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JP4447750B2 - 窒化アルミニウム焼結体および半導体製造用部材 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体および半導体製造用部材 Download PDF

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JP4447750B2
JP4447750B2 JP2000232598A JP2000232598A JP4447750B2 JP 4447750 B2 JP4447750 B2 JP 4447750B2 JP 2000232598 A JP2000232598 A JP 2000232598A JP 2000232598 A JP2000232598 A JP 2000232598A JP 4447750 B2 JP4447750 B2 JP 4447750B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化アルミニウム焼結体およびこれを利用した耐蝕性部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハーを吸着し、保持する方法としては、ジョンソン・ラーベック力を利用した静電チャック方式が有用である。静電チャックの基材の体積抵抗率を108 −1012Ω・cmとすることにより、高い吸着力と高い応答性とを得ることができる。従って、静電チャックを開発する際のポイントは、基材の体積抵抗率を、使用温度範囲において108 −1012Ω・cmに制御することである。
【0003】
例えば、本出願人は、特願平9−315867号公報において、高純度の窒化アルミニウムに酸化イットリウムを微量添加することによって、その体積抵抗率を室温で108 −1012Ω・cmに制御できることを開示した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特願平9−315867号公報に記載のような窒化アルミニウム焼結体においては、抵抗値の低下は可能であったが、印加電圧が変化したときにリーク電流の変化が大きく、いわゆる電圧非直線抵抗体的な挙動を示すことがわかった。即ち、窒化アルミニウム焼結体にVの電圧を印加したときのリーク電流をIとし、VとIとの関係式をI=k( Vのα乗) ( kは定数であり、αは非線形係数である) とした場合のαの値が、1.5−2.0といった高い値となることが分かった。こうした非オーミックな電圧−電流挙動は、半導体製造装置用の部材、特に静電チャック電極を内蔵した半導体用サセプターなどにおいては好ましくない。例えば、セラミックス静電チャックの場合には、静電チャック電極と表面との間には誘電体層があるが、誘電体層の厚さには若干のバラツキないし偏差がある。静電チャック電極と静電チャックの表面との間の電圧は一定であるから、誘電体層が厚い領域では印加電圧(V/mm)は小さくなり、誘電体層が薄い領域では印加電圧が大きくなる。印加電圧の変化に対して、リーク電流が非オーミックに変化すると、リーク電流の面内における偏差が大きくなるので、吸着力が不安定になる可能性がある。
【0005】
本発明の課題は、高純度な窒化アルミニウム焼結体において、体積抵抗率を低下させ、かつ印加電圧とリーク電流との間での電圧非直線抵抗体的な挙動を抑制することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、窒化アルミニウムを主成分とし、窒化アルミニウム結晶の多結晶構造を有しており、セリウムを酸化物に換算して0.01重量%以上、1.0重量%以下含有するものであって、室温における体積抵抗率が、500V/mmの印加電圧において、1×10Ω・cm以上、1×1012Ω・cm以下であると共に、X線回折法で測定したときに確認される相が、窒化アルミニウム単相、又は、窒化アルミニウム相とアルミン酸セリウム相とである場合を含み、さらに、Vの電圧を印加したときのリーク電流をIとし、VとIとの関係式をI=k(Vのα乗)(kは定数であり、αは非線形係数である)とした場合のαの値が、Vが100V/mm以上から1000V/mmの範囲において1.0以上、1.5以下であることを特徴とする、窒化アルミニウム焼結体に係るものである。
【0007】
本発明者は、窒化アルミニウム焼結体中に少量のセリウムを含有させることによって、焼結体の体積抵抗値を低下させつつ、かつ印加電圧とリーク電流との間の電圧非直線抵抗体的な挙動を抑制できること、場合によってはほぼオーミックな挙動が得られることを発見し、本発明に到達した。
【0008】
本発明の焼結体におけるアルミニウムの含有量は、窒化アルミニウム粒子が主相として存在し得るだけの量である必要があり、好ましくは35重量%以上であり、更に好ましくは50重量%以上である。
【0009】
窒化アルミニウム結晶の多結晶構造中には、窒化アルミニウム結晶以外に、微量の他の結晶相を含んでいてよい。
【0010】
本発明の効果を奏する上で、セリウムの含有量は、酸化物に換算して0.01重量%以上である必要がある。この観点から、セリウムの含有量は
酸化物に換算して0.1重量%以上とすることが一層好ましい。
【0011】
また、セリウムの含有量が1.0重量%を超えると、窒化アルミニウム焼結体の体積抵抗率が増加する傾向があるので、体積抵抗率を低くする上でセリウムの含有量を1.0重量%以下とする。この観点からセリウムの含有量を酸化物に換算して0.7重量%以下とすることが一層好ましい。
【0012】
なお、特開平11−100271号公報には、セリウムを酸化物に換算して2−20mol%の範囲で含有し,かつCeAlO3 を含有する、体積抵抗率の低い窒化アルミニウムセラミックスが記載されている。このセリウム含有量を重量%に換算すると、約7.9−51重量%となる。これは、窒化アルミニウムセラミックスに多量のセリウムを添加することによって、窒化アルミニウム粒子の粒界に多量のCeAlO3 (アルミン酸セリウム)を析出させ、粒界にアルミン酸セリウムの連続相を生成させ、この連続相に電気を流すものである。
【0013】
本発明の窒化アルミニウム焼結体をX線回折法で測定すると、窒化アルミニウム単相である場合と、窒化アルミニウム相とアルミン酸セリウム相とからなる場合とがある。一般に、焼結体中におけるセリウムの含有量が多くなると、アルミン酸セリウム相が生成する傾向がある。
【0014】
特に、高出力XRDによって測定すると、窒化アルミニウム相、およびアルミン酸セリウム相とCeAl1118相との一方または双方が検出されることがある。高出力XRDにおける測定条件は後述する。
【0015】
好ましくは、セリウムを除く金属不純物の含有量が100ppm以下であり、特に好ましくは、50ppm以下である。これによって、半導体用途等の高度に不純物を嫌う用途に適した高耐蝕性の焼結体を提供できる。
【0016】
また、本発明の好適な実施形態においては、窒化アルミニウム焼結体において、セリウムを除く希土類元素の含有量が酸化物に換算して0.01重量%以上、0.5重量%以下である。
【0017】
本発明者は、セリウムを微量添加した本発明の窒化アルミニウム焼結体において、場合によっては一部の焼結体の表面に、赤褐色から茶色の色むらが発生することを見出した。ただし、この色むらに対応するような各種特性の変化は一切観測されていない。
【0018】
本発明者は、微量のセリウム以外の希土類元素をセリウムと共に添加し、酸化物に換算して0.01重量%以上の前記希土類元素を含有させることによって、各種特性の変化をほとんど生じさせることなく、色むらを防止ないし抑制できることを見出した。
【0019】
焼結体の色むら防止という観点からは、セリウムを除く希土類元素の含有量は、酸化物に換算して0.03重量%以上とすることが一層好ましい。
【0020】
また、半導体用途等の高度に不純物を嫌う用途に適した高耐蝕性の焼結体を提供するという観点、および低い体積抵抗率を得るという観点からは、希土類元素の含有量は、酸化物に換算して0.5重量%以下とすることが好ましい。
【0021】
また、半導体用途等の高度に不純物を嫌う用途に適した高耐蝕性の焼結体を提供するという観点からは、アルミニウムおよび希土類元素(セリウムを含む)を除く金属元素の含有量を100ppm以下とすることが好ましく、50ppm以下とすることが一層好ましい。
【0022】
前記希土類元素は特に限定されないが、イットリウム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、エルビウム、イッテルビウムが好ましく、イットリウムが特に好ましい。
【0023】
本発明の窒化アルミニウム焼結体では、好ましくは、炭素の含有量が0.05重量%以下である。
【0024】
また、窒化アルミニウム焼結体を構成する窒化アルミニウムの結晶の平均粒径は、5μm以上、20μm以下であることが好ましい。
【0025】
窒化アルミニウム焼結体の相対密度は、95%以上であることが好ましい。
【0026】
本発明の窒化アルミニウム焼結体においては、印加電圧とリーク電流との関係における電圧非直線抵抗体的挙動が抑制されている。具体的には、Vの電圧を印加したときのリーク電流をIとし、VとIとの関係式をI=k( Vのα乗) ( kは定数であり、αは非線形係数である) とした場合のαの値が、Vが100V/mm以上から1000V/mmの範囲において1.0以上、1.5以下とできる。
【0027】
このような顕著な作用効果が得られる原因は明らかではないが、次のように推測できる。
【0028】
高純度の窒化アルミニウム粉末を焼結した場合には、粒界での障壁が高く、粒界における電気伝導がトンネル効果的となり、この結果非オーミックな電気伝導特性を示すものと思われる。
【0029】
また、例えば微量の酸化イットリウムを高純度の窒化アルミニウム粉末に対して添加し、焼結した場合には、焼結体中の窒化アルミニウム粒子には酸素が固溶し、粒子内電気抵抗が低下する。しかし、粒界での障壁が高く、粒界における電気伝導がトンネル効果的となり、この結果非オーミックな電気伝導特性を示すものと思われる。
【0030】
これに対して、微量の酸化セリウムを高純度の窒化アルミニウム粉末に対して添加し、焼結した場合には、窒化アルミニウム原料粉末に含まれる不純物酸素(アルミナの形で存在している)が酸化セリウムと反応し、アルミン酸セリウム相を生成し、窒化アルミニウムの液相焼結を促進する。
【0031】
液相焼結が促進された結果、窒化アルミニウム粒子が粗大化する。最終的な焼結体においても、セリウム−アルミニウム酸化物は粒界における析出物として残留が確認されている。また、この液相焼結に伴い、原料粉末に含まれる酸素の一部が窒化アルミニウム粒子内に固溶し、窒化アルミニウム粒子内に酸素によるドナー準位が形成され、粒子の粒子内抵抗が低下すると考えられる。このように、窒化アルミニウム粒子が粗大化することによって抵抗の高い粒界の数が減少し、かつ粒子の粒子内抵抗が低下することによって、焼結体のバルクとしての体積抵抗率が低下するものと考えられる。
【0032】
これと共に、粒界の障壁が、酸化セリウムの添加によって低下し、この結果窒化アルミニウム粒子同士がオーミックな接触をしているものと思われる。ただし、こうした粒界における抵抗値の制御については不明な部分が多い。
【0033】
窒化アルミニウムの原料は、直接窒化法、還元窒化法、アルキルアルミニウムからの気相合成法などの種々の製法によるものを使用できる。
【0034】
窒化アルミニウムの原料粉末に対して、硝酸セリウム、硫酸セリウム、シュウ酸セリウムなど、加熱によって酸化セリウムを生成する化合物(酸化セリウム前駆体)を添加できる。酸化セリウム前駆体は、粉末の状態で添加できる。また、硝酸セリウム、硫酸セリウムなどの化合物を溶剤に溶解させて溶液を得、この溶液を原料粉末に添加できる。このように、酸化セリウム前駆体を溶媒中に溶解させた場合には、窒化アルミニウム粒子間にセリウムを高度に分散させることができる。これは、セリウムの添加量が少ない場合に特に有用である。
【0035】
焼結体の成形は、乾式プレス、ドクターブレード法、押し出し、鋳込み等公知の方法を適用できる。
【0036】
本発明の焼結体は、ホットプレス焼成によることが好ましく、被焼成体を50kgf/cm2 以上の圧力下でホットプレス焼結させることが好ましい。
【0037】
本発明の焼結体は、シリコンウエハーの処理装置や液晶ディスプレイ製造装置のような半導体製造装置内の各種部材として、好適に用いることができる。
【0038】
本発明の焼結体は、特に半導体製造装置用のサセプター等の耐蝕性部材に適している。また、この耐蝕性部材中に金属部材を埋設してなる金属埋設品に対して好適である。耐蝕性部材としては、例えば半導体製造装置中に設置されるサセプター、リング、ドーム等を例示できる。サセプター中には、抵抗発熱体、静電チャック電極、高周波発生用電極等を埋設できる。
【0039】
また、本発明の焼結体は前記のように抵抗値が低く、かつ高純度であり、かつ印加電圧−リーク電流の関係がオーミックな挙動に近いことから、静電チャックの基材に対して特に有用である。この静電チャックの基材の内部には、静電チャック電極の他、抵抗発熱体、プラズマ発生用電極等を更に埋設できる。
【0040】
【実施例】
以下、実際に窒化アルミニウム焼結体を製造し、その特性を評価した。
【0041】
市販の還元窒化粉末と、市販の硝酸セリウムとを使用し、表2−表6に示す各実施例、比較例の焼結体を作製した。この粉末の組成を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0004447750
【0043】
窒化アルミニウム粉末100重量部と、表2−表6に示す各重量(重量部単位で示す。酸化物に換算した)の硝酸セリウムとを秤量し、イソプロピルアルコール中に投入し、ナイロン製のポットおよび玉石を用い、4時間湿式混合した。混合後、スラリーを取り出し、スラリーを110℃で乾燥した。乾燥粉末を、450℃で5時間、大気雰囲気中で熱処理することによって、湿式混合時に混入したナイロン成分を焼失させ、焼成用の原料粉末を得た。硝酸セリウムはイソプロピルアルコールに溶解する。
【0044】
この原料粉末を200kgf/cm2 の圧力で一軸加圧成形し、直径100mm、厚さ20mmの円盤状成形体を作製した。この成形体を黒鉛モールド内に収納した。ホットプレス法によって、成形体を焼結させた。プレス圧力を200kgf/mm2 とし、焼成温度を1900℃または2000℃とし、1900℃または2000℃で4時間保持し、冷却した。室温と1000℃との間は真空とし、1000℃と1900℃または2000℃との間は、1.5kgf/cm2 の圧力で窒素ガスを導入した。
【0045】
得られた焼結体について、以下の評価を行い、評価結果を表2−表6に示した。
【0046】
(密度) 純水を媒体としたアルキメデス法により測定した。
(不純物金属の含有量) 誘導結合プラズマ発光スペクトルにより定量した。
(酸素量) 不活性ガス融解赤外線吸収法により定量した。
(炭素量) 高周波加熱赤外線吸収法により定量した。
(CeO2 含有量) 誘導結合プラズマ発光スペクトルによってセリウムの量を定量し、この定量値からCeO2 の含有量を算出した。
(結晶相) XRDにより同定した。測定条件は、CuKαを用い、35kV、20mA、2θを20−70°とした。
(結晶相:高出力XRD) 高出力XRDにより同定した。測定条件は、CuKαを用い、50kV、300mA、2θを20−70°とした。
【0047】
(室温体積抵抗率) 真空中において、JIS2141に基づいた絶縁物の体積抵抗率測定法により測定した。ただし、試験片の寸法は50mm×50mm×1mmとし、主電極の直径を20mmとし、ガード電極の内径を30mmとし、ガード電極の外径を40mmとし、印加電極の径を45mmとし、電極の材質として銀を使用した。印加電圧は50V/mm−1000V/mmの範囲内で変化させた。電圧を印加した後、1分後の電流値を読み取り、体積抵抗率を算出した。なお、表2−表5の「室温体積抵抗率」の欄には、印加電圧500V/mm時の体積抵抗率を記載した。なお、表中の「9E+11」という表記は、「9×1011」を意味しており、その他も同様の意味である。
【0048】
(熱伝導率) レーザーフラッシュ法により測定した。
(強度) JIS R 1601に基づいた室温4点曲げ強度試験法による。
(AlN粒径) 電子顕微鏡によって焼結体の微構造を観察し、30個の粒子の粒径を測定し、その平均値を記載した。
(α) 印加電圧を100−1000V/mmで変化させ、リーク電流の値を図1に示すようにプロットした。なお、図1においては、実施例1、10、比較例1、6のグラフを示した。図1においては、縦軸Iはリーク電流を示しており、かつ対数表記されている。また、横軸Vは印加電圧を示しており、かつ対数表記されている。各例のプロットを最小二乗法によって直線に近似し、この直線の傾きを算出し、この傾きをαとして表に示した。
【0049】
(色むら)
以下の場合には色むらがあるものとと判定した。
(1)社団法人 日本工業会発行の「塗料用標準色見本帳」の表示記号において、色相区分および/または明度区分が異なる場合
(2)社団法人 日本工業会発行の「塗料用標準色見本帳」の表示記号において、色相区分および明度区分が同一であり、彩度区分が2段階以上異なる場合
【0050】
【表2】
Figure 0004447750
【0051】
【表3】
Figure 0004447750
【0052】
【表4】
Figure 0004447750
【0053】
【表5】
Figure 0004447750
【0054】
【表6】
Figure 0004447750
【0055】
実施例1−6においては、焼結体におけるCeO2 の含有量は、0.05−0.74重量%であり、原料調合時よりも若干減少する傾向が見られる。酸素量は0.80−0.94重量%であり、比較的大きい。焼結体におけるCeO2 の含有量が0.20重量%以下では焼結体はほぼ窒化アルミニウム単相であるが、CeO2 の含有量が0.20重量%を超えるとアルミン酸セリウム相が析出してくる。いずれの焼結体の室温体積抵抗率も比較的低く、αは低い。
【0056】
比較例1においては、CeO2 の含有量が0.0001重量%未満であるが、体積抵抗率が高く、αも大きい。比較例2、3においては、CeO2の含有量が1重量%を超えているが、体積抵抗率が高い。
【0057】
実施例7−15においては、焼結体におけるCeO2 の含有量は、0.01−0.98重量%である。酸素量は0.58−0.82重量%であり、比較的大きい。いずれの焼結体の室温体積抵抗率も比較的低く、αも低い。
【0058】
比較例4においては焼結体におけるCeO2 の含有量は0.0001重量%未満であり、体積抵抗率が高く、αも大きい。比較例5においては焼結体におけるCeO2 の含有量は高く、体積抵抗率が高い。比較例6においては、原料粉末中にセリア粉末を添加せず、その変わりにイットリア粉末を0.3重量部添加することによって、焼結体の体積抵抗率を下げている。焼結体中には、0.28重量%のイットリアが含有されていたが、セリアの含有量は0.0001重量%未満であった。この結果、室温における体積抵抗率は著しく低下したが、αは2になった。
【0059】
また、高出力XRDによって測定すると、実施例1、2、7、8においては、AlN相に加えてCeAl1118相が検出され、実施例11−15においては、AlN相に加えてCeAlO3 相が検出され、実施例3、4、5,6、9、10においては、AlN相に加えてCeAl1118相およびCeAlO3相が検出された。
【0060】
また、実施例16−19においては、酸化セリウムに加えてイットリアを添加したが、結晶相、体積抵抗率、熱伝導率、強度、α等の特性には顕著な変動はなかった。そして、実施例16−19においては、赤褐色から茶色の色むらが防止された。
【0061】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、高純度な窒化アルミニウム焼結体において、体積抵抗率を低下させ、かつ印加電圧とリーク電流との間での電圧非直線抵抗体的な挙動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各例の焼結体における印加電圧Vとリーク電流Iとの関係を示すグラフである。

Claims (11)

  1. 窒化アルミニウムを主成分とし、窒化アルミニウム結晶の多結晶構造を有しており、セリウムを酸化物に換算して0.01重量%以上、1.0重量%以下含有するものであって、
    室温における体積抵抗率が、500V/mmの印加電圧において、1×10Ω・cm以上、1×1012Ω・cm以下であると共に、
    X線回折法で測定したときに確認される相が、窒化アルミニウム単相、又は、窒化アルミニウム相とアルミン酸セリウム相とである場合を含み、
    さらに、Vの電圧を印加したときのリーク電流をIとし、VとIとの関係式をI=k(Vのα乗)(kは定数であり、αは非線形係数である)とした場合のαの値が、Vが100V/mm以上から1000V/mmの範囲において1.0以上、1.5以下であることを特徴とする、窒化アルミニウム焼結体。
  2. アルミニウムおよびセリウムを除く金属元素の含有量が100ppm以下であることを特徴とする、請求項1記載の窒化アルミニウム焼結体。
  3. セリウムを除く希土類元素の含有量が酸化物に換算して0.01重量%以上、0.5重量%以下であることを特徴とする、請求項1または2記載の窒化アルミニウム焼結体。
  4. アルミニウムおよび希土類元素を除く金属元素の含有量が100ppm以下であることを特徴とする、請求項3記載の窒化アルミニウム焼結体。
  5. 前記希土類元素がイットリウムであることを特徴とする、請求項3または4記載の窒化アルミニウム焼結体。
  6. 前記イットリウムは、YAl12として焼結体中に存在することを特徴とする、請求項5記載の窒化アルミニウム焼結体。
  7. 炭素の含有量が0.05重量%以下であることを特徴とする、請求項1−6のいずれか一つの請求項に記載の窒化アルミニウム焼結体。
  8. 窒化アルミニウム焼結体を構成する窒化アルミニウムの結晶の平均粒径が5μm以上、20μm以下であることを特徴とする、請求項1−7のいずれか一つの請求項に記載の窒化アルミニウム焼結体。
  9. 請求項1−8のいずれか一つの請求項に記載の窒化アルミニウム焼結体によって少なくとも一部が構成されていることを特徴とする、半導体製造用部材
  10. 前記半導体製造用部材が、前記窒化アルミニウム焼結体からなる基材と、この基材中に埋設されている金属部材とを備えていることを特徴とする、請求項9記載の半導体製造用部材
  11. 前記金属部材が少なくとも静電チャック電極を含むことを特徴とする、請求項10記載の半導体製造用部材
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