JP4468541B2 - 再結晶SiCの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐酸化性、耐食性、熱伝導性に優れた高純度の再結晶SiCを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高純度の再結晶SiCは、耐酸化性、耐食性、熱伝導性に優れ、それらの特性が要求される多様な分野での利用が期待されている。このような再結晶SiCの製造方法として、USP2964823には、45〜150μmのSiC粉10〜60重量%と0.1〜8μmのSiC微粉40〜90重量%とを水で混ぜ、スリップキャストで成形し、還元雰囲気中において2100〜2450℃で焼成する方法が開示されている。
【0003】
また、特開昭61−17472号公報には、β型SiC微粒に平均粒径が5μm以下のα型又はβ型SiC微粉末を混合、成形し、1750〜2500℃で焼成する方法が開示されている。
【0004】
更に、特開平10−167854号公報には、SiO2含有率が0.1〜5重量%で平均粒径が0.3〜50μmのSiC原料粉と有機樹脂バインダーを混合して成形し、その成形体を酸素含有率が1〜10%の雰囲気中において該成形体中の熱分解炭素の含有率が0.5〜5重量%となるように加熱した後、該成形体を1500〜2000℃の非酸化雰囲気で焼成する方法が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の再結晶SiCの製造法では、原料を所望の製品形状に成形することが難しく、最終的に得られる再結晶SiC焼結体の純度を低下させることなく成形性を向上させる製造技術の確立が望まれていた。
【0006】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、成形性が良く、耐酸化性、耐食性に優れるとともに高い熱伝導率を有する高純度の再結晶SiC焼結体が得られるような再結晶SiCの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、粒径5μm以下の微粒を10重量%以上含むSiC原料に、外配で1〜12重量%の粘土を添加し、混合して、これを所望の形状に成形し、得られた成形体を2000℃以上の非活性雰囲気で焼成することを特徴とする再結晶SiCの製造方法、が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
前記のとおり、本発明の製造方法は、粒径5μm以下の微粒を10重量%以上含むSiC原料に対し所定量の粘土を添加することを特徴としており、これにより、SiC原料の成形性が大幅に向上する。また、再結晶SiCは通常2000℃以上の非活性雰囲気で焼成されるが、このような高温雰囲気で焼成を行うと、粘土成分であるSiO2やAl2O3などの酸化物は蒸発するため、最終的に得られる焼結体には、粘土を添加したことよる純度の低下はほとんど見られず、高純度の再結晶SiCが得られる。
【0009】
SiC原料に対する具体的な粘土の添加量は、外配で1〜12重量%、好ましくは1〜8重量%である。粘土の添加量が12重量%を超えると、焼成時に粘土成分が蒸発しきれず、残留するSiやAlの量が多くなって再結晶SiCの生成が阻害され、熱伝導率が低くなる。一方、粘土の添加量が1重量%未満では成形性の向上がほとんど見られない。
【0010】
SiC原料は、α型、β型のいずれを用いてもよいが、粒径5μm以下の微粒を10重量%以上含むものを使用する。SiC原料に含まれる粒径5μm以下の微粒が10重量%未満である場合には、再結晶SiCが十分に生成し難く、強度や熱伝導率が低くなる。
【0011】
SiC原料に添加する粘土としては、可塑性を有するのもであれば特に限定はされず、例えば、ガイロメ粘土、木節粘土、カオリン、ハロイサイト、ボールクレイ等を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0012】
このような粘土をSiC原料に添加して混合し、更に水を加えて全体を可塑化することによりペーストが作製される。なお、必要に応じて有機質バインダーや、界面活性剤等の成形助剤を加えてもよい。
【0013】
こうして得られたペーストを、プレス成形、押出し成形等の成形方法で、所望の形状に成形する。例えば、押出し成形によりハニカム形状の成形体を作製すれば、これを焼成することにより、排ガス浄化用の触媒担体や、ディーゼルエンジンの排ガスに含まれる微粒子(パティキュレート)を捕集するためのフィルター(ディーゼルパティキュレートフィルター)として好適に使用できるハニカム構造体が得られる。
【0014】
成形体は、乾燥後、必要であればバインダーを仮焼して燃焼又は蒸発させ、その後非活性雰囲気で焼成する。焼成温度は、2000℃以上、好ましくは2100℃以上とする。このような高温での焼成により、再結晶SiCが十分に生成されるとともに、粘土を構成するSiO2やAl2O3等が蒸発し、高純度な再結晶SiCが得られる。なお、焼成温度が2000℃未満の場合は、再結晶SiCが十分に生成せず、強度や熱伝導率が低くなる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0016】
(実施例1)
粒径5μm以下の粒子を16重量%含む平均粒径20μmのSiC粉末100重量%に対し、外配でガイロメ粘土5重量%、メチルセルロース3重量%、界面活性剤1重量%、及び水25重量%を加え、混合後、押出し成形により、外径φ100mm、長さ100mm、セル密度16セル/cm2、リブ厚430μmのハニカム形状の成形体を成形した。この成形体を酸化雰囲気中にて400℃で仮焼してバインダー成分を除去した後、Ar雰囲気中にて2200℃で焼成してハニカム構造の再結晶SiC焼結体を得た。こうして得られた再結晶SiC焼結体について、強度、熱伝導率、及び粘土成分の蒸発せず残留したSiO2とAl2O3の量を測定し、その結果を表1に示した。
【0017】
なお、強度は、ハニカムの流路方向に1セル分を切出し、スパン35mmの3点曲げで測定した。また、残留したSiO2とAl2O3の量は、湿式化学分析及びガス分析により測定した。
【0018】
(実施例2〜7)
表1に示されるSiC原料及びガイロメ粘土を使用し、実施例1と同様の方法で成形、仮焼を行い、表1に示す焼成温度で、実施例1と同様の焼成を実施した。こうして得られた再結晶SiC焼結体について、実施例1と同様の測定を行い、その結果を同じく表1に示した。
【0019】
(比較例1)
粒径5μm以下の粒子を10重量%含む平均粒径46μmのSiC粉末100重量%に対し、外配でガイロメ粘土15重量%、メチルセルロース3重量%、界面活性剤1重量%、及び水25重量%を加え、混合後、押出し成形により、外径φ100mm、長さ100mm、セル密度16セル/cm2、リブ厚430μmのハニカム形状の成形体を成形した。この成形体を酸化雰囲気中にて400℃で仮焼してバインダー成分を除去した後、Ar雰囲気中にて2000℃で焼成してハニカム構造の再結晶SiC焼結体を得た。こうして得られた再結晶SiC焼結体について、前記実施例1と同様に強度、熱伝導率、及び残留したSiO2とAl2O3の量を測定し、その結果を表1に示した。
【0020】
(比較例2及び3)
表1に示されるSiC原料及びガイロメ粘土を使用し、比較例1と同様の方法で成形、仮焼を行い、表1に示す焼成温度で、比較例1と同様の焼成を実施した。こうして得られた再結晶SiC焼結体について、実施例1と同様の測定を行い、その結果を同じく表1に示した。
【0021】
(比較例4)
粒径5μm以下の粒子を28重量%含む平均粒径15μmのSiC粉末100重量%に対し、外配でメチルセルロース3重量%、界面活性剤1重量%、及び水25重量%を加え、混合後、押出し成形を試みたが、成形性が悪く、前記実施例1〜7及び比較例1〜3のようなハニカム形状の成形体を得ることができなかった。
【0022】
【表1】
【0023】
表1に示すとおり、本発明の製造方法で得られた実施例の再結晶SiC焼結体は、成形時における成形性に優れるとともに、添加した粘土の構成成分であるSiO2とAl2O3の残留もほとんど見られず、比較例の再結晶SiC焼結体に比して強度、熱伝導率とも優れた結果を示した。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の再結晶SiCの製造方法によれば、SiC原料に対して所定量の粘土を添加することにより、従来の製造方法に比べ成形性が大幅に改善される。また、成形体中の粘土成分は焼成時に蒸発するので、粘土添加による純度の低下はなく、耐酸化性、耐食性、熱伝導性に優れた高純度の再結晶SiCが得られる。本発明にて得られる再結晶SiCは、耐火物やフィルター等の用途に好適に使用でき、特に、ハニカム形状に成形し焼成して得られたハニカム構造体は、触媒担体やディーゼルパティキュレートフィルターとして最適である。
Claims (6)
- 粒径5μm以下の微粒を10重量%以上含むSiC原料に、ガイロメ粘土、木節粘土、カオリン、ハロイサイト及びボールクレイからなる群より選択される1種以上の粘土を外配で1〜12重量%添加し、混合して、これを所望の形状に成形し、得られた成形体を2000℃以上の非活性雰囲気で焼成することを特徴とする再結晶SiCの製造方法。
- 前記SiC原料に添加される粘土がガイロメ粘土である請求項1記載の再結晶SiCの製造方法。
- 前記SiC原料に対する前記粘土の添加量が外配で1〜8重量%である請求項1又は2に記載の再結晶SiCの製造方法。
- 焼成温度が2100℃以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の再結晶SiCの製造方法。
- 前記成形体の成形方法が押出し成形である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の再結晶SiCの製造方法。
- 前記成形体がハニカム形状に成形されたものである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の再結晶SiCの製造方法。
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