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JP4338900B2 - 内燃機関の運転方法及び装置 - Google Patents

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
従来の技術
本発明は、内燃機関の運転方法及び装置に関する。
【0002】
内燃機関を運転するためには、入力の大きさに応じて内燃機関の出力を内燃機関の出力パラメータの制御によって調節するという、新しい制御システムが存在している。障害、特にエンジン制御のための電子制御装置内の障害による望ましくない運転状態を避けるために、内燃機関の確実な運転並びに内燃機関の可用性を保証する多様な監視システムが用意されている。DE−A 195 36 038(米国特許第5,692,472号)には、トルクベースの内燃機関の制御の監視が開示されている。そこでは、少なくともアクセルペダル位置に基づいて最大許容トルクが求められる。更に、内燃機関の実際のトルクがエンジン回転数、点火角調整及び負荷(空気質量、等)に応じて計算される。監視のために、最大許容値は計算された実際値と比較される。実際値が最大許容値をオーバーしていると、エラー反応処理が開始される。この監視システムは内燃機関の信頼性があり且つ満足の行く監視をもたらす。しかしながら、このシステムは、測定された、内燃機関に供給される空気質量に依拠している。少なくとも一つの運転状態の下で、希薄な空気/燃料の混合気で運転される内燃機関、例えば直接噴射式のガソリンエンジン或いはディーゼルエンジンの場合には、測定された空気質量から求められたトルクが実際の値に対応しておらず、従って、この場合には上記の監視システムは実際には制限付きでしか利用出来ない。それ故、例えば成層運転による直接噴射式のガソリン内燃機関の場合、検出された空気質量と調整された点火角は、実際のトルクの計算のために十分ではない。
【0003】
本発明の課題は、少なくとも一つの運転状態の下で、希薄な空気/燃料の混合気で運転される内燃機関の制御を監視するための一つのコンセプトを示すことである。
【0004】
この課題は、独立の特許請求の範囲の特徴部のメルクマールによって達成される。
ガソリン直接噴射式の内燃機関のための監視システムは、ドイツ出願 DE 197 29 100.7 から知られている。そこでは、燃焼された燃料の質量に基づいて内燃機関の実際トルクが求められ、アクセルペダル位置に基づいて求められた許容最大トルクと比較され、実際トルクが上記の最大トルクをオーバーしている場合に、エラー反応が開始される。
【0005】
更に、同じくドイツ出願 DE 198 41 151.0 からは、少なくとも一つの運転状態の下で、希薄な空気/燃料比で運転される内燃機関の監視のために、少なくとも一つの運転状態の下で、近似的に化学量論的な或いは過濃な空気/燃料比による内燃機関の運転だけか或いは制限された空気供給による運転だけを許し、その際に内燃機関の運転を内燃機関の少なくとも一つの運転パラメータの大きさに基づいて監視することが知られている。
【0006】
更に別の個別のシステムを、DE−A1 196 20 038 が示している。そこでは、燃料配分システムの監視のために、排気ガス組成を検出するセンサの信号が、前もって定めておくことの出来る値からの偏移についてチェックされる。
【0007】
これ等の個別のシステムは、いずれも単に個別的な問題点のための解決策を示しているか、或いは制御システムの可用性を制限している。可用性と完全性という観点から満足出来る監視のコンセプトは提示されていない。
【0008】
本発明の利点
少なくとも一つの運転状態の下で、希薄な空気/燃料の混合気で運転される内燃機関の制御の完全な監視を可能にする方法が説明される。その際に、ソフトウェアのエラー或いはハードウェアのエラーに基づく上記の様な内燃機関の指示エンジントルクの、運転者の意思に対して許されない上昇が、信頼の出来る方法で回避される。上記の指示エンジントルクとは、混合気の燃焼によって直接生み出される内燃機関のトルクをいう。内燃機関から出力されるトルクは、指示エンジントルクから、損失トルクと負荷トルクとを考慮して算出される。
【0009】
特に有利なことは、監視の精度が改善されるということである。何故なら、絞り弁を通じて流入する空気が指示エンジントルクのための指標として利用されず、シリンダ内に噴射される燃料の質量(これがこのエンジンの希薄及び化学量論的運転状態の下ではエンジントルクの決定因子となる)が利用されるからである。
【0010】
シリンダ内に噴射された燃料の質量が噴射時間から求められるか或いは、場合によっては単に特定の運転状態の下でだけであっても、シリンダ内に噴射された燃料の質量がエンジンに供給された空気の質量と排気ガス組成から求められれば、特に有利である。特定の運転状態の下では、内燃機関を監視するための追加のシステムとして、例えば、排気ガス組成に関する因子(例えば、酸素含有率に関する尺度、λ)に基づいて監視を行うことが出来、この追加のシステムは、トルクの監視を目的とし且つこれによって監視の精度が更に向上される。
【0011】
更に、許容トルクの変化を、回転数、エンジン温度、及び運転者の意思、即ちアクセルペダルの位置、の諸因子のうちの少なくとも一つに応じてプリセットすることが有利であり、アクセルペダルの位置による場合には、ペダル角度が非常に小さい場合にはゼロ負荷よりも小さな最大許容トルクが、中間のペダル角度の場合には最大ゼロ負荷まで、また大きなペダル角度の場合には前もって与えられた関係に従って割り当てられる。これによって、エラーの際にトルク監視の満足の行く反応が達成される。
【0012】
更に、監視の際に、特別な運転状態、例えば触媒の保護、触媒の加熱、及び/又は触媒の高温維持のための積極的な処理システム等も考慮されることが有利である。
【0013】
その他の利点は以下の諸実施態様の説明或いは特許請求の範囲の記載から理解されるであろう。
実施例の説明
図1には制御ユニット10が示されており、該制御ユニットは、要素として少なくとも一つの入力回路12、少なくとも一つのマイクロコンピュータ14、出力回路16、及びこれ等を結合している通信システム18を含んでいる。入力回路12には入力線が引込まれており、これ等の入力線を通して対応する測定装置からの、運転パラメータの値を表しているか、或いは運転パラメータの値を導き出すことの出来る信号が送り込まれる。以下に説明される本発明に基づく解決策についていえば、図1には、制御ユニットを、アクセルペダルの操作角度βを表す値を求める測定装置22と結合している入力線20が示されている。更に測定装置26から出ている入力線24が備えられており、この入力線24を通してエンジン回転数Nmotを表す値が送り込まれる。更に入力線28が制御ユニット10を測定装置30と結合しており、この測定装置30は供給される空気質量hfmを表す信号を送り出す。入力線32は測定装置34から駆動ライン内の実際の変速比igesに対応する値を送り込む。更に、測定装置(42から46まで)からの運転パラメータの値を表す信号をもたらす入力線36から40までが備えられている。内燃機関の制御の際に用いられるその様な運転パラメータの例として、温度、絞り弁角度、等がある。内燃機関の制御のために、図1に示されている実施例では、出力回路16から噴射弁54の制御のための出力線(48から52まで)並びに電動モータで調節することの出来る絞り弁58の制御のための出力線56が出ている。それ等と共に、図中には示されていないが、少なくとも点火制御のための導線が備えられている。
【0014】
図2は、制御ユニット10のマイクロコンピュータ14で実行されるエンジン制御のためのプログラムと、この制御を監視するためのプログラムの基本的構造を示している。マイクロコンピュータ14には互いに分離された2つのプログラムレベル、レベル1及びレベル2、が備えられている。第1のレベルでは制御プログラムが実行され、第2のレベルでは監視プログラムが実行される。
【0015】
第1のレベルでは、アクセルペダルの操作角度βに基づいて、燃料及び空気の供給が前もって定められた空気/燃料比に応じて制御される。操作角度βに応じて、場合によってはエンジン回転数を考慮して、運転者の意思mdfawが特性曲線から及び/又は計算によって作り出される。この運転者の意志に基づくトルク或いは別の制御システムによって前もって与えられているその他の目標トルクが、指示トルクmisollのための目標値を形成する。この目標値は、噴射されるべき燃料の質量のための目標値rksollに変換される。噴射されるべき燃料の質量のための目標値は次いで、場合によっては燃料圧力を考慮して、噴射時間tiに変換される。次いで、この長さのパルスが噴射弁の最終段(HDEV)に対して送り込まれる。選ばれた運転状態の下では、絞り弁(DK)も電気的に調整されるが、このことは図示されていない。
【0016】
図2に示されている制御ユニットは、希薄混合気で運転される吸入管噴射式のエンジンを制御するための実施例によっては、ガソリン直接噴射式エンジンの制御のために、或いはディーゼルエンジンの制御のために用いられる。
【0017】
この制御の信頼性或いはこの制御の可用性を保証するために、この制御における前述の機能様態が監視されるべきである。その際に、好ましい実施例に以下の監視コンセプトが適用される。対応するプログラムは第2のレベルで実行される。
【0018】
先ず噴射された燃料の質量rkが、制御装置から出力された噴射時間ti及び、場合によっては、その他の値、例えば燃料圧力から求められる(UFRKTI)。噴射時間については、測定値或いは制御装置のメモリーセルの内容が計算のために用いられる。その後で、求められた噴射燃料質量rkが、例えば噴射時点、点火時点の効率等の効率、排気ガス組成(λゾンデ、LSUによって検出される)、絞り弁の開度、等を考慮して、出力されたエンジントルクmiへ変換される(UFMIST)。その際、上記の効率は、目標値に対して偏移した運転パラメータの値が内燃機関のトルクに対して与える影響の程度を考慮している。許容トルクmizulは、運転者の意志(或いはアクセルペダル位置β)及び/又は、場合によっては、回転数から特性曲線或いは簡単化された機能モデルによって求められる(UFMZUL)。その際、許容トルクの原則的変化は、ペダル角度が小さい場合、例えば最大許容トルクの2%よりも小さい場合には、内燃機関の出力軸の上にゼロ負荷或いはゼロトルクよりも小さなトルクをもたらし、ペダル角度がそれよりも大きい場合には、例えば10%までの場合には、最大ゼロ負荷(ゼロトルク、推力監視)をもたらす、という様に行われる。その際、ゼロ負荷は、内燃機関が最早プラスのトルクを出力しない場合における内燃機関の負荷である。ペダル角度が更に大きい場合、例えば10%よりも大きい場合には、許容トルクは、ゼロ負荷よりも大きな負荷値が生じる様に定められる。追加として、許容指示トルクは、内燃機関の負荷トルク及び損失トルクを考慮して、出力されるトルクに、またこれによって内燃機関の負荷値に変換され得る。
【0019】
求められたトルクmiは、最大許容トルクmizulと比較される(UFMVER)。代替的方法として、求められたトルクは目標トルクmisollと比較され、また目標トルクmisollは許容トルクと比較される。最初の方法の場合には、実際のトルクが許容トルクよりも大きい場合に、エラーが認知される。代替的方法の場合には、求められた実際のトルクが前もって与えられている目標トルクよりも大きい場合、及び/又は同時に前もって与えられている目標トルクが許容トルクよりも大きい場合に、エラーが認知される。
【0020】
この監視処理に加えて、ペダル角度が小さい場合には、内燃機関を燃料が噴射され無くなるまで監視することが考えられる。この監視は、例えば、触媒の保護、触媒の過熱処理、或いは触媒の高温維持処理等の例外的条件がアクティブになっていない時に行われる。この条件の場合に燃料が噴射されると、エラーが認知される。
【0021】
漏れ、最終段エラー、タンクの通気から或いはクランクシャフトハウジングからの望ましくない燃料供給等のエラー状態の場合のトルク監視を保証するために、燃料噴射が遮断された場合(ti=0及び/又はrk=0)には、排気ガスの酸素含有率についての測定値λが閾値に到達しているかどうを監視すること(UFRKC)が考えられている。その際、このλ監視の閾値は、ラムダゾンデLSUの許容差から生み出される。ラムダゾンデLSUは、λ≦1 の運転ポイントの場合に、2点ラムダソンデを用いてエラーをチェックする。代替的方法として、ゼロよりも大きな噴射時間の場合に、測定されたλが、運転ポイントに応じて許される範囲内にあるか否かが監視される。許されたλの範囲は、ラムダゾンデのプラス及びマイナスの許容差を考慮しながら、エンジンに供給される、測定された空気質量(空気質量計hfmによって検出される)と、目標燃料質量或いは求められた燃料質量と、から計算される。λ監視が反応すると、エラー反応が実行され、例えば代替機能として、λ=1運転が行われるか或いは監視される。更に、実際のトルクが燃料質量からではなく空気質量から計算され、運転の監視のために従来の技術から知られている監視システムが実行される。代替的方法として、噴射された燃料質量が、供給されて測定された空気質量(hfm)と排気ガス組成から求められ、少なくとも一つの運転状態のために設定されている限界値(例えば、rk=0)と比較される。
【0022】
図3には、監視のコンセプトの一つの好ましい実施例をコンピュータプログラムとして図示したフローダイヤグラムが示されている。ここに示されているプログラムは前もって定められた時間間隔の中で実行される。
【0023】
最初のステップ100では、出力された噴射時間tiが読込まれる。出力された噴射時間とは、例えば各々の噴射弁の領域内で或いは制御ユニットの出力の領域内で、測定された信号か或いはメモリセル内に納められている、マイクロコンピュータから出力された噴射時間である。読込まれた噴射時間に基づいて、ステップ102で実際に噴射される相対的燃料質量rkが求められる。噴射時間に応じた、相対燃料質量、即ち、標準値(Normwert)と関連付けられた燃料質量の計算は、この好ましい実施例ではレール内の燃料圧力に応じた特性曲線に基づいて行われる。これに続くステップ104では、噴射時間がゼロであるか否か、即ち燃料噴射が遮断された運転状態になっているか否かがチェックされる。燃料供給が遮断されていると、漏れ、最終段エラー、タンク通気から或いはクランクシャフトハウジングからの望ましくない燃料供給を確認するためのステップ106で排気ガス中の酸素含有率(λ)についての測定値をベースとした監視が実行される。これに加えてステップ106では、ラムダゾンデから測定値λ、或いは測定信号から導き出された値が読込まれ、これに続くステップ108で、この値が前もって与えられている閾値(λ閾値)をオーバーしているか否かがチェックされる。この閾値は、ラムダゾンデの許容差から生成され且つ当該の適用の枠組みの中で決定される。λ閾値がオーバーされていない場合には、上記のエラーの一つが発生しており且つ噴射時間のエラーにも係わらず燃料は内燃機関のシリンダ内へ達しているということが推定される。
【0024】
この場合には、ステップ106に基づいて、空気/燃料の混合気が化学量論的である、即ちλ値が1である、内燃機関の運転が開始される。従って、内燃機関は均質運転で運転される。その際には、その他の監視は実際のトルクに基づいて行われ、この実際のトルクは、冒頭で述べられた従来の技術が示している様に、相対充填度、即ち供給された空気質量に基づいて計算される。この後プログラムは終了され、次のインターバルで続行される。
【0025】
別の有利な実施例では、λ監視が単に噴射時間ゼロの時だけでなく噴射時間がゼロより大きい時にも実行される。この場合には、λ値が運転ポイントに応じた許容差帯の中にあるか否かがチェックされる。この場合、λ値の許容される許容差帯は、ラムダゾンデのプラスとマイナスの許容差を考慮して、エンジンに供給されて測定された空気質量と、目標燃料質量或いは求められた燃料質量とから計算される。測定されたλ値が前もって定められた許容差範囲をオーバーするか或いはこれを下回った場合には、ステップ110に基づく処理が開始されるか、或いはステップ108で答えが肯定(Y)となった場合と同じ様に処理が続けられる。
【0026】
図3に示されている好ましい実施例において、噴射時間ゼロ(ステップ104で答えが否定(N)であるか,或いはステップ108でチェックされたλ条件が満たされていると、ステップ112に基づいて,アクセルペダル角度β或いは該角度から導き出される運転者の意志に基づくトルクが読込まれる。ステップ114でチェックされるアクセルペダル角度が小さい領域は、一つの好ましい実施例では、2%よりも小さいアクセルペダル角度(アクセルペダルが完全に離された状態が0%、一杯に操作された[踏み込まれた]状態が100%)の領域であり、アクセルペダルが離された状態を表している。これに続くステップ114では、アクセルペダル角度が定められた下側の限界値、通常の運転領域に対してアクセルペダル角度或いは運転者の意志が小さい領域を区切っている限界値よりも大きいか否かがチェックされる。この限界値よりも大きい場合には、ステップ116で、計画通りではない燃料の噴射をもたらす例外的運転状態となっているか否かがチェックされる。この様な例外的運転領域というのは、例えば、触媒の保護、或いは触媒の加熱或いは触媒の高温維持のために、実際の運転状態よりもより多くの燃料量が噴射される様な運転領域である。この様な例外的運転状況になっている場合には、ステップ118から124に基づいて、希薄運転或いは層状給気運転の下で、以下に説明されるトルク監視が続けられる。その様な例外的運転状態になっていない場合には、内燃機関は惰行運転状態にある。この運転状態では、少なくとも限界値の上方の回転数の時に噴射時間或いは噴射された燃料質量が惰行運転中に(通常運転の際に働く燃料遮断の故に)ゼロとなる。従って、ステップ126では、エンジン回転数が定められた回転数をオーバーした時に、噴射時間或いは燃料質量がゼロであるか否かがチェックされる。噴射時間或いは燃料質量がゼロで無い場合はエラー状態であるから、ステップ124に基づいてエラー反応が開始される。このエラー反応には、当該の好ましい実施例では、例えば、内燃機関に対する空気供給の制限、化学量論的混合気による均質運転への移行、或いはエンジン出力の制限がある。ステップ124の後は、プログラムが終了され、次のインターバルで続行される。
【0027】
ステップ116に基づく例外的運転状態では、アクセルペダル角度がステップ114に基づいて限界角度β0の場合、並びに噴射時間或いは燃料質量がゼロに等しい場合に、以下に説明されるトルク監視が実行される。そのために、ステップ118において、最大許容トルクが、少なくともエンジン回転数、及び運転者の意志、即ち運転者の希望するトルク或いはアクセルペダル角度βに基づいて決定される。そのために、前もって与えられている特性曲線が利用される。一定のエンジン回転数の場合におけるこの特性曲線の一般的な概要が以下に図3に基づいて略述されている。監視が、β<閾値 の時だけ行われる場合に、特性曲線は最大アイドリング回転数までの許容トルク100%と1500/分からのゼロ負荷或いは小さなゼロ負荷で十分である。この運転状態のための許容トルクのその様な動きが図4に示されている。最大許容トルクの決定の後、ステップ120において、実際のトルクが、計算された噴射相対燃料質量、並びに噴射時点、点火時点、実際のλ調整に関する効率、並びに実際の絞り弁位置(絞り弁開度)、等に基づいて計算される。この計算は、燃料質量に、標準の値からのその時々の運転パラメータの値の偏移の影響の割合(%)を示す効率を掛けることによって行われ、これによって、相対的燃料質量と実際のトルクとの間の関係が考慮される。
【0028】
ステップ120の後は、ステップ122において、実際のトルクが最大許容トルクよりも小さいか否かがチェックされる。小さい場合には、制御が正しく行われていることが推定され、プログラムは終了される。実際のトルクが最大許容トルクをオーバーしている場合には、ステップ140に基づいてエラー反応が開始され、その後でプログラムは終了され、次のインターバルで改めて実行される。このエラー反応は、当該の好ましい実施例では、少なくとも実際のトルクが再び許容トルクの下へ降下するまでの間、内燃機関を、例えば燃料供給及び/又は点火の遮断によって、停止させることから成り立っている。
【0029】
別の好ましい実施例では、実際のトルクと最大許容トルクの比較の他に、ステップ122に基づいて、求められたエンジントルクが運転者の意志によるトルクに応じて前もって与えられた目標トルクと比較され、また前もって与えられた目標トルクが最大許容トルクと比較される。この場合には、求められたエンジントルクが前もって与えられている目標トルクをオーバーし、及び/又は同時に目標トルクが最大許容トルクの上方にある時に、エラー反応が開始される。
【0030】
運転者の意志と回転数に応じて最大許容トルクを決定するために、特性曲線、或いは制御装置の簡単化された機能モデルが与えられており、これによって諸測定パラメータの値が最大許容トルクに割り当てられる。一般的には、その際、許容トルクは、ペダル角度が小さい場合にはゼロトルクよりも更に小さく、即ち、エンジンはプラスのトルクを出力することが出来ない、ということが考えられている。それよりも大きなペダル角度で、惰行運転が行われている場合には、最大許容トルクはせいぜいゼロトルクとなる。このペダル角度では、許容トルクは運転者の意志とともに上昇して行く動きを示す。アクセルペダル角度2%の下側(アクセルペダル解放状態)では、最大マイナストルクだけが許される。アクセルペダル角度10%まで(これでも未だアクセルペダル解放状態)は、受け入れ可能な最大回転数のゼロトルクが許される。アクセルペダル角度10%を越えると(ペダルが踏み込まれた状態)、最大許容トルクは、アクセルペダル角度と共に上昇して行く動きを示す。
【0031】
アクセルペダル位置がある閾値よりも小さい時にのみ監視が実行される一つの好ましい実施例が図4に示されている。この図は特性曲線の動きを示しており、ここでは最大許容トルクmizulが、内燃機関から出力シャフトに対して出力されるトルクに換算され、横軸のエンジン回転数の上にプロットされている。許容トルクは、最大アイドリング回転数(1500/分)までは100%又1500/分からはゼロ負荷或いは小さなゼロ負荷である。
【0032】
上に説明された監視処理は、希薄な空気/燃料の混合気で運転されるガソリン内燃機関、例えばガソリン直接噴射式の内燃機関にも、ディーゼルエンジンにも適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 内燃機関の制御のための制御装置を示す。
【図2】 図1の制御ユニットのマイクロコンピュータで実行される、エンジンの制御と制御の監視のためのプログラムの基本的構造を示す。
【図3】 好ましい実施例の監視のコンセプトのフローダイヤグラムを示す。
【図4】 許容トルクとエンジン回転数の関係を示した特性曲線を示す。

Claims (12)

  1. 少なくとも一つの運転状態の時に、希薄な空気/燃料の混合気で運転される内燃機関の運転方法であって、
    目標値に応じて、噴射されるべき燃料の量である噴射燃料量を決定し、かつ、出力されるべき噴射時間を決定するステップと、
    決定された噴射燃料量及び噴射時間の少なくとも一つに応じて、内燃機関の実際のトルクを求め、該トルクを最大許容トルクと比較するステップと、
    比較の結果、実際のトルクが最大許容トルクよりも大きい場合に、エラー反応を開始するステップと、
    内燃機関の排気ガスの酸素濃度を示す値が前もって定められている限界値をオーバーしているかどうかをチェックするステップと、
    酸素濃度が限界値をオーバーしていない場合に、エラー反応を開始するステップと
    からなり、
    前記最大許容トルクは、少なくとも運転者の要求とエンジン回転数に基づいて、運転者の要求値が最小の場合は内燃機関がマイナスのトルクだけを出力し、また運転者の要求値が小さい場合は、最大ゼロトルクだけを出力し、また運転者の要求値が大きい場合は前記最大許容トルクの運転者要求の依存性がプラスのトルクの領域内で与えられるように、決定される
    ことを特徴とする運転方法。
  2. 請求項1記載の運転方法において、前記噴射される燃料の量は、燃料圧力を考慮して、前記噴射時間に基づいて決定されることを特徴とする運転方法。
  3. 請求項1又は2記載の運転方法において、前記実際のトルクは、実際に噴射された燃料の量と、噴射時期、点火角、スロットル開度の1つの運転パラメータの効率とから計算されることを特徴とする運転方法。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の運転方法において、前記計算された実際のトルクが最大許容トルクをオーバーした場合に、少なくとも実際のトルクが最大許容トルクを再び下回るまで、燃料供給が遮断されることを特徴とする運転方法。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の運転方法において、噴射時間が全く出力されない運転状態の時に、前記酸素濃度に関する値の監視が行われることを特徴とする運転方法。
  6. 請求項1〜4いずれかに記載の運転方法において、前記噴射された燃料の量が、供給された空気量と排気ガスの組成から求められることを特徴とする運転方法。
  7. 少なくとも一つの運転状態の時に、希薄な空気/燃料の混合気で運転される内燃機関の運転方法であって、
    目標値に応じて、噴射されるべき燃料の量を決定し、出力されるべき噴射時間を求めるステップと、
    決定された燃料の量及び噴射時間の値の少なくとも一つの値に応じて、内燃機関の実際のトルクを求めて、最大許容トルクと比較するステップと、
    前記実際のトルクが最大許容トルクよりも大きい時に、エラー反応を開始するステップと、
    排気ガス中の酸素濃度を、運転ポイントに応じて許された範囲と比較するステップと、
    前記許された範囲から外れている場合に、エラー反応を開始するステップと
    からなり、
    前記最大許容トルクは、少なくとも運転者の要求とエンジン回転数に基づいて、運転者の要求値が最小の場合は内燃機関がマイナスのトルクだけを出力し、また運転者の要求値が小さい場合は、最大ゼロトルクだけを出力し、また運転者の要求値が大きい場合は前記最大許容トルクの運転者要求の依存性がプラスのトルクの領域内で与えられるように、決定される
    ことを特徴とする運転方法。
  8. 請求項1〜7いずれかに記載の運転方法において、前記エラー反応は、内燃機関が化学量論的混合気を用いて運転されていること、及び、前記実際のトルクが測定された空気量に基づいて計算されること、からなることを特徴とする運転方法。
  9. 請求項1〜8いずれかに記載の運転方法において、該方法はさらに、触媒の保護、触媒の加熱、及び触媒の高温維持の少なくとも1つの例外的な運転状態ではないときに、最少のペダル開度の際に前記噴射時間がゼロとなるかどうかを監視するステップを備えていることを特徴とする運転方法。
  10. 請求項1〜9いずれかに記載の運転方法において、前記実際のトルクが前もって与えられた目標トルクと比較され、前記前もって与えられた目標トルクが最大許容トルクと比較されることを特徴とする運転方法。
  11. 少なくとも一つの運転状態の時に、希薄な空気/燃料の混合気で運転される内燃機関の運転装置であって、
    少なくとも一つのマイクロコンピュータを含む制御ユニットを備え、
    前記制御ユニットは、目標値に応じて噴射されるべき燃料の量を決定し、該燃料の量から出力されるべき噴射時間を決定し、これら決定された燃料の量及び噴射時間の少なくとも1つに基づいて、内燃機関の実際のトルクを決定し、前記実際のトルクを最大許容トルクと比較し、前記実際のトルクが前記最大許容トルクをオーバーしているときに、エラー反応を開始させ、更に排気ガスの酸素濃度を表す値を受取って、この値を前もって定められている少なくとも一つの限界値と比較し、前記酸素濃度の値が前記限界値を超えているときに、エラー反応を開始させるよう構成されており、
    前記最大許容トルクは、少なくとも運転者の要求とエンジン回転数に基づいて、運転者の要求値が最小の場合は内燃機関がマイナスのトルクだけを出力し、また運転者の要求値が小さい場合は、最大ゼロトルクだけを出力し、また運転者の要求値が大きい場合は前記最大許容トルクの運転者要求の依存性がプラスのトルクの領域内で与えられるように、決定される
    ことを特徴とする運転装置。
  12. 少なくとも一つの運転状態の時に、希薄な空気/燃料の混合気で運転される内燃機関の運転装置であって、
    少なくとも一つのマイクロコンピュータを含む制御ユニットを備え、
    前記制御ユニットは、目標値に応じて噴射されるべき燃料の量を決定し、該燃料の量から出力されるべき噴射時間を決定し、これら決定された燃料の量及び噴射時間の少なくとも1つに基づいて、内燃機関の実際のトルクを決定し、前記実際のトルクを最大許容トルクと比較し、前記実際のトルクが前記最大許容トルクをオーバーしているときに、エラー反応を開始させ、更に排気ガスの酸素濃度を表す値を受取って、この値を運転ポイントに応じて許されている範囲と比較し、前記酸素濃度の値が前記範囲を超えているときに、エラー反応を開始させるよう構成されており、
    前記最大許容トルクは、少なくとも運転者の要求とエンジン回転数に基づいて、運転者の要求値が最小の場合は内燃機関がマイナスのトルクだけを出力し、また運転者の要求値が小さい場合は、最大ゼロトルクだけを出力し、また運転者の要求値が大きい場合は前記最大許容トルクの運転者要求の依存性がプラスのトルクの領域内で与えられるように、決定される
    ことを特徴とする運転装置。
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