[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP4468594B2 - 固体相内の分析物質を電気化学的に定量分析するためのシステム - Google Patents

固体相内の分析物質を電気化学的に定量分析するためのシステム Download PDF

Info

Publication number
JP4468594B2
JP4468594B2 JP2000618714A JP2000618714A JP4468594B2 JP 4468594 B2 JP4468594 B2 JP 4468594B2 JP 2000618714 A JP2000618714 A JP 2000618714A JP 2000618714 A JP2000618714 A JP 2000618714A JP 4468594 B2 JP4468594 B2 JP 4468594B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
test strip
affinity chromatographic
chromatographic test
test
substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000618714A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003519362A (ja
JP2003519362A5 (ja
Inventor
ファン・ルー
フランク・エヌ・ダブリュ・ルー
カイ・フア・ワン
Original Assignee
インテック・サイエンス・インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by インテック・サイエンス・インコーポレーテッド filed Critical インテック・サイエンス・インコーポレーテッド
Publication of JP2003519362A publication Critical patent/JP2003519362A/ja
Publication of JP2003519362A5 publication Critical patent/JP2003519362A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4468594B2 publication Critical patent/JP4468594B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/54366Apparatus specially adapted for solid-phase testing
    • G01N33/54386Analytical elements
    • G01N33/54387Immunochromatographic test strips
    • G01N33/54388Immunochromatographic test strips based on lateral flow
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2458/00Labels used in chemical analysis of biological material
    • G01N2458/30Electrochemically active labels
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S435/00Chemistry: molecular biology and microbiology
    • Y10S435/97Test strip or test slide

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試験試料内の1つまたは複数の分析物質の分析に際して、アフィニティクロマトグラフテスト技術と電気化学的定量技術とを組み合わせたシステムや試験方法や試験デバイスに関するものである。より詳細には、本発明は、分析対象をなす分析物質の濃度に相関させることができる標識物質に関連した標識の電気化学的変化を測定することによって、固体相(例えば、試験ストリップ)内の分析物質(例えば、タンパク質や、ホルモンまたは酵素や、小分子や、多糖類や、抗体や、核酸や、薬剤や、毒素や、ウイルスまたはウイルス粒子や、細胞壁の一部や、識別を可能とする特徴的なマーカーを有した他の化合物)を決定するための電気化学的定量分析システムに関するものである。この分析システム内において使用される試験ストリップは、固体相アフィニティクロマトグラフ媒体と、この媒体に形成された流体通路内に配置された電気化学的検出システムと、を備えている。詳細に後述するように、本発明は、本発明による試験デバイスの電気化学的セル状環境下において電気的応答の変化を明らかにし得る電気活性物質をなす電気活性種に対して濃度を相関させ得るような実質的にすべての分析物質の定量分析に対して応用することができる。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
A.免疫診断
固体相(試験ストリップ)内の分析物質に対しての免疫化学分析においては、通常、液体試料とされた分析物質と、標識物質または他の反応物質と、を互いに相互作用させて分析を行う。従来技術の範囲内においては、『標識物質』は、(a)インジケータによって標識化された擬似分析物質、あるいは、(b)分析対象をなす分析物質に対して特定の相互作用を行う標識化された配位子、あるいは、(c)(a)または(b)と、さらに他の反応構成物と、の相互作用によって形成された錯体、とすることができるものとして理解される。標識物質および分析物質を含有した液体は、その後、多孔性フィルムまたは膜へと移送される。多孔性フィルムまたは膜において、液体は、膜の流体経路に沿った拡散や毛細管効果によって抽出される。そして、1つまたは複数の付随試験キットの反応剤(反応剤の少なくとも1つは、試験キットの規定領域内において不動化されている)と出くわす。この標識物質および/または分析物質は、その後、試験サイトにおいて不動化された付随試験キットの反応剤によって捕獲され、錯体を形成する。この錯体が、十分な濃度で存在していれば、錯体は、そのようなサイトにおいて、認識可能な変化を引き起こす。インジケータが、例えば金属(例えばコロイド状の金)や色付きのラテックス粒子といったような染料である場合には、認識可能な変化は、通常、裸眼によって視認することができる。
【0003】
以下のいくつかの特許文献は、このタイプの免疫クロマトグラフ分析を代表するものである。これら特許文献は、年代順に並べられており、本発明の特許性に関する議論に際して、並び順には、何の意味もない。
【0004】
Campbell氏他による米国特許明細書第4,703,017号(Becton
Dickinson に対して付与された)には、『直接的な』または『粒状の』インジケータによる分析物質の検出のための試験方法が開示されている。詳細には、この場合のインジケータは、裸眼によって視覚的に検出し得るものである。そのため、この試験方法は、家庭での診断という用途に適している。また、複雑な分析設備がない医療現場に適している。選択される直接的なインジケータは、色素や同等の発色剤を含有しているリポソーム(liposome)である。権利主張された試験方法は、分析物質の尿分析(例えば、妊娠試験)に対して好適なものとして記載されている。よって、高められた濃度の分析物質を検出することができる。したがって、このような分析は、分析対象をなす分析物質の半定量的決定として認識される。試験が単一ステップ(例えば、試験ストリップに対して試料を適用する)であることにより、この試験は、当該技術分野において『迅速』試験として特性づけられるようになった。
【0005】
Rosenstein氏による米国特許明細書第5,591,645号(Becton
Dickinson に対して付与された)には、共通に付与された(Campbell氏他による)米国特許明細書第4,703,017号に記載された原理に基づく免疫クロマトグラフ試験方法が開示されている。Rosenstein氏による試験デバイスは、試験ストリップの『同一平面』内におけるすべての試験キット反応剤を備えており、試験ストリップに対して試料を直接的に適用して、内部に含有される反応剤を元の状態に戻し、これにより、所望の分析をもたらす。選択されるインジケータは、多数の等価な発色剤の中から選択することができる。しかしながら、結合プロトシン(例えば、抗原や抗体)に対して吸着させたコロイド状金が、一般的には好ましい。権利主張された試験方法は、分析物質の尿分析(例えば、妊娠試験)に対して好適なものとして記載されている。よって、高められた濃度の分析物質を検出することができる。すなわち、分析対象をなす分析物質の半定量的決定として認識される。この試験もまた単一ステップ(例えば、試験ストリップに対して試料を適用する)であることにより、この試験は、当該技術分野において『迅速』試験として特性づけられるようになった。
【0006】
Swanson 氏他による米国特許明細書第5,073,484号(Abbott
laboratoriesに対して付与された)には、複数の試験領域を使用した免疫クロマトグラフ試験方法が開示されている。各試験領域は、共通の流体通路に沿って並べられている。この流体通路に沿って試験試料と試験キット反応剤とが移動したときには、分析対象をなす分析物質(通常は、直接的インジケータと関連している)は、各試験領域の不動化された反応剤に拘束されるようになる。各試験領域は、標準物質を参照して予め校正されている。よって、試料中の分析物質の濃度レベルに対応した特定の試験領域において色が発現する。したがって、試料中の分析物質の濃度は、試験デバイスの流体経路に沿った色出現位置によって評価することができる。この試験もまた単一ステップ(例えば、試験ストリップに対して試料を適用する)であることにより、この試験は、当該技術分野において『迅速』試験として特性づけられるようになった。
【0007】
May 氏他による米国特許明細書第5,602,040号(Unilever Patent Holdingsに対して付与された)には、上述のCampbell氏他やRosenstein氏による特許文献に記載された試験方法に類似した免疫クロマトグラフ試験方法が開示されている。May 氏他によって認識され権利主張された原理的な差異の1つは、直接的なインジケータとともに、試料受領サイトにおける砂糖の凍結乾燥である。砂糖の添加は、聞くところによれば、凍結乾燥させたインジケータを元に戻すために必要とされる。これにより、試料中の分析物質との相互作用が可能とされる。
【0008】
高められた濃度の分析物質を検出するための上記のいくつかの迅速試験の適用においては、限られた例外を除いては、これら迅速試験は、一般的に、分析物質濃度の正確な定量的観測には不適切であり、また、単一試験環境下での互いに異なる複数の分析物質の定量的検出にも不適切である。
【0009】
B.器具分析
流体試料の分析においては、従来より、器具を使用して、与えられたサイト/電極における電圧変化や電流変化が測定されている。典型的には、電気測定は、第2電極を参照して行われ、多数の測定が、所定間隔でもっておよび/または所定条件範囲でもって行われる。
【0010】
以下のいくつかの特許文献は、このタイプの電気化学的分析を代表するものである。これら特許文献は、年代順に並べられており、本発明の特許性に関する議論に際して、並び順には、何の意味もない。
【0011】
Wang氏による米国特許明細書第5,292,423号(New Mexico State University Technology Transfer Corp.に対して付与された)には、水銀によって予めコーティングされたスクリーンプリントカーボン(動作)電極上への、流体試料からのトレース量の金属の初期吸着によって、流体試料(例えば、飲料水、血液、尿、等)中のトレース量の金属の分析を行うための、方法および装置が開示されている。Wang氏による試験プラットホームにおいては、少なくとも1つの付加的な(参照)電極が使用されている。トレース量の金属を有した電極は、その後、陽極ストリッピングボルタメトリ(Anodic Stripping Voltammetry,ASV)または電位的ストリッピング分析(Potentiometric Stripping Analysis ,PSA)を受ける。Wang氏による方法および装置の利点は、使い捨ての試験デバイスを使用して、汚染物質が懸濁されている試料流体の現場での試験が行えることである。
【0012】
Brooks氏による米国特許明細書第5,753,517号(University of
British Columbiaに対して付与された)には、いわゆるRAMP(登録商標)技術に従った手順による粒状ラテックスインジケータの検出のための装置を使用した定量的免疫クロマトグラフが開示されている。Brooks氏他によれば、RAMP(登録商標)技術は、ELISA 分析における酵素と同様にして、ラテックス粒子を使用する。RAMP(登録商標)技術をベースとした分析においては、互いに区別された2つの蛍光標識インジケータを有した試験ストリップが、カートリッジ内に配置され、流体試料が、試験ストリップに対して適用される。分析対象をなす分析物質は、1つのインジケータと相互作用し、これにより、蛍光性錯体を形成する。この蛍光性錯体は、試験ストリップの試験領域内において捕獲される。この場合、第2インジケータは、試験ストリップ内において無反応のままである(そのため、内部標準を形成する)。よって、RAMP(登録商標)技術においては、内部標準からの蛍光錯体を区別することができ、これにより、試料内の分析物質の量が決定される。
【0013】
Brooks氏他による分析を行うためのBrokks氏他による他のシステムにおいては、光学的検出方法(光散乱)と、電導度または抵抗率の変化の測定と、を使用する。提案された代替例の1つにおいては、Brooks氏他は、興味をなす分析物質に関連した錯体からの、例えばビスマスイオンやゲルマニウムイオンやテルルイオンといったような電気活性剤の放出を電気化学的に検出することによって、分析対象をなす分析物質の定量的測定を行うことを想定している(米国特許明細書第5,753,517号における第7コラム第7行目〜第19行目)。Brooks氏他によれば、これら代替例の1つにおいては、分析対象をなす分析物質のためのインジケータとしてキレート剤とタンパク質との共役体を使用し、分析対象をなす分析物質の検出においては、酸性溶液を添加して、金属標識をイオンとして放出させ、その後、陽極ストリッピングボルタメトリ(Hays氏他による Ana. Chem. 66: 1860-1865(1994) に開示されている)によって定量化を行う。
【0014】
以下の技術文献は、このタイプの電気化学的分析を代表するものである。これら文献は、年代順に並べられており、本発明の特許性に関する議論に際して、並び順には、何の意味もない。
【0015】
電気化学的技術は、アフィニティクロマトグラフ反応に関連して提案された。それは、信号が安定していて敏感であること、検出限界が低濃度であること、操作が簡単であること、および、低コストであること、による。Henieman氏他による先駆的な研究(F.H.Hays氏他による Ana. Chem. 66:1860-1865(1994))は、陽極ストリッピングボルタメトリ(ASV)検出による不均質の免疫分析のための金属イオン標識の使用を示している。このような免疫分析においては、金属標識に対してのチェロン(chelon)として機能し得るよう、タンパク質に対しての電子共有結合性キレート剤を使用する。抗体(ポリエステルチューブの表面上に不動化されている)に対しての標識化されたタンパク質と標識化されていないタンパク質との間の競合的平衡の後に、金属標識が放出され、水銀が懸架されたドロップ電極(HMDE)とエア抜きされた溶液とによるASV検出のための電気化学セルへと移送される。同様に、Wang氏他(J.Wang氏による Ana. Chem., 70,
1682-1685 (1998))は、抗体によってコーティングされたスクリーンプリントされたセンサを使用し、使い捨てストリップの表面上において直接的に全体的分析手順を実行し、高感度な電位的ストリッピングモードを使用して、マイクロリットル溶液内の放出金属イオン標識の検出を行った。分散化した検出応用が要望されていることから、そのようなチップ上での手順は、従来のASVをベースとした免疫分析と比較して、操作が簡単であること(例えば、分離容積や反応容積が不要であること、毒性のある水銀の滴下が不要であること、ストリッピング検出モードが高感度であること)も含めたいくつかの利点をもたらす。Wang氏他によるシステムは、(使用前に)センサの予備調整に関して比較的長いインキュベーション時間を必要とし、また、試料との相互作用のために比較的長い時間を必要とし、さらに、複数の洗浄ステップを必要とする。これらが、この方法の実施を困難なものとしまた面倒なものとしている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、従来技術に関する上記欠点を克服することである。
【0017】
より詳細には、本発明の主要な目的は、迅速なアフィニティクロマトグラフ電気化学的分析を、分析対象をなす分析物質の定量的検出のために適用することである。
【0018】
本発明の他の目的は、迅速免疫クロマトグラフ分析と同等な程度に容易に使用可能であるような、固体相試験フォーマット内における分析物質の電気化学的定量分析を行うためのシステムを提供することである。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、試験サイト内における標識の濃度に応じて割当可能な固体相内における変化を定電圧測定または電位測定することによる標識の簡易な検出手段を備えているような、固体相試験フォーマット内における分析物質の電気化学的定量分析を行うためのシステムを提供することである。
【0020】
本発明のなおもさらに他の目的は、ストリッピングボルタメトリによって標識を簡易に検出するための手段を備えているような、固体相試験フォーマット内において複数の分析物質を有した共通試験試料を電気化学的に同時に定量分析するためのシステムを提供することである。
【0021】
上記目的および関連する目的は、固体相試験環境下において分析物質の濃度を決定するための本発明による電気化学的定量分析システムおよび方法および試験ストリップによって得られる。初期的には、試験試料溶液と標識物質とが、固体相試験環境内において分析環境下において最初に接触し、流体通路に沿って移動する。分析態様(競合的分析、サンドイッチ分析、等)にかかわらず、標識物質は、固体相の規定領域内において濃縮される(拘束される)。本発明によるシステムおよび分析方法の範疇においては、『標識物質』は、分析環境下において固体相をなす規定領域内において分離することができ、または、そのような規定領域内において電気活性要素(以下、総称して『電気活性種』と称す)を放出することができ、その後、電気化学的定量分析に付随する電気化学的転移(例えば、酸化還元)を受けるような、任意の適切な電気活性材料とすることができる。電気活性種の観測される測定(転移)は、試験試料内の分析対象をなす分析物質の濃度に対して、直接的に比例することができる、あるいは、反比例することができる(例えば、標準曲線と比較することによって)。
【0022】
分析対象をなす分析物質の濃度の決定に際して2つの主要なタイプの電気分析的測定方法は、電位法と定電位法とである。これら分析プロトコルの各々においては、2つの電極が必要とされ/使用され、これら電極と、電極に接触している試料(電解質)溶液とが、試験ストリップ内において電気化学セル状環境を構成する。よって、電極表面は、イオン導体(例えば、水性流体試料や試験キット反応剤等からの電解質)と、電子導体と、の間の接合部をなす。試験ストリップの電気化学セル状環境内において、分析対象をなす分析物質に対して(あるいは、分析対象をなす分析物質を代理する電気活性物質に対して)応答する電極は、『インジケータ』電極または『動作』電極と称される。一方、定電位に維持される電極は、『参照』電極と称される(この参照電極の応答は、試料溶液には無関係である)。
【0023】
本発明のある実施形態においては、不動化された標識物質が、放出された反応剤と接触し、規定領域内に不動化された標識物質からの標識の放出/分離を引き起こす。例えば金属製標識の場合には、放出された/分離された金属は、放出された反応剤溶液内の物質と相互作用を起こすことができ、固体相の規定領域内において、動作電極の表面上に金属フィルム(あるいは、金属表面活性錯体)を形成することができる。その後、アフィニティクロマトグラフ試験ストリップの規定領域は、動作電極上の金属フィルム(あるいは、金属表面活性錯体)から、標識の陽極ストリッピングボルタメトリによって、定電位測定を受ける。これにより、標識は、第2の電気化学的転移(還元状態から酸化状態への標識の変換)を受ける。このような標識の第2の電気化学的転移(還元状態から酸化状態への転移)は、観測可能な識別特徴を有するものであり、標準曲線と比較することにより、試料内の分析物質の濃度と直接的に相関させることができる。
【0024】
金属フィルム(あるいは、金属表面活性錯体)から放出された標識は、したがって、分析対象をなす分析物質は、定電位電気化学的技術による試験ストリップの規定領域内における変化の測定によって、定量化することができる。この電気化学的定量分析の特性においては、所定の電位範囲にわたって、規定領域に対して電位を印加し、各電位における電子移送速度(電流)を観測する。電圧の変化は、波長を変更しつつ行う色付きインジケータの一連の光学測定と類似している。電極に対して印加された電位は、目標となる電気活性種を移動させる(強制的に移動させる)。これにより、電気活性種の濃度に応じた速度でもって電子の授受(酸化または還元)を行う。したがって、得られる電流は、電子/溶液界面を通って移動する電子の速度を反映するだけでなく、(標準状況と比較することにより)試験試料内の分析物質の濃度をも反映する。このような定電位技術は、電気活性であるすべての化学種(例えば、電気化学セルという環境内において還元され得るまたは酸化され得るすべての化学種)を測定することができる。
【0025】
本発明による電気化学的定量分析システムにおいて有効な試験ストリップの1つの好ましい構成においては、(a)試験ストリップによる試料の吸収量および吸収速度を制御するために、(b)試験ストリップの規定領域内における、試料と、不動化された結合物質を有した標識物質と、の間の制御された相互作用を行い得るために、(c)試料内の含有要素から標識物質を分離させるために、(d)電気化学的処理に際して、試験ストリップの規定領域内における標識物質の濃度を確保するために、(e)電気化学的手段によって、分析対象をなす分析物質を定量的に決定するために、複数の要素と複数の機能領域とを備えている。
【0026】
上記試験ストリップの他の好ましい実施形態においては、試料と標識物質とを、固体相アフィニティクロマトグラフ試験媒体に対して流体連通状態に維持される吸収剤パッド内において、組み合わせることができる。アフィニティクロマトグラフ試験媒体への試料の搬送時に、標識物質が元の状態に戻り、元に戻った標識物質、および/または、分析対象をなす分析物質との間で形成した錯体が、試験媒体内に流入することとなる。この流体およびその構成要素(例えば、試料、試験キット反応剤、反応生成物)が、アフィニティクロマトグラフ試験媒体内へと拡散し、標識物質が、流体経路に沿って規定領域(以降、『試験サイト』とも称す)に対して拘束されるようになる。典型的には、この規定領域は、分析物質や擬似分析物質や分析物質と標識化された配位子との錯体(例えば、分析物質上のエピトープに対して結合することによる)に対して相互作用を起こし得る、不動化された結合物質によって規定することができる。分析物質や擬似分析物質や分析物質と標識化された配位子との錯体が、試験サイトにおいてしだいに濃度を高めていったときには、それらを測定することができるようになり、それらの量を、試験試料内の分析物質に対して相関させることができる。
【0027】
そのような制御された電位(定電位)を使用する技術の利点は、高感度であること、電気活性種に向けて選択的であること、線形範囲が広いこと、携行可能な低コスト器具であること、種形成が可能なこと、である。
【0028】
本発明による好ましい試験ストリップ構成をなす様々な機能要素を一体デバイス内に収容するために、すべての構成要素は、好ましくは、共通の支持体またはバッキング層(典型的には、例えば Mylar(登録商標)のような不活性プラスチック)上に設置される。試験デバイスのこの基体は、試験ストリップのアフィニティクロマトグラフ試験媒体と、試験ストリップの規定領域内の微小な電気的変化を測定し得るものとされた電気化学的解析器と、の間における電気的コンタクト(直接的接触、または、誘導結合)をもたらし得るよう、導電性材料でもって予めプリントすることができる。後述の図面の説明において詳述するように、この支持体層には、典型的には、2つ以上の領域において、導電性材料または金属塩が設置される。このような電極は、空間的には、固体相媒体がなす規定領域に一致するようにして、支持層に沿って配置される。試験サイトをなす規定領域と一致している電極は、『動作電極』と称される。電気化学的分析方法によっては、試験ストリップは、通常、電気化学的セルのプレートを形成するために、少なくとも1つの付加的な電極(例えば、『参照』電極)を必要とする。
【0029】
試験サイトをなす規定領域内において標識物質が濃縮された後に、多数の電気化学的技術によって測定することができる。上述したように、電気化学的測定を行う前に、まず最初に、動作電極上における『事前濃縮』によって、錯体から標識を分離させることが望ましい。この『事前濃縮』プロセスにおいては、錯体から標識を放出/分離させ、動作電極上において還元形態で標識を捕獲する(例えば、金属フィルム(あるいは、金属表面活性錯体))。これにより、動作電極上においては、電気化学的プロセスが、より活性となる。この事前濃縮プロセスの完了後には、得られた金属フィルム(あるいは、金属表面活性錯体)が、陽極ストリッピングボルタメトリによって定電位電気化学的定量分析を受けることができる。この好ましい分析システム(例えば、陽極ストリッピングボルタメトリによる定電位電気化学的定量分析)の範疇においては、電気化学的定量分析環境下において、標識が再酸化され、標識のこの電気化学的転移(還元状態から酸化状態への転移)が、観測される。この転移時に生成される電流信号(ピークおよび面積)は、多数のシステム変数や金属標識の特性や電極形状に依存する。しかしながら、いずれの場合においても、これら変数は、経験的調整によって最適化することができる。分析条件は、分析濃度に対して電気信号応答を相関させるために使用される標準曲線に対応するように、調整される。より詳細には、図4は、鉛の濃度を低濃度から高濃度としたときの、陽極ストリッピング分析におけるカーボン電極上の鉛金属フィルムの電流信号応答を示すグラフである。同様に、図5は、ビスマスの検出時における、(電気化学的分析に先立って)『事前濃縮』インターバルを行う時間の関数として、(電流)信号強度の変化を示すグラフである。図5に示すグラフにおいては、事前濃縮インターバルが長くなるほど、電流信号強度が大きくなっている。分析プロセス条件における同様の相関/最適化は、選択されたそれぞれの標識に対して行われ、また必要であれば、与えられた分析物質に関してまた与えられた濃度範囲にわたって起こりそうな条件の動的範囲に対して相関させるために、それぞれの場合に作成される標準曲線に対して行われる。図6は、インジウムと鉛と銅とビスマスとを含有した単一溶液に関して、検出ウィンドウ内における複数の標識の応答を示している。本発明において複数の標識を使用することにより、単一試料溶液内に含有されている分析対象をなす複数の分析物質を、同時に定量分析することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明によるシステムおよび方法ならびに試験ストリップの1つの明確な利点は、与えられた単一試験試料内に含有されている複数の分析物質を、同時に定量分析できるという、本発明独自の能力である。よって、与えられた試料内の分析対象をなす複数の分析物質のそれぞれに対して互いに異なる複数の標識物質を使用することにより、与えられた試料に関しての薬剤乱用パネル分析を行うことができる。したがって、以下の説明は、単一の分析物質へと、本発明の応用を限定するものではないことを理解されたい。しかしながら、以下の説明は、理解の容易さのためにまた例示の容易さのために、主に、単一分析物質の分析について行われている。
【0031】
上述したけれども、再度強調しておくと、本発明による電気化学的定量分析システムは、固体相試験環境の規定領域内の標識物質の初期濃度をベースとしている。その後、標識の形態で電気的転移を起こし、これにより、観測可能な環境内において測定可能な電気信号を生成する。この電気信号は、試験試料内における分析物質の量に対して、相関させることができる。
【0032】
ある例においては、(分析ルーチンの中間ステップとして)標識物質から標識を放出/分離させることが適切である。これにより、標識を変換させる、あるいは、標識を他の物質と反応させ、電気化学的定量分析に際してのアクセス性を向上させる。例えば、標識物質が金属によって標識化されている場合には(例えば、標識化された配位子)、試験ストリップの規定領域内における分離および濃縮には、通常、配位子構成からの放出および/または分離、さらには、変換または反応が必要とされ、これにより、形態の転移(例えば、容易に酸化される状態または還元される状態)が引き起こされる。これは、電気化学的状態から他の状態への利用を容易なものとする。本発明の好ましい実施形態においては、標識化された配位子は、金属標識に対してキレート状の結合を形成する機能基とされる。しかしながら、この結合は、pHに敏感であり、そのため、金属標識は、固体相の規定領域内における濃縮後には、単に酸性塩溶液と接触することにより、錯体から放出/分離されることができる。
【0033】
これに代えて、標識化された配位子が、例えばCampbell氏他による米国特許明細書第4,703,017号(上述)に記載されているようなリポソーム内にカプセル詰めされたインジケータ(例えば、金属)である場合には、配位子に対して共役することとなり、リポソームカプセルの完全性は、一般的な多くの脂質溶媒(例えば、洗浄液)によって、容易に分解することができる。よって、金属を、標識化された配位子の構成成分から放出させることができ、定量分析に際して、より容易にアクセスすることができる。
【0034】
電気化学的定量分析が、分析方法として、陽極ストリッピングボルタメトリを使用している場合には、放出された金属標識は、酸性塩溶液内の第二水銀イオンと反応して、固体相の規定領域に隣接した動作電極上においてアマルガムを形成することができる。その後、金属標識の電気化学的還元が、その後の電気化学的定量分析において行われ、微小な電気的変化が、そのような転移時に観測され、試験試料中の分析物質の存在および濃度と関係づけられる。
【0035】
本発明によるシステムおよび方法の使用の容易さおよび携行性を示すために、本発明による定量分析システムにおいては、アフィニティクロマトグラフ試験ストリップを使用する。この場合、試験ストリップの規定領域は、分析対象をなす分析物質を濃縮し得るよう構成されている。図1および図2に示す試験デバイスは、本発明による試験デバイスの好ましい実施形態を示している。
【0036】
図1および図2に示す試験デバイスは、初期的には、アフィニティクロマトグラフ試験ストリップと、電気化学的検出器システムと、を備えている。
【0037】
アフィニティクロマトグラフ試験ストリップは、複数の離散領域を備えており、好ましくは、互いに流体連通可能とされた少なくとも2個の好ましくは3個の離散要素を有した複合体とされている。図1に示すように、試験ストリップは、標識化された物質(14)(例えば、標識化された配位子、または、標識化された擬似分析物質)が隣接位置に予め配置された試料収集パッド(12)と、物質(18)(例えば、配位子、または、擬似分析物質)が表面上に予めコーティングされた膜(22)と、試料溶液の移動を引き起こすために使用される吸収パッド(20)と、を備えている。本発明の好ましい実施形態においては、標識化された物質は、(使用前に、この物質を安定化させるために)凍結乾燥されており、その後、液体試料との接触時に元に戻される。
【0038】
本発明によるシステムおよび分析方法の範囲内においては、『標識物質』は、分析環境下において固体相をなす規定領域内において分離することができ、または、そのような規定領域内において電気活性要素(以下、総称して『電気活性種』と称す)を放出することができ、その後、電気化学的定量分析に付随する電気化学的転移(例えば、酸化還元)を受けるような、任意の適切な電気活性材料とすることができる。電気活性種の観測される測定(転移)は、試験試料内の分析対象をなす分析物質の濃度に対して、直接的に比例することができる、あるいは、反比例することができる(例えば、標準曲線と比較することによって)。
【0039】
本発明の好ましい実施形態においては、標識化された試験キット配位子は、典型的には、金属ラベルと関連したタンパク質または配位子である。このような配位子が試料と接触したときには、金属によって標識化された反応剤が、試料中の分析対象をなす分析物質と相互作用を起こし、錯体を形成する。分析対象をなす分析物質のアフィニティクロマトグラフによる分離/濃縮において使用し得る標識物質は、タンパク質/配位子と金属標識とを備えており、好ましくは、米国特許明細書第4,732,974号に記載されている手順に従って、また、Gray氏他による“Covalent Attachment of Chelating Groups to Macromolecules”,
Biochem. And Biophys. Res. Comm., Vol. 77, No. 2 (1977) pp.581-581(この文献は、参考のため、その全体がここに組み込まれる)に記載されている手順に従って、調製される。要約すれば、金属標識は、金属標識に対して親和性を有した『外来キレート基』をタンパク質/配位子に対して電子共有的に結合させることによってタンパク質/配位子を初期修飾することにより、分析物質に対して特定のタンパク質/配位子に対して共役させることができる。分析対象をなす金属インジケータに対して特定のキレート基は、タンパク質/配位子に対して直接的に電子共有的に結合させることができ、また、中間介在基または連結基を介して間接的に結合させることができる。結合サイトは、当然のことながら、分析対象をなす分析物質に対して特定の免疫化学的活性サイトからは、離間していなければならない。標識物質の合成において使用するのに特に好適であって、本発明によるシステムおよび方法において試験キット反応剤として使用することのできる金属標識には、Mg,Al,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Sr,Y,Zr,Mo,Tc,Pd,Cd,In,Sn,Sb,Ba,Hf,W,Re,Hg,Tl,Pb,La,Ce,Rh,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Yd,Th,U,Pu,および、これらの同位体がある。
【0040】
分析対象をなす分析物質のアフィニティクロマトグラフによる分離/濃縮において使用可能な他の標識物質には、リポソームに対して結合された擬似分析物質がある。リポソームによって標識化された免疫反応剤の調製、および、アフィニティクロマトグラフ分析におけるそれらの使用は、周知であって、Roberts 氏他による“Investigation of Liposome-Based Immunomigration Sensors for the Detection of Polychlorinated Biphenyl”, Anal. Chem., Vol. 57, No. 5 (February 1, 1995) pp. 482-491 という技術文献に記載されている。
【0041】
標識物質、および/または、標識物質と分析物質との錯体は、試料適用パッドから、固体相アフィニティクロマトグラフ媒体(16)の流体経路に沿って、下流側の試験サイト(18)へと、拡散や毛細管作用によって搬送される。そして、試験サイト(18)において、濃縮され、不動化される。これは、例えば分析物質/金属錯体との相互作用を起こし得るような特定の不動化された結合タンパク質または他の適切な物質の形態とされた付随試験キット反応剤を使用することによって、従来と同様にして行うことができる。よって、標識物質および/または錯体が、試験デバイスの流体経路に沿って移動または拡散したときには、標識物質および/または錯体は、不動化された結合物質と出くわし、それにより捕獲されて、試験サイトに集積する。適切な反応期間の後に、試験ストリップの規定領域内に十分な量の分析物質/標識物質が集積されることにより、検出のために必要な量がもたらされ、電気化学的分析によって定量化される。
【0042】
電気化学的検出器システム(26)は、マトリクス材料(例えば Mylar(登録商標)、プラスチック、または、比較的電気絶縁性(非導電性)の他の材料)上に、2つの電極(2電極システムの場合)または3つの電極(3電極システムの場合)をプリントすることにより、作製される。両面に接着剤を有している支持体(24)を使用することにより、アフィニティクロマトグラフ試験ストリップと電気化学的検出器システムとが組み合わされている。支持体内の穴は、膜内において、電気化学的検出器システムと試験領域(18)との間に位置している。
【0043】
試料中の分析物質の量の検出および測定は、例えば電気活性種の転移によって引き起こされる電流または電圧の変化が還元状態から酸化状態を形成したときに電気活性種に関する微小な電気化学的変化を測定し得るような手段を使用することによって、行われる。実用的には、これは、本発明におけるアフィニティクロマトグラフ試験ストリップを、適切な測定デバイス内に挿入し、これにより、この測定デバイスと、試験サイト(18)における電極(26)と、を電気的に接続することによって、行うことができる。アフィニティクロマトグラフ試験ストリップに対しての観測器具の電気的接続は、試験デバイスの規定領域/試験サイトに関連した電極に対して、観測器具を直接的に結合させる(物理的接触)ことにより、または、観測器具を間接的に結合させる(誘導的)ことにより、行うことができる。試験デバイスは、さらに、同時に他の位置(28)における試験ストリップに対して、電気的に接続することができる。これにより、試験サイトにおける読取の比較のための参照点または内部標準が、もたらされる。その後、試験サイトに対して電圧を印加することにより、標識を、ある形態または状態から、他の形態または状態へと、励起/変換することができ、そのような転移を観測することができる。この転移は、試験サイトに対して印加された電気力の性質および強度に応じて、また、標識の初期濃度および本来的特性に関連したシステムの他の変数に応じて、様々な態様で発現する。
【0044】
この試験デバイスの他の実施形態が、図3に示されている。この場合、アフィニティクロマトグラフ試験ストリップと電気化学的検出器システムとは、ハウジング内に収容されている。このハウジングは、分離器(30)と、上部部材すなわちカバー(32)と、底部部材すなわちベース(34)と、から構成されている。ベースは、カバーと結合し得るよう構成されており、これにより、アフィニティクロマトグラフ試験ストリップと電気化学的検出器システムとを内部にシールして保護することができ、外部からの干渉に耐性を有した環境をもたらすことができる。分離器(30)は、漏斗形状とされていて、試験サイト上の直接型試験キット反応剤に対して適合することができ、ハウジングのカバー内の穴を通してハウジング内に挿入され得るようになっている。これにより、分離器は、膜の検出領域(試験サイト)内の規定領域を穿孔することができ、これにより、インジケータの初期濃度に対して、試験キット反応剤の容量に関し、膜の規定領域(規定容積)を分離することができる。
【0045】
[実験例]
以下の実験例は、本発明における試験キット反応剤および電気化学的方法のいくつかの好ましい実施形態を規定し記述し例示している。これら実験例において説明され使用される材料の合成に関して使用される装置および技術は、特に断らない限り、標準的なものである。実験例において使用されている比率は、特に断らない限り、重量を基準とするものである。
【0046】
[実験例1]
1.イオンによって標識化されたタンパク質(例えば、抗体や抗原)の調製
ジエチルエネトリアミンペンタアセティックアシッドとトリエチルアミンとを、適度に加熱しながら、水に溶解させた。得られた溶液を凍結乾燥することにより、ガラス状残留物を得た。その後、そのような残留物を、適度に加熱しながら、アセトニトリルに溶解させた。この溶液を、反応全体にわたって撹拌しつつ、アイスバス内において、イソブチルクロロフォルメートに対して添加した。得られた無水ジエチルエネトリアミンペンタアセティックアシッドを、その後、室温において所定モル比の保護溶液内において、タンパク質と反応させた。その後、反応混合物を、クエン酸塩バッファに対して透析した。過剰の標識溶液を、透析した溶液に対して添加し、室温で維持した。標識化されたタンパク質を、リン酸塩バッファ溶液に対して透析した。タンパク質(AntiHBsAg Ab,AntiHCG Ab,AntiMyoglobin Ab,AntiTroponine I Ab,G−SAG,IgG−Fc,HIV,HCV,等)は、実験室内において上記方法により、金属イオン(例えば、ビスマス、鉛、インジウム、タリウム、および、銅)によって、十分に標識化されている。標識化されたタンパク質を使用することにより、固体相のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップが作製された。
【0047】
2.アフィニティクロマトグラフ固体相試験デバイスの作製
試験サイト(カーボンインク電極)と参照サイト(Ag/AgClインク電極)とに対応した2つの導電性成膜体または領域(2電極システムの場合)が、ポリエステル層上にインクジェットによりプリントされた。各プリント領域のサイズは、4×4mmであり、厚さは、約0.127mm(5/1000インチ)であった。
【0048】
不動化された配位子が試験サイト(検出領域)に予め配置されている膜が、カーボンインク電極システムの上方において試験サイトと位置合わせするようにして、バッキング層上に積層された。ファイバガラスパッド(標識/配位子共役体を含有している)と過剰の流体吸収媒体との各々が、積層の各端部に配置され、これにより、試験ストリップの組立が完了した。この実験例に従って作製された試験デバイスは、図1〜図3に示されている。
【0049】
3.分析物質の測定
上記の金属イオンによって標識化された配位子とアフィニティクロマトグラフ固体相試験デバイスとを使用したHCGやHBsAgやミオグロビンや複数の分析物質のための分析の性能評価に際しては、まず最初に、液体試料を、試料適用領域に対して適用した。その後、液体試料は、毛細管作用によって、アフィニティクロマトグラフストリップに沿ってアフィニティクロマトグラフストリップの他端に向けて移動した。液体が試料適用パッド内を移動する際には、試料適用パッド内に含有されている標識化された配位子が、元の状態へと戻り、試料内の(1つまたは複数の)分析物質は、標識化された(1つまたは複数の)配位子と反応を起こし、(1つまたは複数の)錯体を形成する。このような錯体は、アフィニティクロマトグラフ試験媒体へと移送されてアフィニティクロマトグラフ試験媒体内へと注入される。錯体が検出領域(試験サイト)へと到達したときには、錯体内の分析物質が、検出領域内に不動化された配位子と反応を起こし、標識化された配位子と分析物質と配位子とからなる(1つまたは複数の)錯体を形成する。一方、拘束されていない要素および流体の一部は、デバイスの反対側において吸収媒体内へと流入を継続する。その後、検出領域内における錯体形成が集積し、標識金属イオンが、矩形波ストリッピングボルタメトリ(SWSV)によって定量化される。上述したように、このストリッピング手順においては、予備濃縮(あるいは、表面活性錯体の吸着集積の形成)と金属イオンの決定とを行う。
【0050】
上記分析は、試験試料が、例えば血液試料溶液や尿試料溶液といったような従来の光学測定技術では測定が困難な混濁した溶液である場合に、特に有利である。図7は、本発明によるシステムおよび方法および試験デバイス(図3)を使用して、様々な濃度とされた標準的なミオグロビン抗体溶液を電気化学的に分析した結果を示すグラフである。この分析の検出最小限界および感度は、部分的には、アンチミオブロビン抗原に対しての鉛イオンの標識化に関しての大きなモル比と、動作電極上における鉛の予備濃縮のインターバル期間と、に依存する。図8は、本発明によるシステムおよび方法および試験デバイス(図3)を使用して、血清試料中における2.5ng/mlという濃度のHBsAgを、繰返し測定した場合の結果を示すグラフである。6回の繰返し測定にわたって、再現性のある応答が得られている。また、本発明によるシステムおよび方法および試験デバイス(図3)を使用すれば、分析対象をなす複数の分析物質の同時検出を行うことができる。図9は、鉛イオンおよび銅イオンおよびビスマスイオンによって標識化されたHBsAg抗体を使用した場合の、血清試料中におけるHBsAgの応答を示すグラフである。応答曲線上において、様々なイオンを観測することができ、これは、複数の錯体(様々な金属イオン錯体によって標識化された、抗HBsAg抗体−HBsAg抗原−抗HBsAg抗体−抗HBsAg抗体)が形成され、試験領域において検出されたことを示している。図10は、本発明によるシステムおよび方法および試験デバイス(図3)を使用して、血清試料中においてHCG(左側)とHBsAg(右側)とを同時検出した場合の結果を示すグラフである。真ん中のピークは、デバイスが動作していることを示す参照試験である。
【0051】
[実験例2]核酸(オリゴヌクレオチド、DNA、および、RNA)センサ
1.イオンによって標識化されたオリゴヌクレオチドの調製
ジエチルエネトリアミンペンタアセティックアシッドとトリエチルアミンとを、適度に加熱しながら、水に溶解させた。得られた溶液を凍結乾燥することにより、ガラス状残留物を得た。その後、そのような残留物を、適度に加熱しながら、アセトニトリルに溶解させた。この溶液を、反応全体にわたって撹拌しつつ、アイスバス内において、イソブチルクロロフォルメートに対して添加した。得られた無水ジエチルエネトリアミンペンタアセティックアシッドを、その後、室温において所定モル比の保護溶液内において、オリゴヌクレオチドと反応させた。その後、反応混合物を、トリス(tris)バッファに対して透析した。過剰の標識溶液を、透析した溶液に対して添加し、室温で維持した。標識化されたオリゴヌクレオチドを、トリスバッファ溶液に対して透析した。標識化されたオリゴヌクレオチドを使用することにより、固体相のアフィニティ試験センサが作製された。
【0052】
2.アフィニティクロマトグラフ固体相試験デバイスの作製
試験サイト(カーボンインク電極)と参照サイト(Ag/AgClインク電極)とに対応した2つの導電性成膜体または領域(2電極システムの場合)が、ポリエステル層上にインクジェットによりプリントされた。各プリント領域のサイズは、約4×4mmであり、厚さは、約0.127mm(5/1000インチ)であった。
【0053】
不動化された配位子が試験サイト(検出領域)に予め配置されている膜が、カーボンインク電極システムの上方において試験サイトと位置合わせするようにして、バッキング層上に積層された。ファイバガラスパッド(標識/オリゴヌクレオチド共役体を含有している)と過剰の流体吸収媒体との各々が、積層の各端部に配置され、これにより、試験ストリップの組立が完了した。この実験例に従って作製された試験デバイスは、図1〜図3に示されている。
【0054】
3.ヒトのNPORの測定
上記の金属イオンによって標識化されたオリゴヌクレオチドとアフィニティクロマトグラフ固体相試験デバイスとを使用したヒトのNPORの分析の性能評価に際しては、まず最初に、分析対象をなすオリゴヌクレオチドを含有している液体試料を、試料適用領域に対して適用した。その後、液体試料は、毛細管作用によって、アフィニティクロマトグラフストリップに沿ってアフィニティクロマトグラフストリップの他端に向けて移動した。液体が試料適用パッド内を移動する際には、接触パッド内に含有された標識化されたオリゴヌクレオチドが、搬送され、試料溶液中の分析対象をなすオリゴヌクレオチドに対して、試験領域にコーティングされた相補的オリゴヌクレオチドと競合的に相互作用し、標識化されたオリゴヌクレオチドと相補的オリゴヌクレオチドとの錯体と、オリゴヌクレオチドと相補的オリゴヌクレオチドとの錯体と、を形成する。一方、拘束されていない要素および流体の一部は、デバイスの反対側において吸収媒体内へと流入を継続する。その後、検出領域内における錯体形成が集積し、標識金属イオンが、矩形波ストリッピングボルタメトリ(SWSV)によって定量化される。上述したように、このストリッピング手順においては、予備濃縮(あるいは、表面活性錯体の吸着集積の形成)と金属イオンの決定とを行う。図11は、本発明によるシステムおよび方法および試験デバイス(図3)を使用して、ヒトのNPOR(25merのオリゴヌクレオチド)を競合的に検出した場合の結果を示すグラフである。図において、A(上側)は、ブランク溶液(ヒトのNPORが含まれていない)についての信号であり、B(下側)は、ヒトのNPORを含有した溶液についての信号である。このような結果は、DNAの検出およびシークエンシングのための方法をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による固体相電気化学的定量分析システムにおける試験ストリップを示す斜視図であって、図1Aは、2電極システムを示しており、図1Bは、3電極システムを示している。
【図2】 図1における2−2線に沿って図1の試験ストリップを示す断面図である。
【図3】 本発明による試験デバイスを示す分解斜視図である。
【図4】 様々な濃度(事前濃縮されたビスマス金属標識の濃度が1ng/ml〜50ng/mlとされている)に関しての、陽極ストリッピング分析におけるカーボン電極上のビスマス/水銀アマルガムの電流信号応答曲線を示すグラフである。
【図5】 ビスマスの検出時における、(電気化学的分析に先立って)『事前濃縮』インターバルを行う時間の関数としての(電流)信号強度の変化を表している電流信号応答曲線を示すグラフであり、事前濃縮インターバル(1分間〜15分間にわたって変化している)が長くなるほど、電流信号強度が大きくなることが示されている。
【図6】 インジウムと鉛と銅とビスマスとを金属標識として含有した単一溶液に関して、検出ウィンドウ内における複数の標識の応答を表す電流信号応答曲線を示すグラフである。
【図7】 本発明によるシステムおよび方法および試験ストリップ(図1および図2)を使用して、様々な濃度とされた標準的なミオグロビン抗体溶液を電気化学的に分析した結果を表す電流信号応答曲線を示すグラフである。
【図8】 本発明によるシステムおよび方法および試験ストリップ(図1および図2)を使用して、血清試料中における2.5ng/mlという濃度のHBsAgを、6回にわたって繰返し測定した場合の結果を表す電流信号応答曲線を示すグラフである。
【図9】 鉛イオンおよび銅イオンおよびビスマスイオンによって標識化されたHBsAg抗体を使用した場合の、血清試料中におけるHBsAgの測定結果を表す電流信号応答曲線を示すグラフである。
【図10】 本発明によるシステムおよび方法および試験ストリップ(図1および図2)を使用して、血清試料中においてHCG(左側)とHBsAg(右側)とを同時検出した場合の結果を表す電流信号応答曲線を示すグラフである。
【図11】 ヒトのNPOR(25merのオリゴヌクレオチド)を競合的に検出した場合の結果を表す電流信号応答曲線を示すグラフであり、A(上側)は、ブランク溶液(ヒトのNPORが含まれていない)についての信号であり、B(下側)は、ヒトのNPORを含有した溶液についての信号である。
【符号の説明】
12 試料収集パッド
14 標識物質
18 試験サイト
20 吸収パッド
22 膜
26 電極

Claims (21)

  1. 少なくとも1つの分析物質を定量分析するためのアフィニティクロマトグラフ試験ストリップであって、
    a)規定領域を備えているアフィニティクロマトグラフ媒体であるとともに、前記規定領域が、不動化された結合物質を有し、この不動化された結合物質が、標識物質を、および/または、標識物質と前記分析物質との錯体を、捕獲/不動化し得るものとされ、前記標識物質が、電気化学的分析条件下において電気活性である標識を有したものであるような、アフィニティクロマトグラフ媒体と;
    b)外部の電気エネルギー源と、前記不動化された結合物質を有した前記規定領域と、の間に電気的な接触を確立するための手段と;
    c)前記外部の電気エネルギー源と、前記アフィニティクロマトグラフ媒体のうちの、前記規定領域以外の領域と、の間に参照用電気接触を確立するための手段と;
    を具備していることを特徴とするアフィニティクロマトグラフ試験ストリップ。
  2. 少なくとも1つの分析物質を定量分析するための請求項1記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップにおいて、
    前記規定領域が、1つまたは複数の不動化された結合物質を有し、
    該不動化された結合物質が、1つまたは複数の標識物質を、および/または、1つまたは複数の標識物質と1つまたは複数の前記分析物質との1つまたは複数の錯体を、捕獲/不動化し得るものとされ、
    前記標識物質の各々が、電気的に活性な互いに異なる標識を有するとともに、分析対象をなす1つの分析物質とだけ相互作用を起こし得るものとされていることを特徴とするアフィニティクロマトグラフ試験ストリップ。
  3. 請求項1または2記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップにおいて、
    前記アフィニティクロマトグラフ媒体が、第2規定領域を備え、
    この第2規定領域が、不動化された結合物質を有し、
    前記アフィニティクロマトグラフ試験ストリップが、さらに、
    (i)外部の電気エネルギー源と、前記第2規定領域と、の間に電気的な接触を確立するための第2手段と;
    (ii)前記外部の電気エネルギー源と、前記アフィニティクロマトグラフ媒体のうちの、前記第2規定領域以外の領域と、の間に参照用電気接触を確立するための第2手段と;
    を具備していることを特徴とするアフィニティクロマトグラフ試験ストリップ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップにおいて、
    前記標識物質が、前記試験ストリップ内において試料収集媒体の内部に予め配置されていることを特徴とするアフィニティクロマトグラフ試験ストリップ。
  5. 請求項4記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップにおいて、
    前記予め配置された標識物質が、凍結乾燥された態様のものとされていることを特徴とするアフィニティクロマトグラフ試験ストリップ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップにおいて、
    電気的な接触を確立するための前記手段が、動作電極を備え、
    参照用電気接触を確立するための前記手段が、参照電極を備えていることを特徴とするアフィニティクロマトグラフ試験ストリップ。
  7. 請求項6記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップにおいて、
    さらに、対向配置された電極を具備していることを特徴とするアフィニティクロマトグラフ試験ストリップ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップにおいて、
    前記標識が、前記標識物質から放出され得るものとされていることを特徴とするアフィニティクロマトグラフ試験ストリップ。
  9. 請求項6または7記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップにおいて、
    前記標識が、前記標識物質から放出され得るものとされている場合に、
    前記試験ストリップが、前記標識を、前記動作電極上における成膜体として事前濃縮させ得るものとされていることを特徴とするアフィニティクロマトグラフ試験ストリップ。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップにおいて、
    前記標識が、金属であることを特徴とするアフィニティクロマトグラフ試験ストリップ。
  11. 請求項10記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップにおいて、
    前記標識が、Mg,Al,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Sr,Y,Zr,Mo,Tc,Pd,Cd,In,Sn,Sb,Ba,Hf,W,Re,Hg,Tl,Pb,La,Ce,Rh,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Yd,Th,U,Pu,および、これらの同位体からなるグループの中から選択された金属であることを特徴とするアフィニティクロマトグラフ試験ストリップ。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップにおいて、
    前記標識物質が、擬似分析物質を備え、
    前記不動化された結合物質が、標識物質を捕獲/不動化し得るものとされていることを特徴とするアフィニティクロマトグラフ試験ストリップ。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップにおいて、
    前記標識物質が、配位子を備え、
    前記不動化された結合物質が、前記標識物質と前記分析物質との錯体を捕獲/不動化し得るものとされていることを特徴とするアフィニティクロマトグラフ試験ストリップ。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップにおいて、
    前記標識物質が、前記標識をカプセル化したリポソームを備えていることを特徴とするアフィニティクロマトグラフ試験ストリップ。
  15. 少なくとも1つの分析物質を定量分析するためのキットであって、
    a)請求項1〜14のいずれか1項に記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップと;
    b)前記捕獲/不動化された標識物質から前記標識を放出するための反応剤と;
    を具備していることを特徴とするキット。
  16. 少なくとも1つの分析物質を定量分析するためのキットであって、
    a)請求項1,2,3,6,または,14のいずれか1項に記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップと;
    b)前記標識物質を備えた反応剤と;
    を具備していることを特徴とするキット。
  17. 少なくとも1つの分析物質を定量分析するための方法であって、
    a)請求項1〜14のいずれか1項に記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップを準備し;
    b)外部の電気エネルギー源と、前記不動化された結合物質を有した前記規定領域と、の間に電気的な接触を確立するとともに、前記外部の電気エネルギー源と、前記アフィニティクロマトグラフ媒体のうちの、前記規定領域以外の領域と、の間に参照用電気接触を確立し;
    c)前記分析物質を含有した試料を、前記試験ストリップに対して適用するとともに、付加的には、前記標識物質を含有した反応剤を適用し;
    d)前記標識物質を、および/または、前記標識物質と前記分析物質との錯体を、前記不動化された結合物質によって捕獲/不動化し得るものとし、これにより、前記規定領域内に集積させ;
    e)電気化学的分析を行うことによって、前記規定領域内における前記標識物質の濃度を決定し、さらに、この標識物質の濃度を、前記分析物質の濃度を関連づける;
    ことを特徴とする方法。
  18. 請求項17記載の方法において、
    請求項9記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップを準備し、あるいは、前記標識が前記標識物質から放出され得るものとされている場合に前記試験ストリップが前記標識を前記動作電極上における成膜体として事前濃縮させ得るものとされている場合において請求項10〜14のいずれか1項に記載のアフィニティクロマトグラフ試験ストリップを準備し;
    前記標識物質から前記標識を放出するとともに、前記標識を、前記動作電極上における成膜体として事前濃縮する;
    ことを特徴とする方法。
  19. 請求項18記載の方法において、
    前記成膜体を、陽極ストリッピング条件とし、前記動作電極上における前記成膜体を酸化させることを特徴とする方法。
  20. 請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法において、
    前記電気化学的分析を、電圧を一定として行うことを特徴とする方法。
  21. 請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法において、
    前記電気化学的分析を、電流を一定として行うことを特徴とする方法。
JP2000618714A 1999-05-05 2000-05-05 固体相内の分析物質を電気化学的に定量分析するためのシステム Expired - Lifetime JP4468594B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/305,771 US6485983B1 (en) 1999-05-05 1999-05-05 System for electrochemical quantitative analysis of analytes within a solid phase and affinity chromatographic test strip
US09/305,771 1999-05-05
PCT/US2000/012099 WO2000070327A1 (en) 1999-05-05 2000-05-05 System for electrochemical quantitative analysis of analytes within a solid phase

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003519362A JP2003519362A (ja) 2003-06-17
JP2003519362A5 JP2003519362A5 (ja) 2007-06-28
JP4468594B2 true JP4468594B2 (ja) 2010-05-26

Family

ID=23182278

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000618714A Expired - Lifetime JP4468594B2 (ja) 1999-05-05 2000-05-05 固体相内の分析物質を電気化学的に定量分析するためのシステム

Country Status (13)

Country Link
US (2) US6485983B1 (ja)
EP (1) EP1190231B1 (ja)
JP (1) JP4468594B2 (ja)
CN (1) CN100362335C (ja)
AT (1) ATE311591T1 (ja)
AU (1) AU781131C (ja)
CA (1) CA2373246A1 (ja)
DE (1) DE60024448T2 (ja)
ES (1) ES2254175T3 (ja)
HK (1) HK1046548A1 (ja)
MX (1) MXPA01011212A (ja)
WO (1) WO2000070327A1 (ja)
ZA (1) ZA200108793B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110456030A (zh) * 2019-08-28 2019-11-15 国网山东省电力公司电力科学研究院 一种燃煤电厂脱硫石膏中Hg、Pb的赋存形态分析方法

Families Citing this family (50)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6485983B1 (en) * 1999-05-05 2002-11-26 Intec Science, Inc. System for electrochemical quantitative analysis of analytes within a solid phase and affinity chromatographic test strip
FR2810739B1 (fr) * 2000-06-26 2007-01-26 Centre Nat Rech Scient Immunodosage electrochimiques a l'aide de marqueurs metalliques colloidaux
US6887714B2 (en) * 2000-10-16 2005-05-03 Board Of Trustees Of The University Of Arkansas, N.A. Microvolume immunoabsorbant assays with amplified electrochemical detection
US7456028B2 (en) * 2000-10-16 2008-11-25 Board Of Trustees Of The University Of Arkansas, N.A. Electrochemical method for detecting water born pathogens
US20040126767A1 (en) * 2002-12-27 2004-07-01 Biosite Incorporated Method and system for disease detection using marker combinations
US20040121350A1 (en) * 2002-12-24 2004-06-24 Biosite Incorporated System and method for identifying a panel of indicators
US20040203083A1 (en) * 2001-04-13 2004-10-14 Biosite, Inc. Use of thrombus precursor protein and monocyte chemoattractant protein as diagnostic and prognostic indicators in vascular diseases
US7713705B2 (en) 2002-12-24 2010-05-11 Biosite, Inc. Markers for differential diagnosis and methods of use thereof
US20040253637A1 (en) * 2001-04-13 2004-12-16 Biosite Incorporated Markers for differential diagnosis and methods of use thereof
US8676897B1 (en) * 2001-11-30 2014-03-18 Hewlett-Packard Development Company, L.P. N-way interactive communication using hand held computers
US20030153094A1 (en) * 2002-02-13 2003-08-14 Board Of Trustees Of Michigan State University Conductimetric biosensor device, method and system
FR2844052B1 (fr) * 2002-08-28 2005-07-01 Commissariat Energie Atomique Dispositif de mesure de l'activite electrique d'elements biologiques et ses applications
US20050058689A1 (en) 2003-07-03 2005-03-17 Reactive Surfaces, Ltd. Antifungal paints and coatings
US7176036B2 (en) * 2002-09-20 2007-02-13 Arrowhead Center, Inc. Electroactive microspheres and methods
US20040118704A1 (en) * 2002-12-19 2004-06-24 Yi Wang Analyte test intrument having improved versatility
AU2003300407A1 (en) * 2002-12-24 2004-07-22 Biosite Incorporated Method and system for disease detection using marker combinations
EP1593961B1 (en) * 2003-02-14 2013-01-09 Arkray Inc. Analyzing tool with knob part
EP1739407B1 (en) * 2004-05-06 2018-05-30 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Sensor, measuring equipment and measuring method
WO2005117556A2 (en) * 2004-06-02 2005-12-15 Relia Diagnostic Systems, Llc Quantitative lateral flow system and assay
DE602005023183D1 (de) 2004-07-29 2010-10-07 Relia Diagnostic Systems Llc Querstromsystem und assay
ATE369562T1 (de) 2004-09-09 2007-08-15 Analyticon Biotechnologies Ag Lateralflussmessvorrichtung und messverfahren für analyten
US20060281193A1 (en) * 2005-06-09 2006-12-14 Petrilla John F Non-optical reading of test zones
US20060286006A1 (en) * 2005-06-21 2006-12-21 Mcdaniel C S Method and apparatus for the treatment of fluid waste streams
US11385226B2 (en) * 2007-09-17 2022-07-12 Red Ivory Llc Self-actuating signal producing detection devices and methods
US8388904B1 (en) 2008-12-22 2013-03-05 Reactive Surfaces, Ltd., Llp Equipment decontamination system and method
CN101458223B (zh) * 2008-12-26 2012-01-25 江南大学 一种微囊藻毒素-lr定量快速检测传感器的制备及应用
TW201024728A (en) * 2008-12-31 2010-07-01 Univ Chung Yuan Christian A lateral-flow device and method to enhance the detection signal for charged molecular targets
WO2010116507A1 (ja) 2009-04-09 2010-10-14 日立化成工業株式会社 検出装置及び検出方法
KR101115014B1 (ko) * 2009-07-17 2012-03-06 바디텍메드 주식회사 핵산 검출용 크로마토그래피 시스템
CN102230939B (zh) * 2011-03-29 2013-08-28 中国人民解放军第三军医大学第三附属医院 一种检测多种蛋白的电化学免疫分析方法
EP2602620A1 (en) * 2011-12-07 2013-06-12 Nxp B.V. An electronic lateral flow test arrangement and method
WO2013096822A2 (en) * 2011-12-23 2013-06-27 Abbott Point Of Care Inc Integrated test device for optical and electrochemical assays
WO2013096804A2 (en) 2011-12-23 2013-06-27 Abbott Point Of Care Inc Optical assay device with pneumatic sample actuation
DE102012101254A1 (de) * 2012-02-16 2013-08-22 Endress + Hauser Conducta Gesellschaft für Mess- und Regeltechnik mbH + Co. KG Messanordnung und Verfahren zur Erfassung einer Analytkonzentration in einem Messmedium
FI126484B (en) * 2013-12-03 2017-01-13 Goodwiller Oy Disposable test strip device for detecting an analyte in a body fluid sample
CN110038652B (zh) * 2014-09-11 2021-12-07 克忧健康公司 用于检测和量化分析物的系统和方法
EP3204769A1 (en) * 2014-10-07 2017-08-16 3M Innovative Properties Company Method of detecting a microorganism using chromatographic enrichment
CN106796231A (zh) * 2014-10-07 2017-05-31 3M创新有限公司 使用色谱分离富集来检测分析物的方法
CN106324064A (zh) * 2015-06-23 2017-01-11 中国科学院上海应用物理研究所 电化学生物传感系统
CN105424452A (zh) * 2015-11-04 2016-03-23 浙江理工大学 一种针对丝织品文物进行锶同位素检测的除杂方法
CN105651739B (zh) * 2016-03-01 2019-01-08 浙江大学 基于溶出伏安的多种重金属离子纳米光学检测装置及方法
CN106501507B (zh) * 2016-09-20 2018-01-12 北京化工大学 离子浓度极化效应icp免疫检测侧向流层析纸条
CN106706902B (zh) * 2016-11-18 2018-12-18 百奥森(江苏)食品安全科技有限公司 一种猪圆环病毒抗体快速金标检测卡
EP3379250A1 (en) * 2017-03-20 2018-09-26 Bundesrepublik Deutschland, vertreten durch den Bundesminister für Wirtschaft und Energie Indicator release system for the detection of an analyte in a foodstuff, test strip therefor, and analysis method
CN108663513B (zh) * 2018-04-20 2019-08-20 江南大学 一种降低侧流层析试纸检测限的方法
WO2020037078A1 (en) * 2018-08-14 2020-02-20 Sensor-Kinesis Corporation Chelator-coated field effect transistor and devices and methods using same
CN110243919A (zh) * 2019-05-14 2019-09-17 中国石油天然气股份有限公司 一种利用钒同位素对油气成因与来源进行分析的方法
JP6714256B1 (ja) * 2019-12-18 2020-06-24 株式会社イムノセンス 電気化学法ラテラルフロー式免疫検査方法とそのセンサーおよびその製造方法
CN116157679A (zh) * 2020-09-16 2023-05-23 沃特世科技公司 用于惰性液相色谱系统和柱的系统适用性测试的化合物
WO2024036405A1 (en) * 2022-08-18 2024-02-22 Eye3Concepts Inc. Method of sensing an analyte using machine learning

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4233144A (en) * 1979-04-16 1980-11-11 Technicon Instruments Corporation Electrode for voltammetric immunoassay
US5591581A (en) * 1986-04-30 1997-01-07 Igen, Inc. Electrochemiluminescent rhenium moieties and methods for their use
US5389523A (en) * 1988-05-31 1995-02-14 The United States Of Americas, As Represented By The Secretary Of Commerce Liposome immunoanalysis by flow injection assay
FR2692357A1 (fr) * 1992-06-12 1993-12-17 Centre Nat Rech Scient Antigène marqué par un système redox, procédé de dosage immunologique avec détection électrochimique et kit de dosage.
FR2710152B1 (fr) * 1993-09-17 1995-12-01 Centre Nat Rech Scient Procédé de dosage d'une enzyme et procédé de dosage immunoenzymatique d'un antigène utilisant une électrode modifiée et kit de dosage.
US5789154A (en) * 1993-10-12 1998-08-04 Cornell Research Foundation, Inc. Liposome-enhanced immunoassay and test device
US5756362A (en) * 1993-10-12 1998-05-26 Cornell Research Foundation, Inc. Liposome-enhanced immunoaggregation assay and test device
GB9402661D0 (en) * 1994-02-11 1994-04-06 Ecossensors Ltd Improvements in and relating to detection of lead in blood
US5753517A (en) * 1996-03-29 1998-05-19 University Of British Columbia Quantitative immunochromatographic assays
US5958791A (en) * 1996-09-27 1999-09-28 Innovative Biotechnologies, Inc. Interdigitated electrode arrays for liposome-enhanced immunoassay and test device
US6485983B1 (en) * 1999-05-05 2002-11-26 Intec Science, Inc. System for electrochemical quantitative analysis of analytes within a solid phase and affinity chromatographic test strip

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110456030A (zh) * 2019-08-28 2019-11-15 国网山东省电力公司电力科学研究院 一种燃煤电厂脱硫石膏中Hg、Pb的赋存形态分析方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003519362A (ja) 2003-06-17
EP1190231A4 (en) 2003-01-02
EP1190231A1 (en) 2002-03-27
ATE311591T1 (de) 2005-12-15
DE60024448T2 (de) 2006-08-24
HK1046548A1 (zh) 2003-01-17
EP1190231B1 (en) 2005-11-30
CN100362335C (zh) 2008-01-16
AU781131C (en) 2006-08-17
DE60024448D1 (de) 2006-01-05
AU4818100A (en) 2000-12-05
US6485983B1 (en) 2002-11-26
WO2000070327A1 (en) 2000-11-23
CN1350638A (zh) 2002-05-22
US6713308B1 (en) 2004-03-30
MXPA01011212A (es) 2003-07-14
CA2373246A1 (en) 2000-11-23
AU781131B2 (en) 2005-05-05
ES2254175T3 (es) 2006-06-16
ZA200108793B (en) 2002-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4468594B2 (ja) 固体相内の分析物質を電気化学的に定量分析するためのシステム
EP2986987B1 (en) Electrochemical lateral flow bioassay and biosensor
KR0156176B1 (ko) 전기화학식 면역 바이오센서
RU2423073C2 (ru) Микрофлюидные устройства и способы их подготовки и применения
Díaz‐González et al. Recent advances in electrochemical enzyme immunoassays
EP2318837B1 (en) Enhanced immunoassay sensor
EP2261648B1 (en) Electric analysis method
US5149629A (en) Coulometric assay system
JP5036867B2 (ja) バイオセンサ
AU2004204362A1 (en) Multi-layered electrochemical microfluidic sensor comprising reagent on porous layer
JP2001337065A (ja) 電気化学メンブレンストリップバイオセンサー
CA2252912A1 (en) Assay method, kit and assay device
US20090270266A1 (en) Method for Electrocatalytic Protein Detection
Lu et al. Rapid, quantitative and sensitive immunochromatographic assay based on stripping voltammetric detection of a metal ion label
WO2004010143A2 (en) Electrochemical lateral flow and flow-through devices
US20230324274A1 (en) In-situ controlled dissolution of metals using electrochemistry

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070502

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070502

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090825

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100126

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3