JP4470801B2 - 形状可変ミラー及びそれを備えた光ピックアップ装置 - Google Patents
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Description
可変ミラーの鏡面の変形量に関する。また、本発明は、形状可変ミラーを備える光ピック
アップ装置に関する。
ディスク)等の光ディスクの情報を読み書きする際、光ピックアップ装置の光軸とディス
ク面の関係は、垂直であることが理想である。しかし、実際にディスクが回転している際
、この関係は常に垂直というわけではない。このため、CDやDVD等の光ディスクでは
、ディスク面が光軸に対して傾いた時に、レーザ光の光路が曲げられてコマ収差が発生す
る。
位置が正しい位置からずれるため、コマ収差が許容値を超えると、情報の正しい読み書き
ができないという問題が発生する。このため、従来、形状可変ミラーを用いて上述のコマ
収差などの補正を行う手段が提案されている。
可変ミラーで、波面収差を低減する方法が紹介されている。これは、例えば、図6(a)
、(b)、(c)に示すような構造を有している。図6(a)は、鏡用固定部材108を
取り除いて、鏡材101と反対側から見た図である。図6(b)は、図A(a)のA−A
'の位置で切った形状可変ミラーの断面図である。図6(c)は、鏡材101側から見た
平面図である。102は圧電素子、103は配線電極、104は個別電極、105は鏡基
板、106は固定部、107はスリット、109は支持部である。
スとマイナスを逆にして印加すると、異なった電圧を印加された一方の圧電素子102は
伸び、他方の圧電素子102は縮むこととなり、鏡面は、A−A'方向の鏡面の中心を挟
んで、一方は凸面、他方は凹面となる。そして、このような形状可変ミラーを光ピックア
ップ装置に適用すると、波面収差の低減ができることが紹介されている。また、特許文献
1では、このように構成した形状可変ミラーの支持部109を弾性変形可能とすることで
、鏡部の変形効率を向上できることを提案している。なお、鏡部とは、鏡材101、鏡基
板105を含む部分であり、支持部109とは、圧電素子102が設けられる部分を含む
鏡部の中央側の部分である変形部と固定部106との間にあり、変形部を固定部106に
対して支持する鏡部の部分である。
能な光ピックアップ装置が提案されており、これによると、圧電膜を備えた形状可変ミラ
ーの構成の中に弾性板膜を設けたり、構成部材の一部に弾性を持たせたりすることにより
、低い印加電圧で変形量が大きい形状可変ミラーが得られることが提案されている。
めには、形状可変ミラーの鏡部を大きく変形できることが要求される。この点、特許文献
1や特許文献2における形状可変ミラーは、印加される電圧に対して、鏡部の変形効率が
良くなることが提案されているが、圧電素子自体の伸縮量は非常に小さいために、印加電
圧当たりの鏡部の変形効率を大きくしても、鏡部の変形量を大きくできる割合は、さほど
大きなものではない。
、光ピックアップに搭載される形状可変ミラーのサイズを大きくする余地はほとんどない
。このため、外形を大きくすることなく、鏡部の変形量を大きくできる形状可変ミラーが
望まれている。
大きくすることなく、鏡部の変形量を大きくすることができる形状可変ミラーを提供する
ことである。また、本発明の他の目的は、鏡部の変形量を大きくした形状可変ミラーを用
いて、収差の補正を広い範囲で行うことができる光ピックアップ装置を提供することであ
る。
反対側に鏡面を有するミラー部と、前記鏡面を変形させる圧電素子と、を有する形状可変
ミラーを備える光ピックアップ装置において、前記支持基板上には、前記ミラー部の端部
で前記ミラー部に接合される前記圧電素子が十字方向に対称に4つ配置され、前記ミラー
部に接する支持部が前記圧電素子それぞれの内側に近接して配置され、前記支持部は前記
支持基板の方向へ変形可能とするために、互いに所定の間隔を設けて配置されていること
を特徴としている。なお、ミラー部は、ミラー部の鏡面の裏面側に圧電素子を作動する電
極部が設けられている場合には、電極部も含む概念であり、以下も同様である。
基板と反対側に鏡面を有するミラー部と、前記鏡面を変形させる圧電素子と、を備える形
状可変ミラーにおいて、前記支持基板上には、前記ミラー部の外周側で前記ミラー部に接
合される前記圧電素子が十字方向に対称に4つ配置され、前記ミラー部に接する支持部が
前記圧電素子それぞれの内側に配置され、前記支持部は互いに所定の間隔を設けて配置さ
れていることを特徴としている。
近接していることを特徴としている。
端部であることを特徴としている。
るために設けていることを特徴としている。
特徴としている。
プ装置において、十字方向に対称に設けられた4つの圧電素子各々の内側に近接して支持
部が設けられているために、てこの原理を利用して、外形を大きくすることなく、圧電素
子の小さな変動量をミラー部の大きな変動に変換することが可能となる。このため、鏡部
の変形量を大きくすることが可能となり、収差の補正を広い範囲で行うことができる。ま
た、圧電素子を対称に4つ設けているため、バランスよく鏡面を変形することが可能とな
り、収差の補正を的確に行うことができる。
に設けられた圧電素子のそれぞれの内側に支持部を設けているために、てこの原理を利用
して、外形を大きくすることなく、圧電素子の小さな変動量をミラー部の大きな変動に変
換でき、鏡面の変形量を大きくできる。また、圧電素子がミラー部と支持基板を固定する
役割を果たしているため、別途固定部分を設ける必要がない。
素子に支持部を近接させているために、支点である支持部と圧電素子の距離が短くなる一
方で、支持部と対称に配置された圧電素子間の中間点との距離が長くなり、ミラー部の変
形量を大きくできる。
素子がミラー部の端部に配置されているために、更に支持部と対称に配置された圧電素子
同士の中間点との距離が長くなり、ミラー部の変形量をより大きくすることができる。
方向へ変形可能とするために設けているため、効率よく鏡面を変形することが可能となる
。
可変ミラーを備える光ピックアップ装置において、形状可変ミラーのミラー部の変形量を
大きくすることができるため、収差の補正を広い範囲で行うことが可能となる。
であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。また、図面中の各部材
の大きさや厚み、変形時の変動量等は理解を容易にする目的のためのものであり、実際の
寸法と異なる。
施形態の形状可変ミラーを構成する各部材を分解して斜視図で示している。図1(b)は
、図1(a)に示すa−a'の位置で切った断面図である。
3の鏡面を変形させる収差補正ミラーである。2は圧電素子4及び固定部5を取り付ける
支持基板である。支持基板2の材質としては、例えば、ガラスやセラミックス等の絶縁体
が挙げられる。支持基板2には、圧電素子4に電圧を供給するための電極穴6が設けられ
ている。
を反射する。ミラー部3は、剛性を有する物質で、また、圧電素子4に電圧を供給できる
ように、電気伝導が得られる物質から形成されることが好ましい。このようなものとして
、例えば、シリコンやアルミニウム、鉄等の金属が挙げられる。なお、電気伝導性は無い
が、ガラス等の絶縁体で形成しても構わない。ただし、ガラス等の絶縁体で形成したミラ
ー部3は、圧電素子4の導通を得るために、ミラー部3の鏡面の裏面に、例えば、金等を
蒸着することにより電極パターンを形成するか、ミラーの裏面側に電極を取り付けた構成
とする必要がある。
ベースにシリコンを用いて、その上に、鏡面となるアルミニウム等のコーティング層を重
ねるような構成としてもよく、また、ベースの上に複数の層を形成するようにしても構わ
ない。
触する部分に、突出部3aが設けられている。このような突出部3aを設ける必要は必ず
しもないが、ミラー部3と支持部5の接触面積を減らすのが好ましく、本実施形態のよう
にミラー部3側に突出部3aを設けるか、又は、支持部5側上面に突出部を設けるのが好
ましい。なお、いずれに突出部を設ける場合でも、突出部の形状は、本実施例のものに限
られず、本発明の目的を逸脱しない範囲で変形可能である。
されている場合には、ドライエッチングで形成することが可能である。なお、突出部3a
の形成方法は、ドライエッチングに限られず、他の方法で形成しても構わない。
基板2に十字方向に対称に4つ配置されている。また、圧電素子4は、例えば、図1(b
)に示すように、圧電素子4の下部側に設けられた電極穴6により個別電極(図示しない
)と接続されている。一方、圧電素子4の上部側は、共通電極の役割も果たすミラー部3
の突出部3aと接している。これにより、圧電素子4の伸縮が可能となる。なお、上述の
ように、ミラー部3が絶縁体で構成される場合には、例えば、ミラー部3の裏面に電極層
を蒸着するなどして、ミラー部3に電極を設け、これが共通電極となる。
ミラー部3を支持基板2に固定する役割の両方の機能を兼ね備えている。このため、圧電
素子4の高さは、ミラー部3の固定位置での高さを揃えるために、同一の高さに揃えるの
が好ましい。
ン酸鉛、Pb(ZrxTi1-x)O3)のような圧電セラミックスでも、ポリフッ化ビニリ
デンのような圧電高分子等でもよいが、強度が強い圧電セラミックスが好ましい。
ものではなく、例えば、円柱状等でも構わない。また、圧電素子4の数と配置は、本実施
形態に示した形態に限定されるものではないが、支持部5との組み合わせで、てこの原理
を利用してミラー部3の変形量を増大する関係上、圧電素子4は対称に配置される必要が
あり、偶数個必要となる。ただし、形状可変ミラー1のサイズ等を考慮すると圧電素子4
の数をあまり多くできず、また、ミラー部3の鏡面を一部に偏って変形することが無い様
にするため、本実施形態のように、十字方向に対称に4つ配置するのが好ましい。
十字方向に対称に配置された圧電素子4の内側に配置されており、支持部5の上面は、ミ
ラー部3の突出部3aと接している。突出部3aと支持部5は、必ずしも接合されている
必要はない。突出部3aと支持部5が接合されていない方が、圧電素子4の駆動によりミ
ラー部3が変形する際に、鏡面の局所部分に歪みが発生しない点で好ましい。
基板2と支持部5は一体型でもよく、その他、本発明の目的を逸脱しない範囲で、形状等
の変更が可能である。また、固定部5の高さは、ミラー部3の鏡面に歪みが発生するのを
防止するため、同一高さに揃えるのが好ましく、固定部5と圧電素子4の高さの関係も歪
みが発生しないように調整するのが好ましい。
のものを示したが、特にこの形状に制限されるものでなく、本発明の目的を逸脱しない範
囲で変更が可能である。例えば、支持基板2やミラー部3等が円形に構成されていてもよ
く、ミラー部3と比較して支持基板2の方が大きい構成等にしてもよい。
状可変ミラー1は、例えば、圧電素子4の駆動に伴い、図2(a)から(c)の様に変動
する。ここで、図2(a)から(c)は、形状可変ミラー1を図1(a)に示すa−a'
の位置で切った断面図である。
圧を印加すると伸縮する。図2(b)は、左右の圧電素子4が縮んだ状態を示しており、
圧電素子4が縮んだ場合、ミラー部3は、ミラー部3の圧電素子4に固定される部分が引
き下げられ、その他の部分は支持部5の存在により引き上げられるので凸状の形態になる
。一方、図2(c)は左右の圧電素子4が伸びた状態を示しており、圧電素子4が伸びる
と、支持部5に接合されたミラー部3は、支持部5に引っ張られて凹面形状となる。なお
、圧電素子4の伸縮の組み合わせは、ここに示したものに限られず、例えば、図2におけ
る左右の圧電素子4のいずれか一方が伸び、他方が縮むような場合等も可能である。
されていなくても構わないが、接合されていない場合には、左右の圧電素子4が伸びた場
合に、ミラー部3は上方に持ち上げられるだけで、図2(c)のような形状には変形しな
い。このため、例えば、ミラー部3を図4に示すように予め凹んだ形状としておくのがよ
い。このようにしておくと、圧電素子4が伸びた場合に、ミラー部3は元の状態である凹
んだ形状に戻ろうとするため、圧電素子4が変形する。すなわち、圧電素子4が伸びた場
合だけでなく、縮んだ場合にもミラー部3の変形が可能となり、ミラー部3の変形量を十
分確保することが可能となる。
と同様の状態を示した図であり、ミラー部3を圧電素子4に固定する前の状態を示してい
る。ミラー部3と圧電素子4が固定された場合、圧電素子4が駆動していない時は、ミラ
ー部3は支持部5に持ち上げられて、例えば、平板状の形態となる。なお、凹面形状のミ
ラー部3は、例えば、熱収縮率の大きい素材を上にして、2層以上の構造になるように重
ね合わせることで形成できる。具体的には、例えば、ベース部にシリコンを用い、高温下
で、鏡面部を形成するアルミニウムを蒸着する等の処理をし、その後冷却すると、アルミ
ニウムの方が、熱収縮率が大きいので、凹面形状のミラーが得られる。
成にした場合、例えば、図3のように、ミラー部3を固定する固定部7の内側に圧電素子
4を配置する構成にした場合に比べ、てこの原理により、圧電素子4の小さな動きをミラ
ー部3の大きな動きに変換するのに適した構造となる。このため、例えば、図2(b)の
ように左右両方の圧電素子4が縮んだ場合、圧電素子4の収縮量が小さいにもかかわらず
、ミラー部3の中心部の大きな変動量を得ることが可能となる。すなわち、本発明の構成
によれば、形状可変ミラー1の外形を大きくすることなく、ミラー部3の変形量を大きく
することが可能となる。
の大きな変動とする構成であるために、支点となる支持部5と圧電素子4は、近接して配
置するのが好ましい。また、支持部5と近接された圧電素子4は、ミラー部3の端部に配
置するのがより好ましい。これにより、ミラー部3内で最も大きな変動をするミラー部3
の中心と支点となる支持部5の距離がより大きくなり、ミラー部3の変動量がより大きく
なる。
明する。本発明の形状可変ミラー1を含む光ピックアップ装置11の光学系としては、例
えば図5のように構成される。なお、光ピックアップ装置11の光学系としては、本発明
の目的を逸脱しない範囲で他の構成とすることも可能である。
、ビームスプリッタ14と、本発明の形状可変ミラー1と、1/4波長板15と、対物レ
ンズ16と、集光レンズ18と、光検出器19とを備えている。
れ、この平行光は、ビームスプリッタ14を通過して、1/4波長板15でレーザ光の偏
光状態を変化された後に、形状可変ミラー1で反射され、対物レンズ16で集光されて光
ディスク17に焦点を合わせる。また、光ディスク17から反射されたレーザ光は、対物
レンズ16を通過後、形状可変ミラー1で反射されて、1/4波長板15を通過し、ビー
ムスプリッタ14を介して、集光レンズ18によって集光されて、光検出器19に導かれ
る。
たしている。一方で、この光学系では、例えば、光ディスク17がレーザ光の光軸と垂直
の状態から傾くと、前述のようにコマ収差が発生するため、このコマ収差を補正するため
に、形状可変ミラー1の鏡面を変形させて、収差の補正を行う役割も果たしている。すな
わち、光検出器19で得られた信号に基づいて、コマ収差等の波面収差の補正が必要な場
合には、光ピックアップ装置11に備えられる制御部(図示せず)から形状可変ミラー1
に信号が送られて、収差を補正するようにミラー部3の鏡面が変形される。そして、本発
明の形状可変ミラー1は、構成の工夫によりミラー部3の変形量を大きくできるために、
収差の補正を広い範囲で行うことが可能となる。
入により、光ピックアップ装置に用いられる形状可変ミラーの外形を大きくすることなく
、鏡面の変形量を大きくできる。
の変形量を大きくできるため、収差の補正を広い範囲で行うことが可能となる。
2 支持基板
3 ミラー部
4 圧電素子
5 支持部
11 光ピックアップ装置
Claims (6)
- 支持基板と、該支持基板と対面し、該支持基板と反対側に鏡面を有するミラー部と、前
記鏡面を変形させる圧電素子と、を有する形状可変ミラーを備える光ピックアップ装置に
おいて、
前記支持基板上には、前記ミラー部の端部で前記ミラー部に接合される前記圧電素子が
十字方向に対称に4つ配置され、前記ミラー部に接する支持部が前記圧電素子それぞれの
内側に近接して配置され、
前記支持部は前記支持基板の方向へ変形可能とするために、互いに所定の間隔を設けて
配置されていることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 支持基板と、該支持基板と対面し、該支持基板と反対側に鏡面を有するミラー部と、前
記鏡面を変形させる圧電素子と、を備える形状可変ミラーにおいて、
前記支持基板上には、前記ミラー部の外周側で前記ミラー部に接合される前記圧電素子
が十字方向に対称に4つ配置され、前記ミラー部に接する支持部が前記圧電素子それぞれ
の内側に配置され、
前記支持部は互いに所定の間隔を設けて配置されていることを特徴とする形状可変ミラ
ー。 - 前記支持部は、前記圧電素子に近接していることを特徴とする請求項2に記載の形状可
変ミラー。 - 前記外周側は、前記ミラー部の端部であることを特徴とする請求項3に記載の形状可変
ミラー。 - 前記所定の間隔は、前記支持部は前記支持基板の方向へ変形可能とするために設けてい
ることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の形状可変ミラー。 - 請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の形状可変ミラーを備えることを特徴とする
光ピックアップ装置。
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