JP4412450B2 - 反射防止フィルター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撥水撥油性、離型性、耐薬品性、潤滑性などに優れ、かつ耐久性、防汚性、特に指紋拭き取り性に優れた新規なパーフルオロポリエーテル変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物を主成分とする表面処理剤の硬化皮膜からなる防汚層を有する反射防止フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にパーフルオロポリエーテル基含有化合物は、その表面エネルギーが非常に小さいために、撥水撥油性・耐薬品性・潤滑性・離型性・防汚性などを有する。その性質を利用して、工業的には紙・繊維などの撥水撥油防汚剤、磁気記録媒体の滑剤、精密機器の防油剤、離型剤、化粧料、保護膜などに幅広く利用されている。
【0003】
しかし、その性質は同時に他の基材に対する非粘着性、非密着性があることを示しており、基材表面に塗布することはできても、被膜を形成し密着させることは困難であった。
【0004】
一方、ガラスや布などの基材表面と有機化合物とを結合させるものとしては、シランカップリング剤が良く知られている。シランカップリング剤は、1分子中に有機官能基と反応性シリル基(一般にはアルコキシシリル基)を有する。アルコキシシリル基は、空気中の水分などによって自己縮合反応をおこしてシロキサンとなり被膜を形成する。それと同時に、ガラスや金属などの表面と化学的・物理的に結合することによって、耐久性を有する強固な被膜となる。シランカップリング剤はこの性質を利用して各種基材表面のコーティング剤として幅広く利用されている。
【0005】
これらの特徴を生かしたものとして、特開昭58−167597号公報では、下記式(2)
【化3】
(式中、R1、R2は炭素数1〜4のアルキル基、Q1はCH2CH2CH2又は
CH2CH2NHCH2CH2CH2、hは1〜4の整数、iは2又は3である。)で示されるフルオロアミノシラン化合物が開示されている。しかしながら、この化合物は、パーフルオロポリエーテル基の部分が、ヘキサフルオロプロピレンオキサイド(HFPO)の2〜5量体と短いため、上記パーフルオロポリエーテル基の持つ特徴を十分に出すことができなかった。
【0006】
また、特開昭58−122979号公報では、ガラス表面の撥水撥油剤として下記式(3)
【化4】
(式中、Rf1は炭素数1〜20個のポリフルオロアルキル基であってエーテル結合を1個以上含んでもよい。R3は水素原子又は低級アルキル基、Aはアルキレン基、X1は−CON(R4)−Q−又はSO2N(R4)−Q−(但し、R4は低級アルキル基、Qは2価の有機基を示す)、Zは低級アルキル基、Yはハロゲン、アルコキシ基又はR5COO−(但し、R5は水素原子又は低級アルキル基を示す)、sは0又は1の整数、tは1〜3の整数、uは0又は1〜2の整数を示す。)
で示される化合物が提示されているが、この場合も含フッ素基の部分の炭素数が1〜20個と少なく、十分な効果が得られていない。
【0007】
特に最近では、建築物の高層化に伴い窓ガラスをメンテナンスフリー化することや、外観や視認性をよくするためにディスプレイの表面に指紋が付きにくくするなど「汚れにくくする」技術や、「汚れを落とし易くする」技術に対する要求は年々高まってきており、これらの要求に応えることのできる材料の開発が望まれていた。
【0008】
上記パーフルオロポリエーテル基含有化合物及びシランカップリング剤の特性を活かし、基材表面に強固な被膜を形成し、撥水撥油性、防汚性、耐薬品性、潤滑性、離型性等に優れた表面処理剤として、下記式(4)で表される含フッ素シラン化合物を防汚層に用いたレンズが知られている(特開平9−258003号公報)。
【0009】
【化5】
(式中、Rf’は炭素数1〜16の直鎖状又は分岐状パーフルオロアルキル基、X’はヨウ素又は水素、Y1は水素又は低級アルキル基、Z1はフッ素又はトリフルオロメチル基、R12は加水分解可能な基、R13は水素又は不活性な一価の有機基、c’、d’及びf’は0〜200の整数、g’は0又は1、p’及びq’は0〜2の整数、k’は1〜10の整数を示す。)
【0010】
しかし、上記一般式(4)で表される含フッ素シラン化合物は、1分子中の加水分解性基の含有割合は比較的多いものの、片末端にしか存在しないことから、特に基材への密着性が不十分で耐久性の点で問題があり、レンズの表面処理剤として利用した場合には、所望の性能を長期間にわたって持続させ得るものではなく適切なものとはいえなかった。
【0011】
また、視認装置等の表面に設けられることが一般的な反射防止膜にあっては、手垢や指紋、汗や唾液、整髪料等の汚染物が付着し易く、その付着で表面反射率が変化したり、付着物が白く浮き出て見えて表示内容が不鮮明になるなど、単なる透明板等の場合に比べて汚染が目立ち易いという難点があるため、かかる汚染物の付着防止性や付着汚染の除去性に優れる反射防止膜の提供が久しい課題となっている。
【0012】
従来、耐汚染性の向上等を目的とした反射防止膜としては、PVD法により形成した二酸化ケイ素を主成分とする表面層を有する単層又は多層の無機物層からなる反射防止層の表面に、有機ポリシロキサン系重合物又はパーフルオロアルキル基含有重合物からなる硬化層を有するものが知られていた(特公平6−5324号公報)。
【0013】
しかしながら、手垢や指紋等の人体的汚染が付着した場合に、ティッシュペーパーなどで拭き取ることが困難で、汚染が薄膜に押し拡げられ、強く擦ると反射防止膜が傷付くため、満足できる除去を達成できないという問題点があった。
【0014】
一般に、パーフルオロポリエーテル基含有化合物は、前述の特徴を有するもので、これらの特徴を生かしたものとして、特開平11−29585号公報では、下記式(5)で示されるパーフルオロポリエーテル変性アミノシランを防汚層に用いた反射防止膜が開示されている。しかし、この反射防止膜は、撥水撥油性、防汚性、耐薬品性、潤滑性、離型性等に優れているものの、防汚層に用いたパーフルオロポリエーテル変性アミノシランの分子中に水との親和性の高いアミド基等の極性基を含有しており、また、1分子中の加水分解性基の割合(重量%)が少ないため、硬化までに時間を要することや、基材への密着性の点などの問題点を有し、表面処理剤として利用する上で更に十分な性能を与えることが望まれた。
【化6】
(式中、X3は加水分解性基、R6は低級アルキル基、R7は水素原子又は低級アルキル基、Q2はCH2CH2CH2又はCH2CH2NHCH2CH2CH2、dは6〜50の整数、eは2又は3、b及びcはそれぞれ1〜3の整数。)
【0015】
また、特開平2001−188102号公報では、下記式(6)で示されるパーフルオロポリエーテル基含有シランカップリング剤を防汚層に用いた反射防止フィルムが開示されており、この防汚層に用いられるパーフルオロポリエーテル基含有シランカップリング剤は、極性基は含有していないものの、1分子中の加水分解性基の割合が十分とは言えず、硬化までに時間を要することや、基材への密着性が劣るなど、表面処理剤として利用する上で十分な性能を有しているとは言えなかった。
【化7】
(但し、Rf2は炭素数1〜16の直鎖状又は分岐状パーフルオロアルキル基、Rは炭素数1〜10のアルキル基、kは1〜50の整数、rは0〜6の整数、jは0〜3の整数、iは0〜3の整数であるが、0<j+i≦6である。)
【0016】
よって、汚染が付着しにくく、かつ汚染が付着した場合にもその汚染が目立ちにくいと共に、手垢や指紋などの人体的汚染も含めて付着した汚染をティッシュペーパー等で容易に拭き取り除去でき、その拭き取り操作で傷付きにくくて、水滴等の付着は容易に振り落とすことができ、しかもかかる耐汚染性や易拭き取り除去性、耐擦傷性や撥水性等の性能を長期に持続する反射防止フィルターの開発が望まれていた。
【0017】
【特許文献1】
特開昭58−167597号公報
【特許文献2】
特開昭58−122979号公報
【特許文献3】
特開平9−258003号公報
【特許文献4】
特公平6−5324号公報
【特許文献5】
特開平11−29585号公報
【特許文献6】
特開平2001−188102号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、上記要望に応えるべく、撥水撥油性、離型性、耐薬品性、潤滑性などに優れ、かつ耐久性、防汚性、特に指紋拭き取り性に優れた新規なパーフルオロポリエーテル変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物を主成分とする表面処理剤の硬化皮膜からなる防汚層を表面に有する反射防止フィルターを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記要望に応えるために鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)
【化8】
(式中、Rfは二価の直鎖型パーフルオロポリエーテル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基、Xは加水分解性基、nは0〜2、mは1〜5の整数、aは2又は3である。)
で表される新規なパーフルオロポリエーテル変性シランが、撥水撥油性、離型性、耐薬品性、潤滑性、耐久性、防汚性、特に指紋拭き取り性に優れており、表面処理剤として利用でき、反射防止フィルターの表面に硬化膜を形成することに適していることを知見し、本発明をなすに至った。
【0020】
また、二酸化ケイ素系無機層を有する無機系反射防止層の表面層上に防汚層を形成すること、この場合、上記式(1)のシランを用いるなどして、防汚層を、オレイン酸に対する転落角が5°以下であり、且つ、溶剤洗浄前の転落角に対する溶剤洗浄後の転落角の変化率が10%以下のものとすることで、表面エネルギーが小さく、汚染物質の付着力が小さい上に、その効果が持続し、また、指紋、皮脂、汗、化粧品などの汚染物質の付着を防止し、また、付着しても容易に拭き取れるようになり、擦過による防汚層の機能低下が少なく、反射防止層表面に傷が付き難く、傷をきっかけとした反射防止層の剥離を防ぐことができる反射防止フィルターが得られることを知見し、本発明をなすに至った。
【0021】
従って、本発明は、上記一般式(1)のパーフルオロポリエーテル変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物を主成分とする表面処理剤の硬化皮膜からなる防汚層を、二酸化ケイ素系無機層を有する無機系反射防止層の表面層上に、オレイン酸に対する転落角が5°以下であり、且つ、溶剤洗浄前の転落角に対する溶剤洗浄後の転落角の変化率が10%以下であるよう形成したことを特徴とする反射防止フィルターを提供する。
【0022】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のパーフルオロポリエーテル変性シランは、下記一般式(1)で示されるものである。
【0023】
【化9】
(式中、Rfは二価の直鎖型パーフルオロポリエーテル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基、Xは加水分解性基、nは0〜2、mは1〜5の整数、aは2又は3である。)
【0024】
ここで、Rfは、二価の直鎖型パーフルオロポリエーテル基であり、各種鎖長のパーフルオロポリエーテル基が含まれるが、好ましくは炭素数1〜4程度のパーフルオロポリエーテル基を繰返し単位とする二価の直鎖型パーフルオロポリエーテルである。この二価の直鎖型パーフルオロポリエーテルとしては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
−CF2CF2O(CF2CF2CF2O)kCF2CF2−
−CF2(OC2F4)p−(OCF2)q−
上記化学構造式中のk、p及びqはそれぞれ1以上の整数を示す。具体的には1〜50、より好ましくは10〜40の範囲が好ましい。
なお、パーフルオロポリエーテルの分子構造は、これら例示したものに限定されるものではない。
【0025】
Xは加水分解性基を表す。その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基などのアルコキシアルコキシ基、アセトキシ基などのアシロキシ基、イソプロペノキシ基などのアルケニルオキシ基、クロル基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲン基などが挙げられる。中でもアルコキシ基、アルケニルオキシ基等のオルガノオキシ基、クロル基が好ましく、特にメトキシ基、エトキシ基、イソプロペノキシ基、クロル基が好ましい。
【0026】
Rは、炭素数1〜4の低級アルキル基又はフェニル基で、具体的にはメチル基、エチル基、フェニル基などであり、中でもメチル基が好適である。
nは0〜2の整数であり、1が好ましい。また、mは1〜5の整数であり、3が好ましい。aは2又は3であり、反応性、基材に対する密着性の観点から、3が好ましい。
【0027】
本発明のパーフルオロポリエーテル変性シラン化合物の分子量は、特に制限されないが、安定性、取扱い易さ等の点から、数平均分子量で500〜2万、好ましくは1000〜1万のものが適当である。
【0028】
上記パーフルオロポリエーテル変性シランの具体例としては、例えば、下記構造式で示されるものが挙げられる。但し、下記例示に限定されるものではない。
【0029】
【化10】
(上記式中、Lは1〜50、pは1〜50、qは1〜50、p+qの和は10〜100の整数であり、式中の繰り返し単位の配列はランダムである。)
これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
【0030】
本発明のパーフルオロポリエーテル変性シランの製造方法としては、例えば、両末端にα−不飽和結合を含有するパーフルオロポリエーテルに加水分解性基を有するヒドロシランを、白金系触媒を用いたヒドロシリル化の常法より付加させる方法がある。
【0031】
【化11】
(式中、Rf、R、X、n、m及びaは前記と同じである。)
【0032】
ここで、上記両末端にα−不飽和結合を含有するパーフルオロポリエーテルの合成方法としては、下記式(7)で表される両末端アルコール変性パーフルオロポリエーテルを、K、Na、Li等のアルカリ金属、KOH、NaOH、LiOH等のアルカリ金属水酸化物と反応させて、式(8)で表される両末端アルコラート変性パーフルオロポリエーテルを生成させ、次にこの両末端アルコラート変性パーフルオロポリエーテルをα−不飽和結合含有ハロゲン化物と反応させることにより得られる。
Rf[(CH2)n−OH]2 (7)
Rf[(CH2)n−OM]2 (8)
(式中、nは前記と同じ、Mはアルカリ金属である。)
【0033】
本発明のパーフルオロポリエーテル変性シランは、分子中に特性面ではマイナス要因となり得る極性基を全く含まないことから、撥水撥油性、防汚性、耐薬品性、潤滑性、離型性等に優れており、各種基材表面にコーティングすることにより表面処理剤として利用することができる。また、分子の両末端に加水分解性のシリル基等の加水分解性基を少なくとも2個ずつ有しており、両末端が基材に強固に密着しているため、その効果を長期間持続させることができる。
【0034】
この機能を利用した応用例として、次のようなものが挙げられる。
撥水撥油剤…紙・布・金属・ガラス・プラスチック・セラミックなど、
離型剤…粘着テープ用・樹脂成形用金型・ロール用など、
防汚加工剤…紙・布・金属・ガラス・プラスチック・セラミックなど、
その他…塗料添加剤、樹脂改質剤、無機質充填材の流動性・分散性を改質、テープ・フィルムなどの潤滑性の向上など。
【0035】
本発明のパーフルオロポリエーテル変性シランは、表面処理剤として好適に用いられ、反射防止フィルターの表面に硬化被膜を形成することができる。本発明の表面処理剤は、本発明の式(1)に示すパーフルオロポリエーテル変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物を主成分とする。
【0036】
この表面処理剤には、必要に応じてオルガノオキシシラン加水分解縮合触媒を添加してもよい。オルガノオキシシラン加水分解縮合触媒としては、ジブチル錫ジメトキシド、ジラウリン酸ジブチル錫などの有機錫化合物、テトラn−ブチルチタネートなどの有機チタン化合物、酢酸、メタンスルホン酸などの有機酸、塩酸、硫酸などの無機酸が挙げられる。特に酢酸、テトラn−ブチルチタネート、ジラウリン酸ジブチル錫などが好ましい。添加量は通常の触媒量であり、パーフルオロポリエーテル変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、特に0.1〜1重量部が好ましい。
【0037】
また、本発明の処理剤は、パーフルオロポリエーテル変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物をそのまま使用してもよいが、適当な溶剤で希釈して用いてもよい。溶剤は2種以上の混合溶剤でもよく、パーフルオロポリエーテル変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物を、均一に溶解させるものが望ましい。
【0038】
溶剤としては、パーフルオロヘプタン、パーフルオロオクタンなどのフッ素変性脂肪族炭化水素系溶剤、m−キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライドなどのフッ素変性芳香族炭化水素系溶剤、メチルパーフルオロブチルエーテル、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)などのフッ素変性エーテル系溶剤、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリペンチルアミンなどのフッ素変性アルキルアミン系溶剤、石油ベンジン、ミネラルスピリッツ、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤が挙げられる。溶解性、濡れ性などの点で、フッ素変性された溶剤が好ましく、特に、m−キシレンヘキサフロライド、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、パーフルオロトリブチルアミンが好ましい。
【0039】
被膜を形成する方法としては、刷毛塗り、ディッピング、スプレー、蒸着処理など公知の方法で処理できる。処理温度は、処理方法によって最適な温度は異なるが、例えば刷毛塗りやディッピングの場合は、室温から120℃の範囲が好ましい。処理湿度は、加湿下で行うことが反応を促進する上で好ましいが、使用するシラン化合物や他の添加剤によってその都度最適化することが好ましい。
【0040】
被膜を形成する基材としては、紙、布、金属及びその酸化物、ガラス、プラスチック、陶磁器、セラミックなど各種材質のものを用いることができる。
【0041】
ここで、硬化被膜を表面に形成する物品としては、めがねレンズ、反射防止フィルターなど光学部材(指紋、皮脂付着防止コーティング)、浴槽、洗面台のようなサニタリー製品(撥水、防汚コーティング)、自動車、電車、航空機などの窓ガラス、ヘッドランプカバーなど(防汚コーティング)、外壁用建材(撥水、防汚コーティング)、台所用建材(油汚れ防止用コーティング)、電話ボックス(撥水、防汚及び貼り紙防止コーティング)、美術品など(撥水・撥油性、及び指紋付着防止付与のコーティング)、コンパクトディスク、DVD(指紋付着防止コーティング)などが好ましい。特に、レンズ、フィルターなどの光学部材に被膜を形成し、反射防止性、防汚性などを付与するには本発明の表面処理剤は好適である。
【0042】
本発明は、更に反射防止フィルター、特に上記式(1)のパーフルオロポリエーテル変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物の硬化被膜を表面に有する反射防止フィルターを提供する。この場合、本発明の反射防止フィルターは、表面層として二酸化ケイ素系無機層を有する反射防止層の表面に防汚層を形成したもので、前記防汚層として、オレイン酸に対する転落角が5°以下であり、且つ、溶剤洗浄前の転落角に対する溶剤洗浄後の転落角の変化率が10%以下であるものを使用することを特徴とする。
【0043】
ここで、防汚層は、オレイン酸に対する転落角が5°以下、好ましくは3°以下であり、且つ、溶剤洗浄前の転落角に対する溶剤洗浄後の転落角の変化率が10%以下、好ましくは5%以下である。オレイン酸に対する転落角が5°より大きいと、汚染防止性に乏しく、特に指紋等が付着し易く、また汚染の拭き取り性に乏しくなり、また拭き取りの際の表面での滑り性に乏しい場合がある。
【0044】
溶剤洗浄前の転落角Aに対する溶剤洗浄後の転落角Bの変化率[(B−A)/A]×100が10%を超えると、汚染防止性及び指紋拭き取り性に関して、耐久性に乏しい場合がある。なお、オレイン酸に対する転落角は、通常用いられる接触角計で測定する。また、溶剤洗浄は、該当溶剤中に5分間浸漬後、軽く掛流す方法で行ない、溶剤は通常の洗浄で用いられるものでよく、例えば、HCFC−225、ノナフルオロブチルメチルエーテル等が挙げられる。
【0045】
また、防汚層の粘着テープに対する接着力及び溶剤洗浄後の防汚層の粘着テープに対する接着力がそれぞれそれぞれ0.2N/19mm以下であることが好ましい。防汚層の粘着テープに対する接着力が0.2N/19mmより大きいと、指紋拭き取り性に乏しい場合がある。防汚層の粘着テープに対する接着力は、防汚層表面にポリエステル粘着テープで、引張試験機を用いて180°の角度で剥離速度300mm/minで測定する。
【0046】
この場合、防汚層は、パーフルオロポリエーテル変性シランを用いて形成されることが好ましく、特に前述と同様の下記一般式(1)で示されるパーフルオロポリエーテル変性シラン又はその部分加水分解物の硬化皮膜が好ましい。
【化12】
(式中、Rfは二価の直鎖型パーフルオロポリエーテル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基、Xは加水分解性基、nは0〜2、mは1〜5の整数、aは2又は3である。)
【0047】
防汚層を形成する方法としては、刷毛塗り、ディッピング、スプレー、蒸着処理など公知の方法の処理が挙げられる。処理温度は、処理方法によって最適な温度は異なり、例えば刷毛塗りやディッピングの場合は、室温から120℃の範囲が好ましい。処理湿度は、加湿下で行うことが反応を促進する上で好ましいが、使用するシラン化合物や他の添加剤によって処理条件は異なるため、その都度最適化することが好ましい。
【0048】
この様な塗布作業において、パーフルオロポリエーテル変性シランをそのまま使用してもよいが、適当な溶剤で希釈して用いてもよい。溶剤は2種以上の混合溶媒でもよく、パーフルオロポリエーテル変性シランを均一に溶解させるものが好ましい。
【0049】
溶剤としては、上記した溶剤と同様のものを使用することができる。また、更に必要に応じて、上記したものと同様のオルガノオキシシラン加水分解縮合触媒を添加してもよい。
【0050】
なお、防汚層の膜厚は、適宜選定されるが、通常0.1nm〜5μm、特に1〜100nmが好ましい。
【0051】
本発明の反射防止フィルターは、表面層として二酸化ケイ素系無機層を有する無機系反射防止層の表面層上に上記のように防汚層を形成する反射防止フィルターであるが、この場合、無機系反射防止層は、支持基材上に直接又はハードコート層等の中間層を介して設けることが好ましい。図1,2は、これを示すもので、図中1は支持基材、2は中間層、3は無機系反射防止層、4は防汚層である。
【0052】
ここで、無機系反射防止層は、実質的な反射防止機能を担う部分であり、本発明においては、単層構造又は複層構造の適宜な構造とすることができるが、反射防止膜の表面層は二酸化ケイ素系無機層である。
【0053】
従って、無機系反射防止層としては、例えば特開昭58−46301号公報、特開昭59−49501号公報や特開昭58−50401号公報、特開平1−294709号公報や特公平6−5324号公報などに基く従来技術の如く、従来に準じた構造の反射防止層として形成することができる。
【0054】
反射防止層は、反射防止効果等の点より、複層構造とすることが好ましく、特に、表面層の二酸化ケイ素系無機層よりも高い屈折率の層を1層又は2層以上内在させた複層構造とすることが好ましい。その場合、各層の厚さや屈折率の設定等については、公知技術に準じることができる。
【0055】
無機系反射防止層の形成には、無機酸化物、無機ハロゲン化物、それらの複合物等よりなる無機物を用いることができる。その具体例としては、SiO2、ZrO2、Al2O3、Y2O3、TiO2等の無機酸化物、MgF2、BaF2、CaF2、LaF2、LiF、NaF、SrF2等の無機ハロゲン化物などが代表例として挙げられる。
【0056】
反射防止層を形成する無機物は、下記の形成方法などに応じてその1種又は2種以上が固体物、あるいはバインダー用ポリマー等と混合した分散液などの適宜の状態で用いられるが、その場合、無機物を30重量%以上含有する組成で用いることが、硬度や耐汚染性などの点より好ましい。なお、バインダー用ポリマーとしては、適宜のポリマーを用いることができ、特に限定はないが、硬度等の点より、ポリオルガノシロキサンを形成しうる各種の有機ケイ素化合物やその加水分解物などが好ましい。
【0057】
無機系反射防止層の形成は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等で代表される各種のPVD(Phisical Vapor Deposition)法、あるいはスピンコート法、浸漬コート法、カーテンフローコート法、ロールコート法、スプレーコート法、流し塗り法等で代表される流体塗布法などの適宜な薄膜形成法にて行うことができる。
【0058】
PVD法には、上記に例示したSiO2等の無機酸化物やMgF2等の無機ハロゲン化物などが好ましく用いられ、特に表面層となる二酸化ケイ素系無機層は、表面硬度の高さや防汚層の密着性などの点より、PVD法により二酸化ケイ素を主成分として含有する層に形成したものが好ましい。
【0059】
また、無機系反射防止層には、帯電によるゴミ等の付着を防止するために静電気の除去効果や電磁波のシールド効果も発揮する導電層を含ませてもよい。かかる導電層は、例えば金、銀、アルミニウム等の金属薄膜、酸化スズ、酸化インジウム、それらの混合物(ITO)等の無機酸化物薄膜などからなる透明導電膜として形成される。可視領域では、光の吸収が極めて少ない無機酸化物系の透明導電膜が特に好ましい。
【0060】
一方、支持基材としては適宜なものを用いてよく、特に限定はないが、液状コーティング法等で反射防止膜を形成する場合などには、ガラスやプラスチックからなる支持基材が好ましく用いられる。なお、図では、支持基材1の片面に無機系反射防止層3を設けてなる反射防止フィルターを例示したが、支持基材1の片面又は両面に無機系反射防止層3を設けてもよい。
【0061】
支持基材がガラス基材の場合には、反射防止層にMgF2やCaF2等の低屈折率を示すものを含ませることが、高い反射効果を得る点などより好ましい。またプラスチック基材の場合には、反射防止層にSiO2のような屈折率が比較的低くて硬度の高いものを含ませることが、耐久性などの点より好ましい。プラスチックの例としては、例えば、アクリル系樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレートや不飽和ポリエステル等のポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース等のアセテート系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などが挙げられる。
【0062】
支持基材は、フィルム、シート及び板等の適宜な形態を有するものであってよく、その厚さは任意である。また支持基材は、中間層としてハードコート層を有するものであってもよい。この場合には、図2に例示のように、反射防止層3と支持基材1の間にハードコート層2を有する形態の反射防止フィルターとなる。
【0063】
ハードコート層も従来に準じて形成することができる。例えば、有機ケイ素化合物、特に下記一般式(9)で示される有機ケイ素化合物やその部分加水分解縮合物の硬化物からなるハードコート層が好ましい。
R9 fR10 gSi(OR11)4-f-g (9)
(式中、R9、R10はアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はハロゲン基、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基、メタクリルオキシ基、シアノ基等を有する炭化水素基などであり、R11は炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシアルキル基、アシル基、又はアリール基などである。f、gは0又は1であり、f+gは、0,1又は2である。)
【0064】
ハードコート層は、例えばゾル−ゲル法などにより平均粒径が0.5〜5μmのシリカや金属酸化物などの微粒子を含有させる方法、あるいはバフ、コロナ放電、イオンエッチングの如き適宜な方法で、中心線平均粗さが0.01〜0.5μmの凹凸表面とする方式などにより、防眩機能を有するものとして付設することもできる。
【0065】
更に、支持基材は、中間層として、ハードコート層に代えて、あるいはハードコート層と共に、例えば反射防止膜の密着性、硬度や耐薬品性、耐久性や染色性等の向上などを目的に、適宜なコート層を有したり、表面処理されたものなどであってもよい。
【0066】
なお、硬度の向上には、特公昭50−28092号公報、特公昭50−28446号公報、特公昭50−39449号公報、特公昭51−24368号公報、特公昭57−2735号公報や特開昭52−112698号公報などに記載された高硬度化用の適宜な材料を用いうる。また、チタン、アルミニウム、スズ等の金属又はケイ素の酸化物をコーティングする方法や、(メタ)アクリル酸のペンタエリトリトール等による架橋体などのアクリル系架橋体の付設なども硬度の向上に有効である。
【0067】
【実施例】
以下、合成例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において部は重量部を示す。
【0068】
[合成例]
下記式(10)で表される両末端にα−不飽和結合を有するパーフルオロポリエーテル160g、メタキシレンヘキサフロライド80gと塩化白金酸をCH2=CH−Si(CH3)2OSi(CH3)2−CH=CH2で変性した触媒0.1gに70℃乾燥エアー雰囲気下でトリメトキシシラン15gを滴下し、8時間撹拌反応させた後、溶媒を留去したところ、下記式(11)で示される無色透明の液体165g(粘度:45.5cSt、比重:1.730、屈折率:1.305)が得られた。
【化13】
【0069】
[実施例1]
PETフィルム(厚さ:100μm)基材上に、シリカゾル135重量部、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン129重量部の加水分解物、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン70重量部の加水分解物を主としてなるエタノール溶液に塗布、硬化して、厚さ3μmのハードコート層を形成した。その上にスパッタリング方式で、SiO2層、TiO2層、SiO2層、TiO2層、SiO2層の5層をそれぞれλ/4光学膜厚で順次積層して反射防止層を付設した。
次に合成例で得られた上記式(11)で表される化合物1のパーフルオロエーテル変性シラン0.2gをパーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)99.8gに溶解させ、コーティング溶液を調製した。この処理液を前記の反射防止層にスピンコート法で塗工し、25℃、湿度70%の雰囲気下で24時間放置して硬化させ防汚層を形成させた。この試料片を用いて、下記(1)〜(3)の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0070】
(1)表面特性の評価
▲1▼転落角
接触角計(協和界面科学社製CA−A型)を用いて、直径2mmの大きさからなるオレイン酸液滴の防汚層に対する転落角を測定した。表面上の異なる5ヶ所にて測定を行ない、その平均値で示した。
▲2▼接着力
防汚層表面にポリエステル粘着テープ(日東電工社製No.31B、幅19mm)を貼り、その接着力を測定した。測定は引張試験機を用いて180°の角度で剥離速度300mm/minで行った。
(2)被膜の耐久性の評価
試料片をフッ素系溶剤(旭ガラス社製AK−225)に5分間浸漬後取出し乾燥したのち、上記測定▲1▼及び▲2▼で示した方法で転落角及び接着力を測定して耐久性の評価とした。
(3)防汚性の評価
防汚層表面に人差し指を5秒間押し当てて指紋を付着させた後、その指紋を乾いた布で拭き取った時の指紋の拭き取り易さを評価した。以下の評価基準により、被験者5人の平均をその評価とした。
指紋の拭き取り易さ
○:指紋を軽く拭き取ることができる
△:指紋は拭き取りにくいが跡は残らない
×:指紋は拭き取りにくく跡も残る
【0071】
[比較例1〜3]
実施例で用いた化合物1のパーフルオロポリエーテル変性シランのかわりに、下記化合物2〜4を用いた他は、実施例と同様の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
【0072】
【化14】
【0073】
【表1】
【0074】
実施例は、比較例以上の表面特性を有し、かつ、耐久性、指紋拭き取り性に優れている。
【0075】
【発明の効果】
本発明におけるパーフルオロポリエーテル変性シランは、分子中に特性面ではマイナス要因となり得る極性基を含まないことから、撥水撥油性、離型性、耐薬品性、潤滑性、耐久性、防汚性、指紋拭き取り性に優れており、各種基材表面にコーティングする表面処理剤として利用することができ、硬化被膜を表面に形成した反射防止フィルターに応用することができる。また、本発明の反射防止フィルターは、汚れにくく、その汚れを拭き取り易く、表面の滑り性が良好で傷付きにくく、それらの性能を長期にするなどの特徴を有して、例えばLCD等の各種の視認装置類や偏光板等の各種の光学素子類に用いることができる。
【0076】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る反射防止フィルターの一例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る反射防止フィルターの他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 支持基材
2 中間層
3 無機系反射防止層
4 防汚層
Claims (4)
- 上記一般式(1)の加水分解性基Xがオルガノオキシ基であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルター。
- 請求項1又は2に記載の反射防止フィルターであって、該防汚層として、オレイン酸に対する転落角が5°以下であり、且つ、溶剤洗浄前の転落角に対する溶剤洗浄後の転落角の変化率が10%以下であるものを使用することを特徴とする反射防止フィルター。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射フィルターであって、該防汚層として、粘着テープに対する接着力及び溶剤洗浄後の防汚層の粘着テープに対する接着力がそれぞれ0.2N/19mm以下であるものを使用することを特徴とする反射防止フィルター。
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