JP4479185B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
従来において、記録材の表面に着目し、良好な画像形成を行わせるようにした例としては、記録シートの表面粗さ、地合い及び平滑度等によって、転写電流を上げたり、転写圧力を上げたり、更に、シート転移前のトナー量を多くするように露光条件や現像条件を制御する方法等が提示されている(例えば特許文献1〜3参照)。
ところで、最近のグラフィックアート市場で用いられる記録材として、型を用いて、表面に凹凸模様をつけたエンボスシートが多用される様になってきているが、従来、ゼログラフィでエンボスシート上に良好な画像を形成する提示はなされていない。
また、特許文献2には、厚紙や封筒等の特殊紙への画像形成時に、転写電流を上げたり、定着温度を上げたりすることで、転写不良や定着不良を防止する提案がなされている。しかし、この方法で、エンボスシートに画像形成を行っても、表面のトナー厚が増加するのみで凹部の画像抜けは解消されない。
更に、特許文献3には、記録シートそのものの地合いの影響を低減するため画像形成条件を変更する提案がなされている。しかし、この方法は、地合いに対する効果はあっても、エンボスシートに対する解決手段とはならず、画像抜けが発生する。
しかしながら、この構成では感光体と中間転写体の間の摩擦が大きくなり、画素位置ずれ等の画質劣化が生じる。また、凹凸模様の周波数が高く振幅が大きい場合、すなわち、エンボスの凹凸が密に且つ深く配置されている場合には、中間転写体の弾性層を十分軟らかく、厚くしても、エンボスシート表面に追従できず、画像抜けは改善しない。
また、エンボスシートでは凹部が100μm以上のものもあり、例えば、転写電流を上昇させてもトナーとエンボスシート間のギャップによる放電のため、画質劣化が生じ、画像抜けも十分に改善できない。
一方、転写圧力を上昇させても、ポリイミド樹脂等の通常使用される中間転写ベルトでは、エンボスシートの凹凸に追従できず、ギャップがなくならないため、画像抜けは改善しない。
更に、露光や現像条件を変えてトナー量を多くしても、エンボスシートの凹みの深さに比べトナー層厚の変化は小さいことから、トナーとエンボスシート間のギャップがなくならず、画像抜けは改善しない。また、トナー層厚が厚くなることで、却って転写効率が悪化し、画像抜けが悪くなることにもなる。
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、表面に凹凸加工がなされたエンボスシート上に、画像抜けのない良好な画像を形成するための、画像形成装置を提供するものである。
また、モード選択手段3への入力は、例えばスイッチ等を使用して記録材1の情報を手動で入力する態様でもよいし、別途自動で記録材1の判別を行った結果を入力する態様であっても差し支えない。
更に、モード選択手段3は、記録材1の厚みや表面の凹凸深さ等の情報を下に、記録材1がエンボスシートかどうかの選択を行うが、例えば手動で行う場合は、記録材1の型番等の情報を基に表面の凹凸深さや厚さの変化量等を判断する態様であってもよいし、例えば自動で、CCDカメラ等による表面観測で凹凸深さや厚みの変化量等から判断する態様であっても差し支えない。尚、エンボスシートかどうかのモード選択を行う情報は、一つの情報に基づく態様であってもよいし、複数の情報に基づく態様であっても差し支えない。
尚、エンボスシートとは、型を用いて表面に凹凸模様を設けたシートを指すが、アート紙やコート紙等の用紙に型による凹凸加工がなされた用紙、所謂エンボス紙を含み、通常の洋紙販売会社等で扱うレザック66やボス等がこれに相当する。
更に、凹凸深さが30μm未満の場合は、従来の転写条件等の処置を行うことで、本発明に関する作像条件の変更を行わなくてもよいことから、好ましくは、凹凸深さが30μm以上のものをエンボスシートとして、エンボスシートモードでの作像を行うようにすることがよい。
このトナー像の層厚を小さくするには、像担持体上の露光量を非エンボスシートモードが選択された場合に比べて弱める方向に変更する態様と、現像バイアスを非エンボスシートモードが選択された場合に比べて弱める方向に変更する態様があり、両者を同時に行ってもよいし、いずれか一方のみの態様であっても差し支えない。
また、露光量の変更は、例えばレーザビームを使用する態様においては、ビーム強度を変更してもよいし、ビームスポットサイズ等を変更してもよい。
そして、記録材1の凹凸深さによって自動的に判別する態様では、例えば、CCDカメラ等からの画像を、周波数解析装置や画像解析装置等を使用して判断する態様が可能である。
◎実施の形態1
図2は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す。
同図において、画像形成装置10は、カラー画像を形成可能な画像形成ユニット11を備えたものである。
本実施の形態において、画像形成ユニット11は、装置本体20の上部に原稿を読み取るための画像読取りユニット26を配設すると共に、その上方には画像読取りユニット26に原稿を送るための原稿送り装置27を配設する一方、装置本体20の内部に作像モジュール21を配設し、この作像モジュール21の下方には多段のシート供給トレイ31〜34を配設するほか、装置本体20の側部に手差しトレイ35を開閉自在に配設したものである。
また、中間転写ベルト23は複数の張架ロールに張架されて循環搬送されるものであり、前記二次転写装置24が一つの張架ロールをバックアップロールとして対向配置されている。尚、符号231は中間転写ベルト23を清掃するクリーナである。
ここで、主搬送経路41の二次転写部位の上流側には記録シートを位置決めした後に搬送するレジストロール44が、二次転写部位の下流側には定着ユニット25へ搬送する搬送ベルト45が設けられ、各搬送経路40には適宜数の搬送ロール46が設けられている。また、前記反転搬送経路42には記録シートの表裏を反転して搬送する反転機構100が配設されている。
尚、手差しトレイ35からの記録シート送出部は主搬送経路41の水平部分に連通接続されており、本実施の形態では、記録シートとしてエンボスシートが適用される場合は、この手差しトレイ35から手挿入で装置本体20内へエンボスシートが投入されるようになっている。
そして、この制御装置60は、装置本体20(図2参照)側に設けられたエンボスシート選択スイッチ71及び下色除去選択スイッチ72等からの信号を、入力インタフェース64を介してCPU61に取り込み、CPU61が、記録シートがエンボスシートの場合は、エンボスシートモードでの作像制御を、また、記録シートが非エンボスシートの場合は、通常の非エンボスシートモードでの作像制御を行うように、所定の処理プログラムを実行し、出力インタフェース65を介して、露光量76、現像バイアス77及び下色除去78の作像条件を制御するようになっている。
今、エンボスシートを手差しトレイ35にセットした後、各種選択スイッチ、具体的には図3に示すエンボスシート選択スイッチ71を選択操作する(ステップS1)。
制御装置60は、その信号を下に、記録シートにエンボスシートが適用されたことを確認し、露光量及び現像バイアスの変更を行う(ステップS2〜S4)。
このとき、エンボスシートの場合は、露光量や現像バイアスを弱める方向に変更する。
また、本例では、露光量及び現像バイアスの双方の変更を行う態様としたが、いずれか一方のみの変更であってもトナー層厚を薄くする方向であれば差し支えない。更に、本例では、エンボスシートモードは一種としたが、複数種あっても差し支えない。
この薄くなったトナー像は、一次転写装置224によって中間転写ベルト23上に転写された後、二次転写装置24にて、手差しトレイ35から搬送されたエンボスシート上に転写される(ステップS7,S8)。
そして、トナー像が転写されたエンボスシートは、搬送ロール45を通って、定着ユニット25で定着された後、排出トレイ52へ排出される(ステップS9)。
尚、エンボスシートの選択がなされなかった場合は、ステップS2からステップS5の露光行程へ移ることとなる。
図5(a)(b)は、トナー層厚が異なった際のエンボスシートへの転写過程を示す模式図である。図5(a)では、トナー層厚が厚い場合、中間転写ベルト23とトナーとの静電気的付着力が強いため、エンボスシートの凹部(図の(A)部分)での、二次転写ロール24側へトナーを引っ張る静電吸引力(転写バイアスによる)が相対的に弱くなり、凹部へのトナー転写が不十分となる。一方、図5(b)のように、トナー層厚が薄い場合は、中間転写ベルト23とトナーとの静電的付着力が弱くなり、エンボスシートの凹部へもトナーの転写が行われることとなる。
また、トナー層厚を薄くすることで、エンボスシート上に転写されるトナー量は少なくなり、色再現性が低下するが、通常使用されるエンボスシートは、その色調がアイボリーやベージュ等の色付きが多いことから、どちらかというと色再現に対する市場での要求度は低く、実用上問題とならない。
従って、本件のように、エンボスシートの場合にトナー層厚を薄くすることで、画像抜けがなく、画質も滑らかな画像形成が可能となる。
図6(a)(b)は、下色除去を説明する図であり、(a)はその概念図、(b)は動作フローを示している。
例えば、図6(b)が示すように、下色除去選択スイッチ72が操作されると、制御装置60で下色除去可能な箇所(Y(イエロ),M(マゼンタ),C(シアン)の混色部位)をK(ブラック)に変換する制御が行われる(ステップS11,S12)。
そして、K(ブラック)トナー現像が行われることとなる(ステップS16)。また、下色除去が選択されない場合は、通常のY(イエロ)トナー現像、M(マゼンタ)トナー現像、C(シアン)トナー現像が行われる(ステップS13〜S15)。
このとき、下色除去が行われることで、図6(a)に示すように、トナー層厚が薄くなる。
従って、この下色除去を行うことも、エンボスシートへの画像抜けを抑止する方向に役立つこととなる。
本実施の形態に係る画像形成装置は、実施の形態1と略同様に構成され、実施の形態1とはエンボスシートの選択スイッチの態様が異なり、図7に示すような操作画面の表示の、例えば、タッチパネルによって、使用されるエンボスシートを手動で選択するようになっている。
そして、この表示選択スイッチ73からの信号を基に制御装置80を通して、露光量76、現像バイアス77の作像条件を変更するように構成されている。
本実施の形態に係る画像形成装置は、実施の形態1と略同様に構成されるが、実施の形態1と異なり、図8に示すように、制御装置90にエンボスシートを自動的に判別するための周波数解析装置83を備えたものである。
同図において、図示外の画像形成装置本体内には、CCDカメラ82及び周波数解析装置83が配設されており、搬送される記録シート81の周波数解析結果により、制御装置90にて記録シート81がエンボスシートか否かを自動的に判別し、その信号に基づいて作像条件を変更するか否かを処理するように構成されている。
そして、この制御装置90は、周波数解析装置83、下色除去選択スイッチ72等からの信号を、入力インタフェース94を介してCPU91に取り込み、CPU91が、記録シート81がエンボスシートの場合は、エンボスシートモードでの作像制御を、また、記録シート81が非エンボスシートの場合は、通常の非エンボスシートモードでの作像制御を行うように、所定の処理プログラムを実行し、出力インタフェース95を介して、露光量76、現像バイアス77及び下色除去78の作像条件を制御するようになっている。
尚、本実施の形態では、記録シート81の表面凹凸深さを周波数解析装置83によって解析することで、エンボスシートか否かを判別するように構成されている。
CCDカメラ82による画像取り込みが行われると、その内容を周波数解析装置83による表面解析が行われ、その情報に基づいて制御装置で使用された記録シート81がエンボスシートであるかどうか判別される(ステップS21〜S23)。
更に、エンボスシートの場合は、その凹凸が浅いか深いかによって、二区分され、夫々に適した露光量を選択するようになっている(ステップS24〜S26)。
そして、選択された露光量による露光が行われ、現像、一次転写、二次転写、定着が行われる(ステップS27〜S31)。
本実施の形態では、CCDカメラ82にて搬送される記録シート81の画像を取り込むと、凹凸の深さに応じた濃淡画像が得られる。この場合、凹凸が浅いものほど白く、深いものほど黒くなる画像となる。この濃淡の差を周波数解析装置83によって、凹凸の深さに換算するようにしたものである。
通常、エンボスシートは、凹凸模様を施した型(ロール)の間を通過させる際にその模様(凹凸)を形成するため、上述の濃淡画像はある程度決まった周波数成分を持つこととなる。従って、その周波数解析を行うことで、ある周波数でピークを持つような記録シート81はエンボスシートであると判断することが可能となる。
尚、凹凸が30μm以上であれば、この濃淡画像がより鮮明になるため、周波数解析による判別がいっそう容易になる。
尚、本例では、周波数解析装置83を使用し、記録シート81の凹凸深さを観測する態様を示したが、周波数解析装置83の代わりに、例えば画像解析装置によって凹凸の沿面距離等を測定することで、凹凸深さの代用値とすることも差し支えない。
また、本実施の形態においても、下色除去選択スイッチ72を操作することで、下色除去を行うことも可能である。
本実施例では、富士ゼロックス(株)製のDocuCentreColor
500の改造機を使用し、エンボスシートとして、(株)竹尾などの洋紙販売会社で通常取り扱っているレザック66及びボスを使用した。
トナー層厚は、通常条件では、単色(C,M,Y,K)の場合は10μm弱、二次色(R,G,B)の場合は15μm弱、三次色(PB)の場合は20μm弱となっている。
画像抜け評価は、画像抜けグレードとして次のように判定した。
G1は画像抜け発生なし、G2はG1と次のG3との間のレベル、G3は画像抜けはあるが気にならない、G4はG3と次のG5との間のレベル、G5は画像抜け発生がひどい、のように分類し、G1〜G3を合格レベルとして判定した。
また、この時の色再現については、通常より劣るが実用上問題ないレベルであった。
Claims (4)
- 像担持体上のトナー像を記録材上に静電的に転写して画像を作像する作像手段と、
記録材の種類に応じてエンボスシートモード又は非エンボスシートモードを選択するモード選択手段と、
このモード選択手段によってエンボスシートモードが選択された場合、前記像担持体上のトナー像の層厚を非エンボスシートモードが選択された場合に比べて小さくするように前記作像手段を制御せしめる作像制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
作像制御手段は、エンボスシートモードが選択された場合、露光量を非エンボスシートモードが選択された場合に比べて弱める方向に変更するように作像手段を制御せしめることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
作像制御手段は、エンボスシートモードが選択された場合、現像バイアスを非エンボスシートモードが選択された場合に比べて弱める方向に変更するように作像手段を制御せしめることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
作像制御手段は、エンボスシートモードが選択された場合は下色除去を行い、非エンボスシートモードが選択された場合には下色除去を行わないように作像手段を制御せしめることを特徴とする画像形成装置。
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