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JP4402602B2 - キャパシタの冷却構造及び電力変換装置 - Google Patents

キャパシタの冷却構造及び電力変換装置 Download PDF

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Description

本発明は、電力変換装置用平滑キャパシタの冷却構造及び電力変換装置に関する。
電力変換装置の電圧平滑用として使用されるキャパシタには、インバータの出力電流に比例してリップル電流が流れる。キャパシタ内部では、このリップル電流に応じて損失が発生し、その値は、キャパシタリップル電流をI、キャパシタの等価直列抵抗値をRとすると、IRにより求められる。一般に、キャパシタ容量に反比例して抵抗値Rは増加するため、小型のキャパシタであるほど、発生する損失も大きくなる。
一般の電力変換装置の場合、キャパシタ内部で発生した熱は、キャパシタ素子→キャパシタケース→スリーブ→キャパシタ固定台→電力変換装置ケースへと放熱される。放熱効率を上げるためにはキャパシタ固定台を金属にし、さらに厚くするなどの改善が必要であった。また、キャパシタを複数搭載する場合、中心部に位置するキャパシタの温度が上昇するといった問題があった。
そこでこの問題を解決するため、特許文献1には、キャパシタケースにフィンを設け、キャパシタ内部で発生する熱を効果的に放熱する構造が提案されている。
特開2002−15950号公報(全体)
しかし、この構造では、キャパシタ内部の熱を効率よくキャパシタ外部へ放熱することはできるが、電力変換装置内部空間へ放熱することになるため、電力変換装置の内部温度上昇を招き、最終的には、またキャパシタの温度を上昇させてしまう。また、キャパシタの絶縁を考慮していないため、数十[V]以上の高電圧電力変換装置への用途には使用できない問題がある。
本発明の目的は、電力変換装置に使用されるキャパシタを、比較的小型の構造で効果的に冷却できるキャパシタの冷却構造を提供することである。
本発明の他の目的は、電力変換装置のキャパシタ、電子部品、及び/又は半導体モジュールを効果的に冷却して小型化でき、小型化した電力変換装置を提供することである。
本発明の望ましい一実施態様においては、横倒しのキャパシタを中心部に開口部を有する絶縁板(絶縁体)で支持する。次に、絶縁板の開口部を放熱シートで塞ぎ、絶縁板と放熱シートの下方から、放熱シートを圧縮する凸部を有するヒートシンクを当てがって固定する。
ここで、好ましくは、放熱シートの端部に絶縁板との重なりを設ける。
また、本発明の望ましい他の実施態様においては、ヒートシンクの反キャパシタ側に、電力変換装置の電子部品を搭載し、キャパシタの下方に半導体モジュールを搭載したケース9を備える。
本発明の望ましい実施態様によれば、キャパシタに高放熱構造を提供することが可能となり、キャパシタを小型化することができる。
また、本発明の望ましい他の実施態様によれば、電力変換装置のキャパシタ、電子部品、及び/又は半導体モジュールを効果的に冷却でき、電力変換装置を小型化することができる。
本発明のその他の目的と特徴は、以下に述べる実施例の説明の中で明らかにする。
実施例1:
以下、図1及び図2を用いて、本発明の実施例1によるキャパシタの冷却構造について説明する。
図1は本発明の実施例1による電力変換装置内のキャパシタの概略取付構造図であり、図2はその分解組立図である。図において、1は金属ケース剥き出しの偏平型のアルミ電解キャパシタであり、以後略してキャパシタと呼ぶ。キャパシタ1は、横倒し状態で、絶縁板2に支持されている。この絶縁板2は、硬度の高い樹脂材が用いられ、キャパシタ1の荷重を支えるとともに、その中央部、すなわちキャパシタ1の底面部には、開口部201を設けている。この開口部201を塞ぐように、放熱シート3挟み、その下方からヒートシンク4をあてがい、固定具5とボルト61,62で締結する。放熱シート3は、硬度はなく柔軟であるが、絶縁性、熱伝導率の高い素材を用いている。ヒートシンク4は、放熱シート3に当接する部分に凸部401を備えており、ボルト61,62で締結した図1の状態では、放熱シート3は圧縮されている。ヒートシンク4は、図示しない近辺に冷却水を流すことにより、キャパシタ1の熱を外部へ逃がす役目をしている。
ここで、キャパシタで発生した熱は、キャパシタ素子→放熱シート→ヒートシンクへと効果的に放熱される。
この実施例1によれば、キャパシタ1の底面に熱伝導率の高い放熱シート3を用い、この放熱シート3を、絶縁板2の開口部201とヒートシンク4の凸部401とにより圧縮し、キャパシタ1からヒートシンク4までの熱伝導率を十分に低減することができる。したがって、キャパシタ1は、効果的に冷却され、その熱は、ヒートシンク4の冷却水等の冷媒を通して外部へ放散させることができる。
また、スリーブのない金属ケース剥き出しのアルミ電解キャパシタ1を、そのまま放熱シート3に圧接したことにより、さらにその効果的な冷却が期待できる。
なお、この実施例1では、キャパシタ1にアルミ電解タイプを用いているが、フィルムやセラミックなどの他キャパシタにも適用可能である。
また、キャパシタ以外の電子部品、抵抗、インダクタ、トランス等にも適用可能である。
実施例2:
次に、図3及び図4を用いて、本発明の実施例2について説明する。
図3は本発明の実施例2による電力変換装置内のキャパシタの概略取付構造図であり、図4はその分解組立図である。図において、図1及び図2の実施例1と同一機能部には同一符号を付けて重複説明は避ける。実施例1と異なる点は、まず、放熱シート3として、図4に示すように、絶縁板2の開口部201よりも広いものを用いる。次に、ヒートシンク4には、中央の凸部401の外周部に凹部402を設けている。これらを実施例1と同様に固定具5とボルト61,62により締結すれば、図3に示すように、放熱シート3の端部は、絶縁板2の縁部の下側に重なり開口部201を完全に塞ぐことができる。このように、放熱シート3の端部を、絶縁板2の縁部の下に潜り込ませることにより、高い絶縁性能を発揮できる。
この実施例2によれば、絶縁板2と放熱シート3の間の隙間を完全に塞ぎ、高い絶縁性能を発揮できるため、数十[V]以上の高電圧用の電力変換装置にも、キャパシタに高放熱構造を提供することができる。
実施例3:
次に、図5を用いて、本発明の実施例3について説明する。
図5は、本発明の実施例3による電力変換装置内キャパシタの概略取付構造図である。図において、図1〜4と同一機能部には同一符号を付けて重複説明は避ける。実施例2と異なる点は、絶縁板2の開口部201に沿う縁部の下面側に窪み202を設け、放熱シート3の端部は、絶縁板2の縁部の下面側の窪み202に潜り込むことによって、絶縁板2と重なるように構成したことである。
この実施例3においても、絶縁板2と放熱シート3の間の隙間を完全に塞ぎ、高い絶縁性能を発揮できるため、高電圧用の電力変換装置にも、キャパシタに高放熱構造を提供することができる。また、この実施例3によれば、絶縁板2に窪み202を設けることは簡単であり、実施例2のようなヒートシンク4の凹凸部加工が必要なく、実施例1と同様の構造のヒートシンクを用いることができるので、その加工が簡単となる効果がある。
実施例4:
次に、図6を用いて、本発明の実施例4について説明する。
図6は本発明の実施例4による電力変換装置内のキャパシタの概略取付構造図である。図において、図1〜5と同一機能部には同一符号を付けて重複説明は避ける。実施例3と異なる点は、絶縁板2の開口部201に沿う縁部の上面側に窪み203を設け、放熱シート3の端部は、絶縁板2の縁部の上面側の窪み203を利用して、絶縁板2に被せるように重ねたことである。
この実施例4においても、絶縁板2と放熱シート3の間の隙間を完全に塞ぎ、高い絶縁性能を発揮できるため、高電圧用の電力変換装置にも、キャパシタに高放熱構造を提供することができる。また、この実施例4においても、絶縁板2に窪み203を設けることは簡単であり、実施例2のようなヒートシンク4の凹凸部加工が必要なく、実施例1や3と同様の構造のヒートシンクを用いることができるので、その加工が簡単となる効果がある。
さらに、放熱シート3を絶縁板2の上に被せて締結できるので、組立て時の作業性が向上する。
実施例5:
次に、図7及び図8を用いて、本発明の実施例5について説明する。
図7は本発明の実施例5による電力変換装置内キャパシタの概略取付構造図であり、図8はその樹脂ケース入りキャパシタの斜視図である。図1〜6と同一機能部には同一符号を付けて重複説明は避ける。図3,4の実施例2と異なる点は、キャパシタ1を支持する絶縁板2を省略し、その代わりに、樹脂ケース7でキャパシタを保護する構造を採っている。ここで、樹脂ケース7には、キャパシタ1の底面に開口部701を設けていることである。なお、樹脂ケース7は開口部を設けたスリーブでも問題ない。
例えば、300[V]以上の高電圧の場合、絶縁及び保護のために、キャパシタ1は剥き出しではなく、樹脂ケース7やスリーブに入れることがある。このような場合に、本実施例のように、樹脂ケース7やスリーブに開口部701を設け、この開口部701を利用して、これまでの実施例と同様に、キャパシタ1から、放熱シート3を介してヒートシンク4への高放熱構造を提供することができる。
この実施例によれば、これまでの実施例における絶縁板2が不要となるほか、樹脂ケース7が存在するため、固定具51は、製作が容易な、丸みのない角型で十分である。
実施例6:
次に、図9を用いて、本発明の実施例6について説明する。
図9は、本発明の実施例6による電力変換装置の概略構造を説明する側面図である。図1〜8と同一機能部には同一符号を付けて重複説明は避ける。この実施例6では、電力変換装置のケース9内の下部に、半導体モジュール10を搭載し、このケース9の底辺には、冷却水11を導いている。半導体モジュール10の上方に、キャパシタ1を配置し、さらに、その上方には電力変換器の回路基板、部品等のコントローラ8を搭載している。
キャパシタ1の下部からの冷却構造は基本的に図7の実施例5と同じであり、樹脂ケース7の開口部701を利用して、放熱シート31、ヒートシンク41へと放熱する。
相違点は、樹脂ケース7には、キャパシタ1の上方にも開口部702を設け、その上に放熱シート32とヒートシンク42を搭載し、キャパシタ1の熱を上下へ放散可能としたものである。また、上部ヒートシンク42の上側に回路基板、部品等のコントローラ8を搭載することにより、キャパシタ1とコントローラ8の両方の冷却を可能としている。
キャパシタ1で発生した熱は、ヒートシンク41及び42から電力変換装置のケース9を通り、冷却水11へと放熱され、電力変換装置の外部へ放散される。
本発明の実施例1による電力変換装置内のキャパシタの概略取付構造図。 図1の分解組立図。 本発明の実施例2による電力変換装置内のキャパシタの概略取付構造図。 図3の分解組立図。 本発明の実施例3による電力変換装置内のキャパシタの概略取付構造図。 本発明の実施例4による電力変換装置内のキャパシタの概略取付構造図。 本発明の実施例5による電力変換装置内のキャパシタの概略取付構造図。 図7における樹脂ケース入りキャパシタの斜視図。 本発明の実施例6による電力変換装置の概略構造を説明する側面図。
符号の説明
1…キャパシタ、2…絶縁板、201…絶縁板の開口部、202,203…絶縁板の窪み、3,31,32…放熱シート、4,41,42…ヒートシンク、401…ヒートシンクの凸部、402…ヒートシンクの凹部、5…固定手段(固定具)、61,62…ボルト、7…樹脂ケース、701,702…樹脂ケースの開口部、8…コントローラ、9…電力変換装置のケース、10…電力変換器の半導体モジュール、11…冷却水。

Claims (11)

  1. 横倒しのキャパシタと、このキャパシタを支持するとともに、前記キャパシタの底面の中心部に開口部を有する絶縁板と、前記絶縁板の開口部を塞ぐ放熱シートと、前記絶縁板と前記放熱シートの下部に位置するとともに、前記放熱シートを圧縮する凸部を有するヒートシンクと、前記キャパシタを前記ヒートシンクに固定する固定手段とを備えたことを特徴とするキャパシタの冷却構造。
  2. 請求項1において、前記キャパシタは、金属ケース剥き出しの偏平型のアルミ電解キャパシタであることを特徴とするキャパシタの冷却構造。
  3. 横倒しのキャパシタと、このキャパシタを支持するとともに、前記キャパシタの底面の中心部に開口部を有する絶縁板と、前記絶縁板の縁部と重なりをもって前記開口部を塞ぐ高熱伝導性絶縁材料からなる放熱シートと、前記絶縁板と前記放熱シートの下部に位置するとともに、前記放熱シートを圧縮する凸部を有するヒートシンクと、前記キャパシタを前記ヒートシンクに固定する固定手段とを備えたことを特徴とするキャパシタの冷却構造。
  4. 請求項3において、前記放熱シートは、前記絶縁板の縁部の下側に重なり前記開口部を塞ぐように構成したことを特徴とするキャパシタの冷却構造。
  5. 請求項4において、前記絶縁板は、その開口縁部の下面側に窪みを備え、前記放熱シートは、前記絶縁板の縁部の前記下面側の窪みで前記絶縁板に重なるように構成したことを特徴とするキャパシタの冷却構造。
  6. 請求項3において、前記放熱シートは、前記絶縁板の縁部の上側に重なり前記開口部を塞ぐように構成したことを特徴とするキャパシタの冷却構造。
  7. 請求項6において、前記絶縁板は、その開口縁部の上面側に窪みを備え、前記放熱シートは、前記絶縁板の縁部の前記上面側の窪みで絶縁板に重なるように構成したことを特徴とするキャパシタの冷却構造。
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて、前記固定手段によって、前記キャパシタを前記ヒートシンクに固定した状態において、前記放熱シートは、キャパシタに接触する部分が、他の部分よりも薄く圧縮された高熱伝導性絶縁材料を備えたことを特徴とするキャパシタの冷却構造。
  9. 横倒しのキャパシタと、このキャパシタの上下面を包み込むとともに、前記キャパシタの底面の中心部に開口部を有する絶縁樹脂ケースと、この絶縁樹脂ケースの開口部を塞ぐ放熱シートと、前記絶縁樹脂ケースと前記放熱シートに下方から当接するとともに、前記放熱シートを圧縮する凸部を有するヒートシンクと、前記キャパシタを前記ヒートシンクに固定する固定手段とを備えたことを特徴とするキャパシタの冷却構造。
  10. 横倒しのキャパシタと、このキャパシタの上面及び/又は下面に当接するとともに、前記キャパシタの上面及び/又は下面の中心部に開口部を有する絶縁板と、この絶縁板の開口部を塞ぐ放熱シートと、前記絶縁板と前記放熱シートに反キャパシタ側から当接するとともに、前記放熱シートを圧縮する凸部を有するヒートシンクと、前記キャパシタを前記ヒートシンクに固定する固定手段と、前記ヒートシンクの反キャパシタ側に搭載した電力変換器の電子部品とを備えたことを特徴とする電力変換装置。
  11. 請求項10において、前記キャパシタの下方に半導体モジュールを搭載したケースを備えたことを特徴とする電力変換装置。
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