JP4452904B2 - ウエイトフィラ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は、ロードセルにより重量を計測しつつ容器内に液体の充填を行うウエイトフィラに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来のウエイトフィラは、回転体の外周に円周方向等間隔で設けたびん台と、このびん台に連結して回転体に設け、びん台上の容器の重量を計測するロードセルと、各びん台の上方にそれぞれ設けた充填ノズル等を備えており、各びん台上に一本ずつ供給した容器を、回転体の回転に伴って回転搬送している間に、ロードセルによって重量の計測をしつつ充填ノズルから液体の充填を行うようになっている（例えば、特開平４−１５４５０１号公報参照）。
【０００３】
ところで、近年、液体を充填する容器として樹脂製のペットボトル等が広く用いられている。このような樹脂製の容器は、きわめて軽量で不安定なため、通常のコンベヤ等によって高速搬送することが困難なので、容器の首部に形成されたフランジ部を下面側から支持し、または、グリッパにより首部を把持して搬送するネック搬送が行われている。
【０００４】
前記のようにネック搬送をしながら充填等の処理を行う充填システムがすでに知られている。このようなネック搬送充填システムでは、例えば、エア搬送コンベヤによって搬送してきた容器を、導入ホイールのグリッパによりネックを把持してフィラのグリッパに引き渡し、回転搬送する間に充填ノズルから容器内に液体の充填を行い、さらに、ネック搬送をしつつ中間ホイール等を介してキャッパ等の容器処理装置に順次受け渡して処理を行い、所定の処理が終了した後排出コンベヤ上に排出し、次の工程に送るようになっている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
前記ネック搬送による充填システムでは、容器の首の高さを基準にして保持搬送をしているので、異なるサイズの容器に兼用する場合にも、各処理装置やコンベヤ、ホイール等の高さを調整する必要がなく、兼用性に優れている。しかしながら、前述のように従来のウエイトフィラは、ロードセルに連結したびん台上に容器を載せて計量しつつ充填を行うので、ネック搬送をしてきた容器を一度びん台上に降ろさなければならない。従って、前記充填システムに従来のウエイトフィラを組み込むと、異なるサイズの容器に兼用する場合には、高さの調整をしなければならないため対応が困難であった。
【０００６】
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、容器の首部（ネック）を把持して搬送しつつ容器内に液体の充填を行うことが出来るウエイトフィラを提供することを目的とするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るウエイトフィラは、垂直方向の荷重を検出するように設置されたロードセルと、このロードセルに設けられ水平に突出させた荷重印加部と、この荷重印加部の先端に垂直方向に設けられた支持軸と、容器の首部が収まる凹部が形成され前記支持軸に回転可能に連結されたネック支持プレートと、このネック支持プレートに設けられ、前記荷重印加部の突出方向と逆の方向から押し込まれた容器の首部を弾性力により把持するグリップ手段と、前記荷重印加部とネック支持プレートを所定の位置関係に保持して回転を規制するとともに、所定以上の回転方向の負荷によりその規制を解除する回転規制手段と、グリップ手段に把持されている容器内に液体を充填する充填ノズルとを備え、前記ロードセルによって荷重を検出しつつ、グリップ手段に把持されている容器内に所定量の液体の充填を行うようにしたものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により本発明を説明する。図１は本発明の一実施の形態に係るウエイトフィラ２を含む充填システム全体の概略構成図、図２は本発明の一実施の形態に係るウエイトフィラ２の要部の縦断面図、図３は図２の平面図である。エア搬送等の供給コンベヤ４によって搬送されてきた容器６は、導入ホイール８のグリッパ１０によって首部（ネック）６ａを把持されて回転搬送され、受け渡し位置Ａにおいてウエイトフィラ２のグリッパ１２に引き渡される。ウエイトフィラ２のグリッパ１２は、後に説明するように、容器６の首部６ａに形成されたフランジ６ｂの下側を弾性力により把持して、この容器６を吊り下げた状態で回転搬送する。
【００１０】
ウエイトフィラ２では、グリッパ１２が容器６の首部６ａを把持して搬送する間に、グリッパ１２に把持されている各容器６の上方に位置するように設けられた充填ノズル１４から容器６内に液体が充填される。内部に液体が充填された容器６は、中間ホイール１６を介してキャッパ１８に引き渡され、キャッピングが行われた後、排出ホイール２０を介して排出コンベヤ２２上に排出され、次の工程に送られる。なお、中間ホイール１６、キャッパ１８および排出ホイール２０でも、容器６の首部６ａを把持し、または首部６ａに設けられたフランジ６ｂの下面側を支持して搬送するネック搬送が行われる。
【００１１】
次に、図２および図３によりウエイトフィラ２について詳細に説明する。図示しない垂直軸線（図２の右方に位置する）を中心に、水平面内で回転する回転体２４の外周寄りに、垂直な取り付けプレート２６を介してロードセル２８が取り付けられている。垂直な取り付けプレート２６の上部にボックス３０が取り付けられ、このボックス３０内の水平な固定台３２上に、ロードセル２８の一端（回転体２４の半径方向内方側の端部）２８ａが固定され、他端２８ｂが固定台３２上に浮いた状態で支持されている。このロードセル２８の他端２８ｂ側には、前記回転体２４の放射方向の線上に沿って水平方向に突出するロッド（荷重印加部）３４が設けられており、このロッド３４の先端３４ａに負荷される垂直方向の荷重を検出するようになっている。なお、ボックス３０の前面には、ロッド３４が干渉しないように大きい開口部３０ａが設けられており、この開口部３０ａはブーツ３６により覆われている。
【００１２】
前記ロッド３４の先端に、グリッパ取り付けブロック３８が固定され、さらに、この取り付けブロック３８の下面に、垂直方向の支持軸４０の一端が挿入固定されている。この支持軸４０の下端側に、ネック支持プレート４２が回転可能に連結されている。このネック支持プレート４２の前面側には、容器６の首部６ａの外径とほぼ一致する内径を有する半円弧状の凹部４２ａが形成されている。さらに、前記グリッパ取り付けブロック３８の下面と、支持プレート４２の上面との間に、シャーピン４４が挿通されてこれら両者３８，４２の相対回転が規制されている。このシャーピン４４は、ネック支持プレート４２に対し、所定以上の大きさの回転方向の負荷が加えられると破断して支持プレート４２の回転を許容するようになっている。
【００１３】
ネック支持プレート４２の下面側には、このプレート４２の中心を通る線Ｏ（図３参照）の両側の対称位置に、二本の垂直な支点軸４６が固定されている。これら各支点軸４６には、それぞれアーム４８の基部がベアリング５０を介して回転自在に支持されている。これら両アーム４８は、引っ張りばね５２によって接近する方向に常時引かれている。両アーム４８の先端部４８ａは、容器６の首部６ａをこれら両アーム４８間に挿入し易いようにテーパ状に切り欠かれており、さらに、これら先端切欠き部４８ａに続いて、容器６の首部６ａの外径にほぼ一致する内径の円弧状部４８ｂが設けられている。これら両アーム４８，４８、引っ張りばね５２および支点軸４６，４６によって容器６を把持するグリップ手段としてのグリッパ１２が構成されている。
【００１４】
前記各グリッパ１２によって把持された容器６の上方に位置するように、それぞれ充填ノズル１４が設けられており、グリッパ１２によって把持されている容器６が、回転体２４の回転に伴って回転する間に、図示しない充填バルブを開放してこの充填ノズル１４から容器６内に液体を充填するようになっている。
【００１５】
以上の構成に係るウエイトフィラ２の作動について説明する。供給コンベヤ４によって搬送されてきた容器６は、導入ホイール８の外周寄りに設けられているグリッパ１０に把持される。図２に示すように、導入ホイール８のグリッパ１０は、容器６の首部６ａに設けられているフランジ部６ｂの上方を把持する。導入ホイール８の回転によって容器６を保持しているグリッパ１０がウエイトフィラ２への受け渡し位置Ａに接近すると、容器６の首部６ａが、ウエイトフィラ２のグリッパ１２の両アーム４８先端に設けられたテーパ面４８ａに沿って次第に半径方向内方側に押し込まれる。
【００１６】
容器６の首部６ａがテーパ面４８ａに沿って押し込まれると、両アーム４８は引っ張りばね５２に抗して次第に押し広げられ、両アーム４８の内面の円弧状部４８ｂ内に容器６の首部６ａが嵌合する。すると、両アーム４８は、再び引っ張りばね５２によって引きつけられ、その弾性力によって容器６の首部６ａを両側から把持する。ウエイトフィラ２のグリッパ１２は、容器６の首部６ａに形成されたフランジ６ｂの下面側を把持するようになっており、また、グリッパ１２の上方に設けられているネック支持プレート４２の先端面に形成された円弧状の凹部４２ａが、導入ホイール８のグリッパ１０が把持している位置よりも上部に当接して支持する。
【００１７】
前述のように、容器６を、荷重印加部としてのロッド３４がロードセル２８から突出している方向とほぼ逆の方向から、グリッパ１２内に押し込んで把持させるようにしたので、ロードセル２８に作用する偏荷重やモーメントを減少させることが出来る。そして、このようにネック搬送が可能なウエイトフィラ２を得ることが出来るので、ウエイトフィラ２を用いた充填システム全体をネックを基準にした搬送系により構成することが出来る。
【００１８】
しかも、前記ウエイトフィラでは、ロードセルを垂直方向の荷重を検出するように設置することにより、このロードセルが上下方向にたわむようにするとともに、水平方向に突出した荷重印加部に、突出方向と逆方向から押し込み荷重をかけるようにしている。このような構成にしたことにより、容器受け渡し時にロードセルがたわむことを防止することが出来る。もしもロードセルがたわんで、このたわみが反発により振動に変わると重量の計測に影響を及ぼしてしまうが、本発明の構成では、容器受け渡し時にロードセルのたわみが起こらないので、その後の充填重量の計測に影響が出るおそれがないという効果も得られる。
【００１９】
また、導入ホイール８や中間ホイール１６との容器６の受け渡し時に、容器６が引っ掛かる等によりグリッパ１２への引き渡しがうまくいかず、グリッパ１２に回転方向の負荷がかかるような場合には、支持プレート４２の前面の凹部４２ａ内に容器６の首部６ａが収まらず、この支持プレート４２に回転方向の大きい荷重がかかることになるが、所定以上の偏荷重がかかると前記シャーピン４４が折れて支持プレート４２が回転できるようになってるので、ロードセル２８を損傷する等のおそれがない。なお、所定以上の負荷が作用するまでは支持プレート４２およびグリッパ１２の回転を規制する回転規制手段は、前記シャーピン４４に限るものではなく、その他従来周知の手段、例えば、グリッパ取付ブロック３８の下面に形成した位置決め凹部と、ネック支持プレート４２の上面に突出可能にボールプランジャを設けた構成等により回転の規制およびその解除を行うこともできる。
【００２０】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、垂直方向の荷重を検出するように設置されたロードセルと、このロードセルに設けられ水平に突出させた荷重印加部と、この荷重印加部の先端に垂直方向に設けられた支持軸と、容器の首部が収まる凹部が形成され前記支持軸に回転可能に連結されたネック支持プレートと、このネック支持プレートに設けられ、前記荷重印加部の突出方向と逆の方向から押し込まれた容器の首部を弾性力により把持するグリップ手段と、前記荷重印加部とネック支持プレートを所定の位置関係に保持して回転を規制するとともに、所定以上の回転方向の負荷によりその規制を解除する回転規制手段と、グリップ手段に把持されている容器内に液体を充填する充填ノズルとを備え、前記ロードセルによって荷重を検出しつつ、グリップ手段に把持されている容器内に所定量の液体の充填を行うようようにしたので、ウエイトフィラにおいてネック搬送を行うことが可能になり、ペットボトル等の高速ラインにウエイトフィラを用いることができるようになった。また、容器受け渡し時にロードセルがたわむことを防止できるので、その後の充填重量の計測に悪影響を及ぼすおそれがない。しかも、ロードセルにモーメントや偏荷重がかかりにくくなり、ロードセルを破損するおそれが少なくなった。さらに、グリップ手段に大きな負荷がかかる場合には、グリップ手段を荷重印加部に対して回転させることにより、荷重印加部やロードセルに過大な負荷がかかることを防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態に係るウエイトフィラを含む充填システムの全体の構成を示す平面図である。
【図２】本発明の一実施の形態に係るウエイトフィラの要部の縦断面図である。
【図３】図２の平面図である。
【符号の説明】
２ ウエイトフィラ
６ 容器
１２ グリップ手段（グリッパ）
１４ 充填ノズル
２８ ロードセル
３４ 荷重印加部（ロッド）

Claims (1)

1. 垂直方向の荷重を検出するように設置されたロードセルと、このロードセルに設けられ水平に突出させた荷重印加部と、この荷重印加部の先端に垂直方向に設けられた支持軸と、容器の首部が収まる凹部が形成され前記支持軸に回転可能に連結されたネック支持プレートと、このネック支持プレートに設けられ、前記荷重印加部の突出方向と逆の方向から押し込まれた容器の首部を弾性力により把持するグリップ手段と、前記荷重印加部とネック支持プレートを所定の位置関係に保持して回転を規制するとともに、所定以上の回転方向の負荷によりその規制を解除する回転規制手段と、グリップ手段に把持されている容器内に液体を充填する充填ノズルとを備え、前記ロードセルによって荷重を検出しつつ、グリップ手段に把持されている容器内に所定量の液体の充填を行うことを特徴とするウエイトフィラ。

Images