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JP4458240B2 - カテーテル組成物とその用途 - Google Patents

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JP4458240B2 JP2003546965A JP2003546965A JP4458240B2 JP 4458240 B2 JP4458240 B2 JP 4458240B2 JP 2003546965 A JP2003546965 A JP 2003546965A JP 2003546965 A JP2003546965 A JP 2003546965A JP 4458240 B2 JP4458240 B2 JP 4458240B2
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Description

(発明の分野)
本発明は留置医療器具、特にカテーテルの分野、並びにこれらの医療用具をフラッシングし、ロッキングし、プライミングし、コーティングするための方法及び組成物の分野に関する。本発明はまたカテーテルの流れを増大させ、フィブリン(繊維素)沈着の可能性があり又は既に存在しているフィブリン結合血塊を伴うカテーテルの感染を防止するのに有用な製薬調製物にも関する。
(関連した開示の記載)
送達(デリバリー)系は、医薬、栄養分、又は他の活性剤を含みうる液体物質を患者の特定の部位に導入するための手段として医薬において広く使用されている。そのような系はしばしば、多くの用途に対して、外科的に又は静脈内に位置させられ、所望される物質の長期投与のために所定位置に縫い合わされるカテーテルの使用を含む。典型的な系は、敗血症又は心内膜炎の危険を伴う、例えば短腸症候群に(寿命のある間)使用される完全非経口栄養法(TPN)に対して使用されるような中心カテーテルを含む。そのような系はまた感染すれば深刻な結果を伴う腹膜炎に至りうる末期腎不全の患者に対する腹膜透析に関与するカテーテル及び廃液管を含む。
血管内カテーテルは医療器具に最も一般的に使用されているものである。そのようなカテーテルは多くの手順のために患者の血管系に常套的に配され、しばしば長期間にわたっって所定位置に残される。ヒトの症状の治療に数年の間使用されている送達系の一つのタイプは、心血管系にカテーテルを介して直接アクセスしうる筋膜下に皮下移植される小容量のリザーバ又はチャンバーを含む。そのような系はポートシステムとして知られている。ポート及び血管内カテーテルは外部環境から患者の血流への直接の経路であるので、カテーテル又はポートの存在は患者の血流中に微生物を導入する実質的かつ連続的な可能性を提示する。
内科(medical)、外科、婦人科、泌尿器科及び他の患者での留置カテーテル処置は泌尿生殖路の深刻な感染を引き起こしうる。実務家は流体取り扱い器具の配置、使用、取り付け及び取り外し及びカテーテルに関する他の手順に関する多くのプロトコルを開発した。これらの手順の殆ど全ての目標は患者の血流中への微生物の進入を避けることにある。
医療器具中へ抗感染薬を含有せしめる、感染の危険を低減する多くの方法が開発されているが、臨床的に完全には満足できると証明されたものはない。そのような器具は、好ましくは、器具が使用されている全期間にわたって有効レベルの抗感染剤を提供する。この徐放は、長期間にわたって抗感染剤を分散させるメカニズムが必要とされ得、十分な量の抗感染剤の導入が器具の表面特性に悪影響を及ぼしうる点で、達成するのに問題があり得る。有効な抗微生物保護を提供する際に遭遇する困難性は薬物耐性病原体の発生と共に増大する。
血管カテーテルの現在の標準的な留意事項は、ヘパリンのような抗凝血剤を用いてカテーテルのルーメンをフラッシングして、カテーテルの先端の中又は回りの血液がカテーテルを通って凝血し、流体の流れが塞がれるのを防止することを含む。更に、ヘパリンは抗微生物活性を持たない上、注意して制御されない場合には、抗凝血過程をあまりに進めすぎて、出血の危険性を提示する。ヘパリンはまた抗体生成を生じ得、血小板を枯渇させ出血の危険性を更に増大させるヘパリン誘導血小板減少症(HIT)の深刻な自己免疫症状を生じる。よって、感染、並びに血栓閉塞が、ヘパリンフラッシュの予防的な使用にもかかわらず、しばしば継続して生じる。中心静脈カテーテル関連感染の病原性及び微生物の知識はこの問題の効果的な防止を提供するのに必須である。
表皮ブドウ球菌及び黄色ブドウ球菌は中心静脈カテーテル(CVC)関連感染の75%を占める。カンジダ種はそのような感染のもう10%から15%を占める。これらの感染を防止するための抗ブドウ球菌抗生物質の使用はCVC関連細菌感染を減少させることが見出されたが、より高い割合の真菌(カンジダ)感染を引き起こす犠牲を伴う。
血栓形成と感染の間に相関がまた観察されている。本質的に、続いてカテーテルの内表面と外表面を被覆するように作用するフィブリン被覆体は留置血管カテーテルを包み込む。このフィブリン被覆体はそのようなブドウ球菌及びカンジダのような生物体のカテーテル表面への付着能力を増大させる。これらの特定の微生物とは異なり、グラム陰性桿菌はフィブリン及びフィブロネクチンにうまく付着しない。フィブリン生成を停止させた組成物は、よって、留置カテーテル部位でのブドウ球菌、カンジダ等々のコロニー形成を防止するのに特に有用であろう。
医薬をカテーテルを通して患者に導入した場合、実務者は一般的にヘパリンのような抗凝血剤を含みうるフラッシュ溶液の導入を続けて行う。フラッシュ溶液の目的は、投薬が全部送達されるようにカテーテルから医薬を移動させ、かつ患者の血液がカテーテルに逆流せず、患者の血液がカテーテルの孔を閉塞する血塊をおそらくは形成しないように、カテーテル中を残留物で満たしておくことにある。よって、続いてカテーテルが再び必要とされる場合、適切にフラッシングされたカテーテルは十分に開放性となり次の段階の準備ができる。
Root等, Antimicrob. Agents Chemother., 32: 1627-1631 (1988)は、インビボでのそのキレート特性がよく知られインビトロで抗凝血剤として広く使用されているエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)のカテーテル中の効果について報告をした研究を発表した。米国特許第5363754号は、ミノサイクリンとEDTAの混合物の製薬組成物がカテーテルポートの開放性を維持するのに有用であることを開示している。米国特許第5091442号は、トリクロサンのような非イオン性のやや溶けにくい抗菌剤の導入によって抗菌剤として有効であるようにされた、コンドーム及びカテーテルのような管状物品を記述している。抗菌剤は物品全体に分散させられ、又は物品にコーティングされうる。米国特許第5362754号は、カテーテルの開放性を維持するためにミノサイクリンとEDTAを含む製薬製剤を開示している。米国特許第5362754号はカテーテルポートの開放性を維持するためのミノサイクリンとEDTA(M-EDTA)の混合物の使用を報告している。
Purchase等, Nephron, 58: 119-20 (1991)はこの目的のためにクエン酸塩を含むカルシウムキレーターの使用を開示している。Butuovic等, Artif. Organs. 22: 945-7 (1998)は、ウシの骨から得られた代用血漿であるポリゲィン(polygeline)とクエン酸塩がカテーテルを維持する点でヘパリンと同等に効果的であることを開示している。テキサス州サンアントニオで1997年11月2−5日に開かれた米国腎臓学会の第30回年次総会において催された講演において、Sodemann等は感染によるカテーテルの取り替えが、濃縮ゲンタマイシン/クエン酸塩混合物のルーチン的な適用によって避けることができると報告した。
しかしながら、TRICITRASOLTMと命名された透析カテーテルのための一つのクエン酸カルシウムキレーターはある種の欠点を有している。ある患者はクエン酸塩の注入直後の短時間の間の味覚異常(dysgensia)を報告している。最近、FDAは、クエン酸塩の注入の直ぐ後に死亡した患者の例をカテーテルロックとして報告している(Stas等, Nephrol Dial Transplant, 16: 1521-1522 (2001);トリシトラゾール(triCitrasol(商標))の透析カテーテル抗凝血を警告するFDA問題。FDA Talk Paper T00-16, 2000年4月14日。
米国特許第5019096号は銀塩(例えばスルファジアジン銀)とクロルヘキシジンの相乗的組み合わせを含む感染耐性医療器具を開示している。米国特許第5772640号は抗感染剤のクロルヘキシジンとトリクロサンを含むポリマー医療物品を報告している。米国特許第5362754号はEDTA及び/又はミノサイクリンで被覆し、細菌及び真菌感染を防止することによるカテーテル上の糖衣形成の防止を開示している。米国特許第6258797号はタウロリジン(taurolidine)又はタウラルタム(taurultam)の抗菌ロック溶液を使用してカテーテル及びポート系において感染又は敗血症と闘うことを開示している。
米国特許第6166007号は、医療人工補装具を患者に挿入した後にその補装具の中又はその近くの感染及び血液凝固を防止するための、タウリンアミド(taurinamide)誘導体及びカルボン酸及び/又はその塩を含有する抗菌ロックを開示している。EP1040841は、抗凝血剤、タウロリジン及び/又はタウラルタムを有する血栓防止液に表面を接触させることによる、送達系の液体接触表面上での血栓形成及び/又は細菌成長の防止を記載している。EP882461はベース物質、ベース物質の表面に形成された架橋被覆フィルム及び被覆フィルムに結合させられた生理活性物質及び抗菌物質の各々を含む生理活性と抗菌活性の双方を有する医療具を開示している。
Boorgu等, ASAIO J., 46 (6): 767-770 (Nov. 2000)は、皮下移植した血液透析アクセス装置の使用に伴う菌血症の治療における抗生物質/抗凝血剤ロック療法を発表している。器具に取り付けられるのは、上大静脈又は右心房中に移植される2つのカテーテルである。抗生物質/抗凝血剤ロック療法は器具中への抗生物質と抗凝血剤の双方の点滴注入を必要とする。またSchwartz等, Journal of Clinical Oncology., 8(9): 1591-1597 (1990)及びKamal等, JAMA, 265(18):2364-2368 (1991)を参照のこと。
Wiernikowski等, Am J. Pediatr Hematol Oncol. 13(2): 137-140 (1991)は、静菌生理食塩水溶液が一般生理食塩水と比較してカテーテル感染を防止したことを開示している。Vercaigne等, Pharmacotherapy, 20: 394-9 (2000)は感染を防止するためのロック溶液としてヘパリンプラス抗生物質を評価した。Patel等, Thromb Hemost, 82: 1205-6 (1999)は、ヘパリン誘発性血小板減少症の患者において再発性透析カテーテル血栓症のための低用量r−ヒルジンの成功裡の使用を開示している。Darouiche等, Nutrition, 13(4) (suppl): 26S-29S (1997)は、血管カテーテル関連感染の防止が、クロルヘキシジンのような殺菌剤の局所適用を含む抗菌剤を使用し、銀含浸皮下カフ(短期間のCVCs)の使用、抗菌及び抗血栓剤の組み合わせでカテーテルをフラッシングし、防腐剤(クロルヘキシジン及びスルファジアジン銀)又は抗菌剤(ミノサイクリン及びリファンピン)でカテーテルを被覆することで達成できることを報告している。
抗菌ロック溶液はカテーテルを清浄にするために使用されている。例えば、米国特許第6174537号はカテーテルフラッシング溶液を開示している。DIALOCKTM及びCLSに関するSodermann等, Blood Purif., 19: 251-254 (2001);TUBEXTMヘパリンロックフラッシング溶液(Wyeth-Ayerst);及びバンコマイシン/シプロフロキサシン/ヘパリンフラッシング溶液を使用するCVC関連感染及び血栓減少の防止に関するHenrickson等, J. Clin Oncol., 18: 1269-1278 (2000)を参照のこと。
QUINTON PERMCATHTMCVC(Quinton Instrument Co., Seattle, WA)のようなソフトカフ付き移植可能CVCsは、永久的なアクセス手段として末期腎疾患の患者にますます用いられてきている。その主な制約は、感染の他、血栓症と不十分な血流である。その合併症の防止には、透析施与間にQUINTON PERMCATHTMCVCをプライミングするためにヘパリンが従来から使用されている。Schenk等, Amer. J. Kidney Diseases, 35: 130-136 (Jan. 2000)は、組換え体組織プラスミノーゲンアクチベーター(rt−PA)が血液透析施与間のQUINTON PERMCATHTMCVCのプライミングのためにヘパリンよりも優れていることを示した。しかし、Schenk等は2mgのアルテプラーゼプラスSWFI(注射剤用滅菌水、USP)を使用しており、これは細菌の増殖を防止しない。
CVADカテーテルの内部又は先端における凝血(血栓)の形成による中心静脈アクセス装置(CVAD)の閉塞又はブロックは、患者への治療薬の投与のブロックが起こりうる一般的な問題である。推定によれば、最も一般的な病因として血栓症を伴って、25%のCVADsが閉塞されることが示唆される(Haire等, Thromb. Haemost, 72: 543-547 (1994); Rubin, J. Clin. Oncol., 1: 572-573 (1983); Lokich等, J. Clin. Oncol., 3: 710-717 (1985))。1994年に上掲のHaire等は、血栓によって閉塞されることがX線透過によって証明されている機能障害カテーテルにおいてウロキナーゼ対アルテプラーゼ(t−PA)の二重盲検の予想無作為治験を実施した。カテーテルは2時間の間、装置中に留置された2mgのアルテプラーゼ又は10000Uのウロキナーゼで処理された。2回までの処理の後に、アルテプラーゼはウロキナーゼよりも多くのカテーテルにおいて機能を回復させた(89%対59%(p=0.013))。
2001年9月4日に米国食品医薬品庁(FDA)は血液を取り除く能力によって評価されるCVADsに対する機能の回復に対して血栓溶解剤CATHFLOTMACTIVASE(登録商標)(アルテプラーゼ)t−PAを承認した。CATHFLOTMACTIVASE(登録商標)t−PAは2mgの患者一名用バイアルで入手可能で、この効能で利用可能な唯一の市販されている血栓溶解剤であり、患者のケアを妨げうるCVAD合併症に対する実行可能な治療選択枝を医療専門家に提供する。CATHFLOTMt−PAの一つのバイアルは2.2mgのアルテプラーゼ、77mgのL−アルギニン、0.2mgのPOLYSORBATE80TM乳化剤およびおよそ7.3にpHを調節するためのリン酸を含んでいる。
t−PAは血管カテーテル以外の物質には結合されている。例えば、Zhou等, J. Control Release, 55: 281-295 (1998); Greco等, Ann Vasc. Surg, 9: 140-145 (1995)及びWoodhouse等, Biomaterials, 17: 75-77 (1996)を参照のこと。
米国特許第5688516号は、キレート剤、抗凝結剤、又は抗血栓剤と、テトラサイクリン抗生物質のような非糖ペプチド抗菌剤との選択された組み合わせを使用して医療装置を被覆し、カテーテル感染を阻害することを開示している。好ましい組み合わせは、ミノサイクリン又は他の非糖ペプチド抗菌剤を、EDTA、EGTA、DTPA、TTH、ヘパリン、及び/又はヒルジンと共に製薬的に許容可能な希釈剤中に含む。米国特許第6187768号は同様に抗菌剤及び抗凝血剤、抗血栓剤又はキレート剤をカテーテルのような留置医療装置の開放性を維持しカテーテル中の細菌成長によって引き起こされる感染を防止するために使用することを開示している。
当該分野に対する上述の進歩にもかかわらず、カテーテルから、特に留置医療装置からフィブリン結合血塊を除去する非毒性方法に対する需要が尚も存在している。更に、ある種の細菌は特にフィブリンに付着するのを好む結合部位を有しているので、フィブリンを防止しそのような装置からフィブリンを除去する必要性が存在する。
(発明の概要)
本発明は、抗凝血、抗血栓又はキレート活性に基づかず、哺乳動物が耐性を持ちうる抗生物質を使用しない、上述の必要性を満たす、独特な能力の解決法を開示する。本発明は、保存料として使用される殺菌剤、主としてこの能力を提供する有機アルコールと併せて、プラスミノーゲンアクチベーターを使用することによってここに記載した必要性を解決する。得られた組成物はフィブリル溶解活性を有しているばかりでなく、特に凝血したカテーテルにおける病原体の成長を防止し、USP基準を合格した。
本発明は特許請求の範囲に記載の通りである。すなわち、一態様では、本発明は、水、フィブリン溶解に有効な量のプラスミノーゲンアクチベーター、及び保存料として有効な量の有機アルコールを含有し、キレート剤を含有していない、カテーテルからのフィブリン結合血塊除去に有用な組成物を提供する。
他の態様では、本発明は、フィブリン溶解に有効な量のプラスミノーゲンアクチベーターを含む区画と、保存料として有効な量の有機アルコールを含む区画を具備し、何れの区画にもキレート剤を含まず、かつ、両方の区画の内容物を混合し、得られた混合物を使用して、フィブリン結合血塊を該血塊を含むカテーテルから除去する指示書を含む、複数区画パッケージを提供する。
更に他の態様では、本発明は、約0.1から10mg/mLの天然配列t−PA又はテネクテプラーゼを含む区画と、約0.5から1.2%(v/v)のベンジルアルコール、イソプロパノール又はエタノールを含む区画を具備し、何れの区画にもキレート剤を含まず、かつ、両方の区画の内容物を混合し、得られた混合物を使用して、フィブリン結合血塊を該血塊を含むカテーテルから除去する指示書を含む、複数区画パッケージを提供する。
ここでの好適なアルコールである、ベンジルアルコールの好適な量は約0.8−1.1%である。この範囲と、約0.5から1.2%のより広い範囲が、微生物の成長祖阻害するがプラスミノーゲンアクチベーターの安定性と機能を維持するのに十分な量である。これらのアルコールの利点は、抗生物質耐性を生じないことである。
またさらなる実施態様では、本発明は、フィブリン結合血塊を該血塊を含むカテーテルから除去する方法であって、上述の組成物にカテーテルを少なくとも約5日間接触させる、方法を提供する。
更に他の実施態様では、本発明は上述の組成物を被覆したカテーテルを提供する。
(発明の詳細な記載)
定義
ここで使用されることろの「カテーテル」とは、医療治療を送達させ血液を抜き出すための、プラスチックポリマー、例えばポリウレタン、シリコーン、又は他のポリマーから一般に構築された医療装置(医療具)を意味する。そのようなカテーテルは非常に多様な留置医療装置(医療具)、例えば泌尿器カテーテル、血管カテーテル、例えばCVC又は末梢静脈内カテーテル、動脈カテーテル、気管カテーテル、スワンガンツカテーテル、血液透析カテーテル、臍帯カテーテル、経皮非トンネル式シリコーンカテーテル、カフ付きトンネル式中心静脈カテーテル、及び皮下中心静脈ポート等々を表す。
「血管カテーテル」はここでは血管系に関連するカテーテルを記述するために使用され、末梢カテーテル及びCVCs、長期間カフ付き装置、短期間非カフ装置及び移植可能ポート等々を含む。CVCsは、中心静脈アクセス装置(CVADs)と同じであり、末梢から挿入される中心カテーテル(PICCライン)、外部カフ付き装置、非カフカテーテル、非トンネル式及び皮下トンネル式カテーテル、血液透析(HD)カテーテル、及びポートを含む。
ここでの好適なカテーテルは留置カテーテル、例えばCVC、好ましくはカフ付きトンネル式CVC、末梢静脈内カテーテル、動脈カテーテル、スワンガンツカテーテル、血液透析カテーテル、臍帯カテーテル、経皮非トンネル式シリコーンカテーテル、又は皮下中心静脈ポートである。また好ましいものは泌尿器カテーテル又は腹膜カテーテルである。また好ましいものは静脈内カテーテル、生物医学的ポリウレタン又はシリコーンから製造したもの、又は血管カテーテルである。
ここで使用されるところの「調製物」又は「組成物」とは記載された成分の混合物である組成物、溶液、製剤等々を意味する。
ここで使用されるところの「接触」、「接触させる」等々という用語は、例えば被覆、インキュベーション等々のような任意の手段によって試薬に暴露することを意味する。
ここで使用されるところの「被覆」、「被覆された」等々という用語は、カテーテルをここでの組成物に浸け、浸し、処理し、及び/又は含浸させることを意味する。
ここで使用されることろの「静菌有機アルコール」は、保存料として使用される殺菌剤であり、抗生物質又は抗生物質のクラスには分類されない有機アルコールを意味する。殺菌剤は、微生物を阻害し又は殺す薬品であり、Basic and Clinical Pharmacology, 8版 (2001), VIIセクション. Chemotherapeutic Drugs. Chapter 50. Miscellaneous Antimicrobial Agents-Disinfectants, Antiseptics, and Sterilantsに定義されている。保存料は調製剤の微生物による損傷を防ぐために使用される薬品である。殺菌剤は製薬調製物において細菌及び真菌の繁殖を防止するための保存料として使用される。Ellenhorn's Medical Toxicology 2版 (1997), セクションIV. Chemicals. Chapter 57. Antiseptics and Disinfectantsのように、その汚染を引き起こす可能性のある微生物の成長を防止するのに有効で、活性を保つためには十分な溶解性と安定性を有していなければならない。そのような有機アルコール保存料の例には、ここで好ましいものとしてエタノール、イソプロピルアルコール、及びベンジルアルコールが含まれ、ベンジルアルコールが最も好ましい。ベンジルアルコールは、疎水性であるが、微生物の細胞壁と膜を破壊し、タンパク質を変性させ、酵素を不活化することができる。
「注射剤用静菌水」又は「BWFI」は、米国薬局方(USP)で定義された他の成分を含まない、水と様々な量のベンジルアルコールと水の混合物を意味する。
ここで使用されるところの「注射剤用滅菌水」又は「SWFI」は如何なる他の成分も含まず滅菌水だけである。
ここで使用されるところの「一般生理食塩水」又は「NS」は適切な量(例えば0.9%(w/v))の塩化ナトリウムと水との混合物であり、他の成分を含まない。
ここで使用されるところの「静菌一般生理食塩水」又は「BNS」は適切な量(例えば0.9%(w/v))の塩化ナトリウムと適切な量(すなわち保存料として有効な量)のベンジルアルコールのような静菌有機アルコールを含む滅菌水で、如何なる他の成分も含まないものを意味する。
ここで使用されるところの「プラスミノーゲンアクチベーター」という用語は、天然又は変異体型の尿プラスミノーゲンアクチベーター、天然型の組織プラスミノーゲンアクチベーター、例えばACTIVASE(登録商標)アルテプラーゼt−PA又は変異体型、例えばr−PA(レテプラーゼ;RETAVASE(登録商標);Centocor, Inc.)及びテネクテプラーゼ(ジェネンテック社からTNKASETMブランドで入手可能で、例えば米国特許第5612029号に記載されたT103N、N117Q、K296A、H297A、R298A、R299Aと命名されたt−PA変異体)、並びに天然に生じる天然分子又は血中の血塊を溶解させフィブリンを防止・除去するフィブリル溶解機能を有するウロキナーゼ変異体でありうるウロキナーゼ(例えば、ABBOKINASE(登録商標);Abbott)を含むフィブリル溶解性単鎖又は二本鎖プラスミノーゲンアクチベーターを意味する。好ましくは、プラスミノーゲンアクチベーターは天然配列t−PA、フィブリル溶解性t−PA変異体、天然配列ウロキナーゼ、又はフィブリル溶解性ウロキナーゼ変異体である。より好ましくは、プラスミノーゲンアクチベーターは天然配列t−PA、フィブリル溶解性t−PA変異体、又は天然配列ウロキナーゼである。更により好ましくは、プラスミノーゲンアクチベーターは天然配列t−PA又はフィブリル溶解性t−PA変異体である。更により好ましくは、t−PA変異体はテネクテプラーゼ又はレテプラーゼである。最も好ましくは、プラスミノーゲンアクチベーターは天然配列t−PA又はテネクテプラーゼである。
ここで使用されるところの「キレート剤」とは、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、DMSA、デフェロキサミン、ジメルカプロール、クエン酸亜鉛、TRICITRASOLTM(クエン酸カルシウムキレート剤)、ビスマスとクエン酸塩の組み合わせ、ペニシラミン、サクシマー(succimer)又はエチドロン酸塩のような、キレート化に使用される薬剤を意味する。エチレングリコール-ビス-(βアミノエチルエーテル)-N,N,N',N'-四酢酸(EGTA)及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)及びその塩は他の既知のキレート剤であり、またエデト酸カルシウム二ナトリウム、トリエチレンテトラミンジヒドロクロリド、及びCa、Mg、Mn、Fe及びZnのような二価金属カチオンをキレートするものである。
(発明の実施の形態)
本発明は、水、フィブリン溶解に有効な量のプラスミノーゲンアクチベーター、及び保存料として有効な量の静菌有機アルコールを含有する、カテーテルからのフィブリン結合血塊除去に有用な組成物を提供する。該組成物はキレート剤を含有しない。
水は好ましくは静菌有機アルコールを始めに含む。薬剤を希釈し又は再構成するために使用される一般に4種の希釈剤がありBWFI、SWFI、BNS、及びNSである。本発明は静菌性であるものだけ、つまりBWFI及びBNSを含む。好ましくは、アルコールを含む水は注射剤用静菌水又はその静菌一般生理食塩水である。
ここでの組成物のpHは生物学的用途に適していなければならない。典型的には、本発明の組成物又は溶液は約3から7、好ましくは約3.5から6.5、最も好ましくは約4.5から6.5の範囲のpHを有する。組成物は通常は生理学的pHにある。必要ならば、pHは更なる酸又は塩、例えば鉱酸、例えば塩酸、あるいは好ましくはアシドーシスを生じないもの、例えば酢酸、リンゴ酸又は乳酸によって調節することができる。当業者によく知られた他のpH調節法もまた使用することができる。
組成物中のプラスミノーゲンアクチベーターの量がフィブリル溶解に有効かどうかの試験は、ここに提供される実施例に記載されたもののような、例えばインビトロ血塊溶解アッセイによって行うことができる。
アルコールの保存料として有効な量は、以下の実施例に記載された例えば抗菌効力試験によって決定することができる。好ましくは、プラスミノーゲンアクチベーターの量は、約0.1から10mg/mLであり、有機アルコールの保存料として有効な量は好ましくは約0.5から1.2%(v/v)である。より好ましくは、プラスミノーゲンアクチベーターのフィブリン溶解に有効な量が、約0.3から5mg/mL、更により好ましくは約0.5から4mg/mL、最も好ましくは約1から3mg/mLである。有機アルコールのより好ましい量は約0.8から1.1%(v/v)である。
本発明の組成物は、好ましくは、そこの如何なる微生物も実質的に非生存可能にする条件に暴露され、例えばシリンジ、隔壁閉止バイアル、又は微生物の通過に実質的に耐性のあるアンプのような密封容器に収容される。好ましくは、密封容器は一回のカテーテルのフラッシング手順を実施するのに十分なフラッシュ溶液のアリコートを含む。特定の用途に対しては、個々のカテーテルフラッシング手順のために複数のアリコートを分配するために十分な量の溶液を含むバルク容器が好ましい。
静脈内カテーテルをフラッシングする方法は、上述の混合溶液を提供し、少なくとも約2時間の間、そのような溶液にカテーテルを接触させることを含む。該方法は、流体取り扱い装置、好ましくはシリンジに、カテーテルのフラッシング手順を実施するのに十分な溶液のアリコートを満たすことを含む。フラッシング手順に対する好適な量は一般に約1から3ミリリットルである。ついで、実務家はフラッシングを必要とする標的血管内カテーテルにシリンジを取り付け、カテーテル中に溶液を投与し、よってフラッシング手順を完了させる。
ここでの方法は実質的に任意のトンネル式又は非トンネル式カテーテルの前から存在する血塊を除去するために使用されうる。カテーテルの維持又はフラッシング方法の一部として、最も好ましくは、カテーテルはここでの組成物で、例えば一週間に一回、4日ごとに1回、2日に一回、毎日一回(約24時間毎)、一日に2回、4時間毎にあるいは熟練した実務者には明らかなように、患者の必要に応じて、フラッシングされる。カテーテルフラッシング計画は単にカテーテルを交換する度に一回行うようにしてもよい。本発明の好適な側面では、カテーテルはここの組成物を用いて4時間の間隔で更に頻繁にフラッシングされる。
この発明の方法は、既に所定位置にあるカテーテル中に組成物を導入するのに適用されるが、当業者は、体の外にあるカテーテルを組成物に接触させ又は組成物で被覆することにより、その実施後にそのような表面上へのフィブリンの付着を防止し細菌増殖の部位を低減することができると理解するであろう。よって、血液透析カテーテルのようなカテーテルの表面はここでの組成物によって前処理されうる。カテーテルは最初に組成物で処理でき、ついで挿入後に、繰り返しの周期的なフラッシングを受ける。
調製され、本発明の組成物で被覆されうる特定の例示的なカテーテルが上記のリストに与えられる。被覆方法では、プラスミノーゲンアクチベーター、水、及びアルコールは、処理物品においてその組み合わせが有効なフィブリン溶解及び保存料活性を有する量で存在する。特定の実施態様では、カテーテルは、上述の処理溶液で処理された(つまり処理溶液に浸けられた又は浸漬された)ポリウレタン又はシリコーンカテーテル(又は類似のポリマー製のもの)である。対象のカテーテルの表面をついでフィルムの形成又は組成物の暴露面への被覆を可能にするのに十分な時間の間、組成物に暴露する。液体として、組成物は装置の表面上で乾燥させられ、フィルムを生じる。
カテーテルに注入されうるここでの組成物の量はそれを満たすのに十分である。そのような装置は、それらが血液透析カテーテルである場合は、典型的には約0.1から10mLの範囲の内部容積を有する。そのような量は、もちろん、とりわけ個々の患者の大きさの関数でありうる装置のチュービングの長さと直径に応じて変わりうる。
フィブリン結合血塊がカテーテルから除去されると、カテーテルは少なくとも約5日、好ましくは約6から15日の間、ここの溶液に接触させられうる。
更に他の側面の本発明はキット又はパッケージを提供する。一実施態様では、キット又はパッケージは容器手段、少なくとも2つの別個の区画手段を含む、例えば区画化されたシリンジを含む。一方の区画又は容器はt−PAのようなフィブリル溶解に有効な量のプラスミノーゲンアクチベーターを含み、第二の容器手段又は区画は保存料として有効な量の静菌有機アルコールを含む水を含む。組成物と同様に、何れの区画もキレート剤を含まない。パッケージはまた両方の区画の内容物を混合し、フィブリン結合血塊をそのような血塊を含むカテーテルから除去するために得られた混合物を使用するための指示書をまた含む。t−PAは乾燥粉末形態で、水と混合されて再構成されて使用に適した溶液を提供する凍結乾燥粉末でありうる。キットはまた二つの区画の内容物を収容するのに適したキャリア手段である溶液を含みうる。ここでのパッケージは、各区画がバイアル又はアンプルのような別個の容器であるキットであり得、又はパッケージは複数区画シリンジでありうる。
本発明の様々な特徴及び側面を以下の実施例において更に例証する。これらの実施例は本発明の範囲内で如何に作用するかを当業者に示すために提示されるものであり、本発明の範囲に対して決して限定となることを意図するものではない。ここでの全ての引用文献の開示は出典明示によりここに明示的に取り込まれる。
実施例1(比較例)
概要
SWFIで再構成した場合の2mg/mLのACTIVASE(登録商標)t−PAの抗菌特性を評価するために以下に記載のようにして試験を実施した。この試料はUSP抗菌効力試験の要求を満たさなかった。
USP抗菌効力試験
この試験は製剤中の保存料の有効性を評価するか又は活性成分の本来的な抗菌活性を評価するために使用される。これはUSP24,微生物学試験/(51)抗菌効力試験法、1809−1811頁に記載されている。
A.材料と主な機器
1.使用した検証生物体は、大腸菌 ATCC 8739、緑膿菌 ATCC 9027、黄色ブドウ球菌 ATCC 6538、カンジダ・アルビカンス ATCC 10231、及びアスペルギルス・ニガー ATCC 16404であった。
2.培地、サプライ、及び主要な機器は次の通りであった:
トリプチカーゼ大豆寒天(TSA)
サブローデキストロース寒天(SDA)
リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、無菌、pH7.2±0.2
滅菌50-mLコニカルチューブ
滅菌スワブ及び血清学用ピペット
分光光度計
コロニーカウンター、ケベック又は同等品
2−8℃、22.5±2.5℃、及び32.5±2.5℃のインキュベーター
B.手順
1.接種菌液の調製:
各生物体懸濁液を調製して1x10コロニー形成単位(CFU)/mLのおよその濃度を達成した。10mLの試料を含む5つのチューブのそれぞれに0.05mLのその対応する検証生物体を接種し、1x10CFU/mLと1x10CFU/mLの間の試験調製物の初期濃度を得た。各試験調製物中の生生物体の初期数を、混釈平板法による標準化接種菌液のそれぞれの生物体濃度に基づき計算した。この方法は試験試料中の生物体の数をカウントするための一般的な微生物学的技術である。試験試料は無菌生理食塩水で希釈され、ピペットによって滅菌ペトリ皿に移される。ついで、融解寒天(栄養培地)がペトリ皿に注がれ、試料と混合されて、標準化された温度と時間でインキュベートされる。この方法は、表面のみではなく、寒天全体にわたるコロニー形成を生じる。
およそ10mLの試料を、ネガティブコントロールとなるように未接種のまま残されたチューブ中にポールした。T=7日、14日、及び28日に、未接種試料及びネガティブコントロール中の各生物体数を、有効な平板カウント法である混釈平板法によって定量した。混釈平板法のインキュベーション条件は表1に示す。
2.混釈平板法の有効性:
試料を段階希釈して10−1及び10−2の希釈物を得た。各試料希釈物の1-mL部分を5枚のペトリ皿のそれぞれに加えた。各試料希釈物に対して、各検証生物体を約1x10CFU/mL含む0.1-mLのアリコートをその対応するペトリ皿に加えた。並行して、各生物体の同じ接種菌体積を、カウントの確認のために試料希釈物を含めないで二枚の皿のそれぞれに一定量で分けた。約45℃に保持された溶融寒天の15−20mL部分を各皿に加え、穏やかに回転させて内容物を混合した。皿を固化させ、表1に示されたようにインキュベートした。
3.試料の調製
10mLの試料を5つのバイアルのそれぞれに移した。各バイアルは、「EC」、「PA」、「SA」、「CA」及び「AN」と別個の標識をして、一つのバイアルに試験される各生物体の標識をした。試料の10mLをネガティブコントロールと標識した一つのバイアル中に移した。別法として、上述の移送及び標識工程に対して、20mLの試料を各バイアルに移した。
4.バイオバーデンの定量
ネガティブコントロールを使用して、試料のバイオバーデンを混釈平板法によって定量した。培地及びインキュベーション条件は表1にまとめる。
5.試料の接種
生物体懸濁液のそれぞれの0.05mLを、10mLの試料を含む対応する試料バイアル中に1x10CFU/mLで接種した。接種菌懸濁液の体積は試料体積の0.5%であった。混合物を十分にボルテックスした。試験調製物の最終濃度はおよそ5.0x10CFU/mLであった。別法として、20-mLの試料が各バイアルに使用される場合、接種工程では、0.1mL以上の各検証懸濁液を移した。
6.初期濃度カウントの確認
それぞれの標準化された接種菌の平板カウントを混釈平板法によって定量した(1.0x10CFU/mL)。使用された培地及びインキュベーション条件は表1に示す。平板カウントは2組実施して各標準化接種菌の平均平板カウントを得た。試験調製物中の各検証生物体の初期濃度は次式を使用して計算した:
S x (I/P)
ここで、
S=標準化懸濁液の平均生物体濃度(1.0x10CFU/mL)
I=接種菌体積(0.05mL)
P=試験調製物の体積(10mL)
7.試料の保存と試験間隔
接種菌容器とネガティブコントロールを光から保護した状態で22.5±2.5℃でインキュベートした。各容器について表2の特定の時点でサンプリングした。接種菌試料とネガティブコントロールの平板カウントは混釈平板法によって実施した。平板のカウントは2組実施した。培地及びインキュベーション条件は表1に示すものが使用された。
Figure 0004458240
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C.許容基準
1. 有効な負荷試験では、各試験調製物中の検証生物体の濃度は1x10CFU/mLと1x10CFU/mLの間であった。有効な平板カウント法に使用された試料中には検出可能なバイオバーデンはなかった。
1. 有効な平板カウント法では、各希釈レベルでの回収された接種菌の平均カウントは対応するコントロールの平均カウントの50%以上でなければならない。もしある希釈での回収した接種菌の平均カウント。平均カウントが50%未満ならば、その希釈での全カウントは無効と考えられる。
D.解釈
1.USP
細菌では、7日目で初期計算カウントから少なくとも1.0のlog減少、14日で初期計算カウントから少なくとも3.0のlog10減少、28日で14-日カウントから増加なしでなければならない。
酵母とカビでは、7、14及び28日で初期計算カウントから増加なしでなければならない。「増加なし」は測定された過去値よりせいぜい0.5log10高いと定義される。
2.EP
非経口投与薬処方物の抗菌活性の評価基準は接種菌に対して得られる値に対する生生物体の数のlog減少として表3にまとめる。
Figure 0004458240
ACTIVASE(登録商標)t−PA及びSWFIでの試験
A.材料、装置、及び手順
試料はベンジルアルコールを含まないSWFIを含む2mg/mLのACTIVASEアルテプラーゼt−PAであった。
検証生物体と全ての培地、サプライ、及び主要な装置は上の試験に記載のものである。手順は上の試験に記載されたものと同じであり、インキュベーション条件は表1の通りであった。許容基準と解釈は上の試験と同じであった。
結果
各試験調製物中の検証生物体の計算初期濃度は1x10CFU/mLと1x10CFU/mLの間であった(表4)。
平板カウント法を使用して試料中には検出可能なバイオバーデンはなかった(表5)。
平板カウント法を、混釈平板法を使用して確認した。10−1希釈で回収された平均種菌は対応するコントロールの平均の50%以上であった(表6)。
緑膿菌及び黄色ブドウ球菌では、7日目で初期計算カウントから1.3のlog10減少以上であり、14日で初期計算カウントから3.0のlog10減少未満であり、28日で3.6のlog10減少以上であった(表7及び8)。大腸菌では、7日目で初期計算カウントから1.0のlog10減少未満であり、14日及び28日で初期計算カウントから3.0のlog10減少未満であった(表7及び8)。
酵母とカビでは、7日目で初期計算カウントから0.6のlog10減少以上であり、14日で初期計算カウントから1.0のlog10減少以上であり、28日で1.6のlog10減少以上であった(表7及び8)。
Figure 0004458240
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検討
細菌抗微生物効力試験では、この試料はUSP条件に合致しなかった。大腸菌の場合、7日で計算初期濃度の<1.0log10減少があった。14日目に、3種全ての細菌検査生物体のlog減少は<3.0log10であった。酵母及びカビの場合では、7、14及び28日には初期計算カウントからの増加はなかった。
実施例2
概要
USPの要求に対して2mg/mLのACTIVASE(登録商標)t−PAにおける0.8%ベンジルアルコールの保存料としての有効性を評価するために抗菌効力について上述のようにして試験を実施した。この試料はUSP抗菌効力試験の要求を満たした。
材料、装置及び手順
試料は0.8%のベンジルアルコールを含むバイアルに入れたACTIVASE(登録商標)t−PA(2mg/mL)であった。特に、希釈剤は滅菌水プラス0.8%最終濃度にするための適切量のベンジルアルコールであった。
検証生物体は実施例1に記載したものとした。
培地、サプライ、及び主要機器は実施例1に記載したものと同じものとした。
使用した手順は実施例1に記載したものと同じであり、インキュベーション時間は表1の通りとした。許容基準及び解釈は実施例1と同じである。
結果
結果は混釈平板法(検出可能なバイオバーデンはなし)を使用する試料中のバイオバーデン及び各試験調製物中の検証生物体の計算初期濃度(1x10から1x10CFU/mL)に対して表4及び表5に記載したものと同じであった。平板カウント法は混釈平板法によって確認した。10−1希釈の試料で回収された平均接種菌は対応するコントロールの平均の50%以上であった(表9)。細菌では、7日目で初期計算カウントからの>3.3のlog10減少があり、14日及び28日で>4.3の0のlog10減少があった(表10及び11)。酵母とカビでは、7日目で初期計算カウントから3.1のlog10減少以上であり、14日及び28日で4.6を超えるlog10減少であった(表10及び11)。
Figure 0004458240
Figure 0004458240
Figure 0004458240
結論
この試料はUSP抗微生物効力試験の要求を満たした。
実施例3
概要
USPの要求に対して2mg/mLのACTIVASE(登録商標)t−PAにおける0.9%ベンジルアルコールの保存料としての有効性を評価するために抗菌効力について上述のようにして試験を実施した。この試料はUSP抗菌効力試験の要求を満たした。
材料、装置及び手順
試料は0.9%のベンジルアルコールを含むバイアルに入れたACTIVASE(登録商標)t−PA(2mg/mL)であった。特に、希釈剤は滅菌水プラス0.9%最終濃度にするための適切量のベンジルアルコールであった。
検証生物体は実施例1に記載したものとした。
培地、サプライ、及び主要機器は実施例1に記載したものと同じものとした。
使用した手順は実施例1に記載したものと同じであり、インキュベーション時間は表1の通りとした。許容基準及び解釈は実施例1と同じである。
結果
結果は混釈平板法(検出可能なバイオバーデンはなし)を使用する試料中のバイオバーデン及び各試験調製物中の検証生物体の計算初期濃度(1x10から1x10CFU/mL)に対して表4及び表5に記載したものと同じであった。平板カウント法は混釈平板法によって確認した。10−1希釈の試料で回収された平均接種菌は対応するコントロールの平均の50%以上であった(表12)。細菌では、7日目で初期計算カウントからの>3.3のlog10減少があり、14日及び28日で>4.3の0のlog10減少があった(表13及び14)。酵母とカビでは、7日目で初期計算カウントから3.6のlog10減少以上であり、14日及び28日で4.6を超えるlog10減少であった(表13及び14)。
Figure 0004458240
Figure 0004458240
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結論
この試料はUSP抗微生物効力試験の要求を満たした。
一つの示唆されるプライミング処理では、注射用の無菌静菌水中(1mg/mL濃度)に2.2mLの0.9%ベンジルアルコールで再構成した2.2mgのCATHFLOTMACTIVASE(登録商標)凍結乾燥粉末の溶液を、血管カテーテル内に、カテーテル管腔のプライミング容積と同容量にして配することができる。ついで、溶液をカテーテルから吸引して、医療目的にカテーテルを使用する前に廃棄することができる。
実施例4
概要
USPの要求に対して2mg/mLのACTIVASE(登録商標)t−PAにおける1.0%ベンジルアルコールの保存料としての有効性を評価するために抗菌効力について上述のようにして試験を実施した。この試料はUSP抗菌効力試験の要求を満たした。
材料、装置及び手順
試料は1.0%のベンジルアルコールを含むバイアルに入れたACTIVASE(登録商標)t−PA(2mg/mL)であった。特に、希釈剤は滅菌水プラス1.0%最終濃度にするための適切量のベンジルアルコールであった。
検証生物体は実施例1に記載したものとした。
培地、サプライ、及び主要機器は実施例1に記載したものと同じものとした。
使用した手順は実施例1に記載したものと同じであり、インキュベーション時間は表1の通りとした。許容基準及び解釈は実施例1と同じである。
結果
結果は混釈平板法(検出可能なバイオバーデンはなし)を使用する試料中のバイオバーデン及び各試験調製物中の検証生物体の計算初期濃度(1x10から1x10CFU/mL)に対して表4及び表5に記載したものと同じであった。平板カウント法は混釈平板法によって確認した。10−1希釈の試料で回収された平均接種菌は対応するコントロールの平均の50%以上であった(表15)。細菌では、7日目で初期計算カウントからの>3.3のlog10減少があり、14日及び28日で>4.3の0のlog10減少があった(表16及び17)。酵母とカビでは、7日目で初期計算カウントから4.1のlog10減少以上であり、14日で4.6を超えるlog10減少であった(表16及び17)。
Figure 0004458240
Figure 0004458240
Figure 0004458240
結論
この試料はUSP抗微生物効力試験の要求を満たした。
実施例5
概要
USPの要求に対して2mg/mLのACTIVASE(登録商標)t−PAにおける1.1%ベンジルアルコールの保存料としての有効性を評価するために抗菌効力について上述のようにして試験を実施した。この試料はUSP抗菌効力試験の要求を満たした。
材料、装置及び手順
試料は1.1%のベンジルアルコールを含むバイアルに入れたACTIVASE(登録商標)t−PA(2mg/mL)であった。特に、希釈剤は滅菌水プラス1.1%最終濃度にするための適切量のベンジルアルコールであった。
検証生物体は実施例1に記載したものとした。
培地、サプライ、及び主要機器は実施例1に記載したものと同じものとした。
使用した手順は実施例1に記載したものと同じであり、インキュベーション時間は表1の通りとした。許容基準及び解釈は実施例1と同じである。
結果
結果は混釈平板法(検出可能なバイオバーデンはなし)を使用する試料中のバイオバーデン及び各試験調製物中の検証生物体の計算初期濃度(1x10から1x10CFU/mL)に対して表4及び表5に記載したものと同じであった。平板カウント法は混釈平板法によって確認した。10−1希釈の試料で回収された平均接種菌は対応するコントロールの平均の50%以上であった(表18)。細菌では、7日目で初期計算カウントからの>3.3のlog10減少があり、14日及び28日で>4.3の0のlog10減少があった(表19及び20)。酵母とカビでは、7日目で初期計算カウントから3.6のlog10減少以上であり、14日及び28日で4.6を超えるlog10減少であった(表19及び20)。
Figure 0004458240
Figure 0004458240
Figure 0004458240
結論
この試料はUSP抗微生物効力試験の要求を満たした。
実施例6
概要
アルテプラーゼ(2mg/バイアルのrt−pA)をBWFI、BNS、及びSWFIを用いて1mg/mLまで再構成した。ガラスバイアル中での再構成後のタンパク質の安定性を37℃で2週間の間、モニターした。37℃での14日の保存後に、全ての再構成した溶液が透明で無色であった。タンパク質の濃度(1.1±0.02mg/mL)及びpH(7.2±0.03)は変わらなかった。天然SECによるモノマーパーセントは37℃で、1週間後及び2週間後にそれぞれ1−3%及び4−5%だけ徐々に減少した。単鎖パーセント及び血塊溶解活性(インビトロ)の減少が37℃にて1週間後に観察された。しかしながら、単鎖パーセント及び血塊溶解活性(インビトロ)は37℃で14日後に急激に減少した。BWFI又はBNSで再構成した場合よりもSWFIで再構成したタンパク質溶液に対して、より多くのタンパク質溶解クリッピングが観察された。従って、BWFI、BNS、又はSWFIを用いて1mg/mLまで再構成したアルテプラーゼ(2mg/バイアルのrt−pA)は37℃で1週間の間、比較的安定であった。
材料と方法
A.材料
−アルテプラーゼ(2mg/バイアルのrt−pA)
−BWFI、USP、20mL(Abbott)
−静菌09%塩化ナトリウム(w/v)(BNS)注射剤、USP、20mL(Abbott)
−SWFI、USP、20mL(Abbott)
B.方法
アルテプラーゼ(2mg/バイアルのrt−pA)をBWFI、BNS、又はSWFIを用いて1mg/mLまで再構成した(2組)。再構成したタンパク質溶液を37℃で保存した。37℃で3時間、7日、及び14日の間、保存した後、再構成したタンパク質溶液の安定性を、以下に列挙したアッセイによって評価した。アルテプラーゼ(2mgのrt−pA)をBWFI、BNS、又はSWFIを用いて1mg/mLまで再構成した(2組)。それぞれの時点について一グループ当たり4つのバイアルを一つのバイアルに組み合わせた(元々5-mLのガラスバイアル)。37℃にて、T=0、3時間、7日及び14日に粒子のカウント(3x1mLのサンプリング、初回のものを破棄)をとった。
C.アッセイ
(1)色と透明性。 ガラスバイアル中の各試料を、白黒の背景を備えたライトボックス下で調べた。その結果、試料の色と透明性を記録した。
(2)HIAC/ROYCO。 4つのバイアルの再構成タンパク質溶液を測定のために組み合わせた。10-mLのシリンジを用いる5-mLの容量の代わりに、1mLの小容量を、1-mLのシリンジを用いて試験するという変更手順下で、小容量非経口投与剤用の粒状物質分析法を用いた。≧10及び≧25μmのサイズ範囲の粒子カウントを記録した。
(3)pH。 選択したアリコートのpHを、コンビネーションpH電極(Microelectrode, Inc.)を装備したRADIOMETER PHM93TM pH計を使用して測定した。pH計はpH4.01及び7.00の標準バッファー(Mallinckrodt, Inc)で標準化した。20μLのアリコートを測定のために0.5-mLのエッペンドルフ管に移した。
(4)UVによる濃度。 タンパク質濃度を280nmでのUV吸光度によって測定した。UV/VISダイオードアレイ分光光度計(HP8253A)を1cmパス長の石英キュベットと共に測定に用いた。試料を製剤バッファーを用いて10から12.5倍に希釈した。測定は適切な参照に対してはブランクとし、240から400nmのUVスキャンをとった。タンパク質濃度は次のようにして計算した:
濃度mg/mL=(A280−A320)/1.9、ここで1.9は280nmでのrt−PAの吸光度(mL/mg−cm)である。
(5)天然SECによるモノマー%。 TSK3000SWXLTM(ToSoHaas, 300x7.5-mm内径、5-μm)カラムを、ダイオード-アレイ検出器を備えたHP1090TM液体クロマトグラフィーカラム(LC)で用いた。移動相は0.2Mのアルギニン、0.12Mの硫酸アンモニウム、10%のイソプロパノール、pH7.3であった。流量は1mL/分であった。試料(50μgのrt−PA均等物)をシングレットで注入し280nmで検出してクロマトグラムを集めた。モノマーパーセントは次のようにして計算する:
モノマー%=(モノマーピーク面積)/(タンパク質に起因する全ピーク面積)x100
(6)還元SECによる単鎖%。 TSK3000SWXLTM(ToSoHaas, 300x7.5-mm内径、5-μm)カラムを、ダイオード-アレイ検出器を備えたHP1090TMLCで用いた。移動相は0.2Mのリン酸ナトリウム、0.1%のSDS、pH6.8であった。流量は1mL/分であった。試料(12.5μgのrt−PA均等物)を37℃で3−5分間、20mMのDTT(最終濃度)と共にインキュベートし、一組で注入した。クロマトグラムを214nmでの検出でモニターした。単鎖(SC)パーセントは次のようにして計算する:
SC%=(第1主ピーク面積)/(第1及び第2主ピーク面積の合計)x100
(7)rt−PAに対する精製血塊溶解活性。 タンパク質の作用強さを以下の実施例7に記載した精製血塊溶解アッセイによって評価した。試料をアッセイ範囲(200−1000ng/mL)まで、希釈剤を用いて2通りの濃度に希釈した。希釈はアッセイの前の日まで行われ、希釈した試料は次の日の分析まで2−8℃で保存された。rt−PA参照材料を内部参照として同様に希釈した。
結果
実験の結果を表21及び22に示す。37℃で14日間の保存後に、全ての再構成した溶液が透明で無色であった。タンパク質の濃度(1.1±0.02mg/mL)及びpH(7.2±0.03)は変わらなかった。表21は、37℃での保存後にBWFI、BNS、及びSWFIを用いて1mg/mLに再構成したアルテプラーゼ(2mg/バイアルのrt−pA、n=1)のHIAC/ROYCOによる粒子カウントを示す。その表は、希釈剤だけの場合と比較して、再構成後の全てのタンパク質の場合に粒子カウントの増加があることを示している(≧10及び25μm)。しかし、全ての結果は小容量注入(SVI、表23を参照)に対するUSP限界内に十分にある。37℃で経時的に保存された再構成薬物製品に対して粒子カウントの減少が見られた。粒子カウントはまたSWFIで再構成した場合よりもBWFI及びBNSで再構成したタンパク質溶液に対して、より低い数のカウントを示した。
全ての再構成した溶液は37℃で14日後に残る94−95%モノマーを有していた(表22)。単鎖%及び血塊溶解活性(インビトロ)の双方の試験は37℃で1週間後に減少を示した。単鎖%はSWFIよりもBWFI又はBNSで再構成したタンパク質の場合により高かった。如何なる理論にも限定されるものではないが、これは、保存料がタンパク質分解活性を阻害する結果であると思われる。37℃で2週間後に、SWFIで再構成されたタンパク質溶液の単鎖パーセントは50%以下まで低下し、これはrt−PAにおける単鎖の安定性仕様(≧55%)より低い。
単鎖の二本鎖への転換に加えて、37℃で2週間後の再構成タンパク質溶液の還元型SECクロマトグラムは分子のクリッピング/断片を明らかにしており、これは経時的に温度上昇時にタンパク質分解切断が増大することを示唆している(図1を参照)。図1は、クリッピング又は断片に加えて、単鎖から二本鎖rt−PAへのより大なる転換が、37℃で14日間の保存後にBWFI又はBNSよりもSWFIで再構成されたrt−PAにおいて観察された。
血塊溶解活性(インビトロ)は、全ての再構成したアルテプラーゼ溶液(1mg/mL)は37℃で3時間後に100%以上の作用強さを保持していたことを示している(表23)。全ての試料が無色又は透明であった。37℃で1週間の保存後に活性は低下し始めたが、約90%(初期値T=0に対して)の活性がなお残っていた。37℃で2週間後には活性の急激な低下があり、44−65%の活性だけが残った。
Figure 0004458240
Figure 0004458240
Figure 0004458240
結論
BWFI、BNS、又はSWFIを用いて1mg/mLで再構成したアルテプラーゼ(2mg/バイアルのrt−pA)は、ガラスバイアル中、37℃で1週間の間、比較的安定であった。BNS溶液は、活性成分はベンジルアルコールであるので、抗微生物活性であると思われる。BNSを使用する安定性試験はポジティブであり、つまりアルテプラーゼは安定で機能性であった。
実施例7
概要
一般生理食塩水中で0.01mg/mLまで希釈したt−PAは血塊溶解効力試験で溶解的に活性であることが見いだされた。このような試験では、トロンビンとフィブリノーゲンが混合されてフィブリンが生成され、プラスミノーゲンとrt−PAが混合されてプラスミンが生成され;フィブリンとプラスミンが合わさって血塊を溶解させる。試験はプラスミノーゲンに作用してプラスミンを生成し、よって血塊を溶解させるt−PAの効力を測定する。
材料と方法
A.材料
アルテプラーゼ(2mg/バイアルのrt−pA)を0.9%NaCl(一般生理食塩水、NS)含有IVバッグ(Baxter及び/又はAbbott, 250mL)中、0.01、0.025、0.05及び0.1mg/mLの最終タンパク質濃度まで希釈した。すなわち、タンパク質バルクのrt−PAを、濾過MILLI−QTM水で1mg/mL(50-mgバイアル製剤等価物、0.004%TWEEN80TM界面活性剤)まで希釈するか、又は100-mgバイアルrt−PAを、注射剤用滅菌水で1mg/mL(0.008−0.011%TWEEN80TM界面活性剤)に再構成し、ケークの中心にバイアルのゴム隔壁を通して直接挿入した18Gの針と60-ccBDシリンジを用いた。ケークが完全に溶解するまで、バイアルをゆっくり逆さにするか回転作用により穏やかに混合した。IV希釈剤(0.9%NaCl、NS)を引き上げ、次のようにして同量の再構成又は希釈された1mg/mLのrt−PAに置き換えた:
最終濃度(mg/mL) 250mLIVバッグ から除去した容積(mL)
(ついで、同容量の1mg/mLrt−PAと置換)
0.05 12.5(30ccBDシリンジ、18G針)
0.024 6(10ccBDシリンジ、22G針)
0.01 2.5(3又は5ccBDシリンジ、22G針)
*バッグの過剰充填は考慮せず。
IVバッグへの希釈後(各濃度に対してn=2)、バッグを逆さにして(約20−24回)穏やかに混合した。10-mLアリコートを、10ccBDシリンジ及び22G針を使用してIVバッグの入口ポートから取り出した。アリコート(t=0)を視覚検査のために20ccI型透明ガラスバイアル中に直接分配した。同様にして、0.025及び0.05mg/mLのプラシーボ等価物をまた物理的に検査した。
B.アッセイ:
1.視覚検査
各アリコートを白黒の背景のライトボックスの下で検査した。アリコートを、コントロールとした同サイズのガラスバイアル中の同容量のSWFI又は濾過MILLI−QTM水と比較した。その結果、アリコートの色と透明性を記録した。
2.精製血塊溶解試験(微量遠心機アナライザー(試験1)及びプレートリーダー(試験2)):
アルテプラーゼt−PAタンパク質の作用強さを以下に記載する精製血塊溶解アッセイによって評価した。希釈剤を用いて3又は2通りの濃度のアッセイ範囲(200−1000ng/mL)まで試料を希釈した。希釈はアッセイの前の日に行われ、希釈した試料は次の日の分析まで2−8℃で保存された。rt−PA参照材料を内部参照として同様に希釈した。
a.装置:
蛍光及び光散乱能及びビルトインコンピュータを備えたアナライザーアセンブリとローダーアセンブリからなるIL MONARCH微量遠心機アナライザーモデル番号761TMを用いた。
b:試薬:
−1%(v/v)のPOLYSORBATE80TM乳化剤(JT Baker)。
−アッセイバッファー:0.02%(w/v)のNaNを含む0.06Mの硫酸ナトリウム(0.0114F NaHPO・HO、0.0486F NaHPO)と0.01%(v/v)のPOLYSORBATE80TM乳化剤、pH7.4±0.1。
−使用準備が整うまで−60℃以下で凍結された非開放バイアルに保持されたヒトトロンビン(30−40ユニット/mL)。
−使用まで−60℃以下に凍結されたプラスミノーゲン。
−次のようにして調製されたバイオセルのフィブリノーゲン:フィブリノーゲンと血塊溶解バッファーを室温にした。全体で7mLの血塊溶解バッファーをバイアルに加えた。バイアルにキャップをしてパラフィルムをかけた。そのバイアルを更に横にして置くか軌道振盪機にテープでつけた。速度を4と5の間に設定した。バイアルを1時間になるまで振盪し、如何にケークが溶解するかを見て調べた。ケークが完全に溶解したときに溶液を50mLのファルコンチューブに移した。バイアルを血塊溶解バッファーを用いて少なくとも3回すすぎ、すすいだものをフアルコンチューブに移して、あらゆる残留球状物又は粒子を捕捉した。溶液を、チューブの目盛りを使用して30mLの最終容積にした。全てのタンパク質を振盪後に溶解させた。溶液は少なくとも2−3時間の間、濡れた氷上にセットされ、周期的に穏やかに振盪された。WHATMANTM1番紙を使用して、溶液を沈殿物からデカントすることによって、溶液を濾過した。濾過した液を氷の上に置いた。
−参照材料(標準ACTIVASE t−PA)。 t−PAを含む全溶液をポリスチレン又はポリプロピレン容器に保持した。
c.標準物質の調製:
参照材料を出発物として、10μg/mLの標準保存液を調製した。希釈度をアッセイデータシートに記録した。残りの標準物質は次の希釈スキームに従って調製した。全ての標準物質を氷の上に保持して標準曲線の使用期限は調製時から12時間であった。
標準物質 rt−PA源 アッセイバッファー
200ng/mL 保存液200μL 9.8mL
400ng/mL 保存液400μL 9.6mL
600ng/mL 保存液600μL 9.4mL
800ng/mL 保存液800μL 9.2mL
1000ng/mL 保存液1000μL 9.0mL
標準保存液と残りの標準物質の調製を繰り返して二本の標準曲線を作成した。
d.試料の調製:
i.最初の調製
試料が凍結乾燥材料の最終バイアルである場合、注射用水(WFI)で容量的に1mg/mLに再構成した。試料が殺菌バルク材料である場合、WFIで1mg/mLまで希釈した。
ii.試料保存液の調製
マイクロピペットを使用して、1.0-mg/mLのrt−PA試料の100μLをピペットで15mLのポリスチレンチューブにとった。全体で9.90mLのアッセイバッファーを、10mLの目盛り付きポリスチレンピペット又は容積測定ピペットプラスマイクロピペットを使用してチューブに添加した。この溶液を試料保存液と命名した。
iii.作用試料の調製
マイクロピペットを使用して、600μLの試料をピペットで15mLのポリスチレンチューブにとった。9.40mLのアッセイバッファーを、10mLの目盛り付きポリスチレンピペット又は容積測定ピペットプラスマイクロピペットを使用してチューブに添加した。これは試料カップに充填される試料溶液であった。希釈した試料を氷の上に維持した。
iv. 試料保存調製及び作用試料調製工程を繰り返して2組の試料希釈物を調製した。
v.ポジティブアッセイコントロールの調製
rt−PAの試料を1mg/mLに再構成し、0.5mLのアリコートをエッペンドルフ管にピペットでとり、−60℃で凍結することによってコントロールを調製した。新しいチューブをアッセイを実施するそれぞれの日に解凍した。試料と同じように100μLの試料を使用してコントロールを希釈した。希釈したコントロール試料を氷上に保持した。
e.MONARCH2000TMアナライザーの手順(アッセイ1)
アッセイは次のようにして作用する:試薬は化学反応に関与する他の物質の溶液に加えられる物質である。この場合、ボート1の内容物はボート2の内容物と反応して標準化血塊を形成する。トロンビン(ボート2)は、プラスミノーゲン及びフィブリノーゲン(ボート1)と混合されると、フィブリノーゲンのフィブリンへの転換を引き起こし、プラスミノーゲン及びフィブリンからなる標準化インビトロ血塊を形成する。t−PAの試験試料がついで血塊に暴露される。t−PAはプラスミノーゲンのプラスミンへの転換を引き起こし、ついでプラスミンがフィブリンストランドをバラバラにする。血塊がバラバラになると、吸収(光)特性が変化する。吸光度は時間に対してプロットされる。
アナライザーのピペット先端をチェックして、それが正しく配列されているかを確認し、水槽をチェックしてそれがいっぱいであることを確認した。シリンジは必要に応じて泡抜きを行い、洗浄サイクルを実施した。
アナライザーパラメータは表24に示した。
Figure 0004458240
試薬ボート1は10.0mLの濾過したフィブリノーゲンに200μLの再構成したプラスミノーゲンを添加して調製した。これを穏やかに混合して試薬ボート1に入れた。試薬ボート1をアナライザー試薬テーブルの最初の位置に配した。
試薬ボート2は試薬ボート2に33ユニット/mLの上述のトロンビン溶液を添加して調製した。試薬ボート2はアナライザーの位置2に配した。
0.25mLの試料カップを試料リングに配した。使い捨てホールピペット又はPIPETMANTMピペットを使用して、表25の示唆される負荷スキームに示した標準物質、コントロール、及び試料を同じカップに満たした。2つの試料よりも少ない状態で実施される場合は、負荷は示されたようになされ、アッセイバッファー又は水を任意の介在する空の試料カップにピペットで入れた。
Figure 0004458240
MONARCH2000TMアナライザーの「特別リクエスト」ボタンを押した。同じカップ情報を入力した。「アクセプト」ボタンを二回押した。MONARCH2000TMアナライザーがピペット操作を終了した後、試薬ボートを除去して氷上に配した。同じリングを除去し、2−8℃の冷蔵庫に配した。
i.終末点の決定:
終末点(溶解時間)をコンピュータプログラム又はマニュアルで決定することができる。コンピュータによる自動計算では、終末点は血塊を溶解させるのに必要な時間であり、自動的に決定される。マニュアルでの終末点の決定では、終末点は変化が0.003吸光度ユニット未満である0.03吸光度ユニットより低い最初の時点として定義される。すなわち、マニュアルでの決定では、終末点は吸光度時間データから決定した。0.0330未満の最初の吸光度ポイントを見つけた。終末点は、現在の吸光度と次の吸光度の吸光度変化が0.0030未満である場合に0.0300未満の最初の吸光度値の時間として決定した。デルタ吸光度が0.0030より大きい場合には、次の吸光度の読み値に移動し、デルタ吸光度を決定した。終末点はデルタ吸光度が0.0030未満である対(初期及び次の吸光度値)の最初の吸光度値であった。
ii.計算:
各標準曲線の点に対する平均溶解時間を計算した。標準濃度(ng/mL)と平均終末点時間(秒単位である)をlog値に変換した。log濃度(x軸)対log時間(y軸)の標準曲線を作成した。
線形回帰分析から得た傾きと切片値を使用して、各試料のlog濃度をlog溶解時間(終末点)から計算した。得られたlog濃度の逆対数をとって、希釈係数(例えば1667)を乗じてユニット/mLを得た。
Figure 0004458240
標準曲線のシステム適合性を、システム適合性テストを使用して評価した。このテスト下である測定値が有効であるためには、標準に対する相関係数が−0.997と−1.000の間で、コントロールがその許容値の±10%以内でなければならない。システム適合性に合致しない場合には、標準曲線は4つの連続点以上の線形回帰分析を実施することによって再定義することができる(つまり、最初又は最後の標準を省略できる)。
結果をユニット/バイアル、ユニット/mg、ユニット/mL、IU/バイアル、IU/mg又はIU/mLとして必要に応じて報告した。コントロールについては、5つ全ての複製物を平均化した。システム適合性は上述のようにして評価した。最後のバイアル試料については、試料希釈当たりの5つ全ての複製物を平均した。平均の結果は二つの試料希釈物からものを報告した。これはユニット/バイアルで報告されており、ここでユニット/バイアル=平均ユニット/mL x mL/バイアルである。バルク試料に対しては、平均の結果を二つの試料希釈物から報告した。報告はユニット/mgであり、ここで、
*特異的活性(ユニット/mg)=活性のユニットmL/タンパク質mg/mL
*ユニット/mg又はユニット/mgは適切な国際単位変換係数を乗じることにより国際単位(IU)/mL又はIU/mgに変換することができる。
COA及び安定性の試験の場合は、試料の試験は3日のそれぞれにつき一ローターを使用して繰り返した。3日の結果の平均を報告した。アッセイをインハウスコントロールの結果に基づき、及び/又は明瞭誤差又は不定誤差に基づいて繰り返すことができる。最終の結果は複数回の試験の平均として報告されうる。
f.プレートリーダーアッセイ2の手順:
プレートリーダーのスイッチを入れて、サーモスタットの温度を25℃に設定した。ランプを少なくとも30分温めた。トロンビンを20μLの量、各ウェルに加えた。トロンビンを、マルチチャンネルピペットを使用して中間プレートから又は試薬リザーバから添加することができる。ウェル当たり20μLの希釈標準物質(2組)をウェルB2−B6及びC2−C6に添加した。ウェル当たり20μLのコントロールをウェルD2−G2に添加し、20μLの試料を垂直方式の4組の残りのウェルにプレート当たり最大9つの試料まで加えた。標準物質、コントロール又は試料を含まない列B−Gのウェルは20μLのアッセイ希釈剤を含む。rt−PA試料をマルチチャンネルピペットを使用して中間プレートから又は単一のチャンネルピペットで個々に添加しうる。
Figure 0004458240
フィブリノーゲン溶液をプラスミノーゲンの添加前に室温にした。ウェル当たり200μLのフィブリノーゲン-プラスミノーゲンをプレートを横切ってできるだけ速やかにプレートに添加した。
フィブリノーゲン-プラスミノーゲンの添加後に、プレートを即座にプレートリーダー中に配し、データ収集を始めた。最初の読み値はプレートにフィブリノーゲン-プラスミノーゲンの添加を2分行ってとり、血塊の最大吸光度を記録した。
340nmでのプレートの吸光度を集めて、全ウェルに対するベースライン吸光度が達成されるまで(通常1時間)、適当な時間間隔(通常は30秒)で読みとった。
i.計算
終末点の決定(最大溶解の半分までの時間)を次のようにして行った:溶解時間を、吸光度が最大の半分の吸光度に達する時間として計算した。最大吸光度はそのウェルに対して記録された最大血塊不透明度に対応した。バックグラウンド吸光度は完全に溶解した血塊の最小吸光度に対応した。生のデータ点(秒単位の溶解時間)を、標準、コントロール及び試料複製物のそれぞれに対して平均した。平均値のlogを計算した。
標準曲線は溶解時間(log秒−y軸)対rt−PA標準曲線タンパク質濃度(log ng/mL−x軸)のデータを入力してプロットした。
線形回帰分析から得た傾きと切片値を使用して、各試料のlog濃度をlog溶解時間から計算した。得られたlog濃度の逆対数をとって、希釈係数(例えば1667)を乗じてユニット/mLを得た。
Figure 0004458240
最終のバイアルサンプリングに対して、単位を、ユニット/バイアルで報告した。ここで、
ユニット/バイアル=平均ユニット/mL x mL/バイアル。
滅菌バルク試料に対して特異的活性が必要とされる場合は、ユニット/mgの5つの複製物全部の平均を報告した。ここで、
*特異的活性(ユニット/mg)=活性のユニットmL/タンパク質mg/mL
*ユニット/mg又はユニット/mgは適切な国際単位変換係数を乗じることにより国際単位(IU)/mL又はIU/mgに変換することができる。
システム適合性を決定した。決定が有効であるためには、標準に対する相関係数が−0.995と−1.000の間で、コントロールがその許容値の±10%以内でなければならない。システム適合性に合致しない場合には、標準曲線は4つの連続点以上を使用して計算プログラムを再び実施することによって再定義することができる(つまり、最初又は最後の標準を省略できる)。
rt−PA活性を、アッセイデータシートで要求されるように、ユニット/バイアル、ユニット/mg、ユニット/mL、IU/バイアル、IU/mg又はIU/mLとして報告した。アッセイはインハウスコントロールの結果に基づき、及び/又は明瞭誤差又は不定誤差に基づいて繰り返すことができる。最終の結果は複数回の試験の平均として報告されうる。
結果
視覚検査によって、NSで0.01、0.025及び0.05mg/mLに希釈したアルテプラーゼt−PAは、最初及び室温での24時間の注入(フィルターなし)後において無色、透明から、僅かに乳白色の溶液であった。NS中0.1mg/mLでは、アルテプラーゼt−PAは希釈直後は僅かに濁った溶液で、注入期間全体にわたってそのままであった。
大半の事例では、全濃度に対して24時間かけて集めた全てのフラクションが、血塊溶解活性アッセイによって評価して90%を越える特異的活性を示した。
結論
0.9%NaClのIVバッグ(500mL)中で0.01、0.02及び0.05%mg/mLに希釈した回収t−PA(5mg/mL)は、雰囲気条件で24時間の保存後に溶解的に活性であった。
実施例8
概要
一般生理食塩水中で0.01mg/mLまで希釈したテネクテプラーゼは血塊溶解効力試験で溶解的に活性であることが見いだされた。このような試験では、トロンビンとフィブリノーゲンが混合されてフィブリンが生成され、プラスミノーゲンとテネクテプラーゼが混合されてプラスミンが生成され;フィブリンとプラスミンが合わさって血塊を溶解させる。試験はプラスミノーゲンに作用してプラスミンを生成し、よって血塊を溶解させるテネクテプラーゼの効力を測定する。
材料と方法
A.材料と化学薬品
*テネクテプラーゼ、TNKASETM、50mgバイアル
*0.9%NaCl注射剤、USP、500mL(Baxter)
*10mLのSWFI、USP(Abbott)
*3cc、5cc及び10ccBDシリンジ
*22Gの1.5針
*5ccのWHEATONTMのI型透明ガラスバイアル
*20mmの灰色のブチルゴム液体ストッパー
B.方法
ジェネンテック社(例えば米国特許第5612029号)から得たテネクテプラーゼ(t−PA変異体TNKASETM)(50mg/バイアル)を10mLのSWFIで5mg/mLに再構成した。3及び5ccのシリンジと22G針を使用して、1、2、5mLの一般生理食塩水(NS)を2組の別個のIVバッグ(500mLのNS, Baxter)から除去した。同じ用量を再構成薬剤製品で置き換えて、0.01、0.02及び0.05mg/mLのバッグ内最終テネクテプラーゼ濃度を得た。ついで、バッグを逆さにして穏やかに混合した。希釈されたテネクテプラーゼ溶液の10mLのアリコートを10ccシリンジでIVポートを介してサンプリングし、2つの5ccの清浄な透明ガラスバイアル(一方に6mLで他方に残り)中に分配した。希釈されたテネクテプラーゼを含むIVバッグを、24時間、雰囲気条件で通常の蛍光下のベンチ上部に配した。これらのIVバッグから更なるアリコート(それぞれ10mL)を、8時間及び24時間の保存後にサンプリングした。
C.アッセイ
pH測定を、微小電極(MI-410TM, Microelectrode, Inc.)とRADIOMETER PHM93TM pH計を使用して実施した。pH計は雰囲気条件での測定前に、pH4.01及び7.00のバッファー標準で標準化した。
テネクテプラーゼの全てのアリコートを上述の血塊溶解アッセイにかけて、これらのアリコート中のテネクテプラーゼのインビトロ生物活性を測定した。希釈剤を用いてアッセイ範囲(200−500ng/mL)内の2又は3の異なった濃度に試料を希釈した。テネクテプラーゼを内部参照として使用した。得られた全ての値をテネクテプラーゼ参照材料に対して正規化した。生物活性を遠心分離前後の血塊溶解によってアッセイした。
結果
結果のまとめを表26に示す。より高いテネクテプラーゼ濃度(NS中0.05mg/mL)に対して観察されたpH(7.1−7.2)は低濃度のもの(0.01及び0.02mg/mLでそれぞれpH6.7−6.8及びpH6.8−6.9)より僅かに高かった。これは多量の緩衝テネクテプラーゼ(5mg/mL、pH7.3)が初回希釈のためにIVバッグに直接添加されるためである。しかし、全てのpH値が雰囲気条件で24時間の保存後にも変わらないままであった。
血塊溶解活性及びタンパク質濃度(RP-HPLCで決定)を各試料アリコートの遠心分離前後で実施した。これは、裸眼には見えない沈殿物が結果のより精確な解釈のためにアッセイ前に除去されるようにするためであった。全ての場合において、遠心分離後の結果は遠心分離前より活性と濃度の双方について僅かに低く、少量の沈殿が生じたことを示唆している。表26は遠心分離の前と後の濃度のパーセント変化を示しており、これは、タンパク質の消失が、より高濃度(0.5mg/mL)でよりも、最初は希釈の直ぐ後では0.01及び0.02mg/mLでより高いことを示している。低濃度(0.01mg/mL)でのこのパーセント変化は保存時間が増大すると増加した。0.01mg/mLでは、濃度のパーセント変化は希釈直後に57%であり、24時間後に71%まで増加した。0.02及び0.05mg/mLでは有意な変化は観察されなかった。この観察は、如何なる理論に限定されるものではないが、通常は即座に生じ、時間と共に飽和する低濃度でより顕著なタンパク質吸着が生じるためであると説明できる。
表27は、0.01、0.02及び0.05mg/mLの標的濃度に対するタンパク質回収パーセントがそれぞれ40−50%、65%及び86−92%であったことを示している。この回収パーセントは、IVバッグ内の過剰充填容積が考慮されなかったので、過小評価されており、回収されたタンパク質は予想された標的濃度(IVバッグ中10%の過剰充填があると仮定)よりも少なくとも10%低いであろう。
回収されたタンパク質の血塊溶解活性(遠心分離後)は雰囲気条件での24時間の保存時にも有意には変化しなかった。0.01、0.02及び0.05mg/mLでの回収タンパク質の総括特異的活性パーセントはそれぞれ≧100%、≧92%、≧80%であった(表27)。
Figure 0004458240
Figure 0004458240
結論
上記したt−PAの場合のように、0.9%NaClのIVバッグ(500L)中、0.01、0.02及び0.05%mg/mLまで希釈された回収テネクテプラーゼ(5mg/mL)は室温条件で24時間保存後に溶解的に活性であった。
上述の組成物と調製物は黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌及び真菌のような感染性生物体のカテーテル表面への付着及びコロニー形成を防止するのに有効であると期待される。
図1は、ガラスバイアル中に37℃で14日間保存した後の、再構成されたrt−PA(1mg/mLで、BWFI、BNS、及びSWFI含有)の還元型SECクロマトグラムを示す。

Claims (22)

  1. 水、フィブリン溶解に有効な量のプラスミノーゲンアクチベーター、及び保存料として有効な量の静菌有機アルコールを含有し、キレート剤を含有していない、カテーテルからのフィブリン結合血塊除去に有用な組成物。
  2. プラスミノーゲンアクチベーターが組織型プラスミノーゲンアクチベーター又はウロキナーゼである、請求項1に記載の組成物。
  3. プラスミノーゲンアクチベーターが、天然配列t−PA、天然配列ウロキナーゼ、レテプラーゼ、又はテネクテプラーゼである、請求項2に記載の組成物。
  4. プラスミノーゲンアクチベーターが天然配列t−PA又はテネクテプラーゼである、請求項3に記載の組成物。
  5. 有機アルコールがベンジルアルコール、イソプロパノール、又はエタノールである、請求項1ないし4の何れか1項に記載の組成物。
  6. 有機アルコールがベンジルアルコールである、請求項1ないし5の何れか1項に記載の組成物。
  7. プラスミノーゲンアクチベーターのフィブリン溶解に有効な量が、0.1から10mg/mLであり、有機アルコールの保存料として有効な量が0.5から1.2%(v/v)である、請求項1ないし6の何れか1項に記載の組成物。
  8. プラスミノーゲンアクチベーターのフィブリン溶解に有効な量が、0.3から4mg/mLである、請求項1ないし7の何れか1項に記載の組成物。
  9. 上記アルコールを含む水が、注射用の静菌水であるか、静菌一般生理食塩水である、請求項1ないし8の何れか1項に記載の組成物。
  10. フィブリン結合血塊を該血塊を含むカテーテルから除去する方法であって、請求項1ないし9の何れか1項に記載の組成物に上記カテーテルを少なくとも5日間接触させる、方法。
  11. カテーテルを組成物に6から15日間接触させる、請求項10に記載の方法。
    の製剤。
  12. フィブリン溶解に有効な量のプラスミノーゲンアクチベーターを含む区画と、保存料として有効な量の有機アルコールを含む水を含む区画を具備し、何れの区画にもキレート剤を含まず、かつ、両方の区画の内容物を混合し、得られた混合物を使用して、フィブリン結合血塊を該血塊を含むカテーテルから除去する指示書を含む、カテーテルからフィブリン結合血塊を除去するための複数区画パッケージ。
  13. プラスミノーゲンアクチベーターが組織型プラスミノーゲンアクチベーター又はウロキナーゼである、請求項12に記載のパッケージ。
  14. プラスミノーゲンアクチベーターが、天然配列t−PA、天然配列ウロキナーゼ、レテプラーゼ、又はテネクテプラーゼである、請求項13に記載のパッケージ。
  15. プラスミノーゲンアクチベーターが天然配列t−PA又はテネクテプラーゼである、請求項14に記載のパッケージ。
  16. 有機アルコールがベンジルアルコール、イソプロパノール、又はエタノールである、請求項12ないし15の何れか1項に記載のパッケージ。
  17. 有機アルコールがベンジルアルコールである、請求項12ないし16の何れか1項に記載のパッケージ。
  18. プラスミノーゲンアクチベーターのフィブリン溶解に有効な量が、0.1から10mg/mLであり、有機アルコールの保存料として有効な量が0.5から1.2%(v/v)である、請求項12ないし17の何れか1項に記載のパッケージ。
  19. プラスミノーゲンアクチベーターのフィブリン溶解に有効な量が、0.3から4mg/mLである、請求項12ないし18の何れか1項に記載のパッケージ。
  20. キットであり、各区画が別個の容器であるか、パッケージが複数区画のシリンジである、請求項12ないし19の何れか1項に記載のパッケージ。
  21. 上記アルコールを含む水が、注射用の静菌水であるか、静菌一般生理食塩水である、請求項12ないし20の何れか1項に記載のパッケージ。
  22. .1から10mg/mLの天然配列t−PA又はテネクテプラーゼを含む区画と、0.5から1.2%(v/v)のベンジルアルコール、イソプロパノール又はエタノールを含む水を含む区画を具備し、何れの区画にもキレート剤を含まず、かつ、両方の区画の内容物を混合し、得られた混合物を使用して、フィブリン結合血塊を該血塊を含むカテーテルから除去する指示書を含む、カテーテルからフィブリン結合血塊を除去するための複数区画パッケージ。
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