JP4496674B2 - トリマー刃及びトリマー刃を用いた電動器具 - Google Patents
トリマー刃及びトリマー刃を用いた電動器具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4496674B2 JP4496674B2 JP2001180803A JP2001180803A JP4496674B2 JP 4496674 B2 JP4496674 B2 JP 4496674B2 JP 2001180803 A JP2001180803 A JP 2001180803A JP 2001180803 A JP2001180803 A JP 2001180803A JP 4496674 B2 JP4496674 B2 JP 4496674B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blade
- fixed blade
- trimmer
- fixed
- movable
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Dry Shavers And Clippers (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、それぞれ長手方向に櫛歯を有した固定刃と可動刃とを上記長手方向に摺接自在に重ね合わせて配置して成るトリマー刃、及び上記トリマー刃を用いた電動器具に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来から、それぞれ長手方向に櫛歯30を有した固定刃1と可動刃2とを上記長手方向に摺接自在に重ね合わせて配置して成るトリマー刃は、基本的に固定刃1を肌に沿わせて当接させて固定刃1の櫛歯30の歯溝に毛を導入し、固定刃1に摺接させた可動刃2で上記毛を切断させるようにして使用されるものである。このようなトリマー刃には、先行技術として実公昭63−35748(図14)や実公昭57−54772(図15)が有り、これらは、肌に当接させる固定刃1の先端部分に肉厚を厚くした厚肉部3を形成し、肌に当接させる固定刃1の接触面積を広くし、固定刃1による肌への刺激を低減させているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の例においては、固定刃1の厚肉部3に可動刃2の先端部分を位置させているために、固定刃1の厚肉部3の肉厚分の刈り高さを残して毛は切断されるものであり、毛を短く刈ることができないといった問題があった(図11,12参照)。なお、毛を短く刈ることを期して固定刃1の肉厚を薄く形成させることも考えられるが、固定刃1を肌に当接させた際に固定刃1による肌への刺激が増大すると共に肌から固定刃1にかかる当接反力により固定刃1が変形してしまったりといった固定刃1の強度の劣化を招くという問題があった。つまり、固定刃1の先端に厚肉部3を設けると、固定刃1による肌への刺激は低減させることはできるが毛を短く刈ることができないものであり、また、固定刃1の肉厚を薄く形成させると、毛を短く刈ることはできるが固定刃1による肌への刺激が増大すると共に固定刃1の強度も低下してしまうのである。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みて発明されたものであり、その目的とするところは、固定刃を肌に当接した際に固定刃による肌への刺激を低減させると共に毛を短く刈るといった相反する課題を解決し、更に固定刃の強度の低下をも招き得ないようなトリマー刃や上記トリマー刃を用いた電動器具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1に係るトリマー刃は、それぞれ長手方向に櫛歯30を有する固定刃1と可動刃2とを重ね合わせて配置し、固定刃1に対して可動刃2が長手方向に往復駆動されることにより毛を切断するトリマー刃Aにおいて、固定刃1の先端部分に可動刃2と反対方向に突出する厚肉部3を設けると共に上記厚肉部3に隣接して可動刃2との摺接面と略平行に薄肉部4を設け、可動刃2の先端を上記固定刃1の薄肉部4に摺接させ、更に、固定刃1の長手方向の両端部分に少なくとも歯溝幅よりも長い非櫛部7を設け、上記非櫛部7の先端部分から長手方向の端縁部分に亘って可動刃2と反対方向に突出する厚肉部8を設けたことを特徴とする。これにより、固定刃1の先端部分に厚肉部3を設けたので、固定刃1を肌に当接させる際には上記厚肉部3を肌に当接させて固定刃1による肌への刺激を低減化させることができ、また、上記厚肉部3の根元側に薄肉部4を設け、可動刃2の先端を上記固定刃1の薄肉部4に摺接させたので、固定刃1の薄肉部4と可動刃2との間で毛を切断させることができ、このとき刈られる毛は固定刃1の薄肉部4の肉厚分の刈り高さを残すものであって、つまり毛を短く刈ることができるものである。更に、固定刃1の非櫛部7を肌に当接させるように使用した際にも、上記非櫛部7の外周縁部分には厚肉部8が設けられていることから、肌には上記厚肉部8を当接させることができ、固定刃1を肌に当接させた際の肌への刺激を低減させることができる。
【0006】
また、請求項2に係るトリマー刃は、請求項1において、可動刃2に摺接した固定刃1の先端部分に対して固定刃1の基端部分が可動刃2から離れるように固定刃1の先端部分と基端部分との間に段部5を有し、上記段部5の先端側屈曲部6を固定刃1の歯溝奥部31よりも先端側に位置させたことを特徴とする。これにより、元来固定刃1における強度の弱い部分である櫛歯30部分の可動刃2と固定刃1との対向方向への肉厚を増やすことができ、固定刃1の強度の向上が図れられるものである。
【0007】
また、請求項3に係るトリマー刃は、請求項2において、上記段部5の先端側屈曲部6付近の固定刃1の形状をR形状にしたことを特徴とする。これにより、固定刃1にかかる外力による応力集中が発生し易い段部5の先端側屈曲部6付近を連続形状に形成させることができ、元来固定刃1における強度の弱い部分である櫛歯30部分の可動刃2と固定刃1との対向方向への肉厚を増やすことができ、固定刃1の強度の向上が図れられるものである。
【0008】
また、請求項4に係るトリマー刃は、請求項1において、固定刃1の厚肉部3の厚みを薄肉部4の厚みの3倍以下にしたことを特徴とする。これにより、毛を短く刈り得る効果と固定刃1による肌への刺激を低減させる効果とを固定刃1にバランスよく備えさせることができるものである。
【0010】
また、請求項1に記載したトリマー刃を備えた電動器具は、トリマー刃Aをハウジング9の先端に設けたスリット10から突出させ、上記トリマー刃Aの可動刃2側に位置したスリット10の端縁部10aを上記トリマー刃Aの固定刃1側に位置したスリット10の端縁部10bよりも先端側に突出させたことを特徴とする。これにより、トリマー刃Aの固定刃1側に位置したスリット10の端縁部10bがトリマー刃Aの固定刃1より先に肌に当接してしまって、トリマー刃Aの固定刃1が肌に密着されないような状態を避けることができるものであり、つまり、固定刃1を肌に密着させて当接させることで毛を短く刈ることができるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0012】
図1乃至図10に本発明の実施の形態の例を示す。本例では、トリマ−刃Aを備えた電動器具として主に眉毛等の毛を刈る用途に使用される電動毛刈り機Bを例に挙げる。図2、図3には電動毛刈り機Bの全体の側面図及び縦断面図を示す。この電動毛刈り機は、円筒状のハウジング9の先端部に毛を切断するトリマー刃Aを、中央部に上記トリマー刃Aを駆動させる駆動部11を、後端部に上記駆動部11を駆動させる電源電池(図示せず)をそれぞれ内装して構成されるものである。
【0013】
上記トリマー刃Aは固定刃1と可動刃2とから構成される。この固定刃1及び可動刃2はそれぞれ矩形板状のものであり、その一端に亘って長手方向に櫛歯30を有して形成されている。この櫛歯30を設けた方向をトリマー刃Aの先端方向とする。この固定刃1と可動刃2とは互いの板面を対向させるようにして互いの櫛歯30を重ね合わせて配置され、可動刃2が固定刃1に対して長手方向に往復駆動することで可動刃2及び固定刃1の櫛歯30の歯溝に挿入した毛を切断するものである。上記可動刃2の往復動は後述する駆動部11の駆動杆24により行われる。
【0014】
上記駆動部11は、駆動源であるモーター21と、上記モーター21の駆動軸21aに取り付けたピニオン22と、上記ピニオン22に噛合するフェースギア23と、上記フェースギア23の枢支軸23bに対する偏心位置に係合される板棒状の駆動杆24とで構成される。駆動杆24とフェースギア23との係合構造は、フェースギア23の偏心位置に突出した偏心ピン23aを駆動杆24に設けた係合孔24aに遊嵌させた構造であって、フェースギア23の回転運動が駆動杆24の往復運動に変換される往復動リンク機構により構成されている。この駆動杆24は先端を可動刃2に連結して可動刃2に往復動をさせるものである。なお、上記モーター21はスイッチ回路(図示せず)によりオンオフされる。このスイッチ回路はスイッチハンドル25により操作される。
【0015】
なお、上記ハウジング9は、先端部にトリマー刃Aを配置する刃基台13を有すると共に中央部に駆動部11を配置する駆動部基台14を有し、後端部に電源電池を収納する電池収納部12を形成した本体ハウジング15と、上記刃基台13に対向させて被せる刃カバー16と、上記駆動部基台14に対向させて被せる駆動部カバー17と、上記電池収納部12に下方から挿入して被せる有底円筒状の電池カバー18とから構成されている。つまり、トリマー刃Aは本体ハウジング15の刃基台13と刃カバー16との間に内装され、駆動部11は本体ハウジング15の駆動部基台14と駆動部カバー17との間に内装される。また、電源電池は本体ハウジング15から電池カバー18を取り外すことで取替可能になっているものである。
【0016】
図4、図5に示すものは、トリマー刃Aの本体ハウジング15の刃基台13への配設構造の側面図及び分解斜視図である。このトリマー刃Aの本体ハウジング15の刃基台13への配設構造は、上記刃基台13に押上バネ19を装着し、上記押上バネ19に可動刃2、固定刃1を順に重ね合わせるように配置し、最後に刃カバー16を固定刃1の上から被せて装着した構造である。この押上バネ19は、常に可動刃2を固定刃1に沿わせて摺動させ、可動刃2と固定刃1との間に一定の切断力を有させるように、可動刃2を固定刃1の方向に押圧付勢しているものである。また、図中20は、可動刃2に上記駆動杆24の先端を連結させる連結具である。
【0017】
図6に示すものは、上記トリマー刃Aのハウジング9への配設構造を示す横断面図である。上述したように、トリマー刃Aは本体ハウジング15の刃基台13と刃カバー16との間に挟まれるように配置されるが、本体ハウジング15の刃基台13と刃カバー16とは電動毛刈り機Bの正面側にスリット10を形成しており、固定刃1及び可動刃2は上記スリット10からそれぞれ櫛歯30部分を外方に突出させて配置されている。
【0018】
上述した構成を有する電動毛刈り機Bは、スイッチハンドル25を操作してモーター21を駆動させると、ピニオン22及びフェースギア23が回転すると共に駆動杆24が往復動し、上記駆動杆24に連結した可動刃2が固定刃1の長手方向に往復摺動するものである。そして、図8,9に示すように、固定刃1の先端を使用者の肌に沿わせて固定刃1の櫛歯30の歯溝に毛を挿入し、固定刃1に沿って摺動させた可動刃2により上記毛が切断されるのである。
【0019】
ここで、本発明は、固定刃1を肌に当接した際の固定刃1による肌への刺激を低減させると共に毛を短く刈るといった相反する課題を解決するために、特にトリマー刃Aを構成する固定刃1と可動刃2との構造につき工夫が施されているものである。以下、トリマー刃Aを構成する固定刃1と可動刃2との構造につき詳述する。
【0020】
図1にはハウジング9に配設したトリマー刃Aの先端部分を拡大した横断面図を示すが、このように、固定刃1は、櫛歯30が形成されている先端部分に厚肉部3を設けると共に上記厚肉部3の根元側に薄肉部4を連続して設けて形成されている。この厚肉部3は表面に丸みを持たせて可動刃2と反対方向に突出するように形成されており、また、薄肉部4は固定刃1の肉厚を小さくするように切削するようにして形成されているものである。上述したように電動毛刈り機Bを使用する際には固定刃1の先端を肌に当接させて使用されるものであるが、本例では、固定刃1の先端の厚肉部3を肌に当接させることができることから、固定刃1と肌との接触面積を広くして当接圧力を少なくさせることができ、つまり、固定刃1による肌への刺激を低減させることができるのである。
【0021】
また、本例では、固定刃1に摺接する可動刃2の先端を固定刃1の薄肉部4に沿わせるように位置させている。これは、固定刃1の櫛歯30の歯溝に挿入した毛を固定刃1の薄肉部4で可動刃2によって切断させることを図ったものである。固定刃1と可動刃2との間での毛の切断構造は、図8,9に示すように、固定刃1の櫛歯30の歯溝を挿通した毛を摺動する可動刃2によって切断するような構造であることから、毛の刈り高さは固定刃1における切断箇所の肉厚寸法に依るものであり、固定刃1の肉厚を薄く形成した薄肉部4で毛を刈ることで毛を短く刈ることができるものである。なお、比較例として図11には可動刃2の先端を固定刃1の厚肉部3に位置させて固定刃1の櫛歯30の歯溝に挿通させた毛を上記厚肉部3で切断されるようにしたトリマー刃A’を示すが、このようなものでは図12に示すように固定刃1の櫛歯30の歯溝に挿通させた毛は肉厚の厚い厚肉部3分の刈り高さを残して切断されるため、図9に示す上記薄肉部4で切断した毛に比べて短く刈ることができないことがわかる。
【0022】
なお、本例の厚肉部3の肉厚寸法は薄肉部4の肉厚寸法の3倍以下にしてあるものである。これは、図10に示す厚肉部3の肉厚寸法における固定刃1による肌への刺激と毛の刈り高さとの関係により割り出されたものであり、このグラフによると、厚肉部3の肉厚寸法が薄肉部4の肉厚寸法の3倍を超えると固定刃1による肌への刺激は低い状態で略一定になり、また、厚肉部3が薄肉部4と略同様の肉厚寸法を有すると固定刃1による肌への刺激が高い状態になることがわかるものである。つまり、薄肉部4よりも肉厚の厚い厚肉部3の肉厚寸法を薄肉部4の肉厚寸法の3倍以下にすると、毛の刈り高さを妥当な短さにすることができると共に、固定刃1による刺激を使用者の気にならないレベルに抑えることができるものである。
【0023】
また、固定刃1及び可動刃2は先端位置である櫛歯30部分だけを接触させるようにそれぞれ櫛歯30の歯溝奥部31の近傍位置で段部5を形成させている。この段部5を形成させことで、固定刃1に対して摺動する可動刃2の摺接抵抗を小さくさせることができると共に押上バネ19による圧接力を有効に櫛歯30部分に集中させることができて毛の切断力の向上が図られるものである。しかしながら、固定刃1及び可動刃2において櫛歯30部分は元来強度の弱い部分であることから、この櫛歯30部分への上記押上バネ19による圧接力の集中荷重は櫛歯30部分の更なる強度不安を創出してしまう。本例では、この櫛歯30部分に種々形状に変化をつけることで櫛歯30部分の強度の向上が図られるものである。
【0024】
まず、段部5の先端側屈曲部6が歯溝奥部31よりも先端側に設けられている。これによると、歯溝奥部31では固定刃1と可動刃2との対向方向、つまり、可動刃2が固定刃1に付勢される方向に肉厚を厚く形成させることができるものであり、固定刃1及び可動刃2の櫛歯30部分の特に根元部分の強度の向上が図られているのである。更に、この先端側屈曲部6では、固定刃1及び可動刃2を滑らかに屈曲させるように固定刃1及び可動刃2の対向面と反対の表面をR形状に仕上げている。これによると、押上バネ19の付勢等の外力によって固定刃1や可動刃2内に発生する内部応力を上記先端側屈曲部6に集中させない構造にすることができるものであり、従って、固定刃1及び可動刃2の櫛歯30部分の強度の向上が図られているのである。
【0025】
また、図7に示すように、固定刃1の長手方向の両端部には少なくとも櫛歯30の歯溝幅よりも長い非櫛部7を設けてあり、この非櫛部7の外周縁部分、すなわち非櫛部7の先端部分から長手方向の端縁部分に亘る部分には厚肉部8が形成されている。この非櫛部7の厚肉部8は、櫛歯30部分に形成した厚肉部3と同様に、表面に丸みを持たせて可動刃2と反対方向に突出するように形成されている。刈る毛に狙いをつけて固定刃1を肌に当接させる際には固定刃1の長手方向の端縁部分を肌に当接させるものであるが、この固定刃1の長手方向の端縁部分には櫛歯30の形成されていない非櫛部7があって更に上記非櫛部7の外周縁に厚肉部8が形成されていることから、刈る毛に狙いをつけて固定刃1を肌に当接させた際にも確実に厚肉部8を肌に押し当てることができるものであり、固定刃1による肌への刺激を抑えることができるものである。
【0026】
このように、トリマー刃Aを構成する固定刃1及び可動刃2に種々の工夫を施したことで、固定刃1による肌への刺激を抑えると共に毛の刈り高さも短くさせることができ、電動毛刈り機Bの使い勝手を向上させているものである。なお、電動毛刈り機Bの構造に工夫を施すことでも毛の刈り高さを短くさせ得るものである。すなわち、本例の電動毛刈り機Bでは、トリマー刃Aを突出させたスリット10の可動刃2側の端縁部10a(刃カバー16の端縁部)を固定刃1側の端縁部10b(刃基台13の端縁部)に比べてトリマー刃Aの先端方向に突出させているのである。本例の電動毛刈り機Bの使用形態図は図8に示すものであるが、これによると、固定刃1を肌に当接させた際に、トリマー刃Aの固定刃1側に位置したスリット10の端縁部10bがトリマー刃Aの固定刃1より先に肌に当接してしまってトリマー刃Aの固定刃1が肌に密着されないような状態を避けることができるものであり、つまり、固定刃1を肌に密着させて当接させることができ、毛を短く刈ることができるものである。図13には、比較例としてのスリット10の両端縁部10a,10bを同レベルの突出状態に形成した電動毛刈り機B’の使用形態図を示すが、上記比較例である電動毛刈り機B’では、スリット10の固定刃1側の端縁部10bがトリマー刃Aの先端方向に突出しすぎているために、固定刃1より先に肌に当接してしまって固定刃1を肌に密着させ得ない状態であることがわかる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載のトリマー刃にあっては、叙述したように、固定刃の先端部分に可動刃と反対方向に突出する厚肉部を設けたので、固定刃を肌に当接させる際には上記厚肉部を肌に当接させて固定刃による肌への刺激を低減化できるものであり、また、上記固定刃において厚肉部に隣接して可動刃との摺接面と略平行に薄肉部を設けると共に可動刃の先端を上記固定刃の薄肉部に摺接させたので、固定刃の薄肉部と可動刃との間で毛を切断させることができ、このとき刈られる毛は固定刃の薄肉部の肉厚分の刈り高さを残すものであって、つまり毛を短く刈ることができるものである。更に、固定刃の長手方向の両端部分に少なくとも歯溝幅よりも長い非櫛部を設け、上記非櫛部の先端部分から長手方向の端縁部分に亘って可動刃と反対方向に突出する厚肉部を設けたので、狙った毛を切断させるために固定刃の長手方向の端部である非櫛部を肌に当接させるように使用した際にも、上記非櫛部の外周縁部分には厚肉部が設けられていることから、肌には上記厚肉部を当接させることができ、固定刃による肌への刺激を低減させることができる。
【0028】
また、請求項2記載のトリマー刃は、請求項1の効果に加えて、可動刃に摺接した固定刃の先端部分に対して固定刃の基端部分が可動刃から離れるように固定刃の先端部分と基端部分との間に段部を有し、上記段部の先端側屈曲部を固定刃の歯溝奥部よりも先端側に位置させたので、元来固定刃における強度の弱い部分である櫛歯部分の可動刃と固定刃との対向方向への肉厚を増やすことができ、固定刃の強度の向上が図れられるものである。
【0029】
また、請求項3記載のトリマー刃は、請求項2の効果に加えて、上記段部の先端側屈曲部付近の固定刃の形状をR形状にしたので、元来固定刃における強度の弱い部分である櫛歯部分の可動刃と固定刃との対向方向への肉厚を増やすことができ、固定刃の強度の向上が図れられるものである。
【0030】
また、請求項4記載のトリマー刃は、請求項1の効果に加えて、固定刃の厚肉部の厚みを薄肉部の厚みの3倍以下にしたので、毛を短く刈り得る効果と固定刃による肌への刺激を低減させる効果とを固定刃にバランスよく備えさせることができるものである。
【0032】
また、請求項1に記載したトリマー刃を備えた電動器具において、トリマー刃をハウジングの先端に設けたスリットから突出させ、上記トリマー刃の可動刃側に位置したスリットの端縁部を上記トリマー刃の固定刃側に位置したスリットの端縁部よりも先端側に突出させたので、トリマー刃の固定刃側に位置したスリットの端縁部がトリマー刃の固定刃より先に肌に当接してしまってトリマー刃の固定刃が肌に密着されないといった状態を避けることができるものであり、つまり、固定刃を肌に密着させて当接させることができ、毛を短く刈ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例の電動毛刈り機に備えたトリマー刃の先端部分の横断面図である。
【図2】同上の電動毛刈り機(電池カバーを外した状態)を示す全体側面図である。
【図3】同上の電動毛刈り機の全体縦断面図である。
【図4】同上の電動毛刈り機のハウジングに装着したトリマー刃を示す部分側面図である。
【図5】同上のハウジングへのトリマー刃の配設構造を示す分解斜視図である。
【図6】同上のハウジングへのトリマー刃の配設構造を示す横断面図である。
【図7】同上のトリマー刃の固定刃における長手方向の端縁部分を示す斜視図である。
【図8】同上の電動毛刈り機の使用形態を説明するトリマー刃配設位置での横断面図である。
【図9】同上の電動毛刈り機の使用形態を説明するものであって図1のx−x線断面図である。
【図10】厚肉部の肉厚寸法におけるトリマー刃の固定刃による肌への刺激と毛の刈り高さとの関係を示すグラフである。
【図11】本発明と比較する比較例であって、可動刃の先端を固定刃の厚肉部に位置させたトリマー刃を示す横断面図である。
【図12】上記比較例の使用形態を説明するものであって図11のy−y線断面図である。
【図13】本発明と比較する他の比較例であって、スリットの両端縁部を同レベルに突出させた電動毛刈り機の使用形態を説明するトリマー刃配設位置での横断面図である。
【図14】従来技術の例を示すもので、(a)はトリマー刃の固定刃の先端部分の斜視図であり、(b)は使用形態を説明するトリマー刃の横断面図である。
【図15】従来技術の他例を示すもので、(a)はトリマー刃の固定刃の先端部分の斜視図であり、(b)はトリマー刃の横断面図である。
【符号の説明】
1 固定刃
2 可動刃
3 厚肉部
4 薄肉部
5 段部
6 先端側屈曲部
30 櫛歯
31 歯溝奥部
Claims (5)
- それぞれ長手方向に櫛歯を有する固定刃と可動刃とを重ね合わせて配置し、固定刃に対して可動刃が長手方向に往復駆動されることにより毛を切断するトリマー刃において、固定刃の先端部分に可動刃と反対方向に突出する厚肉部を設けると共に上記厚肉部に隣接して可動刃との摺接面と略平行に薄肉部を設け、可動刃の先端を上記固定刃の薄肉部に摺接させ、更に、固定刃の長手方向の両端部分に少なくとも歯溝幅よりも長い非櫛部を設け、上記非櫛部の先端部分から長手方向の端縁部分に亘って可動刃と反対方向に突出する厚肉部を設けたことを特徴とするトリマー刃。
- 可動刃に摺接した固定刃の先端部分に対して固定刃の基端部分が可動刃から離れるように固定刃の先端部分と基端部分との間に段部を有し、上記段部の先端側屈曲部を固定刃の歯溝奥部よりも先端側に位置させたことを特徴とする請求項1に記載のトリマー刃。
- 上記段部の先端側屈曲部付近の固定刃の形状をR形状にしたことを特徴とする請求項2に記載のトリマー刃。
- 固定刃の厚肉部の厚みを薄肉部の厚みの3倍以下にしたことを特徴とする請求項1に記載のトリマー刃。
- 請求項1に記載したトリマー刃を備えた電動器具において、トリマー刃をハウジングの先端に設けたスリットから突出させ、上記トリマー刃の可動刃側に位置したスリットの端縁部を上記トリマー刃の固定刃側に位置したスリットの端縁部よりも先端側に突出させたことを特徴とする電動器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001180803A JP4496674B2 (ja) | 2001-06-14 | 2001-06-14 | トリマー刃及びトリマー刃を用いた電動器具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001180803A JP4496674B2 (ja) | 2001-06-14 | 2001-06-14 | トリマー刃及びトリマー刃を用いた電動器具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002369980A JP2002369980A (ja) | 2002-12-24 |
JP4496674B2 true JP4496674B2 (ja) | 2010-07-07 |
Family
ID=19021163
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001180803A Expired - Fee Related JP4496674B2 (ja) | 2001-06-14 | 2001-06-14 | トリマー刃及びトリマー刃を用いた電動器具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4496674B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2013245349B2 (en) | 2012-04-03 | 2017-04-27 | Koninklijke Philips N.V. | Blade set for hair cutting appliance and method for its manufacture |
CN110815296A (zh) * | 2019-12-09 | 2020-02-21 | 浙江海顺电工有限公司 | 一种剃毛定刀及剃毛器 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5030989U (ja) * | 1973-07-13 | 1975-04-05 | ||
JPS5478254A (en) * | 1977-11-10 | 1979-06-22 | Philips Nv | Hair trimmer |
JPS5637967U (ja) * | 1979-08-31 | 1981-04-10 | ||
JPH0252688A (ja) * | 1988-08-12 | 1990-02-22 | Matsushita Electric Works Ltd | ヘアーカッターの刃 |
JPH03140181A (ja) * | 1989-10-26 | 1991-06-14 | Matsushita Electric Works Ltd | カッター刃 |
-
2001
- 2001-06-14 JP JP2001180803A patent/JP4496674B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5030989U (ja) * | 1973-07-13 | 1975-04-05 | ||
JPS5478254A (en) * | 1977-11-10 | 1979-06-22 | Philips Nv | Hair trimmer |
JPS5637967U (ja) * | 1979-08-31 | 1981-04-10 | ||
JPH0252688A (ja) * | 1988-08-12 | 1990-02-22 | Matsushita Electric Works Ltd | ヘアーカッターの刃 |
JPH03140181A (ja) * | 1989-10-26 | 1991-06-14 | Matsushita Electric Works Ltd | カッター刃 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002369980A (ja) | 2002-12-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11472049B2 (en) | Blade set, hair cutting appliance, and related manufacturing method | |
CN109623884B (zh) | 刀片组及其制造方法 | |
JP4632616B2 (ja) | バイブレータ・モータ用ブレード集合体 | |
CN108687803B (zh) | 固定刀片、刀片组及制造方法 | |
CN108724253B (zh) | 附接梳、切割头以及毛发切割器具 | |
US5054199A (en) | Hair cutter | |
WO2018219704A1 (en) | Stationary blade, blade set, and manufacturing method | |
US7509743B2 (en) | Electric hair clipper | |
JP2009050496A (ja) | バリカン | |
US11440208B2 (en) | Blade of hair removal device and hair removal device including blade of hair removal device | |
JP6551761B2 (ja) | 電気かみそり | |
KR20070024371A (ko) | 이발기 | |
JP2010532221A (ja) | グルーミングツール | |
JP2005334370A (ja) | 往復直線運動を行う被駆動部材を備えたヘッド部が本体部に対して揺動可能な電動器具 | |
WO2008068952A1 (ja) | ヘアカッター | |
JP4496674B2 (ja) | トリマー刃及びトリマー刃を用いた電動器具 | |
WO2012124459A1 (ja) | 電気かみそり | |
JP5879531B2 (ja) | 電気かみそり | |
WO2024048563A1 (ja) | 除毛装置の刃および除毛装置の刃を備える除毛装置 | |
JP2000288267A (ja) | 電気かみそり | |
EP4501561A1 (en) | Slit blade block and electric razor | |
JP3800994B2 (ja) | 電気機器 | |
JP7432855B2 (ja) | 電気式毛切断装置のアタッチメント | |
JP3593714B2 (ja) | 眉用かみそり | |
JP2569393Y2 (ja) | 電気かみそり |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050613 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071203 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080226 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080428 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090602 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090803 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100323 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100405 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4496674 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140423 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |