JP4307873B2 - トロッカーシステムと超音波トロッカーシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、患者の体内に挿入され、体腔内への案内管として使用されるトロッカー外套管を患者の皮膚と体壁に穿刺、貫通させた状態で留置するトロッカーシステムおよび超音波トロッカーシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なトロッカーシステムは、先端に鋭利な穿刺針が形成された内針と、患者に穿刺されて留置されるトロッカー外套管とが着脱自在に組み付けられて使用される。内針は、外套管に一体的に組み付けられた状態で患者の体壁に穿刺されて体腔内に導入される。このとき、内針とともに外套管も患者の体壁に穿刺される。その後、外套管から内針が抜去されて外套管のみが留置される。留置された外套管は、各種病変部の観察を行うためのスコープや処置を行うための処置具の案内管として使用される。
【0003】
このようなトロッカーシステムについて、従来から様々な形態のものが知られている。例えば、特許文献1の超音波トロッカーシステムには、内針(プローブ)とトロッカー外套管とが一体的に組み付けられた状態で内針を超音波振動させながら患者の体壁に導入する構成が示されている。このため、内針および外套管を比較的軽い力で体壁に対して安全に穿刺して体内に導入することができる。
【0004】
また、特許文献2の超音波トロッカーシステムは、各構成部材が組み付けられた状態では、内針(プローブ)とトロッカー外套管との間に先端部が略円錐状で先細状に形成されたダイレータが介挿された構成が示されている。外套管の先端からは、ダイレータの先細状の先端が突出している。ダイレータの先細状の先端からは、さらに内針の穿刺針が突出している。この状態で内針の穿刺針が体壁に超音波穿刺される。その後、ダイレータと外套管とを保持し、患者の体壁にダイレーションして外套管を導入する。このとき、内針によって体壁に穿刺孔を形成し、その後、この穿刺孔をダイレータで拡径するとともに、この拡径された穿刺孔に外套管を挿入していく。
【0005】
【特許文献1】
特公平5−57863号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2002−177293号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のトロッカーの使用時には、気腹針をトロッカー外套管を穿刺するよりも前に予め気腹針を体壁に穿刺し、気腹ガスを腹腔に導入・気腹しておくことが一般に行われている。その後、気腹針の穿刺孔とは別の場所にトロッカー外套管を穿刺して新たな穿刺孔を形成する作業が行われている。
【0008】
したがって、現状では、手技や術式などにより必要となる内視鏡や各種鉗子を体腔内に導入するポート(トロッカー外套管の穿刺孔)とは別に、気腹針を穿刺するためのポート(気腹針の穿刺孔)が必要となるので、複数の穿刺孔が皮膚および体壁に形成されることになる。その結果、患者の傷跡が増えることになる。これは、患者の術後治癒や美容上傷跡が残る可能性があることを考えると余り好ましくない。すなわち、これよりも生体を低侵襲化する(侵襲を少なくする)ことが望まれている。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、侵襲を少なくして術後治癒を早くし、美容上傷跡が残ることを抑制するトロッカーシステムと超音波トロッカーシステムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明に係るトロッカーシステムにおいては、トロッカー内針と、患者に穿刺されて留置されるトロッカー外套管とが前記トロッカー内針が前記トロッカー外套管に対して内挿される状態に着脱自在に組み合わされて穿刺ユニットが形成され、前記トロッカー内針がトロッカー外套管と一体的に組み合わされた状態で患者の体壁に穿刺されて前記外套管が留置される。そして、前記穿刺ユニットのトロッカー内針には、その軸心部に前記トロッカー内針の軸方向に沿って貫通孔が形成され、前記貫通孔には、体壁に穿刺孔を形成するとともに体壁に穿刺した状態で体腔内に気腹ガスを導入する針状部材が前記貫通孔を通して前記トロッカー内針の先端側から基端側に向かって挿通可能であり、前記針状部材で体壁に穿刺孔を形成した後、前記針状部材を体壁に穿刺した状態で気腹ガスを体内に充満させて体腔を確保し、前記針状部材を体壁に穿刺した状態を維持して前記針状部材をガイドとして前記針状部材の基端側を前記トロッカー内針の先端側から基端側に向かって前記貫通孔を通して挿通させていくとともに、前記針状部材よりも径が大きい前記トロッカー内針で前記穿刺孔を拡張して前記トロッカー外套管を体壁に留置するようにしたことを第1の特徴とする。
このような構成を有するので、体壁に穿刺した針状部材をガイド軸としてトロッカー外套管を留置するための内針を穿刺することができる。このため、針状部材と内針とを穿刺する穿刺孔が共通となるので、少なくとも1つ穿刺孔を減らすことができる。したがって、患者に対する侵襲を少なくすることができる。さらに、術後治癒を早くすることができ、美容上の傷跡が残ることも抑制することができる。
【0011】
また、好ましくは、前記トロッカー内針の基端には超音波振動子が配設され、前記針状部材の外周には前記トロッカー内針との間の摩擦を低減させる被覆部材が被覆されていることを第2の特徴とする。
【0012】
また、好ましくは、前記超音波振動子は前記トロッカー内針に連通する内孔を有する筒状に形成されていることを第3の特徴とする。
【0013】
また、好ましくは、前記針状部材の全長は、前記穿刺ユニットの全長よりも長く形成されていることを第4の特徴とする。
このような構成を有するので、貫通孔に針状部材を内挿したときに、穿刺ユニットの先端から針状部材の先端が突出し、かつ、穿刺ユニットの基端から針状部材の基端が突出するので、針状部材の抜去が容易となる。
【0014】
また、好ましくは、前記針状部材は、その先端側に腔を確保するための拡張可能なバルーンを備えていることを第5の特徴とする。
このような構成を有するので、体壁と臓器との間に空間を形成することができるので、針状部材をプローブに先立って穿刺しても、患者に対する危険性を少なくすることができる。
【0016】
上記課題を解決するために、この発明に係る超音波トロッカーシステムは、体壁に穿刺孔を形成する針状部材と、この針状部材の先端部側に配設された拡縮可能なバルーンと、この針状部材の基端側から先端側に向かって内挿可能な筒状に形成され、超音波振動を発生させる超音波振動子と、この超音波振動子の筒状の内孔と同軸上に形成されて連通した貫通孔を備え、前記針状部材の基端部をその先端部側から前記貫通孔に内挿させるとともに、前記超音波振動子で発生させた超音波振動を伝達して体壁の穿刺孔を拡張するプローブと、このプローブが内挿され、体壁の前記穿刺孔に留置されるトロッカー外套管とを備え、前記針状部材を前記被検体壁に穿刺して前記バルーンを拡張させて腹腔内にバルーンを介在させた空間を形成した後、前記針状部材の基端部から前記プローブおよび超音波振動子のそれぞれ貫通孔および内孔に順次内挿し、前記針状部材に沿って前記プローブを被検体壁に挿入させて前記トロッカー外套管を被検体壁に留置させることを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決するために、この発明に係る超音波トロッカーシステムは、体壁に穿刺孔を形成するとともに体壁に穿刺した状態で体腔内に気腹ガスを導入する針状部材と、超音波振動を発生させるための超音波振動子と、中心軸に貫通孔を有し、前記超音波振動子で発生させた超音波振動を基端から先端に向かって伝達するプローブと、前記プローブが着脱可能に内挿され、体壁の穿刺孔に留置されるトロッカー外套管とを具備し、前記プローブは、前記針状部材を体壁に穿刺した状態を維持した状態で、前記針状部材をガイドとして前記針状部材の基端側を前記プローブの先端側から基端側に向かって前記貫通孔を通して挿通させていくとともに、前記針状部材で形成した体壁の穿刺孔を拡張するようにしたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について説明する。まず、第1の実施の形態について図1ないし図7を用いて説明する。
【0020】
図1に示すように、この実施の形態に係わる超音波トロッカーシステム1は、超音波トロッカーのハンドピースユニット(穿刺ユニット)2を備えている。
図1および図2に示すように、ハンドピースユニット2は、超音波トロッカー内針3と、この超音波トロッカー内針3が挿入されるトロッカー外套管4とを備えている。さらに、ハンドピースユニット2は、トロッカー外套管4と超音波トロッカー内針3との間に介挿されるダイレータ5と、このダイレータ5に挿通されるガイド部材6とを備えている。
このハンドピースユニット2は、各構成部品が組み付けられた状態と、各構成部品が分離した状態とに適宜切り換えて使用される。ここで、組み付けられた状態とは、トロッカー外套管4にダイレータ5が内挿され、ダイレータ5にガイド部材6が内挿され、ガイド部材6に超音波トロッカー内針3が内挿された状態である。なお、図1は超音波トロッカー内針3と、外套管4と、ダイレータ5と、ガイド部材6とがそれぞれ組み付けられた状態を示している。図2はこれらの各構成部品が分離した状態を示している。
【0021】
図2に示すように、トロッカー外套管4には、比較的大径で管状の細長い挿入部11と、この挿入部11の基端部に配設された手元側端部12とが設けられている。挿入部11の先端部には、挿入部11の軸中心線方向とこの軸中心線方向に直交する方向との両方に対して斜めに傾斜した先端傾斜面11aが形成されている。手元側端部12には円筒状の大径筒部12aと、この大径筒部12aの開口端部に係合された挿入ガイド部材12bとが設けられている。さらに、大径筒部12aの外周面には略フランジ状の指掛け部12cが形成されている。また、挿入ガイド部材12bにはこのトロッカー外套管4に挿入される挿入器具(硬性鏡や処置具等)の挿入時に管内をシールする図示しない弁などのシール部材が装着されている。
【0022】
ダイレータ5には、管状の細長い挿入部15と、この挿入部15の基端部に配設された手元側端部16とが設けられている。挿入部15の先端部には、外套管4の挿入部11の内径寸法と略同径の外径寸法に設定された位置決め用の大径の先端直管部17が配設されている。この先端直管部17の先端側には、先細状で略円錐状に形成された穿刺孔拡張部18が配置されている。穿刺孔拡張部18の円錐状の先端部には、直管状の折れ止め部19が延設されている。この折れ止め部19の長さSは穿刺孔拡張部18の円錐状の先端部から適宜の寸法に設定されている。この折れ止め部19の先端部には、挿入部15の軸中心線方向とこの軸中心線方向に直交する方向との両方に対して斜めに傾斜した先端傾斜面19aが形成されている。
【0023】
ダイレータ5の手元側端部16には、円筒状の大径筒部16aと、この大径筒部16aよりも小径の小径筒部16bとが設けられている。ダイレータ5の大径筒部16aの外周面には、操作ハンドル20の基端部が例えばねじ止め固定されている。小径筒部16bの上部には、後述する環状溝27に係合してロックし、ガイド部材6を所定の位置で保持するためのロック機構部21が配設されている。
【0024】
なお、ダイレータ5の挿入部15および先端直管部17の外径は、トロッカー外套管4の挿入部11および手元側端部12の内径よりも僅かに小径に形成されている。また、ダイレータ5がトロッカー外套管4に内挿されると、トロッカー外套管4の挿入部11の先端部からダイレータ5の先端直管部17、穿刺孔拡張部18および折れ止め部19が突出する。このとき、トロッカー外套管4の挿入ガイド部材12bはダイレータ5の大径筒部16aに嵌合された状態にある。すなわち、ダイレータ5の挿入部15の基端部から折れ止め部19の先端部までの長さは、トロッカー外套管4の挿入部11の基端部から先端部までの長さよりも長く形成されている。
【0025】
ガイド部材6には、細長いシース(直管部)25と、このシース25の基端部に連結された取手部26とが設けられている。ガイド部材6のシース25は、柔軟な筒状部材(例えばPTFE材)で形成されることが好ましいが、硬質なもの(例えば金属材)でもよい。シース25の内周面は、超音波振動する後述するプローブ35の外周面に接触するので、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材などのように耐熱性が高く、滑り性が高い柔軟な材料で形成されている。また、例えば硬質の金属パイプの内周面にPTFE材を貼り付けたものでも同等の効果が得られる。
【0026】
シース25の内径寸法は、超音波トロッカー内針3の後述するプローブ35の外径寸法と略同径に設定されている。このシース25の基端部(上端部)側には、ダイレータ5の上述したロック機構部21に係合してダイレータ5に対する挿入位置を位置決めする複数の環状溝27がダイレータ嵌合溝(位置決め部)として形成されている。複数の環状溝27を有するので、ロック機構部21に係合される係合位置を複数の環状溝27のいずれかから選択することができる。このため、ガイド部材6がダイレータ5に内挿される内挿量を適宜設定することができる。なお、この環状溝27の外径は、ダイレータ5の挿入部11の内径寸法と略同径である。
【0027】
ガイド部材6の取手部26は、シース25の内孔に連通した孔(図示せず)を中心に有する円盤状に形成されている。取手部26の孔は、超音波トロッカー内針3のプローブ35の外径よりも大径に形成されている。
【0028】
ガイド部材6をダイレータ5に内挿してダイレータ5のロック機構部21で環状溝27をロックした状態で取手部26を手指で掴む。そして、ダイレータ5に対してガイド部材6の取手部26を軸方向に引っ張る操作と、押し出す操作とを適宜組み合わせることにより、ダイレータ5の先端部から外部側に突出されるガイド部材6の先端部の突出量を任意に調整することができる。
【0029】
なお、ガイド部材6のシース25の外径は、ダイレータ5の挿入部15、先端直管部17、穿刺孔拡張部18および折れ止め部19の内径よりも僅かに小径に形成されている。また、ガイド部材6がダイレータ5に内挿されると、ダイレータ5の折れ止め部19の先端部からガイド部材6のシース25の先端部が突出する。このとき、ダイレータ5のロック機構部21でガイド部材6の例えば最も下端側の環状溝27をロックした状態にある。すなわち、ガイド部材6のシース25の基端部から先端部までの長さは、ダイレータ5の挿入部15の基端部から折れ止め部19の先端部までの長さよりも長く形成されている。
【0030】
図2および図3(A)に示すように、超音波トロッカー内針3は、内部にランジュバン型超音波振動子(トランスデューサ)30aが内蔵されたホルダー30が設けられている。図2に示すように、このホルダー30の下端部には、ガイド部材6の上述した取手部26を覆うとともに取手部26をロックしてガイド部材6を保持(図1参照)するロック機構部31が設けられている。
【0031】
また、図3(A)に示すように、ホルダー30に内蔵された超音波振動子30aは、中央に孔を有し、円盤状に形成された複数の圧電素子(圧電セラミックス)32が重ね合わされて円筒状に形成されている。この超音波振動子30aには、超音波振動子30aで発生させた超音波振動を増幅するホーン33が配置されている。圧電素子32間および圧電素子32、ホーン33間には、中央に孔を有し、円盤状に形成された電極(図示せず)が配設されている。電極には、リード線34の一端が接続されている。各リード線34は、後述するケーブル40aに内挿され、各リード線34の他端部は、超音波発振装置43に導かれている。
【0032】
ホーン33の先端部には、例えばチタンやチタン合金など金属材製のプローブ(超音波振動伝達部材)35がその基端部で螺合連結されている。このプローブ35の先端には、穿刺針(内針本体)36が設けられている。超音波振動子30aの機械的振動は、ホーン33を介してプローブ35の先端の穿刺針36まで伝達される。なお、この超音波トロッカー内針3の全長をL1とする。
穿刺針36は、円錐台状、三角錐台状、あるいは四角錐台状などの先細り形状を備えている。このように、穿刺針36の先端は略台形状に形成されており、さほど鋭角ではなく、ある程度の鈍形状を備えている。穿刺針36が鈍形状で良いのは、穿刺針36の穿刺時には、後述する気腹針50が既に体壁(被検体壁)Hを貫通していることによる。
【0033】
そして、ハンドピースユニット2を構成するホルダー30と、超音波振動子30aと、ホーン33と、プローブ35と、穿刺針36とには、中心軸上(同一軸上)に貫通孔37が形成されている。すなわち、ハンドピースユニット2の先端部から基端部まで、小径の貫通孔37によって貫通した経路が形成されている。なお、この経路には、図示しない弁が設けられており、後述する気腹針50の外周をシールすることができる。
【0034】
なお、プローブ35および穿刺針36についての貫通孔37は、図3(B)に示されている。図3(B)に示すように、この貫通孔37の径をXとする。また、超音波トロッカー内針3のプローブ35の外径は、ガイド部材6のシース25および取手部26の内径よりも僅かに小径に形成されている。
超音波トロッカー内針3がガイド部材6に内挿されると、ガイド部材6のシース25の先端部から超音波トロッカー内針3のプローブ35の先端部および穿刺針36が突出する。このとき、ガイド部材6の取手部26は、超音波トロッカー内針3のロック機構部31にロックされた状態にある。すなわち、超音波トロッカー内針3のプローブ35の基端部から穿刺針36の先端部までの長さは、ガイド部材6のシース25の基端部から先端部までの長さよりも長く形成されている。
【0035】
また、図示しないが、トロッカー外套管4、ダイレータ5およびガイド部材6の各構成部材の内孔には、それぞれ弁(図示せず)が設けられている。このため、後述する気腹針50によって気腹用ガスが腹腔内に導入された状態であっても、気腹用ガスが体外に漏れ出すことが防止される。
【0036】
図1に示すように、このようなハンドピースユニット2の上端部(後端部)には、接続ケーブル40aが延出され、接続ケーブル40aの端部にはコネクタ41が配設されている。コネクタ41には、コネクタ41を受けるコネクタ受部42が設けられている。コネクタ受部42には、接続ケーブル40bの一端が接続されている。この接続ケーブル40bの他端には、超音波振動用の電気エネルギーをハンドピースユニット2に供給する超音波発振装置43が接続されている。超音波発振装置43には、接続ケーブル40cの一端が接続されている。この接続ケーブル40cの他端には、超音波発振装置43の電気エネルギー出力を制御するフットスイッチやハンドスイッチなどの出力制御装置44が接続されている。なお、上述した接続ケーブル40aは、ハンドピースユニット2の軸中心から外れた位置から延出されている。
【0037】
図4は、超音波トロッカーのハンドピースユニット2の穿刺針36およびプローブ35に先立って穿刺される気腹針(針状部材)50を示す。この気腹針50には、手持部51と体壁導入部52とが一体的に設けられている。そして、気腹針50の体壁導入部52の穿刺時に指で体壁Hの貫通を感じやすくするため、手持部51には、リング状の溝51aが気腹針50の軸方向に対して直交する方向に複数並設されている。また、この溝51aは、滑り止めの役割も果たす。さらに、気腹針50には、その先端から基端まで貫通した貫通孔(図示せず)が形成されている。図示しないが、貫通孔には、気腹用ガスを導入する受入口、活栓50a等を備えている。このため、気腹針50を穿刺後に腹腔内に気腹用ガスを供給することができる。この気腹針50の直径(外径)Yは、ハンドピースユニット2の上述した貫通孔37の径Xよりも小さい大きさに設定されている。また、気腹針50の全長はL2であり、上述したハンドピースユニット2の全長L1よりも長くなるように設定されている。なお、この気腹針50には、体壁Hにより安全に穿刺するための安全機構(安全穿刺機構)が設けられていることが好適である。
【0038】
図5に示すように、この実施の形態に係わる気腹針50の外周面には、例えばPTFE材など耐熱性が高く、滑り性が良い(耐磨耗性が良い)被覆材料(従順部材)53が取着されている。このため、ハンドピースユニット2(プローブ35)の貫通孔37でプローブ35の内周面と気腹針50の外周面との間に大きな摩擦抵抗が発生することを防止することができ、より安全に使用することができる。また、摩擦が少なくなるので、気腹針50の発熱を抑えることができる。さらに、被覆部材53のPTFE材は、熱伝導率が低いので、プローブ35が超音波振動することによって発生する熱を気腹針50を通して体壁の層に伝達することを抑制することができる。
【0039】
また、気腹針50の外周面には、その穿刺長さを容易に認識できる指標54が設けられていることが好適である。指標54は、例えば気腹針50を安全に穿刺できる位置に設けられている。このため、体壁内に気腹針50を挿入した長さを容易に認識でき、必要以上に穿刺することを防止することができる。また、ハンドピースユニット2のトロッカー外套管4の挿入部11の外周にも例えば環状の指標(図示せず)が設けられ、各構成部材が組み付けられた状態のときにプローブ35の穿刺長さを容易に認識可能であることが好適である。
【0040】
なお、通常の気腹針では、細径化させるとともに強度を保つために金属材製で形成されることが多い。この場合、ハンドピースユニット2のプローブ35や穿刺針36を超音波振動させた状態で貫通孔37に気腹針を挿入すると、プローブ35の内周と気腹針の外周とが接触する。すると、激しい異音が発生するとともに、気腹針が発熱する可能性が高く、摩擦粉が生じる可能性もある。このため、超音波振動させる場合には、上述した被覆部材53が被覆された気腹針50を使用することが好適である。
【0041】
次に、超音波トロッカーシステム1の作用について説明する。
図1に示すように、超音波トロッカーシステム1の使用時には、予めハンドピースユニット2の超音波トロッカー内針3と、外套管4と、ダイレータ5と、ガイド部材6とをそれぞれ組み付けた状態でセットしておく。この組み付け作業は次のとおりである。
【0042】
すなわち、図2に矢印で示すように、まず、超音波トロッカー内針3のプローブ35および穿刺針36をガイド部材6の基端部からシース25に内挿する。そして、超音波トロッカー内針3のロック機構部31でガイド部材6の取手部26を固定する。この状態の組み付け部材をダイレータ5の基端部から挿入部15に内挿する。続いて、ダイレータ5のロック機構部21でガイド部材6の所望の環状溝27を固定する。この状態の組み付け部材をトロッカー外套管4の基端部から挿入部11に内挿する。
【0043】
このとき、ガイド部材6のシース25の先端部はダイレータ5の折れ止め部19から外部側(さらに先端側)に所定の長さ突出された状態で保持されている。超音波トロッカー内針3の穿刺針36はガイド部材6のシース25の先端部から突出された状態で保持されている。また、ダイレータ5のロック機構部21でガイド部材6の環状溝27をロックしてダイレータ5とガイド部材6との相対的な移動を規制している。さらに、超音波トロッカー内針3のロック機構部31でガイド部材6の取手部26をロックしてガイド部材6と超音波トロッカー内針3との相対的な移動を規制している。このようにしてハンドピースユニット2のセットが完了する。
【0044】
その後、図4および図6(A)に示すように、気腹針(または気腹針に相当する針状部材)50を体壁(腹壁部)Hに対して適当な長さ穿刺する作業を行う。この作業時には、指標54によって術者に気腹針50の穿刺長さが容易に認識される。そして、開いた状態の活栓50a(図4参照)から腹腔内に連通した図示しない孔を通してガスを供給して腹腔内を適当な状態まで気腹させる。気腹させた後、ガスの漏れを防止するように活栓50aを閉じてシールしておく。
【0045】
その後、図6(B)に示すように、腹壁部Hに穿刺された気腹針50をガイドとしてハンドピースユニット2を体内に挿入する作業を行う。このとき、気腹針50の基端部から先端部に向けてハンドピースユニット2を順次前進させる。すなわち、気腹針50に沿ってハンドピースユニット2を移動させてハンドピースユニット2の貫通孔37の先端部から気腹針50の基端部を相対的に挿入(内挿)する。そして、気腹針50の基端部から先端部に向かってハンドピースユニット2(プローブ35)を順次挿入していく。すると、ハンドピースユニット2の穿刺針36が体壁H(生体組織)の外表面に接触する。
【0046】
続いて、トロッカー外套管4を患者の皮膚と体壁に穿刺、貫通させて留置する作業を行う。
この作業時には、ハンドピースユニット2のホルダー30を握った状態で、図6(C)に示すように超音波トロッカー内針3の穿刺針36を患者の腹壁部Hの外表面から内表面にかけて貫通させるように穿刺する作業を行う。このとき、ハンドピースユニット2は図1に示すように組み付けられた状態である。
【0047】
ハンドピースユニット2による穿刺作業時には、まず、出力制御装置44(図1参照)の操作に伴ってケーブル40cを介して超音波発振装置43を駆動する。そして、超音波発振装置43で超音波振動子30aの電極に電力を供給して超音波発振を行う。すなわち、この超音波発振装置43から超音波振動用の電気エネルギーが接続ケーブル40b、コネクタ受部42、コネクタ41および接続ケーブル40aを介してハンドピースユニット2の超音波振動子30aに供給される。そして、超音波振動子30aに超音波振動を発生させる。
【0048】
超音波振動子30aで出力(発生)させた超音波振動をホーン33で増幅してプローブ35に伝達させる。このため、超音波トロッカー内針3の超音波振動子30aの機械的振動がホーン33を介してプローブ35の先端の穿刺針36まで伝達される。
【0049】
すると、超音波振動が超音波トロッカー内針3の穿刺針36に伝達された状態で超音波トロッカー内針3の穿刺針36が腹壁部Hに穿刺される。すなわち、超音波トロッカー内針3の穿刺針36に接触した位置の生体組織に気腹針50をガイド(軸)として穿刺針36を刺入させる。このため、超音波トロッカー内針3の穿刺針36が軽い力で簡単に腹壁部Hに穿刺される。図6(C)に示すように、腹壁部Hには、この操作によって穿刺孔(ポート)H1が形成される。そして、ハンドピースユニット2をダイレータ5の穿刺孔拡張部18の近傍位置の折れ止め部19までさらに挿入する。
【0050】
このとき、ハンドピースユニット2の全長L1よりも気腹針50の全長L2の方が長いので、ハンドピースユニット2の上端部から気腹針50の上端部が突出する。また、ハンドピースユニット2の下端部からは気腹針50の下端部が突出している。なお、気腹針50の外周面には被覆部材53としてPTFE材が取着されているので、穿刺時にプローブ35や超音波振動子30aとの間の接触により異音が発生したり、発熱や摩擦粉が生じることが抑制される。
【0051】
そして、超音波トロッカーのハンドピースユニット2を術者が保持した状態で、気腹針50を超音波トロッカーのハンドピースユニット2の貫通孔37から抜去する。なお、このとき、プローブ35の内周面と気腹針50の外周面との間の空間は、上述した図示しない弁でシールされている。このため、気腹させたガスが腹腔内から体外に漏れ出すことは防止される。
【0052】
次に、ガイド部材6の取手部26に対する超音波トロッカー内針3のロック機構部31のロックを解除して超音波トロッカー内針3とガイド部材6とを貫通孔37の軸方向に相対的に移動可能な状態に切り換える。この状態で、ハンドピースユニット2から超音波トロッカー内針3のみを外部に引き抜く。そして、ハンドピースユニット2を腹壁部Hに向けてさらに押込み操作する。すると、図7(A)に示すように、ダイレータ5の穿刺孔拡張部18における円錐形状部分によって超音波トロッカー内針3で形成された小径な穿刺孔H1の孔径が外套管4の外径寸法付近まで拡開される。
【0053】
なお、ダイレータ5の先端部から外部側(先端側)に突出したガイド部材6の先端部位置が腹腔内の臓器H2に近い場合がある。この場合、穿刺孔H1の孔径の拡開作業前に、ダイレータ5のロック機構部21とガイド部材6の環状溝27との係合(ロック)を解除しておく。この状態でガイド部材6の取手部26を手指で掴み、ダイレータ5に対してガイド部材6の取手部26を軸方向に引っ張る。すると、ダイレータ5の先端部から外部側に突出されるガイド部材6の先端部の突出量が小さくなる。このとき、ガイド部材6はダイレータ5を挿入する際のガイドとして機能する。
【0054】
一般に、体壁Hは複数の層からなるために、穿刺針36で穿刺されても、その穿刺針36を体壁から抜いてしまえば、体壁を構成する複数の層の個々の穿刺孔H1は筋肉の影響で位置がずれてしまう。特に、体壁の一番の深層(内側層)である腹膜は、穿刺孔H1の位置がずれやすい。よって、ガイド部材6を体壁に挿通した状態のままであれば、ダイレータ5の先端部(折れ止め部19)よりもガイド部材6のシース25の先端部が先端側に突出している。このため、ガイド部材6は、穿刺孔H1を拡開させる場合に、ダイレータ5の挿入部11をガイドすることになり、拡開作業を容易に行うことができる。
【0055】
さらに、穿刺孔H1の孔径の拡開作業中、腹腔内の臓器H2と、ガイド部材6のシース25の先端部との間の距離に合わせてダイレータ5の先端部から外部側に突出されるガイド部材6の先端部の突出量を調整する突出量調整作業を行う。このガイド部材6の突出量調整作業時には、ダイレータ5に対してガイド部材6の取手部26を軸方向に引っ張る操作と、押し出す操作とを適宜組み合わせる。そして、ダイレータ5の先端部から外部側に突出されるガイド部材6の先端部の突出量を任意に調整する。
【0056】
また、穿刺孔H1の孔径の拡開作業時にはダイレータ5の操作ハンドル20とトロッカー外套管4の指掛け部12cとを持った状態で、ハンドピースユニット2を腹壁部Hにさらに押込む操作を行う。これと同時に、図7(B)中に矢印aで示すように、トロッカー外套管4の中心線の軸回り方向に回動させる操作を行う。このように、ダイレータ5の穿刺孔拡張部18における円錐形状部分の押込み動作を行うとともに、小径な穿刺孔H1の孔径を外套管4の外径寸法まで拡開させる作業を行う。そして、この作業時に、トロッカー外套管4の挿入部11と同径程度にダイレータ5の穿刺孔拡張部18で拡張した腹壁部Hの穿刺孔H1内にトロッカー外套管4の挿入部11を挿入する。したがって、トロッカー外套管4の挿入部11が腹壁部Hを貫通した状態で穿刺孔H1内に挿入される。
【0057】
このとき、トロッカー外套管4の挿入部11の挿入動作によって大径に拡開された腹壁部Hの穿刺孔H1の周辺組織の弾力によってトロッカー外套管4の挿入部11の外周が比較的強固に腹壁部Hの穿刺孔H1に固定される。この状態で、トロッカー外套管4から図7(C)に示すようにダイレータ5とガイド部材6との組み付けユニットを外部側に引き抜く。そうすると、トロッカー外套管4が腹壁部Hの穿刺孔H1に穿刺、貫通した状態で留置される。
そして、このトロッカー外套管4の体壁内への連通孔に図示しない処置具や硬性鏡などを挿入して各種の処置を行う。
【0058】
以上説明したように、この実施の形態によれば以下のような効果が得られる。超音波トロッカーのハンドピースユニット2の中心軸上に貫通孔37を設け、この貫通孔37に気腹針50を内挿可能としている。そして、気腹針50を体壁Hに穿刺した後、気腹針50の穿刺部分に対して気腹針50をガイドとしてハンドピースユニット2を挿入することができる。そのため、1つの穿刺孔H1で気腹と処置との両方を行える。したがって、患者に対する侵襲を少なくすることができ、かつ、術後の治癒を早くすることができる。また、穿刺孔を減らすことによって残る可能性のある傷跡の数を従来よりも確実に減らすことができるので、美容上好ましい。
【0059】
また、気腹針50を軸としてプローブ35がガイドされるので、気腹針50を抜去した後、再穿刺する場合のように、穿刺孔H1の位置ずれを生じることなく、同軸上に穿刺孔H1を形成することができる。このため、余分な生体組織を傷つけることなくトロッカー外套管4を留置することができる。すなわち、患者に対する侵襲をさらに少なくすることができる。
【0060】
超音波トロッカーシステムのハンドピースユニット2は、気腹針50をガイドとしている。このため、超音波トロッカーシステムのハンドピースユニット2が穿刺時に軸ずれを起こすことが防止される。また、ハンドピースユニット2のプローブ35の穿刺時には、既に気腹針50が穿刺されているので、穿刺針36およびプローブ35は穿刺孔H1を拡径させるだけでよい。さらに、プローブ35および穿刺針36の穿刺時には、超音波振動を用いるので体壁Hからの抵抗をより少なくして体壁Hに対して穿刺することができる。このため、超音波トロッカーの穿刺を非常にスムーズに行え、かつ、体壁Hの撓み(歪み)も殆ど生じ難くなる。したがって、ハンドピースユニット2の穿刺針36およびプローブ35を容易に穿刺することができる。また、より安全にハンドピースユニット2の穿刺針36およびプローブ35を体壁Hに穿刺することができる。
【0061】
すなわち、体壁Hに穿刺した気腹針50などの針状部材を軸として、超音波トロッカーを体壁Hに穿刺することにより、体壁Hに生じる損傷を少なくすることが可能となるばかりでなく、さらにより安全にトロッカーを穿刺することができる。
【0062】
気腹針50には、指標54が設けられているので、気腹針50の穿刺長さを容易に確認することができる。また、気腹針50の外周には、被覆部材53として例えばPTFE材が配設されているので、プローブ35の内周との間の摩擦や発熱を防止することができる。このため、気腹針50とプローブ35の内周との間で磨耗粉が生じる可能性を低く抑えることができる。
【0063】
次に、第2の実施の形態について図8および図9を用いて説明する。この実施の形態は、第1の実施の形態で説明した気腹針(針状部材)50の変形例である。このため、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
この実施の形態では、図8および図9に示すように、気腹針50の手持部51の一部を覆う大径な円筒状部材60が設けられている。図9に示すように、この円筒状部材60には、円筒状部材60の内孔の軸方向に対して直交する方向にねじ孔61aが形成されている。一方、手持部51の外周面には、環状溝51aが形成されている。なお、円筒状部材60の外周面には、リング状の溝が軸方向に対して直交する方向に複数並設された手指の滑り止め60aが形成されていることが好適である。
【0064】
このため、ネジ61がねじ孔61aに螺着され、さらにネジ61の先端部が環状溝51aに当接されてさらにネジ61を螺着する方向に回すと、手持部51に円筒状部材60が固定(ロック)される。一方、ネジ61を緩めると、手持部51に対して円筒状部材60が可動となる。すなわち、円筒状部材60は、気腹針50の手持部51に対して着脱自在である。
【0065】
このため、気腹針50を体壁Hに対して穿刺するときには、円筒状部材60を手持部51に対して装着した状態で使用されることが好ましい。すると、手持部51の外径が大きくなるので、把持しやすくなる。また、気腹針50の穿刺時に伝えられる体壁Hの外表面から内表面への貫通を手指の感触でより分かりやすくすることができる。
【0066】
一方、気腹針50を軸としてハンドピースユニット2のプローブ35の体壁Hへの挿入をガイドするときには、ネジ61を緩む方向に回して円筒状部材60を取り外せばよい。このため、ハンドピースユニット2のプローブ35の貫通孔37径を大きくする必要がない。すなわち、プローブ35の外径を大きくする必要がない。
【0067】
したがって、気腹針50を主に穿刺するときには円筒状部材60を手持部51に装着し、それ以外のときには、円筒状部材60を主に取り外しておけば、気腹針50の穿刺作業をより確実に行うことができる。すなわち、気腹針50の穿刺時の安全性を向上させることができる。
【0068】
次に、第3の実施の形態について図10を用いて説明する。この実施の形態は、第2の実施の形態で説明した気腹針(針状部材)50の変形例である。このため、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図10に示すように、気腹針50の外周には上述した円筒状部材60の代わりに略円筒状の気腹針保持体64が配設されている。気腹針保持体64の上面には、気腹針50の手持部51を係脱可能とする挟持体65が設けられている。挟持体65は、気腹針50の手持部51の外周面の半周以上を覆う略環状体(締結部材)65aと略環状体の端部から延出された延出部65bとが一体的に形成されている。2つの延出部65bは、互いに平行に延出されている。2つの延出部65bには、2つの延出部65bに対して直交する方向に貫通した円柱状の貫通軸棒66が配設されている。この貫通軸棒66の端部には、例えば略矩形状からなるレバー67が設けられている。レバー67と延出部65bとの間には、2つの延出部65b間の距離を切り換える押圧部材(図示せず)が設けられている。また、貫通軸棒66の端部には、押圧部材間の距離を変化させるように、貫通軸棒66の軸方向および軸方向に直交する方向の両者に対して傾けられた傾斜部(図示せず)が形成されている。
【0069】
このため、レバー67を貫通軸棒66を枢軸として回動させると、傾斜部によって押圧部材間距離が拡縮する。例えば、気腹針50にレバー67が当接されると、押圧部材間の距離が縮まって略環状体65aで気腹針50を締結するように設定されている。また、気腹針50に対してレバー67が遠位側に配置されると、押圧部材間の距離が大きくなって略環状体65aに対して気腹針50が弛緩されるように設定されている。
【0070】
すなわち、レバー67を貫通軸棒66を枢軸として回動させると、気腹針50に対して気腹針保持体64を締結する位置と、弛緩する位置とに切り換えることができる。したがって、気腹針保持体64は、気腹針50に対して係脱可能である。
【0071】
なお、この気腹針保持体64は、上述した円筒状部材60と同様な作用効果を奏する。
【0072】
次に、第4の実施の形態について図11を用いて説明する。この実施の形態は、第1の実施の形態で説明した気腹針(針状部材)50の変形例である。このため、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図11に示すように、気腹針50の先端部近傍の側面には、例えば1対のバルーン支持孔70が設けられている。このバルーン支持孔70には、バルーン71が拡縮可能に配設されている。例えば、バルーン71は、気腹針50のバルーン支持孔70内で繋げられて一体的に形成されている。また、バルーン71の材質は、生体に対して安全であり(生体適合性を有し)、かつ伸縮性および強度的に優れるシリコーンゴムなどのゴム材が使用されることが好ましい。
【0073】
なお、バルーン71を拡張させるには、気腹針50のガス供給具の受入口にガスチューブの先端を押し込んで気腹ガスを供給する。あるいは、上述した活栓50a(図4参照)を使用してシリンジから空気を供給する。一方、バルーン71を収縮させるには、活栓50aを使用してシリンジから空気を抜き取る。
【0074】
次に、気腹針50の先端部近傍にバルーン71を配置したときの気腹針50の作用について説明する。
まずはじめに、気腹針(針状部材)50を体壁Hの外表面から内表面まで貫通するように穿刺しておく。そして、例えばシリンジからガスを送気してバルーン71をバルーン支持孔70から2つの方向に膨張させる。すると、体壁Hの最内表面と臓器H2との間に大きな空間を生じる。このため、臓器H2を腹膜(体壁)Hに対してある程度の距離を保たせることが可能となる。例えば、臓器H2と腹膜Hとの間が癒着されていた場合なども、バルーン71の膨張によって強制的に両者をある程度引き離して空間を作ることが可能となる。
【0075】
このように臓器H2と腹膜Hとの間にバルーン71を介在させて空間を形成した状態から、第1の実施の形態で説明した(図6および図7参照)ように、気腹針50に沿って、超音波トロッカーを穿刺する。なお、超音波トロッカーの超音波振動した状態のプローブ35および穿刺針36は、膨張したバルーン71がシリコーンゴム材で形成されていると接触しても滑る。また、穿刺針36は、上述したように鈍形状に形成されている。このため、超音波振動をバルーン71に伝達することは難しく、バルーン71が割れることが防止される。
【0076】
また、そのまま、さらに臓器H2側にプローブ35を近づけても、プローブ35の先端の穿刺針36と臓器H2との間にはバルーン71が介在している。このため、プローブ35および穿刺針36が当接しても割られ難いバルーン71がクッションの役割りを果たして臓器H2の損傷を防止することができる。
【0077】
なお、気腹針50をハンドピースユニット2のプローブ35の貫通孔37から抜去するには、活栓50a(図4参照)を使用してシリンジからバルーン71内の空気を抜き取り、バルーン71を収縮させる。このとき、バルーン71は、滑り性を備えているので、収縮したバルーン71が貫通孔37の内周面に接触しても摩擦を少なくした状態で抜去される。
【0078】
したがって、第4の実施の形態によれば、第2の実施の形態で説明した作用効果に加えて、プローブ35の先端の穿刺針36による臓器H2の損傷をバルーン71の介在によって防ぐことが可能となる。このため、気腹針50にさらに安全なシステム(安全機構)を構成することができる。
【0079】
また、気腹針50を軸(ガイド)としてプローブ35の先端の穿刺針36を穿刺せず、バルーン71が広がっているであろう部位に向かって穿刺針36を穿刺しても、上記同様、バルーン71をクッションとすることができる。このため、従来のトロッカー外套管の穿刺よりも格段に安全性を高くすることができる。
【0080】
これまで、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、本発明を超音波トロッカーシステムに適用した例を示したが、トロッカー内針に超音波振動が伝達されないトロッカーシステムに本発明を適用しても良い。さらに、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施することができることは勿論である。
上記説明によれば、下記の事項の発明が得られる。また、各項の組み合わせも可能である。
【0081】
[付記]
(付記項1) 被検体に穿刺可能で長尺な針状部材と、
被検体に挿入可能で長尺な挿入部と、
前記挿入部の基端側に設けられた第1の開口部と、
前記挿入部の先端側に設けられ、超音波振動により振動可能な振動手段と、
前記振動手段の先端側に設けられた第2の開口部と、
前記第1の開口部と前記第2の開口部とを連通し、前記第2の開口部から前記針状部材を挿入可能に前記挿入部に設けられた連通孔と、
を有することを特徴とする超音波トロッカーシステム。
(付記項2) 被検体に穿刺可能で長尺な針状部材と、
前記針状部材の先端側に設けられ拡張可能なバルーンと、
前記被検体に挿入可能で長尺な挿入部と、
前記挿入部の基端側に設けられた第1の開口部と、
前記挿入部の先端側に設けられ、超音波振動により振動可能な振動手段と、
前記振動手段の先端側に設けられた第2の開口部と、
前記第1の開口部と前記第2の開口部とを連通し、前記第2の開口部から前記針状部材を挿入可能に前記挿入部に設けられた連通孔と、
を有し、前記針状部材を前記被検体に穿刺して前記バルーンを拡張した後に前記針状部材を前記第2の開口部から前記連通孔に挿入し、前記針状部材に沿って前記挿入部を被検体に挿入することを特徴とする超音波トロッカーシステム。
【0082】
(付記項3) 体壁に穿刺される所定長の内針と、
この内針に超音波振動を発生可能な超音波振動子とを有するトランスデューサーと、
前記内針を長手方向に沿ってカバーするシースと、
体壁に導入され、留置される外套管とを備えた所定長の超音波トロッカーシステムにおいて、
前記超音波トロッカーシステムは、中心軸に小径の貫通孔を備え、
体壁に穿刺する針状部材を有し、
前記針状部材に沿って前記超音波トロッカーシステムを体腔内に導入することを特徴とした超音波トロッカーシステムおよびその穿刺方法。
(付記項4) 体壁に穿刺される内針と、
この内針に超音波振動を発生可能な超音波振動子とを有するトランスデューサーと、
前記内針を長手方向に沿ってカバーするシースと、
体壁に導入され、留置される外套管と
を備えた所定長の超音波トロッカーシステムにおいて、
前記超音波トロッカーシステムは、中心軸に小径の貫通孔を備え、
体壁に穿刺する針状部材を有し、針状部材はバルーンおよびバルーンを拡張・収縮する手段を備え、
前記バルーンを拡張した後、前記超音波トロッカーシステムを前記針状部材に沿って穿刺することを特徴とした超音波トロッカーシステムおよびその穿刺方法。
(付記項5) トロッカー外套管と、
超音波トロッカー内針と、
針状部材と
を有するトロッカー穿刺システムにおいて、
針状部材はバルーンおよびバルーンを拡張・収縮する手段を備え、
針状部材を体壁に穿刺し、針状部材のバルーンを拡張し、
前記バルーンに向かって、前記超音波トロッカー内針と前記トロッカー外套管とを組み合わせたトロッカーユニットを穿刺させることを特徴としたトロッカーシステムおよびその穿刺方法。
(付記項6) 付記項3において、
前記針状部材は、気腹針である。
(付記項7) 付記項3において、
前記針状部材は、体腔内にガスを導入する機能および安全穿刺機構を備える。
(付記項8) 付記項3において、
前記針状部材の全長は、超音波トロッカーシステム全長より長い。
(付記項9) 付記項3において、
前記針状部材は、外周面に従順部材を備えている。
(付記項10) 付記項3において、
前記針状部材の手持部は、体壁導入部から挿脱可能である。
【0083】
(付記項11) 軸方向に沿って貫通孔を備えた超音波振動可能なプローブと、このプローブが内挿されたトロッカー外套管とを備えた超音波トロッカーシステムのトロッカー外套管を被検体壁に留置する留置方法であって、
被検体壁に針状部材を穿刺し、
超音波トロッカー外套管に内挿された状態の超音波振動可能なプローブの先端部で前記貫通孔に前記針状部材の基端部側から先端部側に向かって順次内挿し、
前記針状部材をプローブの貫通孔から抜去し、
前記トロッカー外套管を体壁に留置し、
前記プローブをトロッカー外套管から抜去する。
(付記項12) 前記超音波トロッカー外套管に内挿された状態の超音波振動可能なプローブの先端部で前記貫通孔に前記針状部材の基端部側から先端部側に向かって順次内挿した後、
前記プローブの先端を被検体壁に当接させた状態で前記プローブを超音波振動させて被検体壁を拡張穿刺することを特徴とする付記項11に記載のトロッカー外套管の留置方法。
【0084】
(付記項13) 軸方向に沿って貫通孔を備えた超音波振動可能なプローブと、このプローブが内挿されたトロッカー外套管とを備えた超音波トロッカーシステムのトロッカー外套管を被検体壁に留置する留置方法であって、
被検体壁に針状部材を穿刺し、
針状部材の先端からバルーンを拡張し、
超音波トロッカー外套管に内挿された状態の超音波振動可能なプローブの先端部で前記貫通孔に前記針状部材の基端部側から先端部側に向かって順次内挿し、針状部材の先端のバルーンを収縮させ、
前記針状部材をプローブの貫通孔から抜去し、
前記トロッカー外套管を体壁に留置し、
前記プローブをトロッカー外套管から抜去する。
(付記項14) 超音波トロッカー外套管に内挿された状態の超音波振動可能なプローブの先端部で前記貫通孔に前記針状部材の基端部側から先端部側に向かって順次内挿した後、
前記プローブの先端を被検体壁に当接させた状態で前記プローブを超音波振動させて被検体壁を拡張穿刺することを特徴とする付記項13に記載のトロッカー外套管の留置方法。
【0085】
(付記項15) 円筒状に形成され、超音波振動を発生させる超音波振動子と、
この超音波振動子の円筒の内孔と同軸上に形成されているとともにこの内孔に連通した貫通孔を備え、前記超音波振動子で発生させた超音波振動を伝達するプローブと、
このプローブが内挿されて着脱自在に組み付けられ、体壁の前記穿刺孔に留置されるトロッカー外套管と、
体壁に穿刺されて穿刺孔を形成した状態で前記プローブの貫通孔および前記超音波振動子の円筒の内孔に順次内挿される針状部材と
を具備することを特徴とする超音波トロッカーシステム。
(付記項16) 前記針状部材の全長は、前記超音波振動子とプローブとを合わせた長さよりも長く形成されていることを特徴とする付記項15に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項17) 前記針状部材は、前記体壁に対して安全に穿刺する安全穿刺機構を有することを特徴とする付記項15もしくは付記項16に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項18) 前記針状部材の安全穿刺機構は、その先端側に拡張可能なバルーンを備えていることを特徴とする付記項17に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項19) 前記バルーンは、高分子樹脂材で形成されていることを特徴とする付記項18に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項20) 前記高分子樹脂材は、滑り性が高いゴム材であることを特徴とする付記項19に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項21) 前記ゴム材は、シリコーンゴム材であることを特徴とする付記項20に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項22) 前記トロッカー外套管とプローブとの間には、前記穿刺孔を拡張するダイレータが介挿されていることを特徴とする付記項15ないし付記項21のいずれか1に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項23) 前記ダイレータと前記プローブとの間には、前記プローブの外周をカバーするシースが介挿されていることを特徴とする付記項22に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項24) 前記貫通孔は、中心軸上に形成されていることを特徴とする付記項15に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項25) 前記針状部材の安全穿刺機構は、体壁に対して挿入可能な長さ位置に指標が設けられていることを特徴とする付記項17に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項26) 前記針状部材の安全穿刺機構は、針状部材の外周面に従順部材が配設されていることを特徴とする付記項17もしくは付記項25に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項27) 前記従順部材は、高分子樹脂材で形成されていることを特徴とする付記項26に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項28) 前記高分子樹脂材は、PTFE材であることを特徴とする付記項27に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項29) 前記針状部材の安全穿刺機構は、針状部材の基端部側に手持部を備えていることを特徴とする付記項17に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項30) 前記手持部は、前記針状部材にネジ留めされていることを特徴とする付記項29に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項31) 前記手持部は、その外周面に滑り止めが形成されていることを特徴とする付記項29もしくは付記項30に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項32) 前記滑り止めは、溝状に形成されていることを特徴とする付記項31に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項33) 前記針状部材は、中心軸に貫通孔を備えていることを特徴とする付記項15に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項34) 前記針状部材の基端部には、活栓が設けられていることを特徴とする付記項33に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項35) 前記活栓は、前記バルーンを拡縮する気体導入抜取手段を備えていることを特徴とする付記項18に記載の超音波トロッカーシステム。
【0086】
(付記項36) 前記気体導入抜取手段は、シリンジであることを特徴とする付記項35に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項37) 前記プローブの先端は、先細り形状の穿刺針が形成されていることを特徴とする付記項15ないし付記項36のいずれか1に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項38) 前記穿刺針は、先端が鈍形状に形成されていることを特徴とする付記項37に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項39) 前記穿刺針は、円錐台状に形成されていることを特徴とする付記項37もしくは付記項38に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項40) 前記穿刺針は、三角錐台状に形成されていることを特徴とする付記項37もしくは付記項38に記載の超音波トロッカーシステム。
(付記項41) 前記穿刺針は、四角錐台状に形成されていることを特徴とする付記項37もしくは付記項38に記載の超音波トロッカーシステム。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、侵襲を少なくして術後治癒を早くし、美容上傷跡が残ることを抑制することができるトロッカーシステムと超音波トロッカーシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる超音波トロッカーシステムの概略図。
【図2】第1の実施の形態に係わる超音波トロッカーシステムにおけるハンドピースユニットの概略的な分解図。
【図3】(A)は第1の実施の形態に係わる超音波トロッカーシステムにおける超音波トロッカー内針の概略的な斜視図、(B)は(A)に示す超音波トロッカー内針の先端部側の概略的な断面図。
【図4】第1の実施の形態に係わる超音波トロッカーシステムにおいて、体壁に穿刺した状態の気腹針を示す概略的な斜視図。
【図5】第1の実施の形態に係わる超音波トロッカーシステムにおける気腹針の先端部を示す概略的な断面図。
【図6】第1の実施の形態に係わる超音波トロッカーシステムの作用を示すもので、(A)は気腹針を体壁に穿刺した状態を示す概略図、(B)は体壁に穿刺した気腹針をハンドピースで覆ってハンドピースの先端部を体壁に対して当接させる状態を示す概略図、(C)はハンドピースのプローブを体壁に穿刺し、ダイレータの先端を体壁に当接させた状態を示す概略図。
【図7】第1の実施の形態に係わる超音波トロッカーシステムの作用を示すもので、(A)は気腹針および内針を抜去した後、ガイド部材の先端と臓器との間の距離を調節する状態を示す概略図、(B)はガイド部材に沿ってダイレータで穿刺孔を拡張させる状態を示す概略図、(C)は所望の位置にトロッカー外套管を配置した後、ダイレータとガイド部材との組み付けユニットを抜去した状態を示す外略図。
【図8】第2の実施の形態に係わる超音波トロッカーシステムにおける気腹針の概略的な斜視図。
【図9】第2の実施の形態に係わる超音波トロッカーシステムにおける気腹針の円筒状部材の内部構成を示す要部の縦断面図。
【図10】第3の実施の形態に係わる超音波トロッカーシステムにおいて、(A)は気腹針の側面図、(B)は気腹針の上面図。
【図11】第4の実施の形態に係わる超音波トロッカーシステムにおける気腹針の先端からバルーンを膨出させた状態を示す要部の縦断面図。
【符号の説明】
2…ハンドピースユニット、3…超音波トロッカー内針、30a…ランジュバン型超音波振動子、30…ホルダー、31…ロック機構部、32…圧電素子、33…ホーン、34…リード線、35…プローブ、36…穿刺針、37…貫通孔、40a…接続ケーブル
Claims (7)
- トロッカー内針と、患者に穿刺されて留置されるトロッカー外套管とが前記トロッカー内針が前記トロッカー外套管に対して内挿される状態に着脱自在に組み合わされて穿刺ユニットが形成され、
前記トロッカー内針がトロッカー外套管と一体的に組み合わされた状態で患者の体壁に穿刺されて前記外套管が留置されるトロッカーシステムにおいて、
前記穿刺ユニットのトロッカー内針には、その軸心部に前記トロッカー内針の軸方向に沿って貫通孔が形成され、
前記貫通孔には、体壁に穿刺孔を形成するとともに体壁に穿刺した状態で体腔内に気腹ガスを導入する針状部材が前記貫通孔を通して前記トロッカー内針の先端側から基端側に向かって挿通可能であり、
前記針状部材で体壁に穿刺孔を形成した後、前記針状部材を体壁に穿刺した状態で気腹ガスを体内に充満させて体腔を確保し、前記針状部材を体壁に穿刺した状態を維持して前記針状部材をガイドとして前記針状部材の基端側を前記トロッカー内針の先端側から基端側に向かって前記貫通孔を通して挿通させていくとともに、前記針状部材よりも径が大きい前記トロッカー内針で前記穿刺孔を拡張して前記トロッカー外套管を体壁に留置するようにしたことを特徴とするトロッカーシステム。 - 前記トロッカー内針の基端には超音波振動子が配設され、
前記針状部材の外周には前記トロッカー内針との間の摩擦を低減させる被覆部材が被覆されていることを特徴とする請求項1に記載のトロッカーシステム。 - 前記超音波振動子は前記トロッカー内針に連通する内孔を有する筒状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のトロッカーシステム。
- 前記針状部材の全長は、前記穿刺ユニットの全長よりも長く形成されていることを特徴とする請求項1もしくは請求項3に記載のトロッカーシステム。
- 前記針状部材は、その先端側に腔を確保するための拡張可能なバルーンを備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1に記載のトロッカーシステム。
- 体壁に穿刺孔を形成する針状部材と、
この針状部材の先端部側に配設された拡縮可能なバルーンと、
この針状部材の基端側から先端側に向かって内挿可能な筒状に形成され、超音波振動を発生させる超音波振動子と、
この超音波振動子の筒状の内孔と同軸上に形成されて連通した貫通孔を備え、前記針状部材の基端部をその先端部側から前記貫通孔に内挿させるとともに、前記超音波振動子で発生させた超音波振動を伝達して体壁の穿刺孔を拡張するプローブと、
このプローブが内挿され、体壁の前記穿刺孔に留置されるトロッカー外套管と
を備え、
前記針状部材を前記被検体壁に穿刺して前記バルーンを拡張させて腹腔内にバルーンを介在させた空間を形成した後、前記針状部材の基端部から前記プローブおよび超音波振動子のそれぞれ貫通孔および内孔に順次内挿し、前記針状部材に沿って前記プローブを被検体壁に挿入させて前記トロッカー外套管を被検体壁に留置させることを特徴とする超音波トロッカーシステム。 - 体壁に穿刺孔を形成するとともに体壁に穿刺した状態で体腔内に気腹ガスを導入する針状部材と、
超音波振動を発生させるための超音波振動子と、
中心軸に貫通孔を有し、前記超音波振動子で発生させた超音波振動を基端から先端に向かって伝達するプローブと、
前記プローブが着脱可能に内挿され、体壁の穿刺孔に留置されるトロッカー外套管と
を具備し、
前記プローブは、前記針状部材を体壁に穿刺した状態を維持した状態で、前記針状部材をガイドとして前記針状部材の基端側を前記プローブの先端側から基端側に向かって前記貫通孔を通して挿通させていくとともに、前記針状部材で形成した体壁の穿刺孔を拡張するようにしたことを特徴とする超音波トロッカーシステム。
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