JP4395957B2 - エステル化合物およびその用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は4−(2−プロピニル)フェニルメタノールをアルコール部分とするエステル化合物およびそれを有効成分とする有害生物防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(2−プロピニル)フェニルメチルが殺虫活性を有することが知られている。(特開昭61−207361公報)しかしながら、この化合物は実用場面においては十分な防除活性を示すとはいえなかった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、優れた有害生物防除効果を有する化合物を見いだすべく鋭意検討を重ねた結果、下記一般式 化2で示されるエステル化合物がすぐれた有害生物防除活性を有することを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、一般式 化2
【化2】
[式中、Rは水素原子またはC1〜C3アルキル基を表す。]
で示されるエステル化合物(以下、本発明化合物と記す)及びそれを有効成分として含有する有害生物防除剤を提供する。
【0004】
【発明の実施の形態】
本発明において、C1〜C3アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表す。
【0005】
本発明化合物は例えば以下の方法により製造することができる。
(製造法A)
一般式 化3
【化3】
[式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
で示されるカルボン酸化合物またはその反応性誘導体と、一般式 化4
【化4】
で示されるアルコール化合物とを、反応させることにより製造する方法。
該反応は、通常有機溶媒中で行われ、必要に応じて塩基、酸または脱水剤の存在下に行われる。また、必要に応じて反応とともに生成するアルコールを反応系から除去しながら行われる。
反応時間の範囲は通常5分間〜72時間であり、反応温度の範囲は通常−60℃から反応に使用する溶媒の沸点または200℃までの範囲である。
一般式 化3で示されるカルボン酸化合物の反応性誘導体としては、対応する酸ハロゲン化物、酸無水物あるいはC1〜C3アルキルエステル等があげられる。
一般式 化3で示されるカルボン酸化合物またはその反応性誘導体と一般式 化4で示されるアルコール化合物の使用モル比は限定されないが、当モルまたはそれに近い比率で行うのが好ましい。
必要に応じて用いられる塩基としては、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等の3級アミン、ピリジン等の含窒素芳香族化合物、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド等の有機塩基類、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基類があげられる。これらの塩基は組合わせて用いることもできる。酸としては、p−トルエンスルホン酸、硫酸等のプロトン酸類、チタン(IV)フェノキシド等のルイス酸類があげられ、脱水剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド等があげられる。
これらの塩基、酸および脱水剤は、反応に供される一般式 化3で示されるカルボン酸化合物または反応性誘導体の種類により適宜選択され、また、その使用量は反応の形態に応じて適宜選択される。
溶媒としては、トルエン、ヘキサン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、ジメチルスルホキシド等の有機硫黄類及び水等があげられる。これらの溶媒は混合して用いることもできる。
反応終了後の反応液は有機溶媒抽出、濃縮等の通常の後処理操作を行うことにより本発明化合物を得ることができる。該化合物はクロマトグラフィー、蒸留等の操作により精製することもできる。
尚、一般式 化3で示されるカルボン酸化合物またはその反応性誘導体は、J. Chem. Soc. C. 1077 (1970)記載の方法に準じて製造することができる。
【0006】
(製造法B)
一般式 化3で示されるカルボン酸化合物と、一般式 化5
【化5】
[式中、Lは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C1〜C5アルキルスルホニルオキシ基または置換フェニルスルホニルオキシ基を表す。]
で示される化合物とを、有機溶媒中で行われ、必要に応じて塩基の存在下に行われる。
一般式 化3で示されるカルボン酸化合物と一般式 化5で示される化合物の使用モル比は限定されないが、当モルまたはそれに近い比率で行うのが好ましい。
必要に応じて用いられる塩基としては、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等の3級アミン、ピリジン等の含窒素芳香族化合物、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド等の有機塩基類、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基類があげられる。これらの塩基は組合わせて用いることもできる。
溶媒としては、トルエン、ヘキサン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、ジメチルスルホキシド等の有機硫黄類及び水等があげられる。これらの溶媒は混合して用いることもできる。
反応終了後の反応液は有機溶媒抽出、濃縮等の通常の後処理操作を行うことにより本発明化合物を得ることができる。該化合物はクロマトグラフィー、蒸留等の操作により精製することもできる。
一般式 化4で示されるアルコール化合物および一般式 化5で示される化合物は、特開昭61−207361公報に記載の方法に準じて製造することができる。
【0007】
本発明化合物には不斉炭素に基づく光学異性体(R,S)や二重結合に基づく幾何異性体(E,Z)やシクロプロパン環に基づく幾何異性体(シス,トランス)を有するが、本発明には有害生物防除活性を有するすべての光学異性体、幾何異性体およびそれらの混合物が含まれる。
【0008】
一般式 化3で示されるカルボン酸化合物またはその反応性誘導体としては、例えば下記の化合物があげられる。
トランス−3−ビニル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸
トランス−3−((E)−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸
トランス−3−((Z)−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸
シス−3−((E)−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸
シス−3−((Z)−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸
トランス−3−((Z)−1−ブテニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸
トランス−3−((Z)−1−ペンテニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸
トランス−3−((Z)−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸塩化物
トランス−3−((Z)−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸無水物
トランス−3−((Z)−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メチル
【0009】
一般式 化4で示されるアルコール化合物または一般式 化5で示される化合物としては、例えば下記の化合物があげられる。
1,2,4,5−テトラフルオロ−3−ヒドロキシメチル−6−(2−プロピニル)ベンゼン
1−ブロモメチル−2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(2−プロピニル)ベンゼン
1,2,4,5−テトラフルオロ−3−(メチルスルホニルオキシ)メチル−6−(2−プロピニル)ベンゼン
【0010】
本発明化合物が防除効力を発揮する有害生物において、害虫類(有害昆虫類や有害ダニ類)としては、例えば、下記のものがあげられる。
半翅目害虫:ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカ等のウンカ類、ツマグロヨコバイ、タイワンツマグロヨコバイ等のヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、カイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等
鱗翅目害虫:ニカメイガ、コブノメイガ、ノシメコクガ等のメイガ類、ハスモンヨトウ、アワヨトウ、ヨトウガ等のヨトウ類、モンシロチョウ等のシロチョウ類、コカクモンハマキ等のハマキガ類、シンクイガ類、ハモグリガ類、ドクガ類、ウワバ類、カブラヤガ、タマナヤガ等のアグロティス属害虫 (Agrotis spp.)、ヘリコベルパ属害虫 (Helicoverpa spp.)、ヘリオティス属害虫 (Heliothis spp.)、コナガ、イチモンジセセリ、イガ、コイガ等
双翅目害虫:アカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、タネバエ、ヒメイエバエ、タマネギバエ等のハナバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類、ノミバエ類等
鞘翅目害虫:ウエスタンコーンルートワーム、サザンコーンルートワーム等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ、ヒメコガネ等のコガネムシ類、コクゾウムシ、イネミズゾウムシ、ワタミゾウムシ、アズキゾウムシ等のゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ、コクヌストモドキ等のゴミムシダマシ類、イネドロオイムシ、キスジノミハムシ、ウリハムシ等のハムシ類、シバンムシ類、ニジュウヤホシテントウ等のエピラクナ属 (Epilachna spp.)、ヒラタキクイムシ類、ナガシンクイムシ類、カミキリムシ類、アオバアリガタハネカクシ等
網翅目害虫:チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ等
総翅目害虫:ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ、ハナアザミウマ等
膜翅目害虫:アリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類、カブラハバチ等のハバチ類等
直翅目害虫:ケラ、バッタ等
隠翅目害虫:ヒトノミ、ネコノミ等
シラミ目害虫:ヒトジラミ、ケジラミ等
等翅目害虫:ヤマトシロアリ、イエシロアリ等
ダニ類:コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ等のヒョウヒダニ類、ケナガコナダニ、ムギコナダニ等のコナダニ類、チリニクダニ、イエニクダニ、サナアシニクダニ等のニクダニ類、クワガタツメダニ、フトツメダニ等のツメダニ類、ホコリダニ類、マルニクダニ類、イエササラダニ類、ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ等のハダニ類、フタトゲチマダニ等のマダニ類。
また本発明化合物は既存の殺虫、殺ダニ剤に対し抵抗性を有する害虫にも有効である。
【0011】
本発明の有害生物防除剤は、有害生物の致死及び有害生物の忌避等を目的とするものである。
本発明化合物を有害生物防除剤の有効成分として用いる場合は、通常、固体担体、液体担体、ガス状担体、餌と本発明化合物を混合し、必要により界面活性剤、その他の製剤用補助剤を添加することにより、あるいは線香、紙、マット等の基材に含浸することにより、油剤、乳剤、水和剤、水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤、粒剤、粉剤、エアゾール、蚊取り線香・電気蚊取りマット・ノーマット等の加熱蒸散剤、自己燃焼型燻煙剤・化学反応型燻煙剤、多孔セラミック板燻煙剤等の加熱燻煙剤、樹脂蒸散剤・含浸紙蒸散剤等の非加熱蒸散剤、フォッギング等の煙霧剤、ULV剤、毒餌等に製剤して、使用する。
これらの製剤には、有効成分として本発明化合物を、通常、重量比で0.001〜95%含有する。
【0012】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば、粘土類(カオリンクレー、珪藻土、合成含水酸化珪素、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、タルク類、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)等の微粉末あるいは粒状物等があげられ、液体担体としては、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ジメチルスルホキシド、大豆油、綿実油等の植物油等があげられ、ガス状担体、すなわち噴射剤としては、例えば、フロンガス、ブタンガス、LPG(液化石油ガス)、ジメチルエーテル、炭酸ガス等があげられる。
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類およびそのポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、糖アルコール誘導体等があげられる。
固着剤や分散剤等の製剤用補助剤としては、例えば、カゼイン、ゼラチン、多糖類(でんぷん粉、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)等があげられ、安定剤としては、例えば、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)、植物油、鉱物油、界面活性剤、脂肪酸またはそのエステル等があげられる。
蚊取線香の基材としては、例えば、木粉、粕粉等の植物生粉末と、タブ粉、スタ−チ、グルテイン等の結合剤との混合物等があげられる。
電気蚊取マットの基材としては、例えば、コットンリンタ−またはコットンリンタ−とパルプとの混合物のフィブリルを板状に固めたもの等があげられる。
自己燃焼型燻煙剤の基材としては、例えば、硝酸塩、亜硝酸塩、グアニジン塩、塩素酸カリウム、ニトロセルロ−ス、エチルセルロ−ス、木粉などの燃焼発熱剤、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、重クロム酸塩、クロム酸塩などの熱分解刺激剤、硝酸カリウムなどの酸素供給剤、メラミン、小麦デンプンなどの支燃剤、硅藻土などの増量剤、合成糊料などの結合剤等があげられる。
化学反応型燻煙剤の基材としては、例えば、アルカリ金属の硫化物、多硫化物、水硫化物、含水塩、酸化カルシウム等の発熱剤、炭素質物質、炭化鉄、活性白土などの触媒剤、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ポリスチレン、ポリウレタン等の有機発泡剤、天然繊維片、合成繊維片等の充填剤等があげられる。
非加熱蒸散剤の基材としては、例えば、熱可塑性樹脂、濾紙、和紙等があげられる。
毒餌の基材としては、例えば、穀物粉、植物油、糖、結晶セルロース等の餌成分、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアセレチック酸等の酸化防止剤、デヒドロ酢酸等の保存料、トウガラシ末等の誤食防止剤、チーズ香料、タマネギ香料、ピーナッツオイル等の誘引剤等があげられる。
フロアブル剤(水中懸濁剤または水中乳濁剤)の製剤は、一般に1〜75%の化合物を0.5〜15%の分散剤、0.1〜10%の懸濁助剤(例えば、保護コロイドやチクソトロピー性を付与する化合物)、0〜10%の適当な補助剤(例えば、消泡剤、防錆剤、安定化剤、展着剤、浸透助剤、凍結防止剤、防菌剤、防黴剤等)を含む水中で微小に分散させることによって得られる。水の代わりに化合物がほとんど溶解しない油を用いて油中懸濁剤とすることも可能である。
保護コロイドとしては、例えば、ゼラチン、カゼイン、ガム類、セルロースエーテル、ポリビニルアルコール等が用いられる。
チクソトロピー性を付与する化合物としては、例えば、ベントナイト、アルミニウムマグネシウムシリケート、キサンタンガム、ポリアクリル酸等があげられる。
【0013】
このようにして得られる製剤は、そのままであるいは水等で希釈して用いる。
また、他の殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、土壌害虫防除剤、殺菌剤、除草剤、植物生長調節剤、忌避剤、共力剤、肥料、土壌改良剤と混用または併用することもできる。
かかる殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、土壌害虫防除剤としては、例えば、フェニトロチオン[O,O−ジメチルO−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ホスホロチオエート]、フェンチオン[O,O−ジメチルO−(3−メチル−4−(メチルチオ)フェニル)ホスホロチオエート]、ダイアジノン[O,O−ジエチル−O−2−イソプロピル−6−メチルピリミジン−4−イルホスホロチオエート]、クロルピリホス[O,O−ジエチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジルホスホロチオエート]、アセフェート[O,S−ジメチルアセチルホスホラミドチオエート]、メチダチオン[S−2,3−ジヒドロ−5−メトキシ−2−オキソ−1,3,4−チアジアゾール−3−イルメチルO,O−ジメチルホスホロジチオエート]、ジスルホトン[O,O−ジエチルS−2−エチルチオエチルホスホロジチオエート]、ジクロルホス[2,2−ジクロロビニルジメチルホスフェート]、スルプロホス[O−エチルO−4−(メチルチオ)フェニルS−プロピルホスホロジチオエート]、シアノホス[O−4−シアノフェニルO,O−ジメチルホスホロチオエート]、ジメトエート[O,O−ジメチル−S−メチルカルバモイルメチルホスホロジチオエート]、フェントエート[エチル2−ジメトキシホスフィノチオイルチオ(フェニル)アセテート]、マラチオン[ジエチル(ジメトキシホスフィノチオイルチオ)サクシネート]、トリクロルホン[ジメチル2,2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシエチルホスホネート]、アジンホスメチル[S−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン−3−イルメチルO,O−ジメチルホスホロジチオエート]、モノクロトホス[ジメチル−{(E)−1−メチル−2−(メチルカルバモイル)ビニル)ホスフェート]、エチオン[O,O,O’,O’−テトラエチル−S,S’−メチレンビス(ホスホロジチオエート)]等の有機リン系化合物、BPMC(2−sec−ブチルフェニルメチルカーバメート]、ベンフラカルブ[エチル N−{2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ}−N−イソプロピル−β−アラニネート]、プロポキスル[2−イソプロポキシフェニル メチルカーバメート]、カルボスルファン[2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾ[b]フラニル N−ジブチルアミノチオ−N−メチルカーバメート]、カルバリル[1−ナフチル−N−メチルカーバメート]、メソミル[S−メチル−N−(メチルカルバモイルオキシ)チオアセトイミデート]、エチオフェンカルブ[2−(エチルチオメチル)フェニルメチルカーバメート]、アルジカルブ[2−メチル−2−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド O−メチルカルバモイルオキシム]、オキサミル[N,N−ジメチル−2−メチルカルバモイルオキシイミノ−2−(メチルチオ)アセトアミド]、フェノチオカルブ[S−4−フェノキシブチル−N,N−ジメチルチオカーバメート]等のカーバメート系化合物、エトフェンプロックス[2−(4−エトキシフェニル)−2−メチル−1−(3−フェノキシベンジル)オキシプロパン]、フェンバレレート[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート]、エスフェンバレレート[(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (S)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート]、フェンプロパトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート]、シペルメトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、ペルメトリン[3−フェノキシベンジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、シハロトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、デルタメトリン[(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス−3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、シクロプロトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (RS)−2,2−ジクロロ−1−(4−エトキシフェニル)シクロプロパンカルボキシレート]、フルバリネート[α−シアノ−3−フェノキシベンジル N−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−D−バリネート]、ビフェンスリン[2−メチル−3−フェニルベンジル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、ハルフェンプロックス[2−(4−ブロモジフルオロメトキシフェニル)−2−メチル−1−(3−フェノキシベンジル)オキシプロパン]、トラロメトリン[(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス−3−(1,2,2,2−テトラブロモエチル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、シラフルオフェン[(4−エトキシフェニル)−{3−(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)プロピル}ジメチルシラン]、d−フェノトリン[3−フェノキシベンジル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]、シフェノトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]、d−レスメトリン[5−ベンジル−3−フリルメチル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]、アクリナスリン[(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R,3Z)−シス−(2,2−ジメチル−3−{3−オキソ−3−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルオキシ)プロペニル}シクロプロパンカルボキシレート]、シフルトリン[(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、テフルトリン[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、トランスフルスリン[2,3,5,6−テトラフルオロベンジル (1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、テトラメトリン[3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル (1RS)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、アレスリン[(RS)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロペニル)−2−シクロペンテン−1−イル (1RS)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、プラレトリン[(S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテン−1−イル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、エンペントリン[(RS)−1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、イミプロトリン[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)イミダゾリジン−1−イルメチル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、d−フラメトリン[5−(2−プロピニル)フルフリル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、5−(2−プロピニル)フルフリル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート等のピレスロイド化合物、ブプロフェジン[2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジン−4−オン]等のチアジアジン誘導体、ニトロイミダゾリジン誘導体、カルタップ[S,S’−(2−ジメチルアミノトリメチレン)ビス(チオカーバメート)]、チオシクラム[N,N−ジメチル−1,2,3−トリチアン−5−イルアミン]、ベンスルタップ[S,S’−2−ジメチルアミノトリメチレンジ(ベンゼンチオスルフォネート)]等のネライストキシン誘導体、N−シアノ−N’−メチル−N’−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)アセトアミジン等のN−シアノアミジン誘導体、エンドスルファン[6,7,8,9,10,10−ヘキサクロロ−1,5,5a,6,9,9a−ヘキサヒドロ−6,9−メタノ−2,4,3−ベンゾジオキサチエピン−3−オキサイド]、γ−BHC[1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサン]、ジコホル[1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタノ−ル]等の塩素化炭化水素化合物、クロルフルアズロン[1−{3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニル}−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア]、テフルベンズロン[1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア]、フルフェノクスロン[1−{4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−2−フルオロフェニル}−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア]等のベンゾイルフェニルウレア系化合物、アミトラズ[N−メチル−ビス(2,4−キシリミノメチル)アミン]等のホルムアミジン誘導体、ジアフェンチウロン[N−(2,6−ジイソプロピル−4−フェノキシフェニル)−N’−t−ブチルチオウレア]等のチオ尿素誘導体、N−フェニルピラゾール系化合物、メトキサジアゾン[5−メトキシ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−(3H)−オン]、ブロモプロピレート[イソプロピル4,4’−ジブロモベンジレート]、テトラジホン[4−クロロフェニル 2,4,5−トリクロロフェニルスルホン]、キノメチオネート[S,S−6−メチルキノキサリン−2,3−ジイルジチオカルボネート]、プロパルギット[2−(4−tert−ブチルフェノキシ)シクロヘキシルプロピ−2−イルスルファイト]、フェンブタティンオキシド[ビス{トリス(2−メチル−2−フェニルプロピル)ティン}オキシド]、ヘキシチアゾクス[(4RS,5RS)−5−(4−クロロフェニル)−N−シクロヘキシル−4−メチル−2−オキソ−1,3−チアゾリジン−3−カルボキサミド]、クロフェンテジン[3,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン]、ピリダベン[2−tert−ブチル−5−(4−tert−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン−3(2H)−オン]、フェンピロキシメート[tert−ブチル (E)−4−[(1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾール−4−イル)メチレンアミノ−オキシメチル]ベンゾエート]、テブフェンピラド[N−4−tert−ブチルベンジル)−4−クロロ−3−エチル−1−メチル−5−ピラゾールカルボキサミド]、ポリナクチンコンプレックス[テトラナクチン、ジナクチン、トリナクチン]、ピリミジフェン[5−クロロ−N−[2−{4−(2−エトキシエチル)−2,3−ジメチルフェノキシ}エチル]−6−エチルピリミジン−4−アミン]、ミルベメクチン、アバメクチン、イバーメクチン、アザジラクチン[AZAD]等があげられ、忌避剤としては、例えば3,4−カランジオール、N,N−ジエチル−m−トルアミド、2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボン酸1−メチルプロピル、p−メンタン−3,8−ジオール、ヒソップ油等の植物精油等があげられ、共力剤としては、例えばビス(2,3,3,3−テトラクロロプロピル)エーテル(S−421)、N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(MGK−264)、α−[2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ]−4,5−メチレンジオキシ−2−プロピルトルエン(ピペロニルブトキシド)等があげられる。
【0014】
本発明化合物を農業用有害生物防除剤の有効成分として用いる場合、その施用量は10アールあたり通常5〜500gであり、乳剤、水和剤、フロアブル剤等を水で希釈して施用する場合、その施用濃度は通常0.1〜1000ppmであり、粒剤、粉剤、樹脂製剤等は何ら希釈することなく、製剤のままで施用する。また、家庭・防疫用または動物用有害生物防除剤の有効成分として用いる場合、乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常水で0.1〜10000ppmに希釈して施用し、油剤、エアゾール、燻蒸剤、燻煙剤、蒸散剤、煙霧剤、ULV剤、毒餌、樹脂製剤等についてはそのまま施用する。
これらの施用量、施用濃度は、いずれも製剤の種類、施用時期、施用場所、施用方法、害虫の種類、被害程度等の状況によって異なり、上記の範囲にかかわることなく増減させることができる。
【0015】
【実施例】
以下、製造例および試験例をあげて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
まず、本発明化合物の製造例を示す。なお、本発明化合物の番号は後記表1に記載のものである。
【0016】
製造例1
1,2,4,5−テトラフルオロ−3−ヒドロキシメチル−6−(2−プロピニル)ベンゼン0.19g、トリフルオロメチルベンゼン10ml、ピリジン0.22g、ジメチルアミノピリジン0.01gの混合物に攪拌下、(1R)−トランス−3−((Z)−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸塩化物0.22gを加えた。2時間後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注加し、これをtert−ブチルメチルエーテルで抽出した。該有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=50/1)に付し、(1R)−トランス−3−((Z)−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(2−プロピニル)フェニルメチル0.19g(本発明化合物5)(収率:51%)を得た。
【0017】
一般式 化2で示される本発明化合物の例を化合物番号とともに、表1に示すが本発明化合物はこれらの例に限定されない。
尚、表1において、酸成分の立体配置とは、一般式 化2のシクロプロパン環における1位の立体配置、一般式 化2のシクロプロパン環における1位の置換基に対する3位の置換基の相対的立体配置および一般式 化3のシクロプロパン環の3位の置換基の二重結合の立体配置を意味する。
【0018】
【表1】
【0019】
次に、本発明化合物の物性値につき、以下に示す。
本発明化合物6 1H−NMR(CDCl3,TMS基準,単位:δはppm、JはHz)δ1.14(3H,s),1.28(3H,s),1.45(1H,d,J=5.4),1.70(3H,dd,J=6.9,1.5),2.06(1H,t,J=2.8),2.18(1H,dd,J=8.3,5.4),3.64(2H,m),5.11(1H,ddd,J=11.6,8.3,1.5),5.23(2H,s),5.59(1H,dd,J=11.6,6.9)
【0020】
次に製剤例を示す。なお、部は重量部を表し、本発明化合物は表1の化合物番号で示す。
【0021】
製剤例1 乳剤
本発明化合物1〜14の各々10部を、キシレン35部およびジメチルホルムアミド35部に溶解し、これにポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル14部およびドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部を加え、よく攪拌混合して各々の10%乳剤を得る。
製剤例2 水和剤
本発明化合物1〜14の各々20部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪素土54部を混合した中に加え、ジュースミキサーで攪拌混合して各々の20%水和剤を得る。
製剤例3 粒剤
本発明化合物1〜14の各々5部に、合成含水酸化珪素微粉末5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、ベントナイト30部およびクレー55部を加え充分攪拌混合する。ついで、これらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、造粒機で製粒し、通風乾燥して各々の5%粒剤を得る。
製剤例4 粉剤
本発明化合物1〜14の各々1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP 0.3部およびクレー93.7部を加え、ジュースミキサーで攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
製剤例5 フロアブル剤
本発明化合物1〜14の各々10部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部、及び水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより各々の10%フロアブル剤を得る。
製剤例7 油剤
本発明化合物1〜14の各々0.1部をトリクロロエタン10部に溶解し、これを脱臭灯油89.9部に混合して各々の0.1%油剤を得る。
【0022】
製剤例8 油性エアゾール
本発明化合物1〜14の各々1部、ジクロロメタン5部および脱臭灯油34部を混合溶解し、エアゾール容器に充填し、該容器にバルブ部分を取り付けた後、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)60部を加圧充填して各々の油性エアゾールを得る。
製剤例9 水性エアゾール
本発明化合物1〜14の各々0.6部、キシレン5部、脱臭灯油3.4部および乳化剤{アトモス300(アトラスケミカル社登録商標名)}1部を混合溶解したものと純水50部とをエアゾール容器に充填し、該容器にバルブ部分を取り付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)40部を加圧充填して各々の水性エアゾールを得る。
製剤例10 線香
本発明化合物1〜14の各々0.5gのアセトン溶液を、線香の基材(タブ粉:粕粉:木粉を4:3:3の割合で混合し、均一に攪拌混合した線香担体99.5gに水120mlを加え、充分練り合わせたものを成型乾燥したもの)に含浸させて、該基材を風乾し、殺虫・殺ダニ用線香を得る。
製剤例11 電気蚊取りマット
本発明化合物1〜14の各々0.8g、ピペロニルブトキサイド0.4gにアセトンを加えて溶解し、トータルで10mlとする。この溶液0.5mlを2.5cm×1.5cm、厚さ0.3cmの電気マット用基材(コットンリンターとパルプの混合物のフィブリルを板状に固めたもの)に均一に含浸させて各々の電気蚊取りマット剤を得る。
製剤例12 液体電気蚊取り
本発明化合物1〜14の各々3部を脱臭灯油97部に溶解して、塩化ビニル製容器に入れ、上部をヒーターで加熱できるようにした吸液芯(無機粉体をバインダーで固め、焼結したもの)を挿入することにより各々の液体電気蚊取りを得る。
製剤例13 ファン式防虫装置用の防虫材
0.5cm×69cm×0.5cmのハニカム構造の紙細工片を一方の端から巻いて、直径5.5cm、幅0.5cmの渦巻状材を作成する。本発明化合物1〜14の各々150mgを適量のアセトンに溶解し、該渦巻状材に含浸させた後、アセトンを風乾し、防虫材を製作する。このように製作した防虫材は、下方に電動ファンが設置してある内径6.5cm、長さ8cmの金属円筒上部に設置して使用する。
製剤例14 常温揮散剤
本発明化合物1〜14の各々1mgを適量のアセトンに溶解し、折り畳み可能な紙製の穴を多数有する筒状材に含浸させた後、アセトンを風乾する。7.3cm×6.5cmの厚紙を該筒状材を挟み込むように接着し、常温揮散剤を得る。
製剤例13 加熱燻煙剤
本発明化合物1〜14の各々100mgを適量のアセトンに溶解し、4.0cm×4.0cm、厚さ1.2cmの多孔セラミック板に含浸させて各々の加熱燻煙剤を得る。
製剤例15 毒餌
本発明化合物1〜14の各々10mgをアセトン0.5mlに溶解し、この溶液を動物用固形飼料粉末(飼育繁殖用固形飼料粉夫CE−2、日本クレア株式会社商品名)5gに処理し均一に混合する。ついでアセトンを風乾し各々の0.2%毒餌を得る。
【0023】
製剤例16 防ダニシート
本発明化合物1〜14の各々を適量のアセトンに溶解し、不織布に1m2当たり1gとなるように滴下含浸し、アセトンを風乾して各々の防ダニシートを得る。
製剤例17 マイクロカプセル剤
本発明化合物1〜14の各々10部、フェニルキシリルエタン10部およびスミジュールL−75(住友バイエルウレタン社製トリレンジイソシアネート)0.5部を混合した後、アラビアガムの10%水溶液20部中に加え、ホモミキサーで攪拌して、平均粒径20μmのエマルションを得る。次に、これにエチレングリコール2部を加え、さらに60℃の温浴中で24時間反応させてマイクロカプセルスリラーを得る。一方、ザンサンガム0.2部、ビーガムR(三洋化成製アルミニウムマグネシウムシリケート)1.0部をイオン交換水56.3部に分散させて増粘剤溶液を得る。
上記マイクロカプセルスリラー42.5部および増粘剤溶液57.5部を混合して、10%マイクロカプセル剤を得る。
【0024】
次に、本発明化合物が有害生物防除剤の有効成分として有用であることを試験例で示す。なお、本発明化合物は表1に記載の化合物番号で示した。また、対照化合物として、特開昭61−207361公報に記載してある化合物の一方の立体異性体の(1R)−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(2−プロピニル)フェニルメチル(以下、対照化合物Aと記す)を用いた。
【0025】
試験例1 蚊に対する蒸散試験
本発明化合物5および対照化合物Aを各々アセトンで所定濃度に希釈し、その希釈液0.64mlを底部の直径7cmのアルミニウム皿に滴下し、アセトンを風乾した。ポリエチレンカップ(直径9cm、高さ4.5cm)内にアカイエカ雌成虫10頭を放ち、その上部に虫が直接に薬剤処理面に触れないようにナイロンネットをした。このカップをさかさまにし、上記アルミニウム皿の上にのせた。25℃で60分経過後、ノックダウンしたアカイエカを数えノックダウン率を求めた(2反復)。結果を表2に示す。
尚、表2における処理量とは、本発明化合物あるいは対照化合物の薬剤処理面上における単位面積当たりの重量である。
【表2】
試験例2 ハエに対する蒸散試験
試験例1のアカイエカ雌成虫にかえて、イエバエ雌成虫を用いて、同様の試験を行った。結果を表3に示す。
【表3】
【0026】
【発明の効果】
本発明化合物を用いることにより、優れた有害生物防除効果が得られる。
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