JP4495664B2 - 風味増強剤及びこれを含有する茶系食品並びに茶系食品の風味増強方法 - Google Patents
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Description
また、本発明は、上記の風味増強剤を含有することを特徴とする茶系食品である。
さらに、本発明は、茶系食品100質量部に対して、グルタミン酸が0.01〜0.05質量部の添加量となるように上記記載の風味増強剤を添加することを特徴とする風味増強方法である。
本発明の風味増強剤を添加する対象は、経口摂取可能な飲食物であり、特に好適な対象は茶系食品である。
茶系食品とは、茶、茶葉、茶抽出物等を原料として使用した食品であり、例えば、スナック類、栄養食品、茶飲料、炭酸飲料、機能性飲料、アルコール飲料、アイスクリーム、シャーベット等の冷菓類、ゼリー、プリン、羊かん等のデザート類、クッキー、ケーキ、チョコレート、チューイングガム、饅頭等の菓子類、菓子パン、食パン等のパン類、ラムネ菓子、タブレット、錠菓類などが挙げられる。
具体的には、緑茶エキス入りキャンディー、抹茶アイスクリーム、抹茶プリン、抹茶入り乳飲料、緑茶ゼリーや抹茶チョコレートが例示される。
(a)必須成分
本発明の風味増強剤は、所定比率のグルタミン酸、3−ガロイルキナ酸、テアニン、コハク酸及びカリウムを必須成分として含有する。
カリウムは、塩化カリウム、リン酸二水素一カリウム、リン酸一水素二カリウムなどを
用いて添加することが可能である。
また、本発明の風味増強剤は、天然抽出物を精製し、必須成分のグルタミン酸、3−ガロイルキナ酸、テアニン、コハク酸を分画精製したものを用いることもできる。
(1)その母体がスチレン系重合体である、例えば「アンバーライト(登録商標)XAD−16」(オルガノ株式会社製)、
(2)スチレン−ジビニルベンゼン系重合体である、例えば「ダイヤイオン(登録商標)HP−20」(三菱化学株式会社製)、
(3)アクリル系重合体である、例えば「ダイヤイオンWK−10」(三菱化学株式会社製)、
(4)メタクリル系重合体である、例えば「ダイヤイオンHP−2MG」(三菱化学株式会社製)、
(5)アクリル酸エステル系重合体である、例えば「アンバーライトXAD−7」(オルガノ株式会社製)、
(6)アミド系重合体である、例えば「アンバーライトXAD−11」(オルガノ株式会社製)、
(7)デキストラン系重合体である、例えば「セファデックス(登録商標)G−25」(アマシャム ファルマシア バイオテク社製)、
(8)ポリビニル系重合体である、例えばダイヤイオンFP−II(三菱化学株式会社製)、などが例示され、適宜使用することができる。
して得ることができる。
一般的には、上記成分を、水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、トリエチルシトレート等の(混合)溶剤に適当な濃度で溶解させて(具体的には、水/エタノール、水/エタノール/グリセリン、水/グリセリン等の混合溶剤など)液剤とし、必要に応じてこれにデキストリン、シュークロース、ペクチン、キチン等を加え、さらにこれらを濃縮してペースト状の抽出エキスとすることもでき、また、液剤に賦形剤(デキストリン等)を添加し噴霧乾燥などによりパウダー状にすることも可能であり、用途に応じて種々の剤形を採用することができる。
より好ましくは、質量比でグルタミン酸1に対して3−ガロイルキナ酸が0.3〜1.0の範囲、テアニンが3.0〜5.0の範囲、コハク酸が0.05〜0.1の範囲、カリウムが3.0〜10.0の範囲であるような配合比であり、最も好ましくは、3−ガロイルキナ酸が0.3〜0.7の範囲、テアニンが3.0〜4.0の範囲、コハク酸が0.05〜0.08の範囲、カリウムが4.0〜6.0の範囲であるような配合比である。
本発明の風味増強剤は、上記成分の他に、本発明の効果を損なわない量的範囲で、適宜、香味成分あるいは色素を調合し香味及び色調を増強することもできる。かかる香味成分あるいは色素の種類は、特に制限はなく、公知の香味成分あるいは色素が目的に応じて適宜配合され用いられる。
本発明の風味増強剤は、飲食物、特に各種茶系食品に対し、合成品として、または緑茶抽出物を精製し、各必須成分を分画精製したものを添加できるが、さらに下記のように製剤化したものを添加することもできる。
試薬で購入したグルタミン酸、3−ガロイルキナ酸、テアニン、コハク酸、塩化カリウム、シュウ酸、カフェインをそれぞれ表1に示す配合比で混合して、蒸留水に溶解し、各100mLの試料を調製した。なお、蟻酸を添加してpHは一般的な緑茶のpHである6.0に調整した。
蟻酸を添加してpHを6.0に調製した蒸留水100mLに、実施例1の試料(1)〜(8)を各1mL添加して官能評価を行った。評価項目を旨味及びコク味の強さ、呈味のまろやかさを18名のパネルで評価した。
評価基準は、試料(1)の呈味を2とし、非常に強い呈味を5、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表2に示す。
低級煎茶浸出液100mLに、実施例1で得られた試料(1)〜(8)を各1mL添加して官能評価を行った。
評価項目を旨味及びコク味の強さ、緑茶らしい呈味のまろやかさを18名のパネルで評価した。評価基準は、低級煎茶のみの呈味を2とし、非常に強い呈味を5、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。
その結果を表3に示す。
ウーロン茶浸出液に、実施例1で得られた試料(1)〜(8)を各1mL添加して官能評価を行った。
評価項目を旨味及びコク味の強さ、呈味のまろやかさを18名のパネルで評価した。評価基準は、ウーロン茶のみの呈味を2とし、非常に強い呈味を5、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表4に示す。
紅茶浸出液に、実施例1で得られた試料(1)〜(8)を各1mL添加して官能評価を
行った。評価項目を旨味及びコク味の強さ、呈味のまろやかさを18名のパネルで評価した。評価基準は、紅茶のみの呈味を2とし、非常に強い呈味を5、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。
その結果を表5に示す。
砂糖45g、水あめ30g、水24gを合わせて155℃まで加熱した後、130℃まで冷却し、緑茶エキス1g、カラメル0.3g、実施例1の試料(2)を1mL添加し、混合、成型し、緑茶ハードキャンディーを調製したところ、コク味が増強され高級緑茶が持つ広がりのある自然な甘味を持った緑茶ハードキャンディーが得られた。
牛乳30g、水あめ11g、全脂加糖練乳10g、無塩バター7.5g、脱脂粉乳2.5g、水34.4gを合わせて湯浴にて攪拌溶解し、砂糖2.5g、乳化安定剤0.6gを添加、加熱攪拌した後、乳化を行いながら、抹茶1.5g及び実施例1の試料(2)を1mL添加し攪拌混合した後、エージングを行い、抹茶アイスクリームを調製したところ、旨味、コク味が増強され、高級抹茶の持つ広がりのある自然な旨味を持った抹茶アイスクリームが得られた。
牛乳50g、水62.4g、砂糖7g、乳化剤0.1gを合わせて加熱溶解した後、抹茶0.5g及び実施例1の試料(2)を1mL添加し攪拌混合した後、乳化、成型、冷却を行い、抹茶プリンを調製したところ、旨味、コク味が増強され、高級抹茶の持つ広がりのある自然な旨味を持った抹茶プリンが得られた。
牛乳30g、水38g、砂糖10g、乳化剤1.5gを合わせて加熱溶解した後、抹茶0.5g及び実施例1の試料(2)を1mL添加し攪拌混合した後、乳化を行い、抹茶風味を有する乳飲料を調製したところ、旨味、コク味が増強され、高級抹茶の持つ広がりのある自然な旨味を持った乳飲料が得られた。
水あめ10g、砂糖5g、ゲル化剤1g、水82gを合わせて加熱溶解した後、緑茶エキス2g及び実施例1の試料(2)を1mL添加し攪拌混合した後、成型、冷却を行い、緑茶ゼリーを調製したところ、旨味、コク味が増強され、高級緑茶の持つ広がりのある自然な旨味を持った緑茶ゼリーが得られた。
市販チョコレート加熱溶解した後、抹茶1g及び実施例1の試料(2)を1mL添加し攪拌混合した後、成型、冷却を行い、抹茶チョコレートを調製したところ、旨味、コク味が増強され、高級抹茶の持つ広がりのある自然な旨味を持った抹茶チョコレートが得られた。
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