JP4334206B2 - 塗料用硬化性樹脂組成物 - Google Patents
塗料用硬化性樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4334206B2 JP4334206B2 JP2002345119A JP2002345119A JP4334206B2 JP 4334206 B2 JP4334206 B2 JP 4334206B2 JP 2002345119 A JP2002345119 A JP 2002345119A JP 2002345119 A JP2002345119 A JP 2002345119A JP 4334206 B2 JP4334206 B2 JP 4334206B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- weight
- curable resin
- resin composition
- carbon atoms
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料用硬化性樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、例えば金属、セラミックス、ガラス、セメント、窯業系基材、プラスチック、木材、紙、繊維などからなる建築物、家電用品、産業機器などの塗装に好適に使用しうる。
【0002】
【従来の技術】
従来、窯業系基材、コンクリートや鉄鋼などからなる建築物、建材などの産業製品などの表面を、例えば、フッ素樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料、アクリルシリコン樹脂塗料などの塗料で被覆することによって建築物などの外観をよくしたり、防食性や耐候性等を向上させたりしている。耐候性の優れた塗料しては、アクリルシリコン塗料が挙げられるが、有機塗膜への密着性が不十分であった。また、加水分解性シリル基含有アクリル共重合体に、水酸基を導入し、他官能イソシアネートと反応させることで、有機塗膜への密着性を付与する技術が特許出願されている(例えば特許文献1参照)。一方、本発明者らは、該共重合体を用いた顔料分散性改善方法の特許出願を行なっているが、貯蔵安定性が不十分な場合があった。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−297242号公報(表6)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のような状況に鑑み鋭意検討した結果、加水分解性シリル基含有アクリル共重合体に、水酸基を導入し、他官能イソシアネートと反応させることで得られる耐候性や有機、無機基材への密着性を維持しつつ、さらに、該塗料の分散安定性や十分な貯蔵安定性を確保することにある。
【0005】
【発明が解決しようとする手段】
本願発明は、次の組成物及び塗装物に係るものである。すなわち、主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖からなり、主鎖末端および/または側鎖に 一般式(I):
【0006】
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個有すると共に、かつ、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性水酸基を少なくとも1個有するビニル系共重合体(A)成分100重量部、エポキシ化合物(B)成分0.01〜10重量部、顔料(C)、有機溶剤(D)を予め混合することを特徴とする塗料用硬化性樹脂組成物(請求項1)。
【0007】
前記組成物に、一般式(II)
(R3O)4-b−Si−R4 b (II)
(式中、R3、R4は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜10のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す)で表されるシリコン化合物及び/またはその部分加水分解縮合物(E)を、前記樹脂(A)成分100重量部に対して、0.1〜100重量部配合してなる請求項1記載の塗料用硬化性樹脂組成物(請求項2)。
【0008】
前記組成物に架橋剤としてイソシアナート基を2個以上含有する化合物(F)成分を前記樹脂(A)成分100重量部に対して、1〜100重量部配合してなる1〜2のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物(請求項3)。
【0009】
前記組成物に硬化触媒として有機金属化合物(G)成分を前記樹脂(A)成分100重量部に対して、0.01〜10重量部配合してなる請求項1〜3のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物(請求項4)。
【0010】
前記ビニル系重合体(A)に水酸基含有アクリル樹脂(H)成分を配合することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物(請求項5)。
【0011】
前記エポキシ化合物(B)成分がエポキシシラン化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物(請求項6)。
【0012】
前記組成物に用いる溶剤(D)成分が第3種有機溶剤であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物(請求項7)。
【0013】
組成物に、単官能イソシアナ−ト化合物(I)成分を有機金属化合物(G)成分100重量部に対して1〜1000重量部配合してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物(請求項8)。
【0014】
有機金属化合物(G)成分として有機錫化合物を配合することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物(請求項9)。
【0015】
有機金属化合物(G)成分として分子内にS原子を含有する錫系化合物を配合することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物(請求項10)。
【0016】
水酸基含有アクリル樹脂(H)成分として非水分散型樹脂を配合することを特徴とする請求項1〜10のいずれに記載の塗料用硬化性樹脂組成物(請求項11)。
【0017】
(A)成分が炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸および/またはその誘導体を単量体成分中1〜70重量%用いて得られることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物。(請求項12)。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物に含有される上記各成分、およびその他の成分について順に説明する。
【0019】
本発明に用いられる(A)成分の形態としては、主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖からなり、主鎖末端および/または側鎖に一般式(I):
【0020】
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を1分子中に少なくとも1個有し、かつ、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性水酸基を少なくとも1個有するビニル系共重合体である。
【0021】
前記共重合体は、その主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖からなるため、得られる硬化性樹脂組成物を用いて形成される塗膜の耐候性、耐薬品性等が優れたものとなり、また、加水分解性シリル基が炭素原子に結合しているため、塗膜の耐水性、耐アルカリ性、耐酸性等も優れている。
【0022】
(A)成分において、上記一般式(I)で表される加水分解性シリル基は分子中に1個以上あればよいが、得られる硬化性組成物を用いて形成される塗膜の耐溶剤性が優れるという点から、2〜10個あることが好ましい。
【0023】
上記一般式(I)において、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基である。かかるアルキル基の炭素数が10を超える場合には、加水分解性シリル基の反応性が低下する傾向にある。
【0024】
また、上記一般式(I)において、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基であり、これらの中では、得られる組成物が硬化性に優れるという点からアルキル基が好ましく更には、炭素数1〜4のアルキル基あるいは前記R1において具体例を示した炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
【0025】
ビニル系共重合体は例えば下記(i)〜(iv)等を含有する共重合成分を重合することによって製造することができる。
(i)加水分解性シリル基含有ビニル単量体(モノマー(a−1))、
(ii)水酸基含有ビニル系単量体(モノマー(a−2))、
(iii)炭素数4以上の(メタ)アクリル酸系単量体(モノマー(a−3))。
(iv)共重合可能なその他の単量体(モノマー(a−4))。
【0026】
上記モノマー(a−1)としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0027】
【化1】
などの一般式(III)
【0028】
【化2】
( 式中、R5は、水素原子またはメチル基を表し、R6は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基、または、炭素数7〜12のアラルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。R7は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。cは、0〜2の整数を表すが0または1が好ましい。)で表される化合物;
【0029】
【化3】
などの一般式(IV)
【0030】
【化4】
( 式中、R5、 R6、 R7、cは前記と同じ、nは1〜12の整数を示す。)で表される化合物;
【0031】
【化5】
などの一般式(V):
【0032】
【化6】
(式中、R5, R6, R7,c、nは前記と同じ)で表される化合物;
【0033】
【化7】
などの一般式(VI):
【0034】
【化8】
(式中、R5、R6、R7およびcは前記と同じ、mは1〜14の整数を示す)で表される化合物
【0035】
【化9】
(pは0〜20の整数を示す)などの一般式(VII)
【0036】
【化10】
(式中、R5、R6、R7およびcは前記と同じ、pは0〜20の整数を示す)で表される化合物や、炭素原子に結合した反応性シリル基をウレタン結合またはシロキサン結合を介して末端に有する(メタ)アクリレ−トなどがあげられる。これらの中では、共重合性および重合安定性、ならびに得られる組成物の硬化性および保存安定性が優れるという点から、前記一般式(IV)で表される化合物が好ましい。
【0037】
モノマー(a−1)の使用量は、単量体成分中1〜60重量%が好ましく、3〜50重量%であるのがさらに好ましい。かかるモノマー(a−1)の使用量が1重量%未満である場合には、得られる硬化性組成物を用いて形成された塗膜の耐酸性が不充分となる傾向にあり、60重量%を超える場合には、硬化性組成物の保存安定性が低下する傾向にある。
【0038】
次に、上記モノマー(a−2)としては、例えば、2―ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、4―ヒドロキシスチレン、東亜合成化学工業社製のアロニクス5700(商品名)、日本触媒化学工業社製のHE−10、HE―20、HP−10及びHP―20(いずれも商品名)(以上、いずれも末端に水酸基を有するアクリル酸エステルオリゴマー)、日本油脂社製のブレンマーPPシリーズ(ポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーPEシリーズ(ポリエチレングリコールモノメタクリレート)、ブレンマーPEPシリーズ(ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーAP400(ポリプロピレングリコールモノアクリレート)、ブレンマーAE350(ポリエチレングリコールモノアクリレート)、及びブレンマーGLM(グリセロールモノメタクリレート)(いずれも商品名)、水酸基含有ビニル系化合物とε―カプロラクトンとの反応によるε―カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系共重合性化合物、ダイセル化学工業社製HEAC−1(商品名)等のポリカーボネート含有ビニル系化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0039】
これらの中では、塗膜に優れた耐酸性及び耐水性を付与することができる点から、2―ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記モノマー(a−2)の使用量は、単量体成分中1〜50重量%が好ましく、2〜35重量%であることがさらに好ましい。かかるモノマー(a−2)の使用量が50重量%を超える場合には、硬化性組成物を用いて形成された塗膜の耐水性および耐酸性が低下する傾向にある。
【0040】
上記モノマー(a−3)としては、例えば、炭素数が4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸および/またはその誘導体成分を共重合させることが好ましい。前記(a−3)成分の具体例としては、たとえばn−ブチル(メタ)アクリレ−ト、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレ−ト、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレ−ト、ノニル(メタ)アクリレ−ト、デカニル(メタ)アクリレ−ト、ウンデカニル(メタ)アクリレ−ト、ラウリルメチル(メタ)アクリレ−ト、パルミトイル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト、イソボルニル(メタ)アクリレ−ト、ブレンマ−SLMA((メタ)アクリル酸のC12〜C18アルキルエステルの混合物;日本油脂(株)製)などが挙げられる。脂肪族系化合物を含む溶剤に対する溶解性を向上されるという点から、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、オクチル(メタ)アクリレ−ト、ノニル(メタ)アクリレ−ト、デカニル(メタ)アクリレ−ト、ウンデカニル(メタ)アクリレ−ト、ラウリルメチル(メタ)アクリレ−ト、パルミトイル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト、ブレンマ−SLMAが好ましい。
【0041】
これらの共重合可能モノマ−(a−3 )成分は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0042】
使用量としては、単量体成分中1〜70重量%が例示できる。重合時および希釈時の溶剤に対する溶解性よおび重合安定性の点から、5〜60重量%が好ましい。特に、10〜50重量%がさらに好ましい。
【0043】
前記共重合可能なモノマ−(a−4)成分の具体例としては、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレート、3,3,5,−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸またはリン酸エステル類との縮合生成物などのリン酸エステル基含有(メタ)アクリル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル誘導体が挙げられる。それ以外の共重合性のモノマ−としては、スチレン、αーメチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などの塩;無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸の酸無水物、これら酸無水物と炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖を有するアルコールまたはアミンとのジエステルまたはハーフエステルなどの不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジアミド、クロトン酸アミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有ビニル系化合物;メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他ビニル系化合物などが挙げられる。
【0044】
これらの共重合可能モノマ−(a−4)成分は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0045】
前記(a−2)、(a−3)と(a−4)成分の使用量の合計は、加水分解性シリル基含有ビニル系単量体(a−1)成分の種類および使用量に応じて適宜調整すればよいが、通常用いる単量体成分の40〜99重量%、さらには50〜97重量%、とくには60〜95重量%であるのが好ましい。
【0046】
なお、モノマー(a−4)として、アミン、カルボン酸、スルホン酸、リン酸系の基を有する極性モノマーを用いる場合には、重合時の架橋反応を抑えるために、その使用量を単量体成分全量の5重量%以下となるようにすることが望ましい。
【0047】
本発明においては、得られる硬化性組成物を用いて形成される塗膜の耐候性、耐溶剤性、耐衝撃性等を向上させる目的で、ビニル系共重合体の50重量%を超えない範囲で、ウレタン結合やシロキサン結合により形成されたセグメントを、ビニル系共重合体主鎖中に含まれるように使用してもよい。
【0048】
本発明に用いられるビニル系共重合体は、前記モノマー(a−1)、モノマー(a−2)、モノマー(a−3)、モノマー(a−4)等を含有する共重合成分から、例えば特開昭54−36395号公報、特開昭57−55954号公報等に記載の方法によって製造することができるが、合成の容易さ等の点からアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法によって製造するのが好ましい。
【0049】
前記エポキシ化合物(B)としてはエポキシ基を含有する化合物であれば特に制限はないが、エポキシ樹脂、多価アルコールのグリシジルエーテル、エポキシシランがあげられ、具体例としては、エポキシ基を含有する数平均分子量400以下の化合物であれば特に制限はないが、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン等の多価アルコールのグリシジルエーテル、エピコートシリーズ(油化シェルエポキシ(株))、エポライトシリーズ(共栄社油脂化学工業(株))等の各種アルキルグリシジルエーテルやβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等の各種エポキシシラン類が挙げられる。
【0050】
エポキシ化合物を配合することにより、貯蔵安定性が改良され、また、貯蔵後の塗膜特性の低下の問題のないエナメルあるいは塗料を得ることが出来る。
【0051】
エポキシ化合物(B)の配合時期としては、架橋剤(F)およびまたは有機金属化合物(G)を配合する前がよく、好ましくは、顔料(C)の分散混合時あるいはその前がよい。それ以後の混合では、安定性や塗膜外観を損ねる場合がある。
【0052】
特に、エポキシシラン類が、付着性がさらに向上する点からより好ましい。
【0053】
数平均分子量400を越えるエポキシ化合物を使用した場合には、前記ビニル系共重合体(A)との溶解性が低下し、濁りを生じたり、外観が低下する場合がある。
【0054】
エポキシ化合物(B)の配合量としては、ビニル系重合体(A)100重量部あたり0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。10重量部以上の場合には、耐水性、耐候性が低下する場合がある。
【0055】
前記有機溶剤(D)は、非反応性のものであればよく、例えばトルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のエーテル類;メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン類等が挙げられる。
【0056】
これらの溶剤のうち特に好ましい溶剤としては労働安全衛生法の第3種有機溶剤および第3種有機溶剤に相当する溶剤であり、脂肪族炭化水素を含有するものが挙げられる。具体的には、SWA#310(丸善石油(株)製)、HAWS(シェル化学(株)製)、Aソルベント(日本石油(株)製)、ペガソ−ルAN45(エクソン・モービル(株)製)、LAWS(シェル化学(株)製)、エクソンナフサNo.5、エクソンナフサNo.3(エクソン化学(株)製)、アイソパ−E、アイソパ−G(日本石油(株)製)、IPソルベント1620、IPソルベント2028(出光石油(株)製)、エクソ−ルD40、エクソ−ルD80(エクソン化学(株)製)などが挙げられる。
【0057】
また、前記有機溶剤(D)を使用した溶液重合の際には、必要に応じて、たとえばN−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γーメルカプトプロピルトリエトキシシラン、(CH3O)3Si−S−S−Si(OCH3)3,(CH3O)3Si−S8−Si(OCH3)3などの連鎖移動剤を単独または2種以上併用することにより、得られる樹脂(A)成分の分子量を調整してもよい。特に、たとえばγーメルカプトプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤を用いた場合には、樹脂(A)成分の末端に反応性シリル基を導入することができるので好ましい。かかる連鎖移動剤の使用量は、用いる単量体成分合計量100重量部あたり0.05〜10重量部、特には0.1〜8重量部であることが好ましい。
【0058】
このようにして得られた樹脂(A)成分は、本発明の組成物を用いて形成される塗膜の耐久性などの物性が優れるという点から、アクリル系共重合体部分の数平均分子量が、1000〜30000、特には3000〜25000であることが好ましい。
【0059】
前記顔料(C)の具体例としては、通常塗料に用いられるたとえば酸化チタン、群青、紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カーボンブラック、透明酸化鉄、アルミニウム粉などの無機顔料、アゾ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリン系顔料、アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料などの有機顔料などが挙げられる。
【0060】
本発明に用いられる(E)成分である一般式(II)
(R3O)4-b−Si−R4 b (II)
で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物は、得られる硬化性組成物を用いて形成される塗膜の耐汚染性を向上させる成分である。
【0061】
上記一般式(II)において、R3は、水素原子または炭素数1〜10、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基から選ばれた1価の炭化水素基であり、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。R4は、炭素数1〜10、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基であり、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。また、bは0または1であり、同一分子内に(R3O)基が4〜3個存在するが、同一分子内に存在するそれぞれの(R3O)基は同じである必要はない。
【0062】
前記シリコン化合物の具体例としては、たとえばテトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi−ブチルシリケート、テトラt−ブチルシリケート等のテトラアルキルシリケート;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、メチルトリsec−オクチルオキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン、メチルトリフェノキシシラン等のアルキルトリアリールオキシシラン等のトリアルコキシシランまたはトリアリールオキシシラン等が挙げられる。
【0063】
また、前記シリコン化合物の部分加水分解縮合物としては、例えば通常の方法で前記テトラアルキルシリケートやトリアルコキシシラン、トリアリールオキシシラン等に水を添加し、部分加水分解させて縮合させたもの、または前記テトラアルキルシリケート、アルコール系溶剤中、酸性物質と水の存在下、加水分解したものが挙げられる。
【0064】
その具体例としては、例えばMS51、ESi40、ESi48、HAS−1、HAS−10(以上、コルコート(株)製)、MS51、MS56(三菱化学(株)製)、シリケート45、シリケート48(以上、多摩化学(株)製)等のテトラアルキルシリケート部分加水分解縮合物や、例えばAFP−1(信越化学工業(株)製)等のトリアルコキシシラン部分加水分解縮合物等が挙げられる。
【0065】
上記(E)成分は単独で用いてもよく2種以上併用してもよいが、(A)成分と(E)成分との相溶性、得られる組成物の硬化性および該組成物を用いて形成される塗膜の硬度が高いことにより汚染物質の定着を抑制するという点から、ESI28、MS51、MS56、HAS−1等のテトラアルキルシリケートおよび/またはテトラアルキルシリケートの部分加水分解縮合物が好ましい。
【0066】
(E)成分の使用量は(A)成分100重量部に対して1〜100重量部、好ましくは5〜100重量部、さらに好ましくは10〜80重量部が好ましい。(E)成分が1重量部未満の場合には耐汚染性の効果が充分でなく、100重量部を超える場合には耐衝撃性が低下する。
【0067】
本発明の組成物には、(A)成分に対して架橋剤としてイソシアナ−ト基を2個以上有する化合物(F)成分が含有される。
【0068】
前記、イソシアナ−ト基を2個以上有する化合物としては、脂肪族系もしくは芳香族系のものが挙げられる。
【0069】
脂肪族系多官能性イソシアナ−トの具体例として、常温硬化用でヘキサメチレンジイソシアナ−ト、ジシクロヘキシルメタン4,4‘−イソシアナ−ト、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナ−ト、イソフォロンジイソシアナ−トがあり、構造としては単量体、ビュレット型、ウレジオ型、イソシアヌレ−ト型がある。
【0070】
加熱硬化用としてはブロックタイプのものがある。そのブロック剤としてはメチルアルコ−ル、エチルアルコ−ル、n−プロピルアルコ−ル、イソ−プロピルアルコ−ル、n−ブチルアルコ−ル、sec−ブチルアルコ−ル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、ベンジルアルコ−ル、フルフリルアルコ−ル、シクロヘキシルアルコ−ル、フェノ−ル、o−クレゾ−ル、m−クレゾ−ル、p―クレゾ−ル、p−tert−ブチルフェノ−ル、チモ−ル、p−ニトロフェノ−ル、β―ナフト−ルなどがある。また、芳香族多官能性イソシアナ−トとしては、2,4―トリレンジイソシアナ−ト、2,6―トリレンジイソシアナ−ト、ジフェニルメタン−4,4‘−ジイソシアナ−ト、キシレンジイソシアナ−ト、ポリメチレン−ポリフェニレル−ポリイソシアナ−ト、などがある。これにも、ビュレット型、ウレジオ型、イソシアヌレ−ト型がある。
【0071】
これらの化合物は、2種以上混合して用いることもできる。
【0072】
前記、イソシアナ−ト化合物(F)成分の使用量は、(A)および(H)成分中の水酸基に対してイソシアネート基が0.3〜2等量、さらには0.5〜1.5等量が好ましい。(F)成分が0.3等量の場合には、得られる組成物の初期硬化性や有機塗膜への付着性が低下するようになり、また2等量を超えると、該組成物を用いて得られた塗膜に未反応のイソシアナ−ト基が残存し、耐候性の低下や塗り重ね時にちぢみを生じる原因となる。
【0073】
有機金属化合物(G)の中では、錫系化合物の場合が塗膜の硬化性の点から好ましい。また、貯蔵安定性と硬化活性を考慮して分子内にS原子を有する化合物が更に好ましい。
【0074】
前記錫化合物の具体例としては、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレ−ト)、ジオクチル錫オキサイドまたはジブチル錫オキサイドとシリケ−トとの縮合物、ジブチル錫ジオクトエ−ト、ジブチル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫ジステアレ−ト、ジブチル錫ジアセチルアセトナ−ト、ジブチル錫ビス(エチルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(ブチルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(オレイルマレ−ト)、スタナスオクトエ−ト、ステアリン酸錫、ジ−n−ブチル錫ラルレ−トオキサイドがある。また、分子内にS原子有する錫化合物としては、ジブチル錫ビスイソノニル−3―メルカプトプロピオネ−ト、ジオクチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロピオネ−ト、オクチルブチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロピオネ−ト、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレ−ト、ジオクチル錫ビスイソオクチルチオグルコレ−ト、オクチルブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレ−トなどが挙げられる。
【0075】
前記錫化合物のうちでは、分子内にS原子を有する化合物が、イソシアナ−トを配合した場合の貯蔵安定性および可使時間が良好であることから好ましく、特に、ジブチル錫ビスイソノニル−3−メルカプト、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレ−トが硬化性と貯蔵安定性、可使時間のバランスの点から好ましい。
【0076】
前記硬化触媒(G)成分は単独でもよく、また、2種類以上併用してもよい。
【0077】
前記(G)成分の使用量は、(A)成分100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは、0.1〜8重量部、より好ましくは0.3〜5重量部である。さらに、有機金属化合物(G)成分の量が10重量部を超えると、該組成物を用いて形成した塗膜の表面光沢など外観性の低下傾向が認められるので好ましくない。
【0078】
水酸基含有アクリル樹脂(H)の具体例としては特に制限はなく、ポリウレタン技術分野において一般的に使用されるアクリルポリオールを意味し、硬化剤であるポリイソシアネートと反応するものであればよい。
【0079】
特に、非水分散型の樹脂を使用すれば、垂れ性等の作業性が向上するという点で好ましい。
【0080】
前記の安定剤として配合される単官能イソシア−ト化合物(I)成分としては、イソシアン酸、メチルイソシアナ−ト、エチルイソシアナ−ト、イソプロピルイソシアナ−ト、ヘキシルイソシアナ−ト、ビニルイソシアナ−ト、イソプロペニルイソシアナ−ト、フェニルイソシアナ−ト、トリルイソシアナ−ト、ニトロフェニルイソシアナ−ト、ナフチルイソシアナ−ト、トシルイソシアナ−トなどが挙げられるが、脱水能力および化合物自体の安定性の点からヘキシルイソシアナ−ト、トリルイソシアナ−ト、トシルイソシアナ−トが好ましい。中でも脱水効果の持続性の点からトシルイソシアナ−トが特に好ましい。これらは、単独または2種類以上併用することができる。それによって、硬化剤が脱水され、ポリイソシアナ−ト、有機金属化合物、単官能イソシアナ−ト化合物を混合した場合の貯蔵安定性が飛躍的に向上する。
【0081】
前記単官能イソシアナ−ト化合物(I)成分の配合量としては有機金属化合物(G)100重量部に対して1〜1000重量部が好ましく、10〜500重量部がより好ましく、50〜200重量部がさらに好ましい。
【0082】
前記樹脂(A)成分およびシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(E)成分には、さらに脱水剤を配合することによって、組成物の保存安定性を長期間にわたって優れたものにすることができる。
【0083】
前記脱水剤の具体例としては、たとえばオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルトイソプロピオン酸トリメチル、オルトイソプロピオン酸トリエチル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリエチル、オルトイソ酪酸トリメチル、オルトイソ酪酸トリエチルなどの加水分解性エステル化合物;または、ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタンなどが挙げられる。この中では、脱水効果の点から、オルト酢酸メチルが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0084】
前記脱水剤は、(A)成分と(E)成分の合計100重量部に対して100重量部以下好ましくは50重量部以下、さらには30重量部以下が好ましく使用される。
【0085】
また、樹脂(A)成分を重合する前の成分に加えてもよく、樹脂(A)成分の重合中に加えてもよく、また、得られた樹脂(A)成分とそのほかの成分との混合時に加えてもよく特に制限はない。
【0086】
また、本発明の塗料用硬化性樹脂組成物には、通常塗料に用いられる希釈剤、紫外線吸収剤、光安定剤、タレ防止剤、レベリング剤などの添加剤;ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレートなどの繊維素;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブチラール、ポリシロキサンなどの樹脂などを適宜加えてもよい。
【0087】
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物は、たとえば、ローラー、吹き付け、刷毛、などを用いて塗装するものであり、通常、常温でそのまま硬化せしめる。
【0088】
次に、本発明の塗料用硬化性樹脂組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
製造例 ビニル系重合体の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロ−トを備えた反応器に表1の(イ)成分を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した後、表1の(ア)成分の混合物を滴下ロ−トから5時間かけて等速滴下した。次に、(ウ)成分の混合溶液を1時間かけて等速滴下した。その後、引き続き、110℃で2時間攪拌した後に、室温まで冷却した。最後に表1の(エ)成分続いて(オ)成分を加えて攪拌した。
【0089】
得られた水酸基および加水分解性シリル基含有ビニル系重合体(A−1〜5)の固形分濃度、GPCで測定した数平均分子量を表1に示した。(ア)の単量体成分は重量%、後の成分は、単量体成分100重量部あたりの、重量部を示す。製造例 硬化剤の製造
表2の溶剤(D)成分に(G)成分を添加攪拌混合した。続いて、(I)成分を攪拌混合した後30分間静置し系中の脱水を行った。最後に、(F)成分を攪拌混合して硬化剤(G−1〜3)を作成した。(表中配合は重量部を示す。)
硬化性樹脂を用いた白エナメルした処方
表1で得られた塗料用樹脂(A−1〜5)(固形分濃度は50重量%に調整)に表3に示すミルベース成分を順次添加し、ガラスビ−ズを用いてサンドミルで60℃で2時間分散させた。次に、カットバック成分を添加し、開放下、1500回転で30分間攪拌し、表3に示す白エナメル(AW−1〜AW−11)を得た。(配合量は重量部を示す。)
エナメル貯蔵安定性
得られた白エナメル(AW−1〜AW−11)を塗料缶に詰め、密閉での貯蔵安定性を50℃雰囲気下2週間、4週間後で評価した。評価は、粘度変化で実施し、測定は23℃条件下ストーマー粘度計で測定した。結果を表4示した。
塗膜物性
得られた白エナメル(AW−1〜AW−8)に硬化剤(G)成分を表5に示すように配合し(重量部)、さらにシンナ−を20重量部添加して攪拌機を用いて5分間攪拌して塗料を得た。
比較には、市販の床用ウレタン塗料を用いた。
(イ)付着試験
コンクリートモルタル平板、アクリル板、エポキシ板上に各種塗料を塗布し、23℃×50%で7日養生後、下地への密着性を確認した。
付着性の確認は、JISK5400記載の方法に従って25マスをカッタ−にて切り込み、ガムテ−プによるピ−リング性を評価した。試験結果を表5に記載した。
(ロ)塗膜外観
ガラス板上に白エナメルに硬化剤および一部の比較例にはエポキシ化合物を配合した各種塗料を塗布し、23℃×50%で7日養生後、60°光沢を測定した。また、また、50℃雰囲気下4週間保存後の白エナメルを使用して、同様に白エナメルに硬化剤と一部の比較例にはエポキシ化合物を配合した塗料を用いて、同様の方法で評価した。結果を表6に記載した(配合量は重量部を示す)。表6の結果から、エナメル作成時あるいはそれ以前からからエポキシ化合物を配合した塗料用組成物を用いると、保存後でも塗膜特性の低下あるいは変化の少ない塗料が得られることが判る。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
【表4】
【0094】
【表5】
【0095】
【表6】
発明の効果
加水分解性シリル基および水酸基を含有するアクリル共重合体と、多官能性イソシアナ−トと反応性させ、シロキサン結合とウレタン結合を有する複合塗膜を形成させることで、有機、無機基材へ密着性を付与し、さらに特定のエポキシ化合物を含有させることで、長期の貯蔵安定性を確保することに成功した。
Claims (10)
- 主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖からなり、主鎖末端および/または側鎖に 一般式(I):
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個有すると共に、かつ、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性水酸基を少なくとも1個有するビニル系共重合体(A)成分100重量部、分子量が400以下のエポキシシラン化合物(B)成分0.01〜10重量部、顔料(C)、有機溶剤(D)、並びに、架橋剤としてイソシアナート基を2個以上含有する化合物(F)成分1〜100重量部を含有する塗料用硬化性樹脂組成物において、
(A)〜(D)成分を主剤として予め混合することを特徴とする塗料用硬化性樹脂組成物(ただし、当該塗料用硬化性樹脂組成物が、離型性シート層、粘着剤層、ベースシート層、必要に応じて着色塗膜層、及びクリヤー塗膜層を順次積層してなる粘着シートにおける前記クリヤー塗膜層を形成するために用いられる場合を除く)。 - 前記組成物に、一般式(II)
(R3O)4−b−Si−R4 b (II)
(式中、R3、R4は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜10のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す)で表されるシリコン化合物及び/またはその部分加水分解縮合物(E)を、前記樹脂(A)成分100重量部に対して、0.1〜100重量部配合してなる請求項1記載の塗料用硬化性樹脂組成物。 - 前記組成物に硬化触媒として有機金属化合物(G)成分を前記樹脂(A)成分100重量部に対して、0.01〜10重量部配合してなる請求項1〜2のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
- 前記ビニル系重合体(A)に水酸基含有アクリル樹脂(H)成分を配合することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
- 前記組成物に用いる溶剤(D)成分が第3種有機溶剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
- 組成物に、単官能イソシアナ−ト化合物(I)成分を有機金属化合物(G)成分100重量部に対して1〜1000重量部配合してなることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
- 有機金属化合物(G)成分として有機錫化合物を配合することを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
- 有機金属化合物(G)成分として分子内にS原子を含有する錫系化合物を配合することを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
- 水酸基含有アクリル樹脂(H)成分として非水分散型樹脂を配合することを特徴とする請求項1〜8のいずれに記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
- (A)成分が炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸および/またはその誘導体を単量体成分中1〜70重量%用いて得られることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002345119A JP4334206B2 (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 塗料用硬化性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002345119A JP4334206B2 (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 塗料用硬化性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004175957A JP2004175957A (ja) | 2004-06-24 |
JP4334206B2 true JP4334206B2 (ja) | 2009-09-30 |
Family
ID=32706377
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002345119A Expired - Fee Related JP4334206B2 (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 塗料用硬化性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4334206B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4294944B2 (ja) * | 2002-11-28 | 2009-07-15 | 株式会社カネカ | 床用塗料硬化性組成物および床用塗膜の形成方法 |
JP4942356B2 (ja) * | 2006-02-15 | 2012-05-30 | 三菱レイヨン株式会社 | 活性エネルギー線硬化性組成物及び硬化物 |
JP5369556B2 (ja) * | 2008-09-08 | 2013-12-18 | 信越化学工業株式会社 | プライマー組成物の製造方法及び被覆物品 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3318805B2 (ja) * | 1993-06-29 | 2002-08-26 | 鐘淵化学工業株式会社 | 熱硬化性上塗り塗料用組成物 |
JPH10212454A (ja) * | 1998-02-24 | 1998-08-11 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 親水性硬化性組成物 |
JP2000160120A (ja) * | 1998-11-25 | 2000-06-13 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 上塗塗料用組成物 |
JP4943572B2 (ja) * | 1999-04-14 | 2012-05-30 | 株式会社カネカ | 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物 |
JP2002188041A (ja) * | 2000-12-20 | 2002-07-05 | Toray Ind Inc | 塗料組成物 |
JP2003268323A (ja) * | 2002-03-14 | 2003-09-25 | Kansai Paint Co Ltd | 建築外壁用粘着シート |
-
2002
- 2002-11-28 JP JP2002345119A patent/JP4334206B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004175957A (ja) | 2004-06-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4943572B2 (ja) | 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物 | |
JP4943571B2 (ja) | 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物 | |
JP5376741B2 (ja) | 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物 | |
JP4688258B2 (ja) | 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物 | |
JP3954721B2 (ja) | 上塗り塗料用硬化性組成物およびそれを塗布してなる塗装物 | |
JP4334188B2 (ja) | 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物。 | |
JP4334206B2 (ja) | 塗料用硬化性樹脂組成物 | |
JP5047670B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物および該硬化性樹脂組成物を塗布してなる塗装物 | |
JP4772937B2 (ja) | 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物 | |
US6383648B1 (en) | Curable composition for topcoating and articles coated therewith | |
JP4294944B2 (ja) | 床用塗料硬化性組成物および床用塗膜の形成方法 | |
JP3702381B2 (ja) | 上塗り塗料用硬化性組成物及びそれを塗布してなる塗装物 | |
JP3703966B2 (ja) | 塗料調製方法 | |
JP4647765B2 (ja) | 顔料分散用樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物 | |
JP2001131463A (ja) | 塗料用硬化性樹脂組成物 | |
JP4256608B2 (ja) | 顔料分散用樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物 | |
JP4790140B2 (ja) | 塗料用硬化性組成物及び塗装物 | |
JP2008169398A (ja) | 床用塗料硬化性組成物およびそれを用いた床用塗膜の形成方法 | |
JP2000160120A (ja) | 上塗塗料用組成物 | |
JP5220249B2 (ja) | 塗料用硬化性樹脂組成物および該組成物を塗布してなる塗装物 | |
JP2002226789A (ja) | 耐汚染性塗料組成物 | |
JP2008144178A (ja) | 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物 | |
JP5225538B2 (ja) | 弱溶剤型塗料用樹脂組成物および顔料分散方法 | |
JP4659794B2 (ja) | 顔料分散用樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物 | |
JP2004002611A (ja) | 弾性上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物。 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050929 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081009 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081021 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081218 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20081218 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090303 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090501 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090602 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090623 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4334206 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130703 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130703 Year of fee payment: 4 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |