JP4409165B2 - Microwave dielectric ceramic composition and microwave dielectric ceramic composition for substrate - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板用マイクロ波誘電体磁器組成物に関し、特にQ値が高く且つ誘電率が低い基板用マイクロ波誘電体磁器組成物に関する。本発明の基板用マイクロ波誘電体磁器組成物は、マイクロ波帯域等で作動する誘電体共振器、誘電体基板および高Q・低誘電率セラミックス部材、高周波数のマイクロ波デバイス等に広く利用される。
【0002】
【従来の技術】
この種の誘電体材料は、情報通信技術の発展により、通信回路の特性を決定する重要な材料である。比誘電率εr(以下、単にεrとする。)が100近傍の材料は、その波長短縮効果により携帯電話等の携帯情報端末の小型化に大きく貢献し、εrが40程度の誘電体材料は主として基地局に用いられており、このような情報通信の背景から、誘電体材料の開発は比較的高いεrを有する材料を中心に共振周波数の温度係数τfの0ppm/℃化、Q・f値の向上が行われてきている。また近年では、情報通信の大情報量化・高速通信化が急速に進んでおり、高速無線LAN等に代表される高速・大容量通信を目的とした電子部品やシステムの開発が進められ、積極的にミリ波が活用されている。そして高いQ・f値を有する誘電体磁器組成物は、共振器・フィルター、集積回路基板や積層化のためのLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)低温同時焼成基板等への用途が期待されている。一般に高周波回路では、基板上の導体パターンが分布定数回路として機能するため、誘電体材料の特性が重要である。特にミリ波帯では、比誘電率(εr)が高すぎると伝送遅延やインピーダンス不整合等の弊害が生じやすく、誘電損失(tanδ=1/Q: Q値の逆数)は、周波数の増加に比例して増加するため、回路上の損失を抑えるには、低損失な誘電体材料すなわち高いQ・f値を持つ材料が必要となる。このため、高周波帯で作動する共振器やフィルターに対し、高Q・低誘電率の誘電体材料が求められる。さらにミリ波用モジュールの小型・高性能化のためには、銀(融点約960℃)や銅(融点約1080℃)を電極としたフィルターやインダクタを積層化する必要があり、このため低温同時焼成可能な高Q材料が求められる。しかしながら、現段階では、アルミナに匹敵あるいはそれ以上に高いQ・f値を持つ高Q・低誘電率材料および先述した低温焼成が可能な高Q・LTCC材料の開発が遅れているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、高周波数化に伴う誘電体材料のQの低下が高周波デバイスを構築する上での障害であり、現状のアルミナ以上の高Qを有する新規の高Q・低誘電率材料の開発が求められている。しかしながら、現時点でアルミナに匹敵する特性を有する材料は見出されていない。更に、アルミナは、硬い材料であるので、加工が難しいという問題がある。また、情報通信の高度化のためには素子の高性能化が要求される為、積層化が可能な高Q・LTCC材料が必要である。
【0004】
本発明は、上記必要性を鑑みてなされたものであり、高周波数化に対応可能なアルミナと同程度のQ・f値を有し、更に、加工性が優れた基板用マイクロ波誘電体磁器組成物を供給することを目的とする。
また、本発明は、高いQ・f値を保持しつつ低温焼成可能な磁器組成物及び当該磁器組成物を用いた高Q・LTCC材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の基板用マイクロ波誘電体磁器組成物は、Mg4Nb2O9 で示される組成物がアルミナと同様のコランダム型結晶構造となる。そこで、このMg4Nb2O9のMg及び/又はNbの一部又は全部が置換された固溶体を誘電体磁器組成物として用いると、優れたQ値をとることができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
本発明のマイクロ波誘電体磁器組成物は、組成式(Mg4-xAx)(Nb2-yDy)O9の組成から成る固溶体(但し、Aは固溶体としてMgと置換可能な金属元素、Dは、Ta及びVのうちの少なくとも1種、0≦x≦2、0≦y≦2)を主成分とすることを特徴とする。
また、上記AはNi及びZnのうちの少なくとも1種とすることができる。更に、上記Dは、Taとすることができる。また、上記yは2とすることができる。また、上記xは0とすることができる。
他の本発明の誘電体磁器組成物は、それぞれ加熱することにより酸化物となるMg化合物粉末、A化合物粉末(但し、Aは上記組成式(Mg4-xAx)(Nb2-yDy)O9の固溶体としてMgと置換可能な金属元素)、並びにNb化合物粉末及び/又はD化合物粉末(但し、Dは、Ta及びVのうちの少なくとも1種)を該組成式のそれぞれの金属元素が該組成式のモル比となるように混合し、その後、焼成して得られることを特徴とする。また、上記Dは、Taとすることができる。更に、上記yは2とすることができる。また、上記xは0とすることができる。
更に、比誘電率εrは8〜15とすることができる。更にQ・f値は1.0×105GHz以上とすることができる。
また、本発明の基板用誘電体磁器組成物は、上記誘電体磁器組成物を基板用に用いたものであることを特徴とする。
【0007】
【発明の効果】
本発明は、上記所定の組成式の固溶体を有するので、比誘電率が低く、且つQ・f値が高い、マイクロ波誘電体磁器組成物(以下、単に、誘電体磁器組成物という。)が得られる。これにより、誘電損失が小さい誘電体磁器組成物が得られる。また、この固溶体は、アルミナよりも軟らかいので、アルミナよりも加工性が優れている。更に、このD元素をTaとした場合は、よりQ・f値が高い誘電体磁器組成物が得られる。また、上記AはNi及びZnのうちの少なくとも1種とした場合は、よりQ・f値が優れた誘電体磁器組成物が得られる。更に、上記yを2とした場合は、更にQ・f値が優れた誘電体磁器組成物が得られる。上記xを0とした場合は、より更にQ・f値が優れ、アルミナと同様な誘電特性を有する誘電体磁器組成物が得られる。また、εrが8〜15である場合は、基板に用いるのに適した誘電体磁器組成物が得られる。更に、Q・f値が2.0×104以上である場合は、基板に用いるのに適した誘電体磁器組成物が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の誘電体磁器組成物は、組成式(Mg4-xAx)(Nb2-yDy)O9の組成から成る固溶体および化合物を主成分とすることを特徴とする。
上記「A」元素は、本発明の誘電体磁器組成物において、誘電体磁器組成物組成式Mg4Nb2O9で示される組成物のMg元素の一部が置換されたものである。このA元素は、このMgと置換可能な元素であれば特に限定されず、例えば、Zn、Ni、Mn、Fe及びCo等が挙げられるが、通常、Zn及び/又はNiである。これらは、1種のみ含有しても良いし、2種以上含有しても良い。また、2種類以上含有する場合、Zn及びNiのうちの少なくとも1種を含有することが好ましい。
【0009】
上記「D」元素は、組成式Mg4Nb2O9で示される組成物中のNbの一部又は全部を置換する元素である。ここで、上記「D」元素はTa及びVのうちの少なくとも1種である。即ち、このD元素として、Taのみを含有しても良いし、Vのみを含有しても良い。更に、Ta及びVの両方を含有することもできる。また、このD元素として、Taが好ましい。Q・f値をより大きくすることができるからである。
上記「x」は、A元素の含有割合をモルで示したものである、また、Mgの含有割合を上記「4−x」としたのは、Mg4Nb2O9のMg元素がA元素に置換されたことを示している。
このxの範囲は、0≦x≦2とすることができる。即ち、Mg4Nb2O9のうちMgが全くAの置換されていなくても良い。このとき、xの値が2を超えると、コランダム型結晶構造を有する固溶体を得ることが困難であるため好ましくない。特に、D元素として、Taを用いた場合、x=0であることが好ましい。より優れたQ・f値が得られるからである。
上記「y」は、D元素の含有割合をモルで示したものである。また、Nbの含有割合を上記「2−y」としたのは、Mg4Nb2O9のNb元素がD元素に置換されたことを示している。このとき、yの範囲は本発明では、0≦y≦2とすることができる。即ち、Mg4Nb2O9中の全てのNb元素がD元素に置換されていても良いし、Nbが全くD元素に置換されていなくても良いという意味である。特に、D元素として、Taを用いた場合、y=2、即ち、Nbの全てがTaに置換され、Nbを含有しないものが好ましい。より優れたQ・f値が得られるからである。
また、x=0(即ちA元素を含まない。)且つD元素がTaの場合、y範囲は、好ましくは1.25≦y≦2、より好ましくは1.75≦y≦2とすることができる。
【0010】
低温焼成化に際しては(Mg4-xAx)(Nb2-yDy)O9の中でも、本発明の磁器組成物としては、組成式Mg4(Nb2-yVy)O9の組成からなる化合物を主成分とすることが好ましい。すなわち、上記した組成式において上記「D」元素をバナジウム(V)とし、0<y<1.0とすることが好ましい。なお、本磁器組成物は、当該化合物を主相とし、第2相としてMg3(VO4)2相を有している。
第2相であるMg3(VO4)2の生成により、1100℃以下の低温焼成であっても適切な密度を得ることができ、高いQ・f値を持つ磁器組成物を得ることができる。 特に150000GHz以上のQ・f値を得る為には、前記組成式におけるyが、0<y≦0.5であることが好ましい。また、yは0.25以下であることがより好ましい。さらにyが0.125以下の磁器組成物では、1075℃以下で150000GHzのQf値を得ることができ、電極として銅を用いることが可能なLTCC材料が得ることができる。
【0011】
なお、上記「主成分」とは、誘電体磁器組成物の全質量を100質量%と場合、上記固溶体を80質量%以上含むことを意味し、更に、この固溶体が100質量%であることが好ましい。
【0012】
本発明の誘電体磁器組成物は、Mg化合物粉末、A化合物粉末、並びにNb化合物粉末及び/又はD化合物粉末をそれぞれの元素の割合が上記組成式(Mg4-xAx)(Nb2-yDy)O9のモル比となるように混合し、その後、焼成することにより得られるものである。尚、上記「A化合物粉末」上記「D化合物粉末」は、それぞれ上記A元素及び上記D元素から成る化合物粉末という意味であり、このA元素及びD元素は、前記説明をそのまま適用することができる。
なお、上記した低温焼成に適した磁器組成物を得るには、組成式 Mg4(Nb2-yVy)O9(但し、0<y<1.0である。)のモル比となるようにNb化合物粉末とV化合物粉末とを混合し、その後焼成するようにする。本組成式において好ましいyの数値範囲は、そのまま本原料粉末に適用することができる。
【0013】
各々の上記「Mg化合物粉末」、上記「A化合物粉末」、上記「Nb化合物粉末」及び上記「D化合物粉末」は、加熱して各々の金属の酸化物となるものであれば特に限定されないが、各金属の炭酸塩粉末、炭酸水素塩粉末、水酸化物粉末、硝酸塩粉末等が挙げられる。これら各金属酸化物粉末等は、1種のみを用いることもできるし、2種類以上を併用することもできる。また、これらの化合物粉末の粒径は、32μm以下、好ましくは10μm以下とすることができる。このとき、上記粒径の粉末は、上記各化合物粉末をナイロンメッシュによってふるいをかけることによって得られる。
上記「焼成」の回数は、1回でも良いし、2回以上でも良い。また、この焼成は2回行うことが好ましい。
また、焼成を2回行う場合、まず、1000〜1200℃にて10〜30時間仮焼成を行い、その後、その仮焼体を造粒し、次いで、1000〜1500℃、好ましくは1200〜1400℃にて5〜30時間、好ましくは5〜15時間、本焼成を行うことによって本発明の誘電体磁器組成物が得られる。
【0014】
なお、組成式Mg4(Nb2-yVy)O9(但し、0<y<1.0である。)のモル比となるようにNb化合物粉末とV化合物粉末とを混合して得られる原料粉末を焼成する場合には、仮焼成は、後述する本焼成温度より低ければよいが、好ましくは700℃以上1000℃以下で行う。さらに好ましくは、750℃以上850℃以下で仮焼する。
【0015】
また、本焼成は、100000GHz以上のQ・f値を得る為には、1100℃以下で行うことが好ましく、0<y≦0.25の範囲においてQ・f値が150000GHz以上で電極として銅を用いる為には、1080℃未満で行うことが好ましい。0<y≦1の範囲において1100℃を超えると、誘電特性が低下、具体的にはQ・f値が低下するからである。なお、1100℃を超える焼成の場合、原料粉末を焼成した際に生成するMg3(VO4)2の分解によりMgおよびVを含む液相が生成することが示唆されている。本発明を特に拘束するものではないが、本発明者らは、当該Mg3(VO4)2相が800℃近傍の温度で生成し、粒成長が促進することにより磁器組成物の密度がある程度維持されるため、低温においても比較的高いQ・f値を保持することが可能であると考えている。以上のことから、本焼成の条件は、焼成に伴って生成するMg3(VO4)2相の液相への分解を抑制し、高い密度をある程度維持できるような範囲で行うように設定することが好ましいということもできる。
なお、1080℃を超えると、電極材料の一種である銅との同時焼成も困難になるという不都合もある。また、本焼成温度は高い密度と高いQ・f値を得るために、1000℃以上であることが好ましい。
焼成時間は、仮焼成には、10〜30時間とすることができ、本焼成には5〜30時間、好ましくは5〜15時間とすることができる。
【0016】
また、本焼成を行うとき、仮焼体を造粒した粉末にバインダーを添加しても良い。このバインダーしては、例えば、ポリビニルアルコール、アクリル系樹脂等が挙げられるが、これらに限定されない。尚、このバインダーは1種のみ用いても良いし2種以上を併用しても良い。
【0017】
本発明の誘電体磁器組成物は、Q・f値が、2.0×104GHz以上、好ましくは5.0×104以上、より好ましくは1.0×105GHz以上、更に好ましくは3.0×105GHz以上とすることができる。また、本発明の誘電体磁器組成物は、実施例の方法によって測定されたεrが8〜16、好ましくは、8〜13、より好ましくは8〜12とすることができる。ここで、これらのQ・f値及びεrは、JIS R1627−1996による誘電体共振器法にて測定することができる。
【0018】
また、本発明の誘電体磁器組成物のうち焼成を2回行ったものは、x=0(即ちA元素を含まない。)且つD元素がTaの場合、(1)yの範囲が0≦y≦2のとき、Q・f値は、1.8×105GHz〜3.5×105GHz、εrは、8〜16とすることができる。(2)1.25≦y≦2の場合、Q・f値は、2.1×105GHz〜3.5×105GHz、εrは、11.1〜11.8とすることができる。(3)更に、1.75≦y≦2のとき、Q・f値は、2.9×105GHz〜3.5×105GHz、εrは、11.1〜11.8とすることができる。また、共振周波数の温度係数(以下、単にτfとも言う)は、−61〜−71とすることができる。更に、相対密度は、90〜95%とすることができる。
【0019】
また、AがNi、y=0(即ち、D元素を含まない。)、且つ本焼成の焼成温度が1295℃〜1315℃の場合は、Q・f値は2.8×104〜6.8×104GHz、εrは、11〜l3とすることができる。また、(1)0.25≦x≦0.92又は1.38≦x1.87の場合、Q・f値は3.9×104〜6.8×104GHz、εrは11.3〜13とすることができる。また、(2)0.25≦x≦0.85の場合、4.8×104〜6.8×104GHz、εrは、11.8〜13.0とすることができる。
更に、AがNi、y=0(即ち、D元素を含まない。)、且つ本焼成の焼成温度が1325℃〜1375℃の場合は、Q・f=2.7×104〜8.4×104GHz、εrは11.5〜13とすることができる。特に、(1)0.25≦x≦0.93又は1.38≦x1.88のとき、Q・f値は3.9×104〜8.4×104GHz比誘電率εrは12〜13とすることができる。また、更に、(3)0.25≦x≦0.85の場合、Q・f値は5.0×104〜8.4×104GHz比誘電率εrは11.5〜13とすることができる。
【0020】
また、AがZn、y=0(即ち、D元素を含まない。)且つ本焼成の温度が1295℃〜1315℃の場合は、(1)0≦x≦2のとき、5.1×104〜8.1×104GHz(2)0<x≦1の場合、Q・f値は、6.8×104GHz〜8.1×104GHz、εrは、13〜14.3とすることができる。
【0021】
A元素がNi又はZnのうちの少なくとも1種、D元素がTa、xの範囲が0≦x≦2、yが2(即ち、Nbを含まない。)の場合、Q・f値は、1.0×105GHz以上、εrは、11.1〜11.8とすることができる。
更に、x=0(即ち、A元素を含有しない。)、且つDがVの場合、Q・f値は、5.0×104〜8.0×104GHz、且つ、比誘電率εrは、8〜14、好ましくはQ・f値は、6.7×104〜8.0×104GHz、比誘電率は、8〜11とすることができる。
【0022】
さらに、x=0であり、かつDがVであり、0<y<1.0のときには、Q・f値は、10.0×104〜22.0×104GHz、且つ、比誘電率εrは、8〜14とすることができる。また、0.125≦y≦0.5のときには、Q・f値は、12.0×104〜20.0×104GHz(好ましくは、13.0×104〜19.0×104GHz)、かつ、比誘電率εrは、8〜14(好ましくは、9〜13)とすることができる。
【0023】
本発明の誘電体磁器組成物は、基板用として用いることができる。このとき、上記誘電体磁器組成物からなる基板の表面及び/又は内部に電極(導体層)パターンを形成した素子を作製することができる。このときの電極の材質は、金、銀、銅、銀パラジウム合金等を主成分とするものが挙げられるが、特に限定されない。
【0024】
本発明の誘電体基板は、組成式Mg4(Nb2-yVy)O9の組成からなる組成物(但し、0<y<1.0である。)を主成分とする磁器組成物又はそれぞれ加熱することにより酸化物となる、Mg化合物粉末と、Nb化合物粉末と、V化合物粉末を、組成式Mg(Nb2-yVy)O9(但し、0<y<1.0である。)における金属元素のモル比となるように混合し、その後焼成して得られる磁器組成物層を絶縁層として備えることを特徴としている。本誘電体基板は、電極材料の一種である銅の融点より低温で焼成可能であるため、電極との同時焼成工程を経る低温焼成基板に適している。なお、本誘電体基板は、特にその存在形態を限定するものではないが、素子としての役割を担うのに必要な形状であることが好ましい。
【0025】
誘電体基板の製造方法は、従来公知の方法を特に限定しないで採用することができる。好ましくは、予め仮焼成した原料粉末を用いて構成する。低温焼成基板の場合、仮焼成の温度条件は、上記したとおり、好ましくは、700℃以上1000℃以下であり、さらに好ましくは、750℃以上850℃以下とする。仮焼時間は、上記した時間範囲を参考にして設定することができる。
次に、そのままの原料粉末あるいは仮焼粉末と適当なバインダー等を用いて造粒等した絶縁層用組成物を調製し、成形等する(例えば、基板を構成する形態を有するに成形する)。さらに、電極を構成する金属材料を公知の方法で付与し、必要に応じてさらに前記絶縁層用組成物を積層する。
【0026】
次いで、このようにして得られた基板用積層体を焼成する。すなわち、前記絶縁層用組成物層と前記導体層とを同時に焼成する。焼成温度は、既に記載した本焼成温度、好ましくは、1000℃以上1100℃以下、より好ましくは、1100℃未満で行う。特に、銅を導体材料として使用する場合には、1080℃未満で行うことが好ましい。当該低温焼成により、低融点材料による導体層パターンを維持しつつ適切な誘電特性を備えた絶縁層を備える配線基板を製造することができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を詳細に説明する。
実施例1:Mg4(Nb2-yTay)O9固溶体からなる誘電体磁器組成物
(1)実施例1の誘電体磁器組成物を製造及び性能の評価
高純度のMgO、Nb2O5およびTa2O5粉末を組成式(2)Mg4(Nb2-yTay)O9のモル数に基づいて秤量し、湿式混合した後1100℃で20時間仮焼成した。仮焼成後の粉末を粉砕し、PVA(ポリビニルアルコール)をバインダーとして添加・混合後、300メッシュに通し造粒した。直径12mm高さ7mmのペレットを一軸加圧にて成形し、得られた試料をアルミナシート上で所定温度、10時間大気中にて焼成した。焼成後のペレットを直径と高さの比が2:1に成るように鏡面研磨し、850℃、2時間大気中にてひずみ除去を行った。
このペレット粉末を、リートベルト法による粉末X線回折で測定した。この測定では、Mg4(Nb2-yTay)O9固溶体においてy=0のとき、格子定数がa=0.5612nm、c=1.4028nmの規則正しいコランダム結晶を有することに基づいて精密化した。その結果を図1に示す。マイクロ波誘電特性をJIS R1627−1996による誘電体共振器法にて評価した。また、共振周波数の温度係数τfは20℃および80℃における共振周波数より求めた。更に、Mg4(Nb2-yTay)O9固溶体のマイクロ波誘電特性及び相対密度の測定結果を表1に示す。また、yの値と、その誘電特性の関係のグラフを図2に示す。尚、このグラフにおいて、Q・f値を●でプロットして実線で結び、更に、εrを■でプロットして点線で結んだ。
【0028】
【表1】
(2)実施例1の効果
粉末X線回折で測定した結果、図1に示されるように、ピークの位置及び強度が略同じである。これにより、0≦y≦2の範囲において、単相の固溶体であり、更に、NbがTaに置換されたときに格子定数の変化がほとんどないことが判る。
また、表1に示されるように、εrは11.2〜12.9であり、適切な誘電率を示していることが判る。また、yを増加させるとεrは低下することが判る。一方、全組成域で201359GHz以上の非常に優れたQ・f値を示し、y=2で約347337GHzの最大値が得られており、TaにおけるNb置換が高Q化に有効であることが判る。このQ・f値はアルミナに匹敵する特性値であり、誘電体材料の中でも高Qの領域に位置している。これにより、組成式Mg4-x(Nb2-yTay)O9において、x=0、0≦y≦2である固溶体からなる誘電体磁器組成物は、非常に高いQ・f値を有することが判る。また、τfは−70.5〜−61.0ppm/℃に及んでいる。従って、高周波数のマイクロ波デバイスや、マイクロ波高温超伝導デバイスとして利用するのに最適であると考えられる。また、本実施例の誘電体磁器組成物は、表1に示されるように、(1)yが1.25≦y≦2の場合、Q.f値は239514〜347337GHz、εrは、11.2〜11.7とすることができる。また、(2)1.75≦y≦2の場合、Q・f値303503GHz〜347337GHz、εrは11.2〜11.5とすることができ、Q・f値及びεrの両方とも優れていることが判る。
【0030】
実施例2:(Mg4-xNix)Nb2O9固溶体からなる誘電体磁器組成物
(1)実施例1の誘電体磁器組成物を製造及び性能の評価
原料として高純度のMgO、NiOおよびNb2O5粉末試薬を使用し、(Mg4-xNix)Nb2O9固溶体からなる誘電体磁器組成物の製造および誘電特性の評価を行った。(Mg4-xNix)Nb2O9固溶体では、粉末X線回折より明らかとされた固溶体形成領域である0<x≦2の組成域において各固溶体の製造および特性評価を行った。なお、その製造方法および評価方法は実施例1と同様である。表2に(Mg4-xNix)Nb2O9固溶体の誘電特性を示す。また、その誘電特性と組成比xとの関係を、焼成温度が1300℃のものを図3、焼成温度が1350℃のものを図4に示す。図3及び図4では、Q・f値を●でプロットして実線で結び、更に、εrを■でプロットして点線で結んだ。
【0031】
【表2】
【0032】
(2)実施例2の効果
表2、図3及び図4によれば、比誘電率εrは実施例1と同様には11.1〜l2.8の小さい値を示した。
また、図3及び図4によれば、xが0.75及び1.75においてQ・f値及び比誘電率εrがピークとなる意外な挙動を示した。また、図3及び表2によれば、焼成温度が1350℃の場合、Q・f値はxが0.25のとき最大となった。
また、Q・f値は、1300℃で焼成した固溶体では67381〜27703GHz、1350℃で焼成したものでは83144〜26664GHzであり、NiのMg置換では組成xの増加に伴いQ・f値が大きく減少する傾向を示した。これにより、このxが小さいほど、誘電特性が優れているといえる。更に、τfはx=2、y=0における(Mg2-xNix)Nb2O9固溶体において−69.6ppm/℃であり、優れていた。
また、実施例2の誘電体磁器組成物は、図3に示されるように、焼成温度が1300℃の場合は、1.38≦x≦1.87の場合、Q・f値は40000〜49940GHz、εrは11.5〜12.8とすることができる。更に、0.25≦x≦0.92の場合、Q・f値は40000〜67381GHz、εrは11.5〜12.8とすることができる。更に、0.25≦x≦0.85の場合、50000〜673381GHz、εrは、11.5〜12.8とすることができる。
また、焼成温度が1350℃の場合は、図4に示されるように、0.25≦x≦0.91の場合、Q・f値は40000〜83144GHz、εrは12.0〜12.8、とすることができる。更に、1.56≦x≦1.84の場合、Q・f値は40000〜47387GHz、εrは12.0〜12.3とすることができる。また、0.25≦x≦0.83の場合、Q・f値は50000〜83144GHz、εrは、12.0〜12.8とすることができる。
【0033】
実施例3:(Mg4-xZnx)Nb2O9固溶体からなる誘電体磁器組成物
(1)実施例3の誘電体磁器組成物を製造及び性能の評価
原料として高純度のMgO、ZnOおよびNb2O5粉末試薬を使用し、(Mg4- xZnx)Nb2O9固溶体の製造および誘電特性評価を行った。(Mg4-xZnx)Nb2O9固溶体では、粉末X線回折より明らかとされた固溶体形成領域である0.25≦x≦2,y=0の組成域において各固溶体の製造および特性評価を行った。尚、その製造方法および評価方法は前記実施例1と同様である。得られた(Mg4-xZnx)Nb2O9固溶体のマイクロ波誘電特性を表3に示すまた、その誘電特性と組成比xとの関係を、焼成温度が1300℃のものを図5、焼成温度が1400℃のものを図6に示す。図5及び図6ではQ・f値を●でプロットして実線で結び、更に、εrを■でプロットして点線で結んだ。
【0034】
【表3】
【0035】
(2)実施例3の効果
表3、図5及び図6によれば、εrは、Znの置換量xが増加するに連れ12〜15に若干増加する傾向を示している。一方、Q・f値は、実施例2と同様に組成xの増加に依存して減少する傾向を示し、27978〜80245GHzに及んでいる。また、焼成温度が1300℃の場合、表3及び図5に示されるように、0.25≦x≦1のとき、Q・f値は68277〜80245GHz、εrは、12.8〜14.1とすることができる。更に焼成温度が1400℃の場合は、表3及び図6に示されるように、0.25≦x≦1のとき、Q・f値は41000〜62657GHz、εrは、13.1〜14.0することができる。
更に、τfは、x=2、y=0における(Mg2Zn2)Nb2O9固溶体において−94.1ppm/℃の大きな負の値を示し、優れていることが判る。
【0036】
実施例4:(Mg4-xZnx)Ta2O9固溶体からなる誘電体磁器組成物
原料として高純度のMgO、ZnO及びTa2O5粉末試薬を使用し、(Mg4-xZnx)Ta2O9固溶体の製造および誘電特性評価を行った。尚、その製造方法および評価方法は前記実施例1と同様である。
【0037】
【表4】
【0038】
(Mg4-xZnx)Ta2O9固溶体のマイクロ波誘電特性を表4に示す。εrは11.8〜13.2の値を示しており、Q・f値は100000GHz好ましくは117230以上、より好ましくは143319の優れた特性が得られる。
【0039】
実施例5;Mg4(Nb2-yVy)O9固溶体を主成分とする誘電体磁器組成物
原料として高純度のMgO、ZnO及びV2O5粉末を使用し、(Mg4-xZnx)(Nb2-yVy)O9の組成割合となるようにこれらの粉末を混合して誘電体磁器組成物を製造した。尚、その製造方法および評価方法は前記実施例1と同様である。その後、その誘電体磁器組成物の粉末X線回折による測定を行った。その結果を図7に示す。その後、その誘電体磁器組成物の誘電特性評価を行った。Mg4(Nb2-yVy)O9固溶体のマイクロ波誘電特性を表5に示す。
【0040】
【表5】
【0041】
図7に示されるように、この実施例5の誘電体磁器組成物は、単相ではなく第2相としてMg3(VO4)2の相が形成されている。εrは10.3〜10.8の値を示しており、Q・f値は67345〜78710GHzの優れた特性が得られる。
【0042】
実施例6;Mg4(Nb2-yVy)O9固溶体を主成分とする誘電体磁器組成物その2
原料として高純度のMgO、ZnO及びV2O5粉末を使用し、以下の表6に示すMg(Nb2-yVy)O9の組成割合となるようにこれらの粉末を混合して誘電体磁器組成物を製造した。その製造方法は以下のとおりであった。すなわち、上記原料粉末を湿式混合した後、800℃、20時間、大気中で仮焼成した。仮焼成後の組成物を、粉砕し、PVA(ポリビニルアルコール)をバインダーとして添加・混合後、300メッシュに通し造粒した。直径12mm高さ7mmのペレットを一軸加圧にて成形し、得られた試料をアルミナシート上で所定温度、10時間大気中にて表6にそれぞれ示す温度で本焼成した。本焼成後のペレットを直径と高さの比が2:1に成るように鏡面研磨し、850℃、2時間大気中にてひずみ除去を行った。
このペレットについて、マイクロ波誘電特性をJIS R1627−1996による誘電体共振器法にて評価した。また、共振周波数の温度係数τfは20℃および80℃における共振周波数より求めた。更に、Mg4(Nb2-yVy)O9組成物のマイクロ波誘電特性及び相対密度の測定結果を表6、図8に示す。尚、評価方法は前記実施例1と同様である。
【表6】
【0043】
表6に示すように、yが0超え0.25未満の組成物においては1025℃以上の焼成温度にて比較的高い密度が得られる。
また、比誘電率εrは0.0625≦y≦0.125の組成範囲において、1025℃以上で焼成することにより、11〜13程度の値を示した。また、0.25≦y≦0.5の組成範囲でも1050℃以上の温度にてほぼ同様のεrが得られることが明らかとなった。
また、yの増加に伴い、εrおよびQ・f値は減少することがわかった。この要因としては密度の低下が支配的であると考えられ、好ましいεrを維持する為には、yが0.5以下であることが好ましい。
また、τfは、組成yの増加に伴い、負の方へ増加することが明らかとなっている。
以上のことから、yが1.0未満の範囲においては、1100℃未満の低温焼成によっても、優れた誘電特性を備えた磁器を得られることが判明し、特にyが0.25以下の範囲では、1025℃の低温でもその誘電特性が維持できることがわかった。
【0044】
なお、Q・f値は、yが1.0未満の範囲では、100000GHz以上のQ・f値が得られることが明らかとなった。さらに、0.0625≦y≦0.125かつ焼成温度が1025℃および1050℃の焼成条件下にて、140000GHz以上のQ・f値が得られ、かつ、比誘電率εrは、11〜13とすることができることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の誘電体磁器組成物粉末のX線回折のチャートを示す説明図である。
【図2】実施例1において誘電特性と組成比yとの関係を示すグラフである。
【図3】実施例2において焼成温度が1300℃の場合におけるその誘電特性と組成比xとの関係を示すグラフである。
【図4】実施例2において焼成温度が1350℃の場合におけるその誘電特性と組成比xとの関係を示すグラフである。
【図5】実施例3において焼成温度が1300℃の場合におけるその誘電特性と組成比xとの関係を示すグラフである。
【図6】実施例3において焼成温度が1400℃の場合におけるその誘電特性と組成比xとの関係を示すグラフである。
【図7】実施例5の誘電体磁器組成物粉末のX線回折のチャートを示す説明図である。
【図8】実施例6において各組成yでの誘電特性と焼成温度との関係を示すグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a microwave dielectric ceramic composition for a substrate, and more particularly to a microwave dielectric ceramic composition for a substrate having a high Q value and a low dielectric constant. The microwave dielectric ceramic composition for substrates of the present invention is widely used for dielectric resonators operating in the microwave band, dielectric substrates, high Q / low dielectric constant ceramic members, high frequency microwave devices, and the like. The
[0002]
[Prior art]
This kind of dielectric material is an important material that determines the characteristics of a communication circuit by the development of information communication technology. Dielectric constant εr(Hereafter, simply εrAnd ) In the vicinity of 100 greatly contributes to miniaturization of portable information terminals such as mobile phones due to its wavelength shortening effect, and εrA dielectric material of about 40 is mainly used in base stations, and from the background of such information communication, the development of dielectric materials is relatively high.rTemperature coefficient of resonance frequency τfOf 0 ppm / ° C. and Q · f value have been improved. In recent years, the amount of information communication and the high-speed communication have been rapidly increasing, and the development of electronic parts and systems aimed at high-speed and large-capacity communication represented by high-speed wireless LAN has been promoted. Millimeter waves are being used. Dielectric ceramic compositions with high Q / f values are expected to be used for resonators, filters, integrated circuit boards, and LTCC (Low Temperature Co-fired Ceramics) low-temperature co-fired substrates for lamination. Yes. In general, in a high-frequency circuit, since the conductor pattern on the substrate functions as a distributed constant circuit, the characteristics of the dielectric material are important. Particularly in the millimeter wave band, the relative permittivity (εr) Is too high, it is likely to cause adverse effects such as transmission delay and impedance mismatch, and dielectric loss (tanδ = 1 / Q: reciprocal of Q value) increases in proportion to the increase in frequency. In order to suppress this, a low-loss dielectric material, that is, a material having a high Q · f value is required. For this reason, a dielectric material having a high Q and a low dielectric constant is required for resonators and filters operating in a high frequency band. In addition, in order to reduce the size and performance of millimeter-wave modules, it is necessary to laminate filters and inductors with silver (melting point approx. 960 ° C) and copper (melting point approx. 1080 ° C) as electrodes. A high-Q material that can be fired is required. However, at present, the development of high-Q and low-dielectric constant materials that have a Q / f value comparable to or higher than that of alumina and the aforementioned high-Q and LTCC materials that can be fired at low temperatures are currently delayed. is there.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the decrease in the Q of the dielectric material due to the higher frequency is an obstacle to constructing a high frequency device, and the development of a new high Q / low dielectric constant material having a higher Q than the current alumina. Is required. However, no material with properties comparable to alumina has been found at present. Furthermore, since alumina is a hard material, there is a problem that processing is difficult. In addition, since high-performance elements are required for the advancement of information communication, high Q / LTCC materials that can be stacked are required.
[0004]
The present invention has been made in view of the above-mentioned need, has a Q · f value comparable to that of alumina capable of handling high frequencies, and further has excellent workability. The object is to supply a composition.
Another object of the present invention is to provide a porcelain composition that can be fired at a low temperature while maintaining a high Q · f value, and a high Q · LTCC material using the porcelain composition.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The microwave dielectric ceramic composition for a substrate of the present invention comprises MgFourNb2O9 soThe composition shown has a corundum crystal structure similar to alumina. So this MgFourNb2O9When a solid solution in which a part or all of Mg and / or Nb is substituted is used as a dielectric ceramic composition, an excellent Q value can be obtained, and the present invention has been completed based on this finding.
The microwave dielectric ceramic composition of the present invention has a composition formula (Mg4-xAx) (Nb2-yDy) O9(Where A is a metal element that can be substituted for Mg as a solid solution, D is at least one of Ta and V, 0 ≦ x ≦ 2, 0 ≦ y ≦ 2) It is characterized by that.
A may be at least one of Ni and Zn. Further, the D can be Ta. The y may be 2. The x can be 0.
Other dielectric ceramic compositions of the present invention are Mg compound powder and A compound powder (where A is the above-described composition formula (Mg4-xAx) (Nb2-yDy) O9As a solid solution of Mg, Nb compound powder and / or D compound powder (where D is at least one of Ta and V), and each metal element of the composition formula has the composition. It is characterized in that it is obtained by mixing so as to have a molar ratio of the formula and then firing. The D may be Ta. Furthermore, y may be 2. The x can be 0.
Furthermore, the relative dielectric constant εr can be 8-15. Furthermore, Q · f value is 1.0 × 10FiveIt can be set to GHz or more.
The dielectric ceramic composition for substrates of the present invention is characterized in that the dielectric ceramic composition is used for a substrate.
[0007]
【The invention's effect】
Since the present invention has a solid solution having the above predetermined composition formula, a microwave dielectric ceramic composition (hereinafter simply referred to as a dielectric ceramic composition) having a low relative dielectric constant and a high Q · f value. can get. Thereby, a dielectric ceramic composition having a small dielectric loss is obtained. In addition, since this solid solution is softer than alumina, it is more workable than alumina. Furthermore, when this D element is Ta, a dielectric ceramic composition having a higher Q · f value can be obtained. Further, when A is at least one of Ni and Zn, a dielectric ceramic composition having a more excellent Q · f value can be obtained. Furthermore, when y is 2, a dielectric ceramic composition having an excellent Q · f value can be obtained. When x is 0, a dielectric ceramic composition having a further excellent Q · f value and the same dielectric characteristics as alumina can be obtained. When εr is 8 to 15, a dielectric ceramic composition suitable for use in a substrate can be obtained. Furthermore, the Q · f value is 2.0 × 10FourWhen the above is true, a dielectric ceramic composition suitable for use in a substrate can be obtained..
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The dielectric ceramic composition of the present invention has a composition formula (Mg4-xAx) (Nb2-yDy) O9The main component is a solid solution and a compound having the composition:
The element “A” is a dielectric ceramic composition composition formula Mg in the dielectric ceramic composition of the present invention.FourNb2O9A part of the Mg element in the composition represented by the formula is substituted. The element A is not particularly limited as long as it is an element that can be substituted for Mg, and examples thereof include Zn, Ni, Mn, Fe, and Co, and are usually Zn and / or Ni. These may contain only 1 type and may contain 2 or more types. Moreover, when two or more types are contained, it is preferable to contain at least one of Zn and Ni.
[0009]
The “D” element has the composition formula MgFourNb2O9The element which substitutes a part or all of Nb in the composition shown by these. Here, the “D” element is at least one of Ta and V. That is, as this D element, only Ta may be contained or only V may be contained. Furthermore, both Ta and V can be contained. Further, Ta is preferable as the D element. This is because the Q · f value can be further increased.
The “x” indicates the content ratio of the element A in moles, and the Mg content ratio is “4-x”.FourNb2O9This shows that the Mg element was replaced with the A element.
The range of x can be 0 ≦ x ≦ 2. That is, MgFourNb2O9Of these, Mg may not be substituted with A at all. At this time, if the value of x exceeds 2, it is difficult to obtain a solid solution having a corundum crystal structure, which is not preferable. In particular, when Ta is used as the D element, x = 0 is preferable. This is because a better Q · f value can be obtained.
The “y” indicates the content ratio of the D element in moles. In addition, the content ratio of Nb was “2-y” because MgFourNb2O9This shows that the Nb element of the element was replaced with the D element. At this time, the range of y can be 0 ≦ y ≦ 2 in the present invention. That is, MgFourNb2O9This means that all of the Nb elements therein may be replaced with D elements, or Nb may not be replaced with D elements at all. In particular, when Ta is used as the D element, it is preferable that y = 2, that is, all Nb is replaced by Ta and does not contain Nb. This is because a better Q · f value can be obtained.
Further, when x = 0 (that is, the element A is not included) and the element D is Ta, the y range is preferably 1.25 ≦ y ≦ 2, more preferably 1.75 ≦ y ≦ 2. it can.
[0010]
When firing at low temperature (Mg4-xAx) (Nb2-yDy) O9Among them, the porcelain composition of the present invention includes a composition formula MgFour(Nb2-yVy) O9It is preferable that the main component is a compound having the following composition. That is, in the above composition formula, the “D” element is preferably vanadium (V), and 0 <y <1.0. The porcelain composition has the compound as a main phase and Mg as the second phase.Three(VOFour)2Has a phase.
Mg as the second phaseThree(VOFour)2Thus, an appropriate density can be obtained even at a low temperature firing of 1100 ° C. or lower, and a porcelain composition having a high Q · f value can be obtained. In particular, in order to obtain a Q · f value of 150,000 GHz or more, it is preferable that y in the composition formula is 0 <y ≦ 0.5. Further, y is more preferably 0.25 or less. Furthermore, with a porcelain composition having y of 0.125 or less, a Qf value of 150,000 GHz can be obtained at 1075 ° C. or less, and an LTCC material capable of using copper as an electrode can be obtained.
[0011]
The “main component” means that when the total mass of the dielectric ceramic composition is 100% by mass, it means that the solid solution contains 80% by mass or more, and that the solid solution is 100% by mass. preferable.
[0012]
The dielectric ceramic composition of the present invention comprises Mg compound powder, A compound powder, and Nb compound powder and / or D compound powder in which the proportion of each element is the above composition formula (Mg4-xAx) (Nb2-yDy) O9It is obtained by mixing so as to have a molar ratio of, and then firing. The “A compound powder” and the “D compound powder” mean a compound powder composed of the A element and the D element, respectively, and the above description can be applied to the A element and the D element as they are. .
In order to obtain a porcelain composition suitable for low-temperature firing as described above, the composition formula MgFour(Nb2-yVy) O9The Nb compound powder and the V compound powder are mixed so as to have a molar ratio of 0 <y <1.0, and then fired. A preferable numerical range of y in the composition formula can be applied to the raw material powder as it is.
[0013]
Each of the “Mg compound powder”, the “A compound powder”, the “Nb compound powder”, and the “D compound powder” is not particularly limited as long as it becomes an oxide of each metal by heating. And carbonate powder of each metal, bicarbonate powder, hydroxide powder, nitrate powder and the like. Each of these metal oxide powders can be used alone or in combination of two or more. The particle size of these compound powders can be 32 μm or less, preferably 10 μm or less. At this time, the powder having the above particle diameter is obtained by sieving each compound powder with a nylon mesh.
The “firing” may be performed once or twice or more. Moreover, it is preferable to perform this baking twice.
Moreover, when baking twice, it first calcinates at 1000-1200 degreeC for 10 to 30 hours, Then, the calcined body is granulated, Then, 1000-1500 degreeC, Preferably it is 1200-1400 degreeC The dielectric ceramic composition of the present invention can be obtained by performing the main baking for 5 to 30 hours, preferably 5 to 15 hours.
[0014]
The composition formula MgFour(Nb2-yVy) O9(However, when the raw material powder obtained by mixing the Nb compound powder and the V compound powder so as to have a molar ratio of 0 <y <1.0) is calcined, the provisional firing will be described later. Although it should just be lower than this baking temperature, Preferably it carries out at 700 to 1000 degreeC. More preferably, calcination is performed at 750 ° C. or higher and 850 ° C. or lower.
[0015]
Further, in order to obtain a Q · f value of 100000 GHz or more, the main firing is preferably performed at 1100 ° C. or less, and copper is used as an electrode with a Q · f value of 150,000 GHz or more in the range of 0 <y ≦ 0.25. In order to use it, it is preferable to carry out at less than 1080 degreeC. This is because when the temperature exceeds 1100 ° C. in the range of 0 <y ≦ 1, the dielectric characteristics are lowered, specifically, the Q · f value is lowered. In the case of firing exceeding 1100 ° C., Mg produced when the raw material powder is firedThree(VOFour)2It has been suggested that a liquid phase containing Mg and V is generated by the decomposition of. Although the present invention is not particularly restricted, the present inventors have said MgThree(VOFour)2Since the phase is generated at a temperature near 800 ° C. and the grain growth is promoted to maintain the density of the porcelain composition to some extent, it is considered that a relatively high Q · f value can be maintained even at a low temperature. ing. From the above, the conditions for the main firing are Mg generated with firing.Three(VOFour)2It can also be said that it is preferable to set so that the decomposition of the phase into the liquid phase is suppressed and a high density can be maintained to some extent.
In addition, when it exceeds 1080 degreeC, there also exists a problem that simultaneous baking with copper which is a kind of electrode material also becomes difficult. Further, the main baking temperature is preferably 1000 ° C. or higher in order to obtain a high density and a high Q · f value.
The firing time can be 10 to 30 hours for temporary firing, and 5 to 30 hours, preferably 5 to 15 hours for main firing.
[0016]
Moreover, when performing this baking, you may add a binder to the powder which granulated the calcined body. Examples of the binder include, but are not limited to, polyvinyl alcohol and acrylic resin. In addition, this binder may use only 1 type and may use 2 or more types together.
[0017]
The dielectric ceramic composition of the present invention has a Q · f value of 2.0 × 10FourGHz or higher, preferably 5.0 × 10FourOr more, more preferably 1.0 × 10FiveGHz or higher, more preferably 3.0 × 10FiveIt can be set to GHz or more. Moreover, the dielectric ceramic composition of the present invention has an εr measured by the method of the example of 8 to 16, preferably 8 to 13, and more preferably 8 to 12. Here, these Q · f values and εr can be measured by a dielectric resonator method according to JIS R1627-1996.
[0018]
Further, among the dielectric ceramic compositions of the present invention, those fired twice are obtained when x = 0 (that is, the element A is not included) and the element D is Ta, (1) the range of y is 0 ≦ When y ≦ 2, the Q · f value is 1.8 × 10FiveGHz ~ 3.5 × 10FiveGHz and εr can be 8-16. (2) When 1.25 ≦ y ≦ 2, the Q · f value is 2.1 × 10FiveGHz ~ 3.5 × 10FiveGHz and εr can be set to 11.1 to 11.8. (3) Further, when 1.75 ≦ y ≦ 2, the Q · f value is 2.9 × 10FiveGHz ~ 3.5 × 10FiveGHz and εr can be set to 11.1 to 11.8. The temperature coefficient of the resonance frequency (hereinafter also simply referred to as τf) can be −61 to −71. Furthermore, the relative density can be 90 to 95%.
[0019]
Further, when A is Ni, y = 0 (that is, does not include the D element), and the firing temperature of the main firing is 1295 ° C. to 1315 ° C., the Q · f value is 2.8 × 10 8.Four~ 6.8 × 10FourGHz and εr can be set to 11 to 13. (1) In the case of 0.25 ≦ x ≦ 0.92 or 1.38 ≦ x1.87, the Q · f value is 3.9 × 10Four~ 6.8 × 10FourGHz and εr can be set to 11.3 to 13. (2) In the case of 0.25 ≦ x ≦ 0.85, 4.8 × 10Four~ 6.8 × 10FourGHz and εr can be set to 11.8 to 13.0.
Further, when A is Ni, y = 0 (ie, does not contain the D element), and the firing temperature of the main firing is 1325 ° C. to 1375 ° C., Q · f = 2.7 × 10Four~ 8.4 × 10FourGHz and εr can be set to 11.5-13. In particular, when (1) 0.25 ≦ x ≦ 0.93 or 1.38 ≦ x1.88, the Q · f value is 3.9 × 10Four~ 8.4 × 10FourThe GHz dielectric constant εr can be set to 12-13. Furthermore, when (3) 0.25 ≦ x ≦ 0.85, the Q · f value is 5.0 × 10Four~ 8.4 × 10FourThe GHz dielectric constant εr can be set to 11.5-13.
[0020]
Further, when A is Zn, y = 0 (that is, D element is not included) and the temperature of the main baking is 1295 ° C. to 1315 ° C., (1) 5.1 × 10 when 0 ≦ x ≦ 2.Four~ 8.1 × 10FourIn the case of GHz (2) 0 <x ≦ 1, the Q · f value is 6.8 × 10FourGHz to 8.1 × 10FourGHz and εr can be set to 13 to 14.3.
[0021]
When the A element is at least one of Ni or Zn, the D element is Ta, the range of x is 0 ≦ x ≦ 2, and y is 2 (that is, Nb is not included), the Q · f value is 1 .0x10FiveAbove GHz, εr can be 11.1 to 11.8.
Further, when x = 0 (that is, the element A is not contained) and D is V, the Q · f value is 5.0 × 10 5.Four~ 8.0 × 10FourGHz and relative dielectric constant εr is 8 to 14, preferably Q · f value is 6.7 × 10Four~ 8.0 × 10FourThe GHz and relative dielectric constant can be 8-11.
[0022]
Further, when x = 0, D is V, and 0 <y <1.0, the Q · f value is 10.0 × 10Four~ 22.0 × 10FourGHz and relative dielectric constant εrCan be 8-14. When 0.125 ≦ y ≦ 0.5, the Q · f value is 12.0 × 10Four~ 20.0 × 10FourGHz (preferably 13.0 × 10Four~ 19.0 × 10FourGHz) and dielectric constant εrCan be 8 to 14 (preferably 9 to 13).
[0023]
The dielectric ceramic composition of the present invention can be used for a substrate. At this time, an element in which an electrode (conductor layer) pattern is formed on the surface and / or inside of the substrate made of the dielectric ceramic composition can be produced. The material of the electrode at this time includes a material mainly composed of gold, silver, copper, silver palladium alloy or the like, but is not particularly limited.
[0024]
The dielectric substrate of the present invention has a composition formula MgFour(Nb2-yVy) O9A porcelain composition comprising as a main component a composition comprising the following composition (where 0 <y <1.0) or an Mg compound powder, an Nb compound powder, and V Compound powder is represented by the composition formula Mg (Nb2-yVy) O9(However, 0 <y <1.0.) A ceramic composition layer obtained by mixing so as to have a molar ratio of metal elements in the following and then firing is provided as an insulating layer. Since this dielectric substrate can be fired at a temperature lower than the melting point of copper, which is a kind of electrode material, it is suitable for a low-temperature fired substrate that undergoes a simultaneous firing step with an electrode. The present dielectric substrate is not particularly limited in its existence form, but preferably has a shape necessary to play a role as an element.
[0025]
As a manufacturing method of the dielectric substrate, a conventionally known method can be adopted without any particular limitation. Preferably, a raw material powder preliminarily calcined is used. In the case of a low-temperature fired substrate, the temperature condition for temporary firing is preferably 700 ° C. or higher and 1000 ° C. or lower, more preferably 750 ° C. or higher and 850 ° C. or lower, as described above. The calcination time can be set with reference to the above time range.
Next, a composition for an insulating layer, which is granulated using the raw material powder or calcined powder and an appropriate binder, is prepared and molded (for example, molded to have a form constituting a substrate). Furthermore, the metal material which comprises an electrode is provided by a well-known method, and the said composition for insulating layers is laminated | stacked further as needed.
[0026]
Next, the laminate for a substrate thus obtained is fired. That is, the composition layer for an insulating layer and the conductor layer are fired simultaneously. The firing temperature is the above-described main firing temperature, preferably 1000 ° C. or higher and 1100 ° C. or lower, more preferably 1100 ° C. or lower. In particular, when copper is used as the conductor material, it is preferably performed at less than 1080 ° C. By the low temperature firing, it is possible to manufacture a wiring board including an insulating layer having appropriate dielectric characteristics while maintaining a conductor layer pattern made of a low melting point material.
[0027]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail by way of examples.
Example 1: MgFour(Nb2-yTay) O9Dielectric porcelain composition comprising solid solution
(1) Production of dielectric ceramic composition of Example 1 and evaluation of performance
High purity MgO, Nb2OFiveAnd Ta2OFivePowder composition formula (2) MgFour(Nb2-yTay) O9Was weighed based on the number of moles and wet mixed and then calcined at 1100 ° C. for 20 hours. The calcined powder was pulverized, added and mixed with PVA (polyvinyl alcohol) as a binder, and granulated through 300 mesh. A pellet having a diameter of 12 mm and a height of 7 mm was formed by uniaxial pressing, and the obtained sample was fired on an alumina sheet at a predetermined temperature for 10 hours in the air. The fired pellets were mirror-polished so that the ratio of diameter to height was 2: 1, and the strain was removed in the atmosphere at 850 ° C. for 2 hours.
The pellet powder was measured by powder X-ray diffraction by the Rietveld method. In this measurement, MgFour(Nb2-yTay) O9When y = 0 in the solid solution, it was refined on the basis of having an ordered corundum crystal with lattice constants of a = 0.61212 nm and c = 1.4028 nm. The result is shown in FIG. Microwave dielectric properties were evaluated by a dielectric resonator method according to JIS R1627-1996. The temperature coefficient τf of the resonance frequency was obtained from the resonance frequencies at 20 ° C. and 80 ° C. Furthermore, MgFour(Nb2-yTay) O9Table 1 shows the measurement results of the microwave dielectric properties and relative density of the solid solution. Further, FIG. 2 shows a graph of the relationship between the value of y and its dielectric characteristics. In this graph, Q · f values are plotted with ● and connected with a solid line, and εr is plotted with ■ and connected with a dotted line.
[0028]
[Table 1]
[0029]
(2) Effects of Example 1
As a result of measurement by powder X-ray diffraction, as shown in FIG. 1, the peak position and intensity are substantially the same. Thus, it can be seen that in the range of 0 ≦ y ≦ 2, it is a single-phase solid solution, and further, there is almost no change in the lattice constant when Nb is substituted with Ta.
In addition, as shown in Table 1,εr isIt is 11.2 to 12.9, and it can be seen that an appropriate dielectric constant is exhibited. Also,yIt can be seen that increasing εr decreases εr. On the other hand, a very excellent Q · f value of 2013359 GHz or more was exhibited in the entire composition range, and a maximum value of about 347337 GHz was obtained at y = 2, which indicates that Nb substitution in Ta is effective for high Q. . This Q · f value is a characteristic value comparable to that of alumina, and is located in a high Q region among dielectric materials. Thus, the composition formula Mg4-x(Nb2-yTay) O9It can be seen that the dielectric ceramic composition made of a solid solution with x = 0 and 0 ≦ y ≦ 2 has a very high Q · f value. Further, τf ranges from −70.5 to −61.0 ppm / ° C. Therefore, it is considered to be optimal for use as a high-frequency microwave device or a microwave high-temperature superconducting device. In addition, as shown in Table 1, when the dielectric ceramic composition of this example is (1) y is 1.25 ≦ y ≦ 2, Q. The f value can be set to 239514 to 347337 GHz, and εr can be set to 11.2 to 11.7. (2) In the case of 1.75 ≦ y ≦ 2, the Q · f value 303503 GHz to 347337 GHz and εr can be set to 11.2 to 11.5, and both the Q · f value and εr are excellent. I understand that.
[0030]
Example 2: (Mg4-xNixNb2O9Dielectric porcelain composition comprising solid solution
(1) Production of dielectric ceramic composition of Example 1 and evaluation of performance
High purity MgO, NiO and Nb as raw materials2OFiveUse powder reagent, (Mg4-xNixNb2O9Production of dielectric ceramic compositions made of solid solution and evaluation of dielectric properties were performed. (Mg4-xNixNb2O9For the solid solution, each solid solution was manufactured and evaluated in the composition range of 0 <x ≦ 2, which is a solid solution formation region clarified by powder X-ray diffraction. The production method and evaluation method are the same as those in Example 1. Table 2 shows (Mg4-xNixNb2O9The dielectric properties of a solid solution are shown. The relationship between the dielectric properties and the composition ratio x is shown in FIG. 3 for the firing temperature of 1300 ° C. and in FIG. 4 for the firing temperature of 1350 ° C. In FIGS. 3 and 4, the Q · f values are plotted with ● and connected with a solid line, and εr is plotted with ■ and connected with a dotted line.
[0031]
[Table 2]
[0032]
(2) Effects of Example 2
According to Table 2, FIG. 3 and FIG. 4, the relative dielectric constant εr showed a small value of 11.1 to l2.8 as in the first embodiment.
Also,FIG.as well asFIG.According to the results, unexpected behavior was observed in which the Q · f value and the relative dielectric constant εr peak when x is 0.75 and 1.75. Further, according to FIG. 3 and Table 2, when the firing temperature was 1350 ° C., the Q · f value was maximum when x was 0.25.
In addition, the Q · f value is 67381 to 27703 GHz for the solid solution fired at 1300 ° C. and 83144 to 26664 GHz for the solid solution fired at 1350 ° C., and the Q · f value greatly decreases as the composition x increases in the case of Ni substitution with Mg. Showed a tendency to Thereby, it can be said that the smaller this x, the better the dielectric characteristics. Furthermore, τf is (Mg at x = 2 and y = 0.2-xNixNb2O9The solid solution was excellent at -69.6 ppm / ° C.
In addition, as shown in FIG. 3, the dielectric ceramic composition of Example 2 has 1.38 ≦ x when the firing temperature is 1300 ° C.≦In the case of 1.87, the Q · f value can be 40000 to 49940 GHz and εr can be 11.5 to 12.8. Further, in the case of 0.25 ≦ x ≦ 0.92, the Q · f value can be set to 40000 to 67381 GHz and εr can be set to 11.5 to 12.8. Furthermore, in the case of 0.25 ≦ x ≦ 0.85, 50000 to 673381 GHz and εr can be set to 11.5 to 12.8.
When the firing temperature is 1350 ° C., as shown in FIG. 4, when 0.25 ≦ x ≦ 0.91, the Q · f value is 40000 to 83144 GHz, εr is 12.0 to 12.8, It can be. Furthermore, 1.56 ≦ x≦In the case of 1.84, the Q · f value may be 40000 to 47387 GHz, and εr may be 12.0 to 12.3. In the case of 0.25 ≦ x ≦ 0.83, the Q · f value can be set to 50000 to 83144 GHz, and εr can be set to 12.0 to 12.8.
[0033]
Example 3: (Mg4-xZnxNb2O9Dielectric porcelain composition comprising solid solution
(1) Production of dielectric ceramic composition of Example 3 and evaluation of performance
High purity MgO, ZnO and Nb as raw materials2OFiveUse powder reagent, (MgFour- xZnxNb2O9Production of solid solution and evaluation of dielectric properties were performed. (Mg4-xZnxNb2O9For the solid solution, each solid solution was produced and evaluated in the composition range of 0.25 ≦ x ≦ 2, y = 0, which is a solid solution formation region clarified by powder X-ray diffraction. The production method and evaluation method are the same as those in Example 1. Obtained (Mg4-xZnxNb2O9The microwave dielectric properties of the solid solution are shown in Table 3, and the relationship between the dielectric properties and the composition ratio x is shown in FIG. 5 for the firing temperature of 1300 ° C. and in FIG. 6 for the firing temperature of 1400 ° C. 5 and 6, the Q · f values are plotted with ● and connected with a solid line, and εr is plotted with ■ and connected with a dotted line.
[0034]
[Table 3]
[0035]
(2) Effects of Example 3
According to Table 3, FIG. 5 and FIG. 6, εr shows a tendency to slightly increase to 12 to 15 as the Zn substitution amount x increases. On the other hand, the Q · f value tends to decrease depending on the increase in the composition x, as in Example 2, and ranges from 27978 to 80245 GHz. When the firing temperature is 1300 ° C., as shown in Table 3 and FIG. 5, when 0.25 ≦ x ≦ 1, the Q · f value is 68277 to 80245 GHz, and εr is 12.8 to 14.1. It can be. Further, when the firing temperature is 1400 ° C., as shown in Table 3 and FIG. 6, when 0.25 ≦ x ≦ 1, the Q · f value is 41000 to 62657 GHz, and εr is 13.1 to 14.0. can do.
Furthermore, τf is (Mg at x = 2, y = 02Zn2Nb2O9The solid solution shows a large negative value of −94.1 ppm / ° C., indicating that it is excellent.
[0036]
Example 4: (Mg4-xZnx) Ta2O9Dielectric porcelain composition comprising solid solution
High purity MgO, ZnO and Ta as raw materials2OFiveUse powder reagent, (Mg4-xZnx) Ta2O9Production of solid solution and evaluation of dielectric properties were performed. The production method and evaluation method are the same as those in Example 1.
[0037]
[Table 4]
[0038]
(Mg4-xZnx) Ta2O9Table 4 shows the microwave dielectric properties of the solid solution. εr has a value of 11.8 to 13.2, and Q · f value is 100000 GHz, preferably 117230 or more, and more preferably 143319 is obtained.
[0039]
Example 5: MgFour(Nb2-yVy) O9Dielectric porcelain composition mainly composed of solid solution
High purity MgO, ZnO and V as raw materials2OFiveUse powder, (Mg4-xZnx) (Nb2-yVy) O9A dielectric ceramic composition was produced by mixing these powders so that the composition ratio was as follows. The production method and evaluation method are the same as those in Example 1. Thereafter, the dielectric ceramic composition was measured by powder X-ray diffraction. The result is shown in FIG. Thereafter, the dielectric characteristics of the dielectric ceramic composition were evaluated. MgFour(Nb2-yVy) O9Microwave dielectric properties of solid solutionsTable 5Shown in
[0040]
[Table 5]
[0041]
As shown in FIG. 7, the dielectric ceramic composition of Example 5 is not a single phase but a second phase.Three(VOFour)2Phase is formed. εr has a value of 10.3 to 10.8, and an excellent characteristic with a Q · f value of 67345 to 78710 GHz is obtained.
[0042]
Example 6; MgFour(Nb2-yVy) O9Dielectric porcelain composition mainly composed of solid solution (2)
High purity MgO, ZnO and V as raw materials2OFiveUsing powder, Mg (Nb) shown in Table 6 below2-yVy) O9A dielectric ceramic composition was produced by mixing these powders so that the composition ratio was as follows. The manufacturing method was as follows. That is, the raw material powder was wet-mixed and then calcined in the air at 800 ° C. for 20 hours. The composition after calcination was pulverized, added and mixed with PVA (polyvinyl alcohol) as a binder, and then granulated through 300 mesh. A pellet having a diameter of 12 mm and a height of 7 mm was formed by uniaxial pressing, and the obtained sample was subjected to main firing on an alumina sheet at a predetermined temperature and a temperature shown in Table 6 in the atmosphere for 10 hours. The pellets after the main firing were mirror-polished so that the ratio of diameter to height was 2: 1, and strain was removed in the atmosphere at 850 ° C. for 2 hours.
With respect to this pellet, the microwave dielectric properties were evaluated by a dielectric resonator method according to JIS R1627-1996. The temperature coefficient τf of the resonance frequency was obtained from the resonance frequencies at 20 ° C. and 80 ° C. Furthermore, MgFour(Nb2-yVy) O9The measurement results of the microwave dielectric properties and the relative density of the composition are shown in Table 6 and FIG. The evaluation method is the same as in Example 1.
[Table 6]
[0043]
As shown in Table 6, in compositions where y is greater than 0 and less than 0.25, a relatively high density is obtained at a firing temperature of 1025 ° C. or higher.
Further, the relative dielectric constant εr showed a value of about 11 to 13 by firing at 1025 ° C. or higher in the composition range of 0.0625 ≦ y ≦ 0.125. Further, in the composition range of 0.25 ≦ y ≦ 0.5, almost the same ε at a temperature of 1050 ° C. or higher.rIt became clear that
It was also found that the εr and Q · f values decrease as y increases. As this factor, the decrease in density is considered to be dominant, and preferable εrIn order to maintain this, it is preferable that y is 0.5 or less.
ΤfHas been shown to increase in the negative direction as the composition y increases.
From the above, it was found that a porcelain having excellent dielectric properties can be obtained by low-temperature firing at less than 1100 ° C. when y is less than 1.0, and particularly when y is within a range of 0.25 or less. It was found that the dielectric characteristics can be maintained even at a low temperature of 1025 ° C.
[0044]
As for the Q · f value, it was revealed that a Q · f value of 100,000 GHz or more can be obtained when y is less than 1.0. Furthermore, under the firing conditions of 0.0625 ≦ y ≦ 0.125 and firing temperatures of 1025 ° C. and 1050 ° C., a Q · f value of 140000 GHz or more was obtained, and the relative dielectric constant εr was 11-13. It became clear that it could be done.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram showing an X-ray diffraction chart of a dielectric ceramic composition powder of Example 1. FIG.
2 is a graph showing the relationship between dielectric characteristics and composition ratio y in Example 1. FIG.
3 is a graph showing the relationship between the dielectric characteristics and the composition ratio x when the firing temperature is 1300 ° C. in Example 2. FIG.
4 is a graph showing the relationship between the dielectric properties and the composition ratio x when the firing temperature is 1350 ° C. in Example 2. FIG.
5 is a graph showing the relationship between the dielectric characteristics and the composition ratio x when the firing temperature is 1300 ° C. in Example 3. FIG.
6 is a graph showing the relationship between the dielectric characteristics and the composition ratio x when the firing temperature is 1400 ° C. in Example 3. FIG.
7 is an explanatory diagram showing an X-ray diffraction chart of the dielectric ceramic composition powder of Example 5. FIG.
FIG. 8 is a graph showing the relationship between dielectric characteristics and firing temperature for each composition y in Example 6.
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