JP4481573B2 - レンズ鏡胴 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光軸方向においてレンズを移動させるレンズ鏡胴に関し、特に、駆動機構としてカム溝とフォロワピンを有するレンズ鏡胴に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のレンズ鏡胴としては、レンズを保持したレンズ保持枠、レンズ保持枠を収容する円筒状のカム筒、カム筒を入れ子状に収容する円筒状の固定筒等を備え、レンズ保持枠に設けたフォロワピンをカム筒の内周面に設けたカム溝に挿入し、カム筒を回転させることでレンズ保持枠(レンズ)を光軸方向に移動させるものが知られている。
このレンズ鏡胴において、カム溝は、カム筒の軸線方向の端部領域に設けられた環状溝に接続されかつこの接続部分からカム作用が始まるような形状に形成され、あるいは、カム筒の軸線方向の端部領域に設けられた幅広い肉抜き領域に接続されかつこの接続部分からカム作用が始まるような形状に形成されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−147352号公報
【特許文献2】
特開2000−111781号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のレンズ鏡胴においては、カム筒の端部領域に環状溝あるいは幅広い肉抜き領域が形成されているため、フォロワピンを単に環状溝あるいは肉抜き領域に入り込ませただけでは、レンズ保持枠はカム筒から容易に脱落してしまい、円滑な組み付けが行えない。
また、組付け性を改善するべく、組み付け時にフォロワピンの案内及び保持の役割をなすだけのカム作用を及ぼさない非作用領域としての溝を設けた場合、レンズ保持枠の組み付け(脱落防止)は容易になるものの、非作用領域から作用領域に移行する遷移領域において、フォロワピンとカム溝との間での摺動抵抗が増加し、フォロワピンが非作用領域から作用領域に円滑に移動し難いという問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、簡略な構造にて、フォロワピンをカム溝に容易に挿入でき、又、組み付け時にフォロワピンを溝に滑り込ませるだけでレンズ保持枠をカム筒に対して容易に組み付けて脱落しないように保持することができ、しかも、フォロワピンがカム溝内を円滑に移動することで全体として円滑な出没動作が行えるレンズ鏡胴を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のレンズ鏡胴は、内周面にカム溝を有するカム筒と、レンズを保持しかつカム溝に挿入されるフォロワピンを有しカム筒の内側に配置されるレンズ保持枠と、カム筒とレンズ保持枠の間に配置されてレンズ保持枠の回転を規制しつつ光軸方向にガイドするガイド筒とを備え、レンズ保持枠が回転を規制されつつカム筒の回動により光軸方向に移動するレンズ鏡胴であって、上記ガイド筒は、フォロワピンを通してガイドするべく光軸方向に伸長すると共に端部にて開口する長孔を含み、上記カム溝は、所定の溝幅及び溝深さを有しかつ光軸方向においてカム作用を及ぼす作用領域と、作用領域の溝幅及び溝深さと同一の溝幅及び溝深さを有すると共に光軸方向に所定長さに亘って伸長して端部にて開口しフォロワピンをカム溝に挿入するために形成されカム作用を及ぼさない非作用領域と、作用領域と非作用領域とを連結すると共に作用領域及び非作用領域の溝幅よりも広い溝幅で同一の溝深さを有する遷移領域と、を含む、ことを特徴としている。
この構成によれば、カム筒の内側にガイド筒を嵌合しカム溝の端部開口と長孔の端部開口を一致させた状態でレンズ保持枠をカム筒及びガイド筒に組み付ける際に、レンズ保持枠を光軸方向からカム筒及びガイド筒に近づけてフォロワピンをカム溝の非作用領域及び長孔に滑り込ませ(挿入し)、カム筒をガイド筒に対して相対的に回転させるだけで、フォロワピンを非作用領域から作用領域に円滑に移動させることができるため、それらの組み付けを容易に行うことができ、レンズ保持枠を容易に位置決めしつつ脱落しないようにカム筒に保持させることができる。
特に、フォロワピンはガイド筒の長孔に通されて摺動自在にガイドされると共にカム筒のカム溝に挿入されて摺動自在にカム作用を受けるため、複雑な摺動抵抗(摩擦力)が生じる状態にあるが、カム溝の遷移領域の溝幅だけを他の部分(非作用領域及び作用領域)よりも幅広に形成しているため、組付け時にフォロワピンを非作用領域から作用領域へ円滑に移行させることができ、レンズ保持枠とカム筒との組み付けが容易になり、レンズ鏡胴の生産性が向上し、又、組付け時に位置決めして脱落を防止でき、作動時にガタツキの無い高精度なカム作用を得ることができる。
【0008】
上記構成において、カム筒は、内周面に形成された第1のカム溝と第2のカム溝とを有し、レンズ保持枠は、第1のカム溝に挿入される第1のフォロワピンを有する第1のレンズ保持枠と、第2のカム溝に挿入される第2のフォロワピンを有する第2のレンズ保持枠と、を含む、構成を採用できる。
この構成によれば、二つのレンズ保持枠を一つのカム筒に組み付ける際に、第1のフォロワピンを第1のカム溝の非作用領域に又第2のフォロワピンを第2のカム溝の非作用領域にそれぞれ滑り込ませるだけで、それぞれのレンズ保持枠を容易に位置決めしつつ脱落しないように共通のカム筒に保持させることができ、又、遷移領域の溝幅を他の部分よりも幅広に形成しているため、第1のフォロワピン及び第2のフォロワピンを、第1のカム溝及び第2のカム溝において非作用領域から作用領域へ円滑に移行させることができる。したがって、複数のレンズ保持枠を一つのカム筒に組み付ける場合でも、その組み付けが容易になり、レンズ鏡胴の生産性が向上する。
【0009】
上記構成において、フォロワピンは、レンズ保持枠の周方向において略等間隔にて複数配置され、カム溝は、複数のフォロワピンに対応するように複数形成されている、構成を採用できる。
この構成によれば、一つのレンズ保持枠あるいは二つのレンズ保持枠に対して設けられた複数のフォロワピンを対応する複数のカム溝に挿入する際に、遷移領域が他の領域よりも幅広く形成されているため、例え複数のフォロワピンであっても、円滑に挿入して組み付けることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図9は、本発明に係るレンズ鏡胴を組み込んだレンズ駆動装置の一実施形態を示し、図1は装置の正面図、図2は装置の展開断面図、図3はレンズ鏡胴の側面図及び正面図、図4はカム筒の側面図及び正面図、図5はカム筒の内周面を示す展開図、図6はカム溝の部分拡大図及び断面図、図7はガイド筒の側面図及び正面図、図8及び図9はレンズ保持枠の側面図及び正面図である。
【0011】
この装置は、図1及び図2に示すように、略矩形形状の輪郭をなしローパスフィルタ11、撮像素子としてのCCD12等が取り付けられるベース10、ベース10に固着された固定筒20、固定筒20の内側において回転及び直進自在に支持されたカム筒30、カム筒30の内側において光軸方向Lにそれぞれ移動自在に支持された第1レンズ群40及び第2レンズ群50、ベース10に対して光軸方向Lに移動自在に支持された第3レンズ群60、カム筒30を駆動する駆動機構70、第3レンズ群60を駆動する駆動機構80等を備えている。
【0012】
第1レンズ群40は、図2及び図8に示すように、樹脂材料により略円筒状に形成されレンズG1を保持する第1のレンズ保持枠41、第1のレンズ保持枠41に形成され後述する第1のカム溝35に挿入される第1のフォロワピンとしての3つのフォロワピン42等を備えている。そして、第1レンズ群40は、カム筒30が回動してカム溝35がカム作用を及ぼすことにより、光軸方向Lにおいて前進及び後退する。
【0013】
第2レンズ群50は、図2及び図9に示すように、樹脂材料により略円筒状に形成されレンズG2を保持する第2のレンズ保持枠51、第2のレンズ保持枠51に形成され後述する第2のカム溝36に挿入される第2のフォロワピンとしての3つのフォロワピン52、第2のレンズ保持枠51に保持されたシャッタユニットS等を備えている。そして、第2レンズ群50は、カム筒30が回動してカム溝36がカム作用を及ぼすことにより、光軸方向Lにおいて前進及び後退する。
【0014】
固定筒20は、図1及び図2に示すように、光軸方向Lに軸心をもつように樹脂材料により円筒状に形成されて、ベース10に固着されている。固定筒20の内周面20aには、周方向において等間隔(約120度ごと)に配置され後述する3つのフォロワピン31に対してカム作用を及ぼす3つのカム溝21(図においては一部を省略)が形成されている。
【0015】
カム筒30は、図1ないし図4に示すように、樹脂材料により円筒状に形成されて、固定筒20の内側に入れ子状に同軸に配置されている。
カム筒30の外周面30aには、周方向において等間隔(約120度ごと)に配置された3つのフォロワピン31、外部から回転駆動力が伝えられる円弧状のラック部32等が形成されている。
【0016】
カム筒30の内周面30bには、図4に示すように、光軸方向Lにおいて第1レンズ群40にカム作用を及ぼす第1のカム溝としての3つのカム溝35、光軸方向Lにおいて第2レンズ群50にカム作用を及ぼす第2のカム溝としての3つのカム溝36が形成されている。
カム溝35,36は、図5に示すように、それぞれ光軸方向L(カム筒30の軸線方向)に伸長すると共に端部にて開口しカム作用を及ぼさない非作用領域35a,36a、光軸方向Lにおいてカム作用を及ぼす作用領域35b,36b、非作用領域35a,36aと作用領域35b,36bとを連結する遷移領域35c,36cにより形成されている。
【0017】
また、カム溝35,36は、図6に示すように、断面が略V字状の溝に形成されると共に、非作用領域35a,36aの溝幅と作用領域35b,36bの溝幅とが同一の溝幅Wnをなし、遷移領域35c,36cの溝幅がWnよりも広い溝幅W(>Wn)をなすように形成されている。ここで、遷移領域35c,36cは、非作用領域35a,36aと作用領域35b,36bとを滑らかに連結するように、すなわち、溝幅Wnから徐々に広くなって溝幅Wになりさらに徐々に狭くなって溝幅Wnになるように形成されている。
【0018】
このように、非作用領域35a,36aを設けることで、レンズ保持枠41,51をカム筒30に組み付ける際に、フォロワピン42,52をカム溝35,36の非作用領域35a,36aに滑り込ませるだけで、レンズ保持枠41,51を位置決めしつつカム筒30に対して脱落しないように簡単に組み付けることができる。
また、遷移領域35c,36cの溝幅Wを他の領域よりも幅広に形成しているため、フォロワピン42,52を非作用領域35a,36aから作用領域35b,36bに円滑に移行させることができる。したがって、複数のレンズ保持枠41,51を一つのカム筒30に組み付ける場合であっても、その組み付けが容易になり、レンズ鏡胴の生産性が向上する。
【0019】
また、非作用領域35a,36aは、カム筒30の軸線方向において所定の長さに亘って伸長しかつ端部にて開口するように形成されているため、レンズ保持枠41,51を軸線方向からカム筒30に近づけて、フォロワピン42,52をカム溝35,36の非作用領域35a,36aに滑り込ませるだけで、レンズ保持枠41,51をカム筒30に保持させつつ組み付けることができる。
したがって、レンズ保持枠41,51とカム筒30とを組み付けたレンズ鏡胴をレンズ駆動装置に組み付けるような場合に、レンズ保持枠41,51の脱落を防止するような押え部材等を設けることなく、レンズ鏡胴をモジュール品として取り扱うことができ、装置を組み付ける時の取り扱い性が向上する。
【0020】
レンズ保持枠41,51とカム筒30との間には、図2及び図3(a)に示すように、第1レンズ群40及び第2レンズ群50の回転を規制しつつ光軸方向Lへの案内を行うガイド筒37が挿着されている。
ガイド筒37は、図7に示すように、レンズ保持枠41のフォロワピン42を通す3つの長孔37a、レンズ保持枠51のフォロワピン52を通す3つの長孔37b、カム筒30の内周面30bに形成された環状溝に掛止する掛止爪37c等を備えている。
【0021】
ガイド筒37は、カム筒30の内周面30bに嵌合されつつも回転しないように固定筒20に掛止されている。したがって、カム筒30が回転すると、ガイド筒37の長孔37a,37bが、カム溝35,36によりカム作用が及ぼされるフォロワピン42,52を、光軸方向Lにおいてのみ往復動自在に案内する。
このように、フォロワピン42,52は、ガイド筒37の長孔37a,37bに案内されつつ、カム溝35,36のカム作用により移動させられるため、複雑な摺動抵抗(摩擦力)が生じる状態にあるが、カム溝35,36の遷移領域35c,36cの溝幅Wが広く形成されているため、予めガイド筒37を組み込んだ状態でレンズ保持枠41,51を組み付けるにあたり、カム筒30をガイド筒37に対して相対的に回転させるだけで、フォロワピン42,52を非作用領域35a,36aから作用領域35b,36bに円滑に移動させることができるため、それらの組み付けを容易に行うことができる。
【0022】
第3レンズ群60は、図2に示すように、レンズG3を保持するレンズ保持枠61を備える。レンズ保持枠61は、図1及び図2に示すように、固定筒20の外側に配置されたステップモータ81、ステップモータ81により駆動されるリードスクリュー、レンズ保持枠61に保持されリードスクリューに螺合したナット等を含む駆動機構80により、光軸方向Lにおいて前進及び後退して合焦動作を行う。
【0023】
駆動機構70は、図1及び図2に示すように、ベース10に固定されたDCモータ71、その駆動軸71aに固着されたウォーム72、ベース10に支持されウォーム72に噛合するウォームホイール73、ウームホイール73と同軸にて一体的に形成されたウォーム74、ベース10に支持されウォーム74に噛合するウォームホイール75、ウォームホイール75と同軸にて一体的に形成された歯車76、ベース10に支持され歯車76及びラック部32に噛合する歯車77等により形成されている。
【0024】
すなわち、DCモータ71が回転すると、ウォーム72、ウォームホイール73、ウォーム74、ウォームホイール75、歯車76、歯車77を介して、カム筒30が固定筒20に対して相対的に回転する。そして、第1レンズ群40及び第2レンズ群50は、光軸方向Lにおいてそれぞれ繰り出して(前進して)又は繰り込んで(後退して)、非撮影時の沈胴位置から望遠端撮影位置を経て広角端撮影位置までの間を移動し、幅広い撮影が行えるように所望の変倍位置に移動させられる。
【0025】
次に、上記レンズ鏡胴及びレンズ駆動装置の組み付け手順について説明する。先ず、カム筒30の内周面30bにガイド筒37を嵌め込む。この状態において、ガイド筒37はカム筒30に対して回動自在に支持されている。
続いて、カム筒30の非作用領域35a,36aとガイド筒37の長孔37a,37bとが周方向において一致させられた状態で、カム筒30に対して、第1のレンズ保持枠41を組み付け、続けて、第2のレンズ保持枠51を組み付ける。
【0026】
すなわち、レンズ保持枠41のフォロワピン42を、軸線方向Lからカム筒30の端部に近づけてカム溝35の非作用領域35a及びガイド筒37の長孔37aに滑り込ませ、続けて、レンズ保持枠51のフォロワピン52を、軸線方向Lからカム筒30の端部に近づけてカム溝36の非作用領域36a及びガイド筒37の長孔37bに滑り込ませる。これにより、二つのレンズ保持枠41,51は、カム筒30に組み込まれて保持された状態となる。
【0027】
次に、カム筒30をガイド筒37に対して相対的に回転させて、フォロワピン42,52を、非作用領域35a,36aから屈曲した遷移領域35c,36cを経て作用領域35b,36bに移動させる。このとき、遷移領域35c,36cの溝幅Wが、非作用領域35a,36a及び作用領域35b,36bの溝幅Wnよりも幅広く形成されているため、フォロワピン42,52は円滑に移動して組み付けが完了する。
【0028】
続いて、このレンズ鏡胴は、レンズ駆動装置の固定筒20に対して組み付けられる。この際に、レンズ保持枠41(第1レンズ群40)及びレンズ保持枠51(第2レンズ群50)とカム筒30とは、モジュール品として一体的に取り扱うことができるため、装置への組み付けが容易になる。
【0029】
次に、上記のレンズ鏡胴を備えるレンズ駆動装置がデジタルカメラに搭載された場合の一般的な動作について説明すると、先ず非撮影時において、第1レンズ群40及び第2レンズ群50並びにカム筒30は、光軸方向Lの後方に向けて後退した沈胴位置にある。
【0030】
この沈胴位置から、駆動機構70によりカム筒30が回転させられると、フォロワピン31がカム溝21に案内されて移動し、カム筒30は光軸方向Lの前方に向かって繰り出す。また、カム筒30の回転により、フォロワピン42,52がそれぞれカム溝35,36(作用領域35b,36b)に案内されて、第1レンズ群40及び第2レンズ群50が、望遠端撮影位置を経て広角端撮影位置に至る。一方、第3レンズ群60は、駆動機構(ステップモータ81等)により、第1レンズ群40及び第2レンズ群50の位置に応じた合焦位置に移動する。
【0031】
図10は、本発明に係るレンズ鏡胴の他の実施形態を示すものである。このレンズ鏡胴では、カム筒30に形成するカム溝35´,36´において、図10に示すように、遷移領域35c´,36c´の一方側を略直角に肉抜きして、その溝幅W´を前述の実施形態に係る溝幅Wよりも幅広く(W´>W>Wn)したものである。
このように、遷移領域35c´,36c´をより幅広くかつ略直角に形成することにより、フォロワピン42,52を非作用領域35a,36aから作用領域35b,36bにより円滑に案内して移動させることができる。
【0032】
上記実施形態においては、カム筒30に設けるカム溝35,36、35´,36´として、断面が略V字状のものを採用したが、これに限定されるものではなく、略U字状あるいは略矩形状の凹断面をなすカム溝に対して、本発明を採用してもよい。
また、上記実施形態においては、レンズ保持枠41,51にそれぞれ3個のフォロワピン42,52を設けた場合を示したが、これに限定されるものではなく、それ以外の個数のフォロワピンとそれに対応するカム溝とを設けた構成において、本発明を採用してもよい。
さらに、上記実施形態においては、カム筒30の内側に二つのレンズ群40,50を配置するレンズ鏡胴において、本発明に係る構成を採用したが、これに限定されるものではなく、カム筒30に一つのレンズ群を配置する構成あるいは三つ以上のレンズ群を配置する構成において、本発明を採用してもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のレンズ鏡胴によれば、内周面にカム溝を有するカム筒と、レンズを保持しかつカム溝に挿入されるフォロワピンを有しカム筒の内側に配置されるレンズ保持枠と、カム筒とレンズ保持枠の間に配置されてレンズ保持枠の回転を規制しつつ光軸方向にガイドするガイド筒とを備え、レンズ保持枠が回転を規制されつつカム筒の回動により光軸方向に移動する構成において、ガイド筒の長孔により光軸方向にガイドされるフォロワピンに対して、光軸方向にカム作用を及ぼすカム筒のカム溝として、組付け時にフォロワピンを滑り込ませるための非作用領域、作動時にフォロワピンにカム作用をなす作用領域、非作用領域と作用領域とを連結する遷移領域により形成し、遷移領域の溝幅だけを他の領域(作用領域及び非作用領域)の溝幅よりも幅広くしたことにより、レンズ保持枠をカム筒に組み付ける際に、フォロワピンをカム溝の非作用領域に滑り込ませるだけで、レンズ保持枠を容易に位置決めしつつ脱落しないようにカム筒に保持させることができる。また、遷移領域の溝幅だけを他の部分(作用領域及び非作用領域)よりも幅広に形成しているため、フォロワピンを非作用領域から作用領域へ円滑に移行させることができ、レンズ保持枠とカム筒との組み付けが容易になり、レンズ鏡胴の生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレンズ鏡胴を組み込んだレンズ駆動装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に示す装置の展開断面図である。
【図3】本発明に係るレンズ鏡筒の一実施形態を示すものであり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図4】レンズ鏡胴の一部をなすカム筒を示すものであり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図5】図4に示すカム筒の内周面に形成されたカム溝を示す展開図である。
【図6】カム筒に形成されたカム溝を示すものであり、(a)は部分拡大図、(b)は(a)中のE1−E1にける断面図である。
【図7】レンズ鏡胴の一部をなすガイド筒を示すものであり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図8】レンズ鏡胴の一部をなす第1のレンズ保持枠を示すものであり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図9】レンズ鏡胴の一部をなす第2のレンズ保持枠を示すものであり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図10】カム筒に形成されたカム溝の他の実施形態を示すものであり、(a)は部分拡大図、(b)は(a)中のE2−E2にける断面図である。
【符号の説明】
30 カム筒
30a 外周面
30b 内周面
35,35´ 第1のカム溝
35a 非作用領域
35b 作用領域
35c,35c´ 遷移領域
36,36´ 第2のカム溝
36a 非作用領域
36b 作用領域
36c,36c´ 遷移領域
40 第1レンズ群
41 第1のレンズ保持枠
42 第1のフォロワピン
50 第2レンズ群
51 第2のレンズ保持枠
52 第2のフォロワピン
L 光軸方向
W,W´ 遷移領域の溝幅
Wn 非作用領域及び作用領域の溝幅
Claims (3)
- 内周面にカム溝を有するカム筒と、レンズを保持しかつ前記カム溝に挿入されるフォロワピンを有し前記カム筒の内側に配置されるレンズ保持枠と、前記カム筒と前記レンズ保持枠の間に配置されて前記レンズ保持枠の回転を規制しつつ光軸方向にガイドするガイド筒とを備え、前記レンズ保持枠が回転を規制されつつ前記カム筒の回動により光軸方向に移動するレンズ鏡胴であって、
前記ガイド筒は、前記フォロワピンを通してガイドするべく光軸方向に伸長すると共に端部にて開口する長孔を含み、
前記カム溝は、所定の溝幅及び溝深さを有しかつ光軸方向においてカム作用を及ぼす作用領域と、前記作用領域の溝幅及び溝深さと同一の溝幅及び溝深さを有すると共に光軸方向に所定長さに亘って伸長して端部にて開口し前記フォロワピンを前記カム溝に挿入するために形成されカム作用を及ぼさない非作用領域と、前記作用領域と前記非作用領域とを連結すると共に前記作用領域及び非作用領域の溝幅よりも広い溝幅で同一の溝深さを有する遷移領域と、を含む、
ことを特徴とするレンズ鏡胴。 - 前記カム筒は、内周面に形成された第1のカム溝と第2のカム溝とを有し、
前記レンズ保持枠は、前記第1のカム溝に挿入される第1のフォロワピンを有する第1のレンズ保持枠と、前記第2のカム溝に挿入される第2のフォロワピンを有する第2のレンズ保持枠と、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡胴。 - 前記フォロワピンは、前記レンズ保持枠の周方向において略等間隔にて複数配置され、
前記カム溝は、前記複数のフォロワピンに対応するように、複数形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ鏡胴。
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