JP4313076B2 - Biodegradable polyester film and method for producing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可塑剤の耐ブリードアウト性、ヒートシール性に優れたポリ乳酸系フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴミ袋、レジ袋、コンポストバッグなどの袋類や、新聞・雑誌・食品などの包装材料として使用されるフィルムは、近年の環境保全に関する社会的要求の高まりに伴い、生分解性ポリマーにて形成されることが望まれている。中でも自然界に広く存在し、動植物や人畜に対して無害なポリ乳酸は、融点が140〜175℃であり十分な耐熱性を有するとともに、比較的安価な熱可塑性樹脂であるため、実用性に優れた生分解性ポリマーとして期待されている。
【0003】
しかし、ポリ乳酸からなるフィルムは、柔軟性や耐衝撃性に劣るため、いまだ実用に適したフィルムが得られておらず、このような物性の改善が求められている。
【0004】
そこで、特許文献1には、ポリ乳酸系フィルムの柔軟性や耐衝撃性を改善するために、ポリ乳酸あるいは乳酸と他のヒドロキシカルボン酸に可塑剤を配合して樹脂組成物の可塑化を促してフィルムを作成する方法が提案されている。しかし、樹脂組成物に実用に即した柔軟性を付与するには、ポリ乳酸に対し相当量の可塑剤を配合しなければならず、さらに、元来、ポリ乳酸との相溶性が良好な可塑剤は非常に少ないため、前記のように相当量の可塑剤を配合してフィルム化するとほとんどの可塑剤はブリードアウトしてしまい、フィルムの製膜時にブロッキングが発生したり、フィルムの印刷時にインクがのらず印刷できなかったり、あるいは印刷できたとしてもインクが流出するという問題がある。
【0005】
一方、特許文献2には、ポリ乳酸系重合体とガラス転移温度が0℃以下である生分解性脂肪族ポリエステルからなるシートを用いて真空成形したカップが開示されている。このカップは耐衝撃性に優れていると記載されているが、例えばゴミ袋、コンポストバッグなどの袋類のようにシートの厚みが薄い場合には、その衝撃強度は不十分である。
【0006】
また、特許文献3には、ポリ乳酸系フィルムに延伸処理を施すことなく柔軟性を向上させる方法として、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステルからなる組成物に多官能イソシアネート化合物を反応させた樹脂組成物が提案されている。しかし、ポリ乳酸は剛性の高いポリマーであるため、ポリ乳酸成分の比率が高い場合にはその柔軟化には限界がある。
【0007】
さらに、特許文献4には、ポリ乳酸と融点が80〜250℃の生分解性を有する脂肪族ポリエステルと可塑剤とからなる樹脂組成物にて形成されたフィルムやシートが開示されており、特許文献5には、ポリ乳酸とガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族ポリエステルと可塑剤とからインフレーションフィルムを製膜する方法が開示されている。これらの方法では、ポリ乳酸にポリ乳酸よりも柔軟な脂肪族ポリエステルを配合し、さらに可塑材を配合することでポリ乳酸系フィルムに柔軟性や耐衝撃性を付与しているが、ポリ乳酸の可塑化を目的として配合された可塑剤は、結晶性の高い脂肪族ポリエステルにも分配されるため、フィルムの形成過程において脂肪族ポリエステルに分配された可塑剤がブリードアウトして、フィルムへの印刷時にインクがのらず印刷できなかったり、インクが流出あるいは剥がれ落ちてしまうという問題が発生する。
【0008】
そこで、本発明者等は上記のような問題を解決するものとして、ポリ乳酸とガラス転移温度0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの配合割合を、(ポリ乳酸)/(生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=95/5〜30/70(質量%)の範囲に規定し、その合計100質量部に対し、可塑剤が1〜30質量部、無機質充填材が0.5〜40質量部の割合で配合したフィルムが柔軟性や耐衝撃性、可塑剤の耐ブリードアウト性、印刷適性に優れることを見出した(特許文献6)。ところがこのフィルムをヒートシールして袋にした場合、ヒートシール伸びが小さく、袋内物の荷重をフィルムが吸収できず、破袋してしまうことがあり、袋として使用する場合には問題が発生することがあった。
【0009】
【特許文献1】
特許第3105020号公報
【特許文献2】
特開平9−111107号公報
【特許文献3】
特開平10−17756号公報
【特許文献4】
特開平11−116788号公報
【特許文献5】
特開2000−273207号公報
【特許文献6】
特開2002−327107号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記問題点を解決し、生分解性を有し、柔軟性に優れ、可塑剤のブリードアウトを抑制して製膜性に優れ、しかも適度なヒートシール伸びを有するポリ乳酸系フィルムを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったものである。すなわち本発明は、ポリ乳酸と、ガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルと、可塑剤と、無機質充填材とを構成成分とする樹脂組成物からなるポリ乳酸系フィルムであって、ポリ乳酸とガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとが(ポリ乳酸)/(生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=29/71〜15/85(質量%)の範囲で配合され、前記ポリ乳酸と前記生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの合わせて100質量部に対し、可塑剤が0.5〜15質量部、無機質充填材が1〜40質量部の範囲で配合され、フィルムのヒートシール伸びが250〜300%であるポリ乳酸系フィルムを要旨とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明のポリ乳酸系フィルムは、ポリ乳酸とガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルと可塑剤と無機質充填材とを構成成分とする樹脂組成物にて形成される必要がある。ポリ乳酸を使用することでフィルムに生分解性を付与できる。また、ポリ乳酸に、ガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルと可塑剤とを配合することで、室温で硬くて脆いという性質を有するポリ乳酸に柔軟性と耐衝撃性とを付与できる。また、ポリ乳酸に可塑剤を配合するだけでは、可塑剤がブリードアウトしやすくなるが、結晶性の低い生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルを配合することで可塑剤のブリードアウトが抑制されるため、良好な製膜性が得られ、フィルムに印刷を施してもインクが流出したり剥がれたりすることなく良好な印刷性が得られる。また、可塑剤と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルにより樹脂組成物の結晶性が低下し軟化するが、本発明では無機質充填材が配合されているため、この無機質充填材が結晶核剤となり良好な製膜性が得られ、また、製膜時のフィルムのブロッキングの抑制と滑り性の付与が実現できる。
【0013】
本発明におけるポリ乳酸としては、乳酸の構造単位がL−乳酸であるポリL−乳酸、構造単位がD−乳酸であるポリD−乳酸、L−乳酸とD−乳酸との共重合体であるポリDL−乳酸、またはこれらの混合体が挙げられ、数平均分子量が8万〜15万であるものが好ましい。
【0014】
また、可塑剤のブリードアウトの抑制と、ポリ乳酸の結晶化による製膜安定性の確保を考慮すると、ポリ乳酸として結晶性ポリ乳酸と非晶性ポリ乳酸とを併用することが好ましい。ここでいう結晶性ポリ乳酸とは、140〜175℃の範囲の融点を有するポリ乳酸樹脂を指し、非晶性ポリ乳酸とは実質的に融点を保有しないポリ乳酸樹脂を指す。結晶性ポリ乳酸と非晶製ポリ乳酸との配合割合は、質量比で(結晶性ポリ乳酸)/(非晶性ポリ乳酸)=40/60〜90/10(質量%)の範囲にあることが好ましい。結晶性ポリ乳酸の配合割合が40質量%未満であると、ポリ乳酸の結晶化に劣るため安定した製膜が行えない。一方、結晶性ポリ乳酸の割合が90質量%を超えると、可塑剤を保持できなくなり、製膜時あるいは製膜後に可塑剤のブリードアウトが生じてしまう。
【0015】
本発明における生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルは、ポリエステルの構成成分に芳香族ジカルボン酸を使用したものであり、そのガラス転移温度は、柔軟性を考慮すると0℃以下である必要がある。ガラス転移温度が0℃よりも高いと、フィルムに十分な柔軟性を付与できなくなる。
【0016】
従来の生分解性脂肪族ポリエステルでは、ポリエステルを構成するジカルボン酸成分は脂肪族のジカルボン酸であったため、得られる樹脂の融点は一般的な加工方法における臨界加工温度と考えられる100℃程度まで下降した。また、柔軟性の付与を目的として例えばアジピン酸などの成分を多量に共重合すると、さらに融点降下が生じて樹脂の加工性が悪化したため、柔軟性の付与を目的とした成分をあまり共重合できなかった。そのため、得られる脂肪族ポリエステル樹脂の融点は降下するが結晶性はさほど低下せずに結晶性の高い樹脂となり、可塑剤を添加した場合に、可塑剤を十分保持できずにブリードアウトが生じていた。しかし、本発明において使用される生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルは、上述のようにポリエステルの構成成分に芳香族ジカルボン酸も使用しているため、融点降下を誘発する脂肪族ジカルボン酸を脂肪族ポリエステルの場合よりも多量に共重合しても樹脂の融点は100℃程度を保ち、樹脂の加工性に悪影響を及ぼすことがなく、しかも、結晶性を著しく低下させ、かつ非常に柔軟性にたけた樹脂設計が可能となる。このように、本発明における生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルは、従来より使用されている脂肪族ポリエステルよりも柔軟性に優れ、可塑剤の保持も格段に向上し、耐ブリードアウト性を改善できるものである。
【0017】
本発明における生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとしては、脂肪族ジオールと芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られるものが使用でき、なかでも結晶融解熱量が25J/g以下であるものが好ましい。生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの結晶融解熱量が25J/gを超えると、樹脂の結晶性向上による非晶領域の低下にともない可塑剤を保持できなくなり、可塑剤のブリードアウトが著しくなる。
【0018】
このような生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルを構成する脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどがあり、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などがあり、脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン酸などが挙げられる。そして、これらからそれぞれ1種類以上選んで重縮合することにより目的とする生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルが得られ、必要に応じて多官能のイソシアネート化合物により架橋することもできる。
【0019】
本発明における可塑剤は、上記のポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族ポリエステルとに分配され働くものである。生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの結晶性が高い、すなわち結晶融解熱量が大きい場合には、この結晶化にともなう排除体積効果と非晶領域の絶対的な不足によって可塑剤のブリードアウトが生じ、樹脂中に可塑剤を保持することが困難となる。そこで、芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジカルボン酸成分の共重合組成比によって得られる樹脂の結晶融解熱量は異なるが、本発明においては、上述のようにガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族ポリエステル共重合体の結晶融解熱量を25J/g以下とすることで、可塑剤のブリードアウトを抑制できる。
【0020】
本発明における可塑剤としては、ポリ乳酸と、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルに対して相溶し、かつ、不揮発性であり、環境問題などの観点から無毒性で、さらにFDA(Food and Drug Administration)に合格しているものが好ましい。具体的には、エーテルエステル系可塑剤、オキシ酸エステル系可塑剤である。エーテルエステル系可塑剤の具体例としては、ビスメチルジエチレングリコールアジペート、ビスブチルジエチレングリコールアジペートなどである。また、オキシ酸エステル系可塑剤の具体例としては、アセチルクエン酸トリブチルなどが挙げられ、これら可塑剤は2種類以上を混合して使用することもできる。
【0021】
本発明における無機質充填材は、結晶核剤および滑剤として作用するものである。すなわち、ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとからなる樹脂成分に可塑剤を配合するだけでは樹脂の可塑化に伴いフィルムの溶融張力が低下して製膜性が低下し、フィルムのブロッキングなどが発生するが、さらに加えて無機質充填材を配合することで製膜時のブロッキングの抑制と滑り性の付与が行える。
【0022】
本発明における無機質充填材としては、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、マイカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、ゼオライト、クレー、ガラスビーズなど一般的な無機質充填材が挙げられるが、特にタルクはポリ乳酸の結晶核剤として最も効果を発揮するため好ましい。この無機質充填材には有機滑剤を併用してもよく、有機滑剤の具体例としては、例えば、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、天然パラフィン、合成パラフィンなどの脂肪族炭化水素系滑剤、ステアリン酸、ラウリル酸、ヒドロキシステアリン酸、硬化ひまし油などの脂肪酸系滑剤、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスラウリル酸アミドなどの脂肪酸アミド系滑剤、ステアリン酸アルミ、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの炭素数12〜30の脂肪酸金属塩である金属石鹸系滑剤、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどの多価アルコールの脂肪酸(部分)エステル系滑剤、ステアリン酸ブチルエステル、モンタンワックスなどの長鎖エステルワックスである脂肪酸エステル系滑剤、またはこれらを複合した複合滑剤などが挙げられる。
【0023】
本発明のフィルムを構成するポリ乳酸とガラス転移温度0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの配合割合は、質量比で、(ポリ乳酸)/(生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=29/71〜15/85(質量%)の範囲であることが必要である。ポリ乳酸含有成分が40質量%を超えると、得られるフィルムをヒートシールして作製した袋ではヒートシール伸びが著しく小さくなり、袋内物の荷重に耐えられなくなり容易にシール部より破袋してしまい好ましくない。ポリ乳酸含有成分が10質量%未満であると、脂肪族−芳香族共重合ポリエステル成分が組成物中に多く成りすぎ、それに伴いフィルムの伸びも大きくなりすぎることにより、袋やレジ袋にした場合取手部に大きな伸びが発現し、重量物を入れるとフィルムが伸びすぎて実用上問題となるので好ましくない。また、極端に分解が遅くなるため、コンポスト装置などによる分解処理では攪拌翼にフィルムが絡みつきコンポスト装置を破損する恐れがあるため好ましくない。ポリ乳酸とガラス転移温度0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの配合割合は、質量比で(ポリ乳酸)/(生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=25/75〜15/85(質量%)であることが好ましい。
【0024】
可塑剤の配合割合は、ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの合わせて100質量部に対し、0.5〜15質量部であることが必要である。可塑剤の含有比率が0.5質量部未満であると、ポリ乳酸のガラス転移温度の低下がほとんど見られないため、得られたフィルムは柔軟性が不足し、袋やマルチフィルムなど柔軟性を必要とする分野には適さなくなる。また、可塑剤の含有比率が15質量部を超えるとポリ乳酸のガラス転移温度が低下しすぎて得られるフィルムの加水分解速度を急速に促進させるため製品寿命が短くなりすぎてしまう。さらに、ヒートシールの際にブリードした可塑剤によりシール性を悪化する可能性がある。従って、可塑剤の配合割合は1〜10質量部であることがより好ましい。
【0025】
無機質充填材の配合割合は、ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの合計100質量部に対し、1〜40質量部の範囲にあることが必要である。無機質充填材の含有比率が1質量部未満であると、無機質充填材が有す結晶核剤的効果が現れないため、製膜時におけるフィルムの溶融張力の不足により製膜が困難となるだけでなく、フィルム自体の滑り性や耐ブロッキング性に劣り、後加工などの加工上の問題が生じる可能性がある。一方、無機質充填材の含有比率が40質量部を超えると、得られるフィルムの物性、特に引き裂き強力、ヒートシール強力などが著しく低下し実用上問題となる。従って、無機質充填材の配合割合は10〜30質量部であることが好ましく、10〜20質量部であるとさらに好ましい。
【0026】
本発明のポリ乳酸系フィルムは、ポリ乳酸、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、可塑剤、および無機質充填材が上記割合で配合された樹脂組成物からなるので、フィルムのヒートシール伸びを250〜300%とすることができる。ヒートシール伸びが150%未満であると、フィルムを袋として使用する時に、ヒートシール部分が破袋の原因になる可能性があり、また、ヒートシール伸びが300%を超えると実用上使用し難いという問題がある。
【0027】
なお、本発明のポリ乳酸系フィルムを構成する樹脂組成物には、製膜時の溶融張力の低下を抑制する目的で、必要に応じて有機過酸化物などの架橋剤および架橋助剤を併用して樹脂組成物に軽度の架橋を施してもよい。
【0028】
架橋剤の具体例としては、n−ブチル−4,4−ビス−t−ブチルパーオキシバリレート、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−t−ブチルパーオキシヘキシン−3などの有機過酸化物、無水フタル酸、無水マレイン酸、トリメチルアジピン酸、無水トリメリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸、蟻酸リチウム、ナトリウムメトキシド、プロピオン酸カリウム、マグネシウムエトキシドなどの金属錯体、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステルなどのエポキシ化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物などが挙げられる。
【0029】
架橋助剤の具体例としては、グリシジルメタクリレート、ノルマル−ブチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレートなどが挙げられる。
【0030】
また、本発明のポリ乳酸系フィルムを構成する樹脂組成物には、用途に応じて紫外線防止剤、光安定剤、防曇剤、防霧剤、帯電防止剤、難燃剤、着色防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料など上記以外の添加剤も添加できる。
【0031】
以下に本発明のフィルムの製造方法について、一例を挙げて説明する。まず、ポリ乳酸とガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルと可塑剤と無機質充填材とを所定量だけ配合して、2軸混練押し出し機にて溶融混練し、コンパウンドペレットを作製する。コンパウンドペレットを乾燥した後、インフレーション製膜法によりフィルム化する。すなわち、乾燥後のコンパウンドペレットを1軸混練押し出し機に投入し、溶融したポリマーを丸ダイからチューブ状に引き上げ、空冷しながら同時に風船状に膨らまして製膜する方法、あるいは、丸ダイより溶融ポリマーを円筒状に冷却水とともに下方へ押し出した後、一旦折り畳み、それを上方へ引き上げ、次いで加熱しながら風船状に膨らまして製膜・フィルム化する方法を採用することができる。2軸混練押し出し機のポリマー溶融温度は、ポリ乳酸の溶融温度210〜240℃の温度範囲で適時選択され、1軸混練押し出し機におけるコンパウンドペレットのポリマーの溶融温度は、ポリ乳酸のL−乳酸とD−乳酸の組成比、ガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの融点や配合量、および可塑剤の配合量を考慮して適時選択されるが、通常は、160℃〜200℃の温度範囲である。
【0032】
なお、本発明のポリ乳酸系フィルムを製造する前段階でのコンパウンドペレットの製造時に、必要に応じて架橋剤、架橋助剤、有機滑剤などを添加することもできる。加えて、フィルムの製造時にも、必要に応じて添加剤をフィルム物性に影響を与えない程度に加えてもよい。
【0033】
【実施例】
次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における各種物性値の測定は以下の方法により実施した。
(1)結晶融解熱量(J/g):パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−7型を用いて、昇温速度を20℃/分で測定し、得られた融解吸熱曲線のピークより求めた。
(2)引張強度(MPa)および引張伸度(%):JIS K―7127に記載の方法に準じて測定した。
(3)引張弾性率(GPa):フィルムの柔軟性の指標となるものであり、JIS K―7127に記載の方法に準じて測定した。
(4)ヒートシール強度(N/15mm)およびヒートシール伸び(%):幅15mm、長さ100mmの短冊状フィルム2枚を重ね合わせ、1mm幅のヒートシールバーがフィルムの長辺に直交するようにセットし、温度140℃、圧力0.2MPaで、1秒間ヒートシールした。ヒートシールしたフィルムを、島津製作所製オートグラフを用い、JIS K−6854に準じて、剥離速度300mm/分で剥離を行ない、測定値のピーク値をヒートシール強度とし、その時の試料長さをL1とした。ヒートシール伸びは下記式により求めた。
ヒートシール伸び(%)=[(L1−L0)/L0]×100
ただし、L0は測定前の試料長である。
(5)可塑剤のブリード性およびフィルムのブロッキング性:インフレーション法により作製されたフィルムについて、JIS Z0219に記載の方法に準じて80℃、荷重500gの条件下に保持したときの可塑剤のブリード性を以下のように評価した。
○:ブリードアウトは見られなかった
△:ややブリードアウトが見られた
×:ブリードアウトが顕著に見られた
また、フィルムのブロッキング性を以下のように評価した。
○:ブロッキングは見られなかった
△:ややブロッキングが見られた
×:完全にブロッキングした
【0034】
製造例1
ポリ乳酸として、D−乳酸の含有量が1.2モル%で質量平均分子量が20万の結晶性ポリ乳酸(カーギル・ダウ社製 ネイチャーワークス)80質量部と、D−乳酸の含有量が10モル%で質量平均分子量が20万の非晶性ポリ乳酸(カーギル・ダウ社製 ネイチャーワークス)20質量部とを配合したものを用いた。
【0035】
このポリ乳酸35質量部とガラス転移温度が−30℃の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとして結晶融解熱量が15J/gのポリブチレンアジペートテレフタレート(BASF社製 エコフレックスF)65質量部との合わせて100質量部に対し、可塑剤としてビスメチルジエチレングリコールアジペート(大八化学社製 MXA)4質量部と、無機質充填材として平均粒子径が2.75μmのタルク(林化成社製 MW HS−T)15質量部とが配合されるよう計量し、2軸押出混練機(日本製鋼所社製 型番TEX44α)を用いて溶融混練し、押出温度230℃にてポリ乳酸系コンパウンド原料を作製した。
【0036】
次いでこのポリ乳酸系コンパウンド原料を直径100mmの口径を有するサーキュラーダイを装着したスクリュー径50mmの一軸押出機(トミー機械工業社製)を用いて、設定温度190℃にて溶融押出を行い、ダイより吐出された溶融樹脂組成物を空気圧によって膨張させると同時にエアリングによる空冷をしながらチューブ状のフィルムに成形した。組成物のフィルム化は、25〜30℃に温調された環境下で実施した。
【0037】
このチューブ状のフィルムをダイ上部に設置された一組のピンチロールによって20m/minの速度で引き取りを行い、約7秒の冷却時間を経た後、チューブ状のフィルムをピンチロールによってニップし、巻き取り機によって100m巻き取り、厚みが30μm、フィルム折り幅が250mmであるフィルムを作成した。
【0038】
実施例1〜3、比較例1〜4
ポリ乳酸、ガラス転移温度が−30℃の脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、可塑剤、および無機質充填材を表1に示した量に変更した以外は製造例1と同様にしてフィルムを作成した。得られたフィルムの各種物性値を表1に示す。なお、比較例1では、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの代わりに、脂肪族ポリエステルであるポリブチレンサクシネートアジペート(昭和高分子社製 ビオノーレ#3001、結晶融解熱量45J/g)を用いた。さらに比較例2では、コンパウンド原料を作製する際の溶融混練温度を160℃とし、またフィルム化の溶融押出に際しては、単軸押出機の設定温度を155℃とした。
【0039】
比較例5
無機質充填材を全く使用しなかった以外は、製造例1と同様の組成・配合比にてコンパウンドを行った。ペレット化する際、ブロッキングが激しく、また、このペレットを用いて製造例1と同様にして製膜したところ、チューブの溶融張力が不足しているためチューブが安定せず幅斑を生じ、しかもチューブ状のフィルムをピンチロールによってニップした後のフィルムはブロッキングして全く口開きのできないものであった。
【0040】
【表1】
【0041】
実施例1〜3で得られたフィルムは、ポリ乳酸と、ガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルと、可塑剤と、無機質充填材とを構成成分とする樹脂組成物にて形成されていたため、前記の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルと可塑剤とにより機械的特性に優れ、柔軟で、可塑剤のブリードアウトを見られず、ヒートシール伸びも適度にあるフィルムであった。
比較例1は、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの代わりに、脂肪族ポリエステルを用いたため、樹脂の結晶性が高くなり、可塑剤を十分保持できずブリードアウトが見られた。この結果、得られたフィルムはヒートシール性(強力・伸び)に劣るものであった。
比較例2は、ポリ乳酸を全く用いなかったため、フィルム自体の伸度およびヒートシール伸びが高すぎて実用上問題であった。
比較例3は、可塑剤が配合されていなかったため、得られたフィルムは柔軟性に劣るとともに、チューブニップ時に発現するシワが、フィルムが硬いために回復せず、得られたフィルムはシワが多発したもので製品上問題であった。
比較例4は、フィルムを構成する生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの含有量が少なかったため、ヒートシール伸びが極めて小さく、使用時の破袋の原因となる恐れがあった。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリ乳酸、ガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、可塑剤、および無機質充填材を構成成分とし、各々が所定量配合されたフィルムは、可塑剤のブリードアウトもなく、ヒートシールした際のシール伸びがある程度顕在するため、シール部に加わる応力やストレスをシール強力だけでなく伸びにおいても吸収でき、袋形状での実用特性に優れている。また、このフィルムは生分解性であり、自然環境下で分解するため、ゴミ袋、レジ袋、コンポストバッグ、肥料袋、米袋などの比較的厚みの薄い袋から重袋にいたるまでの袋類、新聞・雑誌包装、野菜包装、食品包装、使い捨ておむつや衛生材料などの商品の包装、ポケットティッシュに用いられる包装フィルム、ラップフィルムなどの包装材料、紙とのラミネート材料、シーラント材料、使い捨ておむつや衛生材料のバックシート、使い捨て手袋、施設園芸ハウスの外張り用・内張り用、トンネルハウス用、マルチフィルムといった農業用フィルムなどの幅広い用途に利用することが可能となり、ゴミ、廃棄の問題を有さない地球に優しい実用的なフィルムとして極めて有用である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polylactic acid film excellent in bleed-out resistance and heat sealability of a plasticizer.
[0002]
[Prior art]
Bags such as trash bags, plastic bags, compost bags, and films used as packaging materials for newspapers, magazines, foods, etc., are made of biodegradable polymers in response to the growing social demand for environmental protection in recent years. It is hoped that will be done. Among them, polylactic acid, which exists widely in nature and is harmless to animals, plants and animals, has a melting point of 140-175 ° C. and sufficient heat resistance, and is a relatively inexpensive thermoplastic resin, so it has excellent practicality. It is expected as a biodegradable polymer.
[0003]
However, since a film made of polylactic acid is inferior in flexibility and impact resistance, a film suitable for practical use has not yet been obtained, and improvement of such physical properties is required.
[0004]
Therefore, in Patent Document 1, in order to improve the flexibility and impact resistance of the polylactic acid-based film, a plasticizer is blended with polylactic acid or lactic acid and other hydroxycarboxylic acid to promote plasticization of the resin composition. A method of creating a film has been proposed. However, in order to give the resin composition flexibility in practical use, it is necessary to add a considerable amount of plasticizer to polylactic acid. In addition, the plastic composition originally has good compatibility with polylactic acid. Since there are very few agents, as mentioned above, when a film is formed by adding a considerable amount of plasticizer, most of the plasticizer bleeds out, blocking occurs during film formation, and ink is used during film printing. There is a problem that printing cannot be performed due to ink, or ink flows out even if printing is possible.
[0005]
On the other hand, Patent Document 2 discloses a cup formed by vacuum molding using a sheet made of a polylactic acid polymer and a biodegradable aliphatic polyester having a glass transition temperature of 0 ° C. or lower. Although this cup is described as having excellent impact resistance, the impact strength is insufficient when the sheet is thin, such as bags such as garbage bags and compost bags.
[0006]
Patent Document 3 discloses a resin composition in which a polyfunctional isocyanate compound is reacted with a composition comprising polylactic acid and an aliphatic polyester as a method for improving flexibility without subjecting a polylactic acid film to stretching. Proposed. However, since polylactic acid is a highly rigid polymer, its flexibility is limited when the ratio of the polylactic acid component is high.
[0007]
Furthermore, Patent Document 4 discloses a film or sheet formed of a resin composition comprising polylactic acid, a biodegradable aliphatic polyester having a melting point of 80 to 250 ° C., and a plasticizer. Document 5 discloses a method of forming an inflation film from polylactic acid, a biodegradable aliphatic polyester having a glass transition temperature of 0 ° C. or less, and a plasticizer. In these methods, polylactic acid is blended with an aliphatic polyester that is softer than polylactic acid, and further a plasticizer is blended to impart flexibility and impact resistance to the polylactic acid film. Plasticizers formulated for plasticization are also distributed to highly crystalline aliphatic polyesters, so the plasticizer distributed to the aliphatic polyesters bleeds out during film formation and printing on the film Occasionally, ink is not applied and printing cannot be performed, or the ink flows out or peels off.
[0008]
Accordingly, the present inventors have solved the above-mentioned problems by changing the blending ratio of polylactic acid and biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester having a glass transition temperature of 0 ° C. or less to (polylactic acid) / (Biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester) = 95/5 to 30/70 (mass%) range, plasticizer is 1 to 30 parts by mass with respect to the total 100 parts by mass, inorganic filling It has been found that a film in which the material is blended at a ratio of 0.5 to 40 parts by mass is excellent in flexibility, impact resistance, bleed-out resistance of a plasticizer, and printability (Patent Document 6). However, when this film is heat-sealed into a bag, the heat-seal elongation is small, the film cannot absorb the load in the bag, and the bag may break, causing problems when used as a bag. There was something to do.
[0009]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 3105020
[Patent Document 2]
JP-A-9-111107
[Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-17756
[Patent Document 4]
JP-A-11-116788
[Patent Document 5]
JP 2000-273207 A
[Patent Document 6]
JP 2002-327107 A
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the above-mentioned problems, and provides a polylactic acid-based film having biodegradability, excellent flexibility, excellent bleed-out of plasticizers, excellent film forming properties, and having an appropriate heat seal elongation. It is to provide.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have arrived at the present invention. That is, the present invention relates to a polylactic acid comprising a resin composition comprising polylactic acid, a biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester having a glass transition temperature of 0 ° C. or less, a plasticizer, and an inorganic filler. Polylactic acid and biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester having a glass transition temperature of 0 ° C. or less are (polylactic acid) / (biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester) =29 / 71-15 / 85(Mass%), the plasticizer is 0.5 to 15 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the polylactic acid and the biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester, and the inorganic filler. Is blended in the range of 1 to 40 parts by mass, and the heat seal elongation of the film is250The gist is a polylactic acid film of ˜300%.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail. The polylactic acid film of the present invention is formed of a resin composition comprising polylactic acid, a biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester having a glass transition temperature of 0 ° C. or less, a plasticizer, and an inorganic filler. Need to be done. Biodegradability can be imparted to the film by using polylactic acid. In addition, by blending polylactic acid with a biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester having a glass transition temperature of 0 ° C. or less and a plasticizer, the polylactic acid having the property of being hard and brittle at room temperature is flexible. Impact resistance can be imparted. In addition, by adding a plasticizer to polylactic acid, the plasticizer tends to bleed out, but by blending a biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester with low crystallinity, bleed out of the plasticizer is suppressed. Therefore, good film-forming properties can be obtained, and good printability can be obtained without causing the ink to flow out or peel off even when printing is performed on the film. Further, the crystallinity of the resin composition is lowered and softened by the plasticizer and the biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester, but since the inorganic filler is blended in the present invention, the inorganic filler is a crystal nucleus. It becomes an agent and good film-forming properties are obtained, and it is possible to realize blocking suppression and slipperiness of the film during film formation.
[0013]
The polylactic acid in the present invention is poly L-lactic acid in which the structural unit of lactic acid is L-lactic acid, poly D-lactic acid in which the structural unit is D-lactic acid, or a copolymer of L-lactic acid and D-lactic acid. Examples include poly DL-lactic acid or a mixture thereof, and those having a number average molecular weight of 80,000 to 150,000 are preferable.
[0014]
In consideration of suppression of bleed out of the plasticizer and securing of film formation stability by crystallization of polylactic acid, it is preferable to use crystalline polylactic acid and amorphous polylactic acid in combination as polylactic acid. The crystalline polylactic acid as used herein refers to a polylactic acid resin having a melting point in the range of 140 to 175 ° C., and the amorphous polylactic acid refers to a polylactic acid resin that does not substantially have a melting point. The blending ratio of crystalline polylactic acid and amorphous polylactic acid is in the range of (crystalline polylactic acid) / (amorphous polylactic acid) = 40/60 to 90/10 (mass%) in mass ratio. Is preferred. When the blending ratio of the crystalline polylactic acid is less than 40% by mass, stable film formation cannot be performed because the polylactic acid is inferior in crystallization. On the other hand, when the proportion of crystalline polylactic acid exceeds 90% by mass, the plasticizer cannot be retained, and the plasticizer bleeds out during film formation or after film formation.
[0015]
The biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester in the present invention uses an aromatic dicarboxylic acid as a constituent component of the polyester, and its glass transition temperature needs to be 0 ° C. or less in consideration of flexibility. is there. When the glass transition temperature is higher than 0 ° C., sufficient flexibility cannot be imparted to the film.
[0016]
In conventional biodegradable aliphatic polyesters, since the dicarboxylic acid component constituting the polyester was an aliphatic dicarboxylic acid, the melting point of the resulting resin decreased to about 100 ° C., which is considered the critical processing temperature in general processing methods. did. In addition, when a large amount of components such as adipic acid are copolymerized for the purpose of imparting flexibility, the melting point is further lowered and the processability of the resin is deteriorated. There wasn't. Therefore, the melting point of the resulting aliphatic polyester resin is lowered, but the crystallinity is not lowered so much that it becomes a highly crystalline resin, and when the plasticizer is added, the plasticizer cannot be sufficiently retained and bleeding out occurs. It was. However, since the biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester used in the present invention also uses an aromatic dicarboxylic acid as a constituent component of the polyester as described above, an aliphatic dicarboxylic acid that induces a melting point depression. Even if it is copolymerized in a larger amount than in the case of aliphatic polyester, the melting point of the resin is maintained at about 100 ° C., it does not adversely affect the processability of the resin, the crystallinity is remarkably lowered, and it is very flexible. It is possible to design a resin suitable for the characteristics. As described above, the biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester in the present invention is superior in flexibility to the conventionally used aliphatic polyester, and the plasticizer retention is remarkably improved, and the bleed-out resistance is improved. Can be improved.
[0017]
As the biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester in the present invention, those obtained by condensing an aliphatic diol, an aromatic dicarboxylic acid and an aliphatic dicarboxylic acid can be used, and in particular, the heat of crystal melting is 25 J / g. The following are preferred. When the heat of crystal melting of the biodegradable aliphatic-aromatic copolymerized polyester exceeds 25 J / g, the plasticizer cannot be retained as the amorphous region decreases due to the improvement of the crystallinity of the resin, and the plasticizer bleedout is remarkable. Become.
[0018]
Examples of the aliphatic diol constituting such a biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester include ethylene glycol, propylene glycol, 1,4-butanediol, 1,4-cyclohexanedimethanol, and the like. Examples of the acid include terephthalic acid, isophthalic acid, and naphthalenedicarboxylic acid. Examples of the aliphatic dicarboxylic acid include succinic acid, adipic acid, suberic acid, sebacic acid, and dodecanoic acid. One or more of these are selected and polycondensed to obtain the desired biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester, which can be crosslinked with a polyfunctional isocyanate compound as necessary.
[0019]
The plasticizer in the present invention is distributed between the polylactic acid and the biodegradable aliphatic-aromatic polyester. When the crystallinity of the biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester is high, that is, when the heat of crystal fusion is large, the plasticizer bleeds out due to the excluded volume effect accompanying this crystallization and the absolute lack of amorphous regions. This makes it difficult to hold the plasticizer in the resin. Therefore, although the heat of crystal fusion of the resin obtained differs depending on the copolymer composition ratio of the aromatic dicarboxylic acid component and the aliphatic dicarboxylic acid component, in the present invention, as described above, the biodegradability having a glass transition temperature of 0 ° C. or lower is used. By controlling the heat of crystal fusion of the aliphatic-aromatic polyester copolymer to 25 J / g or less, bleed-out of the plasticizer can be suppressed.
[0020]
The plasticizer in the present invention is compatible with polylactic acid and biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester, is non-volatile, is non-toxic from the viewpoint of environmental problems, and is further FDA ( Those that have passed Food and Drug Administration) are preferred. Specifically, ether ester plasticizers and oxyacid ester plasticizers. Specific examples of the ether ester plasticizer include bismethyldiethylene glycol adipate and bisbutyldiethylene glycol adipate. Specific examples of the oxyester plasticizer include tributyl acetylcitrate, and these plasticizers can be used in combination of two or more.
[0021]
The inorganic filler in the present invention acts as a crystal nucleating agent and a lubricant. That is, just by adding a plasticizer to a resin component composed of polylactic acid and a biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester, the melt tension of the film decreases with the plasticization of the resin, and the film-forming property decreases. Although blocking of a film | membrane etc. generate | occur | produces, suppression of blocking at the time of film forming and provision of slipperiness can be performed by mix | blending an inorganic filler further.
[0022]
Examples of the inorganic filler in the present invention include general inorganic fillers such as talc, silica, calcium carbonate, magnesium carbonate, kaolin, mica, titanium oxide, aluminum oxide, zeolite, clay, and glass beads. It is preferable because it is most effective as a crystal nucleating agent for polylactic acid. An organic lubricant may be used in combination with the inorganic filler, and specific examples of the organic lubricant include, for example, liquid hydrocarbon, microcrystalline wax, aliphatic hydrocarbon lubricants such as natural paraffin and synthetic paraffin, stearic acid, and lauryl. Fatty acid-based lubricants such as acids, hydroxystearic acid, hydrogenated castor oil, fatty acid amide-based lubricants such as erucic acid amide, stearic acid amide, oleic acid amide, ethylene bis stearic acid amide, ethylene bis oleic acid amide, ethylene bis lauric acid amide, Fatty acid (partial) of polyhydric alcohols such as metal soap-based lubricants, such as aluminum stearate, lead stearate, calcium stearate, magnesium stearate, etc. Ether-based lubricants, butyl stearate, and long chain ester wax is a fatty acid ester lubricant or a composite lubricant These were combined, such as montan wax.
[0023]
The blending ratio of the polylactic acid constituting the film of the present invention and the biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester having a glass transition temperature of 0 ° C. or less is (polylactic acid) / (biodegradable aliphatic- Aromatic copolyester) =29 / 71-15 / 85It is necessary to be in the range of (% by mass). If the polylactic acid-containing component exceeds 40% by mass, the heat-seal elongation of the bag produced by heat-sealing the resulting film will be extremely small, and the bag will not be able to withstand the load of the bag and will easily break from the sealed part. It is not preferable. When the polylactic acid-containing component is less than 10% by mass, the amount of the aliphatic-aromatic copolymer polyester component is too much in the composition, and the elongation of the film is too large. A large elongation appears in the handle part, and if a heavy object is added, the film is excessively stretched, which causes a practical problem. In addition, since the decomposition is extremely slow, it is not preferable because the film may be entangled with the stirring blade in the decomposition process using a composting device or the like, and the composting device may be damaged.. PoThe blending ratio of re-lactic acid and biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester having a glass transition temperature of 0 ° C. or less is (polylactic acid) / (biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester) in mass ratio.= 25/75 to 15/85 (mass%)PreferGood.
[0024]
The blending ratio of the plasticizer needs to be 0.5 to 15 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the polylactic acid and the biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester. If the plasticizer content is less than 0.5 parts by mass, the glass transition temperature of polylactic acid is hardly lowered, so the obtained film is insufficient in flexibility, such as bags and multi-films. It will not be suitable for the field you need. On the other hand, when the content ratio of the plasticizer exceeds 15 parts by mass, the glass transition temperature of polylactic acid is excessively lowered to rapidly accelerate the hydrolysis rate of the resulting film, resulting in an excessively short product life. Furthermore, there is a possibility that the sealing performance is deteriorated by a plasticizer that is bleed during heat sealing. Therefore, the blending ratio of the plasticizer is more preferably 1 to 10 parts by mass.
[0025]
The blending ratio of the inorganic filler needs to be in the range of 1 to 40 parts by mass with respect to 100 parts by mass in total of the polylactic acid and the biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester. If the content ratio of the inorganic filler is less than 1 part by mass, the effect of the crystal nucleating agent possessed by the inorganic filler does not appear, so that the film formation becomes difficult due to the lack of melt tension of the film during film formation. In addition, the slipperiness and blocking resistance of the film itself are inferior, and processing problems such as post-processing may occur. On the other hand, if the content ratio of the inorganic filler exceeds 40 parts by mass, the physical properties of the resulting film, particularly the tear strength and heat seal strength, are significantly reduced, which is a practical problem. Therefore, the blending ratio of the inorganic filler is preferably 10 to 30 parts by mass, and more preferably 10 to 20 parts by mass.
[0026]
Since the polylactic acid-based film of the present invention comprises a resin composition in which polylactic acid, biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester, plasticizer, and inorganic filler are blended in the above proportion, the heat seal elongation of the film The250It can be set to ~ 300%. When the heat seal elongation is less than 150%, the heat seal portion may cause breakage when the film is used as a bag. When the heat seal elongation exceeds 300%, it is difficult to use practically. There is a problem.
[0027]
In addition, the resin composition constituting the polylactic acid film of the present invention is used in combination with a crosslinking agent such as an organic peroxide and a crosslinking aid as necessary for the purpose of suppressing a decrease in melt tension during film formation. Then, the resin composition may be subjected to slight crosslinking.
[0028]
Specific examples of the crosslinking agent include n-butyl-4,4-bis-t-butylperoxyvalerate, dicumyl peroxide, di-t-butyl peroxide, di-t-hexyl peroxide, 2,5 -Organic peroxides such as dimethyl-2,5-di (t-butylperoxy) hexane, 2,5-dimethyl-2,5-t-butylperoxyhexyne-3, phthalic anhydride, maleic anhydride , Trimethyladipic acid, trimellitic anhydride, polyvalent carboxylic acids such as 1,2,3,4-butanetetracarboxylic acid, metal complexes such as lithium formate, sodium methoxide, potassium propionate, magnesium ethoxide, bisphenol A Type diglycidyl ether, 1,6-hexanediol diglycidyl ether, trimethylolpropane triglycidyl ether Epoxy compounds such as diglycidyl terephthalate, hexamethylene diisocyanate, 2,4-tolylene diisocyanate, 2,6-tolylene diisocyanate, xylylene diisocyanate, and the like isocyanate compounds such as diphenylmethane diisocyanate.
[0029]
Specific examples of the crosslinking aid include glycidyl methacrylate, normal-butyl methacrylate, hydroxypropyl monomethacrylate, polyethylene glycol monomethacrylate and the like.
[0030]
In addition, the resin composition constituting the polylactic acid film of the present invention includes an ultraviolet ray inhibitor, a light stabilizer, an antifogging agent, an antifoggant, an antistatic agent, a flame retardant, a coloring inhibitor, an oxidation, depending on the application. Additives other than the above, such as inhibitors, fillers and pigments, can also be added.
[0031]
Below, an example is given and demonstrated about the manufacturing method of the film of this invention. First, polylactic acid, biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester having a glass transition temperature of 0 ° C. or less, a plasticizer, and an inorganic filler are blended in a predetermined amount, and melt-kneaded with a twin-screw kneading extruder. A compound pellet is prepared. After drying the compound pellet, it is formed into a film by an inflation film forming method. That is, the compound pellets after drying are put into a single-screw kneading extruder, the melted polymer is pulled up from a round die into a tube shape, and air-cooled and simultaneously inflated into a balloon shape to form a film, or a molten polymer from a round die After being extruded in a cylindrical shape together with cooling water, it can be folded once, pulled up upward, and then inflated into a balloon shape while being heated to form a film or film. The polymer melting temperature of the biaxial kneading extruder is appropriately selected in the temperature range of the melting temperature of polylactic acid 210 to 240 ° C., and the melting temperature of the polymer of the compound pellet in the uniaxial kneading extruder is L-lactic acid of polylactic acid. The composition ratio of D-lactic acid, the melting point and blending amount of the biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester having a glass transition temperature of 0 ° C. or lower, and the blending amount of the plasticizer are appropriately selected. The temperature range is 160 ° C to 200 ° C.
[0032]
In addition, a crosslinking agent, a crosslinking aid, an organic lubricant, etc. can also be added as needed at the time of manufacture of the compound pellet in the pre-stage which manufactures the polylactic acid-type film of this invention. In addition, an additive may be added to the extent that does not affect the physical properties of the film, if necessary, during the production of the film.
[0033]
【Example】
Next, the present invention will be specifically described based on examples, but the present invention is not limited to only these examples. In addition, the measurement of the various physical-property values in a following example and a comparative example was implemented with the following method.
(1) Calorie heat of fusion (J / g): Using a differential scanning calorimeter DSC-7 manufactured by PerkinElmer, Inc., the rate of temperature rise was measured at 20 ° C./min, and from the peak of the melting endothermic curve obtained. Asked.
(2) Tensile strength (MPa) and tensile elongation (%): Measured according to the method described in JIS K-7127.
(3) Tensile modulus (GPa): An index of film flexibility, and measured according to the method described in JIS K-7127.
(4) Heat seal strength (N / 15 mm) and heat seal elongation (%): Two strip-shaped films having a width of 15 mm and a length of 100 mm are overlapped so that a 1 mm-wide heat seal bar is orthogonal to the long side of the film. And heat sealed at a temperature of 140 ° C. and a pressure of 0.2 MPa for 1 second. The heat-sealed film was peeled off at a peeling speed of 300 mm / min according to JIS K-6854 using an autograph manufactured by Shimadzu Corporation, and the peak value of the measured value was taken as the heat seal strength, and the sample length at that time was L1It was. The heat seal elongation was determined by the following formula.
Heat seal elongation (%) = [(L1-L0) / L0] × 100
However, L0Is the sample length before measurement.
(5) Bleeding property of plasticizer and blocking property of film: Bleeding property of plasticizer when the film produced by the inflation method is held at 80 ° C. under a load of 500 g according to the method described in JIS Z0219. Was evaluated as follows.
○: No bleed out
Δ: Slightly bleed out
X: Bleed-out was noticeable
Moreover, the blocking property of the film was evaluated as follows.
○: No blocking was seen
Δ: Some blocking was observed
X: Completely blocked
[0034]
Production example1
As polylactic acid, 80 parts by mass of crystalline polylactic acid having a D-lactic acid content of 1.2 mol% and a weight average molecular weight of 200,000 (Nature Works manufactured by Cargill Dow) and a D-lactic acid content of 10 A blend of 20 parts by mass of non-crystalline polylactic acid (Natural Works manufactured by Cargill Dow) having a mass average molecular weight of 200,000 in mol% was used.
[0035]
35 parts by mass of this polylactic acid and 65 parts by mass of polybutylene adipate terephthalate (BASF Ecoflex F) having a crystal melting heat of 15 J / g as a biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester having a glass transition temperature of −30 ° C. 4 parts by mass of bismethyldiethylene glycol adipate (MXA manufactured by Daihachi Chemical Co., Ltd.) as a plasticizer and talc (MW HS manufactured by Hayashi Kasei Co., Ltd.) having an average particle size of 2.75 μm as an inorganic filler. -T) 15 parts by mass were mixed and melted and kneaded using a twin-screw extrusion kneader (model number TEX44α manufactured by Nippon Steel Works) to produce a polylactic acid compound raw material at an extrusion temperature of 230 ° C. .
[0036]
Next, this polylactic acid compound raw material is melt-extruded at a set temperature of 190 ° C. using a single screw extruder (manufactured by Tommy Machinery Co., Ltd.) having a screw diameter of 50 mm equipped with a circular die having a diameter of 100 mm. The discharged molten resin composition was expanded into a tubular film while being expanded by air pressure and simultaneously air-cooled by an air ring. Film formation of the composition was carried out in an environment adjusted to 25 to 30 ° C.
[0037]
The tube-like film is taken up at a speed of 20 m / min by a pair of pinch rolls installed on the top of the die, and after about 7 seconds of cooling time, the tube-like film is nipped by a pinch roll and wound. A film having a thickness of 30 μm and a film folding width of 250 mm was prepared by taking up 100 m by a take-up machine..
[0038]
Example1-3Comparative Examples 1 to 4
Except for changing the amount of polylactic acid, aliphatic-aromatic copolymer polyester having a glass transition temperature of −30 ° C., plasticizer, and inorganic filler to the amounts shown in Table 1.Production exampleA film was prepared in the same manner as in 1. Table 1 shows various physical property values of the obtained film. In addition,In Comparative Example 1, polybutylene succinate adipate (Bionore # 3001, Showa High Polymer Co., Ltd., heat of fusion of crystal 45J / g), which is an aliphatic polyester, was used instead of the aliphatic-aromatic copolymer polyester. Furthermore, in Comparative Example 2, the melt-kneading temperature at the time of producing the compound raw material was 160 ° C., and the set temperature of the single-screw extruder was 155 ° C. at the time of film-forming melt extrusion.
[0039]
Comparative Example 5
Other than not using any inorganic filler,Production exampleCompounding was performed at the same composition and blending ratio as in No. 1. When pelleting, the blocking is intense, and using this pelletProduction exampleWhen the film was formed in the same manner as in No. 1, the tube was not stable due to insufficient melt tension, resulting in uneven spots, and the film after the tube-shaped film was nipped by a pinch roll blocked the film completely. It couldn't be opened.
[0040]
[Table 1]
[0041]
Example1-3The film obtained in 1 is a resin composition comprising polylactic acid, a biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester having a glass transition temperature of 0 ° C. or less, a plasticizer, and an inorganic filler. Since the film is formed, the biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester and the plasticizer have excellent mechanical properties, are flexible, have no plasticizer bleed-out, and have a moderate heat seal elongation. Met.
In Comparative Example 1, since an aliphatic polyester was used instead of the biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester, the crystallinity of the resin was increased, and the plasticizer could not be sufficiently retained, and bleed out was observed. As a result, the obtained film was inferior in heat sealability (strength / elongation).
Since Comparative Example 2 did not use any polylactic acid, the elongation of the film itself and the heat seal elongation were too high, which was a practical problem.
In Comparative Example 3, since the plasticizer was not blended, the obtained film was inferior in flexibility, and wrinkles developed at the time of the tube nip did not recover because the film was hard, and the obtained film was frequently wrinkled. It was a product problem.
In Comparative Example 4, since the content of the biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester constituting the film was small, the heat seal elongation was extremely small, and there was a possibility of causing bag breakage during use.
[0042]
【The invention's effect】
According to the present invention, a film comprising polylactic acid, a biodegradable aliphatic-aromatic copolymer polyester having a glass transition temperature of 0 ° C. or less, a plasticizer, and an inorganic filler, each of which is blended in a predetermined amount, Because there is no bleed out of the plasticizer, and the seal elongation is evident to some extent when heat-sealed, the stress and stress applied to the seal part can be absorbed not only by the seal strength but also by elongation, and it has excellent practical characteristics in the bag shape Yes. In addition, since this film is biodegradable and decomposes in a natural environment, bags ranging from relatively thin bags such as garbage bags, plastic bags, compost bags, fertilizer bags, rice bags to heavy bags, Newspaper / magazine packaging, vegetable packaging, food packaging, packaging of products such as disposable diapers and sanitary materials, packaging films used for pocket tissue, packaging materials such as wrapping films, laminate materials with paper, sealant materials, disposable diapers and hygiene It can be used for a wide range of applications such as backsheets of materials, disposable gloves, outer and lining of facility horticultural houses, tunnel houses, agricultural films such as multi-films, etc., and there is no problem of garbage and disposal It is extremely useful as a practical film that is kind to the earth.
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