JP4422625B2 - 基板間液剤注入方法及び基板間液剤注入装置 - Google Patents
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Description
一つの基板の上に多層の回路を集積し、各層を層間配線でつないで一つの素子が形成したものも三次元集積回路であるが、工程の簡略化や歩留まりの向上等のため、複数の基板を貼り合わせて三次元集積回路を実現する技術が研究されている。例えば特開平11−261001号公報に、この技術が開示されている。
尚、二枚の基板に限らず、三枚又はそれ以上の枚数の基板を貼り合わせることもある。以下の説明では、このように重ね合わされて貼り合わせた複数の基板から成るものを、「積層基板」と呼ぶ。
まず、貼り合わせる基板の対向面にそれぞれ堰(公報では「壁」と呼ばれている。)を形成する。堰は、多数のマイクロバンプが形成された領域(各基板のうちデバイスの産出に利用される領域)を取り囲むようにして周状に形成され、一箇所だけ堰が途切れた所を作っておく。そして、二枚の基板を重ね合わせ、真空チャンバー内に配置する。真空チャンバー内には、接着剤を溜めた容器が設けられており、堰の途切れた所(開口)を接着剤に浸ける。この状態で、真空チャンバー内をベントして大気圧に戻す。これにより、圧力差により接着剤が開口から注入されて堰の内側の空間に満ちる。また、堰の外側の空間にも、毛細管現象により接着剤が注入される。
まず、注入に先立ち予め堰を作っておかなければならない面倒さがある。堰自体は素子の構造に不要なものであり、このようなもののために工程が増えることは、工程の簡略化の要請に反し、生産性の点で問題がある。
本願の発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、三次元集積回路の製作の際に行われる接着剤注入のような基板間への液剤注入において、生産性が高い実用的な方法及び装置を提供する意義を有している。
積層基板の基板間の隙間を真空に排気するステップと、
基板間の隙間が真空に排気された積層基板を、真空に排気された真空チャンバー内の所定位置に配置するステップと、
所定位置に配置された積層基板の周縁に液剤を供給し、当該積層基板の周縁で形成された開口を液剤が塞いだ状態を保持具で保持するステップと、
保持具による保持状態を維持しながら、積層基板、液剤及び保持具を一体に移動させて前記真空より高い圧力下の別の場所に位置させて前記隙間への液剤の注入を完了させるステップとを有している。
また、上記課題を解決するため、請求項2 記載の発明は、重ね合わせて貼り合わされた複数の基板から成る積層基板の基板間の隙間に液剤を注入する基板間液剤注入装置であって、
積層基板の基板間の隙間を真空に排気する排気手段と、
積層基板を出し入れすることができる真空チャンバーである給液チャンバーと、
基板間の隙間が真空に排気された積層基板を、真空に排気された給液チャンバー内に搬入する搬入機構と、
搬入された積層基板を所定位置に配置する基板配置手段と、
所定位置に配置された積層基板の周縁に液剤を供給する液剤供給系と、
供給された液剤が積層基板の周縁で形成された開口を塞ぐ状態を保持する保持具と、
保持具による保持状態を維持しながら、積層基板、液剤及び保持具を一体に移動させて前記真空より高い圧力下の別の場所に位置させる搬出機構とを備えている。
また、上記課題を解決するため、請求項3 記載の発明は、前記請求項2 の構成において、前記保持具は、前記積層基板が載置される部材である基板受け具によって構成されており、
基板受け具は、前記積層基板の周縁によって形成された開口を塞ぐよう液剤を溜める液溜めが、載置された前記積層基板の周縁とともに全周状に形成される形状を有している。
また、上記課題を解決するため、請求項4 記載の発明は、前記請求項3 の構成において、前記基板受け具は、水平な表面を有するベース部と、ベース部の周囲に延設した周辺部とから構成されており、周辺部はベース部に対して上方に突出していて周辺部の表面はベース部の表面の周縁から上方に延びており、この上方に延びた表面によって前記液剤の保持が行われるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5 記載の発明は、前記請求項3 又は4 の構成において、前記基板受け具のうち液溜めを形成する部分の表面は、前記積層基板の基板間の隙間内の面に比べて液剤に対する濡れ性が低くなっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6 記載の発明は、前記請求項3 乃至5 いずれかの構成において、前記基板受け具は、開口を有して積層基板との間の空間を塞がない形状であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7 記載の発明は、前記請求項3 乃至6 いずれかの構成において、前記液剤供給系は、前記形成される液溜めの上方から液剤を放出して供給する液剤ディスペンサーを有する。
また、上記課題を解決するため、請求項8 記載の発明は、前記請求項7 の構成において、静止した前記液剤ディスペンサーに対して積層基板及び基板受け具を一体に回転させて液剤が液溜めに沿って供給されるようにする回転機構が設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項9記載の発明は、前記請求項1乃至8の構成において、隙間への前記液材の注入を行う際に、液剤が室温より高い温度となって液剤の粘性が下がっているよう加熱を行う予備加熱手段が設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項10記載の発明は、前記請求項1乃至9の構成において、隙間への液材の注入が完了した後、液剤を加熱して硬化させる加熱手段が設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項11記載の発明は、前記請求項3乃至8いずれかの構成において、積層基板、液剤及び基板受け具を前記真空より高い圧力下の別の場所に所定時間位置させることで前記隙間への液剤の注入が完了した後、当該液剤を加熱して硬化させる加熱手段を備えているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項12記載の発明は、前記請求項11の構成において、隙間への液剤の注入が完了した後、基板受け具から積層基板を取り上げる取り上げ手段をさらに備え、加熱手段は、取り上げ手段が積層基板を取り上げた後に加熱を行うものであって、基板受け具を加熱せずに液剤を加熱するものであるという構成を有する。
また、請求項3記載の発明によれば、上記請求項2の発明の効果に加え、積層基板の周縁によって形成された開口を塞ぐよう液剤を溜める液溜めが、載置された積層基板の周縁とともに全周状に形成されるので、積層基板の周縁開口の全周から液剤が注入される。液剤は、圧力差により積層基板の周縁の全周から中心に向けて広がり、基板間隙間に完全に満ちる状態となるので、従来のような堰の形成は不要であって工程が簡略化される他、注入口が堰の開口のような特定の一箇所に限定されていない。このため、注入が完了するまでの時間が短くなり、この点でも生産性は高い。
また、請求項5記載の発明によれば、上記効果に加え、液溜めの表面の濡れ性が積層基板の基板間の隙間内の面に比べて低くなっているので、隙間内への液剤の進展が促進される。このため、短時間に注入を完了させることができる。
また、請求項6記載の発明によれば、上記請求項3乃至5いずれかの発明の効果に加え、基板受け具が積層基板との間の空間を塞がない形状であるので、積層基板の破損が防止される他、空間への流れ込みによって液剤が積層基板の下面に付着したり、液剤が不足したりする問題がない。
また、請求項7記載の発明によれば、上記請求項3乃至6いずれかの発明の効果に加え、液溜めの上方から液剤を放出して供給する液剤ディスペンサーを備えているので、基板受け具を別の場所に移動して注入を完了させることで生産性を高める構成を実現するのに極めて実用的である。
また、請求項8記載の発明によれば、上記請求項7の発明の発明の効果に加え、比較的簡略化された構造で均一に液剤を液溜めに供給することができる。
また、請求項9記載の発明によれば、液剤の予備加熱手段が設けられているので、液剤の粘性を下げながら注入を行うことで注入時間を短縮することができ、この点で生産性が高くできる。
また、請求項10記載の発明によれば、注入手段による注入が完了した後、液剤を加熱して硬化させる加熱手段が設けられているので、一つの装置で液剤の注入と液剤の硬化が一貫して行え、工程全体の設備コストの低減に寄与することが可能である。また、注入後の事情によって液剤の性質が変化してしまう可能性が小さく、好適である。
また、請求項11記載の発明によれば、上記請求項3乃至8の発明の効果に加え、工程全体の設備コストの低減への寄与と、注入後の事情による液剤の性質の変化の防止という効果が得られる。
また、請求項12記載の発明によれば、上記請求項11の発明の効果に加え、加熱手段が基板受け具を加熱せずに液剤を加熱するので、不必要な加熱を無くして加熱の効率を高めている他、基板受け具に残留付着した液剤を硬化させないので、残留付着した液剤の除去が容易であるという効果が得られる。
実施形態の方法及び装置は、積層基板の間の隙間に熱硬化性の液剤を注入する方法及び装置である。液剤の注入は、圧力差によって行われるようになっている。即ち、積層基板を真空雰囲気に置いて積層基板の基板間の隙間を真空圧力とした後、隙間の入り口即ち積層基板の周縁で形成された開口(以下、周縁開口)を塞ぐようにして液剤を供給する。その後、液剤及び積層基板11,12を大気圧に晒して、大気圧と真空との圧力差により隙間に液剤が注入されるようにしている。
この斜面133と、ベース部131の表面(水平面)と積層基板11,12の周縁とによって形成された凹部が液溜めを形成しており、周縁開口が液剤Lによって塞がれるようこの液溜めに液剤Lが溜められる構造となっている。尚、下側基板12の周縁は斜面133に達していてもよく、この場合は、斜面133と積層基板11,12の周縁のみによって液溜めが形成される。
この状態で、積層基板11,12、液剤L及び基板受け具13を一体に移動させ、大気圧雰囲気の別の場所に配置する。そして、大気圧に晒した状態を所定時間維持することにより、圧力差により、基板間隙間に液剤Lが満ちて注入が完了する(図1(3))。
図2は、実施形態に係る基板間液剤注入装置の平面概略図である。図2に示す装置は、積層基板11,12の基板間隙間を排気する排気手段と、積層基板11,12を出し入れすることができる真空チャンバーである給液チャンバー2と、搬入された積層基板11,12を所定位置に配置する基板配置手段と、給液チャンバー2内が真空圧力の状態で積層基板11,12が所定位置に配置された後、積層基板11,12の周縁開口を塞ぐようにして液剤を供給する液剤供給系と、液剤が供給された後、積層基板11,12及び液剤を大気圧雰囲気に晒して圧力差により隙間に液剤を注入する注入手段と、注入手段による注入が完了した後、液剤を加熱して硬化させる加熱手段とを備えている。
図2に示すように、注入ステーション5は、紙面上、右上の位置に設けられている。加熱手段は、加熱ステーション7に設けられている。加熱ステーション7は、図2に示すように、紙面上、上部中央の位置に設けられており、注入ステーション5に対して隣接している。
まず、積層基板11,12の搬送系に沿って装置の各部を説明する。
装置は、装置への積層基板11,12の投入場所である不図示の投入ステーションを備えている。投入ステーションは、所定数の積層基板11,12が収容された不図示の投入用カセットが配置される場所である。
搬入機構は、第二搬送ロボット42で構成されている。第二搬送ロボット42も、多関節型アームを備えたロボットであり、アームの先端に設けた基板支持具としてのフォーク421上に積層基板11,12を載せて搬送するものとなっている。尚、搬送チャンバー4内は、装置の可動中常時真空圧力であり、従って、第二搬送ロボット42は、真空中で動作可能なものとなっている。
即ち、各給液チャンバー2は、搬送チャンバー4との間のゲートバルブ(以下、第一ゲートバルブ)10Aとは別に反対側にもう一つのゲートバルブ(以下、第二ゲートバルブ)10Bを有している。そして、図2に示すように、床面ユニット100のガイド孔101は、各給液チャンバー2が並んだ部分の外側で円弧状に延びた形状となっている。ガイド孔101の円弧は、各給液チャンバー2が並ぶ円弧とほぼ同心である。第一搬送ロボット41は、不図示のロボット移動機構によってガイド孔101に沿って移動しながら、各給液チャンバー2に対して動作可能な位置に停止するようになっている。
回収ステーション8は、図2に示すように、紙面上、左下の位置に設けられている。回収ステーション8には、液剤の注入・硬化済みの積層基板11,12が所定数収容される回収用カセット81が配置されている。
まず、装置は、基板受け具を投入及び回収を行う場所である受け具ロードステーション6を備えている。受け具ロードステーション6は、図2に示すように、紙面上、右下の位置に設けられている。受け具ロードステーション6には、受け具用カセット61が配置される。
また、各搬送ロボット41、42は、積層基板11,12や基板受け具13を吸着しながら搬送する場合がある。積層基板11,12や基板受け具13を水平に支持しながら搬送する場合は吸着が不要な場合があるが、垂直な姿勢にして搬送する場合には吸着が必要となる。
また、装置の前面側には、コントロールボックス9を備えている。コントロールボックス9内には、装置の各部を制御するメインコントローラが設けられている。また、コントロールボックス9の前面には、オペレータが装置を操作するための操作パネルが設けられている。
各ロードロックチャンバー31,32は、複数の積層基板11,12を収容することが可能となっている。本実施形態のロードロックチャンバー31,32は、各積層基板11,12を水平な姿勢にし、上下に並べて収容する構造となっている。
尚、上記構成の他、ロードロックチャンバー31、32内にカセットごと積層基板11,12を搬入するような場合には、ロードロックチャンバー31,32の内壁面にヒータを設けて予備加熱する場合もある。また、壁面に設けたヒータと上記ヒータ35とを併用する場合もある。
受け具ステージ24は、基板受け具13より外径内径とも少し小さい円環状である。上述したピン21は、受け具ステージ24の内部に配設されている。
昇降機構22は、受け具ステージ24を上昇させ、基板受け具13を所定の上昇位置まで上昇させるようになっている。この上昇の過程で、ピン21上の積層基板11,12を基板受け具13が受け、積層基板11,12が基板受け具13に載置された状態となる。尚、積層基板11,12は基板受け具13と同軸の位置で載置されるよう、積層基板11,12のピン21上の載置位置が設定されている。
また、液剤供給系23全体が給液チャンバー2内に配置される場合もある。即ち、給液用配管232が給液チャンバー2の壁を貫通せず、装置のメンテナンスのたびに液剤を補充する構成が採用されることもある。この場合、給液チャンバー2に設けられたメンテナンス用の不図示の開閉扉を開け、オペレータが手作業で液剤ディスペンサー231に液剤を補充するか、開けられた開閉扉を通して液剤ディスペンサー231に供給ホースを接続て補充を行う。
尚、受け具ステージ24は、ベアリング245を介して円環状の固定ステージ246に支持されている。固定ステージ246は、駆動板241に固定されている。
尚、下側のヒータ252及び駆動板241には、ピン21が挿通されるピン挿通孔がそれぞれ設けられている。ピン挿通孔は、下側のヒータ252及び駆動板241にそれぞれピン21の数だけ設けられている。
各棚板53は、基板受け具13よりも少し大きな形状である。図5に示すように、棚板53には、切り欠き531が設けられている。この切り欠き531は、第一搬送ロボット41の受け具用フォーク412の形状に合わせたものである。尚、各棚板53は、基板受け具13よりも小さくてもよく、各棚板53を小さくして各棚板53が受け具用フォーク412の内部に位置するようにすれば、切り欠き531は不要である。
この加熱室71においても、筐体72の一つの側面の下側部分には、搬入扉721により開閉される開閉ゲートが設けられ、もう一つの側面の下側部分には、搬出扉722により開閉される搬出ゲートが設けられている。周回機構74は、加熱ステージ73を搬入ゲートに最も近い位置で停止させるようになっており、この位置を、以下、「搬入位置」と呼ぶ。また、周回機構74は、加熱ステージ73を搬出ゲートに最も近い位置で停止させるようになっており、この位置を、以下、「搬出位置」と呼ぶ。
また、第二補助搬送機構44は、加熱室71から取り出した積層基板11,12を、回収ステーション8への搬送のために第一搬送ロボット41に渡す動作を行うものである。この第二補助搬送機構44は、第一補助搬送機構43と同様の搬送ロボットとなっており、アーム441の先端で積層基板11,12を上から吸着して搬送するものとなっている。
まず、ロードロックチャンバー31,32の大気側のゲートバルブ10が開けられ、前述したように所定数の積層基板11,12がそれぞれ投入される。また、回収ステーション8には、空の回収用カセット81が配置される。受け具用カセット61には、所定数の未使用の基板受け具13が収容されている。
ロードロックチャンバー31,32内に所定数の積層基板11,12が搬入されると、ゲートバルブ10が閉じられ、ロードロックチャンバー31,32の排気動作が開始される。積層基板11,12は、ヒータ35により加熱される。
尚、積層基板11,12は、ロードロックチャンバー31,32内で既に予備加熱されているが、給液チャンバー2内でヒータ251,252により引き続き予備加熱される。また、基板受け具13も、ヒータ251,251により予備加熱される。
そして、液溜めへの液剤Lの供給が完了し、積層基板11,12、液剤L及び基板受け具13がスタンバイワークセット14を構成すると、スタンバイワークセット14の搬出動作が開始される。即ち、ベントガス導入系203により給液チャンバー2にベントガス(空気又は不活性ガス)が導入され、給液チャンバー2内が大気圧とされる。そして、第二ゲートバルブ10Bが開けられ、図8(2)に示すように、第一搬送ロボット41の受け具用フォーク412が進入し、スタンバイワークセット14の下方に位置する。
ワークストッカー51内は大気圧雰囲気であり、一方、基板間隙間は液剤により入り口が封鎖されているので真空圧力のままである。このため、スタンバイワークセット14が周回機構74により周回する間、大気圧に晒されて圧力差により液剤が基板間隙間に押し出され、基板間隙間を満たす。即ち、受け具出し入れ位置で棚板53に載せられたスタンバイワークセット14が基板取り出し位置に達するまでの時間が最適に設定されており、この時間で基板間隙間に液剤が完全に満ちるようになっている。尚、上記注入の際、棚板53内のヒータにより液剤の予備加熱が継続され、粘性が低下している。このため、注入に要する時間が短くなっている。
このようにして、各給液チャンバーに基板受け具13と積層基板11,12を順次搬入し、液剤を供給してスタンバイワークセット14を構成した後、スタンバイワークセット14を次々に注入ステーション5に搬送する。そして、スタンバイワークセット14は、各棚板53に次々に載置される。
このような動作を繰り返し、積層基板11,12の基板間隙間のロードロックチャンバー31,32内での真空排気、給液チャンバー2内での基板受け具13への積層基板11,12の載置(液溜め形成)、液剤供給と液剤による周縁開口の閉塞状態の保持、注入ステーション5での注入動作、加熱ステーション7での液剤の加熱硬化をそれぞれ行う。
また、受け具用カセット61に当初あった基板受け具13がすべて使用されて受け具用カセット61に戻ってくると、受け具用カセット61が交換される。使用した基板受け具13には、液剤が残留付着していることが多いので、装置から取り出して液剤を取り除き、再度受け具カセット61に収容して装置に投入する。液剤の除去は、エアブロー又は拭き取り等の方法による。
まず、注入に先立って積層基板11,12の間に堰を形成しておくことは不要である。従って、工程が簡略化され、生産性が高い。また、注入口が堰の開口のような特定の一箇所に限定されておらず、積層基板11,12の周縁の全周から液剤が注入される。このため、注入が完了するまでの時間が短くなり、この点でも生産性は高い。さらに、液剤は、圧力差により積層基板11,12の周縁の全周から中心に向けて均一に広がり、基板間隙間に完全に満ちる状態となるので、注入完了後の積層基板11,12の重量バランスは完全に均一なものとなる。このため、後工程で積層基板11,12を取り扱う際に問題が生ずることがない。
液溜めに液剤が適正に溜められた場合に比べ、液剤が少なかったり液剤の溜まりに途切れがあったりすると、給液モニタ233が計測する距離Dは大きくなる。従って、給液モニタ233で距離を計測しておくことで、液溜めに液剤Lが適正に溜められたか否かを監視することができる。
オリフラがある場合、図10に示すように、上側基板11と下側基板12は、両者のオリフラを一致させながら(平面視でオリフラが重なるようにしながら)重ね合わされる。この場合、基板受け具13の構成は二通り考えられる。一つは、図10(1)に示すように、基板受け具13のベース部131もフラットな周縁を有する形状とし、周辺部132が直線状の部分を有する形状とする構成である。もう一つは、図10(2)に示すようにオリフラに関係なく、周辺部132を完全な円環状とする構成である。図10(1)の場合には基板受け具13の周方向位置出しが必要になるものの、図10(2)の場合にはそれが不要なので、装置の構成としては簡略になる。
尚、基板受け具13の斜面133のみならず水平面(ベース部131の表面)についても、液剤の濡れ性を積層基板11,12の対向面に比べて低くしておくことが好ましい。濡れ性を低くすることで、注入が進行する際に液剤が積層基板11,12に寄った状態になり、確実に基板間隙間に入り込みことになる。
図1乃至図6に示す装置では、基板配置手段は、固定されたピン21であり、ピン21に載置された積層基板11,12に対し、基板受け具13が移動することにより積層基板11,12が載置された。一方、この図11に示す実施形態では、静止した基板受け具13に対して積層基板11,12が移動することで積層基板11,12が基板受け具13に載置される構成となっている。
受け具ステージ24は、同様にベアリング245を介して固定ステージ246に固定されている。固定ステージ246は、ステージ支柱247により給液チャンバー2の底板部に固定されている。
その後、昇降機構22が動作し、ピン21を所定の下降位置まで下降させる。この下降の過程で、積層基板11,12が基板受け具13に載置される。
液剤供給の後、図8(1)(2)に示すように、第一搬送ロボット41の受け具用フォーク412が受け具ステージ24からスタンバイワークセット14を受け取り、注入ステーション5に搬送する。
10A 第一ゲートバルブ
10B 第二ゲートバルブ
11 下側基板
12 上側基板
13 基板受け具
131 ベース部
132 周辺部
133 斜面
2 給液チャンバー
21 ピン
22 昇降機構
23 液剤供給系
231 液剤ディスペンサー
24 受け具ステージ
244 モータ
251 ヒータ
252 ヒータ
31 ロードロックチャンバー
32 ロードロックチャンバー
34 棚部
35 ヒータ
4 搬送チャンバー
41 第一搬送ロボット
42 第二搬送ロボット
43 第一補助搬送機構
44 第二補助搬送機構
5 注入ステーション
51 ワークストッカー
52 筐体
53 棚板
54 周回機構
6 受け具ロードステーション
61 受け具用カセット
7 加熱ステーション
71 加熱室
72 筐体
73 加熱ステージ
74 周回機構
8 回収ステーション
81 回収用カセット
9 コントロールボックス
100 床面ユニット
101 ガイド孔
Claims (12)
- 重ね合わせて貼り合わされた複数の基板から成る積層基板の基板間の隙間に液剤を注入する基板間液剤注入方法であって、
積層基板の基板間の隙間を真空に排気するステップと、
基板間の隙間が真空に排気された積層基板を、真空に排気された真空チャンバー内の所定位置に配置するステップと、
所定位置に配置された積層基板の周縁に液剤を供給し、当該積層基板の周縁で形成された開口を液剤が塞いだ状態を保持具で保持するステップと、
保持具による保持状態を維持しながら、積層基板、液剤及び保持具を一体に移動させて前記真空より高い圧力下の別の場所に位置させて前記隙間への液剤の注入を完了させるステップとを有していることを特徴とする基板間液剤注入方法。 - 重ね合わせて貼り合わされた複数の基板から成る積層基板の基板間の隙間に液剤を注入する基板間液剤注入装置であって、
積層基板の基板間の隙間を真空に排気する排気手段と、
積層基板を出し入れすることができる真空チャンバーである給液チャンバーと、
基板間の隙間が真空に排気された積層基板を、真空に排気された給液チャンバー内に搬入する搬入機構と、
搬入された積層基板を所定位置に配置する基板配置手段と、
所定位置に配置された積層基板の周縁に液剤を供給する液剤供給系と、
供給された液剤が積層基板の周縁で形成された開口を塞ぐ状態を保持する保持具と、
保持具による保持状態を維持しながら、積層基板、液剤及び保持具を一体に移動させて前記真空より高い圧力下の別の場所に位置させる搬出機構とを備えていることを特徴とする基板間液剤注入装置。 - 前記保持具は、前記積層基板が載置される部材である基板受け具によって構成されており、
前記基板受け具は、前記積層基板の周縁によって形成された開口を塞ぐよう液剤を溜める液溜めが、載置された前記積層基板の周縁とともに全周状に形成される形状を有していることを特徴とする請求項2記載の基板間液剤注入装置。 - 前記基板受け具は、水平な表面を有するベース部と、ベース部の周囲に延設した周辺部とから構成されており、周辺部はベース部に対して上方に突出していて周辺部の表面はベース部の表面の周縁から上方に延びており、この上方に延びた表面によって前記液剤の保持が行われることを特徴とする請求項3記載の基板間液剤注入装置。
- 前記基板受け具のうち液溜めを形成する部分の表面は、前記積層基板の基板間の隙間内の面に比べて液剤に対する濡れ性が低くなっていることを特徴とする請求項3又は4記載の基板間液剤注入装置。
- 前記基板受け具は、開口を有して前記積層基板との間の空間を塞がない形状であることを特徴とする請求項3乃至5いずれかに記載の基板間液剤注入装置。
- 前記液剤供給系は、前記液溜めの上方から液剤を放出して供給する液剤ディスペンサーを有することを特徴とする請求項3乃至6いずれかに記載の基板間液剤注入装置。
- 静止した前記液剤ディスペンサーに対して前記積層基板及び前記基板受け具を一体に回転させて前記液剤が前記液溜めに沿って供給されるようにする回転機構が設けられていることを特徴とする請求項7記載の基板間液剤注入装置。
- 前記隙間への前記液材の注入を行う際に、前記液剤が室温より高い温度となって前記液剤の粘性が下がっているよう加熱を行う予備加熱手段が設けられていることを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載の基板間液剤注入装置。
- 前記隙間への前記液材の注入が完了した後、前記液剤を加熱して硬化させる加熱手段が設けられていることを特徴とする請求項2乃至9のいずれか1項に記載の基板間液剤注入装置。
- 前記積層基板、前記液剤及び前記基板受け具を前記真空より高い圧力下の別の場所に所定時間位置させることで前記隙間への液剤の注入が完了した後、前記液剤を加熱して硬化させる加熱手段を備えていることを特徴とする請求項3乃至8いずれか1項に記載の基板間液剤注入装置。
- 前記隙間への前記液剤の注入が完了した後、前記基板受け具から積層基板を取り上げる取り上げ手段をさらに備え、
前記加熱手段は、前記取り上げ手段が積層基板を取り上げた後に加熱を行うものであって、前記基板受け具を加熱せずに前記液剤を加熱するものであることを特徴とする請求項11記載の基板間液剤注入装置。
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