JP4469577B2 - 治療器具の洗浄消毒方法 - Google Patents
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すなわち、被処理品である治療器具を密閉可能に設けられた洗浄槽内に収容し、洗浄槽を真空に排気した後、洗浄槽に接続された洗浄液タンクから洗浄槽の陰圧を利用して、洗浄槽内に収容されている被処理品に洗浄液を噴射させて被処理品を洗浄し、次いで、洗浄槽を真空に排気し、洗浄槽に接続されたリンス水タンクから洗浄槽の陰圧を利用して、洗浄槽内に収容されている被処理品にリンス水を噴射させてすすぎ操作を行い、前記洗浄槽は、真空排気及び加圧滅菌可能な密閉容器として形成され、前記洗浄槽を真空に排気する真空排気機構として、前記洗浄槽に連通して設けられたエジェクタと、該エジェクタに接続された圧縮エア源とが設けられ、前記洗浄槽には、前記洗浄液タンクと前記リンス水タンクとに切り替え可能に配管接続され、前記洗浄槽内において、前記洗浄槽の陰圧により、前記洗浄液タンクから供給される洗浄液、あるいは前記リンス水タンクから供給されるリンス水が、前記被処理品に向けて噴射される配置に設けられたノズルと、前記ノズルを介して前記洗浄液タンクから前記洗浄槽に洗浄液が供給され、前記被処理品が洗浄液によって浸漬された状態において、前記被処理品を超音波洗浄する超音波発生装置と、前記ノズルを介して前記リンス水タンクから前記洗浄槽にリンス水が供給され、前記洗浄槽が密閉容器状態とされた状態において、前記リンス水を加熱して前記洗浄槽内において高温蒸気を発生させ、被処理品を滅菌処理するヒータとが設けられている治療器具の洗浄消毒装置を用いて被処理品を洗浄消毒する洗浄消毒方法において、前記洗浄槽内に前記被処理品を収容し、前記洗浄槽をエアシールして閉止する工程と、前記真空排気機構を作動させ、前記洗浄槽を真空排気する工程と、前記洗浄槽の陰圧を利用し、前記洗浄液タンクから前記洗浄槽に洗浄液を供給し、前記ノズルを介して前記被処理品に向け洗浄液を噴射させて被処理品を予備洗浄する工程と、前記予備洗浄後、前記洗浄槽から洗浄液を排出し、前記真空排気機構により前記洗浄槽を真空排気し、前記洗浄槽の陰圧により前記ノズルを介して洗浄液を被処理品に噴射させながら前記洗浄液タンクから洗浄槽に再度洗浄液を供給し、被処理品が洗浄液によって浸漬された状態において洗浄液の送入を停止し、次いで、前記超音波発生装置により被処理品を超音波洗浄して本洗浄する工程と、前記洗浄槽から洗浄液を排出した後、前記真空排気機構により前記洗浄槽を真空排気し、前記洗浄槽の陰圧により、前記リンス水タンクから供給されるリンス水を前記ノズルを介して前記被処理品に噴射し、被処理品に付着した洗浄液を洗い流す、すすぎ工程と、該すすぎ工程において、前記リンス水タンクから前記洗浄槽にリンス水を供給した後、前記洗浄槽を密閉容器状態とし、次いで前記ヒータに通電して前記洗浄槽に供給されたリンス水を加熱し、前記被処理品を高温蒸気に曝す高温蒸気滅菌工程を備えることを特徴とする。
また、前記被処理品を乾燥させる機構として、前記洗浄槽と前記圧縮エア源とを連通して設けるとともに、前記洗浄槽と前記圧縮エア源とを接続する配管の中途に、前記圧縮エア源から前記洗浄槽に送入されるエアを加温させるエアの加温部が設けられている治療器具の洗浄消毒装置を用いることを特徴とする。
図1は、治療器具の洗浄消毒装置の例として、歯科で使用するハンドピースを洗浄消毒する洗浄消毒装置として構成した実施形態を示す。
本実施形態の洗浄消毒装置は、被処理品であるハンドピースを収容して洗浄するための洗浄槽10と、ハンドピースを超音波を用いて洗浄するための超音波発生装置20と、洗浄槽10に洗浄液を供給する洗浄液タンク30およびリンス水を供給するリンス水タンク32と、圧縮エア源40およびエジェクタ42からなる真空発生機構とを備えている。
12はハンドピース5をセットするセット台である。セット台12はハンドピース5が複数個セットできるように設けられている。
超音波発生装置20は、洗浄槽10の底部に超音波発生源を取り付けて設けられている。この超音波発生装置20は洗浄槽10に所定量の洗浄液が貯溜されている状態でハンドピース5を超音波洗浄するためのものである。
歯科治療ではハンドピース5を駆動するために圧縮エア発生装置が常備されている、したがって、これらの圧縮エア発生装置を圧縮エア源40として容易に利用することができ、また、圧縮エア源40を利用することで洗浄槽10を真空に排気する装置構成を簡易化でき、装置をコンパクトに形成することが可能になるという利点がある。
(ハンドピースのセット)
まず、洗浄槽10の開閉蓋11をあけて洗浄槽10の内部にハンドピース5をセットし、開閉蓋11をエアシールした状態に閉止する。ハンドピース5をセットする際に洗浄槽10の内部は空の状態にしておく。これは、次の工程で洗浄槽10を真空に排気し、洗浄槽10の内部が陰圧になっていることを利用して洗浄槽10の内部に洗浄液を吐出させるようにするためである。
次に、バルブ44を開き、圧縮エア源40を作動させ、洗浄槽10を排気する。この排気操作の際には洗浄槽10に接続されている配管に設けられているバルブ31、33、34、46、49をすべて閉止する。圧縮エア源40を作動させることによって、洗浄槽10が真空に排気される。なお、次工程以後で洗浄槽10に洗浄液またはリンス水を吐出する際にも、洗浄槽10に一定程度以上洗浄液が溜まるまでは、洗浄槽10を真空に吸引する操作を続けていてかまわない。
洗浄槽10が一定の真空度になったところで、バルブ31を開き、洗浄液タンク30から洗浄液を洗浄槽10内に吐出させてハンドピース5を予備洗浄する。洗浄液は洗浄槽10が陰圧となっていることにより洗浄槽10の内部に吐出され、ハンドピース5を洗浄する。本実施形態では洗浄槽10の内部に、ハンドピース5に向けて洗浄液が噴射されるようにノズル16を配置し、ノズル16と洗浄液タンク30とを配管接続して、洗浄液タンク30に貯溜されている洗浄液がノズル16からハンドピース5に噴射されるようにした。ノズル16からハンドピース5に向けて洗浄液がスプレー状に噴射されることにより、ハンドピース5に付着している血液や唾液が洗浄液の噴射圧によって洗い流され、ハンドピース5に付着していた肉片などの異物が除去される。
洗浄槽10から洗浄液を排出した後、バルブ49、バルブ46を閉め、バルブ44を開いて、真空排気機構により再度、洗浄槽10を排気する。
洗浄槽10が所定の真空度に達したら、バルブ31を開き、ノズル16からハンドピース5に洗浄液を噴射する。ノズル16から洗浄液を噴射させてハンドピース5を洗浄したまま、洗浄槽10内に洗浄液を溜めていき、ハンドピース5の全体が浸漬する深さにまで達したところで、バルブ31を閉めて洗浄液の送入を停止する。また、バルブ44を閉めて真空排気機構による排気操作を停止する。洗浄槽10内での液面を検知するセンサを設けておき、洗浄槽10内に所定量の洗浄液が溜まったら、制御部により自動的に洗浄液の送入を停止させ、真空排気を停止させるようにすることができる。
超音波洗浄が終了したら、バルブ46を開け、エアフィルタ48を介して清浄外気を洗浄槽10に導入し、バルブ49をあけて排出管50から洗浄液を排出する。
ハンドピースを本洗浄した後、すすぎ操作に移る。
すすぎ操作は、バルブ46、49を閉め、バルブ44をあけて洗浄槽10を真空排気した後、バルブ33を開いてリンス水タンク32からリンス水を洗浄槽10に送入することによって行う。洗浄槽10内でノズル16からリンス水がハンドピース5に向けて噴射され、ハンドピース5に付着していた洗浄液が洗い流される。
リンス水をハンドピース5に一定量噴射させた後、エアフィルタ48を介して洗浄槽10に外気を導入し、排出管50からリンス水を排出する。洗浄槽10を真空排気してリンス水をハンドピース5に噴射するすすぎ操作を何回か繰り返すことによって十分にすすぎを行うことができる。
すすぎ操作では低温のリンス水をハンドピース5に噴射させるから、本洗浄工程でハンドピース5が高温に加熱されているような場合でも、リンス水によってハンドピース5が冷やされ、ハンドピース5を洗浄槽10から取り出してすぐに使用することが可能となる。高温のリンス水を使用した場合には、低温のリンス水で冷却すれば、すぐに使用することが可能になる。
すすぎ操作の際に、洗浄槽10内でハンドピース5を高温蒸気によって滅菌する操作を行うことも可能である。すなわち、洗浄槽10内でハンドピース5にリンス水を噴射させる際に、洗浄槽10の底部に一定量のリンス水が溜まったところで、バルブ33を閉めてリンス水の送入を停止し、バルブ44を閉めて洗浄槽10を密閉容器状態とし、ヒータ14に通電して洗浄槽10の底部に溜まったリンス水を加熱する。
洗浄槽10は密閉状態になっているから、この状態でリンス水を加熱して蒸気発生させることにより、洗浄槽10内が加圧状態になり、ハンドピース5が高温蒸気に曝される。高温蒸気による滅菌は信頼性の高い滅菌操作であり、洗浄槽10内でハンドピース5を一定時間高温蒸気に曝すことによって完全に滅菌することができる。なお、あらかじめ加熱したリンス水を使用すれば、蒸気発生までの時間を短縮することができる。
高温蒸気を用いてハンドピース5を滅菌した後、バルブ33を開いてリンス水を洗浄槽10に送入し、ハンドピース5にリンス水を噴射させ、すすぎ操作とともに、ハンドピース5を冷却させる。
リンス水を用いてハンドピース5のすすぎ操作を行った後、ハンドピース5に付着しているリンス水を乾燥させて洗浄槽10からハンドピース5を取り出す。
ハンドピース5を乾燥させる操作としては、圧縮エアをハンドピース5に噴射してリンス水を吹き飛ばすようにする方法の他に、図1に示すように、圧縮エア源40と洗浄槽10とを接続する配管の途中に、加温されたエアを溜めるエアの加温部35を設けておき、圧縮空気を送入してハンドピース5に付着しているリンス水を吹き飛ばす際に、加温エアでリンス水を吹き飛ばすようにすることもできる。加温エアを使用することでハンドピース5に付着しているリンス水を確実に乾燥させることが可能となる。
こうして、乾燥工程でリンス水を除去することにより、洗浄槽10からハンドピース5を取り出して、すぐに使用することが可能になる。なお、洗浄槽10を真空排気する排気作用を併用することにより、水分蒸発を促し、乾燥効果を高めることができる。
たとえば、予備洗浄工程と本洗浄工程とを別個に行わずに、予備洗浄工程で被処理品に洗浄液を噴射させて洗浄し、そのまま洗浄槽内で洗浄液を一定量貯溜して超音波洗浄に移行することによって、予備洗浄と本洗浄を一連の工程として行うことも可能である。
また、高温蒸気滅菌工程は信頼性の高い滅菌操作であるが、10分ほど時間がかかるので、必要に応じて高温蒸気滅菌工程を行うといったことが可能である。
また、洗浄工程やすすぎ工程は複数回繰り返して行うことが可能であり、その回数も適宜選択することが可能であるから、処理時間に合わせて処理回数を選択するといったことが可能である。
11 開閉蓋
12 セット台
14 ヒータ
16 ノズル
20 超音波発生装置
30 洗浄液タンク
32 リンス水タンク
40 圧縮エア源
42 エジェクタ
48 エアフィルタ
50 排出管
Claims (3)
- 被処理品である治療器具を密閉可能に設けられた洗浄槽内に収容し、
洗浄槽を真空に排気した後、洗浄槽に接続された洗浄液タンクから洗浄槽の陰圧を利用して、洗浄槽内に収容されている被処理品に洗浄液を噴射させて被処理品を洗浄し、
次いで、洗浄槽を真空に排気し、洗浄槽に接続されたリンス水タンクから洗浄槽の陰圧を利用して、洗浄槽内に収容されている被処理品にリンス水を噴射させてすすぎ操作を行い、
前記洗浄槽は、真空排気及び加圧滅菌可能な密閉容器として形成され、
前記洗浄槽を真空に排気する真空排気機構として、前記洗浄槽に連通して設けられたエジェクタと、該エジェクタに接続された圧縮エア源とが設けられ、
前記洗浄槽には、
前記洗浄液タンクと前記リンス水タンクとに切り替え可能に配管接続され、前記洗浄槽内において、前記洗浄槽の陰圧により、前記洗浄液タンクから供給される洗浄液、あるいは前記リンス水タンクから供給されるリンス水が、前記被処理品に向けて噴射される配置に設けられたノズルと、
前記ノズルを介して前記洗浄液タンクから前記洗浄槽に洗浄液が供給され、前記被処理品が洗浄液によって浸漬された状態において、前記被処理品を超音波洗浄する超音波発生装置と、
前記ノズルを介して前記リンス水タンクから前記洗浄槽にリンス水が供給され、前記洗浄槽が密閉容器状態とされた状態において、前記リンス水を加熱して前記洗浄槽内において高温蒸気を発生させ、被処理品を滅菌処理するヒータと
が設けられている治療器具の洗浄消毒装置を用いて被処理品を洗浄消毒する洗浄消毒方法において、
前記洗浄槽内に前記被処理品を収容し、前記洗浄槽をエアシールして閉止する工程と、
前記真空排気機構を作動させ、前記洗浄槽を真空排気する工程と、
前記洗浄槽の陰圧を利用し、前記洗浄液タンクから前記洗浄槽に洗浄液を供給し、前記ノズルを介して前記被処理品に向け洗浄液を噴射させて被処理品を予備洗浄する工程と、
前記予備洗浄後、前記洗浄槽から洗浄液を排出し、前記真空排気機構により前記洗浄槽を真空排気し、前記洗浄槽の陰圧により前記ノズルを介して洗浄液を被処理品に噴射させながら前記洗浄液タンクから洗浄槽に再度洗浄液を供給し、被処理品が洗浄液によって浸漬された状態において洗浄液の送入を停止し、次いで、前記超音波発生装置により被処理品を超音波洗浄して本洗浄する工程と、
前記洗浄槽から洗浄液を排出した後、前記真空排気機構により前記洗浄槽を真空排気し、前記洗浄槽の陰圧により、前記リンス水タンクから供給されるリンス水を前記ノズルを介して前記被処理品に噴射し、被処理品に付着した洗浄液を洗い流す、すすぎ工程と、
該すすぎ工程において、前記リンス水タンクから前記洗浄槽にリンス水を供給した後、前記洗浄槽を密閉容器状態とし、次いで前記ヒータに通電して前記洗浄槽に供給されたリンス水を加熱し、前記被処理品を高温蒸気に曝す高温蒸気滅菌工程を備えることを特徴とする治療器具の洗浄消毒方法。 - 前記被処理品を乾燥させる機構として、前記洗浄槽と前記圧縮エア源とを連通して設けるとともに、前記洗浄槽と前記圧縮エア源とを接続する配管の中途に、前記圧縮エア源から前記洗浄槽に送入されるエアを加温させるエアの加温部が設けられている治療器具の洗浄消毒装置を用いることを特徴とする請求項1記載の治療器具の洗浄消毒方法。
- 前記すすぎ工程の後、洗浄槽に収納されている被処理品に温風の圧縮エアを吹き付けて被処理品を乾燥させる乾燥工程を備えることを特徴とする請求項1または2記載の治療器具の洗浄消毒方法。
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