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JP4320691B2 - 送信・受信切り替え回路 - Google Patents

送信・受信切り替え回路 Download PDF

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JP4320691B2 JP2000008603A JP2000008603A JP4320691B2 JP 4320691 B2 JP4320691 B2 JP 4320691B2 JP 2000008603 A JP2000008603 A JP 2000008603A JP 2000008603 A JP2000008603 A JP 2000008603A JP 4320691 B2 JP4320691 B2 JP 4320691B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デュアルバンド無線通信装置用送信・受信回路に関し、特に欧州のデュアルバンド携帯電話のアンテナ切り替え回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の携帯電話の普及はめざましいものがあり、携帯端末機の機能の向上が図られている。その一つとして、一つの携帯端末機で二つの周波数帯での通話を可能とするデュアルバンド携帯電話が実用化されつつある。欧州では、無線周波数が異なる二つのシステム、900MHz帯のGSM(Global System for Mobil communications)と1.8GHz帯のDSC(Digital Cellular System)を一つのアンテナで送信・受信を行うデュアルバンド・ホンが実用化されている。
【0003】
図1に、従来のデュアルバンド・ホンに使用されている送信・受信切り替え回路のブロック図を示す。送信・受信切り替え回路は、900MHz帯及び1.8GHz帯の送信信号及び受信信号を送信・受信するアンテナ11,900MHz帯の送信信号及び受信信号を切り替えるスイッチ12,1.8GHz帯の送信信号及び受信信号を切り替えるスイッチ13,ならびに900MHz帯の送信・受信信号及び1.8GHz帯の送信・受信信号を分波・合成する分波器14で構成される。図2に、図1に示した送信・受信切り替え回路の等価回路の一例を示す。この送信・受信切り替え回路では、900MHz帯及び1.8GHz帯の送信信号をオン・オフするダイオードがそれぞれ必要であり、例えば900MHz帯の送信・受信信号の切り替えスイッチ12は送信信号をオン・オフするダイオード121と、900MHz帯の送信信号の周波数帯で凡そ90度の位相差を持つ位相器122と、送信時にオンされ受信時オフされる受信側ダイオード123と、各々の前記ダイオード121,123に直流を印加する高周波チョーク回路124,125で構成されている。1.8GHz帯の送信・受信信号の切り替えスイッチ13においても前記900MHz帯スイッチと同様に構成されている。また、送信・受信信号を分波・合成する分波器14は、インダクタンス141とコンデンサ142からなる並列共振回路の後段に配置されるインダクタンス147、コンデンサ145,146からなるローパスフィルタ回路と、インダクタンス144とコンデンサ143からなる並列共振回路の後段に配置されるインダクタンス148,149、コンデンサ150からなるハイパスフィルタ回路とから構成されていた。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
従来の送信・受信信号の切り替え回路においては、前記のように送信信号をオン・オフするダイオードは各々一つ必要であり、又、分波器は900MHz帯の送信・受信信号及び1.8GHz帯の送信・受信信号を分波・合成するため、広帯域な伝送特性が要求されるため多くの回路素子を必要とし、送信・受信信号の切り替え回路の小型化が困難であった。
本発明は、このような問題点を解決し、小型の送信・受信信号の切り替え回路を提供することを目的とする。
【0005】
【問題を解決するための手段】
本発明は、 送信信号及び受信信号を送信・受信するアンテナと、送信信号の経路に直列に配置された第1のダイオードによりアンテナへの送信信号をオン・オフする第1のスイッチと、前記アンテナに接続されアンテナからの受信信号を第1の周波数帯域の受信信号と第2の周波数帯域の受信信号とに分離する分波器と、第1の周波数帯域の受信信号の経路に配置され、一端側が前記分波器と接続された第1の位相器と、第2の周波数帯域の受信信号の経路に配置され、一端側が前記分波器と接続された第2の位相器と、前記第1の位相器の他端側を接地する第2のダイオードと、前記第2の位相器の他端側を接地する第3のダイオードによって、第1の周波数帯域の受信信号、及び第2の周波数帯域の受信信号をオン・オフする第2のスイッチを有し、分波器のアンテナ側端子から第2のダイオードを介して接地までの経路の全位相は、第1の周波数帯域で略90°であり、分波器の前記アンテナ側端子から第3のダイオードを介して接地までの経路の全位相は、第2の周波数帯域で略90°であって、送信時に第1〜第3のダイオードをオンし、受信時に第1〜第3のダイオードをオフする送信・受信切り替え回路である。
本発明において、前記第1及び第2の位相器を、特性インピーダンス線路、LC集中定数回路から選ばれる少なくとも1つとするのが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る送信・受信切り替え回路を説明する。
図3に、本発明に係わる送信・受信切り替え回路の一実施例のブロック図を示す。
送信・受信切り替え回路30は、送信信号及び受信信号を送信・受信するアンテナ31、前記アンテナへ送信信号をオン・オフする第1のスイッチ32,アンテナからの受信信号を第1の周波数帯域の受信信号と第2の周波数帯域の受信信号に分波する分波器33,第1の周波数帯域の受信信号に対応した第1の位相器34及び、第2の周波数帯域の受信信号に対応する第2の位相器35、ならびに第1の周波数帯域の受信信号及び、第2の周波数帯域の受信信号をオン・オフする第2のスイッチ36で構成される。
そして、第1のスイッチ32及び分波器33の第1の端子321、331がアンテナ31に、分波器の第2の端子332が第1の位相器34の第1の端子341に、分波器の第3の端子333が第2の位相器35の第1の端子351に、第1の位相器34の第2の端子342が第2のスイッチ36の第1の端子361に、第2の位相器35の第2の端子352が第2のスイッチ36の第2の端子362にそれぞれ接続されている。第2のスイッチ36の第3及び第4の端子363,364は、後段に配置される第1の周波数帯域の第1の受信フィルター38,第2の周波数帯域の受信フィルター39に、それぞれ接続される。
【0007】
図4に、図3の送信・受信切り替え回路30の一例の等価回路図を示す。
アンテナ31からの受信信号を第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域に分波する分波器33はインダクタンス431〜433及びコンデンサ531〜533で構成され、第1の周波数帯域の受信信号が通過する第1及び第2の端子331,332間にインダクタンス431及びコンデンサ531とからなる共振回路、ならびに接地されたインダクタンス433が接続され、、第2の周波数帯域の受信信号が通過する第1及び第3の端子331、333間にインダクタンス432及びコンデンサ532からなる並列共振回路、並びに接地されたコンデンサ533が接続される。このとき、インダクタンス431及びコンデンサ531は第2の周波数帯域で共振し、インダクタンス432及びコンデンサ532は第1の周波数帯域で共振する定数を持つ。
第1及び第2の位相器34,35は特性インピーダンス線路で構成される。特性インピーダンス線路は通常50Ωマイクロストリップラインが使用される。
第1のスイッチ32はダイオード701、インダクタンス421,422、コンデンサ521〜523及び抵抗821、822で構成され、第1及び第2の端子321,322間にコンデンサ522、ダイオード701、コンデンサ523の順番に接続され、ダイオード701のカソード端子とコンデンサ522の接続点はインダクンス421及び抵抗821を介して接地され、ダイオード701のアノード端子とコンデンサ523の接続点はインダクタンス422及びコンデンサ521を介して接地される。このとき、インダクタンス422とコンデンサ521との接続点にはダイオード701のオン・オフを制御するための制御端子VC1が接続される。
第2のスイッチ36はダイオード702,703、インダクタンス461,462、コンデンサ561〜565及び抵抗861、862で構成され、第1の周波数帯域の受信信号が通過する第1の端子361と第3の端子363との間にコンデンサ561、562が接続され、コンデンサ561とコンデンサ562との接続点はダイオード702を介して接地されるとともに、ダイオード702のオン・オフを制御するための制御端子VC2へインダクタンス461及び抵抗861を介して接続される。第2の周波数帯域の受信信号が通過する第2の端子362と第4の端子364との間にコンデンサ563,564が接続され、コンデンサ563と564との接続点は、ダイオード703を介して接地されるとともに、ダイオード703のオン・オフを制御するための制御端子VC2へインダクタンス462および抵抗862を介して接続される。
【0008】
ここで、上記記載の送信・受信切り替え回路30の動作について、第1及び第2の周波数帯域を1.8GHz(DSC)及び900MHz(GSM)として説明する。
まず、受信の場合は、第1のスイッチ32及び第2のスイッチ36のダイオード701,702および703をオフ(VC1=0V、VC2=0V)にしておく。第1の周波数帯域の1.8GHz帯の受信信号は分波器33の共振回路で分波され、分波器33の第2の端子332へ出力される。この出力信号は、低損失なマイクロストリップ線路である第1の位相器を通過し第2のスイッチ36の第1端子361へ現れる。第2のスイッチにおいてコンデンサ561及び562を十分に大きな容量を持つコンデンサ(例えば100pF)をもちいることで、損失なく受信信号を第2のスイッチ36の第3の端子363へと通過させる。一方、第2の周波数帯域の900MHz帯の受信信号も、分波器33により分波され、第2のスイッチの第4の端子364へと通過していく。
送信時は、第1のスイッチ32及び第2のスイッチ36のダイオード701,702及び703をオン(VC1=3V、VC2=3V)にする。1.8GHz帯の第1の周波数帯域の送信信号が第1のスイッチ32の第2の端子322へ入力すると、低損失で第1のスイッチ32の第1の端子321へと通過し、アンテナ31及び分波器33の第1の端子331へと流れる。このとき、分波器33のインダクタンス431及びコンデンサ531の共振回路、位相器34及び第2のスイッチ36のコンデンサ561の全位相を凡そ1.8GHz帯で90度となるようにすることで、分波器33の第1の端子331から受信フィルターをみたインピーダンスは高インピーダンスとなり分波器33の第1の端子331へ流れてきた送信信号は全てアンテナへと流れる。
第2の周波数帯域の900MHz帯の送信信号においても、分波器33のインダクタンス432及びコンデンサ532の共振回路、第2の位相器35,及び第2のスイッチ36のコンデンサ563の全位相を凡そ900MHz帯で90度となるようにすることで、分波器33の第1の端子331から受信フィルターをみたときのインピーダンスを高インピーダンスに出来、送信信号を受信フィルターへ流さないで、低損失にアンテナへと流せる。
【0009】
【実施例】
前記図4に示した送信受信切り替え回路の伝送特性例を図5に、従来例の図2の切り替え回路の伝送特性例を図6に示す。
各々の回路素子の定数は、521=100pF、522=100pF、523=100pF、421=63nH、422=68nH、821=3KΩ、822=1KΩ、531=3.5pF、532=2pF、533=1.5pF、431=9nH、432=4nH、433=5nH、位相器34は、1.8GHzで0.4波長となる50Ωストリップライン、位相器35は、900MHzで0.18波長となる50Ωストリップライン、561=10pF、562=10pF、563=100pF、564=100pF、461=33nH,462=68nH、861=1KΩ、862=1KΩ、ダイオード701,702及び703はPINダイオードとした。
まず、送信信号の挿入損失は、従来の切り替え回路では900MHz帯及び1.8GHz帯で凡そ1dBにあるのに対し、本発明による実施例では、900MHz帯及び1.8GHz帯の送信信号の挿入損失は凡そ0.5dBである。これは、送信信号の挿入損失が、従来例では分波器の挿入損失を含むのに対し、本発明ではダイオードによる損失だけであるのによる。
送信信号の受信回路への挿入損失は、従来の切り替え回路は凡そ25dB、本発明の実施例でも凡そ25dBと良好である。
次に受信信号のアンテナから受信フィルター間の挿入損失は、従来の切り替え回路では凡そ1dB、本発明の実施例も凡そ1dBと良好である。
【0010】
図7は、本発明に係る他の実施例の等価回路を示す。ここで第1及び第2の位相器34,35をLCの集中定数回路で構成し、受信スイッチ回路のダイオードをコンデンサを介して信号ラインに接続する構成とした。この場合であっても、低損失で小型の送信・受信切り替え回路を得ることができた。
【0011】
【発明の効果】
本発明によれば、送信信号のスイッチを第1の送信信号と第2の送信信号との共用とすることが出来、共用とすることでスイッチをダイオード一つで構成でき、送信・受信切り替え回路を小型に出来る。さらには、送信・受信切り替え回路の分波器を受信信号の分波だけとすることで、送信信号の挿入損失を小さくでき、且つ、分波器を構成する回路素子数を削減できることにより送信・受信切り替え回路を小型に出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のデュアルバンド・ホンに使用されている送信・受信切り替え回路のブロック図である。
【図2】従来の送信・受信切り替え回路の等価回路図である。
【図3】本発明に係る送信・受信切り替え回路の一実施例のブロック図である。
【図4】本発明に係る送信・受信切り替え回路の等価回路図である。
【図5】本発明に係る等価回路の伝送特性例を示す図である。
【図6】従来例の切り替え回路の伝送特性例を示す図である。
【図7】本発明に係る他の実施例の等価回路図である。
【符号の説明】
31 アンテナ
32 第1のスイッチ
33 分波器
34、35 位相器
36 第2のスイッチ

Claims (2)

  1. 送信信号及び受信信号を送信・受信するアンテナと、
    送信信号の経路に直列に配置された第1のダイオードによりアンテナへの送信信号をオン・オフする第1のスイッチと、
    前記アンテナに接続されアンテナからの受信信号を第1の周波数帯域の受信信号と第2の周波数帯域の受信信号とに分離する分波器と、
    第1の周波数帯域の受信信号の経路に配置され、一端側が前記分波器と接続された第1の位相器と、第2の周波数帯域の受信信号の経路に配置され、一端側が前記分波器と接続された第2の位相器と、
    前記第1の位相器の他端側を接地する第2のダイオードと、前記第2の位相器の他端側を接地する第3のダイオードによって、第1の周波数帯域の受信信号、及び第2の周波数帯域の受信信号をオン・オフする第2のスイッチを有し、
    分波器のアンテナ側端子から第2のダイオードを介して接地までの経路の全位相は、第1の周波数帯域で略90°であり、分波器の前記アンテナ側端子から第3のダイオードを介して接地までの経路の全位相は、第2の周波数帯域で略90°であって、
    送信時に第1〜第3のダイオードをオンし、受信時に第1〜第3のダイオードをオフすることを特徴とする送信・受信切り替え回路。
  2. 前記第1及び第2の位相器が、特性インピーダンス線路、LC集中定数回路から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の送信・受信切り替え回路。
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