JP4334414B2 - 光再生方法、光ピックアップ装置、光再生装置、及び光記録媒体 - Google Patents
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Description
まず、光記録媒体に情報の書込み又は読出しを行う光記録媒体装置において、対物レンズの開口数(NA)を大きくすること、或いは、光源の波長を短くすることにより、対物レンズによって集光されて光記録媒体上に形成されるビームスポットを小径化することが有効である。
ここで、nは光記録媒体の透明基板の屈折率、dは透明基板の厚み、NAは対物レンズの開口数、λは光源の波長、θは光記録媒体のチルト量を意味する。この式から、短波長、高NAほど収差が大きくなることが判る。同様に、光記録媒体の基板厚みの違いによって発生する球面収差も開口数:NAの4乗、波長:λの−1乗に比例するため、短波長、高NAほど球面収差が大きくなる。
そこで、別の提案として、光記録媒体上に形成されたピットの信号レベルを2値以上の値に制御する多値記録再生方法が提案されている。即ち、従来の光記録媒体では、読取用レーザ光が光記録媒体上を走査したときのピットの有無による反射光量の変化を用いて信号の読出しが行われるのに対して、特許文献1に示されるようなピット深さとピット幅の組合せによる反射光量の変化から信号の読出しを行う多値記録再生方法や、特許文献2に示されるような、ピット深さとピット幅と、ピットの位置ずれの変化から読出しを行う多値記録再生方法が提案されている。
さらに別の提案として、記録層を多層化する方法が提案されている。複数の記録層を有する光記録媒体の例としては、特許文献4及び5が知られている。すなわち、多層の光記録媒体では、記録層と記録層との間隔が重要である。この間隔が狭いと、いわゆる層間クロストークにより、光記録媒体からの戻り光束には、目的とする記録層からの信号だけでなく、目的とする記録層以外の記録層からの信号も高いレベルで含まれることとなり、再生信号のS/N比が低下するおそれがある。一方、記録層と記録層との間隔が広いと、球面収差の影響により目的とする記録層からの信号が劣化するおそれがある。そこで、この技術では、例えば、片面2層のDVD−ROMでは、2つの記録層の間隔は55±15μmに規定されている。
記録光の光束の短波長化と記録層の多層化との組合せについては、次のような課題がある。すなわち、光束の波長が短くなると、2つの記録層間隔の上限が上記片面2層DVD−ROMの場合(70μm)よりも小さくなるため、従来の製造設備を転用することが困難であり、光記録媒体の製造コストが高価なものとなるという不具合がある。
多値信号形成方法に関する前述の公知技術(特許文献1,2)では、ピット深さとピット幅による多値データが記録された光記録媒体は生産性が非常に悪くなってしまう不具合がある。
λ/6n≦H<λ/4n
を満足するとともに、前記ピットが形成される領域は互いに等しい面積のセルに分割され、各々のセルに対するピット占有率に応じて多値の再生信号が生成される前記光記録媒体に対して、集光時に残存する球面収差量W40が、
W40≦0.07λrms
を満足する、ことを特徴とする光再生方法である。
λ/6n≦H<λ/4n
を満足するとともに、前記ピットが形成される領域は互いに等しい面積のセルに分割され、各々のセルに対するピット占有率に応じて多値の再生信号が生成される前記光記録媒体に対して、集光時に残存する球面収差量W40が、
W40≦0.07λrms
を満足する、ことを特徴とする光ピックアップ装置である。
λ/6n≦H<λ/4n
を満足するとともに、前記ピットが形成される領域は互いに等しい面積のセルに分割され、各々のセルに対するピット占有率に応じて多値の再生信号が生成され、集光時に残存する球面収差量W40が、
W40≦0.07λrms
を満足する、ことを特徴とする光記録媒体である。
図1の光記録媒体15は、波長が約405nmの光束に対応し、2層の記録層を有する本実施の形態に係る光記録媒体である。この光記録媒体15は、一例として図2(a)及び図2(b)に示されるように、光ピックアップ23に近いほうから順に、第1基板L0、第1記録層M0、中間層ML、第2記録層M1、第2基板L1などが積層されて構成されている。また、第1記録層M0と中間層MLとの間には金や誘電体などで形成された半透明膜Maが設けられ、第2記録層M1と第2基板L1との間にはアルミニウムなどで形成された金属反射膜Mbが設けられている。中間層MLには、光ピックアップ23から照射される光束に対して透過率が高く、基板の屈折率に近い屈折率を有する紫外線硬化型の樹脂材料が用いられる。なお、第1記録層M0と第2記録層M1との間隔(すなわち中間層MLの厚さ)tについては後で詳述する。
図1の符号1は、光記録媒体15の記録情報を光学的に再生する本実施の形態の光再生装置1である。その回路構成や制御系などは周知の構成であるため、詳細な説明は省略する。
検証結果について説明する。まず、図3は、ピット深さ、ピット径と再生信号(Rf信号)との関係を表わしたものであり、横軸がピット深さ、縦軸がオントラック時のRf信号を表し、ピット径の異なる複数の曲線がプロットされている。なお、図3に示すRf信号とトラック位置との関係は、図4(a)〜(f)に示すようになる。図4(a)〜(f)は各々、異なるピット深さのRf信号特性とトラック位置に相当し、さらに各図の中でピット径の異なる複数の曲線がプロットされている。何れも、Rf信号振幅の大きい順に、ピット径(直径)が0.230μm,0.207μm,0.184μm,0.161μm,0.138μm,0.115μm,0.092μm,0.069μmの場合を図示している。図4(a)〜(f)の各曲線のトラック中心での値が図3に相当する。ピット深さ0.066μm(約λ/4n)、ピット径0.230μmでRf信号は最小となる。
また、図5は、ピット深さ、ピット径とプッシュプル信号振幅との関係を表わしたものであり、横軸がピット深さ、縦軸がプッシュプル信号振幅を表し、ピット径の異なる複数の曲線がプロットされている。なお、図5のプッシュプル信号振幅は、図6(a)〜(f)のプッシュプル信号特性より求めた結果である。図6(a)〜(f)は、各々異なるピット深さ150Å,300Å,400Å,510Å,660Å,800Åのプッシュプル信号特性に相当し、さらに各図の中でピット径の異なる複数の曲線がプロットされている。図6(a)〜(f)では、何れも、プッシュプル振幅の大きい順に、ピット径(直径)が0.230μm,0.207μm,0.184μm,0.161μm,0.138μm,0.115μm,0.092μm,0.069μmの場合を図示している。図6(a)〜(f)の各曲線の最大値をPPmax、最小値をPPminとしたとき、プッシュプル信号振幅PPは、“PP=(PPmax−PPmin)”で表される。ピット深さ0.04μm(約λ/6n)、ピット径0.069μmでプッシュプル信号振幅は最大となり、ピット深さ0.064μm(約λ/4n)、ピット径0.23μmで最小となる。
次に、プッシュプル信号とRf信号とについて図7及び図8を参照して説明する。図7(a)は、ピット11上をビームスポット12が相対的に走行しており、図7(b)は、その反射光のビームスポット12がラジアル方向に対称に2分割された分割受光領域(受光素子)A,Bで構成される光検出器PDに導かれている様子を示している。即ち、この光検出器PDは、遠視野におけるピット11からの反射0次光と反射±1次回折光とが重なる領域内で光記録媒体15のラジアル方向に対して対称に配置された少なくとも一対の受光部である分割受光領域A,Bを有する。また、本実施の形態においては、特に、ピット11は面積変調に応じて異ならせた半径の円形状(真円形状)パターンとされ、セル13と呼ばれる等分割の領域毎にその中心位置に1個ずつ形成されている。このセル13の大きさはビームスポット12のサイズよりも小さく設定されている。
Rf=(a+b)/max(a+b)
ここで、図3、図5で表わされるプッシュプル信号とRf信号の現われ方を、図8を用いて説明する。Rf信号はビームスポット12を光記録媒体15に照射した際に分割受光領域A,Bに戻ってくる光量の総和信号である。ビームスポット12がピット11上に位置する時点では、光はピット11による回折の影響を受け、分割受光領域A,Bへの戻り光量(即ち、反射光量)が少なくなるため、Rf信号のレベルは低下する。一方、プッシュプル信号は、ビームスポット12を光記録媒体15に照射した際に、その反射光のピット11の半径方向(ラジアル方向)における光量の偏りを示す信号である。ビームスポット12がピット11のエッジに差し掛かると、光の回折方向はピット11の長さ方向に偏り、その偏る方向はピット11の前後何れのエッジであるかによって相違するため、分割受光領域A,Bの出力a,bの差を求めると、ピット11の前後のエッジで極性が異なるパルス状の信号が得られる。
図4によれば、任意のピット深さにおいても、ピット径を変化させることにより、複数のRf信号レベルが得られることが判る。即ち、ピット径を変化させることにより、多値データの記録、再生が可能なことが判る。また、図5、図6によれば、ピット径がビームスポット径に比べて小さな光記録媒体においても、所定のピット条件下では、プッシュプル信号が検出可能であることが判る。連続的な溝形状が形成された記録系の光記録媒体との互換性を考えると、トラックエラー信号の検出方法としてプッシュプル法が望まれる。
以上の結果から、光記録媒体15に最適なピット11の深さとしては、プッシュプル信号振幅が最大となるλ/6nから、各ピットサイズのRf信号振幅の分離が最大となるλ/4nの範囲内、特に、その中間値(λ/5n付近)を選べばよいといえる。後者のRf信号振幅の分離が最大となるとは、Rf信号のS/Nが最大となること、を意味する。
また、このような多値記録データの再生方法について説明する。ピット径(ピット占有率)とRf信号の関係を図9に示す。図3との違いは、ピット径を横軸にとっている点であり、特に、ここではピット深さをλ/6nとしている。1つのセル13に占めるピット11の占有率(ピット占有率)の大小によって、Rf信号値は変化する。ピット11が存在しないときに最大のRf信号値となり、ピット11の占有率が最も高いときにRf信号値は最小となる。この関係を利用して、図10にピットパターン数(多値レベル数)が8の場合(レベル0,1,2,…,7)における、各ピットサイズ対応のRf信号値を示す。採用したピット11のパターンを図10中の上側に示す。即ち、各々のセル13に対するピット占有率に応じてN=8値なる多値の再生信号を生成させるとした場合、ピット11は、面積変調に応じて(N−1)=7種類の異なるピット径を有し、これらの7種類のピット径は最大ピット径のピット11による場合のセル13からの反射光量(Rf信号値は最小)とピット11なしの場合のセル13からの反射光量(Rf信号値は最大)との間をほぼN=8等分するように設定されているものである。
引き続き、第1記録層M0、第2記録層M1記録層間に形成された中間層MLの厚さに関して検証する。補正処理が行われないとき、光記録媒体15の基板厚誤差により発生する球面収差は、一例として図13に示されるように、前記収差基準位置(Sとする)からの距離に比例して大きくなり、次の(1)式で示されることが知られている。ここで、W40rmsはRMS値で示される球面収差、dは収差基準位置Sからの距離、nは中間層MLの等価屈折率、NAは対物レンズ60の開口数である。
補正処理が行われない場合の中間MLの厚さと多値レベルと再生信号(Rf信号)との関係を、図11を用いて説明する。開口数NAが0.65、波長405nm、ピット11の深さ510Åの光記録媒体において、横軸に多値レベル、縦軸にオントラック時のRf信号を示したもので、基板厚誤差の異なる複数の曲線がプロットされている。ここで、基板厚誤差とは、球面収差最小の位置からずれた位置に記録面が形成されている場合の、記録面と球面収差最小位置の間の距離である。図11に示すRf信号とトラック位置との関係は、図12(a)〜(f)に示すようになる。図12(a)〜(f)は各々、異なる基板厚誤差のRf信号特性とトラック位置に相当し、さらに各図の中で多値レベルの異なる複数の曲線がプロットされている。基板厚誤差の増加に伴い多値信号の信号分離が困難となる方向にあることがわかる。
図11と図13の関係式を用いれば、図14の関係が求められる。図14から球面収差量が0.07λrms以下の範囲では、モジュレーション60%以上であることがわかる。
本実施形態においては、球面収差補正レンズ系56を用いることにより、0.035λrms以下とすることが可能である。図15(a)に示されるように、球面収差が0.035λとなる位置をP1及びP2とすると、P1とP2の間隔(T1とする)は、次の(2)式で示される。すなわち、球面収差が補正されない場合には、記録層M0とM1の間隔の上限値はT1となる。なお、ここでは、P1を対物レンズ60側の位置とする。
本実施形態では、一例として図16(b)に示されるように、位置P1での球面収差がほぼ0となるように前記レンズ間隔を変更するための駆動信号を前記駆動信号Aとし、位置P2での球面収差がほぼ0となるようにレンズ間隔を変更するための駆動信号を前記駆動信号Bとしている。なお、各駆動信号は予め、実験、シミュレーション及び理論計算などにより得られている。
従って、図16(b)に示されるように、選択記録層が第1記録層M0の場合には、駆動信号Aを出力することにより、第1記録層M0の位置が収差基準位置Sと位置P11との間であれば、球面収差は0.035λ以下となる。また、選択記録層が第2記録層M1の場合には、駆動信号Bを出力することにより、第2記録層M1の位置が収差基準位置Sと位置P21との間であれば、球面収差は0.035λ以下となる。すなわち、中間層MLの厚さtは、次の(3)式で示されるT2以下であれば良い。
上記(3)式に、λ=0.405μm、n=1.623、NA=0.65を代入すると、T2=87μmとなる。これは、前述した片面2層のDVD−ROMにおける上限値70μmよりも大きい。従って、従来の製造設備を転用することが可能であり、片面2層青色DVDを低コストで製造することができる。
以上の考察により、本実施の形態の光記録媒体15、光再生装置1(の光ピックアップ装置23)に好適な光学的な条件を、以下の(1)〜(5)に整理して説明する。
λ/6n≦H≦λ/4n …… (4)
W40≦0.07λrms …… (5)
を満足すべきである。
t≦15n3λ/{(n2−1)NA4} …… (6)
の条件を満足する光記録媒体15であることが望ましい。
光再生装置1では、情報の再生へのアクセスに先立って、選択記録層が第1記録層M0であれば駆動信号Aが図示しないレンズ駆動装置に供給され、一方選択記録層が第2記録層M1であれば駆動信号Bが図示しないレンズ駆動装置に供給される。これにより、収差補正量が選択記録層に応じて切り換わることとなる。そして、選択記録層がいずれの記録層M0又はM1であっても、球面収差を0.035λ以下に維持することができる。従って、選択記録層に形状品質に優れた光スポットを形成することが可能となり、その結果、複数の記録層M0,M1を有する高記録容量の光記録媒体15へのアクセスを、精度良く安定して行うことができる。
なお、上記実施の形態では、収差補正は、収差補正レンズ系56を用いて収差を補正する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、コリメートレンズ52の位置をX軸方向に移動して収差を補正しても良い。この場合には、コリメートレンズ52を移動させるための駆動機構が新たに必要となるが、収差補正レンズ系56は不要となる。
前述の実施の形態では、収差基準位置が、対物レンズ60の光軸方向に関して中間層MLのほぼ中央に対応する位置となるように設定されている場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、収差基準位置が第1記録層M0又は第2記録層M1に対応する位置となるように設定されても良い。
上記(7)式に、λ=0.405μm、n=1.623、NA=0.65を代入すると、T3=65μmとなる。これは、前述した片面2層のDVD−ROMにおける上限値70μmとほぼ同等である。従って、従来の製造設備を転用することが可能であり、片面2層の青色DVDを低コストで製造することができる。また、第2記録層M1に対応する位置P22に収差基準位置が設定されている場合も同様である。
t≦11n3λ/{(n2−1)NA4} …… (8)
を満足する光記録媒体である。
15 光記録媒体
23 光ピックアップ装置
56 収差補正手段
60 凸レンズ
LD 光源
PD 光検出器
M0 第1記録層
M1 第2記録層
L0 基板層
L1 基板層
Claims (4)
- 記録層が複数積層されて形成された光記録媒体のピットに光を照射し当該光の反射光を受光する光ピックアップ装置において、
各々の前記ピットの深さをH、前記光記録媒体の媒体基板の屈折率をnとした場合に、照射される前記光の波長λは、λ/6n≦H<λ/4nを満足するとともに、
前記ピットが形成される領域は互いに等しい面積のセルに分割され、各々のセルに対するピット占有率に応じて多値の再生信号が生成される前記光記録媒体に対して、集光時に残存する球面収差量W40が、W40≦0.07λrmsを満足する光ピックアップ装置を備えている光再生装置であって、
前記光を照射する光源と、
前記光源から出射された光束を前記複数の記録層のうち選択された記録層に集光する対物レンズと、
前記選択された記録層で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系と、
前記受光位置に配置され前記戻り光束を受光する光検出器と、
前記選択された記録層に応じて予め設定されている複数の収差補正量のうちのいずれかを選択し、その選択結果に基づいて収差を補正する収差補正手段と、をさらに備え、
前記収差補正手段は、前記光記録媒体が2層の前記記録層を備えていて、前記光記録媒体の中間層厚をtとするときは、前記選択された記録層が第1記録層のときに前記第1記録層から第2記録層に向かって(1/4)tに対応する位置での球面収差がほぼ最小となるときの収差補正量を選択し、前記選択された記録層が前記第2記録層のときは、前記第1記録層から前記第2記録層に向かって(3/4)tに対応する位置での球面収差がほぼ最小となるときの収差補正量を選択し、
前記対物レンズは、入射光束が略平行光のときに、前記第1記録層から前記第2記録層に向かって(1/2)tに対応する位置での波面収差がほぼ最小となるように設定されている、ことを特徴とする光再生装置。 - 記録層が複数積層されて形成された光記録媒体のピットに光を照射し当該光の反射光を受光する光ピックアップ装置において、
各々の前記ピットの深さをH、前記光記録媒体の媒体基板の屈折率をnとした場合に、照射される前記光の波長λは、λ/6n≦H<λ/4nを満足するとともに、
前記ピットが形成される領域は互いに等しい面積のセルに分割され、各々のセルに対するピット占有率に応じて多値の再生信号が生成される前記光記録媒体に対して、集光時に残存する球面収差量W 40 が、W 40 ≦0.07λrmsを満足する光ピックアップ装置を備えている光再生装置であって、
前記光を照射する光源と、
前記光源から出射された光束を前記複数の記録層のうち選択された記録層に集光する対物レンズと、
前記選択された記録層で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系と、
前記受光位置に配置され前記戻り光束を受光する光検出器と、
前記選択された記録層に応じて予め設定されている複数の収差補正量のうちのいずれかを選択し、その選択結果に基づいて収差を補正する収差補正手段と、をさらに備え、
前記収差補正手段は、前記光記録媒体が2層の前記記録層を備えていて、前記光記録媒体の中間層厚をtとするときは、前記選択された記録層が第1記録層のときに前記第1記録層から第2記録層に向かって(1/3)tに対応する位置での球面収差がほぼ最小となるときの収差補正量を選択し、前記選択された記録層が前記第2記録層のときは、前記第1記録層から前記第2記録層に向かって(2/3)tに対応する位置での球面収差がほぼ最小となるときの収差補正量を選択し、
前記対物レンズは、入射光束が略平行光のときに、前記第1記録層又は前記第2記録層に対応する位置での波面収差がほぼ最小となるように設定されている、ことを特徴とする光再生装置。 - 請求項1に記載の光再生装置で用いる光記録媒体において、
各々の前記ピットは、各々の前記セルの中心位置に面積変調に応じて異ならせた半径の略円形パターンで形成されている光記録媒体であって、
前記光記録媒体は、各々の前記セルに対するピット占有率に応じてN値(N=2,3,4,…)なる多値の再生信号が生成されるものであり、
前記ピットは、前記面積変調に応じて(N−1)種類の異なるピット径を有し、これらの(N−1)種類のピット径は最大ピット径のピットによる場合の前記セルからの反射光量とピットなしの場合の前記セルからの反射光量との間をほぼ(N―1)等分するように設定されており、
前記光記録媒体は、2層の前記記録層を備えていて、
光再生装置の光源から出射された光束を前記複数の記録層のうち選択された記録層に集光する対物レンズの開口数をNA、前記光源から照射される光束の波長をλとした場合に、前記2層の記録層の第1記録層と第2記録層との間隔をt、等価屈折率をnとすると、t≦15n 3 λ/{(n 2 −1)NA 4 }を満足すること、を特徴とする光記録媒体。 - 請求項2に記載の光再生装置で用いる光記録媒体において、
各々の前記ピットは、各々の前記セルの中心位置に面積変調に応じて異ならせた半径の略円形パターンで形成されている光記録媒体であって、
前記光記録媒体は、各々の前記セルに対するピット占有率に応じてN値(N=2,3,4,…)なる多値の再生信号が生成されるものであり、
前記ピットは、前記面積変調に応じて(N−1)種類の異なるピット径を有し、これらの(N−1)種類のピット径は最大ピット径のピットによる場合の前記セルからの反射光量とピットなしの場合の前記セルからの反射光量との間をほぼ(N―1)等分するように設定されており、
前記光記録媒体は、2層の前記記録層を備えていて、
光再生装置の光源から出射された光束を前記複数の記録層のうち選択された記録層に集光する対物レンズの開口数をNA、前記光源から照射される光束の波長をλとした場合に、前記2層の記録層の第1記録層と第2記録層との間隔をt、等価屈折率をnとすると、t≦11n 3 λ/{(n 2 −1)NA 4 }を満足すること、を特徴とする光記録媒体。
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