JP4301284B2 - 車両のカウルトップ排水構造 - Google Patents
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Description
このような構造の一例としては、以下の特許文献1の技術が挙げられる。この特許文献1の技術では、同文献の第2図および第3図等に示されるように、カウルトップインナパネル(7)において、自動車(1)の中央部分(7e)に排水路(12)を形成し、排水を行なうことが出来るようになっている。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、車両の限られたスペースを有効活用しながら、適切にカウルトップにおける排水を行なうことが出来る、車両のカウルトップ排水構造を提供することを目的とする。
また、本発明の車両のカウルトップ排水構造は、請求項1または2記載の内容において、該第1カウルトップ部材は、該車両に脱着可能にボルト固定されたことを特徴としている(請求項3)。
また、突出部がテーパ形状で且つ円筒形状であるので、この突出部を挿通穴部へ容易に挿入することが可能となり、さらに、挿通穴部が突出部の下端の外径よりも小さい内径の円形の穴であるので、この挿通穴部に対して突出部を挿入するという簡素な作業で、挿通穴部と突出部との間で隙間が生じることを防ぐことが可能となり、メイン排水路を流れる水が挿通穴部と突出部との間に浸入することを防ぐことが出来る。(請求項2)
また、第1カウルトップ部材は該車両に脱着可能にボルト固定されるので、第1カウルトップ部材の組付け前に取り付けられたサブ排水管路を、第1カウルトップ部材に形成された挿通穴部へ挿通させる組み付け作業性を向上させることが出来る。(請求項3)
また、サブ排水管路に接続されたチューブの一端がエンジンルームの下部に配設されているので、エンジンルーム内部の上方に存する気化燃料が、パイプ部材を通じて第1カウルトップ部材の上方に漏れ出てくる事態を回避することが出来る。(請求項4)
また、これらのアッパフレーム11,11には、スプリングハウス(サスペンション支持部)12,12がそれぞれ設けられている。このスプリングハウス12は、円筒状に形成された部材であって、図示しないサスペンション装置の上部をその内部に収容し且つ支持するものである。
これらのうち中央部15aは車両10の車幅中心C1近傍において車幅方向に略水平に延在して形成された部分である。
また、この第2カウルトップ部材15には中央壁部15jも形成されている。この中央壁部15jは、中央部15aの後端から斜め後上方へ立設した部分であって、ボルト22が挿入されるボルト穴15kが形成されている。
図1に示すように、車両10には、車幅方向に延在し第2カウルトップ部材15上に着脱可能に固定された第1カウルトップ部材16が設けられている。なお、この第1カウルトップ部材16は、艤装デッキとも呼ばれるものである。
なお、第2カウルトップ部材15および第1カウルトップ部材16が、正面視において略M字形となるように成型されているのは、種々の機器(例えば、ブレーキブースタ)の車載位置が図示しないステアリングホイールの車載位置に応じて変更することが求められたされた場合であっても、このエンジンルーム13内の構造を変更する必要がないようにするためである。
また、この中央部16aには、第2カウルトップ部材15に形成された切欠部23に連通する丸穴であるグロメット穴部(挿通穴部)25が形成されている。また、このグロメット穴部25には、後述するグロメット24が挿通されるようになっている。
また、第1カウルトップ部材16には後排水壁部(壁部)16jも形成されている。この後排水壁部16jは、中央部16aの後端から斜め後上方へ立設した部分であって、第2カウルトップ部材15の中央壁部15jと当接するようになっている。また、この後排水壁部16jには、第2カウルトップ部材15の中央壁部15jに形成されたボルト穴15kと連通するボルト穴16kが形成されている。
また、この前排水壁部16mの後面には、図2に示すワイパーモータ(駆動モータ)31を固定するモータ固定部16nが形成されている。このワイパーモータ31は、図示しないワイパー(電装機器)を駆動するためのものである。
そして、この車両10には、グロメット(サブ排水管路)24および延長パイプ(パイプ部材)28が設けられている。
これらのうち、グロメット24は、切欠部23に挿入されることで第2カウルトップ部材15に固定されたラバー製の部品である。また、このグロメット24は、第1カウルトップ部材16の挿通穴部25に下方から挿通され、第1カウルトップ部材16の中央部16a(即ち、メイン排水路30の底部)から上方に突出した管路であって、エンジンルーム13内と連通している。
さらに、図6に示すように、このグロメット24は、その上端の外径d1がその下端の外径d2よりも小さいテーパ形状で且つ円筒形状の突出部24aを有している。また、この突出部24aの下端外径d2は、第1カウルトップ部材16の挿通穴部25の内径d3よりも大きく形成されている。換言すれば、第1カウルトップ部材16の挿通穴部25の内径d3は、突出部24aの下端外径d2よりも小さく且つ上端外径d3よりも大きい径となるように形成されている。
また、溝部24cには、図5に示す切欠部23の周縁が入り込むようになっている。
また、図4に示すように、このグロメット24内には、グロメット24内に比較的大きなゴミ等が流入することを防ぐべく、グロメット24の開口を4つに区分する十字形のゴミ止め24eが設けられている。
図3中矢印F1,F2,F3で示すように、第1カウルトップ部材16上に流れ込んだ水は、通常、メイン排水路30を通じて車両10の両側へ排水される。
そして、メイン排水路30を通じた側方への排水量が十分でなくなった場合には、図6中矢印F4,F4で示すように、グロメット24および延長パイプ28を通じてエンジンルーム13内へ排水される。
また、メイン排水路30内に設けられたグロメット24の上端が、メイン排水路30の後排水壁部16jおよび前排水壁部16mの上端よりも下方であり、且つ、中央部16a(即ち、メイン排水路30の底部)よりも上方に位置しているので、降雨量が非常に多いような場合であっても、後排水壁部16jおよび前排水壁部16mを超えてメイン排水路30から水が溢れる前に、グロメット24および延長パイプ28を通じてエンジンルーム13内へ排水することが可能となる。また、グロメット24の上端が中央部16a(即ち、メイン排水路30の底部)よりも上方に位置しているので、非常用の排水路としてグロメット24および延長パイプ28を使用することが可能となる。
また、この第1カウルトップ部材16が第2カウルトップ部材15上に着脱自在に固定されているので、まずは、第1カウルトップ部材16にワイパーモータ31を固定した上で、この第1カウルトップ部材16を第2カウルトップ部材15上に固定すればよく、ワイパーモータ31の車両搭載性を向上させることも出来る。なお、ここでは、ワイパーモータ31についてのみ説明しているが、当然に、他の機器(例えば、ワイパー機構など)についても第1カウルトップ部材16に組み付けられるので、これらの機器の車両搭載性をも向上させることが出来る。
また、グロメット24の突出部24aがテーパ形状で且つ円筒形状であるので、この突出部24aを第1カウルトップ部材16に形成されたグロメット穴部25へ容易に挿入することが可能となり、第2カウルトップ部材15に対する第1カウルトップ部材16の組み付け作業性を向上させることが出来る。
なお、メイン排水路30を通じた側方への排水量が十分でなくなる場合の例としては、降雨量が比較的多くなった場合が一般的であるが、車両10が傾いた状態で駐車されたような場合も想定し得る。この点、図7〜図12を主に用いて説明する。
しかしながら、この中央部16aにはグロメット24が設けられ、また、このグロメット24の上端(即ち、突出部24aの上端)の高さがワイパーモータ31の下端よりも低く設定されているので、水位がワイパーモータ31に達する以前に、グロメット24を通じてエンジンルーム13内への排水を行なうことが出来る。
このとき、図8および図10を比較すればわかるように、車両10が傾いた状態の方が、左右の隆起部16b,16bと中央部16aとの間に溜まった水とワイパーモータ31との距離Aは短くなる。
さらに、図11に示すように、車両10のロール方向の傾きθが所定の角度θ2(但し、θ1<θ2)である場合に降雨があったとすると、図12に示すように、第1カウルトップ部材16において溜まった水は(図12中符号W参照)、図12中矢印F1で示すように、グロメット24の上端に達するまでもなく、隆起部16bを超えて車両10の左側方へ流れ出る。つまり、この図12に示すように、車両10のロール方向の傾きθが比較的大きくなった場合には、グロメット24を用いた排水を行なう必要がなくなるのである。したがって、このような場合であっても、水位がワイパーモータ31に達する以前に、第1カウルトップ部材16における排水を適切に行なうことが出来る。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが出来る。
13 エンジンルーム
15 第2カウルトップ部材(溶組デッキ)
16 第1カウルトップ部材(艤装デッキ)
16a 中央部(メイン排水路の底部)
16j 後排水壁部(メイン排水路の壁部)
16m 前排水壁部(メイン排水路の壁部)
23 切欠部
24 グロメット(サブ排水管路)
24a 突出部
25 グロメット穴部(挿通穴部)
30 メイン排水路
31 ワイパーモータ(駆動モータ)
Claims (4)
- 車両のフロントウィンドの下端において該車両のエンジンルームの上方に配置され該車両の幅方向に延在する第1カウルトップ部材と、
該第1カウルトップ部材に形成された窪みであって該第1カウルトップ部材の両端に亘って延在し、該車両側方へ排水するメイン排水路と、
該メイン排水路の上方に配置され、電装機器を駆動させる駆動モータと、
該第1カウルトップ部材の中央近傍において該メイン排水路に穿設された挿通穴部と、
該挿通穴部に挿通され該メイン排水路の底部から上方に突出した管路であって該エンジンルーム内と連通するサブ排水管路と、
該車両の幅方向に延在し該第1カウルトップ部材の下に配設された第2カウルトップ部材とを備え、
該サブ排水管路の上端は、該メイン排水路の底部よりも上方で且つ該駆動モータの下端よりも下方に配設されており、
該第2カウルトップ部材には、前方が開口した略U字形の切欠部が形成され、
該サブ排水管路は、該切欠部に挿入されることで該第2カウルトップ部材に固定される
ことを特徴とする、車両のカウルトップ排水構造。 - 該サブ排水管路は、その上端の外径がその下端の外径よりも小さいテーパ形状で且つ円筒形状の突出部を有し、
該挿通穴部は、該突出部の下端の外径よりも小さい内径の円形の穴である
ことを特徴とする、請求項1記載の車両のカウルトップ排水構造。 - 該第1カウルトップ部材は、該車両に脱着可能にボルト固定された
ことを特徴とする、請求項1または2記載の車両のカウルトップ排水構造。 - その一端が該エンジンルームの下部に配設されるとともに他端が該サブ排水管路に接続されたパイプ部材をさらに備える
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のカウルトップ排水構造。
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