JP4314042B2 - 麹菌の培養方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気泡塔内に設置されるドラフトチューブに特徴をもつ気泡塔型発酵装置を用いた麹菌の培養方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の酒類または発酵食品、例えば日本酒、焼酎、しょうゆ、みそ、みりん等の製造では、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリーゼ(Aspergillus oryzae)またはアスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)などの麹菌の胞子を、蒸煮した穀類などの固体原料へ散布し、その表面で麹菌を増殖させる固体培養法により製麹された、いわゆる固体麹が広く利用されている。
【0003】
例えば、焼酎製造では、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)やアスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)などの固体麹が用いられている。しかしながら、固体培養法は、原料や麹菌体が不均一に分散する培養系であるため、温度や水分含量、各種栄養成分といった因子を均一に保つことが困難であり、その培養制御は大変煩雑といえる。また、開放状態で製麹されることも多く、雑菌汚染といった品質管理面での注意も要する。
【0004】
一般に、液体培養法は、固体培養法に比べ、培養制御や品質管理がはるかに容易であるが、麹菌を液体培養して得られる培養物が、実際の焼酎麹として用いられた例は少ない。なお、液体培養法で得られる培養物とは、液体培養法で得られる培養物そのもの(以下、液体麹ともいう)、培養液、菌体、それらの濃縮物またはそれらの乾燥物のことをいう。
【0005】
液体培養法で得られる培養物が利用されない大きな理由として、非特許文献1〜3に記載されているように、液体培養では麹菌のアミラーゼ、ペプチダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ等の酵素の生産性が固体培養と比較して全般的に著しく低下することがあげられる。
【0006】
このような酵素の低生産性を克服するための液体麹培養方法として、原料の一部に焙炒した穀類を用いる製造方法が特許文献1に開示されている。
【0007】
しかしながら、これらはいずれも通気撹はん型発酵槽を用いており、(1)撹はん動力の必要性、(2)発酵槽内部および培養液循環部の構造の複雑化に伴う培養設備の高額化、(3)発酵槽内部および培養液循環部の構造の複雑化に伴う洗浄不十分による雑菌汚染の危険、(4)軸受けからの雑菌汚染の危険、(5)攪拌翼の剪断力による菌糸の損傷、などの欠点を有している。
【0008】
上記の通気撹はん型発酵槽の欠点を回避するために、気泡塔型発酵装置を用いた培養法が知られている。気泡塔型発酵槽は、円柱形の塔とその塔内にドラフトチューブ(円筒)が設置された構造であり、塔内底部に無菌空気を供給する微細気泡発生器(スパージャー)が設置されている。また、いかなる動力駆動装置ももたず、空気を多量に含む培養液が上昇し、空気の少ない高密度の部分が下に来るような比重差による循環系が形成されることで連続培養が可能となる。しかしながら、糸状菌培養のように、好気性培養で、かつ培養液が高粘度になるような液体培養では充分な循環系が形成されないばかりか、高い酸素吸収速度を得られないため、適用するのが困難であった。
【0009】
気泡塔型発酵装置を糸状菌の液体培養に対応可能にするために、特許文献2および3では、ドラフトチューブに回転駆動装置を連結させた培養装置を考案しているが、軸受け部分からの雑菌汚染の危険性が高いと考えられる。
【0010】
また、特許文献4ではドラフトチューブ内に複数個のメッシュ(網)を装着するとともに、酸素富化空気を発酵装置底部のスパージャーから供給する培養方法の情報が開示されているが、菌糸がメッシュを通過する際に少なからず損傷を受けるばかりか、菌糸がペレットを形成するような培養ならびに高密度菌体培養での使用には不向きであるといえる。
【0011】
以上のように、麹菌のような糸状菌を低コストで安定的に培養し、酒類または調味料などの発酵飲食品の製造に充分利用可能な液体麹を製造する方法については、現在まで知られていない。
【0012】
【特許文献1】
特開2001−321154号公報
【特許文献2】
実開平5−29400号公報
【特許文献3】
実開平7−25800号公報
【特許文献4】
特開平6−253824号公報
【0013】
【非特許文献1】
Journal of Fermentation and Bioengineering vol.77,No.5,483−489,1994
【非特許文献2】
Journal of Fermentation and Bioengineering vol.88,No.5,479−483,1999
【非特許文献3】
Biosci.Biotechnol.Biochem.62(10),1938〜1946,1998
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、酒類または調味料などの発酵飲食品の製造に使用可能な液体麹を取得するための簡便な麹菌の培養方法を提供する点にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は特殊な構造のドラフトチューブを内蔵した気泡塔型発酵装置を用いる点に特徴を有する発明である。すなわち、
本発明は、気泡塔内にドラフトチューブを有する気泡塔型発酵装置を用いて麹菌を培養する方法において、前記ドラフトチューブが、その側壁を連続した中空パイプにより構成され、かつ中空パイプとそれに隣接する中空パイプとは密接しない状態に保たれたものであることを特徴とする麹菌を培養する方法に関する。
【0016】
本発明の重要点は、ドラフトチューブが、その側壁を連続した中空パイプにより構成され、かつ中空パイプとそれに隣接する中空パイプとは密接しない状態に保たれている点である。
【0017】
前記連続した中空パイプを用いて、ドラフトチューブの側壁を構成するタイプとしては図1〜3に示すタイプ、図5〜6に示すタイプ、図7に示すタイプ、図9に示すタイプ、図10〜12に示すタイプ、図13〜14に示すタイプ、図15、図16に示すタイプ、図17〜19に示すタイプなど、あるいはこれらを任意に組合わせたものであってもよいが、いずれにしろ、これらに限定するものではない。
【0018】
図1〜3に示すタイプは、ドラフトチューブを構成する中空パイプがコイル状に巻周りしているタイプであり、図7に示すタイプは、ドラフトチューブを構成する中空パイプがジグザグに折り曲げられているタイプである。
【0019】
また、図5〜6に示すタイプは、図1〜3に示すタイプのものを適当な数のユニット毎に区分したケースのものであり、図9に示すタイプは、図7に示すタイプのものを適当な数のユニット毎に区分したケースを示すものでり、図10〜12に示すタイプは、外側のドラフトチューブと内側のドラフトチューブを併用するケースであり、図13〜14に示すタイプは、図10〜12に示すタイプのものを適当な数のユニット毎に区分したケースを示すものであり、図15に示すタイプは、図7に示すジグザグ形中空パイプで構成されたドラフトチューブを2本同心円的に使用したケースであり、図16に示すタイプのものは、図15に示すタイプのものを適当な数のユニット毎に区分したケースを示すものであり、図17〜19のものはドラフトチューブを二重にしたケースを示すものである。
【0020】
なお、本発明の場合は、ドラフトチューブを内包した気泡塔型装置を用い、スパージャーから出る気泡がドラフトチューブ内に送られるようにして、液体培地が、ドラフトチューブ内を上昇した後、ドラフトチューブと気泡塔の間を通って降下するという撹拌流をメインとして形成させるパターンと、スパージャーからでる気泡がドラフトチューブと気泡塔の間に送られるようにして、液体培地がドラフトチューブと気泡塔の間を上昇した後、ドラフトチューブ内を降下するという撹拌流をメインとして形成させるパターンとがある。いずれにしても麹菌を含む液体培地を本発明の気泡塔型装置内を循環させる必要がある。また、このようにして得られた液体麹を用いてその後の飲食品の製造工程をすべて液相で行うことが好ましい。この場合の液相とは、ポンプ移送やパイプ移送が可能な状態であればよく、完全な液体である必要はなく、一部固形分を含む懸濁液であってもよい。
【0021】
本発明のドラフトチューブは、側周全面に空隙を有するので、このドラフトチューブを気泡塔の塔内に取り付ければ、塔内に収容される溶液の量がどのような量であっても、ドラフトチューブの側面全面に存在する空隙を通じて、ドラフトチューブ内の溶液と、ドラフトチューブの外側に存在する溶液とを流通循環させることができる。
【0022】
したがって、このドラフトチューブを備える気泡塔は、塔内に収容する溶液の液面レベルに関係なく、気泡塔を運転することができる。
【0023】
また、このドラフトチューブは、中空パイプにより形成されているので、中空パイプ内に熱交換媒体を流通させることで、塔内に収容した溶液を所定の温度に効率良く制御することができる。
【0024】
本発明のドラフトチューブの横断面形状が、円形形状、楕円形形状または多角形形状であることができるが、ドラフトチューブとして機能する形状であればいかなる形状でも用いることができる。通常気泡塔の横断面形状と同一または類似の形状たとえば同心円またはほぼ同心円状であることが好ましい。
【0025】
ここに、本明細書で用いる用語、「気泡塔またはドラフトチューブの横断面形状」は、気泡塔またはドラフトチューブの中心軸に対し、気泡塔またはドラフトチューブをその中心軸に対して直交する方向に切断した切断面の形状を意味する。
【0026】
また、本発明のドラフトチューブは、中空パイプをコイル状に巻周りして形成されているので、中空パイプとそれに隣接する中空パイプとの空隙を希望の幅になるように作成することも容易である。空隙の程度を示す空隙率は、下記のように定義することができる。
【数1】
空隙率(%)={(前記空隙の面積)÷(中空パイプにより閉鎖されている部分の面積+前記空隙の面積)}×100
【0027】
中空パイプと中空パイプとの間の空隙間隔は特に制限されるものではないが、製造設備レベルの気泡塔では、メンテナンスを行える程度の間隔をあけておくと便利である。実験室レベルで研究用途に使用される5〜1000L容量程度のものを除き、通常は作業者の手指が入る程度の間隔、即ち2cm以上あることが好ましい。
ドラフトチューブ3の側周面の空隙率は、大きすぎると、ドラフトチューブの内外の溶液の往来の自由度は向上するが、混合性能などのドラフトチューブ3としての効果が低減したり、後に述べるように熱交換装置としても機能するドラフトチューブ3を構成する中空パイプの表面積(伝熱面積)が低下したりする。
逆に、ドラフトチューブ3の側周面の空隙率が小さすぎる場合は、中空パイプの表面積(伝熱面積)は増加するが、溶液の往来の自由度が低下する。
このようなことを考慮すると、ドラフトチューブ3の空隙率は、ドラフトチューブの側周面に対して1%以上99%以下の範囲にあればよく、10%以上90%以下が好ましく、25%以上50%以下であることがさらに好ましい。
【0028】
また、本発明のドラフトチューブは、構造が簡単であることから、ドラフトチューブを作業員が入ることのできる大型の気泡塔に用いる場合には、ドラフトチューブを構成している中空パイプの全てが作業員の手の届く範囲に配置することができるので、従来の気泡塔におけるドラフトチューブよりも容易にメンテナンス作業を行うことができる。
【0029】
ここでいうメンテナンス作業とは、中空パイプにピンホールが生じた場合のピンホールの溶接補修や、コイルを解体して、気泡塔上部に設けられているマンホールから取り出し、新しいコイルを挿入し、溶接して接続するといったコイルの更新作業をいう。メンテナンスの容易性を考慮した場合、ドラフトチューブを構成する中空パイプの隙間の間隔は、少なくとも、作業者の指手をドラフトチューブの隙間に差し入れることができる程度の間隔にすることが好ましい。
【0030】
具体的には、作業者等(通常は、成人)の指の厚さ以上の間隔(具体的には2cm以上)、より好ましくは手の甲の厚さ以上の間隔(具体的には、4cm以上)であることが好ましい。
【0031】
ただし、気泡塔の塔内に作業員が入り、作業を行うことが困難な大きさの気泡塔に本発明のドラフトチューブを用いる場合は、空隙の間隔はこの限りではない。
【0032】
また、ドラフトチューブを構成する中空パイプ内に熱交換媒体を流通することで、この気泡塔を麹菌の培養操作に用いる場合にあっては、塔内に収容した培養液を微生物が活動するのに最適な温度に制御することができる。
【0033】
本発明のドラフトチューブは、図5〜6に示すように気泡塔の塔内にコイル状に巻周りして形成されている中空パイプにより形成されるドラフトチューブユニットを複数個積層することにより構成することができる。
【0034】
このドラフトチューブでは、複数個のドラフトチューブユニットの各々に、熱交換媒体を流通して、気泡塔の塔内に収容した溶液を効率よく所望の温度に制御することができる。この場合、熱交換効率を考慮して、熱交換媒体は、複数個のドラフトチューブユニットの各々を形成する中空パイプの下端から上端に向けて流通することが好ましい。
【0035】
このドラフトチューブでは、複数個のドラフトチューブユニット毎に熱交換媒体を流通するようにしているので、複数個のドラフトチューブユニットの各々に流通する熱交換媒体の供給条件を同じにすれば、複数個のドラフトチューブユニットの各々の熱交換効率を同じ条件とすることができる。
【0036】
したがって、ドラフトチューブユニットを積層すれば、熱交換チューブを塔内の縦方向に一様に配置できるので、塔内の溶液に温度むらが生じにくくなる。また、複数個のドラフトチューブを用いることで、熱交換媒体の量を増やすことができるので熱交換能力を上げることができる。
【0037】
また、本発明のドラフトチューブは、図9に示すように気泡塔の塔内にジグザグに折り曲げられた形状の中空パイプにより形成されるドラフトチューブユニットを複数個積層することにより構成することができる。
【0038】
このドラフトチューブでは、ジグザグに折り曲げられた形状の中空パイプにより形成されるドラフトチューブユニットを複数個積層し、複数個のドラフトチューブユニット毎に熱交換媒体を流通するようにしているので、複数個のドラフトチューブユニットの各々に流通する熱交換媒体の供給条件を同じにすれば、複数個のドラフトチューブユニットの各々の熱交換効率を同じ条件とすることができる。
【0039】
したがって、ドラフトチューブユニットを積層すれば、熱交換チューブを塔内の縦方向に一様に配置できるので、塔内の溶液に温度むらが生じにくくなる。また、複数個のドラフトチューブを用いることで、熱交換媒体の量を増やすことができるので熱交換能力を上げることができる。
【0040】
気泡塔の大きさとドラフトチューブの大きさは、気泡塔の横断面積に対してドラフトチューブの横断面積が10〜90%程度を占めるようにすることが好ましい。気泡塔が内径2Rの円筒状であり、ドラフトチューブが外径2rの円筒状である場合は、
【数2】
(πr2)/(πR2)×100=10〜90
という関係を満足するようにすることが好ましい。
【0041】
本発明の気泡塔内には、前記ドラフトチューブよりも下方位置に、スパージャーを設ける。例えば、スパージャーをドラフトチューブの領域内に設けた場合には、ドラフトチューブの内側に存在する溶液中に、ドラフトチューブの外側と塔との間に存在する溶液中に比べ、沢山の気泡を供給できるので、ドラフトチューブの内側に存在する溶液には、塔内を下方から上方に向かう液の流れを生じさせ、ドラフトチューブの外側と塔との間に存在する溶液には、塔内を上方から下方に向かう液の流れを生じさせることができ、これにより、塔内に収容した溶液に、ドラフトチューブの側周面を利用したドラフトチューブ内外の流通循環を生じさせることができる。のみならず、ドラフトチューブの側周面に設けられている空隙を介したドラフトチューブ内外の流通循環を生じさせることができる。
【0042】
これに対し、例えば、スパージャーを、塔内のドラフトチューブの領域外に設けた場合には、ドラフトチューブの外側と塔との間に存在する溶液中に、ドラフトチューブの領域内に存在する溶液中に比べ、沢山の気泡を供給できるので、ドラフトチューブの外側と塔との間に存在する溶液には、塔内を下方から上方に向かう液の流れを生じさせ、ドラフトチューブの内側に存在する溶液には、塔内を上方から下方に向かう液の流れを生じさせることができ、これにより、塔内に収容した溶液に、ドラフトチューブの側周面を利用したドラフトチューブ内外の流通循環を生じさせることができる。のみならず、ドラフトチューブの側周面に設けられている空隙を介したドラフトチューブ内外の流通循環を生じさせることができる。
【0043】
この気泡塔では、塔内に収容した溶液に、2つの流通循環、即ち、上記したように、ドラフトチューブ全体を利用した流通循環と、ドラフトチューブの側周面に設けられている空隙を利用した流通循環とを生じさせることができるため、塔内に収容した溶液の液面レベルがどのように変化しても、塔内に収容した溶液を攪拌することができる。
【0044】
また、ドラフトチューブの内側と外側に同時に気泡を供給できるようにスパージャーを配置することもできる。この場合、気泡塔内の循環流は不規則になるが、気液の接触効率を向上させることができる。
【0045】
以下に本発明に用いる気泡塔型発酵装置について、図面を参照して説明する。
【0046】
図1は、本発明に係る気泡塔型装置の一例を概略的に示す一部切欠き斜視図であり、また、図2は、図1に示す気泡塔型装置を概略的に示す断面図であり、また、図3は、図1に示す気泡塔型装置を、図1中、III−III線にしたがって切断し、その上方から下方に見た場合を概略的に示す横断面図である。
【0047】
この気泡塔型装置1は、図1に示すように、培養液を収容する気泡塔2と、気泡塔2内に設けられたドラフトチューブ3と、スパージャー4とを備える。スパージャー4は、気泡塔(缶体)2内のドラフトチューブ3の下方に設置される。
【0048】
尚、図1中、2aは、塔(缶体)2の蓋体を示しており、2hは、蓋体2に必要により設けられるガス抜き孔を示している。また、6で示す部材は、排水管を示している。また、5で示す部材は、ドラフトチューブ3を気泡塔2内に取り付けるための支柱を示している。
【0049】
この気泡塔型装置1では、ドラフトチューブ3として、図2に示すように中空パイプにより形成されかつ側周面全面に空隙S3を有するドラフトチューブを用いている。
【0050】
より特定的に説明すると、ドラフトチューブ3として、図1や図2に示すように中空パイプを、中空パイプ同士が密接しないようにしてコイル状に巻周りして形成したものを用いている。
【0051】
ドラフトチューブ3を構成する中空パイプの材質は、通常の気泡塔に取り付けられているドラフトチューブに使用されている材質であれば、特に限定されることはなく、例えば、金属、樹脂等をあげることができる。
【0052】
この気泡塔型装置1は、培養操作を行う前に気泡塔2内を殺菌するために、気泡塔2内を蒸煮する。したがって、蒸煮することを考慮した場合には、ドラフトチューブ3を構成する中空パイプの材質は、蒸煮に耐えうる材質であることが好ましく、このようなことを考慮した場合は、特に金属が好ましい。金属としては、ステンレス、銅、アルミニウム、チタン等、通常用いられる金属であればいずれのものでもよいが、ステンレスが好ましく用いられる。
【0053】
ドラフトチューブ3を形成している中空パイプの直径は、気泡塔型装置1の使用目的、気泡塔型装置1の大きさ等により自由に選択することができるが、通常、5mm以上200mm以下であり、50mm以上100mm以下であることが好ましい。
【0054】
ドラフトチューブ3は、中空パイプと中空パイプとの間に空隙を有するように形成されている。この中空パイプと中空パイプとの間の空隙の間隔は、ドラフトチューブとして使用した際に、ドラフトチューブの内側と外側の溶液が互いに往来できれば、ドラフトチューブ全体で一定である必要はない。
【0055】
ドラフトチューブ3を構成するコイル状に巻周りしている中空パイプ内には、熱交換媒体を流通させることができるので、ドラフトチューブ3は、熱交換装置としても機能するようになっている。
図1〜2の例では、ドラフトチューブ3の一端3aから他端3b方向へ、熱交換媒体を流通させるようにしている例を示しているが、熱交換媒体は、他端3bから一端3a方向へ流通させてもよい。
【0056】
気泡塔型装置1内に収容した溶液が、気泡塔型装置1を使用した際に発熱するような場合には、ドラフトチューブ3内に冷媒体を通じ、気泡塔2内に収容した溶液が、気泡塔型装置1を使用した際に、吸熱する場合には、熱媒体を通じればよい。熱交換媒体は水が好ましいが、熱交換媒体として通常使用されるものであれば水以外のものであってもよい。
【0057】
次に、この気泡塔型装置1で用いているドラフトチューブ3の構造を更に詳しく説明する。図4は、この気泡塔型装置1で用いているドラフトチューブ3の一部を拡大して模式的に示す図であり、図4(a)は、ドラフトチューブ3を組み立てる工程において、ドラフトチューブ3を構成する、ある中空パイプを他のある中空パイプに接続する前の状態を模式的に示す斜視図であり、また、図4(b)は、ドラフトチューブ3を組み立てる工程において、ドラフトチューブ3を構成する、ある中空パイプを他のある中空パイプに接続した後の状態を模式的に示す斜視図である。
【0058】
この気泡塔型装置1で用いる、ドラフトチューブ3を構成する中空パイプは、一体成形品であってもよいが、ドラフトチューブ3の大きさが、大きい場合には、一体成形品としてのドラフトチューブ3の作製は、困難なものとなる。この気泡塔型装置1では、図4に示すように、ドラフトチューブ3を構成する中空パイプ同士を互いに溶接により接続している。
【0059】
更に、この気泡塔型装置1の、ドラフトチューブ3を構成する中空パイプの隙間を、少なくとも指手が差し入れられるような隙間〔より特定的に説明すると、作業者等(通常は、成人)の手指の厚さ程度の間隔(より具体的には、2cm以上の間隔)さらに好ましくは手の甲の厚さ程度の間隔(より具体的には、4cm以上の間隔)〕に設定すれば、ドラフトチューブ3を構成する複数の中空パイプのいずれかにピンホールが発生した場合、ピンホール部分の修復を容易に行うことができる。
【0060】
図に示す気泡塔型装置1では、スパージャー4として、図3に示すように、幹管4aと幹管4aから枝分かれするように設けられた複数の枝管4b…とを備えるものを用いている。尚、図1中、4cは、ガス供給口を示している。幹管4a及び複数の枝管4b…の各々の上面には、複数の貫通孔4h…が形成されている。
図1〜2の気泡塔型装置1では、溶液を収容する気泡塔2を平面視した場合、スパージャー4を構成する幹管4a及び複数の枝管4b…を、ドラフトチューブ3の領域内に設けている。
【0061】
次に、この気泡塔型装置1の使用方法及び動作について説明する。図1〜2に示す気泡塔型装置装置1を用いて、麹菌の培養を行う際には、気泡塔2内に、培養する麹菌と培養液とを収容し、スパージャー4から空気等のガスを気泡塔2内に送り込む。気泡塔2内において、麹菌を培養している際に、醗酵熱により、気泡塔2内に収容した溶液が培養される麹菌に適した温度以上に過度に加熱されるような場合にあっては、ドラフトチューブ3を構成するコイル状に巻周りした中空パイプ内に、冷却水等の冷媒体を流通し、気泡塔2内に収容されている溶液の温度を、溶液中で培養される麹菌にとって適した温度に調整する。また、気泡塔2内において、麹菌を培養する際に、気泡塔2内に収容した溶液の温度が、溶液中で培養される麹菌にとって低すぎるような場合には、ドラフトチューブ3を構成するコイル状に巻周りした中空パイプ内に、温水等の熱媒体を流通し、気泡塔2内に収容した溶液の温度を気泡塔2内に収容する麹菌の醗酵に適した温度に調整する。
【0062】
図1〜3のケースでは、スパージャー4の噴出ノズルをドラフトチューブ3を平面視した場合に、ドラフトチューブ3の領域内に配設するようにしているので(図3を参照)、スパージャー4から空気等のガスを気泡塔2内に送り込むと、ドラフトチューブ3の内側に存在する溶液に対し、ドラフトチューブ3を平面視した場合に、ドラフトチューブ3の外側と気泡塔2との間に存在する溶液に比べ、沢山の気泡が一様に供給される。これにより、ドラフトチューブ3の内側に存在する溶液の見かけの比重が、ドラフトチューブ3の外側と気泡塔2との間に存在する溶液の見かけの比重に比べて小さくなり、ドラフトチューブ3の内側に存在する溶液には、気泡塔2内を下方から上方に向かう液の流れが形成され、ドラフトチューブ3の外側と気泡塔2との間に存在する溶液については、気泡塔2内を上方から下方に向かう液の流れが形成される。
【0063】
また、この気泡塔型装置1では、上述した塔に対して垂直方向の流れの他に、ドラフトチューブ3を構成する中空パイプの隙間を通じて、気泡を含んだ溶液が、ドラフトチューブ3の内側からドラフトチューブ3の外側へ移動するという水平方向の溶液の流れが発生する。この垂直方向の流れと水平方向の流れが渾然一体となった溶液の流れが発生するため、例えば、特許文献1〜3に示すような円筒形状のドラフトチューブを気泡塔内に設けた従来の気泡塔に比べ、収容した溶液を十分に混合することができる。
【0064】
この結果、この気泡塔型装置1を用いれば、従来の円筒形状のドラフトチューブを塔内に設けた気泡塔型装置を用いた場合に比べ、麹菌の培養作業を効率良く行うことができ、また、気泡塔2内に収容した溶液への酸素等の供給能力も向上する。
このように、この気泡塔型装置1は、構造が簡単であること、熱交換装置としてドラフトチューブの伝熱面積を大きくとることができるので、特に、その規模がスケールアップされた大型の、即ち、高さのある気泡塔型装置として好適に用いることができる。
【0065】
つぎに、ドラフトチューブの構成を図1〜2のタイプのものを複数のユニットとして構成したタイプのものに相当する図5〜6のタイプについて説明する。
【0066】
図5は、本発明に係る気泡塔型装置の他の一例を概略的に示す一部切欠き斜視図であり、図6は、図5に示す気泡塔型装置を概略的に示す断面図である。この気泡塔型装置21は、以下の構成を除けば、図1に示した気泡塔型装置1と同様であるので、気泡塔型装置21中、気泡塔型装置1を構成する部材装置と同一部材装置については、図1に示した気泡塔型装置1の部材装置と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。この気泡塔型装置21は、気泡塔型装置1とは、ドラフトチューブの構成が異なる以外は、気泡塔型装置1と同様の構成を備えているので、以下の説明は、この気泡塔型装置21で採用しているドラフトチューブの構成を中心に説明する。
【0067】
図5〜6の気泡塔型装置21では、ドラフトチューブ23として、コイル状に巻周りした、複数個のドラフトチューブユニット23U1、23U2、23U3を、気泡塔2内に、縦方向に積層したものを用いている。コイル状に巻周りしたドラフトチューブユニット23U1、23U2、23U3の各々の構成は、図1に示す気泡塔型装置1で用いているドラフトチューブ3と同様の構成を備える。この気泡塔型装置21では、コイル状に巻周りしたドラフトチューブユニット23U1、23U2、23U3の各々には各々毎に、熱交換媒体を流通するようにしている。即ち、ドラフトチューブユニット23U1、23U2、23U3は、熱交換媒体が、ドラフトチューブユニット23U1、23U2、23U3の下方の熱交換媒体供給口3aから供給され、ドラフトチューブユニット23U1、23U2、23U3の上方の熱交換媒体排出口3bから排出されるようになっている。
【0068】
このように、この気泡塔型装置21では、コイル状に巻周りしたドラフトチューブユニット23U1、23U2、23U3を、気泡塔2内に、縦方向に積層し、ドラフトチューブユニット23U1、23U2、23U3の各々には各々毎に、熱交換媒体を流通するようにしているので、気泡塔2内に1台のドラフトチューブ3のみを設け、熱交換媒体を、ドラフトチューブ3の下方の熱交換媒体供給口3aから供給し、ドラフトチューブ3の上方の熱交換媒体排出口3bから排出されるようにしている気泡塔型装置1に比べて、塔内の溶液に温度ムラが生じにくいメリットがある。
【0069】
なお、この気泡塔型装置21は、上述したように、ドラフトチューブ23の構成が、気泡塔型装置1で用いているドラフトチューブ3の構成と異なっている以外は、同様であり、上記以外は、気泡塔型装置1と同様の作用効果を有している。この気泡塔型装置21は、特にその規模がスケールアップされた大型の、即ち、高さのある気泡塔型装置として好適に用いることができる。
【0070】
図7に示すタイプのものは、ドラフトチューブを形成する中空パイプをジグザグに屈折させて構成したタイプのものである。ずなわち、図7の気泡塔型装置41では、ドラフトチューブ43として、気泡塔2に対して、上下に交互にジグザグに折れ曲がる形状の中空パイプを用いており、必要に応じて熱交換媒体を通じることができる。この気泡塔型装置41では、気泡塔2内に設けるドラフトチューブ43として、中空パイプを上下に交互にジグザグに折れ曲がる形状にしたものを用いているので、気泡塔2内に溶液を収容した場合、上下に交互にジグザグに折れ曲がる形状にされた中空パイプの隙間を介して、気泡塔2内に収容した溶液が、ドラフトチューブ43の内外で流通循環できる。これにより、この気泡塔型装置41を用いれば、気泡塔2内に収容する溶液の液面レベルがどのような状態であっても、気泡塔型装置41を用いて、麹菌の培養を行うことができる。
【0071】
なお、上記気泡塔型装置1および21と同様に、中空パイプを上下に交互にジグザグに折れ曲がる形状にしたドラフトチューブ43の空隙率は、図1〜図6のものと同様、ドラフトチューブ3の側周面の全面に対して、1%以上99%であることが好ましく、10%以上90%以下であることがさらに好ましく、20%以上50%以下であることがとくに好ましい。
【0072】
図8は、図7の気泡塔型装置41で用いているドラフトチューブ43の一部を拡大して模式的に示す図であり、図8(a)は、ドラフトチューブ43を組み立てる工程において、ドラフトチューブ43を構成する、ある中空パイプを他のある中空パイプに接続する前の状態を模式的に示す斜視図であり、また、図8(b)は、ドラフトチューブ43を組み立てる工程において、ドラフトチューブ43を構成する、ある中空パイプを他のある中空パイプに接続した後の状態を模式的に示す斜視図である。この気泡塔型装置41で用いる、ドラフトチューブ43を構成する中空パイプは、一体成形品であってもよいが、ドラフトチューブ43の大きさが、大きい場合には、一体成形品としてのドラフトチューブ43の作製は、困難なものとなる。このような場合には、複数の中空パイプを溶接により接続するのが好ましい。更に、中空パイプの各々が、複数のいずれかの支柱5に、少なくとも、一箇所において、溶接等の手段により固定されるようにすれば、ドラフトチューブ43を構成する中空パイプのいずれかを交換する際に、ドラフトチューブ43を構成する中空パイプの中から、交換する必要がある中空パイプを取り出しても、ドラフトチューブ43の残りの部分が支柱5にしっかりと固定されているために、ドラフトチューブ43の残りの部分が崩れることがない。これにより、交換作業が必要な中空パイプのみを簡単にドラフトチューブ43から取り出して、新たな中空パイプをその部分に容易に取り付けることができるので、この気泡塔型装置41には、メンテナンスを極めて簡単な作業で完了することができる、という長所がある。
【0073】
図9に示すタイプのものは、図7のジグザグタイプのものを複数のユニットとして構成したタイプのものに相当する。図9の気泡塔型装置61では、気泡塔型装置21で用いているドラフトチューブ23の代わりに、図7に示した気泡塔型装置41で用いているドラフトチューブ43を、複数個のユニット63U1、63U2、63U3として、塔に対して縦方向に積層したドラフトチューブ63を用いている。各ドラフトチューブユニットには、必要に応じて、熱交換媒体を通じることができる。この気泡塔型装置61も気泡塔型装置1や気泡塔型装置41と同様の効果を奏するが、この気泡塔型装置61では、複数個のユニット63U1、63U2、63U3を気泡塔2内に、縦方向に積層し、ドラフトチューブユニット63U1、63U2、63U3の各々には各々毎に、熱交換媒体を流通するようにしているので、気泡塔2内に1台のドラフトチューブ3または43のみを設け、熱交換媒体を、ドラフトチューブ3または43の下方の熱交換媒体供給口3aから供給し、ドラフトチューブ3の上方の熱交換媒体排出口3bから排出されるようにしている気泡塔型装置1または気泡塔型装置41に比べて、気泡塔2内の溶液に温度ムラが生じにくいというメリットがある。この気泡塔型装置61は、特に、図7のタイプのものがスケールアップされた大型の、即ち、高さのある気泡塔として好適に用いることができる。
【0074】
図10〜図12のものは、図1〜3のものと類似のタイプであるが、この場合、2本の中空パイプを同心円的に並べてコイル状に巻周りして、図12で明らかなとおり、ドラフトチューブ3Aと3Bを形成されており、ドラフトチューブが3Aと3Bで二重になっている点で、図1〜3のものと異なっている。
【0075】
2本のドラフトチューブ3A、3Bは、同心円又は概ね同心円状に配置されており、ドラフトチューブ3A、3Bの各々には必要に応じて冷媒体や熱媒体等の熱交換媒体を通じることができるようになっている。スパージャー4は、図では2本のドラフトチューブ3A、3Bの中、内側のドラフトチューブ3Bの内側に、気泡を供給するようになっているが、これに限るものではない。
【0076】
なお、ドラフトチューブ3A、3Bの巻き線方向は、ドラフトチューブ3A、3Bの各々を、上方から下方に見た場合、双方が同一方向に巻かれていても、一方が他方と逆の方向に巻かれていてもいずれでもよい。
【0077】
図13〜14に示す装置は、ドラフトチューブが23Aと23Bの2本が設けられている点は、図10〜12のタイプのものと同様であるが、それぞれのドラフトチューブが各ユニット毎に構成されている点で図10〜12のものと異なっている。
【0078】
図13〜14の気泡塔型装置81は、6本の、中空パイプをコイル状に巻周りして形成したドラフトチューブユニット23AU1、23AU2、23AU3、23BU1、23BU2、23BU3を備える点で、図5の気泡塔型装置21と異なっている。6本のドラフトチューブユニット23AU1、23AU2、23AU3、23BU1、23BU2、23BU3中、ドラフトチューブユニット23AU1、23AU2、23AU3は、縦方向に積層されて、ドラフトチューブ23Aを形成しており、ドラフトチューブユニット23BU1、23BU2、23BU3は、ドラフトチューブ23Aの内側で、縦方向に積層されてドラフトチューブ23Bを形成している。ドラフトチューブ23A、23Bは、同心円又は概ね同心円状に配置されている。
【0079】
また、スパージャー4は、2本のドラフトチューブ23A、23Bの中、内側のドラフトチューブ23Bの内側に、気泡を供給することができる。なお、ドラフトチューブ3A、3Bの巻き線方向は、ドラフトチューブ3A、3Bの各々を、上方から下方に見た場合、双方が同一方向に巻かれていても、一方が他方と逆の方向に巻かれていてもいずれでもよい。
【0080】
図15に示す装置は、ドラフトチューブが43Aと43Bで示す2本で形成されている点に特色があり、個々のドラフトチューブは基本的には図7に示すドラフトチューブと同様である。図15に示す気泡塔型装置91は、2本の、上下に交互にジグザグに折れ曲がる形状の中空パイプにより形成されたドラフトチューブ43A、43Bを備える。これら2本のドラフトチューブ43A、43Bは、同心円又は概ね同心円状に配置されている。各ドラフトチューブには各々、必要に応じて熱交換媒体を通じることができる。
【0081】
また、スパージャー4は、2本のドラフトチューブ43A、43Bの中、内側のドラフトチューブ43Bの内側に、気泡を供給するタイプのものとした。
【0082】
図16に示す装置は、図15と同様のタイプであるが、2本のドラフトチューブ63Aと63Bをそれぞれ複数のユニットよりなる集合体として構成している点で異なっている。外側のドラフトチューブ63Aは、ドラフトチューブユニット63AU1、63AU2、63AU3の3つのユニットから構成されており、内側のドラフトチューブ63Bはドラフトチューブユニット63BU1、63BU2、63BU3の3つのユニットから構成されている。
【0083】
スパージャーは、図3や図12に示されているようなタイプのほか、図17や18に符号24aや24bで示すノズルタイプのものでもよい。
【0084】
本発明に用いる麹菌には、格別の制限はない。しかし、目的生成物が何かによって、使用する麹菌の種類はおおむね定まってくるのが一般的である。目的生成物とそれに用いる麹菌の関係例は下記表のようなものを挙げることができる。
【表1】
【0085】
本発明を利用して焼酎を製造する場合も、通常焼酎製造に用いられる麹菌であればいかなるものでもよく、例えば前記したようなアスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)等に代表される白麹菌、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)等で代表される黒麹菌などをあげることができる。より具体的には、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)IFO4308、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)IFO4033、IFO4388、IFO1955、IFO8875、IFO8876、IFO8877、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)IFO4414、IFO4415、IFO4416、IFO4417などをあげることができる。また調味料を製造する場合も、通常、みりん、醤油、味噌、鰹節、料理酒などの調味料製造に用いられる麹菌であればいかなるものでも良く、例えば前記したようなアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ソイヤ(Aspergillus sojae)、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)、アスペルギルス・グラウカス(Aspergillus glaucus)などをあげることができる。
より具体的にはアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)ATCC14895、ATCC76665、アスペルギルス・ソイヤ(Aspergillus sojae)ATCC11906、ATCC200440、ATCC201938、アスペルギルス・カワチ(Aspergilluskawachii)IFO4308、アスペルギルス・グラウカス(Aspergillus glaucus)ATCC14567などをあげることができる。
【0086】
本発明において、培地に接種する麹菌の形態は任意であり、胞子または菌糸を用いることができる。
【0087】
本発明に使用する培地は、液体培地であればとくに制限はなく、好ましい培地は目的生成物の種類や麹菌の種類によっていろいろ変化するが、上記麹菌が生育する液体培地であればいずれでもよく、例えば糸状菌の培養に一般的に用いられる窒素源、無機塩類等を含む液体培地をあげることができる。また、上記麹菌が生育する液体培地であれば、天然培地または合成培地のいずれも本発明に用いることができる。
【0088】
目的生成物が焼酎の場合には、前述の天然培地としては、焼酎蒸留粕をあげることができる。ここでいう焼酎蒸留粕とは、本格焼酎を製造する際の蒸留残さのことであり、芋焼酎、米焼酎、麦焼酎、そば焼酎など種々の焼酎蒸留粕をあげることができる。また目的生成物が調味料の場合には、前述の天然倍地としては、小麦フスマ、大麦フスマ、米糠、大豆粕、みりん粕などをあげることができる。
【0089】
上記窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機塩もしくは有機酸のアンモニウム塩、その他の含窒素化合物、ならびにペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスティープリカー、カゼイン加水分解物、大豆粕および大豆粕加水分解物、脱脂大豆、分離大豆蛋白質、グルテン、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等を用いることができる。
また炭素源としてはグルコース、マルトース、フラクトース、シュクロース、乳糖、デンプン、可溶性デンプン等を用いることができる。
【0090】
無機塩としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等を用いることができる。
【0091】
培養は、好気的条件下で行い、培養温度は15〜45℃、好ましくは30〜40℃が適当である。通気量については、培養環境を好気的に保つことができ、培養液の充分な循環系が形成される条件であれば、いかなる条件でもよく、0.5〜5.0vvmが好ましく、2.5〜3.5vvmであることがさらに好ましい。また、培養時間は通常1〜7日間程度である。
【0092】
上記の培養法で得られる培養物としては、該培養物そのもの、該培養物を遠心分離等することにより得られる培養液、麹菌体、それらの濃縮物またはそれらの乾燥物等をあげることができる。
【0093】
また上記した培養物を用いて酒類または調味料などの発酵飲食品の製造に用いる場合には、全工程を液相で行うことができる。
【0094】
全工程を液相で行う焼酎の製造方法としては、とうもろこし、麦、米、いも、さとうきび、黒糖などを原料に用い、該原料を約80℃の高温で耐熱性酵素剤を使って溶かした後、これに上記した培養物から得られる培養液またはそれらの濃縮物、および酵母を添加することでアルコール発酵させた発酵液を、常圧蒸留法または減圧蒸留法などにより蒸留して製造する方法をあげることができる。また本発明の調味料の製造方法としては、上記した培養液または濃縮物を用いる以外は通常の調味料の製造方法を用いることができる。即ち、脱脂大豆、分離大豆蛋白質、小麦グルテン、コーングルテン、酵母菌体、ゼラチン、カゼインなどを原料に用い、該原料を加熱殺菌後、これに上記した培養物から得られる培養液またはそれらの濃縮物を添加混合し、常法に従い調味料を製造する。得られた調味料には必要に応じてさらに酵母エキス、アミノ酸、核酸、酸味料、甘味料などを添加してこれを調味料として用いてもよい。本発明の調味料の製造法により得られる調味料としては、麹菌を用いて製造される調味料であれば特に限定されないが、例えば、発酵調味料、しょうゆ、みそ等をあげることができる。
【0095】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例はすべて図1の装置を使用した。また、以下の(1)〜(3)は各実施例に使用した菌の入手手段およびデータをとるための手段を説明するものである。
(1)以下の実施例で用いているアスペルギルス・カワチ(IFO4308)は、財団法人発酵研究所発行のカタログに記載されており、請求により独立行政法人製品評価技術基盤機構生物遺伝資源センターより分譲を受けることができる。
(2)グルコアミラーゼ活性は、第四回改訂国税庁所定分析法[注解編集委員会編、日本醸造協会(1993)]に従って測定した。すなわち、デンプン溶液1mLにM/5酢酸緩衝液(10mmol/L酢酸:10mmol/L酢酸ナトリウム=3.2:6.8の割合で混合し調製したもの、pH5.0)0.2mLを加え、40℃で5分間予熱した。これに酵素液(麹菌培養物から遠心分離により菌体を除いた培養上清)0.1mLを加え、40℃で20分間反応させ、1mol/L 塩酸溶液を0.1mL加えて中和した。別の対照として、デンプン溶液1mLにM/5酢酸緩衝液(組成は前記のものと同様)0.2mLを加え、40℃で5分間予熱し、1mol/L水酸化ナトリウム溶液を0.1mL加えた後に酵素液を0.1mL添加し、以下上記と同様に操作した。続いて、反応溶液中に生成したグルコース含量(mg)を和光純薬工業(株)製のグルコースB−テストワコーキットを用い、添付の説明書に従って測定した。具体的には酵素反応終了後の反応液0.02mLにキットに同梱の発色試薬3.0mLをよく混合した後、37℃で20分間加温し、分光光度計を用いて505nmの吸光度を測定した。別の対照として発色試薬のみ3.0mLを37℃、20分間加温したものについても上記と同様の操作で吸光度を測定した。グルコース濃度を算定する検量線は、キット同梱のグルコース標準液を蒸留水で希釈し、これを試料として用い、上記と同様の操作で吸光度を測定することで作成した。このようにしてあらかじめ作成した検量線から酵素反応溶液の吸光度に相当するグルコース濃度を求めた。グルコアミラーゼ活性は、可溶性デンプンから40℃で60分間に1mgのグルコースを生成する活性を1単位とした。
(3)培養液粘度測定には、B型粘度計(東京計器製、型式BBL)を用いた。具体的には、培養液150mLを200mLビーカーにとり、ウォーターバスにて25℃に保ちながら、測定を行った。測定条件は、No.2ローターを用い、60rpmで1分間回転させた後、その時の指示値を読み取った。5回の繰り返し測定を行い、その平均値を測定値とした。
なお、以下の実施例における%はすべて重量%である。
【0096】
実施例1〔気泡塔型発酵装置を用いた焼酎用白麹菌培養物の製造〕
大麦を粉砕した原料を2%(W/V)の配合量で水に分散させた大麦液体培地140Lを容量215Lの図1に記載の気泡塔型発酵装置に入れ、加圧滅菌後、アスペルギルス・カワチ IFO4308の胞子懸濁液を1×106胞子数/mLになるように接種した。その後、温度30℃、通気量3.1vvmにて60時間培養を行った。培養中経時的にサンプリングを行い、培養物のグルコアミラーゼ活性を測定した。
培養試験の結果、図20に示すように培養60時間目のグルコアミラーゼ活性は液体麹として使用可能な100U/mLをクリアーし、良好な結果となった。
また、図21に示すように、菌体増殖にともない培養液粘度が徐々に上昇し、培養48時間目には約170cpに達したが、培養液の対流性や混合性が著しく損なわれることはなく、培養は順調に進行した。
【0097】
実施例2〔気泡塔型発酵装置を用いた焼酎用黒麹菌培養物の製造〕
大麦を粉砕した原料を2%(W/V)の配合量で水に分散させた大麦液体培地140Lを容量215Lの図1に記載の気泡塔型発酵装置に入れ、蒸気滅菌後、アスペルギルス・アワモリIFO4388の胞子懸濁液を1×106胞子数/mLになるように接種した。その後、温度30℃、通気量3.1vvmにて60時間培養を行った。培養中経時的にサンプリングを行い、培養物のグルコアミラーゼ活性ならびに粘度を測定した。
その結果、図22に示すように培養60時間のグルコアミラーゼ活性は液体麹としての使用可能な100U/mLをクリアーし、良好な結果となった。また、図23に示すように培養24時間目以降に培養液の粘性が徐々に上昇した。最終的な培養液粘度は前述した図20の白麹菌の場合より2倍強まで上がったものの、培養液の対流が著しく損なわれることはなく、順調に培養可能であった。
【0098】
実施例3〔気泡塔型発酵装置による焼酎用白麹菌培養物を用いた全工程が液相となる焼酎の製造〕
実施例1において調製した培養物を用い、全工程が液相による焼酎製造を行った。すなわち、表2に示した仕込配合にて、総麦1kgの仕込を行い、発酵温度を25℃に保ち、一次仕込5日間、二次仕込14日間の二段仕込を行った。
【表2】
一次仕込ならびに二次仕込で用いる麦原料は液化処理したものを用いた。大麦の液化処理は、以下の方法で行った。すなわち、内容量5Lの撹拌機、ジャケット付き反応缶に水1.5Lを入れ、50℃に保温しながら、原料精白大麦(精麦度80%)1.0kgを投入し、リクイファーゼL45(阪急バイオインダストリー製の耐熱性酵素、α−アミラーゼ)1gとオリエンターゼ10NL(阪急バイオインダストリー製、中性プロテアーゼ)0.5gとを添加し、撹拌しながら60分間反応させ、ついで3時間で直線的に90℃まで昇温させた。20分後、冷却を開始し、45℃まで冷却した時点で、セルロシンAL(阪急バイオインダストリー製、ヘミセルラーゼ剤)1.0gを添加し、引き続き冷却し、25℃になった時点で液化処理を終了した。引き続き、該液化処理液を容量比1:4に分割し、おのおの一次仕込、二次仕込に使用した。
【0099】
比較例1
対照仕込として表3に示すような固体麹と液化処理しない粒原料を用いた仕込を実施した。
【表3】
【0100】
図24に実施例3と比較例1の発酵経過を示した。図24から明らかなように、実施例3の液体麹を用いた仕込みの場合と比較例1の固体麹を使用した対照仕込みと比較して、液体麹を用いた仕込みにおいても、従来の固体麹を用いた仕込みとほぼ同様の発酵経過を示した。また、両者を減圧蒸留後、アルコール度数25%に和水したものをパネラー10名による採点法(5点評価法、1:良、5:悪)により官能評価を行い、その平均点を表4に示した。
【表4】
その結果、酒質の差異もほとんど認められず、本液体麹を用いて十分に焼酎製造が可能であることが確認できた。
【0101】
実施例4〔気泡塔型発酵槽を用いた発酵調味料用麹菌培養物の製造〕
小麦フスマ1%、リン酸2水素カリウム0.1%、塩化カリウム0.05%、硫酸マグネシウム7水和物0.05%、硫酸鉄7水和物0.01%を含有する培地140Lを容量215Lの図1に記載の気泡塔型発酵槽に入れ、アスペルギルス・オリーゼ(市販醤油用麹菌マイルドS樋口松之助商会製)の胞子懸濁液を1×10 6 胞子数/mLになるように接種した。その後、温度30℃、通気量3.1vvmにて60時間培養を行い、培養物のプロテアーゼ活性を測定した。
プロテアーゼ活性は、乳製カゼインを基質とするアンソン・萩原らの変法〔Hagiwara.B.etal.、J.Biochem.45.165(1958)〕に従って測定した。
培養試験の結果、培養60時間目のプロテアーゼ活性は液体麹として使用可能な100U/mLをクリアーし、良好な結果となった。
また培養液粘度で対流性や混合性が損なわれることはなく、培養は順調に進行した。
【0102】
実施例5〔気泡塔型発酵槽による調味料用麹菌培養物を用いた全工程が液相となる発酵調味料の製造〕
実施例4において調製した培養物を用い、全工程が液相による調味料製造を行った。すなわち、15%大豆蛋白質分散液1.0Lを加圧殺菌処理し、1.0Lの麹菌培養物と混合し、7日間、25℃に保った。得られた混合物をろ過し、上清を得た。得られた上清は醤油香がなく良好なうま味を持っていた。このことから、本液体麹を用いて調味料製造が可能であることが確認できた。
以上の結果から、本発明によれば、気泡塔型発酵装置を用いた液体培養によって焼酎製造、調味料製造に必要な酵素活性の高い麹菌培養物を、簡便な液体培養法にて安定的に製造することができることが確認できた。また、固体培養に比べて極めて厳密な製麹管理を容易に行うことができる液体培養によって、品質の高い麹の安定的な製造が可能になった。また、麹の液体化により、もろみの流動化による発酵管理の簡易化だけでなく、麹製造プロセス、ひいては焼酎製造プロセス、調味料製造プロセスの省力化、効率化も可能となった。
【0103】
【発明の効果】
本発明によれば、気泡塔型発酵装置を用いた液体培養によって、焼酎製造や調味料製造を行うのに充分な酵素活性を有する麹菌培養物を提供することができる。気泡塔型発酵装置を用いた液体培養は固体培養に比べ厳密な培養コントロールが可能なので安価に品質が安定した麹を製造することができる。液体培養によって得られる培養物そのものは、液体麹として利用することができ、固体麹を使用する従来の焼酎製造とは異なり、全工程を液相のままで行うことが可能なので、本発明により従来に比べ効率的かつ安定的な焼酎製造システムを提供することができる。また、従来の液体培養では対応が困難であった高粘度液体であっても何の支障もなく円滑な培養を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装置の一例を概略的に示す一部切欠き斜視図である。
【図2】図1に示す装置を概略的に示す断面図である。
【図3】図1に示す装置を図1中III−III線にしたがって、切断し、その上方から下方にみた場合を概略的に示す横断面図である。
【図4】図1に示す装置を用いているドラフトチューブの一部を拡大して模式的に示す図であり、図4(a)は、ドラフトチューブを組み立てる工程において、ドラフトチューブ3を構成する、ある中空パイプを他のある中空パイプに接続する前の状態を模式的に示す斜視図であり、また、図4(b)は、ドラフトチューブを組み立てる工程において、ドラフトチューブを構成する、ある中空パイプを他にある中空パイプに接続した後の状態を模式的に示す斜視図である。
【図5】本発明に係る装置の他の一例を概略的に示す一部切欠き斜視図である。
【図6】図5に示す装置を概略的に示す断面図である。
【図7】本発明に係る装置の他の一例を概略的に示す一部切欠き斜視図である。
【図8】図7に示す装置で用いているドラフトチューブの一部を拡大して模式的に示す図であり、図8(a)は、ドラフトチューブを組み立てる工程において、ドラフトチューブを構成する、ある中空パイプを他のある中空パイプに接続する前の状態を模式的に示す斜視図であり、また図8(b)は、ドラフトチューブを組み立てる工程において、ドラフトチューブを構成する、ある中空パイプを他のある中空パイプに接続した後の状態を模式的に示す斜視図である。
【図9】本発明に係る装置の他の一例を概略的に示す一部切欠き斜視図である。
【図10】本発明に係る装置の他の一例を概略的に示す一部切欠き斜視図である。
【図11】図10に示す装置を概略的に示す断面図である。
【図12】図10に示す装置を、図10中、XVII−XVII線に従って切断し、その上方から下方に見た場合を概略的に示す横断面図である。
【図13】本発明に係る装置の他の一例を概略的に示す一部切欠き斜視図である。
【図14】図13に示す装置を概略的に示す断面図である。
【図15】本発明に係る装置の他の一例を概略的に示す一部切欠き斜視図である。
【図16】本発明に係る装置の他の一例を概略的に示す一部切欠き斜視図である。
【図17】本発明に係る装置の他の一例を概略的に示す一部切欠き斜視図である。
【図18】図17に示す装置を概略的に示す断面図である。
【図19】図17に示す装置を図18中XX−XX線に従って切断し、その上方から下方に見た場合を概略的に示す横断面図である。
【図20】実施例1における培養時間とグルコアミラーゼ活性との関係を示すグラフである。
【図21】実施例1における培養時間と培養液粘度の関係を示すグラフである。
【図22】実施例2における培養時間とグルコアミラーゼ活性との関係を示すグラフである。
【図23】実施例2における培養時間と培養液粘度との関係を示すグラフである。
【図24】実施例3(実施例1で得られた液体麹を用いた)の発酵による場合と比較例1(固体麹を用いた)の発酵による場合の、発酵期間とアルコール度数の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 気泡塔型発酵装置
2 (気泡)塔(缶体)
2a 塔(缶体)2の蓋体
2h 蓋体2aに設けたガス抜き孔
3 ドラフトチューブ
3a ドラフトチューブの一端
3b ドラフトチューブの他端
3A ドラフトチューブ
3B ドラフトチューブ
4 スパージャー
4a スパージャーの幹管
4b スパージャーの枝管
4c ガス供給口
4h 貫通孔
5 支柱
6 排水管
6c 排水口
7 各種計測機器素子(例えばpH電極や溶存酸素電極、温度計など)の挿入口
8 各種計測機器素子(例えばpH電極や溶存酸素電極、温度計など)の挿入口
21 気泡塔型発酵装置
23 ドラフトチューブ
23A ドラフトチューブ
23B ドラフトチューブ
23U1 ドラフトチューブユニット
23U2 ドラフトチューブユニット
23U3 ドラフトチューブユニット
23AU1 ドラフトチューブユニット
23AU2 ドラフトチューブユニット
23AU3 ドラフトチューブユニット
23BU1 ドラフトチューブユニット
23BU2 ドラフトチューブユニット
23BU3 ドラフトチューブユニット
24 スパージャー
24a ノズルタイプスパージャー
24b ノズルタイプスパージャー
41 気泡塔型発酵装置
43 ドラフトチューブ
43A ドラフトチューブ
43B ドラフトチューブ
61 気泡塔型発酵装置
63 ドラフトチューブ
63A ドラフトチューブ
63B ドラフトチューブ
63U1 ドラフトチューブユニット
63U2 ドラフトチューブユニット
63U3 ドラフトチューブユニット
63AU1 ドラフトチューブユニット
63AU2 ドラフトチューブユニット
63AU3 ドラフトチューブユニット
63BU1 ドラフトチューブユニット
63BU2 ドラフトチューブユニット
63BU3 ドラフトチューブユニット
71 気泡塔型発酵装置
81 気泡塔型発酵装置
91 気泡塔型発酵装置
101 気泡塔型発酵装置
111 気泡塔型発酵装置
S3 空隙
Claims (1)
- 気泡塔内にドラフトチューブを有する気泡塔型発酵装置を用いて麹菌を培養する方法において、前記ドラフトチューブが、その側壁を連続した中空パイプにより構成され、かつ中空パイプとそれに隣接する中空パイプとは密接しない状態に保たれたものであることを特徴とする麹菌を培養する方法。
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