JP4318248B2 - 帯電防止機能を備えた車輌用の内装材 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、帯電防止機能を備えた車輌用の内装材に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の如く、静電気は摩擦により全ての物質に発生する。そして、人への帯電では、例えば、気象条件、周囲の環境(着用する衣服、衣服の材料、又は体質)等により区々であること、又は人によって、強い違和感があり、また怪我の虞と、また強い衝撃を受けることから、極めて不愉快であること、等の問題がある。このような帯電による不都合は、本発明が意図する車輌では、車体の一部が導体としての役割を担うことから、一層深刻であり、例えば、運転者、搭乗者等にとっては、避けられない問題である。
【0003】
以上のような不都合があることから、一般的には、車体より静電気を除去する手段が採用されている。例えば、アース用のパーツ(アースにより強制的に減衰させる)、又はアースグッズ等があり、その一部は実用に供されている。しかし、この種の静電気除去手段は、取付け等が面倒であること、消耗による取替えの必要性、粉塵による(僅かであるが)悪影響、又は乾燥時等の状態では、効果が少なく、一時的なこと、等からそれ程、普及しないのが現況である。
【0004】
以上の問題を本質的に改良する発明として、車輌のシート、又はボディ、内装材等に、帯電防止機能を備えた表面材(表皮材)、内装材等に関する発明が散見される。その一部を文献として説明するが、以下の文献(1)と、文献(2)である。
【0005】
: 文献(1)は、特開2000−79653の車輌シート用表面材およびその製造方法である。その内容は、表面材は、ワディング材の表面にカーボンエマルジョンを散布して表層部に導電ウェブ層を形成し、この表面にホットメルト製の接着層を形成し、これを導電性繊維が混入されて帯電防止機能を有する表皮材と積層・圧締後、厚み方向に熱風を通過させてワディング材と表皮材とを接着一体化し、次いで所定厚みとなるよう冷間 プレスで製造する。そして、この表面材は、帯電防止機能を有する表皮材と、カーボンエマルジョンの散布により表層部に形成された導電ウェブ層との間に、繊維系のワディング材がカーボンエマルジョンを混在させた接着層を介して接着一体化する構成である。これにより、自動車のシートカバー等に用いる帯電防止機能に優れかつ風合いにも優れた車輌シート用表面材を提供できる特徴がある。しかし、この文献(1)は、カーボンエマルジョンの散布により表層部に導電ウェブ層を形成する構成である。従って、導電ウェブ層の耐久性に改良の余地がある。またワディング材とカーボンエマルジョンとの馴染みが十分とは云えないと考えられることから、使用頻度と、衝撃を受け易いシートの表面材としては、改良の余地が考えられる。
【0006】
: 文献(2)は、特開平10−278698号の自動車用内装材とその製造方法である。その内容は、カーボン繊維と樹脂繊維とを混合し、この混合したものをニードル(針)により絡合状態とし(混織し)、この絡合状態の素材(絡合繊維フレキシブル素材)を加熱、樹脂溶融し、この加熱状態において所定の厚みに圧縮する構成である。従って、帯電防止機能に優れかつ超軽量で高強度を有する自動車用内装材を提供できる特徴がある。しかし、この文献(2)は、コストの上昇を招くこと、又は廃棄の際に、手間と環境汚染(二次公害発生)回避等の処理が必要であり、面倒であること、また廃棄に関して問題が考えられること、等の改良点が見受けられる。
【0007】
また本発明が使用する紙製の静電気除去防止構造体に関する文献としては、下記の文献(3)がある。
【0008】
: この文献(3)は、特開平7−3697号のカーボンブラック含有紙の発明である。この発明は、カーボンブラックを分散した木材パルプ、木綿繊維、綿花、植物パルプ、回収古紙等でなるセルロース系繊維スラリーに、カルボキシ変性ポリマーのアニオン系ラテックス、又は水性分散材等を加えた後、定着し、抄紙時に助剤を添加し、抄紙製造することを特徴とするカーボンブラック含有紙であり、カーボンブラック含有量が大で、カーボン粉体の脱離が小さく、かつ強度の大きい紙が得られること、又は紙は、静電気除去防止材、電磁波シールド材、面状発熱体等に利用できること、又はカーボンの脱落防止が図れること、等が記述されている。しかし、この文献(3)は、カーボンブラックを含有するセルロース系繊維スラリーに、樹脂性接着材(カルボキシ変性ポリマーのアニオン系ラテックス)、又は水性分散材等を加えたカーボンブラック含有紙である。従って、静電防止の効果は図れる効果がある。しかし、この文献(3)は、セルロース系繊維スラリーを基材とした場合には、紙粉の剥離が問題となるが、この処理が十分でなく、使用の際に問題となる。一例を説明すると、搬送物に、紙粉が付着して埃の原因となること、またこの埃の剥離に作業、時間を要すること、又は処理手段、器具等を要すること、等の改良すべき問題がある。また搬送物の一部に不良品でも発生すれば、この不良品が無駄となること、また不良品の処理に基づく手間、二次公害、又は経済的な打撃となること、等の問題が発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述の如く、文献(1)〜(3)においては、一長一短があり、車輌用の内装材としては、改良の余地があること、又は市井の要望、社会状況、環境、また部品・コストの削減等の要望に応えるためには、解決すべき課題が残っているのも現況である。
【0010】
上記に鑑み本発明は、固有抵抗値の大きな物質に発生した静電気は流れず蓄積帯電されることを考慮して、この帯電防止を図ること、又は除電にはアースが必要となり、しかも前記固有抵抗値の大きな物質により静電気が帯電すると、この帯電を減衰するのに多くの時間を要するが、本発明では、帯電発生を回避しつつ、かつ減衰に要する時間の短縮化を図ること、またアースは点ではなく、面により行うことが、極めて有益であること、等を意図する。また本発明は、固有抵抗値の大きな物質の表面における体積固有抵抗値を小さく改善して電気が流れやすくして帯電防止を図ること、廃棄処理に要する二次公害発生回避等の手間、又は設備を要さず簡易に廃棄処理ができる車輌用の内装材を提供すること、等を意図する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、前述の意図を達成することを最大の特徴とする。また本発明は、廃棄処理に要する二次公害発生回避等の手間、又は設備を要さず簡易に廃棄処理ができる車輌用硬性の内装材(天井、ボディ等の構成材、芯材)の提供を意図する。そして、紙粉が発生しない構造であって、通電性の良い安価な繊維で製造した静電気除去防止用導電性シートを、中核に採用して効率的に徐電できる帯電防止機能を備えた車輌用硬性の内装材の提供と、又はカーボン繊維のエンドロスの廃材処理を有効利用、又は再利用を意図する。尚、本発明は、パルプ繊維とカーボン繊維及び熱可塑性重合繊維とでなる基本材料を利用して、コストの低廉化、また成形(製造)に適する帯電防止機能を備えた車輌用硬性の内装材の提供を意図する。尚、本発明は、製品への塵、紙粉等の異物の付着を嫌うこの種の製品の搬送に使用できる構造とした車輌用硬性の内装材の提供を意図する。
【0012】
請求項1は、帯電防止機能を備えた表面材と、導電性シートとの間に設けた成形紙材とで構成した帯電防止機能を備えた車輌用の内装材であって、
前記導電性シートは、パルプ繊維とカーボン繊維、及び熱可塑性重合繊維を混合し、泥状化したパルプ素材を生成し、このパルプ素材をシート状に延展、抄造等の手段により製造し、前記パルプ繊維中にカーボン繊維を混在する構成としたことを特徴とする帯電防止機能を備えた車輌用の内装材である。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の目的を達成することと、前述の意図を達成することを最大の特徴とする。
【0014】
請求項2は、帯電防止機能を備えた表面材と、導電性シートとの間に設けた成形紙材とで構成した帯電防止機能を備えた車輌用の内装材であって、
前記導電性シートは、パルプ繊維とカーボン繊維、及び熱可塑性重合繊維を混合し、泥状化したパルプ素材を生成し、このパルプ素材をシート状に延展、抄造等の手段により製造し、前記パルプ繊維中にカーボン繊維を混在する構成であり、
また前記成形紙材は、その上下側に導電性フィルムをラミネートする構成であり、
前記導電性フィルムを熱プレスにより融解し、前記三者を一体成形したことを特徴とする帯電防止機能を備えた車輌用の内装材である。
【0015】
請求項3の発明は、前述の意図を達成することを最大の特徴とする。また本発明は、廃棄処理に要する二次公害発生回避等の手間、又は設備を要さず簡易に廃棄処理ができる車輌用クッション性の内装材(シート、ボディ等の構成材、芯材)の提供を意図する。そして、紙粉が発生しない構造であって、通電性の良い安価な繊維で製造した静電気除去防止用導電性シートを、中核に採用して効率的に徐電できる帯電防止機能を備えた車輌用クッション性の内装材の提供と、又はカーボン繊維のエンドロスの廃材処理を有効利用、又は再利用を意図する。尚、本発明は、パルプ繊維とカーボン繊維及び熱可塑性重合繊維とでなる基本材料を利用して、コストの低廉化、また成形(製造)に適する帯電防止機能を備えた車輌用クッション性の内装材の提供を意図する。尚、本発明は、製品への塵、紙粉等の異物の付着を嫌うこの種の製品の搬送に使用できる構造とした車輌用クッション性の内装材の提供を意図する。
【0016】
請求項3は、帯電防止機能を備えた表面材と、導電性シートとの間に設けた成形紙材又はクッション材とで構成した帯電防止機能を備えた車輌用の内装材であって、
前記導電性シートは、パルプ繊維とカーボン繊維、及び熱可塑性重合繊維を混合し、泥状化したパルプ素材を生成し、このパルプ素材をシート状に延展、抄造等の手段により製造し、前記パルプ繊維中にカーボン繊維を混在する構成としたことを特徴とする帯電防止機能を備えた車輌用の内装材である。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の車輌用の内装材の中心をなす導電性シートの実施の形態を説明すると、図1に示すフローチャートの如く、解繊機、叩解機、又は撹拌混合機械、或いは粉砕混合機械等の手段(解繊機、叩解機とする)に、パルプ繊維及び/又はカーボン繊維等を投入し、当該パルプ繊維、カーボン繊維を、所定の寸法に叩解及び/又は撹拌・粉砕等する。この作業で、叩解及び/又は粉砕されたパルプ繊維、カーボン繊維でなる導電性の粒子(粉砕粒子とする)が生成される。この粉砕粒子に、水分を媒体として撥水又は耐水処理を行ない、水溶性の粉砕粒子とする(泥状化したパルプ素材、所謂、スラリーとする)。この工程において、水分を媒体として泥状化したパルプ素材とすることで、作業の効率化、簡略化等を図り、かつ確実で品質の良い泥状化したパルプ素材を生成できる。その後、この例では二つのルート(以下の[1]、[2])を辿る。この各ルートを個別に説明する。この水分の付与は、何れの方法でも可能であり、例えば、噴霧、充填、塗布等があり、簡便かつ確実な方法を採用する。
【0022】
[1] 第一のルート(ウェット成形ルート)は、抄製工程を経由して、紙抄きの感覚で導電性シートを作製する。この導電性シートを乾燥した後に(又は乾燥しつつ)、紙粉防止処理を行なう。この紙粉防止処理は、水分を媒体として泥状化したパルプ素材に、水溶性エマルジョン等の薬剤を、何れの方法で添加する。その添加は、例えば、噴霧、充填、塗布等があり、簡便かつ確実な方法を採用する。そして、この工程において、紙粉防止処理を行なうのは、乾燥工程により表面に噴き出た紙紛を確実に押えて、平面平滑性を確保できる。また後工程での紙紛落下と、この落下に基づくトラ ブルの解消と、又は作業の効率化、簡略化等を図り、かつ確実で品質の良い導電性シートの製造に役立つ特徴がある。尚、この紙粉防止処理は、後工程の例えば、積層及び/又は熱圧着工程においてロールプレス機等の熱プレスで、熱による圧着を利用し、略自然の状態で、前記紙紛の押え及び/又は平面平滑性が確保できるので、有益である。この工程の積層及び/又は熱圧着工程では、芯材として、例えば、牛乳パックの再生品、ダンボール芯、又は他の紙製芯材(再利用が図れ有益である)、 プラスチック芯材(再利用に少し問題であるが利用できる。但し、分解性プラスチックが理想である)を利用して、この芯材の少なくとも一面に導電性シートを添接する。勿論、図示しないが、導電性シートのみの積層も可能である。何れにしても、この導電性シートの枚数は一枚でも可能であるが、枚数が増加すればそれなりの除電効果は期待できる。また導電性シートを、一枚のみで利用できるが、強度、引張り等による破壊等を問題としない場合に有益である。この積層及び/又は熱圧着工程で製造された静電気除去防止構造体は、二つのルート(板紙成形ルート、ドライ成形ルート)がある。この板紙成形ルートは、トリミング加工を利用して不要部分を切断する。この切断後、エアー工程を利用して付着した塵、埃又は滓等を排除して完成品とする。またドライ成形ルートは、積層熱圧着の前後で分岐し、プレス成形機等によるプレス成形後、エアー工程を利用して付着した塵、埃又は滓等を排除して所定の形状の静電気除去防止構造体製品を製造する。
【0023】
[2] 第二のルート(ウェット成形ルート)は、抄製工程とともに成形し、紙抄きの感覚と成形とを一体に行ない、湿潤状態の導電性シート素材を作製する。この導電性シート素材に、紙粉防止処理を行なう方法であり、最も簡単な方法であり、大量生産、低コスト化等に寄与できる。この例の特徴も前述の例に準ずる。その後、芯材とともに熱プレス機等によるプレス成形で、所定の形状の静電気除去防止構造体製品を製造する。他の構成及び/又は特徴は前述の例に準ずる。
【0024】
この導電性シートを中心として、図3〜図6に示した車輌用硬性の内装材と、また図7〜図10に示した車輌用クッション性の内装材を構成する。先ず、図3〜図6の一例における車輌用硬性の内装材を説明すると、図3、図4に示した例では、帯電防止機能を備えた表皮材と、成形紙材と、導電性シートとを順次積層した後に、熱プレス機等によるプレス成形で、所定の形状に成形することで少なくとも表面部及び裏面部に空中放電機能を有する三層構造の帯電防止機能を備えた車輌用硬性の内装材が製造できる。また図5、図6に示した例では、帯電防止機能を備えた表皮材と、表裏(上下側)に導電性接着剤を備えた(導電性フィルムラミネートした)成形紙材と、導電性シートとを順次積層した後に、熱プレス機等によるプレス成形で、所定の形状に成形することで少なくとも表面部及び中間部並びに裏面部に放電機能を有する三層構造の帯電防止機能を備えた車輌用硬性の内装材が製造できる。次に、図7〜図10の一例における車輌用クッション性の内装材を説明すると、図7、図8に示した例では、帯電防止機能を備えた表皮材と、成形紙材又はクッション材と、導電性シートとを順次積層した後に、熱プレス機等によるプレス成形で、所定の形状に成形することで少なくとも表面部及び裏面部に放電機能を有する四層構造の帯電防止機能を備えた車輌用硬性の内装材が製造できる。また図9、図10に示した例では、帯電防止機能を備えた表皮材と、表裏に導電性接着剤を備えた(導電性フィルムラミネートした)成形紙材又はクッション材と、導電性シートとを順次積層した後に、熱プレス機等によるプレス成形で、所定の形状に成形することで少なくとも表面部及び中間部並びに裏面部に放電機能を有する四層構造の帯電防止機能を備えた車輌用硬性の内装材が製造できる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を説明する。
【0026】
図中1は導電繊維が混入された帯電防止機能を備えた表皮材で、例えば、合成皮革、繊維素材、また樹脂繊維(二次公害発生のない繊維)、又はその他の素材(二次公害発生のない素材)、他の表皮材、他の内装材等が考えられる。この表皮材1の材質は特段限定されないが、二次公害発生のない材料を使用する。また表皮材1は、使用する箇所、例えば、シート、ボディ等の使用する部位により適宜選択される(他の部材も同様である)。
【0027】
図中2は紙製でなる成形紙材で、原則として、熱プレス機、他のプレス機等による プレス成形で、所定の形状に成形する。また後述するように、表裏の少なくとも一面、又はその両面に導電性接着剤を備えた成形紙材2とする構成も可能である。
【0028】
図中3は主体となる導電性シートで、この導電性シート3は、パルプ繊維3aとカーボン繊維3b及び熱可塑性重合繊維3cを混合し、泥状化したパルプ素材を生成し、パルプ素材をシート状に延展し、パルプ繊維中にカーボン繊維を混在した構成である。そして、その配合比は、パルプ繊維を100重量部、カーボン繊維を1〜20重量部、熱可塑性重合繊維を0〜20重量部である。
【0029】
以上の表皮材1と、成形紙材2、又は導電性シート3とで構成した、図3、図4の例で示した三層構造であり、この三層構造が、この実施例の基本の構成である。
【0030】
尚、図5、図6の例では、成形紙材2の表裏(上下)の少なくとも一面に、導電性接着剤を備えた(導電性フィルム2イ「ポリエチレンフイルム」及び/又は導電性フィルム2ロをラミネートした)構造も可能であり、この導電性フィルム2イ及び/又は導電性フィルム2ロを設けることで、表皮材1と、成形紙材2、又は導電性シート3との一体化と、この一体化に基づく強度の向上、又は一層の放電効果が期待できる。
【0031】
図中4は布製のクッション材で、原則として、不織布、フェルト等で、二次公害発生のない繊維を使用する。
【0032】
以上の表皮材1と、成形紙材2と、クッション材4、又は導電性シート3とで構成した、図7、図8の例で示した四層構造であり、この四層構造が、この実施例の基本の構成である。そして、この四層構造では、成形紙材2と、クッション材4との位置関係は、図示の例に限定されない。例えば、クッション材4と、成形紙材2との位置関係は、ラン ダム構造等もあり得る。その理由は、空中放電であることから、この両者の位置関係は限定されない(他の例も同じ)。
【0033】
尚、図9、図10の例では、成形紙材2の表裏の少なくとも一面に、導電性接着剤を備えた構造も可能であり、この導電性フィルム2イ及び/又は導電性フィルム2ロを設けることで、表皮材1と、成形紙材2と、クッション材4、又は導電性シート3との一体化と、この一体化に基づく強度の向上、又は一層の放電効果が期待できる。
【0034】
【発明の効果】
請求項1の発明は、帯電防止機能を備えた表面材と、導電性シートとの間に設けた成形紙材とで構成した帯電防止機能を備えた車輌用の内装材であって、導電性シートは、パルプ繊維とカーボン繊維、及び熱可塑性重合繊維を混合し、泥状化したパルプ素材を生成し、パルプ素材をシート状に延展、抄造等の手段により製造し、パルプ繊維中にカーボン繊維を混在する構成としたことを特徴とする帯電防止機能を備えた車輌用の内装材である。
【0035】
従って、請求項1は、固有抵抗値の大きな物質に発生した静電気は流れず蓄積帯電されることを考慮して、この帯電防止が図れること、又は除電にはアースが必要となり、しかも前記固有抵抗値の大きな物質により静電気が帯電すると、この帯電を減衰するのに多くの時間を要するが、本発明では、帯電発生を回避しつつ、かつ減衰に要する時間の短縮化が図れること、またアースは点ではなく、面により行うことが、極めて有益であること、等の効果がある。また帯電防止とは、固有抵抗値の大きな物質の表面における体積固有抵抗値を小さく改善して電気が流れやすくして帯電防止が図れること、等の特徴がある。さらに本発明は、廃棄処理に要する二次公害発生回避等の手間、又は設備を要さず簡易に廃棄処理ができる車輌用の内装材を提供できる。そして、紙粉が発生しない構造であって、通電性の良い安価な繊維で製造した静電気除去防止用導電性シートを、中核に採用して効率的に徐電できる帯電防止機能を備えた車輌用硬性の内装材の提供と、又はカーボン繊維のエンドロスの廃材処理を有効利用、又は再利用を意図する。さらに本発明は、パルプ繊維とカーボン繊維及び熱可塑性重合繊維とでなる基本材料を利用して、コストの低廉化、また成形(製造)に適する帯電防止機能を備えた車輌用硬性の内装材を提供する。尚、本発明は、製品への塵、紙粉等の異物の付着を嫌うこの種の製品の搬送に使用できる構造とした車輌用硬性の内装材を提供する。
【0036】
請求項2の発明は、帯電防止機能を備えた表面材と、導電性シートとの間に設けた成形紙材とで構成した帯電防止機能を備えた車輌用の内装材であって、導電性シートは、パルプ繊維とカーボン繊維、及び熱可塑性重合繊維を混合し、泥状化したパルプ素材を生成し、このパルプ素材をシート状に延展、抄造等の手段により製造し、前記パルプ繊維中にカーボン繊維を混在する構成であり、また成形紙材は、その上下側に導電性フィルムをラミネートする構成であり、導電性フィルムを熱プレスにより融解し、三者を一体成形したことを特徴とする帯電防止機能を備えた車輌用の内装材である。
【0037】
従って、請求項2は、請求項1の目的を達成できることと、また表皮材と、成形紙材、又は導電性シートとの一体化と、この一体化に基づく強度の向上、又は一層の放電効果が期待できる。
【0038】
請求項3の発明は、帯電防止機能を備えた表面材と、導電性シートとの間に設けた成形紙材又はクッション材とで構成した帯電防止機能を備えた車輌用の内装材であって、導電性シートは、パルプ繊維とカーボン繊維、及び熱可塑性重合繊維を混合し、泥状化したパルプ素材を生成し、パルプ素材をシート状に延展、抄造等の手段により製造し、前記パルプ繊維中にカーボン繊維を混在する構成としたことを特徴とする帯電防止機能を備えた車輌用の内装材である。
【0039】
従って、請求項3は、固有抵抗値の大きな物質に発生した静電気は流れず蓄積帯電されることを考慮して、この帯電防止が図れること、又は除電にはアースが必要となり、しかも前記固有抵抗値の大きな物質により静電気が帯電すると、この帯電を減衰するのに多くの時間を要するが、本発明では、帯電発生を回避しつつ、かつ減衰に要する時間の短縮化が図れること、またアースは点ではなく、面により行うことが、極めて有益であること、等の効果がある。また帯電防止とは、固有抵抗値の大きな物質の表面における体積固有抵抗値を小さく改善して電気が流れやすくして帯電防止が図れること、等の特徴がある。さらに本発明は、廃棄処理に要する二次公害発生回避等の手間、又は設備を要さず簡易に廃棄処理ができる車輌用の内装材を提供できる。そして、紙粉が発生しない構造であって、通電性の良い安価な繊維で製造した静電気除去防止用導電性シートを、中核に採用して効率的に徐電できる帯電防止機能を備えた車輌用クッション性の内装材の提供と、又はカーボン繊維のエンドロスの廃材処理を有効利用、又は再利用を意図する。さらに本発明は、パルプ繊維とカーボン繊維及び熱可塑性重合繊維とでなる基本材料を利用して、コストの低廉化、また成形(製造)に適する帯電防止機能を備えた車輌用クッション性の内装材を提供する。尚、本発明は、製品への塵、紙粉等の異物の付着を嫌うこの種の製品の搬送に使用できる構造とした車輌用クッション性の内装材を提供する。
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電気除去防止構造体及び静電気除去防止構造体通箱の製造工程の一例を示すフローチャート
【図2】本発明の導電性シートの一例を示す斜視図
【図3】本発明の三者で構成する車輌用の内装材の分解正面図
【図4】本発明の三者で構成する車輌用の内装材の正面図
【図5】本発明の三者で構成する他の例を示した車輌用の内装材の分解正面図
【図6】本発明の三者で構成する他の例を示した車輌用の内装材の正面図
【図7】本発明の四者で構成する車輌用の内装材の分解正面図
【図8】本発明の四者で構成する車輌用の内装材の正面図
【図9】本発明の四者で構成する他の例を示した車輌用の内装材の分解正面図
【図10】本発明の四者で構成する他の例を示した車輌用の内装材の正面図
【符号の説明】
1 表皮材
2 成形紙材
2イ 導電性フィルム
2ロ 導電性フィルム
3 導電性シート
3a パルプ繊維
3b カーボン繊維
3c 熱可塑性重合繊維
4 クッション材
Claims (3)
- 帯電防止機能を備えた表面材と、導電性シートとの間に設けた成形紙材とで構成した帯電防止機能を備えた車輌用の内装材であって、
前記導電性シートは、パルプ繊維とカーボン繊維、及び熱可塑性重合繊維を混合し、泥状化したパルプ素材を生成し、このパルプ素材をシート状に延展、抄造等の手段により製造し、前記パルプ繊維中にカーボン繊維を混在する構成としたことを特徴とする帯電防止機能を備えた車輌用の内装材。 - 帯電防止機能を備えた表面材と、導電性シートとの間に設けた成形紙材とで構成した帯電防止機能を備えた車輌用の内装材であって、
前記導電性シートは、パルプ繊維とカーボン繊維、及び熱可塑性重合繊維を混合し、泥状化したパルプ素材を生成し、このパルプ素材をシート状に延展、抄造等の手段により製造し、前記パルプ繊維中にカーボン繊維を混在する構成であり、
また前記成形紙材は、その上下側に導電性フィルムをラミネートする構成であり、
前記導電性フィルムを熱プレスにより融解し、前記三者を一体成形したことを特徴とする帯電防止機能を備えた車輌用の内装材。 - 帯電防止機能を備えた表面材と、導電性シートとの間に設けた成形紙材又はクッション材とで構成した帯電防止機能を備えた車輌用の内装材であって、
前記導電性シートは、パルプ繊維とカーボン繊維、及び熱可塑性重合繊維を混合し、泥状化したパルプ素材を生成し、このパルプ素材をシート状に延展、抄造等の手段により製造し、前記パルプ繊維中にカーボン繊維を混在する構成としたことを特徴とする帯電防止機能を備えた車輌用の内装材。
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JP2003101901A JP4318248B2 (ja) | 2003-04-04 | 2003-04-04 | 帯電防止機能を備えた車輌用の内装材 |
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Publications (2)
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