないように個別に制御することで、装置立上げ後においても電力障害を防止できるとともに、必要なヒータに電力を供給して、炉体内温度の低下を素早く回復できる。
【0053】
請求項3記載の発明によれば、コントローラの演算機能により、パルス制御時の同時通電のヒータ数を制限することで、温度低下の大きなヒータには十分な電流を供給することが可能となり、大きな温度低下に対しても素早い温度回復が可能となる。すなわち、装置立上げ後の装置通常運転状態において、基板通過などにより特に激しく温度低下を起こした部分のヒータに対しては、ヒータ出力いっぱいの電流を供給できるので、大きな負荷変動に対してもその回復が早く、小出力のヒータを使って加熱装置を構成することで最大消費電流を減じたり、全ヒータに対して同じ割合の電流制限を行って最大消費電流を減じたりした場合のように、ヒータの温度制御性が悪化することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明に係る加熱装置の一実施の形態を示す概要図、(b)はその制御特性を示す特性図である。
【図2】 同上加熱装置のブロック図である。
【図3】 本発明に係るシーケンシャル立上げ運転時と従来のシンクロ立上げ運転時の電流・電力測定データを示す特性図である。
【符号の説明】
W ワーク
11 炉体
12 コンベア
13〜16 ヒータ
19 コントローラ
Claims (3)
- 炉体と、
炉体内でワークを搬送するコンベアに沿ってコンベアより下方に位置してワークを加熱する複数のヒータおよびコンベアより上方に位置してワークを加熱する複数のヒータと、
コンベアより下方および上方に位置する複数のヒータへの供給電力を制御するコントローラとを具備し、
コントローラは、
装置立上げ時に複数のヒータのうちコンベアより下方に位置するヒータに対し必要とする電力を供給するとともに、コンベアより上方に位置するヒータの少なくとも一つへ供給される電力を制限して複数のヒータへの供給電力の合計が予め決められた上限値を超えないように制御し、
温度の上昇にともなって温度を切換パラメータとして、コンベアより下方に位置するヒータへの供給電力を減少させるように制御するとともにコンベアより上方に位置するヒータにその減少分の電力を供給する
ことを特徴とする加熱装置。 - コントローラは、
装置立上げ後の温度調節運転時において、複数のヒータへの供給電力の合計が予め決められた上限値を超えないように各ヒータへの供給電力を個別に制御する
ことを特徴とする請求項1記載の加熱装置。 - コントローラは、
ヒータをパルス制御するものであり、
装置立上げ後の温度調節運転時において、同時に通電するヒータの数を、上限電流を最大消費電流で除した数にヒータ総数を乗じて求められた数の少数部分を切り捨てた数に制限する演算機能を有する
ことを特徴とする請求項2記載の加熱装置。
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