JP4483172B2 - Titanium oxide dispersion - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化チタン分散液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種材料の表面を光触媒的に親水性にして、汚れを防止する技術が注目され(特許文献1参照)、材料表面に親水性膜を形成するためのコーティング剤が市販されている。また、可視光線の照射に対して活性を示す酸化チタンが見出され、これを触媒成分としたコーティング剤が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−57912号公報
【0004】
このようなコーティング剤を用いることにより、可視光照射に対して親水性を示す膜を形成することができる。しかし、屋内照明などによる少ない光量または短時間で親水性を回復させるため、可視光照射に対して、より高い親水性を示す膜を形成可能な酸化チタン分散液が要望されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、酸化チタンのもつ光触媒性能を十分に発現させて、可視光照射に対して高い親水性を示す膜を形成可能な酸化チタン分散液について検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、酸化チタンと両イオン性化合物と溶媒を含有する分散液であって、該分散液を乾燥して得られる固形分は、波長450nmの光線を照射したときの反射率が90%以下であることを特徴とする酸化チタン分散液を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の酸化チタン分散液は、酸化チタンと両イオン性化合物と溶媒を含有するものである。
【0008】
この酸化チタン分散液に含有される酸化チタンは、可視光線(例えば、波長430nm〜800nmの光)の照射に対して光触媒活性を示す酸化チタンであればよく、例えば、以下の(a)〜(i)のものなどが挙げられる。
【0009】
(a)X線光電子分光法で酸化チタンの結合エネルギー458eV〜460eVの間にあるチタンのピークの半価幅を4回測定した時の1回目と2回目のチタンのピークの半価幅の平均値をA1とし、3回目と4回目のチタンのピークの半価幅の平均値をB1とし、半価幅A1、B1から式(I)
X1=B1/A1 (I)
で示される指数X1が0.97以下、好ましくは0.93以下であり、かつ紫外可視拡散反射スペクトルを測定したときの、波長220nm〜800nmでのスペクトルの吸光度の積分値をC1とし、波長400nm〜800nmでのスペクトルの吸光度の積分値をD1とし、積分値C1、D1から式(II)
Y1=D1/C1 (II)
で示される指数Y1が0.14以上、好ましくは0.16以上である酸化チタン(特開2001-72419号公報)、
【0010】
(b)電子スピン共鳴スペクトルにおいてg値1.930〜2.030の間に3つ以上のピークを有し、かつそれらピークの内の極大となるピークがg値1.990〜2.020の間に存在する酸化チタン(特開2001-190953号公報)、
【0011】
(c)可視光線照射後に測定した電子スピン共鳴スペクトルから求められるスピン濃度X2が1.50×1016spin/g以上、好ましくは3.10×1016spin/g以上であり、かつ可視光線照射後に測定した電子スピン共鳴スペクトルから求められるスピン濃度X2と、可視光線照射前に測定した電子スピン共鳴スペクトルから求められるスピン濃度Y2との比(X2/Y2)が1.00超、好ましくは1.15以上である酸化チタン(特開2001-316116号公報)、
【0012】
(d)X線光電子分光法により8回分析し、チタンの電子状態について、1回目と2回目の分析の積算スペクトル及び7回目と8回目の分析の積算スペクトルを求め、それぞれの積算スペクトルのうち結合エネルギー458eV〜460eVにあるピークを求め、1回目と2回目の分析の積算スペクトルにあるピークの半価幅をA3とし、7回目と8回目の分析の積算スペクトルにあるピークの半価幅をB3としたとき、式(III)
X3=B3/A3 (III)
により算出される指数X3が0.9以下であり、かつ、紫外可視拡散反射スペクトルを測定して、波長250nm〜550nmの吸光度の積分値をC3とし、波長400nm〜550nmの吸光度の積分値をD3としたとき、式(IV)
Y3=D3/C3 (IV)
により算出される指数Y3が0.075以上、好ましくは0.110以上である酸化チタン(特開2001-322816号公報)、
【0013】
(e)X線光電子分光法により8回分析し、チタンの電子状態について、1回目と2回目の分析の積算スペクトルおよび7回目と8回目の分析の積算スペクトルを求めたときに、1回目と2回目の分析の積算スペクトルにおける少なくとも1つのピークの位置が結合エネルギー459〜460eVにあり、7回目と8回目の分析の積算スペクトルにおける少なくとも1つのピークの位置が結合エネルギー458〜459eVにあり、遷移金属の含有量が元素換算で酸化チタン中のチタンに対し0.005〜3.0mol%である酸化チタン(特開2002-29749号公報)、
【0014】
(f)熱天秤質量分析同時測定法により求められるマスクロマトグラムについて、質量数mとイオンの電荷数eの比m/eが28である成分の脱離ピークが600℃以上にある酸化チタン、もしくはマスクロマトグラムについて、m/eが28である成分の脱離ピークが600℃以上、950℃以下にあり、m/eが14である成分の脱離ピークが600℃以上、950℃以下にある酸化チタン(特開2002-97019号公報)、
【0015】
(g)酸化チタン結晶の酸素サイトの一部を窒素原子で置換した酸化チタン、酸化チタン結晶の格子間に窒素を原子をドーピングした酸化チタン、酸化チタンの結晶粒界に窒素原子をドーピングしたもの(国際公開第01/10552号パンフレット)、
【0016】
(h)安定した酸素欠陥を有する酸化チタンであって、真空中、77K、暗黒下で測定された電子スピン共鳴スペクトルにおいて、g値が2.003〜2.004であるシグナルが観測され、かつこのg値が2.003〜2.004であるシグナルは、真空中、77Kにおいて少なくとも420〜600nmの光を照射下で測定したとき、暗黒下で測定された場合よりシグナル強度が大きい酸化チタン(特許3252136号公報)、
【0017】
(i)表面にハロゲン化白金化合物(PtCl2、PtCl4、PtCl4・2H2O、H2[Pt(OH)2Cl4]・nH2O、PtBr2、PtBr4、PtI2、PtI4、PtF4、塩化白金酸、塩化白金酸塩、ブロモ白金錯塩、ヨウ化白金酸塩など)を含有している紡錘形状酸化チタン(特開2002-239395号公報)。
【0018】
また、可視光線の照射に対して光触媒活性を示す酸化チタンは、硫酸チタン、オキシ硫酸チタンのようなチタン化合物と、水と、チタン化合物中のチタンに対し0.05モル倍以上、好ましくは0.5モル倍以上、より好ましくは1モル倍以上、また5モル倍以下の過酸化物(例えば、過酸化水素水)とを混合し、次に、この混合物とアンモニア水のような塩基とをpH3〜5、2℃〜65℃の条件で反応させ、得られる生成物をアンモニア存在下に保持した後、110〜200℃の空気中で乾燥し、この乾燥物を300℃〜400℃の空気中で焼成して得られる焼成物、またはこの焼成物に、酸化チタン以外の酸点をもつ金属酸化物(例えば、酸化タングステン、酸化ニオブ)もしくは塩基性金属化合物(例えば、酸化亜鉛、酸化セリウム)を担持したものであってもよく、
【0019】
さらには、水酸化チタンをアンモニアガスおよび水蒸気の存在下で熱処理した後、焼成する方法(特開2001-278625号公報); 非晶質水酸化チタンをアンモニア水に接触させた後、焼成する方法(特開2001-278626号公報); オキシ蓚酸チタンアンモニウムを分子状酸素存在下で焼成する方法(特開2001-278627号公報); 非晶質水酸化チタンに硫酸アンモニウムを添加した後、焼成する方法(特開2001-302241号公報); 窒素原子含有量が、400℃の空気中で焼成した後の重量を基準に、3.3重量%以上である水酸化チタンを焼成する方法(特開2001-335321号公報); 水酸化チタン、チタン酸、オキシ硫酸チタンのような酸化チタン前駆体をアンモニア含有ガス雰囲気下、300〜600℃で焼成する方法(特開2001-354422号公報); 固体であり、かつ非晶質であるオキシ硫酸チタンとアンモニアのような窒素含有化合物とを反応させ、得られる生成物を焼成する方法(特開2002-29750号公報); 純度99%以上のオキシ硫酸チタンと、これを中和するための必要量を越える量のアンモニアを混合し反応させ、得られる生成物を焼成する方法(特開2002-47012号公報); 硫酸チタンもしくはオキシ硫酸チタンと、チタンを除く遷移元素成分と、水とを混合し、これを乾燥して固形物を得、この固形物を熱分解する方法(特開2002-60221号公報); 硫酸チタンもしくはオキシ硫酸チタンの酸性溶液と含窒素塩基性有機化合物を反応させ、得られる生成物を焼成する方法(特開2002-87818号公報); X線吸収微細構造解析法によりチタンK吸収端の広域X線吸収微細構造スペクトルを測定し、このスペクトルをフーリエ変換して得られる動径構造関数を微分して1次微分スペクトルを求めるとき、この一次微分スペクトルの原子間距離1.4〜2.8Åの範囲について、そのスペクトル強度が極大となる原子間距離が1.4〜1.7Åと2.2〜2.5Åにあり、そのスペクトル強度が極小となる原子間距離が1.9〜2.2Åと2.5〜2.8Åにあり、かつ原子間距離1.4〜1.7Åのスペクトル強度の極大値をA4、2.2〜2.5Åのスペクトル強度の極大値をB4、1.9〜2.2Åのスペクトル強度の極小値をC4、2.5〜2.8Åのスペクトル強度の極小値をD4としたときに、式(V)
X4=(B4−D4)/(A4−C4) (V)
で表される指数X4が0.06以上である水酸化チタンを焼成する方法(特開2002-193618号公報); 硫酸チタンもしくはオキシ硫酸チタンとアンモニア水をpH2〜5.5、温度90℃以下で反応させ、得られる生成物を焼成する方法(特開2002-249319号公報); 硫酸チタンもしくはオキシ硫酸チタンの酸性溶液とカルボン酸のアンモニウム塩を混合して加水分解し、この生成物を焼成する方法(特開2002-326815号公報)などにより得られるものであってもよい。
【0020】
上の酸化チタンは、結晶相がアナターゼであることが好ましく、また平均粒子径が500nm以下であることが好ましい。
【0021】
本発明の酸化チタン分散液は、上の酸化チタン以外の無機化合物を含むものであってもよい。このような無機化合物としては、例えば、結晶性酸化珪素、結晶性酸化アルミニウム、ゼオライト、モレキュラーシーブ、活性炭、リン酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化ランタン、水酸化セリウム、非晶質酸化チタン、非晶質酸化珪素、非晶質酸化アルミニウムなどが挙げられる。無機化合物は、上の酸化チタン100重量部に対して、通常、1重量部以上、100重量部以下である。
【0022】
上の酸化チタンおよび任意に含まれる酸化チタン以外の無機化合物の含有量は、これらの合計量として、酸化チタン分散液を基準に、通常2重量%以上、30重量%以下である。
【0023】
本発明に用いる両イオン性化合物は、酸性の物質に対して塩基の作用を示し、かつ塩基性の物質に対して酸の作用を示す化合物であればよく、例えば、両性界面活性剤、アミノ酸などが挙げられる。このうち、アミノ酸が好ましく、そのアミノ酸の具体例としては、グリシン、アラニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、ジヨードチロシン、スリナミン、トレオニン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロキシン、メチオニン、シスチン、システイン、α−アミノ酪酸のようなモノアミノモノカルボン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミンのようなモノアミノジカルボン酸、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、ヒスチジンのようなジアミノモノカルボン酸などがある。これらの中でも、とりわけグリシンとアラニンが好ましい。両イオン性化合物の量は、酸化チタンに対して、通常0.005モル倍以上、好ましくは0.01モル倍以上、より好ましくは0.03モル倍以上であり、また1モル倍以下であることが好ましい。
【0024】
本発明に用いる溶媒としては、例えば、水、過酸化水素水のような水性媒体、エタノール、メタノール、2−プロパノール、ブタノールのようなアルコール性媒体、アセトン、2−ブタノンのようなケトン性媒体、パラフィン化合物媒体、芳香族化合物媒体などが挙げられる。これらは1種または2種以上組合せて用いることができる。
【0025】
また、本発明の酸化チタン分散液は、シリコン系結合剤、アクリル系結合剤のような結合剤を含むものであってもよいし、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、蓚酸のような酸を含むものであってもよい。このときの結合剤の量は、上の酸化チタンおよび酸化チタン以外の無機化合物の合計量100重量部に対して、通常1重量部以上であり、また通常50重量部以下、好ましくは20重量部以下である。他方、このときの酸の量は、酸化チタンに対して、通常0.01モル倍以上、好ましくは0.05モル倍以上であり、また通常1モル倍以下、好ましくは0.5モル倍以下である。
【0026】
さらに、本発明の酸化チタン分散液を乾燥して得られる固形分は、波長450nmの光線を照射したときの反射率が90%以下である。反射率は、低いほど好ましく、例えば、70%以下、さらには60%以下が好ましい。このときの反射率は、酸化チタン分散液を40℃で乾燥して得られる固形分の紫外可視拡散反射スペクトルを測定することにより求めることができる。
【0027】
上で示した酸化チタン分散液は、例えば、媒体攪拌式分散機に上の酸化チタンと両イオン性化合物と溶媒とを入れ、これらの内容物を分散媒体存在下で撹拌して、固形分を分散させる方法などで得られる。分散媒体は、材質が酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムまたはガラスなどであり、その直径が通常0.65mm以下、好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下である。分散は、2段階以上に分けて行ってもよく、例えば、1段目では、直径が相対的に大きい媒体を入れた装置を用い、2段目以降では、直径が順次小さいものを入れた装置を用いて行ってもよい。分散させるときの温度は、通常90℃未満、好ましくは80℃以下、さらに好ましくは65℃以下であり、また通常10℃以上、好ましくは20℃以上である。
【0028】
得られる酸化チタン分散液には、必要に応じて、分散液中に残存する酸化チタン凝集粒のような粗大粒子を除去する操作、酸化チタン含有量を調整する操作またはpHを調整する操作を行ってもよい。
【0029】
本発明で得られる酸化チタン分散液をコーティング剤として用いれば、ガラス、プラスチック、金属、陶磁器およびコンクリートのような基材に、可視光照射によって高い親水性を示す膜を形成することができる。膜形成は、例えばスピンコート、ディップコート、ドクターブレード、スプレーまたはハケ塗りなどで行なえばよい。この酸化チタン分散液を長期間保管するときには、光が当たらないようにすることが好ましく、例えば暗室内に置くこと、または紫外線と可視光線の透過率が各々10%以下の遮光性容器に入れることが好ましい。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。酸化チタン分散液中の固形分の平均粒子径、結晶相およびアナターゼ化率は以下の方法で求めた。
【0031】
平均粒子径(nm):
サブミクロン粒度分布測定装置(商品名“N4Plus”、コールター製)を用いて、試料の粒度分布を測定し、累積50重量%径を求め、これを平均粒子径とした。
【0032】
結晶相、アナターゼ化率(%):
X線回折装置(商品名“RAD−IIA”、理学電機製)を用いて、X線管球:Cu、管電圧:40kV、管電流:35mA、発散スリット:1度、散乱スリット:1度、受光スリット:0.30mm、サンプリング幅:0.020度、走査速度:2.00度/分、測定積算回数:1回の条件で、試料のX線回折スペクトルを測定し、そのスペクトルから結晶相を求めた。またそのスペクトルについて、アナターゼ型酸化チタンの最強干渉線(面指数101)のピーク面積を求め、アナターゼ化率を算出した。なお標準試料には、アナターゼ型酸化チタン(試薬一級、和光純薬工業製)を用い、このアナターゼ化率を100%とした。
【0033】
実施例1
〔酸化チタンの調製〕
オキシ硫酸チタン(商品名“TM結晶”、外観:白色固体、テイカ製)3388gをイオン交換水2258gに溶解させて、オキシ硫酸チタン水溶液を調製した。氷冷下、上のオキシ硫酸チタン水溶液に35%過酸化水素水1297gを添加して、赤紫色の混合溶液を得た。このときの過酸化水素の量は、オキシ硫酸チタン中のチタンに対し1モル倍であった。電極と、このpH電極に接続され、25重量%アンモニア水(試薬特級、和光純薬工業製)を供給してpHを一定に調整する機構を有するpHコントローラーとを備えた反応容器にイオン交換水4700gを入れた。pHコントローラーのpH設定を4とした。またアンモニア水を供給するときの速度は50ml/分に設定した。この反応容器では、容器内の液のpHが設定値より低くなると、アンモニア水が供給されはじめ、pHが設定値になるまで前記速度にて連続供給される。この反応容器に、内容物を145rpmで攪拌しながら、上の混合溶液を50ml/分で添加し、pHコントローラーにより反応容器に供給されるアンモニア水と反応させた。このときの反応温度は、25℃〜55℃の範囲であった。得られた生成物を攪拌しながら25重量%アンモニア水(試薬特級、和光純薬工業製)を供給して、スラリーを得た。反応容器に供給されたアンモニア水の合計量は3630gであり、オキシ硫酸チタンを水酸化チタンに変えるために必要な量の2倍であった。上のスラリーを濾過して得られた固形分をイオン交換水で洗浄し、150℃の空気中で15時間乾燥し、次に310℃の空気中で15時間焼成した後、室温まで冷却して、酸化チタンを得た。この酸化チタンのアナターゼ化率は85%であった。
【0034】
〔酸化チタン分散液の調製〕
グリシン(試薬特級、和光純薬工業製)1.88gと硝酸(試薬特級、65〜66%、和光純薬工業製)2.43gを水75.69gに溶解させ、この水溶液に上の酸化チタン20gを混合した。このときのグリシンの量は、酸化チタンに対して0.1モルであり、また硝酸の量も酸化チタンに対して0.1モルであった。上で得られた混合物を媒体攪拌式粉砕機(商品名“4TSG−1/8”、五十嵐機械製作所製)を用いて、媒体:外径0.3mmのジルコニア製ビーズ、処理温度:20℃、処理時間:9時間の条件で、分散処理して、固形分濃度が20重量%である酸化チタン分散液を得た。この分散液をロータリーエバポレーターにより40℃で6時間乾燥して固形分を得た。この固形分は、平均粒子径が150nmであり、結晶相がアナターゼであり、波長450nmの光線を照射したときの反射率が55%であった。
【0035】
〔酸化チタン膜の形成〕
上の固形分濃度20重量%の酸化チタン分散液を希釈して得られた固形分濃度2重量%の分散液を、縦76mm、横26mm、厚さ1mmのスライドガラスに塗布し、スピンコーター(商品名“1H−D3”、ミカサ製)を用いて、300rpmで5秒間、次に500rpmで30秒間回転させて過剰の分散液を取り除いた後、スライドガラスを110℃で乾燥した。スライドガラスに分散液を塗布、乾燥する操作を合計2回行って、スライドガラスの片面全体に酸化チタン膜を形成した。
【0036】
〔酸化チタン膜の光触媒活性評価〕
上の酸化チタン膜に、その膜から2cm離れた所に設置した20Wブラックライト(商品名“FL20S−BL”、日立GEライティング製)を用いて、光を15時間照射した。その後、酸化チタン膜を有するスライドガラスに、オレイン酸0.2重量%のn−ヘプタン溶液を塗布し、スピンコーター(商品名“1H−D3”、ミカサ製)を用いて、3000rpmで5秒間、次に7000rpmで15秒間回転させて過剰のn−ヘプタン溶液を取り除いた後、スライドガラスを110℃で乾燥して、試験片を作製した。この試験片について、水滴の接触角を接触角計(型式“CA−X”、協和界面科学製)により測定して、親水性を評価した。その後、この試験片に、試験片から2cm離れたところにおいた紫外線カットフィルム(商品名“UV−Guard”、富士写真フィルム製)を装着した18W白色蛍光灯(商品名“サンライン20形FL20SSW/18−B”、日立GEライティング製)を用いて室温で光照射した。光照射したときの水滴の接触角の経時的変化を接触角計を用いて測定した。このときの結果を図1に示す。紫外線カットフィルムを装着した蛍光灯の分光スペクトルを図2に示す。
【0037】
比較例1
市販の光触媒用酸化チタンコーティング剤(商品名“STS−01”、固形分濃度:30重量%、分散液中の酸化チタンの平均粒子径:50nm、石原産業製)を水で希釈して得られた固形分濃度10重量%、pH1.8の分散液を用いた以外、実施例1の〔酸化チタン膜の形成〕と同じ操作を行い、スライドガラスの片面全体に酸化チタン膜を形成した。この酸化チタン膜について、実施例1の〔酸化チタン膜の光触媒活性評価〕と同じ条件で評価した。このときの結果を図1に示す。この分散液は、両イオン性化合物を含まないものであった。この分散液をロータリーエバポレーターにより40℃で6時間乾燥して得た固形分は、波長450nmの光線を照射したときの反射率が96%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 酸化チタン膜の光触媒活性評価結果。
【図2】 紫外線カットフィルムを装着した蛍光灯の分光スペクトル。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a titanium oxide dispersion.
[0002]
[Prior art]
In recent years, attention has been paid to a technique for making surfaces of various materials hydrophilic by photocatalytically to prevent contamination (see Patent Document 1), and coating agents for forming a hydrophilic film on the material surface are commercially available. Further, titanium oxide showing activity against visible light irradiation has been found, and a coating agent using this as a catalyst component has been proposed.
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 9-57912
By using such a coating agent, a film showing hydrophilicity with respect to visible light irradiation can be formed. However, in order to restore the hydrophilicity in a small amount of light by indoor lighting or the like or in a short time, there has been a demand for a titanium oxide dispersion capable of forming a film having higher hydrophilicity with respect to visible light irradiation.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present inventors have completed the present invention as a result of investigating a titanium oxide dispersion that can fully form the photocatalytic performance of titanium oxide and can form a film having high hydrophilicity to visible light irradiation. It came to do.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
That is, the present invention is a dispersion containing titanium oxide, an amphoteric compound and a solvent, and the solid content obtained by drying the dispersion has a reflectance of 90% when irradiated with light having a wavelength of 450 nm. A titanium oxide dispersion characterized by the following is provided.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The titanium oxide dispersion of the present invention contains titanium oxide, an amphoteric compound and a solvent.
[0008]
The titanium oxide contained in the titanium oxide dispersion may be titanium oxide that exhibits photocatalytic activity for irradiation with visible light (for example, light having a wavelength of 430 nm to 800 nm). For example, the following (a) to ( i) and the like.
[0009]
(A) The average half-width of the first and second titanium peaks when the half-width of the titanium peak between 458 eV and 460 eV of titanium oxide is measured four times by X-ray photoelectron spectroscopy. The value is A 1 , the average value of the half widths of the third and fourth titanium peaks is B 1 , and the half value widths A 1 and B 1 are used for formula (I)
X 1 = B 1 / A 1 (I)
In index X 1 shown is 0.97 or less, and preferably 0.93 or less, and when measuring the ultraviolet-visible diffuse reflection spectrum, the integral value of the absorbance spectrum at wavelengths 220nm~800nm and C 1, The integrated value of the absorbance of the spectrum at a wavelength of 400 nm to 800 nm is defined as D 1, and from the integrated values C 1 and D 1 , the formula (II)
Y 1 = D 1 / C 1 (II)
In index Y 1 shown is 0.14 or more, the titanium oxide is preferably 0.16 or more (JP 2001-72419 JP)
[0010]
(B) The electron spin resonance spectrum has three or more peaks between g values of 1.930 to 2.030, and the peak among these peaks has a g value of 1.990 to 2.020. Titanium oxide present between them (Japanese Patent Laid-Open No. 2001-190953),
[0011]
(C) The spin concentration X 2 obtained from the electron spin resonance spectrum measured after irradiation with visible light is 1.50 × 10 16 spin / g or more, preferably 3.10 × 10 16 spin / g or more, and visible light The ratio (X 2 / Y 2 ) between the spin concentration X 2 obtained from the electron spin resonance spectrum measured after irradiation and the spin concentration Y 2 obtained from the electron spin resonance spectrum measured before visible light irradiation exceeds 1.00 , Preferably 1.15 or more titanium oxide (Japanese Patent Laid-Open No. 2001-316116),
[0012]
(D) Analyzed 8 times by X-ray photoelectron spectroscopy, and for the electronic state of titanium, the integrated spectrum of the first and second analysis and the integrated spectrum of the seventh and eighth analysis were obtained, A peak at a binding energy of 458 eV to 460 eV is obtained, and the half width of the peak in the integrated spectrum of the first and second analysis is A 3, and the half width of the peak in the integrated spectrum of the seventh and eighth analysis Where B 3 is the formula (III)
X 3 = B 3 / A 3 (III)
The index X 3 calculated by the above is 0.9 or less, and the UV-visible diffuse reflection spectrum is measured, and the integrated value of the absorbance at a wavelength of 250 nm to 550 nm is defined as C 3, and the integrated value of the absorbance at a wavelength of 400 nm to 550 nm Where D 3 is the formula (IV)
Y 3 = D 3 / C 3 (IV)
Titanium oxide (Japanese Patent Laid-Open No. 2001-322816) having an index Y 3 calculated by: 0.075 or more, preferably 0.110 or more,
[0013]
(E) When the X-ray photoelectron spectroscopy is used for analysis eight times, and the integrated spectrum of the first and second analyzes and the integrated spectrum of the seventh and eighth analyzes are obtained for the electronic state of titanium, The position of at least one peak in the integrated spectrum of the second analysis is in the binding energy 459 to 460 eV, and the position of at least one peak in the integrated spectrum of the seventh and eighth analysis is in the binding energy 458 to 459 eV. Titanium oxide having a metal content of 0.005 to 3.0 mol% in terms of element with respect to titanium in titanium oxide (JP 2002-29749 A),
[0014]
(F) For a mass chromatogram obtained by a thermobalance mass spectrometry simultaneous measurement method, titanium oxide having a desorption peak of a component having a ratio m / e of mass number m to ion charge number e of 28 at 600 ° C. or higher, Alternatively, in the mass chromatogram, the desorption peak of the component having m / e of 28 is 600 ° C. or more and 950 ° C. or less, and the desorption peak of the component having m / e of 14 is 600 ° C. or more and 950 ° C. or less. A certain titanium oxide (JP 2002-97019 A),
[0015]
(G) Titanium oxide in which part of the oxygen sites of the titanium oxide crystal is replaced with nitrogen atoms, titanium oxide doped with nitrogen atoms between the lattices of the titanium oxide crystal, and titanium oxide crystal grain boundaries doped with nitrogen atoms (International Publication No. 01/10552 pamphlet),
[0016]
(H) a titanium oxide having stable oxygen defects, a signal having a g value of 2.003 to 2.004 is observed in an electron spin resonance spectrum measured in vacuum at 77K and in the dark, and The signal having a g value of 2.003 to 2.004 is a titanium oxide having a higher signal intensity when measured under irradiation with light of at least 420 to 600 nm at 77K in vacuum than in the case of measurement under darkness. Japanese Patent No. 3252136)
[0017]
(I) A platinum halide compound (PtCl 2 , PtCl 4 , PtCl 4 · 2H 2 O, H 2 [Pt (OH) 2 Cl 4 ] · nH 2 O, PtBr 2 , PtBr 4 , PtI 2 , PtI 4 on the surface , PtF 4 , chloroplatinic acid, chloroplatinate, bromoplatinum complex, iodide platinate, etc.) spindle-shaped titanium oxide (JP 2002-239395 A).
[0018]
Further, the titanium oxide exhibiting photocatalytic activity with respect to irradiation with visible light is 0.05 mol times or more, preferably 0 with respect to titanium compound such as titanium sulfate and titanium oxysulfate, water, and titanium in the titanium compound. .5 mole times or more, more preferably 1 mole times or more, and 5 mole times or less of a peroxide (for example, hydrogen peroxide solution) is mixed, and this mixture is then mixed with a base such as aqueous ammonia. The reaction is carried out under conditions of pH 3 to 5, 2 ° C. to 65 ° C., and the resulting product is kept in the presence of ammonia, and then dried in air at 110 to 200 ° C. The dried product is air at 300 ° C. to 400 ° C. A fired product obtained by firing in a metal, or a metal oxide (eg, tungsten oxide, niobium oxide) or a basic metal compound (eg, zinc oxide, cerium oxide) having an acid point other than titanium oxide. It may be the one carrying the,
[0019]
Furthermore, a method in which titanium hydroxide is heat-treated in the presence of ammonia gas and water vapor and then calcined (Japanese Patent Laid-Open No. 2001-278625); a method in which amorphous titanium hydroxide is brought into contact with ammonia water and calcined (Japanese Patent Laid-Open No. 2001-278626); Method of calcining ammonium ammonium oxalate in the presence of molecular oxygen (Japanese Patent Laid-Open No. 2001-278627); Method of calcining after adding ammonium sulfate to amorphous titanium hydroxide (Japanese Patent Laid-Open No. 2001-302241); A method of firing titanium hydroxide having a nitrogen atom content of 3.3 wt% or more based on the weight after firing in air at 400 ° C. (Japanese Patent Laid-Open No. 2001-302241) No. -335321); a method of firing a titanium oxide precursor such as titanium hydroxide, titanic acid, titanium oxysulfate at 300 to 600 ° C. in an ammonia-containing gas atmosphere (Japanese Patent Laid-Open No. 2001-354422); Yes, and amorphous A method in which titanium oxysulfate is reacted with a nitrogen-containing compound such as ammonia and the resulting product is calcined (JP 2002-29750 A); titanium oxysulfate having a purity of 99% or more and neutralization thereof A method of mixing and reacting an amount of ammonia exceeding the amount necessary for the reaction, and firing the resulting product (Japanese Patent Laid-Open No. 2002-47012); titanium sulfate or titanium oxysulfate, transition element components excluding titanium, A method of mixing water and drying it to obtain a solid, and thermally decomposing the solid (JP 2002-60221 A); an acidic solution of titanium sulfate or titanium oxysulfate and a nitrogen-containing basic organic compound A method of calcining the resulting product and calcining the resulting product (Japanese Patent Laid-Open No. 2002-87818); measuring a wide-area X-ray absorption fine structure spectrum of the titanium K absorption edge by an X-ray absorption fine structure analysis method; When differentiating the radial structure function obtained by the Rie transformation and obtaining the first derivative spectrum, the interatomic region where the spectrum intensity becomes maximum in the range of the interatomic distance of 1.4 to 2.8Å of the first derivative spectrum. The distance is 1.4 to 1.7 mm and 2.2 to 2.5 mm, and the interatomic distance at which the spectral intensity is minimized is 1.9 to 2.2 mm and 2.5 to 2.8 mm, and The maximum value of the spectral intensity at an interatomic distance of 1.4 to 1.7 Å is A 4 , the maximum value of the spectral intensity of 2.2 to 2.5 Å is B 4 , and the minimum value of the spectral intensity of 1.9 to 2.2 Å. Is C 4 , and the minimum value of the spectral intensity of 2.5 to 2.8Å is D 4 , the formula (V)
X 4 = (B 4 -D 4 ) / (A 4 -C 4) (V)
A method of calcining titanium hydroxide having an index X 4 represented by 0.06 or more (Japanese Patent Laid-Open No. 2002-193618); Titanium sulfate or titanium oxysulfate and aqueous ammonia at pH 2 to 5.5, temperature 90 ° C. A method of calcining the product obtained by reacting in the following (Japanese Patent Laid-Open No. 2002-249319); An acidic solution of titanium sulfate or titanium oxysulfate and an ammonium salt of carboxylic acid are mixed and hydrolyzed, It may be obtained by a firing method (Japanese Patent Laid-Open No. 2002-326815) or the like.
[0020]
The upper titanium oxide preferably has a crystal phase of anatase and an average particle diameter of 500 nm or less.
[0021]
The titanium oxide dispersion of the present invention may contain an inorganic compound other than the above titanium oxide. Examples of such inorganic compounds include crystalline silicon oxide, crystalline aluminum oxide, zeolite, molecular sieve, activated carbon, calcium phosphate, zinc oxide, zirconium oxide, magnesium oxide, calcium oxide, strontium oxide, barium oxide, lanthanum oxide, Examples thereof include cerium oxide, magnesium hydroxide, strontium hydroxide, barium hydroxide, lanthanum hydroxide, cerium hydroxide, amorphous titanium oxide, amorphous silicon oxide, and amorphous aluminum oxide. The inorganic compound is usually 1 part by weight or more and 100 parts by weight or less with respect to 100 parts by weight of the above titanium oxide.
[0022]
The content of inorganic compounds other than the above titanium oxide and optional titanium oxide is usually 2 wt% or more and 30 wt% or less based on the titanium oxide dispersion as the total amount thereof.
[0023]
The amphoteric compound used in the present invention may be any compound that exhibits a base action on an acidic substance and an acid action on a basic substance. For example, an amphoteric surfactant, an amino acid, etc. Is mentioned. Of these, amino acids are preferred, and specific examples of the amino acids include glycine, alanine, valine, norvaline, leucine, norleucine, isoleucine, phenylalanine, tyrosine, diiodotyrosine, sulinamine, threonine, serine, proline, hydroxyproline, tryptophan, Monoamino monocarboxylic acids such as thyroxine, methionine, cystine, cysteine, α-aminobutyric acid, monoamino dicarboxylic acids such as aspartic acid, glutamic acid, asparagine, glutamine, diaminomono such as lysine, hydroxylysine, arginine, histidine There are carboxylic acids and the like. Among these, glycine and alanine are particularly preferable. The amount of the zwitterionic compound is usually 0.005 mol times or more, preferably 0.01 mol times or more, more preferably 0.03 mol times or more, and 1 mol time or less with respect to titanium oxide. It is preferable.
[0024]
Examples of the solvent used in the present invention include an aqueous medium such as water and hydrogen peroxide, an alcoholic medium such as ethanol, methanol, 2-propanol and butanol, a ketonic medium such as acetone and 2-butanone, A paraffin compound medium, an aromatic compound medium, etc. are mentioned. These can be used alone or in combination of two or more.
[0025]
Further, the titanium oxide dispersion of the present invention may contain a binder such as a silicon binder and an acrylic binder, or an acid such as hydrochloric acid, nitric acid, phosphoric acid, sulfuric acid, and oxalic acid. It may be included. The amount of the binder at this time is usually 1 part by weight or more, and usually 50 parts by weight or less, preferably 20 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the total amount of the inorganic compounds other than the above titanium oxide and titanium oxide. It is as follows. On the other hand, the amount of acid at this time is usually 0.01 mol times or more, preferably 0.05 mol times or more, and usually 1 mol times or less, preferably 0.5 mol times or less with respect to titanium oxide. It is.
[0026]
Furthermore, the solid content obtained by drying the titanium oxide dispersion of the present invention has a reflectance of 90% or less when irradiated with light having a wavelength of 450 nm. The reflectance is preferably as low as possible. For example, it is preferably 70% or less, more preferably 60% or less. The reflectance at this time can be determined by measuring an ultraviolet-visible diffuse reflection spectrum of a solid content obtained by drying the titanium oxide dispersion at 40 ° C.
[0027]
In the titanium oxide dispersion shown above, for example, the above-described titanium oxide, zwitterionic compound and solvent are placed in a medium stirring type dispersing machine, and these contents are stirred in the presence of the dispersion medium to obtain a solid content. It can be obtained by a method of dispersing. The dispersion medium is made of titanium oxide, zirconium oxide, aluminum oxide, glass or the like, and its diameter is usually 0.65 mm or less, preferably 0.5 mm or less, more preferably 0.3 mm or less. Dispersion may be performed in two or more stages. For example, in the first stage, a device containing a medium having a relatively large diameter is used, and in the second and subsequent stages, devices having successively smaller diameters are placed. May be used. The temperature at the time of dispersion is usually less than 90 ° C., preferably 80 ° C. or less, more preferably 65 ° C. or less, and usually 10 ° C. or more, preferably 20 ° C. or more.
[0028]
If necessary, the obtained titanium oxide dispersion is subjected to an operation for removing coarse particles such as titanium oxide aggregates remaining in the dispersion, an operation for adjusting the titanium oxide content, or an operation for adjusting pH. May be.
[0029]
When the titanium oxide dispersion obtained in the present invention is used as a coating agent, a film having high hydrophilicity can be formed on a substrate such as glass, plastic, metal, ceramics and concrete by irradiation with visible light. The film formation may be performed by, for example, spin coating, dip coating, doctor blade, spray or brush coating. When this titanium oxide dispersion is stored for a long period of time, it is preferable not to be exposed to light. For example, it is placed in a dark room or placed in a light-shielding container having a transmittance of 10% or less for ultraviolet rays and visible rays. Is preferred.
[0030]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention in detail, this invention is not limited to a present Example. The average particle size, crystal phase, and anatase conversion rate of solid content in the titanium oxide dispersion were determined by the following methods.
[0031]
Average particle diameter (nm):
Using a sub-micron particle size distribution measuring device (trade name “N4Plus”, manufactured by Coulter), the particle size distribution of the sample was measured to obtain a cumulative 50 wt% diameter, which was taken as the average particle diameter.
[0032]
Crystalline phase, anatase conversion rate (%):
Using an X-ray diffractometer (trade name “RAD-IIA”, manufactured by Rigaku Corporation), X-ray tube: Cu, tube voltage: 40 kV, tube current: 35 mA, divergence slit: 1 degree, scattering slit: 1 degree, Receiving slit: 0.30 mm, sampling width: 0.020 degrees, scanning speed: 2.00 degrees / minute, number of measurement integrations: the X-ray diffraction spectrum of the sample is measured, and the crystal phase is determined from the spectrum. Asked. Moreover, about the spectrum, the peak area of the strongest interference line (surface index 101) of anatase type titanium oxide was calculated | required, and the anatase-ized rate was computed. As a standard sample, anatase-type titanium oxide (first grade reagent, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) was used, and the anatase conversion rate was set to 100%.
[0033]
Example 1
[Preparation of titanium oxide]
A titanium oxysulfate aqueous solution was prepared by dissolving 3388 g of titanium oxysulfate (trade name “TM crystal”, appearance: white solid, manufactured by Teika) in 2258 g of ion-exchanged water. Under ice cooling, 1297 g of 35% hydrogen peroxide solution was added to the above aqueous titanium oxysulfate solution to obtain a reddish purple mixed solution. The amount of hydrogen peroxide at this time was 1 mol times with respect to titanium in titanium oxysulfate. Ion-exchanged water in a reaction vessel equipped with an electrode and a pH controller connected to the pH electrode and having a mechanism for supplying a 25 wt% aqueous ammonia (special grade reagent, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) to adjust the pH to a constant level 4700 g was added. The pH setting of the pH controller was 4. The rate at which ammonia water was supplied was set to 50 ml / min. In this reaction vessel, when the pH of the liquid in the vessel becomes lower than the set value, ammonia water starts to be supplied and is continuously supplied at the rate until the pH reaches the set value. While stirring the contents at 145 rpm, the above mixed solution was added at 50 ml / min to the reaction vessel, and reacted with aqueous ammonia supplied to the reaction vessel by a pH controller. The reaction temperature at this time was in the range of 25 ° C to 55 ° C. While stirring the obtained product, 25 wt% aqueous ammonia (special grade reagent, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) was supplied to obtain a slurry. The total amount of ammonia water supplied to the reaction vessel was 3630 g, which was twice the amount necessary to change titanium oxysulfate to titanium hydroxide. The solid obtained by filtering the slurry above was washed with ion-exchanged water, dried in air at 150 ° C. for 15 hours, then calcined in air at 310 ° C. for 15 hours, then cooled to room temperature. Titanium oxide was obtained. The anatase conversion rate of this titanium oxide was 85%.
[0034]
[Preparation of titanium oxide dispersion]
1.88 g of glycine (special reagent grade, manufactured by Wako Pure Chemical Industries) and 2.43 g of nitric acid (special grade reagent, 65-66%, manufactured by Wako Pure Chemical Industries) were dissolved in 75.69 g of water, and titanium oxide on the aqueous solution. 20 g was mixed. The amount of glycine at this time was 0.1 mol with respect to titanium oxide, and the amount of nitric acid was also 0.1 mol with respect to titanium oxide. The mixture obtained above was subjected to a medium stirring type pulverizer (trade name “4TSG-1 / 8”, manufactured by Igarashi Machinery Co., Ltd.), medium: zirconia beads having an outer diameter of 0.3 mm, processing temperature: 20 ° C., Treatment time: Dispersion treatment was carried out under the condition of 9 hours to obtain a titanium oxide dispersion having a solid content concentration of 20% by weight. This dispersion was dried at 40 ° C. for 6 hours by a rotary evaporator to obtain a solid content. This solid content had an average particle diameter of 150 nm, a crystal phase of anatase, and a reflectance of 55% when irradiated with light having a wavelength of 450 nm.
[0035]
[Formation of titanium oxide film]
A dispersion having a solid content concentration of 2% by weight obtained by diluting the titanium oxide dispersion having a solid content concentration of 20% by weight was applied to a slide glass having a length of 76 mm, a width of 26 mm, and a thickness of 1 mm. Excess dispersion liquid was removed by rotating at 300 rpm for 5 seconds and then at 500 rpm for 30 seconds using a trade name “1H-D3” (manufactured by Mikasa), and then the slide glass was dried at 110 ° C. The operation of applying and drying the dispersion liquid on the slide glass was performed twice in total to form a titanium oxide film on the entire surface of the slide glass.
[0036]
[Evaluation of photocatalytic activity of titanium oxide film]
The above titanium oxide film was irradiated with light for 15 hours using a 20 W black light (trade name “FL20S-BL”, manufactured by Hitachi GE Lighting) placed 2 cm away from the film. Then, an oleic acid 0.2 wt% n-heptane solution was applied to a slide glass having a titanium oxide film, and using a spin coater (trade name “1H-D3”, manufactured by Mikasa) at 3000 rpm for 5 seconds. Next, after rotating at 7000 rpm for 15 seconds to remove excess n-heptane solution, the slide glass was dried at 110 ° C. to prepare a test piece. About this test piece, the contact angle of the water droplet was measured with the contact angle meter (model "CA-X", Kyowa Interface Science make), and hydrophilicity was evaluated. Thereafter, an 18 W white fluorescent lamp (trade name “
[0037]
Comparative Example 1
Obtained by diluting a commercially available titanium oxide coating agent for photocatalyst (trade name “STS-01”, solid content concentration: 30 wt%, average particle diameter of titanium oxide in dispersion: 50 nm, manufactured by Ishihara Sangyo) with water The same operation as in [Formation of titanium oxide film] in Example 1 was performed except that a dispersion having a solid content of 10% by weight and pH 1.8 was used, and a titanium oxide film was formed on the entire surface of the slide glass. This titanium oxide film was evaluated under the same conditions as in [Evaluation of photocatalytic activity of titanium oxide film] in Example 1. The result at this time is shown in FIG. This dispersion did not contain an amphoteric compound. The solid content obtained by drying this dispersion at 40 ° C. for 6 hours by a rotary evaporator had a reflectance of 96% when irradiated with light having a wavelength of 450 nm.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the photocatalytic activity evaluation results of a titanium oxide film.
[Fig. 2] Spectral spectrum of a fluorescent lamp equipped with an ultraviolet cut film.
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