JP4422442B2 - デジタルカメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラ、詳しくは、被写体輝度を測定する測光手段を撮像手段とは別個に設けたデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、測光素子(測光センサ)を内蔵し被写体を撮像する、例えばCCD等の原色固体撮像素子(以下、撮像素子と称す)を有するデジタルカメラにおいては、該撮像素子で撮像されたデジタル画像データのG(グリーン)成分の出力を基準として、R(レッド)成分とB(ブルー)成分に対してG成分に応じたゲインを補正することでホワイトバランスを調整する、所謂イメージャ測光方式で撮像時の露出制御を行うのが一般的である。
【0003】
ところで、一眼レフタイプのデジタルカメラの場合には、撮影時の構図を決定する際、撮影レンズに入射した可動ミラーで反射しフォーカシングスクリーンに結像した被写体像を、ファインダよりペンタプリズム部を介して観察することにより決定するので、撮像前は撮像素子は可動ミラーで覆われており、このため、上記イメージャ測光方式では、被写体輝度の測定を行うことができない。よって、一眼レフタイプのデジタルカメラでは、撮像素子とは別個に専用の測光センサを設け、該測光センサの出力に基づいて撮像時の露出レベルを調整するようにしている。
【0004】
このようなデジタルカメラは、例えば特許文献1に開示されている。このカメラでは、2段式スイッチを有するレリーズ釦を用い、このレリーズ釦の半押し操作による1段目のスイッチがオンになったときに測光センサによって被写体輝度を測定し、その後、レリーズ全押し操作による2段目のスイッチがオンになったときに、先の動作で測定した被写体輝度に基づいて絞りや電荷蓄積時間等の露出制御量を制御し、撮像動作を実行するように構成している。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−285011号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したイメージャ測光方式を用いたデジタルカメラにおけるホワイトバランス調整は、撮像後、撮像素子から出力されるデジタル画像データのG成分を基準にしてR成分とB成分のバランスを調整するようにしている。
【0007】
ところが、撮像素子とは別に測光センサを設けた場合には、通常、撮像素子のG成分の分光感度分布特性と測光センサの分光感度分布特性(一般には、視感度分布)とは一致していないため、同一の被写体を撮像した場合に、測光センサの出力が同じであっても、照明光(発光源)の分光放射輝度分布が異なればホワイトバランス調整後の画像の明るさが異なってしまう。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、撮像素子とは別個に測光センサを持つデジタルカメラにおいて、測光センサの出力が同じであれば発光源の色温度にかかわらず、デジタル画像データの明るさを一定に制御することができるデジタルカメラを提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段、及び作用】
上記の目的を達成するために本発明によるデジタルカメラは、被写体輝度を測定する測光手段と、被写体を撮像し、該撮像した被写体の像信号を出力する撮像手段と、上記測光手段からの上記被写体輝度情報に基づいて、上記撮像手段の撮像動作を制御する撮像制御手段と、上記撮像手段から出力された上記被写体像信号を、R、G、B色成分のデジタル画像データに変換する変換手段と、上記変換手段で変換された上記デジタル画像データに基づいて、環境照明光の色温度を判定する判定手段と、少なくとも上記判定手段により判定された上記色温度に基づいて、上記デジタル画像データの明るさ調整及びホワイトバランス調整を行う調整手段と、を具備し、上記調整手段は、上記色温度に応じた露出補正用の第1のゲインとホワイトバランス調整用のR色成分に対応する第2のゲインとの積により、上記デジタル画像データのR色成分を補正し、上記第1のゲインとホワイトバランス調整用のB色成分に対応する第3のゲインとの積により、上記デジタル画像データのB色成分を補正し、上記第1のゲインによりデジタル変換されたG色成分を補正して明るさ調整及びホワイトバランス調整を行うことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
図1、図2は、本発明の一実施形態のデジタルカメラの概略的な構成を示す図であって、図1は、本デジタルカメラの一部を破いて、その内部構成の概略を示す斜視図、図2は、図1のデジタルカメラの電気回路の構成の概略を示すブロック図である。
【0015】
デジタルカメラ1は、図1、図2に示すように、それぞれが別体に構成されるカメラ本体11(装置本体)とレンズ鏡筒12とからなり、両者は、互いに着脱自在に構成されている。
【0016】
図2に示すように、レンズ鏡筒12は、該レンズ鏡筒12の各構成部材の動作制御を行うレンズ制御用マイクロコンピュータ(以下、レンズ制御用マイコンと称す)71と、複数のレンズ等からなり、後述する撮像素子27に被写体光を導く撮影光学系(撮影レンズ)12aと、この撮影光学系12aを所定の方向へ任意のときに所定量だけ移動させるための駆動機構であって、例えばDCモータ(図示せず)等を含むレンズ駆動機構74と、撮影光学系12aに入射する光束の光量を調節する絞り部72と、この絞り部72を駆動するステッピングモータ(図示せず)等を含む絞り駆動機構73と、通信コネクタ80bを備えて、その主要部が構成されている。
【0017】
レンズ制御用マイコン71は、絞り駆動機構73とレンズ駆動機構74と通信コネクタ80bとに接続されており、絞り駆動機構73は絞り部72に接続されている。また、レンズ駆動機構74は撮影光学系12aに接続されており、さらに、通信コネクタ80bは後述するカメラ本体11の通信コネクタ80aに接続されている。
【0018】
レンズ制御用マイコン71は、通信コネクタ80bを介して接続される、後述するボディ制御用マイクロコンピュータ(以下、ボディ制御用マイコンと称す)41からの指令に基づいてレンズ駆動機構74、絞り駆動機構73等を駆動制御する。
【0019】
撮影光学系12aは、被写体からの光束を透過させることで当該被写光束により形成される被写体の像を、後述する撮像素子27の光電変換面(受光面)上に結像するように、例えば複数の光学レンズ等によって構成される。そして、このレンズ鏡筒12は、カメラ本体11の前面から突出するように配設されている。
【0020】
尚、このレンズ鏡筒12については、従来のカメラ等において一般的に利用されているものと同様のものが適用される。
【0021】
カメラ本体11は、内部に後述する各種の構成部材等を備えて構成され、かつ図1に示すように、撮影光学系12aを保持するレンズ鏡筒12を着脱自在となるように配設するための連結部材であるレンズ鏡筒装着部(レンズマウント部)11aを、その前面に備えて構成されてなる、いわゆる一眼レフレックス方式のカメラである。
【0022】
カメラ本体11の前面側の略中央部には、被写体光束を該カメラ本体11の内部へと導き得る所定の口径を有する露光用開口が形成されており、この露光用開口の周縁部には、レンズ鏡筒装着部11aが形成されている。
【0023】
カメラ本体11の外面側には、その前面に上述のレンズ鏡筒装着部11aが配設されているほか、上面部や背面部等の所定の位置にカメラ本体11を動作させるための各種の操作部材、例えば撮影動作を開始せしめるための指示信号等を発生させるレリーズボタン17が配設されている。尚、これらの操作部材については、本発明とは直接関連しない部分であり、図面の煩雑化を避けるためにも、当該レリーズボタン17以外の操作部材の図示および説明は省略する。
【0024】
カメラ本体11は、図2に示すように、後述する露出補正ゲインGain_LおよびホワイトバランスゲインGain_B,Gain_Rのテーブルが記憶されている記憶手段を構成しているROM41aを有し、例えば当該カメラ本体11の各構成部材の制御を行ってデジタルカメラ1全体を統括的に制御するボディ制御用マイコン41と、ファインダ装置13と、例えばフォーカルプレーン方式のシャッタ14と、後述する副鏡13dの反射光束を受けて測距動作を行うためのAFセンサユニット65と、このAFセンサユニット65を駆動制御するAFセンサ駆動回路64と、後述する反射鏡13bを駆動制御するミラー駆動機構63と、シャッタ14を駆動する機構等からなるシャッタチャージ機構62と、シャッタ14の開閉動作をシャッタチャージ機構62を介して駆動制御するシャッタ制御回路61と、ペンタプリズム13aに入射する光束の一部を受けて所定の測光動作を行い、被写体輝度を測定する測光手段を構成する測光回路(以下、測光センサと称す)66と、撮像ユニット(モジュール)15と、後述するCCDインターフェイス回路29からの出力(即ち撮像素子27によって取得したデジタル画像信号)に基づいてデジタル画像データの明るさ調整およびホワイトバランス調整を行う調整手段を構成する画像信号処理回路16と、この画像信号処理回路16によって処理済みのデジタル画像信号やデジタル画像データおよびこれに付随する各種の情報等を一時的に記録する一時的保管用メモリの役目をするSDRAM等のワークメモリ18およびフラッシュロム(FlashROM)70と、この画像信号処理回路16によって生成された記録用のデジタル画像データを所定の領域に記録する記録媒体43と、画像を表示するための表示部である液晶表示装置(LCD)46と、本デジタルカメラ1の制御に必要となる所定の制御パラメータ等および後述する露出補正ゲインGain_LおよびホワイトバランスゲインGain_B,Gain_Rのテーブルが記憶されている記憶手段を構成しているEEPROM等からなる不揮発性メモリ(以下、EEPROMと称す)69と、デジタルカメラ1の動作状態を表示するための動作表示用表示部(LCD)67と、本デジタルカメラ1の各種の操作部材に連動し、各所定の指示信号を発生させるためのスイッチ群である設定手段を構成しているカメラ操作スイッチ(SW)68と、例えば乾電池からなる電池45と、この電池45または所定の接続ケーブル等(図示せず)により供給される外部電源(AC)からの電力を受けて、本デジタルカメラ1を動作させるのに適する電圧に変換制御して各電気回路へと配電する電源回路44と、撮像素子27の周辺温度を測定する温度測定回路49と、レンズ鏡筒12と電気的に接続するための通信コネクタ80aを備えて、その主要部が構成されている。
【0025】
尚、ファインダ装置13は、撮影光学系12aを透過した被写体光束の光軸を折り曲げて観察光学系の側へと導き得るように構成される反射鏡(可動ミラー)13b,この反射鏡13bから出射する光束を受けて正立正像を形成するペンタプリズム13a,このペンタプリズム13aにより形成される像を拡大して観察するのに最適な形態の像を結像させる接眼レンズ13cおよび副鏡13dを有している。
【0026】
また、撮像ユニット(モジュール)15は、被写体光束を受けて光電変換した後、デジタル画像データを取得する、例えばCCDからなる光電変換素子である撮像手段を構成する撮像素子27,後述する露出補正ゲインGain_LおよびホワイトバランスゲインGain_B,Gain_Rのテーブルが記憶されている記憶手段を構成しているROM90,撮像素子27を駆動制御し、当該撮像素子27により取得される撮像信号をデジタル画像信号に変換する信号処理を行う変換手段を構成しているCCDインターフェイス回路29を有している。
【0027】
尚、ボディ制御用マイコン41は、測定した被写体輝度から上記撮像素子27の露出制御量を決定し、この露出制御量に基づいて上記撮像素子27の撮像動作を制御する撮像制御手段、およびCCDインターフェイス回路29で変換されたデジタル画像データまたはカメラ操作スイッチ68による手動設定からホワイトバランスおよび照明光の色温度を判定する判定手段を構成している。
【0028】
ボディ制御用マイコン41は、測光センサ66と画像信号処理回路16と温度測定回路49とROM90とEEPROM69とに接続されていると共に、シャッタ制御回路61とシャッタチャージ機構62とミラー駆動機構63とAFセンサ駆動回路64と電源回路44と動作表示用LCD67とカメラ操作SW68と通信コネクタ80aとに接続されている。
【0029】
測光センサ66は、ペンタプリズム13aの後端面側に配設されており、また、画像信号処理回路16は、液晶表示装置46とSDRAM18とFlashRom70と記録媒体43とCCDインターフェイス回路29とに接続されており、さらに、該CCDインターフェイス回路29は撮像素子27に接続されている。また、シャッタ制御回路61およびシャッタチャージ機構62は、シャッタ14の開閉動作を制御するようになっており、さらに、ミラー駆動機構63は反射鏡13bをアップダウン動作させる。また、AFセンサ駆動回路64はAFセンサ65に接続されている。さらに、電源回路44は各回路ユニットおよびACアダプタ並びに電池45に接続されており、また、通信コネクタ80aはレンズ鏡筒12の通信コネクタ80bに接続されている。
【0030】
カメラ操作スイッチ68は、例えば測光および測距動作の開始を指示する第1(1st)レリーズスイッチや撮影動作の開始を指示する第2(2nd)レリーズスイッチ、デジタルカメラ1の動作モードの変更を行うモード変更スイッチ、主電源の開閉(オン・オフ)を指示する電源スイッチ、後述する色温度を指定するための色温度設定スイッチなどのデジタルカメラ1に所定の動作を行わせるために必要な操作ボタンとこの操作ボタンに連動するスイッチ群によって構成されている。
【0031】
AFセンサ65は、出力をAFセンサ駆動回路64を介してボディ制御用マイコン41へ送信するようになっており、該ボディ制御用マイコン41は、AFセンサ65からの出力に基づいて周知の測距処理を実行する。
【0032】
画像信号処理回路16は、ボディ制御用マイコン41からの指令にしたがってCCDインターフェイス回路29を制御して、撮像素子27からの出力信号(デジタル画像信号)を取り込み、これをSDRAM等のワークメモリ18等に一時的に記録するようになっている。
【0033】
そして、ワークメモリ(SDRAM)18に一時記録されたデジタル画像信号は、画像信号処理回路16において後述する図3に示す信号処理が施されることによって、画像を表示するのに最適な形態の表示用画像信号となるように変換された後、液晶表示装置46へと出力され、その表示部(図示せず)を用いて変換された画像が表示されるようになっている。
【0034】
さらに、ワークメモリ(SDRAM)18に一時記録されたデジタル画像信号は、画像信号処理回路16において所定の信号処理が施されることによって、画像を記録するのに最適な形態の記録用画像データ、例えばJPEG方式等の圧縮データ等に変換された後、記録媒体43へと出力され、これに記録するようになっている。尚、この画像処理については、図3で詳細に説明する。
【0035】
反射鏡(可動ミラー)13bは、撮影光学系12aの光軸から退避する位置(アップ位置)と当該光軸上の所定の位置(ダウン位置)とに移動自在に構成され、通常状態においては、撮影光学系12aの光軸上において当該光軸に対して所定の角度、例えば角度45度を有して配設されている。これにより、撮影光学系12aを透過した被写体光束は、デジタルカメラ1が非撮影状態にあるときには、反射鏡13bによってその光軸が折り曲げられて、当該反射鏡13bの上方に配置される、フォーカシングスクリーン(図示されず)およびペンタプリズム13aの側へと反射するようになっている。
【0036】
また、副鏡13dは、反射鏡13bの撮像素子27と対向する側の面に、該反射鏡13bに対して角度90度を有して回動自在に配設されている。これに伴って、反射鏡13bの略中央部近傍は、一部の光束が透過し得るように形成されている。したがって、デジタルカメラ1が非撮影状態にあるときには、反射鏡13bの一部を透過した光束は、副鏡13dによって、その光軸を折り曲げられて、当該副鏡13dの下方に設けられるAFセンサ65の側へと反射するようになっている。
【0037】
一方、デジタルカメラ1が撮影動作中において、その実際の露光動作中には、当該反射鏡13bは、撮影光学系12aの光軸から退避する所定の位置に移動するようになっている。これによって、被写体光束は、撮像素子27へと導かれ、その光電変換面を照射するようになっている。
【0038】
この撮影光学系12aの光軸から退避する所定の位置と、撮影光学系12aの光軸上の所定の位置とに、反射鏡13bを移動させる制御は、ミラー駆動機構63によって行われる。
【0039】
シャッタ部14は、例えばフォーカルプレーン方式のシャッタ機構や、このシャッタ機構の動作を制御する駆動回路等、従来のカメラ等において一般的に利用されているものと同様のものが適用される。したがって、その詳細な構成についての説明は省略する。
【0040】
ボディ制御用マイコン41は、カメラ本体11に対してレンズ鏡筒12が装着され両者が連結した状態になると、レンズ制御用マイコン71と、通信コネクタ80a,80bを介して電気的に接続し、互いに通信し得る状態となる。このときレンズ制御用マイコン71は、ボディ制御用マイコン41の制御下において、従属的に協働しながら稼動するようになっている。よって、ボディ制御用マイコン41は、デジタルカメラ1全体のシステムを統括的に制御する役目をしている。
【0041】
図3は、図2のデジタルカメラの電気回路の露出制御および画像処理に関わる回路を抽出して示したブロック図、図4は、色温度に対応する露出補正ゲイン及びホワイトバランスゲインの値を示した図表、図5は、ホワイトバランスゲインに対応する露出補正ゲインの値を示した図表、図6は、光の波長に対する撮像素子の分光感度分布を示した特性図、図7は光の波長に対する測光センサの分光感度分布を示した特性図である。
【0042】
図3に示すように、露出制御および画像処理に関わる回路は、撮影光学系12aと、撮像素子27,CCDインターフェイス(I/F)回路29,ROM90を具備する撮像モジュール15と、SDRAM18と、デジタルゲイン回路16a,同時化回路16b,色変換回路16c,ガンマ変換回路16dを有する画像信号処理回路16と、ボディ制御用マイコン41と、カメラ操作スイッチ68と、測光センサ66と、ROM41aと、EEPROM69と、記録媒体43とで、その主要部が構成されている。
【0043】
画像信号処理回路16のデジタルゲイン回路16aは、SDRAM18からの出力が入力され、同時化回路16bに向けて出力するようになっており、また、該同時化回路16bは色変換回路16cに向けて出力し、該色変換回路16cはガンマ変換回路16dに向けて出力するようになっており、該ガンマ変換回路16dは記録媒体43に向けて出力するようになっている。
【0044】
尚、その他の構成部材の接続態様は、上述した図2で示した接続と同じであるが、CCDインターフェイス回路29がSDRAM18に接続されている点と、ROM41aがボディ制御用マイコン41に内蔵されていない点が異なる。しかし、各構成部材の作用は、図2に示したカメラ本体11の各構成部材と全く同じである。
【0045】
撮像モジュール15内のROM90には、図4に示す撮像されたデジタル画像データの明るさ調整に用いる色温度に対応する露出補正ゲインのテーブルおよびホワイトバランス(以下、WBと称す)調整に用いるWBゲインのテーブル、並びに図5に示す撮像されたデジタル画像データの明るさ調整およびWB調整に用いるWBゲインに対応する露出補正ゲインのテーブルが記憶されている。
【0046】
図4に示す露出補正ゲインGain_Lは、マニュアルホワイトバランスモード(以下、MWBモードと称す)において、ユーザが撮影時の光源の明るさ(色温度)を、カメラ操作スイッチ68の色温度設定スイッチを用いて指定した場合に、または、オートホワイトバランスモード(以下、AWBモードと称す)において、撮像された画像データからボディ制御用マイコン41により光源の明るさ(色温度)が検出された場合に、撮像されたデジタル画像データの明るさ調整およびWBの調整に用いられるものであり、図6に示す撮像素子27のG成分の分光感度分布特性と、図7に示す測光センサ66の分光感度分布特性から算出され、後述するWBゲインGain_R,Gain_Bとともに、撮像されたデジタル画像データの色成分(R,Gr,Gb,B)に、この値をかけることにより、上記撮像素子27のG成分の分光感度分布特性と、上記測光センサ66の分光感度分布特性とが一致しないことに基づく、WB調整後の撮像した画像の同一シーンでの明るさの不具合を補正する。
【0047】
今ここで、あらかじめ想定された図6に示す撮像素子27の分光感度分布からG(グリーン)の光源の波長に対する分光感度分布の総和∫G(λ)と、あらかじめ想定された図7に示す測光センサの光源の波長に対する分光感度分布の総和∫Y(λ)とを、∫G(λ)=∫Y(λ)に正規化し、光源の分光放射輝度分布をL(λ)、露出補正ゲインをGain_Lとすると、露出補正ゲインGain_Lは、Gain_L=∫G(λ)・L(λ)/∫Y(λ)・L(λ)で求められる。
【0048】
よって、例えばユーザが色温度を3000K(ケルビン)に指定した場合、または、ボディ制御用マイコン41により色温度が3000Kと検出された場合には、露出補正ゲインGain_Lは、Gain_L_3000K=∫G(λ)・L_3000K(λ)/∫Y(λ)・L_3000K(λ)で求められる。
【0049】
同じように、ユーザが色温度を4000K、5500K、6500K、7500Kと指定した場合、または、ボディ制御用マイコン41により色温度が3000Kと検出された場合には、露出補正ゲインGain_Lはそれぞれ、Gain_L_4000K、Gain_L_5500K、Gain_L_6500K、Gain_L_7500Kとなり、この値がそれぞれROM90に記憶されている。
【0050】
尚、本実施の形態では、5つの色温度に対応する露出補正ゲインを示したが、これに限らず様々な色温度に対応する露出補正ゲインを複数記憶していても良い。また、上記に示した色温度は、例えば光源をそれぞれ3000K=室内でのタングステン、4000K=蛍光灯、5500K=晴れた日の屋外、6500K=曇りの日の屋外、7500K=屋外の日陰と想定している。
【0051】
また、光源の分光放射輝度分布をL(λ)、あらかじめ想定された図6に示す撮像素子27の分光感度分布からB(ブルー)の光源の波長に対する分光感度分布の総和を∫B(λ)、G(グリーン)の光源の波長に対する分光感度分布の総和を∫G(λ)、R(レッド)の光源の波長に対する分光感度分布の総和を∫R(λ)とし、B、Rに対応するWBゲインをそれぞれGain_B、Gain_Rとすると、Gain_Bは、Gain_B=∫G(λ)・L(λ)/∫B(λ)・L(λ)で、Gain_Rは、Gain_R=∫G(λ)・L(λ)/∫R(λ)・Lで(λ)求められる。
【0052】
よって、例えばユーザが色温度を3000K(ケルビン)に指定した場合、または、ボディ制御用マイコン41により色温度が3000Kと検出された場合には、WBゲインGain_Bは、Gain_B_3000K、Gain_Rは、Gain_R_3000Kとなり、この値がROM90に記憶されている。
【0053】
同じように、ユーザが色温度を4000K、5500K、6500K、7500Kと指定した場合、または、ボディ制御用マイコン41により色温度が4000K、5500K、6500K、7500Kと検出された場合には、WBゲインGain_Bは、それぞれ、Gain_B_4000K、Gain_B_5500K、Gain_B_6500K、Gain_B_7500Kとなり、Gain_Rは、それぞれ、Gain_R_4000K、Gain_R_5500K、Gain_R_6500K、Gain_R_7500Kとなり、この値がそれぞれROM90に記憶されている。
【0054】
また、図5に示す表は、図6に示す撮像素子の分光感度分布特性からG(グリーン)成分を基準とした、B(ブルー)、R(レッド)成分のWBゲインGain_B,Gain_Rの値より、露出補正ゲインGain_Lを求めるための参照テーブルである。
【0055】
WBゲインGain_B,Gain_Rの値に応じた露出補正ゲインGain_Lは、後述するワンタッチWBモードにおいて、WBゲインGain_B,Gain_Rとともに撮像素子27に露光したデジタル画像データの各色成分に、それぞれ独立してかけることにより、図6に示す撮像素子27のG成分の分光感度分布特性と、図7に示す測光センサ66の分光感度分布特性とが一致しないことに基づく、WB調整後の撮像した画像の同一シーンでの明るさの不具合を自動的に補正するものである。
【0056】
尚、このWBゲインGain_B,Gain_Rは、上述したように、Gain_B=∫G(λ)・L(λ)/∫B(λ)・L(λ)で、Gain_Rは、Gain_R=∫G(λ)・L(λ)/∫R(λ)・L(λ)で求められる。
【0057】
このようにして求められたWBゲインGain_BとGain_Rに対応するGain_Lが、図5に示すものであり、ROM90に記憶されている。尚、任意の光源に対応するため、Gain_BとGain_Rには、幅を持たせ、いずれのGain_B,Gain_Rでも、露出補正ゲインGain_Lが、選択できるようになっている。
【0058】
よって、例えば、Rゲインが0.8以上1.2未満、Bゲインが0.8以上1.2未満とすると、WBゲインGain_B,Gain_Rに対応する露出補正ゲインGain_Lは、K22となる。
【0059】
このように、本実施の形態では、あらかじめ想定された図6に示す撮像素子27の分光感度分布特性および図7に示す測光センサ66の分光感度分布特性より、露出補正ゲインGain_Lを算出し、この値がROM90に記憶される。
【0060】
尚、図6に示すあらかじめ想定される撮像素子の分光感度分布特性は、用いられる撮像素子によって変化するので、図4、図5に示す各露出補正ゲインGain_Lも、撮像素子により、その値が異なる。このため、ROM90は、撮像素子27と同一の撮像モジュール15に組み込まれるようになっており、該モジュール15の交換の際には、各露出補正ゲインも合わせて交換できるようになっている。
【0061】
よって、図4、図5に示す各露出補正ゲインGain_Lは、書き換え可能なEEPROM69またはROM41aに記憶されていても良く、この場合、撮像モジュール15を交換する度に、ROM90の情報を基にEEPROM69またはROM41aを書き換えれば良い。
【0062】
また、カメラに使用する撮像素子が決定されると、その撮像素子に対応する分光感度分布特性は決まるため、この分光感度分布特性自体をROM90に記憶しておき、撮像素子からの出力に応じて、その都度、各露出補正ゲインをボディ制御用マイコンで演算して算出するようにしてもよい。
【0063】
ボディ制御用マイコン41は、画像処理の際に、後述する各種モード設定(AWBモード/MWBモード/ワンタッチWBモード)に従ってWBの判定を行って、その結果に応じて撮像素子27および測光センサ66の出力、またはカメラ操作スイッチ68にユーザより入力された、若しくは検出した色温度、あるいは後述するユーザが行うワンタッチWB検出の結果からROM90に記憶されている各露出補正ゲインGain_Lを取り出して、最終的なWB調整用のデジタルゲインGain_R’,Gain_Gr’,Gain_Gb’,Gain_B’を算出する。
【0064】
この最終的な上記デジタルゲインの算出は、図4、図5に示した露出補正ゲインGainLを用いることにより、それぞれ◎
Gain_R’=Gain_R・Gain_L=(∫G(λ)・L(λ))2/(∫R(λ)・L(λ)・∫Y(λ)・L(λ))◎
Gain_Gr’= Gain_L=∫G(λ)・L(λ)/∫Y(λ)・L(λ)◎
Gain_Gb’= Gain_L=∫G(λ)・L(λ)/∫Y(λ)・L(λ)◎
Gain_B’= Gain_B・Gain_L=(∫G(λ)・L(λ))2/(∫B(λ)・L(λ)・∫Y(λ)・L(λ))
となる。尚、通常、WB処理においては、G(グリーン)の光源(分光感度特性)を基準としてR(レッド)、B(ブルー)のWBゲインを決定するため、Gの成分には露出補正を行わないのが一般的であるが、全体的なバランスをみて補正を行う場合には、撮像素子の分光感度分布G(λ)と、測光センサの分光感度分布Y(λ)とを、∫G(λ)=∫Y(λ)に正規化すると、G成分の露出補正ゲインは、測光センサの露出補正ゲインと一致するので、この値を用いる。
【0065】
よって、上述したAWBモード、またはMWBモードを選択した際は、色温度を、例えば3000Kとすると、最終的なデジタルゲインGain_R’,Gain_Gr’,Gain_Gb’,Gain_B’は、図4に示した露出補正ゲインGainLを用いることにより、それぞれ、
Gain_R’= Gain_R_3000K・Gain_L_3000K◎
Gain_Gr’= Gain_L_3000K◎
Gain_Gb’= Gain_L_3000K◎
Gain_B’= Gain_B_3000K・Gain_L_3000K◎
となり、また、ワンタッチWBモードを選択した際は、例えば、算出されたGain_Rが0.8以上1.2未満、Gain_Bが0.8以上1.2未満とすると、WBゲインに対応する露出補正ゲインGain_Lは、K22(図5参照)となる。この値を用いれば、最終的なデジタルゲインは、
Gain_R’=Gain_R・K22◎
Gain_Gr’=K22◎
Gain_Gb’= K22◎
Gain_B’= Gain_B・K22◎
となる。
【0066】
このように、最終的な上記デジタルゲインを算出した後、画像信号処理回路16のデジタルゲイン回路16aに、このデジタルゲインを出力する。
【0067】
デジタルゲイン回路16aは、撮像モジュール15から出力された画像データのR(レッド),Gr(グリーン)、Gb(グリーン),B(ブルー)の4ch(チャンネル)の色成分に、色温度の情報に基づいてボディ制御用マイコン41から出力された最終的な上記デジタルゲインGain_R’, Gain_Gr’, Gain_Gb’, Gain_B’をかけて、明るさ、およびWBが調整された色成分R’,Gr’, Gb’, B’に変換して、デジタル画像データの明るさ調整およびWB調整を行う。このように、デジタルゲイン回路16aは、上記デジタル画像データのデジタルゲインを調整して上記デジタル画像データの各色成分のデジタルゲインをそれぞれ独立して調整することにより明るさのばらつき調整を行う第1の調整手段と、上記デジタル画像データのWBゲインを調整してWB調整を行う第2の調整手段を構成している。
【0068】
同時化回路16bは、R’、Gr’、Gb’、B’に変換された4chの色信号(成分)を1画素のR、G、Bの色信号を持ったフルカラー画像に変換する回路である。
【0069】
色変換回路16cは、同時化回路16bより出力されたRGBの3原色を輝度信号と色座標情報に変換(変換されたものをR’、G’、B’とする)して、ガンマ変換回路16dに出力する。該ガンマ変換回路16dでは、上記R’、G’、B’に既知の階調補正等の処理を行った後、画像データを、記録媒体43に記録する。尚、この際、必要に応じてデジタル画像データを、例えばJPEG方式等の圧縮データに変換してから記録しても良い。
【0070】
次に、図3および図8、図9を参照してデジタルカメラ1の撮像動作〜撮像したデジタル画像データの記憶までを説明すると、図8は、デジタルカメラ1の撮像動作および画像処理動作を、ボディ制御用マイコンの動作を中心にして示したフローチャート、図9は、ワンタッチWB検出動作を示したフローチャートである。
【0071】
尚、以下の動作は、ボディ制御用マイコン41の動作制御により行われる。 図8に示すように、レリーズ釦がオンされると、まずステップS1では、測光センサ66によりペンタプリズム13a(図2参照)から出射する光束の一部を受けて被写体輝度を測定する測光動作を行ってステップS2に移行し、該ステップS2では、ステップS1で測定した被写体輝度に基づいて、絞り駆動機構73により絞り部72(いずれも図2参照)の開放値およびシャッタ制御回路61によりシャッタ14(いずれも図2参照)のシャッタ速度を規定することにより、撮像素子27に蓄積される電荷の蓄積時間等の露出制御量を設定してステップS3に移行する。
【0072】
ステップS3では、ステップS2で設定した露出制御量に基づいて、撮像素子27を制御して撮像動作が行われ、ステップS4に移行し、該ステップS4では、撮像したデジタル画像データをSDRAM18に格納してステップS5に移行する。
【0073】
ステップS5では、ユーザが設定したWBモードの判定が行われる。ユーザが設定したWBモードがAWBモードであれば、ステップS6に移行し、該ステップS6で、SDRAM18に格納されたデジタル画像データのR、Gr、Gb、Bの色成分から色温度の検出をしてステップS7に移行する。
【0074】
ステップS5に戻って、ユーザが設定したWBモードがMWBモードであれば、ステップS7にジャンプする。
【0075】
ステップS7では、ステップS6で検出された色温度、またはMWBモードで、ユーザがカメラ操作スイッチ68(図2参照)の色温度設定スイッチを用いて指定した色温度に基づいて、ROM90aに記憶されている図4に示した色温度―WBゲインのテーブルからWBゲインGain_R,Gain_Bを読み出して、ステップS8に移行する。
【0076】
ステップS8では、ステップS6で検出した色温度、またはMWBモードで、ユーザがカメラ操作スイッチ68(図2参照)の色温度設定スイッチを用いて指定した色温度に基づいて、図4に示した色温度―露出補正ゲインのテーブルから露出補正ゲインGain_Lを読み出し、ステップS9に移行する。
【0077】
ステップS9では、ステップS8で読み出した露出補正ゲインGain_L、およびステップS7で読み出したWBゲインGain_R,Gain_Bより、最終的なデジタルゲインGain_R’,Gain_Gr’,Gain_Gb’,Gain_B’を算出して、ステップS10に移行する。
【0078】
ステップS10では、ステップS9で算出した上記デジタルゲインを、デジタルゲイン回路16aに出力して、該デジタルゲイン回路16aで、SDRAM18に格納されたデジタル画像データの4chの色成分、R,Gr,Gb,Bに掛けあわせて、色成分を上述したようにR’,Gr’,Gb’,B’として、ステップS11に移行する。
【0079】
ステップS11では、同時化回路16b、色変換回路16c、ガンマ変換回路16cでR’,Gr’,Gb’,B’に上述した画像処理が行われて、ステップS12に移行し、最後にステップS12では、画像処理された記録用のデジタル画像データを記録媒体43の所定の領域に記録し、その後リターンする。
【0080】
再び、ステップS5に戻って、ユーザが設定したWBモードがワンタッチWBモードであれば、ステップS14に分岐する。尚、ワンタッチWBモードとは、ユーザが被写体の撮影前に、例えば白い紙を撮像し、この撮像した紙の白を基準としてWBの調整を行うモードであり、光源の波長にWBを正確に合わせたいときに使用されるモードである。
【0081】
この場合、図9に示すように、レリーズ釦がオンされると、まずステップS21で、測光センサ66によりペンタプリズム13a(図2参照)から出射する光束の一部を受けて白い紙の輝度を測定する測光動作を行ってステップS22に移行し、該ステップS22では、ステップS21で測定した白い紙の輝度に基づいて、絞り駆動機構73により絞り部72(いずれも図2参照)の開放値およびシャッタ制御回路61によりシャッタ14(いずれも図2参照)のシャッタ速度を規定することにより、電荷蓄積時間等の露出制御量を設定してステップS23に移行する。
【0082】
ステップS23では、ステップS22で設定した露出制御量に基づいて、撮像素子27を制御して白い紙の撮像動作が行われて、ステップS24に移行し、該ステップS24では、撮像した白い紙のデジタル画像データをSDRAM18に格納してステップS25に移行する。
【0083】
ステップS25では、SDRAM18に格納された白い紙のデジタル画像データのR、Gr、Gb、Bの色成分からWBゲインGain_R,Gain_Bを算出してステップS26に移行し、該ステップS26では、ステップS25で算出したWBゲインGain_R,Gain_Bに基づいて、ROM90に記憶されている図5に示す表から露出補正ゲインGain_Lを判断して、ステップS27に移行する。
【0084】
ステップS27では、ステップS26で判断された露出補正ゲインGain_Lより、最終的な上記デジタルゲインを算出して、ステップS28に移行し、最後にステップS28では、算出した上記デジタルゲインをEEPROM69に格納してリターンする。
【0085】
ステップS14に戻って、該ステップS14では、上述したステップS28でEEPROM69に格納されたワンタッチWBモードの際の最終的な上記デジタルゲインを読み出して、ステップS10に移行する。尚、ステップS10以下の処理は、上述した処理と同じである。
【0086】
このように、本発明の一実施形態を示すデジタルカメラ1は、ROM90に、ユーザがMWBモードで設定する色温度、または、AWBモードを設定した際に、ボディ制御用マイコン41で検出される色温度に対応する図4に示す露出補正ゲインGain_L、およびWBゲインGain_R,Gain_Bを有しており、また、ワンタッチWBモードで、算出されたWBゲインGain_R,Gain_Bから判断される図5に示す露出補正ゲインGain_Lを有している。
【0087】
よって、被写体輝度を測定する測光素子を撮像素子27とは別個に測光センサ66として設けたことにより発生する、撮像素子27のG成分の分光感度分布特性と、測光センサ66の分光感度分布特性とが一致しないことに基づく、WB調整後の撮像した画像の明るさが測光センサの出力が同じあっても異なる不具合を、ROM90に記憶された露出補正ゲインGain_Lのテーブルを参照することにより画像信号処理回路16でデジタル画像の明るさ、およびWBの調整を行うことができるので、測光センサの出力が同じであれば、発光源の色温度に関係なく、撮像したデジタル画像データの明るさを一定にすることができる。
【0088】
尚、本実施の形態においては、AWBモード設定の際は、露出補正ゲインGain_Lは、図4に示すテーブルから読み出すと示したが、これに限らず、撮像されたデジタル画像データからWBゲインGain_R,Gain_Bを算出して、図5に示すテーブルから露出補正ゲインGain_Lを判断するようにしても良い。
【0089】
また、ワンタッチWBモード設定の際は、上述したように、色温度を検出しないため、正しい露出補正ゲインGain_Lを得られない虞があるが、この場合は、デジタル画像データの調整は、WBの調整だけにしても良い。
【0090】
【発明の効果】
以上、述べたように本発明によれば、撮像素子とは別個に測光センサを持つデジタルカメラにおいて、測光センサの出力が同じであれば発光源の色温度にかかわらず、デジタル画像データの明るさを一定に制御することができるデジタルカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すデジタルカメラの一部を破いて、その内部構成の概略を示す斜視図、
【図2】図1のデジタルカメラの電気回路の構成の概略を示すブロック図、
【図3】図2のデジタルカメラの電気回路の露出制御および画像処理に関わる回路を抽出して示したブロック図、
【図4】図2のROM90に記憶された色温度に対応する露出補正ゲイン及びホワイトバランスゲインの値を示した図表、
【図5】図2のROM90に記憶されたホワイトバランスゲインに対応する露出補正ゲインの値を示した図表、
【図6】光の波長に対する撮像素子の分光感度分布を示した特性図、
【図7】光の波長に対する測光センサの分光感度分布を示した特性図、
【図8】デジタルカメラの撮像動作および画像処理動作を、ボディ制御用マイコンの動作を中心にして示したフローチャート、
【図9】ワンタッチホワイトバランス検出動作を示したフローチャート。
【符号の説明】
1…デジタルカメラ
12a…撮影光学系(撮影レンズ)
15…撮像ユニット(撮像手段)
16…画像信号処理回路(調整手段)
16a…デジタルゲイン回路(第1の調整手段)(第2の調整手段)
27…撮像素子(撮像手段)
29…CCDインターフェイス回路(変換手段)
41…ボディ制御用マイクロコンピュータ(判定手段)(撮像制御手段)
41a…ROM(記憶手段)
66…測光センサ(測光手段)
68…カメラ操作スイッチ(設定手段)
69…不揮発性メモリ(EEPROM)(記憶手段)
90…ROM(記憶手段)
Claims (2)
- 被写体輝度を測定する測光手段と、
被写体を撮像し、該撮像した被写体の像信号を出力する撮像手段と、
上記測光手段からの上記被写体輝度情報に基づいて、上記撮像手段の撮像動作を制御する撮像制御手段と、
上記撮像手段から出力された上記被写体像信号を、R、G、B色成分のデジタル画像データに変換する変換手段と、
上記変換手段で変換された上記デジタル画像データに基づいて、環境照明光の色温度を判定する判定手段と、
少なくとも上記判定手段により判定された上記色温度に基づいて、上記デジタル画像データの明るさ調整及びホワイトバランス調整を行う調整手段と、
を具備し、
上記調整手段は、上記色温度に応じた露出補正用の第1のゲインとホワイトバランス調整用のR色成分に対応する第2のゲインとの積により、上記デジタル画像データのR色成分を補正し、上記第1のゲインとホワイトバランス調整用のB色成分に対応する第3のゲインとの積により、上記デジタル画像データのB色成分を補正し、上記第1のゲインによりデジタル変換されたG色成分を補正して明るさ調整及びホワイトバランス調整を行うことを特徴とするデジタルカメラ。 - さらに上記色温度を手動で設定することが可能な設定手段を有し、
上記調整手段は、上記判定手段により上記デジタル画像データに基づき判定される上記色温度と、上記設定手段により手動で設定される上記色温度とのいずれか一方を用いて、明るさ調整及びホワイトバランス調整を行うことを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
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