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JP4483615B2 - 半導体発光素子用エピタキシャルウェハ及び半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子用エピタキシャルウェハ及び半導体発光素子 Download PDF

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Description

本発明は、半導体発光素子(発光ダイオード、半導体レーザ)用エピタキシャルウェハ、特にp型ドーパントとしてマグネシウム(Mg)を用いたアルミニウムガリウムインジウム燐(AlGaInP)系発光素子に適した半導体発光素子用エピタキシャルウェハ及びこれを用いて作製した半導体発光素子に関するものである。
有機金属気相成長(MOVPE)法を用いた、半導体発光素子用のAlGaInP系結晶成長では、従来、n型ドーパントとしてケイ素(Si)、セレン(Se)、p型ドーパントとして亜鉛(Zn)、Mgを用いるのが一般的である。半導体レーザ(LD)用途におけるエピタキシャルウェハでは、p型ドーパントとしてZnを用いた場合のp型クラッド層のキャリア濃度としては、通常4×1017cm-3程度と比較的低濃度に設定されている。
近年、半導体レーザのうちでも、AlGaInP系可視光半導体レーザを光源に用いた高密度光ディスク装置等が積極的に開発されている。この高密度光ディスク装置における読み取り・書き込み用光源としては、安定な高出力・高温動作が要求されており、そのためにはp型クラッド層のキャリア濃度を更に高濃度化する必要がある。
しかし、Znを高濃度ドーピングすると、エピタキシャル成長中にZnが活性層まで拡散してしまい、素子特性と信頼性の劣化を招くという問題が生じる。このためZnを低濃度ドーピングせざるを得なかった。最近では、p型ドーパントとして、Znに比べ拡散定数が小さいMgを用いてp型クラッド層を高キャリア濃度化するようになってきた。
また、p型基板の上に、p型クラッド層、活性層、n型クラッド層、n型電流拡散層が順に積層されたnアップ構造の発光ダイオード(LED)において、ガリウム燐(GaP)基板のp型ドーパントであるZnが活性層まで拡散してしまい、非発光センターを形成して輝度の低下を招くという問題を解決するため、p型クラッド層と基板との間、又はp型クラッド層の一部に亜鉛拡散防止層を形成することが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、従来、光素子用エピタキシャルウェハにおいては、低抵抗の電極を形成するために、最上層には高濃度にドーピングした低抵抗のキャップ層(コンタクト層)を形成する。このキャップ層は通常ガリウム砒素(GaAs)で形成され、ドーパントとしては高濃度に添加できるZnが用いられてきた。
特開平9−69667号公報(図1、Cドープ層106) 特開2002−111052号公報(図1、Zn拡散防止層15)
ところで、LED及びLDの高出力動作時や高温動作時には、活性層からp型クラッド層への電子のオーバーフローによるリーク電流が大きくなり、閾電流や動作電流が増大することが知られている。安定な高温・高出力動作を達成するためには、p型クラッド層を極力高キャリア濃度化することが望ましいが、従来のようにp型ドーパントとしてZnを用いた場合、p型クラッド層の高キャリア濃度化とともにZnが活性層中に拡散してしまい、活性層のフォトルミネッセンス・スペクトルの半値幅(以下、PL半値幅という)が大きくなるなど、活性層の結晶品質を損なうことが閾電流や動作電流の増大と信頼性低下の原因となっていた。
その対策として、本出願人は、先願として、結晶成長手段としてMOVPE法を用い、n型GaAs基板上に、少なくともn型AlGaInPクラッド層、多重量子井戸(MQW)活性層、p型AlGaInP第1クラッド層、p型ガリウムインジウム燐(GaInP)エッチング停止層、p型AlGaInP第2クラッド層、及びp型ガリウム砒素(GaAs)コンタクト層を順次積層したLD用エピタキシャルウェハにおいて、p型AlGaInP第1クラッド層、p型GaInPエッチング層、及びp型AlGaInP第2クラッド層のp型ドーパントがMgであり、且つp型GaAsコンタクト層のp型ドーパントがZnであり、且つp型AlGaInP第1クラッド層、p型AlGaInP第2クラッド層のうち、少なくともp型AlGaInP第1クラッド層のキャリア濃度が8×1017cm-3から1.3×1018cm-3の範囲にある構造とすることを提案している。
このように、p型AlGaInPクラッド層のp型ドーパントにはMgを用い、p型GaAsコンタクト層のp型ドーパントには、1×1019cm-3以上のキャリア濃度が比較的容易に得られ、且つ充分小さなコンタクト抵抗を得ることができるZnを用いることが有効である。これにより、p型クラッド層のキャリア濃度を1×1018cm-3程度まで高濃度化することが可能となった。
しかしながら、問題点として、p型クラッド層のキャリア濃度を1×1018cm-3よりも高濃度にドーピングすると、ZnとMgの相互拡散が顕著になり、p型コンタクト層のZnが、全くZnをドーピングしていないp型クラッド層や活性層にまで拡散してしまう現象が生じることが分かった。したがって、1×1018cm-3よりも更に高濃度ドーピングすると、p型ドーパントとしてZnのみを用いた場合と同様に、活性層のPL半値幅が大きくなるという問題があった。
すなわち、従来技術において、拡散しやすいZnを、最も上層に形成するp型GaAsキャップ層のp型ドーパントとして用いている場合には、このp型GaAsキャップ層に添加したZnが、その成長中に下の層のp型クラッド層を通過して活性層まで拡散し、活性層の発光特性を劣化させるという問題があった。
上記先願例として説明したように、p型クラッド層のドーパントとしてMgを用いている場合は、特にこのZnの拡散が顕著であり、さらに本来は比較的拡散し難いはずのMgの拡散をも助長してしまうため、活性層の発光特性や素子の寿命を劣化させるという大きな問題を生じていた。
そこで本発明の目的は、この問題点を解決し、GaAsキャップ層のZnをクラッド層や活性層に拡散させないようにした半導体発光素子用エピタキシャルウェハ、従って、安定な高出力動作及び高温動作が可能で、且つ高信頼な半導体発光素子(LED、LD)を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項の発明に係る半導体発光素子用エピタキシャルウェハは、GaAsからなるn型基板上に、少なくともAlGaInPからなるn型クラッド層、活性層、AlGaInPからなるp型クラッド層、及びGaAsからなるp型キャップ層(コンタクト層)を順次積層し、前記AlGaInPからなるp型クラッド層のp型ドーパントがMgである半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、前記GaAsからなるp型キャップ層(コンタクト層)のうち、前記AlGaInPからなるp型クラッド層側に位置する30nm以上100nm以下の厚さを有する部分のみをMgドープとすることにより、前記AlGaInPからなるp型クラッド層中への当該GaAsからなるp型キャップ層(コンタクト層)からのZn拡散をほぼ完全に抑止する亜鉛拡散抑止層とし、残部をZnをドーピングした層とすることを特徴とする。
請求項の発明に係る半導体発光素子用エピタキシャルウェハは、請求項1記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、上記AlGaInPからなるp型クラッド層のみを、上記活性層側から順にAlGaInPからなるp型第1クラッド層、p型エッチング停止層、及びAlGaInPからなるp型第2クラッド層を積層した構造の層であってかつ当該p型ドーパントがMgである層に変更したことを特徴とする。
請求項の発明に係る半導体発光素子用エピタキシャルウェハは、請求項1又は2記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、上記AlGaInPからなるp型クラッド層若しくは上記AlGaInPからなるp型第2クラッド層と上記GaAsからなるp型キャップ層(コンタクト層)との間に、両者間(上記AlGaInPからなるp型クラッド層若しくは上記AlGaInPからなるp型第2クラッド層と上記GaAsからなるp型キャップ層(コンタクト層)との間)のバンドギャップ不連続による界面の抵抗成分を減るMgをドーピングしたp型中間層を設けたことを特徴とする。
請求項の発明に係る半導体発光素子は、請求項1〜のいずれかに記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハを用いて作製したことを特徴とする。
<発明の要点>
上記目的を達成するために、本発明では、結晶成長手段としてMOVPE法を用い、更には活性層に隣接するp型第1クラッド層、エッチング停止層及びp型第2クラッド層のp型ドーパントとして従来のZnに代わり拡散定数が小さいMgを用いた。また、本発明のp型キャップ層のp型ドーパントは、先願と同様に、1×1019cm-3以上のドーピングが比較的容易なZnを用いるが、p型クラッド層及び活性層へのZnの拡散を抑制するため、p型キャップ層を、Mgをドーピングした層と、Znをドーピングした層の少なくとも2つの層から構成し、p型クラッド層側から順に、Mgをドーピングした層とZnをドーピングした層を形成した。これにより、従来、活性層の品質を損なうことなく高濃度化することが困難であったp型クラッド層のキャリア濃度を、1×1018cm-3以上の高濃度領域においても活性層のPL半値幅がほとんど増加せず、高出力・高温動作可能なLDが得られるエピタキシャルウェハの作製が可能となった。
すなわち、本発明では、p型キャップ層を少なくとも2層に分割した構造とし、基板や活性層に近い方の層をMgをドーピングした層(Mgドープp型キャップ層)、他方の層をZnをドーピングした層(Znドープp型キャップ層)とした。このような構造にすると、Mgをドーピングした層が、他方のZnをドーピングした層の中のZnの拡散を抑止する亜鉛拡散抑止層として働くため、ZnはMgをドーピングした層より活性層側へはほとんど拡散しない。この結果、活性層の発光特性や素子の寿命を劣化させるという従来の問題点を解決できる。
このようにp型クラッド層及び活性層へのZnの拡散を抑制するためのp型キャップ層を少なくとも2層に分割した構造とし、基板や活性層に近い方の層をMgをドーピングした層とし、他方の層をZnをドーピングした層とする考え方は、上記した特許文献1、2のいずれにも存在しないものである。
本発明によれば、GaAsからなるp型キャップ層を少なくとも2層に分割した構造とし、n型基板や活性層に近い方の層をGaAsからなるMgドープp型キャップ層(Mgをドーピングした層)とし、他方の層をGaAsからなるZnドープp型キャップ層(Znをドーピングした層)とし、Mgドープp型キャップ層が、他方のZnドープp型キャップ層の中のZnの拡散を抑止する亜鉛拡散抑止層として働くようにしたので、p型キャップ層のZnは、Mgドープp型キャップ層より活性層側へはほとんど拡散しない。すなわち、p型キャップ層のZnがクラッド層や特に活性層へ拡散することを極めて有効に抑止することができるので、活性層の発光特性や素子の寿命を劣化させることがない。この結果、拡散が少ない故に、高濃度にドーピングできるMgをp型クラッド層等に用いることの利点を充分に活かすことができ、高出力・高温特性のすぐれた赤色半導体レーザ等の光素子を作製するのに適した半導体発光素子用エピタキシャルウェハを提供することができる。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1に示す半導体発光素子(LD)用エピタキシャルウェハは、GaAsからなるn型基板1上に、GaAsからなるn型バッファ層2、GaInPからなるn型バッファ層3、AlGaInPからなるn型クラッド層4、AlGaInPからなるアンドープガイド層5、多重量子井戸(MQW)からなる活性層6、AlGaInPからなるp型第1クラッド層7、GaInPからなるp型エッチング停止層8、AlGaInPからなるp型第2クラッド層9、GaInPからなるp型中間層10、及びGaAsからなるp型キャップ層11を順次積層した構造となっている。
最も上層のp型キャップ層11は、Mgをドーピングした層(Mgドープp型キャップ層11a)と、Znをドーピングした層(Znドープp型キャップ層11b)の少なくとも2つの層から構成され、且つp型第2クラッド層9側に前記Mgをドーピングした層(Mgドープp型キャップ層11a)が、また表面側に前記Znをドーピングした層(Znドープp型キャップ層11b)が形成されている。p型第1クラッド層7、p型第2クラッド層9、及びp型エッチング停止層8にドープされたp型ドーパントはMgである。
このような構造にすると、Mgドープp型キャップ層11aが、他方のZnドープp型キャップ層11b中のZnの拡散を抑止する亜鉛拡散抑止層として働くため、ZnはMgドープp型キャップ層11aより活性層6側へはほとんど拡散しなくなる。
また、別な構造として、図3に示す半導体発光素子(LED)用エピタキシャルウェハがある。これは、GaAsからなるn型基板21上に、GaAsからなるn型バッファ層22、Al0.5Ga0.5AsとAlAsとの薄膜多層構造からなるn型DBR層23、AlGaInPからなるn型クラッド層24、多重量子井戸(MQW)からなる活性層25、AlGaInPからなるp型クラッド層26、GaPからなるp型電流拡散層27及びGaAsからなるp型キャップ層28を順次積層した構造となっている。
最も上層のp型キャップ層28は、Mgをドーピングした層(Mgドープp型キャップ層28a)と、Znをドーピングした層(Znドープp型キャップ層28b)の少なくとも2つの層から構成され、且つp型クラッド層26側に前記Mgをドーピングした層(Mgドープp型キャップ層28a)が、また表面側に前記Znをドーピングした層(Znドープp型キャップ層28b)が形成されている。p型クラッド層26、及びp型電流拡散層27にドープされたp型ドーパントはMgである。
このような構造にすると、図1の半導体発光素子(LD)用エピタキシャルウェハと同様に、Mgドープp型キャップ層28aが、他方のZnドープp型キャップ層28b中のZnの拡散を抑止する亜鉛拡散抑止層として働くため、ZnはMgドープp型キャップ層28aより活性層25側へはほとんど拡散しなくなる。
以下、本発明の実施例を説明する。
図1に示すごとく、GaAsからなるn型基板1上に、GaAsからなるn型バッファ層2、これと格子整合したGaInPからなるn型バッファ層3、(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pからなるn型クラッド層4を順次エピタキシャル成長し、その上に、(Al0.5Ga0.50.5In0.5Pからなるアンドープガイド層5、障壁層と歪GaInP井戸層により構成される多重量子井戸(MQW)からなる活性層6、さらに(Al0.7Ga0.30.5In0.5PからなるMgドープp型第1クラッド層7、GaInPからなるp型エッチング停止層8、(Al0.7Ga0.30.5In0.5PからなるMgドープp型第2クラッド層9、GaInPからなるMgドープp型中間層10を順次成長した。
そして最上部に、本発明の亜鉛拡散抑止層を伴う、GaAsからなるMgドープp型キャップ層(Mgをドーピングした層)11aと、GaAsからなるZnドープp型キャップ層(Znをドーピングした層)11bとを順次成長した。ここでMgドープp型第2クラッド層9側のMgドープp型キャップ層11aは、厚さ50nm、キャリア濃度1×1018cm-3とし、上側のZnドープp型キャップ層11bは、厚さ450nm、キャリア濃度5×1018cm-3とした。
本実施例(本発明)の層構造を持つ半導体発光素子(LD)用エピタキシャルウェハについて、そのZnとMgの分布状況をSIMS分析で調べた。その結果を図2に示す。図中、曲線12はZnの分布プロファイル、曲線13はMgの分布プロファイルである。図2の曲線12が示す亜鉛の濃度は、Mgドープp型第1クラッド層7及びMgドープp型第2クラッド層9の中において1×1015cm-3程度と非常に小さい値となっている。つまり、本実施例の場合、最も上層のZnドープp型キャップ層11bのZnがMgドープp型第1クラッド層7及びMgドープp型第2クラッド層9にはほとんど拡散していないことが判る。
参考として、図4に、p型キャップ層11がZnドープp型キャップ層11bのみで構成される従来例の場合について、SIMS分析した結果を示す。Mgドープp型第1クラッド層7及びMgドープp型第2クラッド層9の中におけるZn(曲線12)の値が高く、Znが活性層6にまで拡散していることが分かる。
また、本発明エピタキシャルウェハを用いて作製した赤色半導体レーザの素子特性も非常に良好であった。
本発明の亜鉛拡散抑止層(Mgドープp型キャップ層11a)は、そのマグネシウムのドーピング量をある程度自由に設定することができる。そこで、他の実施例として、亜鉛拡散抑止層であるMgドープp型キャップ層(Mgをドーピングした層)11aのキャリア濃度を4×1018cm-3とし、Znドープp型キャップ層(Znをドーピングした層)11bも同じく4×1018cm-3として構成したところ、同様の効果を発揮することができた。
図3に示すごとく、GaAsからなるn型基板21上に、GaAsからなるn型バッファ層22、Al0.5Ga0.5AsとAlAsとの薄膜多層構造からなるn型DBR層23、(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pからなるn型クラッド層24を順次エピタキシャル成長し、その上に、障壁層と歪GaInP井戸層により構成される多重量子井戸(MQW)からなる活性層25、(Al0.7Ga0.30.5In0.5PからなるMgドープp型クラッド層26、さらにGaPからなるp型電流拡散層27を順次成長した。
そして最上部に、本発明の亜鉛拡散抑止層を伴う、GaAsからなるMgドープp型キャップ層(Mgをドーピングした層)28aと、GaAsからなるZnドープp型キャップ層(Znをドーピングした層)28bとを順次成長した。ここでMgドープp型クラッド層 側のMgドープp型キャップ層28aは、厚さ70nm、キャリア濃度1×1018cm-3とし、上側のZnドープp型キャップ層28bは、厚さ450nm、キャリア濃度5×1018cm-3とした。
なお、上記実施例1及び3においては、Mgドープp型キャップ層の厚さを、それぞれ50nm、70nmとしたが、実用上は30nm以上100nm以下であることが好ましい。
なぜならば、亜鉛拡散抑止層より下の層において実用上問題とならない亜鉛濃度は約1×10-16cm-3以下であるが、その程度の亜鉛濃度を実現するためには、亜鉛拡散抑止層の厚さを30nm以上とする必要があるからである。
また、半導体発光素子において実用上許容され得る抵抗値は約3Ω以下であるが、その程度の抵抗値を実現するためには、亜鉛拡散抑止層の厚さを100nm以下とする必要があるからである。
本発明の半導体発光素子(LD)用エピタキシャルウェハの実施例を示す断面模式図である。 本発明の亜鉛拡散抑止層を伴った半導体発光素子(LD)用エピタキシャルウェハのSIMS分析結果を示す図である。 本発明の半導体発光素子(LED)用エピタキシャルウェハの実施例を示す断面模式図である。 従来のZnドープのキャップ層を用いた半導体発光素子(LD)用エピタキシャルウェハのSIMS分析結果を示す図である。
符号の説明
1 n型基板
2 n型バッファ層
3 n型バッファ層
4 n型クラッド層
5 アンドープガイド層
6 活性層
7 Mgドープp型第1クラッド層
8 p型エッチング停止層
9 Mgドープp型第2クラッド層
10 Mgドープp型中間層
11 p型キャップ層
11a Mgドープp型キャップ層(Mgをドーピングした層)
11b Znドープp型キャップ層(Znをドーピングした層)
12 Znの分布プロファイル
13 Mgの分布プロファイル

Claims (4)

  1. GaAsからなるn型基板上に、少なくともAlGaInPからなるn型クラッド層、活性層、AlGaInPからなるp型クラッド層、及びGaAsからなるp型キャップ層(コンタクト層)を順次積層し、前記AlGaInPからなるp型クラッド層のp型ドーパントがMgである半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、
    前記GaAsからなるp型キャップ層(コンタクト層)のうち、前記AlGaInPからなるp型クラッド層側に位置する30nm以上100nm以下の厚さを有する部分のみをMgドープとすることにより、前記AlGaInPからなるp型クラッド層中への当該GaAsからなるp型キャップ層(コンタクト層)からのZn拡散をほぼ完全に抑止する亜鉛拡散抑止層とし、残部をZnをドーピングした層とすることを特徴とする半導体発光素子用エピタキシャルウェハ。
  2. 請求項1記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、
    上記AlGaInPからなるp型クラッド層のみを、上記活性層側から順にAlGaInPからなるp型第1クラッド層、p型エッチング停止層、及びAlGaInPからなるp型第2クラッド層を積層した構造の層であってかつ当該p型ドーパントがMgである層に変更したことを特徴とする半導体発光素子用エピタキシャルウェハ。
  3. 請求項1又は2記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、
    上記AlGaInPからなるp型クラッド層若しくは上記AlGaInPからなるp型第2クラッド層と上記GaAsからなるp型キャップ層(コンタクト層)との間に、両者間のバンドギャップ不連続による界面の抵抗成分を減るMgをドーピングしたp型中間層を設けたことを特徴とする半導体発光素子用エピタキシャルウェハ。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハを用いて作製したことを特徴とする半導体発光素子。
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